JP2005150607A - ベース及び半導体装置用パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】 二枚の銅板の間に金属ろう材を介してモリブデン板を挟み込んだベースの一面側に、パッケージ本体を金属ろう材で固着しても、パッケージ本体とベースとの接合部に形成された金属ろう材から成るメニスカス部に微小穴が形成され難いベースを提供する。
【解決手段】 二枚の銅板42a,46bの間にモリブデン板44が挟み込まれて形成された、パッケージ本体10が搭載されるベース40において、該モリブデン板44として、その周面の全面を覆うニッケルめっき皮膜がニッケルーリンめっき皮膜によって覆われていると共に、パッケージ本体10と実質的に同一の大きさに形成されたモリブデン板44が用いられ、モリブデン板44が、パッケージ本体10が搭載される搭載面側で且つパッケージ本体10と実質的に同一の大きさに形成された銅板42aと他方の銅板42bとの間に、モリブデン板44及び銅板42a,42bの各端面が露出するように、金属ろう材によって接合されて一体化されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 二枚の銅板42a,46bの間にモリブデン板44が挟み込まれて形成された、パッケージ本体10が搭載されるベース40において、該モリブデン板44として、その周面の全面を覆うニッケルめっき皮膜がニッケルーリンめっき皮膜によって覆われていると共に、パッケージ本体10と実質的に同一の大きさに形成されたモリブデン板44が用いられ、モリブデン板44が、パッケージ本体10が搭載される搭載面側で且つパッケージ本体10と実質的に同一の大きさに形成された銅板42aと他方の銅板42bとの間に、モリブデン板44及び銅板42a,42bの各端面が露出するように、金属ろう材によって接合されて一体化されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明はベース及び半導体装置用パッケージに関し、更に詳細には二枚の銅板の間にモリブデン板が挟み込まれて形成された、半導体装置用のパッケージ本体が搭載されるベース、及び前記ベースを用いた半導体装置用パッケージに関する。
下記特許文献1には、図5(a)(b)に示す半導体装置用パッケージが提案されている。この半導体装置用パッケージを構成する、コバール(Fe-Ni-Co合金)等の金属から成る矩形状のパッケージ本体10には、搭載された半導体素子の端子と電気的に接続されるリード12,12・・の端部が固着されたセラミック製の端子14が、パッケージ本体10の平坦な側壁の上部に形成された切欠部16内に装着されている。
かかるパッケージ本体10は、その上端にはシールリング18が固着されていると共に、パッケージ本体10の下端はベース100の一面側に銀ろう材等の金属ろう材によって固着されている。
この半導体装置用パッケージは、ベース100を形成する銅板100cに形成されたネジ孔102,102・・の各々に挿通されネジ22によって基板20に螺着される。
この様に、基板20に固着される図5(a)(b)に示す半導体装置用パッケージのベース100としては、基板20とパッケージ本体10との熱膨張率の相異に起因するクラックの発生を防止すべく、モリブデン板100aが二枚の銅板100b,100cの間に挟まれて一体化された複合ベースが用いられている。
かかるパッケージ本体10は、その上端にはシールリング18が固着されていると共に、パッケージ本体10の下端はベース100の一面側に銀ろう材等の金属ろう材によって固着されている。
この半導体装置用パッケージは、ベース100を形成する銅板100cに形成されたネジ孔102,102・・の各々に挿通されネジ22によって基板20に螺着される。
この様に、基板20に固着される図5(a)(b)に示す半導体装置用パッケージのベース100としては、基板20とパッケージ本体10との熱膨張率の相異に起因するクラックの発生を防止すべく、モリブデン板100aが二枚の銅板100b,100cの間に挟まれて一体化された複合ベースが用いられている。
かかるベース100を構成するモリブデン板100a及びパッケージ本体10と当接する銅板100bは、パッケージ本体10と略同一の大きさに形成されている。このため、モリブデン板100a及び銅板100b,100cは、その各端面が露出している。
