JP2005150421A - 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートならびに半導体接続用基板、半導体装置 - Google Patents

半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートならびに半導体接続用基板、半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005150421A
JP2005150421A JP2003386255A JP2003386255A JP2005150421A JP 2005150421 A JP2005150421 A JP 2005150421A JP 2003386255 A JP2003386255 A JP 2003386255A JP 2003386255 A JP2003386255 A JP 2003386255A JP 2005150421 A JP2005150421 A JP 2005150421A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
layer
semiconductor
semiconductor device
adhesive composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003386255A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4483270B2 (ja
Inventor
Tomoka Uchida
友香 内田
Hiroshi Tsuchiya
浩史 土谷
Hideki Shinohara
英樹 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2003386255A priority Critical patent/JP4483270B2/ja
Publication of JP2005150421A publication Critical patent/JP2005150421A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4483270B2 publication Critical patent/JP4483270B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L24/00Arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies; Methods or apparatus related thereto
    • H01L24/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L24/50Tape automated bonding [TAB] connectors, i.e. film carriers; Manufacturing methods related thereto
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/50Tape automated bonding [TAB] connectors, i.e. film carriers; Manufacturing methods related thereto
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/10Details of semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/11Device type
    • H01L2924/14Integrated circuits
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/30Technical effects
    • H01L2924/35Mechanical effects
    • H01L2924/351Thermal stress

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Wire Bonding (AREA)

Abstract

【課題】リフロー耐熱性、耐サーマルサイクル性に優れた半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートならびに半導体接続用基板、半導体装置を工業的に提供する。
【解決手段】半導体接続用基板の接着剤層を形成する半導体装置用接着剤組成物であって、接着剤組成物が、熱硬化性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、無機フィラー(C)、アルキル変性、アルキルアラルキル変性、脂肪酸エステル変性、フルオロアルキル変性、メチルスチリル変性から選ばれる少なくとも一種類のシリコーンオイル(D)を含有する熱硬化型の接着剤であることを特徴とする半導体装置用接着剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体集積回路(IC)を実装し、パッケージ化する際に用いられる半導体接続用基板(インターポーザー)を構成する接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シート、半導体接続用基板ならびに半導体装置に関する。