このベース100は、その全周に電解めっきで銅めっき皮膜と銀めっき皮膜とを形成したモリブデン板100aを、二枚の銅板100b,100cの間に挟み込み加熱し、銅めっき皮膜と銀めっき皮膜とを溶融して形成される共晶ろう材によって一体化して得ることができる。
特開2001−135760号公報(特許請求の範囲、図3、図4)
このベース100は、その全周に電解めっきで銅めっき皮膜と銀めっき皮膜とを形成したモリブデン板100aを、二枚の銅板100b,100cの間に挟み込み加熱し、銅めっき皮膜と銀めっき皮膜とを溶融して形成される共晶ろう材によって一体化して得ることができる。
図5(a)(b)に示す半導体装置パッケージでは、モリブデン板100aが二枚の銅板100b,100cの間に挟まれて一体化されたベース100が用いられているため、基板20とパッケージ本体10との熱膨張率の相異に起因して発生するクラックを防止できる。
しかし、モリブデン板100aは、その周面に形成された銅めっき皮膜と銀めっき皮膜とを溶融して形成される共晶ろう材に濡れ難い特性を有するため、モリブデン板100aと二枚の銅板100b,100cとの間に間隙が形成されることがある。
このため、従来、モリブデン板100aと銅板100b,100cとの接合は、モリブデン板100aの周面の全面に電解めっきによってニッケル皮膜を形成し、溶融した金属ろう材との濡れ性の向上を図っている。
この様に、周面の全面にニッケル皮膜が形成されたモリブデン板100aは、図6に示す様に、金属ろう材としての銀ろう材30,30を介して二枚の銅板100b,100cの間に挟み込み、銀ろう材30,30を溶融してモリブデン板100aと二枚の銅板100b,100cとを一体化し、ベース100を製造する。
しかし、モリブデン板100aは、その周面に形成された銅めっき皮膜と銀めっき皮膜とを溶融して形成される共晶ろう材に濡れ難い特性を有するため、モリブデン板100aと二枚の銅板100b,100cとの間に間隙が形成されることがある。
このため、従来、モリブデン板100aと銅板100b,100cとの接合は、モリブデン板100aの周面の全面に電解めっきによってニッケル皮膜を形成し、溶融した金属ろう材との濡れ性の向上を図っている。
この様に、周面の全面にニッケル皮膜が形成されたモリブデン板100aは、図6に示す様に、金属ろう材としての銀ろう材30,30を介して二枚の銅板100b,100cの間に挟み込み、銀ろう材30,30を溶融してモリブデン板100aと二枚の銅板100b,100cとを一体化し、ベース100を製造する。
ところで、周面の全面にニッケル皮膜が形成されたモリブデン板100aを用いて図6に示す方法で形成したベース100の搭載面に、銀ろう材によってパッケージ本体10を固着すると、パッケージ本体10とベース100との接合部(矢印A)には、図7に示す様に、銀ろう材から成るメニスカス部32aが形成される。
しかしながら、ベース100を用いて得た図5に示す半導体装置用パッケージでは、パッケージ本体10とベース100との接合部に形成されたメニスカス部32aに微小穴が形成され易いことが判明した。メニスカス部32aに微小穴が形成された半導体装置用パッケージは、パッケージ本体10の内部の気密保持性を充分に保証することは極めて困難である。
また、図8に示す様に、セラミック製の端子14が、パッケージ本体10の下部に形成された切欠部16内に挿入されて固着されている半導体装置用パッケージも存在する。
図8に示す半導体装置用パッケージは、図9に示す様に、パッケージ本体10の下部に形成した切欠部16内への端子14の固着とパッケージ本体10との固着とを、パッケージ本体10とベース100との間に配設した銀ろう材32を溶融して同時に行う。
この様にして得られた半導体装置用パッケージには、パッケージ本体10とベース100との接合部(矢印A)及び端子14とベース100との接合部(矢印B)に形成された銀ろう材から成るメニスカス部32aに微小穴が形成され易いことも判明した。
そこで、本発明の課題は、二枚の銅板の間に金属ろう材を介してモリブデン板を挟み込んだベースの一面側に、パッケージ本体を金属ろう材で固着しても、パッケージ本体とベースとの接合部に形成された金属ろう材から成るメニスカス部に微小穴が形成され難いベース及び半導体装置用パッケージを提供することにある。