従来、半導体集積回路(IC)パッケージとして、デュアルインラインパッケージ(DIP)、スモールアウトラインパッケージ(SOP)、クアッドフラットパッケージ(QFP)等のパッケージ形態が用いられてきた。しかし、ICの多ピン化とパッケージの小型化に伴い、最もピン数を多くできるQFPパッケージにおいても限界に近づいている。そこで近年多ピン化、小型化の手段として、BGA方式、LGA方式、PGA方式等が実用化されてきた。中でもBGA方式はプラスチック材料の利用による低コスト化、軽量化、薄型化の可能性が高く注目されている。
図1にBGA方式の例を示す。BGA方式は、ICを接続した半導体接続用基板の外部接続部としてICのピン数にほぼ対応する半田ボールを格子上(グリッドアレイ)に有することを特徴としている。プリント基板(マザーボード)への接続は、この半田ボールを、すでに半田が印刷してあるプリント基板の導体パターン上に一致するように載せて、リフローにより半田を融解して行なわれる。最大の特徴は、インターポーザーの底面を使用できるため、QFP等の周辺部しか利用できないパッケージと比較して、多くの端子を小スペースに配置できることにある。このため、実装面では低実装面積化と高実装効率化が図れる。この小型化機能をさらに進めたものとして、チップスケールパッケージ(CSP)があり、マイクロBGA(μ−BGA)、ファインピッチBGA(FP−BGA)、メモリーBGA(m−BGA)、ボードオンチップ(BOC)等の構造が提案されている。
一方、BGA方式においては、補強、放熱、電磁的シールドを目的として、半導体接続用基板に金属板等を積層する方法が一般的に用いられる。特に、ICを接続するための絶縁体層および導体パターンからなる配線基板等にTABテープやフレキシブルプリント基板、リジット基板を用いた場合は効果的である。このため、半導体接続用基板は、ICを接続するための絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層、補強板(スティフナー)あるいは放熱板(ヒートスプレッダー)等の導体パターンが形成されていない層、およびこれらを積層するための接着剤層をそれぞれ少なくとも1層有する構成となっている。これらの半導体接続用基板にICチップを搭載し、半導体素子と金属配線をワイヤーボンディングやインナーリードで接続する。その後樹脂封止を行い、樹脂封止された半導体装置は半田ペーストを塗布され、半田ボールを搭載する。
最終的に、接着剤層はパッケージ内に残留する。従って、接着剤層に要求される特性として、(a)リフロー耐熱性、(b)配線基板層と補強板等の異種材料間で、温度サイクルやリフローの際に発生する応力の吸収性(応力緩和性)、(c)易加工性、(d)配線上に積層する場合の絶縁性などが挙げられる。
このような観点から、半導体接続用基板の接着剤層として従来、様々な系が開発されてきた。リフロー耐熱性を向上させたものとして、カルボキシ変性アクリルニトリルブタジエンゴム、エポキシ樹脂、硬化剤及びシリカ粉末を含む接着剤組成物が挙げられる(例えば特許文献1参照)。また、耐サーマルサイクル性を向上させたものとして、エポキシ変性アクリルゴム、エポキシ樹脂、硬化剤を含む接着剤組成物が挙げられる(例えば特許文献2参照)。また絶縁性を向上させたものとして、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂およびシリコーン化合物を含む接着剤組成物が挙げられる(特許文献3〜4参照)。さらにシリコーンオイルに代表されるシリコーン化合物は、半導体装置用封止樹脂で用いられている(特許文献5等)。
特開平10−178067号公報(P4−7) 特開昭57−210695号公報 特開平6−256732号公報 特開平3−11464号公報 特開2002−237554号公報
しかしながら種々の方法で改良された接着剤も、リフロー耐熱性や耐サーマルサイクル性及び絶縁性においてそれぞれ効果を上げているが、全ての特性を十分に満たすものではなかった。
また半導体用接着剤シートは、ラミネート法や真空圧着法等を用いて、半導体接続用基板を構成する絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層、および導体パターンが形成されていない層と貼り合わせている。しかし、この工程において従来の接着剤ではタック力が強く、仮貼りでの位置合わせが困難であり、場合によっては貼り合わせ界面で気泡を巻き込んでいた。その結果、リフロー時に剥離やクラックが発生するという問題が生じる。また、半導体装置用接着剤シートを金型でパッケージ形状に合わせて適宜打ち抜く際に、高タック性により接着剤が打ち抜き金型や搬送通路に付着してしまうという工程上の問題も生じている。予備硬化反応(エージング処理)によって半導体用接着剤シートのタック力をコントロールする方法があるが、系全体の反応が進むために、未硬化状態での接着性の低下や接着剤の寿命低下などの問題が生じてしまう。
本発明の目的は、かかる加工工程に生じる問題点を解消し、リフロー耐熱性、耐サーマルサイクル性に優れた半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートならびに半導体接続用基板、半導体装置を工業的に提供することにある。
すなわち本発明は、半導体接続用基板の接着剤層を形成する半導体装置用接着剤組成物であって、接着剤組成物が、熱硬化性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、無機フィラー(C)、アルキル変性、アルキルアラルキル変性、脂肪酸エステル変性、フルオロアルキル変性、メチルスチリル変性から選ばれる少なくとも一種類のシリコーンオイル(D)を含有する熱硬化型の接着剤であることを特徴とする半導体装置用接着剤組成物であり、それを用いた半導体装置用接着剤シート、半導体装置用基板、半導体装置である。
本発明の接着剤組成物は、優れたリフロー耐熱性や耐サーマルサイクル性を有し、かつ易加工性に優れている。
本発明は、半導体装置用接着剤組成物のラミネート時及び真空圧着時のタック力および初期接着力の発現機構を鋭意検討した結果、特定のシリコーンオイルを添加することによって、優れたリフロー耐熱性や耐サーマルサイクル性を保持しながら、易加工性に優れるものである。
本発明における半導体装置用接着剤シートは、本発明の半導体装置用接着剤組成物(以下接着剤組成物)から作製され、接着剤組成物は硬化可能なものである。通常接着剤が未硬化状態、あるいは半硬化状態で供され、半導体接続用基板の接着剤層を形成するものである。
本発明の接着剤組成物は、熱硬化性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)無機フィラー(C)、およびアルキル変性、アルキルアラルキル変性、脂肪酸エステル変性、フルオロアルキル変性、メチルスチリル変性から選ばれる少なくとも一種類のシリコーンオイル(D)を必須成分として含有する。熱可塑性樹脂は接着性、可とう性、熱応力の緩和等の機能を有し、熱硬化性樹脂は耐熱性、高温絶縁性、耐薬品性、接着剤層の強度向上の機能を有する。無機フィラーはリフロー耐熱性および耐サーマルサイクル性を一層向上させるために必要である。またアルキル変性、アルキルアラルキル変性、脂肪酸エステル変性、フルオロアルキル変性、メチルスチリル変性から選ばれる少なくとも一種類のシリコーンオイルは、リフロー耐熱性を保持しながら接着剤層のタックを低減させるために必要である。
本発明で用いる熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、シアン酸エステル樹脂、等公知のものが例示される。特に、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂は絶縁性に優れるので好適である。 エポキシ樹脂は1分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に限定されないが、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジシクロペンタジエンジフェノール等のジグリシジルエーテル、エポキシ化フェノールノボラック(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、エポキシ化クレゾールノボラック(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、エポキシ化トリスフェニロールメタン、エポキシ化テトラフェニロールエタン、エポキシ化メタキシレンジアミン、シクロヘキサンジエポキサイド等の脂環式エポキシ等が挙げられる。 さらに難燃性付与のために、ハロゲン化エポキシ樹脂、特に臭素化エポキシ樹脂を用いてもよい。
臭素化エポキシ樹脂の例は、テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールAの共重合型エポキシ樹脂、あるいは''BREN''−S(日本化薬(株)製)等の臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらの臭素化エポキシ樹脂は臭素含有量およびエポキシ当量を考慮して2種類以上混合して用いても良い。
フェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等の公知のフェノール樹脂がいずれも使用できる。たとえば、フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、p−フェニルフェノール等のアルキル置換フェノール、テルペン、ジシクロペンタジエン等の環状アルキル変性フェノール、ニトロ基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基等のヘテロ原子を含む官能基を有するもの、ナフタレン、アントラセン等の骨格を有するもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシノール、ピロガロール等の多官能性フェノールからなる樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜400重量部、好ましくは100〜200重量部である。