しかしながら、ベース100を用いて得た図5に示す半導体装置用パッケージでは、パッケージ本体10とベース100との接合部に形成されたメニスカス部32aに微小穴が形成され易いことが判明した。メニスカス部32aに微小穴が形成された半導体装置用パッケージは、パッケージ本体10の内部の気密保持性を充分に保証することは極めて困難である。
また、図8に示す様に、セラミック製の端子14が、パッケージ本体10の下部に形成された切欠部16内に挿入されて固着されている半導体装置用パッケージも存在する。
図8に示す半導体装置用パッケージは、図9に示す様に、パッケージ本体10の下部に形成した切欠部16内への端子14の固着とパッケージ本体10との固着とを、パッケージ本体10とベース100との間に配設した銀ろう材32を溶融して同時に行う。
この様にして得られた半導体装置用パッケージには、パッケージ本体10とベース100との接合部(矢印A)及び端子14とベース100との接合部(矢印B)に形成された銀ろう材から成るメニスカス部32aに微小穴が形成され易いことも判明した。
そこで、本発明の課題は、二枚の銅板の間に金属ろう材を介してモリブデン板を挟み込んだベースの一面側に、パッケージ本体を金属ろう材で固着しても、パッケージ本体とベースとの接合部に形成された金属ろう材から成るメニスカス部に微小穴が形成され難いベース及び半導体装置用パッケージを提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決すべく、先ず、パッケージ本体10を搭載する前のベース100の横断面を電子顕微鏡によって観察したところ、図10(a)に示す如く、銅板100bに付着している銀ろう材30と、モリブデン板100aに形成したニッケルめっき膜34との間隙が形成されている知見が得られた。
更に、パッケージ本体10を銀ろう材30によって接合したベース100の横断面を、電子顕微鏡によって観察したところ、図10(b)に示す如く、図10(a)に示す間隙102に銀ろう材が進入している知見も得られた。
更に、パッケージ本体10を銀ろう材30によって接合したベース100の横断面を、電子顕微鏡によって観察したところ、図10(b)に示す如く、図10(a)に示す間隙102に銀ろう材が進入している知見も得られた。
本発明者等は、かかる知見を基にして種々検討を重ねた結果、モリブデン板として、その周面の全面を覆うニッケルめっき皮膜がニッケルーリンめっき皮膜によって覆われているモリブデン板を用い、このモリブデン板を二枚の銅板の間に金属ろう材を介して挟み込んだベースによれば、銅板に接合した銀ろう材とモリブデン板に形成したニッケルーリンめっき皮膜及びニッケルめっき膜とが密着していることを知り、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、二枚の銅板の間にモリブデン板が挟み込まれて形成された、半導体装置用のパッケージ本体が搭載されるベースにおいて、該モリブデン板として、前記銅板の各々に対応する対向面の全面を覆うニッケルめっき皮膜がニッケルーリンめっき皮膜によって覆われていると共に、前記パッケージ本体と実質的に同一の大きさに形成されたモリブデン板が用いられ、前記モリブデン板が、前記パッケージ本体が搭載される搭載面側で且つ前記パッケージ本体と実質的に同一の大きさに形成された銅板と他方の銅板との間に、前記モリブデン板及び二枚の銅板の各端面が露出するように、金属ろう材によって接合されて一体化されていることを特徴とするベースにある。
また、本発明は、二枚の銅板の間に一枚のモリブデン板が挟み込まれて形成されたベースの一面側に、半導体装置用のパッケージ本体が搭載された半導体装置用パッケージにおいて、該ベースとして、前述したベースが用いられ、前記ベースの搭載面側に、前記パッケージ本体が金属ろう材によって接合されて一体化されていることを特徴とする半導体装置用パッケージでもある。
すなわち、本発明は、二枚の銅板の間にモリブデン板が挟み込まれて形成された、半導体装置用のパッケージ本体が搭載されるベースにおいて、該モリブデン板として、前記銅板の各々に対応する対向面の全面を覆うニッケルめっき皮膜がニッケルーリンめっき皮膜によって覆われていると共に、前記パッケージ本体と実質的に同一の大きさに形成されたモリブデン板が用いられ、前記モリブデン板が、前記パッケージ本体が搭載される搭載面側で且つ前記パッケージ本体と実質的に同一の大きさに形成された銅板と他方の銅板との間に、前記モリブデン板及び二枚の銅板の各端面が露出するように、金属ろう材によって接合されて一体化されていることを特徴とするベースにある。