熱硬化性樹脂の添加量が5重量部未満であると加熱硬化後の接着性や接着層の破断強度の低下が著しく、リフロー耐熱性が低下するため好ましくない。また熱硬化性樹脂の添加量が400重量部を越えると、塗工性の低下や、硬化体の高弾性率化によって熱応力の緩和効果が低下するため好ましくない。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、アクリロニトリルーブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリルーブタジエンゴムースチレン樹脂(ABS)、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレンーブタジエンーエチレン樹脂(SEBS)、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを必須共重合成分とする共重合体(アクリル樹脂)、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン等が例示できる。また、これらの熱可塑性樹脂は前述の熱硬化性樹脂の官能基と反応が可能な官能基を有していてもよい。具体的には、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、メチロール基、イソシアネート基、ビニル基、シラノール基等である。これらの官能基により熱硬化性樹脂との結合が強固になり、膜強度やリフロー耐熱性が向上するため好ましい。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、接着剤層と放熱板等の導体パターンが形成されていない層を形成する素材との接着性、可とう性、熱応力の緩和効果の点からブタジエンを必須共重合体とする共重合体は特に好ましく、種々のものが使用できる。特に、金属との接着性、耐薬品性等の観点から、アクリロニトリルーブタジエン共重合体(NBR)、スチレンーブタジエンーエチレン樹脂(SEBS)、スチレンーブタジエン樹脂(SBS)等が好ましい。さらにブタジエンを必須共重合成分とし、かつカルボキシル基を有する共重合体は接着性や耐熱性の点からより好ましく、たとえばカルボキシル基含有NBR(NBR−C)、カルボキシル基含有SEBS(SEBS−C)、カルボキシル基含有SBS(SBS−C)等が挙げられる。NBR−Cとしては、例えばアクリロニトリルとブタジエンを約10/90〜50/50のモル比で共重合させた共重合ゴムの末端基をカルボキシル化したもの、あるいはアクリロニトリル、ブタジエンとアクリル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有共重合性単量体の三元共重合ゴムなどが挙げられる。具体的には、PNR−1H(JSR(株)製)、''ニポール''1072J、''ニポール''DN612、''ニポール''DN631(以上日本ゼオン(株)製)、''ハイカー''CTBN(BFグッドリッチ(株)製)等が挙げられる。また、SEBS−CとしてはMX−073(旭化成(株)製)が、SBS−CとしてはD1300(シェルジャパン(株)製)が例示できる。
また、接着性および耐サーマルサイクル性の点から炭素数1〜8の側鎖を有するアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを必須共重合成分とする共重合体も好ましい。さらにアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを共重合体成分とし、かつエポキシ基やカルボキシル基を有する共重合体は、接着性やリフロー耐熱性の点からより好ましい。たとえばエポキシ基含有アクリルゴムHTR−860(帝国化学産業(株)製)や、カルボキシル基含有アクリルゴムSG−280DR(帝国化学産業(株)製)が例示できる。
本発明の接着剤組成物に含有される無機フィラーとしては、結晶シリカ粉末、溶融シリカ粉末、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化珪素、水酸化マグネシウム、カルシウム・アルミネート水和物、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、タルク、アルミニウム、金、銀、ニッケル、鉄、クレー、マイカなどが挙げられる。中でも分散性点から、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカが好ましく、その平均粒子径(有機溶剤中に分散された一次粒子の粒度分布測定において最大値を示す粒径)は0.2〜15μmのものが好ましい。またリフロー耐熱性の観点よりTGA(加熱重量減少測定)による5%重量減少温度(熱分解温度)が350℃以上であるシリカ、好ましくは球状シリカ粉末、さらに好ましくは溶融球状シリカである。これらの無機フィラーの配合量は、接着剤組成物100重量部に対して、10〜50重量部であると好ましい。さらに好ましくは、20〜40重量部である。配合量が10重量部未満であるとリフロー耐熱性や膜強度の向上が得られないため好ましくない。また、配合量が50重量部を超えると、塗工性の悪化や硬化後の接着性の低下などが見られるため好ましくない。
本発明の接着剤組成物に含有されるシリコーンオイルはアルキル変性、アルキルアラルキル変性、脂肪酸エステル変性、フルオロアルキル変性、メチルスチリル変性から選ばれる少なくとも一種類のシリコーンオイルであることが重要である。これらのシリコーンオイルの構造は、ポリシロキサンの側鎖に有機基を導入した側鎖変性型、両末端に有機基を導入した両末端変性型、片末端に有機基を導入した片末端変性型、側鎖と両末端に有機基を導入した側鎖両末端変性型のいずれでも構わないが、タック低減効果の点から、側鎖変性型及び側鎖両末端変性型が特に好ましい。これらの特定の有機基を有するシリコーンオイルを添加することにより、リフロー耐熱性や耐サーマルサイクル性を保持しながら、接着剤層のタック力の低減が可能である。これらの特定のシリコーンオイルは、樹脂表面における離型性、潤滑性向上に寄与すると考えられる。また、これらを単独または2種類以上混合して用いても良い。シリコーンオイルの配合量は、接着剤組成物100重量部に対して0.1〜5重量部、さらに好ましくは1〜3重量部である。0.1重量部未満であるとタック低減の効果が低いため好ましくなく、また配合量が5重量部を超えると、加熱硬化後の接着性の低下やリフロー耐熱性の低下が見られるため好ましくない。さらに上記以外のシリコーンオイル、例えば有機基導入位置に限らずエポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイルでは、タック低減効果が少なく、かつリフロー耐熱性が小さい。また、ジメチルシリコーンオイルやフェニルシリコーンオイルでは樹脂への相溶性が良くない。
また、本発明の接着剤層にエポキシ樹脂等熱硬化性樹脂の硬化剤および硬化促進剤を添加してもよい。たとえば、3,3´5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−5,5´−ジエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、2,2´3,3´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,4,4´−トリアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の有機酸、ジシアンジアミド、トリフェニルフォスフィン等公知のものが使用できる。これらを単独または2種以上混合して用いても良い。添加量は接着剤層を構成する接着剤組成物100重量部に対して1〜30重量部であると好ましい。添加量が1重量部より低いと硬化反応が効率的に進まず、加熱硬化後の接着性の低下、Tgの低下およびリフロー耐熱性の低下が見られるため好ましくない。また、添加量が30重量部を超えると硬化物の熱応力緩和効果の低下や接着剤層の寿命の低下が見られるため好ましくない。
以上の成分以外に、接着剤の特性を損なわない範囲で酸化防止剤、イオン捕捉剤などの有機・無機成分を添加することはなんら制限されるものではない。有機成分としてはスチレン、NBRゴム、アクリルゴム、ポリアミド等の架橋ポリマーが例示される。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系やアミン系の一次酸化防止剤、イオウ系やリン系の二次酸化防止剤が挙げられる。イオン捕捉剤としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンが挙げられる。これらを単独または2種類以上混合しても良い。微粒子状の成分の平均粒子径は0.02〜15μmが好ましく、さらに好ましくは0.2〜5μmである。また、配合量は接着剤組成物全体の2〜30重量部が適当である。
さらに、本発明の半導体用接着剤組成物から形成される半導体装置用接着剤シートの未硬化状態のプローブタック力は25℃において2N/cm2( 40gf/5mmφ)以下であることが好ましい。半導体装置用接着剤シートのタック力は、接着剤シートのラミネート圧着性やプレス圧着性に極めて大きな影響を及ぼす。タック性の指標として、JISZ0237に記載のプローブタック試験法を用いた。プローブタック試験法とは、プローブを接着剤シートに一定荷重をかけながら一定時間接触させた後、接着剤シートから垂直方向にプローブを引き剥がすのに要する力でタック力を規定する方法である。半導体用接着剤シートと絶縁体層及び導体パターンからなる配線基板層あるいは導体パターンが形成されていない層間との貼り合わせ時に発生するボイドや、打ち抜き金型への付着はタック値が2N/cm2( 40gf/5mmφ)以下であると確認されず、作業性に優れる。
さらに本発明の接着剤組成物から形成される半導体装置用接着剤シートの未硬化状態における接着力Pが、0.5N/cm≦P≦10N/cmであることが好ましい。未硬化状態における接着力Pが0.5N/cmより小さいと、貼り合わせ後から加熱硬化に至るまでの工程で位置ずれや基板や金属板の脱落等を生じるため好ましくない。また、10Nより大きいと、接着力Pが強すぎて貼り合わせ加工に支障を来すので好ましくない。さらに接着剤組成物は、加熱硬化後の接着力は5N/cm以上が好ましく、さらに好ましくは10N/cm以上である。加熱硬化後の接着力が5N/cmより小さい場合、パッケージの取扱時に剥離を生じたり、リフロー耐熱性の低下や信頼性の低下が見られるため好ましくない。また、50N/cm以下の接着力を確保できればよい。なお、本発明における接着剤層の未硬化状態とは、通常DSC(示差走査熱分析)を用いて測定した場合の全硬化発熱量の10%未満の発熱を終えた状態である。