また、本発明は、二枚の銅板の間に一枚のモリブデン板が挟み込まれて形成されたベースの一面側に、半導体装置用のパッケージ本体が搭載された半導体装置用パッケージにおいて、該ベースとして、前述したベースが用いられ、前記ベースの搭載面側に、前記パッケージ本体が金属ろう材によって接合されて一体化されていることを特徴とする半導体装置用パッケージでもある。
かかる本発明において、モリブデン板として、その周面の全面を覆うニッケルめっき皮膜の全面がニッケルーリンめっき皮膜によって覆われているモリブデン板を用いることが、ベースに用いるモリブデン板の準備を容易に行うことができる。更に、金属ろう材として、銀ろう材を好適に用いることができる。
かかるモリブデン板を挟み込む二枚の銅板のうち、半導体装置用のパッケージ本体を搭載する銅板と共にモリブデン板を挟み込む他方の銅板を、パッケージ本体を搭載する銅板よりも大きな銅板を用いることにより、パッケージ本体が搭載されたベースを基板等に螺着等の固定手段によって容易に固着できる。
また、このパッケージ本体として、矩形状のパッケージ本体を用い、前記パッケージの平坦な側壁に形成した切欠部内にセラミック製の端子を金属ろう材によって接合する場合には、パッケージ本体をベースに接合する金属ろう材によってセラミック製の端子の接合も同時に行うことができる。
かかるモリブデン板を挟み込む二枚の銅板のうち、半導体装置用のパッケージ本体を搭載する銅板と共にモリブデン板を挟み込む他方の銅板を、パッケージ本体を搭載する銅板よりも大きな銅板を用いることにより、パッケージ本体が搭載されたベースを基板等に螺着等の固定手段によって容易に固着できる。
また、このパッケージ本体として、矩形状のパッケージ本体を用い、前記パッケージの平坦な側壁に形成した切欠部内にセラミック製の端子を金属ろう材によって接合する場合には、パッケージ本体をベースに接合する金属ろう材によってセラミック製の端子の接合も同時に行うことができる。
周面の全面にニッケル皮膜が形成されたモリブデン板を、金属ろう材を介して二枚の銅板の間に挟み込んで形成したベースでは、金属ろう材とニッケル皮膜との間に間隙が形成され易い。かかる間隙が形成されたベースでは、モリブデン板及び二枚の銅板の各端面が露出していると共に、モリブデン板及びパッケージ本体が搭載される搭載面側の銅板は、パッケージと実質的に同一の大きさである。
この様に、パッケージ本体の外周面とベースの端面とが実質的に同一面となるように、ベースの搭載面に搭載されたパッケージ本体を金属ろう材によって固着する際に、溶融された金属ろう材(溶融金属ろう材と称することがある)の一部は、図7に示す如く、ベースの端面に沿って流れる。
ここで、モリブデン板と銅板との間に間隙が存在するベースを用いた場合、ベースとパッケージ本体とを金属ろう材を用いて接合する際に、ベースの端面に沿って流れる溶融金属ろう材は、ベースの端面から間隙内に進入する。このため、パッケージ本体とベースとを接合する溶融金属ろう材の量が不足し、パッケージ本体とベースとの接合部で形成されて固化された金属ろう材から成るメニスカス部に微小穴が形成される。
この様に、パッケージ本体の外周面とベースの端面とが実質的に同一面となるように、ベースの搭載面に搭載されたパッケージ本体を金属ろう材によって固着する際に、溶融された金属ろう材(溶融金属ろう材と称することがある)の一部は、図7に示す如く、ベースの端面に沿って流れる。
ここで、モリブデン板と銅板との間に間隙が存在するベースを用いた場合、ベースとパッケージ本体とを金属ろう材を用いて接合する際に、ベースの端面に沿って流れる溶融金属ろう材は、ベースの端面から間隙内に進入する。このため、パッケージ本体とベースとを接合する溶融金属ろう材の量が不足し、パッケージ本体とベースとの接合部で形成されて固化された金属ろう材から成るメニスカス部に微小穴が形成される。
これに対し、本発明に係るベースでは、二枚の銅板の各々に対応する対向面の全面を覆うニッケルめっき皮膜をニッケルーリンめっき皮膜によって覆ったモリブデン板を、二枚の銅板の間に金属ろう材によって接合してベースを形成している。このため、銅板とモリブデン板との間の金属ろう材、ニッケルーリンめっき皮膜及びニッケル皮膜は密着している。
かかる本発明に係るベースの搭載面に、パッケージ本体を搭載して金属ろう材を用いて接合する際に、ベースの端面を流れる溶融金属ろう材は、従来の如く、モリブデン板と銅板との間の間隙に進入することがなく、パッケージ本体とベースとを接合する溶融した金属ろう材を充分に確保できる。このため、パッケージ本体とベースとの接合部には、微小穴のない金属ろう材から成るメニスカス部を形成できる。
この様に、本発明に係る半導体装置用パッケージでは、パッケージ本体とベースとの接合部には、微小穴の存在しない金属ろう材から成るメニスカス部が形成されているため、パッケージ本体の内部を気密に保持でき、最終的に得られる半導体装置の信頼性を向上できる。
かかる本発明に係るベースの搭載面に、パッケージ本体を搭載して金属ろう材を用いて接合する際に、ベースの端面を流れる溶融金属ろう材は、従来の如く、モリブデン板と銅板との間の間隙に進入することがなく、パッケージ本体とベースとを接合する溶融した金属ろう材を充分に確保できる。このため、パッケージ本体とベースとの接合部には、微小穴のない金属ろう材から成るメニスカス部を形成できる。
この様に、本発明に係る半導体装置用パッケージでは、パッケージ本体とベースとの接合部には、微小穴の存在しない金属ろう材から成るメニスカス部が形成されているため、パッケージ本体の内部を気密に保持でき、最終的に得られる半導体装置の信頼性を向上できる。
本発明に係るベースの一例を図1に示す。図1に示すベース40は、二枚の銅板42a,42bの間に一枚のモリブデン板44が挟み込まれて形成されている。かかる二枚の銅板42a,42bのうち、半導体装置用のパッケージ本体10(以下、単にパッケージ本体10と称することがある)が搭載される搭載面側の銅板42aとモリブデン板44の大きさは、搭載されるパッケージ本体10と実質的に同一の大きさである。
一方、銅板42bは、モリブデン板44及び銅板42aよりも大きく、モリブデン板44及び銅板42aの端面から突出する突出部45には、図5又は図8に示す様に、ベース40を基板20に螺着する螺子が挿通される挿通孔等が形成される。
かかる図1に示すベース40では、モリブデン板44及び銅板42a,42bの各端面は露出している。
図1に示すベース40は、図2に示す様に、二枚の銅板42a,42bの間に、金属ろう材としての銀ろう材30,30を介してモリブデン板44を挟み込み、次いで、加熱処理して銀ろう材30,30を溶融した後、放冷して溶融した銀ろう材30,30を固化することによって形成できる。
一方、銅板42bは、モリブデン板44及び銅板42aよりも大きく、モリブデン板44及び銅板42aの端面から突出する突出部45には、図5又は図8に示す様に、ベース40を基板20に螺着する螺子が挿通される挿通孔等が形成される。
かかる図1に示すベース40では、モリブデン板44及び銅板42a,42bの各端面は露出している。
図1に示すベース40は、図2に示す様に、二枚の銅板42a,42bの間に、金属ろう材としての銀ろう材30,30を介してモリブデン板44を挟み込み、次いで、加熱処理して銀ろう材30,30を溶融した後、放冷して溶融した銀ろう材30,30を固化することによって形成できる。
二枚の銅板42a,42bの間に、銀ろう材30,30を介して挟み込まれるモリブデン板44は、図2に示す様に、その周面の全面に形成されたニッケルめっき皮膜46が、ニッケルーリンめっき皮膜48によって覆われている。
かかるめっき皮膜は、モリブデン板44の周面の全面に、電解ニッケルめっきによってニッケルめっき皮膜46を形成する。このニッケルめっき皮膜46の厚さは、0.1〜5μmとすることが好ましい。かかる電解ニッケルめっきは、汎用されている電解ニッケルめっき液を用いることができる。
更に、ニッケルめっき皮膜46の全面に、無電解ニッケルめっきによってニッケルーリンめっき皮膜48を形成する。このニッケルーリンめっき皮膜48の厚さは、1〜5μmとすることが好ましい。かかる無電解ニッケルめっきは、汎用されているリン成分含有の無電解ニッケルめっき液を用いることができる。
かかるめっき皮膜は、モリブデン板44の周面の全面に、電解ニッケルめっきによってニッケルめっき皮膜46を形成する。このニッケルめっき皮膜46の厚さは、0.1〜5μmとすることが好ましい。かかる電解ニッケルめっきは、汎用されている電解ニッケルめっき液を用いることができる。
更に、ニッケルめっき皮膜46の全面に、無電解ニッケルめっきによってニッケルーリンめっき皮膜48を形成する。このニッケルーリンめっき皮膜48の厚さは、1〜5μmとすることが好ましい。かかる無電解ニッケルめっきは、汎用されているリン成分含有の無電解ニッケルめっき液を用いることができる。