接着剤層の厚みはタック力や接着力および弾性率等との関係で適宜選択できるが、5μm〜300μmが好ましく、より好ましくは10μm〜150μmである 本発明の半導体装置用接着剤シートにある接着剤層は、10〜300μm厚のシート状のものであれば特に限定されない。また接着剤シートの形状は、本発明の半導体装置用接着剤組成物を接着剤層とし、少なくとも1層の剥離可能な保護フィルム層を有する構成のものが好ましい。たとえば、保護フィルム層/接着剤層の2層構成、あるいは図2に示したように保護フィルム層/接着剤層/保護フィルム層の3層構成がこれに該当する。接着剤シートとは接着剤組成物の単膜以外に接着剤層/絶縁性フィルム/接着剤層のようにポリイミド等の絶縁性フィルムが積層された複合構造も含まれる。接着剤シートは加熱処理(エージング処理)により硬化度を調節してもよい。 硬化度の調節は、接着剤シートを配線基板あるいはICに接着する際の接着剤のフロー過多を防止するとともに加熱硬化時の水分による発泡(キュア発泡)を防止する効果がある。硬化度は、たとえば、JIS−K7210に規定される貼り合わせ加工温度における最低粘度(フローテスタ法)で定義できる。温度120℃、ダイ寸法2×5mm、試験圧力9.8MPaの条件下において、3000〜60000Pa・s、好ましくは6000〜30000Pa・sが好適である。
ここでいう保護フィルム層とは、絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層(TABテープ等)あるいは導体パターンが形成されていない層(スティフナー等)に接着剤層を貼り合わせる前に、接着剤層の形態および機能を損なうことなく剥離できれば特に限定されないが、たとえばポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、等のプラスチックフィルム、これらにシリコーンあるいはフッ素化合物等の離型剤のコーティング処理を施したフィルムおよびこれらのフィルムをラミネートした紙、離型性のある樹脂を含浸あるいはコーティングした紙等が挙げられる。
接着剤層の両面に保護フィルム層を有する場合、それぞれの保護フィルム層の接着剤層に対する剥離力をF1、F2(F1>F2)としたとき、F1−F2は好ましくは5Nm-1以上、さらに好ましくは15Nm-1以上が必要である。F1−F2が5Nm-1より小さい場合、剥離面がいずれの保護フィルム層側になるかが安定せず、使用上重大な問題となるので好ましくない。また、剥離力F1、F2はいずれも好ましくは1〜200Nm-1 、さらに好ましくは3〜100Nm-1 である。1Nm-1より低い場合は保護フィルム層の脱落が生じ、200Nm-1を超えると剥離が不安定であり、接着剤層が損傷する場合があるためいずれも好ましくない。
本発明の半導体接続用基板とは、本発明の接着剤組成物を用いたものをいう。この基板は、絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層および/または導体パターンが形成されていない層、接着剤層をそれぞれ少なくとも一層有する構造である。たとえば、絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層としては、フレキシブルプリント基板、リジット板、あるいはTABテープを用い、本発明の半導装置用接着剤組成物からなる接着剤層と導体パターンが形成されていない層として銅、ステンレス、42アロイ等の金属板を用いた半導体接続用基板が例示できる。
本発明の半導体装置とは、本発明の半導体接続用基板を用いたものをいい、例えばBGAタイプ、LGAタイプのパッケージであれば特に形状や構造は限定されない。半導体接続用基板とICの接続方法は、ギャングボンディング、インナーリードボンディング、およびシングルポイントボンディング、ワイヤーボンディング等のいずれでも良い。また、CSPと称されるパッケージも本発明の半導体装置に含まれる。
次に本発明の接着剤組成物を用いた半導体装置用接着剤シートおよび半導体接続用基板、半導体装置の製造方法の例について説明する。
(1)接着剤シート
(a)本発明の接着剤組成物を溶剤に溶解した塗料を、離型性を有するポリエステルフィルム上に塗布、乾燥する。接着剤層の膜厚は10〜100μmとなるように塗布することが好ましい。乾燥条件は、100〜200℃、1〜5分である。溶剤は特に限定されないが、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nメチルピロリドン等の非プロトン系極性溶剤単独あるいは混合物が好適である。塗料中で溶剤の占める好ましい量は塗料全体を100重量部とすると、50重量部から80重量部、さらに好ましくは70重量部から80重量部である。溶剤の占める量が50重量部未満であると塗料の撹拌効率が落ち、また塗料寿命が短くなるため望ましくない。また80重量部を越えると、塗工性が悪化するため好ましくない。