この様に、周面の全面に形成されたニッケルめっき皮膜46が、ニッケルーリンめっき皮膜48によって覆われているモリブデン板44を用いて形成した図1に示すベース40では、その横断面を電子顕微鏡によって観察すると、図3に示す様に、銅板42a、ニッケルーリンめっき皮膜48、ニッケルめっき皮膜46及びモリブデン板44が密着しており、間隙は存在しなかった。
かかるベース40の搭載面に、パッケージ本体10の外周面とベース40を構成する銅板42a及びモリブデン板44の端面とが実質的に同一面となるように搭載したパッケージ本体10を、図9に示す様に、銀ろう材32によって固着する際に、溶融された銀ろう材の一部は、図7に示す如く、ベース40の端面に沿って流れる。
かかるベース40の搭載面に、パッケージ本体10の外周面とベース40を構成する銅板42a及びモリブデン板44の端面とが実質的に同一面となるように搭載したパッケージ本体10を、図9に示す様に、銀ろう材32によって固着する際に、溶融された銀ろう材の一部は、図7に示す如く、ベース40の端面に沿って流れる。
しかし、ベース40は、銅板42a、ニッケルーリンめっき皮膜48、ニッケルめっき皮膜46及びモリブデン板44が密着しているため、図5に示すベース100を用いた場合の如く、モリブデン板100aと銅板100bとの間の間隙に溶融された銀ろう材の一部が進入して、パッケージ本体10とベース100とを接合する溶融した銀ろう材の量が不足することを防止できる。
このため、溶融した銀ろう材32を冷却して固化することによって、パッケージ本体10とベース40との接合部に形成された銀ろう材から成るメニスカス部32aには、微小穴は形成されていなかった。
したがって、ベース40にパッケージ本体10を固着して得た半導体装置用パッケージのパッケージ本体10内に半導体素子等を装着した後、パッケージ本体10の上端に、蓋体を被着することによって、パッケージ本体10内を気密に保持でき、最終的に得られた半導体装置の信頼性を向上できる。
尚、図1に示すベース40は、銅板42bとして、モリブデン板44及び銅板42aよりも大きな銅板を使用しているが、図4に示す様に、モリブデン板44及び銅板42aと実質的に同一の大きさの銅板42bを使用してもよいことは勿論のことである。
このため、溶融した銀ろう材32を冷却して固化することによって、パッケージ本体10とベース40との接合部に形成された銀ろう材から成るメニスカス部32aには、微小穴は形成されていなかった。
したがって、ベース40にパッケージ本体10を固着して得た半導体装置用パッケージのパッケージ本体10内に半導体素子等を装着した後、パッケージ本体10の上端に、蓋体を被着することによって、パッケージ本体10内を気密に保持でき、最終的に得られた半導体装置の信頼性を向上できる。
尚、図1に示すベース40は、銅板42bとして、モリブデン板44及び銅板42aよりも大きな銅板を使用しているが、図4に示す様に、モリブデン板44及び銅板42aと実質的に同一の大きさの銅板42bを使用してもよいことは勿論のことである。
以上、説明してきた図2では、モリブデン板44は、その周面の全面に形成されたニッケルめっき皮膜46が、ニッケルーリンめっき皮膜48によって覆われている。
しかし、ベース40に用いるモリブデン板44としては、銅板42a,42bの各々に対応する対向面の全面がニッケルめっき皮膜46及びニッケルーリンめっき皮膜48で覆われていればよく、モリブデン板44の側面側がニッケルめっき皮膜46及びニッケルーリンめっき皮膜48によって覆われることなく露出していてもよい。
また、図2では、二枚の銅板42a,42bの間に、銀ろう材30,30を介してモリブデン板44を挟み込み、銀ろう材30,30を溶融した後に固化することによってベース40を形成している。
これに対し、モリブデン板44を覆うニッケルめっき皮膜46及びニッケルーリンめっき皮膜48上に、銅めっき層と銀めっき層とを積層形成し、加熱処理して銅めっき層及び銀めっき層を溶融して溶融銀ろうとした後、放冷して固化することによってもベース40を形成できる。
しかし、ベース40に用いるモリブデン板44としては、銅板42a,42bの各々に対応する対向面の全面がニッケルめっき皮膜46及びニッケルーリンめっき皮膜48で覆われていればよく、モリブデン板44の側面側がニッケルめっき皮膜46及びニッケルーリンめっき皮膜48によって覆われることなく露出していてもよい。
また、図2では、二枚の銅板42a,42bの間に、銀ろう材30,30を介してモリブデン板44を挟み込み、銀ろう材30,30を溶融した後に固化することによってベース40を形成している。
これに対し、モリブデン板44を覆うニッケルめっき皮膜46及びニッケルーリンめっき皮膜48上に、銅めっき層と銀めっき層とを積層形成し、加熱処理して銅めっき層及び銀めっき層を溶融して溶融銀ろうとした後、放冷して固化することによってもベース40を形成できる。
10 パッケージ本体
14 端子
16 切欠部
20 基板
12 リード
30,32 銀ろう材(金属ろう材)
32a メニスカス部
34 ニッケルめっき膜
40 ベース
42a,42b 銅板
44 モリブデン板
46 ニッケルめっき皮膜
48 ニッケル−リンめっき皮膜
14 端子
16 切欠部
20 基板
12 リード
30,32 銀ろう材(金属ろう材)
32a メニスカス部
34 ニッケルめっき膜
40 ベース
42a,42b 銅板
44 モリブデン板
46 ニッケルめっき皮膜
48 ニッケル−リンめっき皮膜
Claims (8)
- 二枚の銅板の間にモリブデン板が挟み込まれて形成された、半導体装置用のパッケージ本体が搭載されるベースにおいて、
該モリブデン板として、前記銅板の各々に対応する対向面の全面を覆うニッケルめっき皮膜がニッケルーリンめっき皮膜によって覆われていると共に、前記パッケージ本体と実質的に同一の大きさに形成されたモリブデン板が用いられ、
前記モリブデン板が、前記パッケージ本体が搭載される搭載面側で且つ前記パッケージ本体と実質的に同一の大きさに形成された銅板と他方の銅板との間に、前記モリブデン板及び二枚の銅板の各端面が露出するように、金属ろう材によって接合されて一体化されていることを特徴とするベース。 - モリブデン板として、その周面の全面を覆うニッケルめっき皮膜の全面がニッケルーリンめっき皮膜によって覆われているモリブデン板が用いられる請求項1記載のベース。
- 金属ろう材が、銀ろう材である請求項1又は請求項2記載のベース。
- 他方の銅板が、パッケージ本体が搭載される搭載面側の銅板よりも大きい請求項1〜3のいずれか一項記載のベース。
- 二枚の銅板の間にモリブデン板が挟み込まれて形成されたベースの一面側に、半導体装置用のパッケージ本体が搭載された半導体装置用パッケージにおいて、
該ベースとして、請求項1記載のベースが用いられ、前記ベースの搭載面側にパッケージ本体が金属ろう材によって接合されて一体化されていることを特徴とする半導体装置用パッケージ。 - パッケージ本体が、矩形状のパッケージ本体であって、前記パッケージの平坦な側壁に形成された切欠部内にセラミック製の端子が金属ろう材によって接合されている請求項5記載の半導体装置用パッケージ。
- セラミック製の端子が、ベースの搭載面の近接して設けられている請求項6記載の半導体装置用パッケージ。
- 金属ろう材が、銀ろう材である請求項5〜7のいずれか一項記載の半導体装置用パッケージ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003389425A JP2005150607A (ja) | 2003-11-19 | 2003-11-19 | ベース及び半導体装置用パッケージ |
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ID=34696178
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005150607A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100404196C (zh) * | 2006-04-10 | 2008-07-23 | 安泰科技股份有限公司 | 一种具有特殊层厚比例的铜/钼/铜电子封装复合材料的制备方法 |
JP2016006820A (ja) * | 2014-06-20 | 2016-01-14 | 大和電機工業株式会社 | 封止部材、および電子部品用パッケージの製造方法 |
-
2003
- 2003-11-19 JP JP2003389425A patent/JP2005150607A/ja active Pending
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