(b)(a)のフィルムに上記よりさらに剥離強度の弱い離型性を有するポリエステルあるいはポリオレフィン系の保護フィルム層をラミネートして本発明の接着剤シートを得る。さらに接着剤厚みを増す場合は、接着剤シートにある接着剤層を複数回積層すればよい。
(2)半導体装置
(a)絶縁体層および導体パターンからなる配線基板の作成
TAB用接着剤付きテープに12〜35μmの電解銅箔を、130〜170℃、0.1〜0.5MPaの条件でラミネートし、続いてエアオーブン中で80〜170℃の順次加熱キュア処理を行ない、銅箔付きTAB用テープを作成する。得られた銅箔付きTAB用テープの銅箔面に常法によりフォトレジスト膜形成、エッチング、レジスト剥離、電解ニッケルメッキ、電解金メッキ、ソルダーレジスト膜作成をそれぞれ行い、配線基板を作成する。
(b)導体パターンが形成されていない層の作成
厚さ0.05〜0.5mmの純銅板、ニッケルメッキ銅板、黒化処理銅板あるいはステンレス板などの金属板をアセトンにより脱脂する。
(c)半導体接続用基板の部品(接着剤付き配線基板)の作成
上記(a)の絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層に上記(1)で作成した接着剤シートの片側保護フィルムを剥がした後にラミネートする。ラミネート面は導体パターンがある面、またはない面のいずれでも構わない。ラミネート温度は60℃〜200℃、圧力0.1〜5MPaである。最後に半導体装置の形状によって、適宜打ち抜き、切断加工を施す。
(d)半導体接続用基板の部品(接着剤付きスティフナー)の作成
上記(b)の導体パターンが形成されていない層に、上記(1)で作成した接着剤シートの片側保護フィルムを剥がした後にラミネートする。ラミネート温度は60℃〜200℃、圧力0.1〜5MPaである。最後に半導体装置の形状によって、適宜打ち抜き、切断加工を施す。
(e)半導体接続用基板の作成
(e−1)接着剤付き配線基板を用いる場合
(c)の部品(接着剤付き配線基板)から接着剤層の保護フィルムを剥がし、適当な形状に打ち抜いた金属板に貼り合わせる。金属板は、たとえば外形が角型で中央に配線基板のデバイス孔にあわせて、角型形状の孔を打ち抜いたものが例示できる。貼り合わせ条件は、温度は60℃〜200℃、圧力0.1〜5MPaである。最後に、熱風オーブン内で接着剤の加熱硬化のため80℃〜200℃で15〜180分程度のポストキュアを行う。
(e−2)接着剤付きスティフナーを用いる場合
(d)の部品(接着剤付きスティフナー)を、金型で打ち抜き、たとえば外形が角型で中央にやはり角型の孔がある形状の接着剤付きスティフナーとする。該接着剤付きスティフナーから保護フィルムを剥がし、上記(a)の配線基板層の導体パターン面または裏面のポリイミドフィルム面に、接着剤付きスティフナーの中央の孔を、配線基板のデバイス孔に一致させ、貼りあわせる。貼り合わせ条件は、温度は60℃〜200℃、圧力0.1〜5MPaである。最後に、熱風オーブン内で接着剤の加熱硬化のため80℃〜200℃で15〜180分程度のポストキュアを行う。
以上に述べた半導体接続用基板の例を図3に示す。
(3)半導体装置の作成
(2)の半導体接続用基板のインナーリード部をICの金バンプに熱圧着(インナーリードボンディング)し、ICを搭載する。次いで、樹脂封止を経て半導体装置を作製する。得られた半導体装置を、他の部品を搭載したプリント回路基板等と半田ボールを介して接続し、電子部品への実装を行う。
本発明の接着剤組成物は、ボールグリッドアレイ(BGA)、BGA構造を有するチップスケールパッケージ(CSP)、ランドグリッドアレイ(LGA)、ピングリッドアレイ(PGA)方式に用いられる半導体接続用基板を構成する絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層と、たとえば金属製板(スティフナー、ヒートスプレッダー)等の導体パターンが形成されていない層の間を接着する、半導体装置用接着剤に用いることができる。また得られた組成物は、半導体装置用接着剤シート、半導体接続用基板ならびに半導体装置に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。まず評価方法について述べる。
評価方法
(1)未硬化状態での接着力:厚み100μmの接着剤層を厚さ0.5mmの純銅板表面に130℃、0.5MPaの条件で積層した。この接着剤付きの純銅板に、ポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、”ユーピレックス”75S)を130℃、0.5MPaの条件で、接着剤層側に貼り合わせた。得られたサンプルのポリイミドフィルムと接着剤層を幅5mmになるようにカッターで切断し、90°方向に50mm/minの速度で、接着剤層とポリイミドフィルム界面あるいは接着剤層と純銅板界面において剥離し、そのときにかかった力を接着力とした。未硬化状態での接着力は、加工性の観点より、0.5N/cm以上10N/cm以下であることが望ましい。剥離力の測定はTOYOBALDWIN社製TENSILON/UTM−4−100で行った。
(2)硬化後の接着力:厚み100μmの接着剤層を、厚さ0.5mmの純銅板表面に130℃、0.5MPaの条件で積層した。この接着剤付きの純銅板に、ポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、”ユーピレックス”75S)を130℃、0.5MPaの条件で、接着剤層側に貼り合わせた。作成したサンプルをエアオーブン中で150℃、2時間加熱キュア処理を行った。得られたサンプルのポリイミドフィルムと接着剤層を幅5mmになるようにカッターで切断し、90°方向に50mm/minの速度で接着剤層とポリイミドフィルム界面、あるいは接着剤層と純銅板界面で剥離し、そのときにかかった力を接着力とした。加工性やハンドリング性、モールド性、および半導体装置の信頼性の観点より、硬化状態での接着力は5N/cm以上であることが望ましい。剥離力の測定はTOYOBALDWIN社製TENSILON/UTM−4−100で行った。
(3)リフロー耐熱性:厚み100μmの接着剤層を厚さ0.5mmの純銅板表面に130℃、0.5MPaの条件で積層した。この接着剤付きの純銅板に、ポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、”ユーピレックス”75S)を130℃、0.5MPaの条件で、接着剤層側に貼り合わせた。作成したサンプルをエアオーブン中で150℃、2時間加熱キュア処理を行った。得られたサンプルを30mm角に切断し、30℃70%RHの雰囲気下で168時間調湿した後、すみやかに最高温度220〜280℃、10秒のIRリフローにかけ、その剥離状態を超音波探傷装置(MISCOPE、日立建機ファインテック(株)製)を用いて観察した。このテストおいて剥離が観察されなかった最高温度をリフロー耐熱温度とした。リフロー耐熱温度が260℃より低いものは、鉛フリー対応とならないため好ましくない。
(4)プローブタック力:離型性を有するポリエステルフィルム上に塗布、乾燥し、厚み100μmの接着剤層を得た。次いで、ポリエステルフィルムを剥がし、接着剤層のみの状態で、プローブタックテスター(TAC−II、(株)レスカ製)にて25℃でのタック力を測定した。このテストにおいてタック値が2N/cm2( 40gf/5mmφ)以下であるものはタックが低く易加工性を満たす。
(5)貼り合わせ面ボイド観察:上記(1)の方法で作成したサンプルを、超音波探傷装置(MISCOPE、日立建機ファインテック(株)製)を用いて、貼り合わせ面でのボイドの有無を確認(超音波探傷装置の撮影画像から目視確認)した。なお、ポリイミドフィルムを貼り合わせる前の接着剤層内のボイドは発生していなかったことを確認したのち、本評価を行っている。
(6)耐サーマルサイクル性:上記(3)の方法で作成した30mm角に切断した評価用サンプルを各水準20個用意し、熱サイクル試験器(タバイエスペック(株)製、PL−3型)中で、−65℃〜150℃、最低および最高温度で各30分保持の条件で処理し、剥がれの発生を評価した。100サイクル、300サイクル、500サイクル、800サイクルの各終了時点でサンプルを取り出し、剥がれの発生を評価した。20個中、一つでも剥がれを確認したら不良とした。
実施例1〜9、比較例1〜4
(接着剤シートの作成)
下記熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂およびその他添加剤をそれぞれ表1に示した組成比となるように配合し、固形分濃度28重量部となるようにジメチルホルムアルデヒド(DMF)/モノクロルベンゼン(CB)/メチルイソブチルケトン(MIBK)混合溶媒に40℃で攪拌、溶解して接着剤溶液を作製した。
A.エポキシ樹脂
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:186)(ジャパン・エポキシ・レジン(株)製、エピコート828)
B.熱可塑性樹脂
SEBS−C(旭化成(株)製、MX−073)
カルボキシル変性アクリルゴム(帝国化学産業(株)製、SG−280DR)
C.シリコーンオイル
アルキル変性((株)信越シリコーン製KF−412)
アルキルアラルキル変性((株)GE東芝シリコーン製TSF−4427)
脂肪酸エステル変性((株)信越シリコーン製X22−715)
フルオロアルキル変性((株)東レダウコーニングシリコーン製FS1265)
メチルスチリル変性((株)信越シリコーン製KF−410)
アミノ変性((株)信越シリコーン製KF−8005)
エポキシ変性((株)信越シリコーン製KF101)
D.無機質充填剤
球状シリカ粉末((株)アドマテックス製、SO−C2)
E.硬化剤
4,4’−DDS:4,4’−ジアミノジフェニルスルホン((株)住友化学、スミキュアS)
ジシアンジアミド(ジャパン・エポキシ・レジン(株)製、DICY7)。
得られた接着剤溶液をバーコータで、シリコート処理された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムIに、約50μmの乾燥厚さとなるように塗布し、100℃1分、次いで150℃で5分乾燥し接着剤シートを作製した。一方、ポリエチレンテレフタレートフィルムIより剥離力の低いポリエチレンテレフタレートフィルムIIに、接着剤溶液を50μmとなるように塗布し、ポリエチレンテレフタレートフィルムIで用いた条件と同じ条件で乾燥した後、先の接着剤シートと接着剤面どうしをラミネートして、合わせて厚さ100μmの接着剤シートを作製した。このシートについて未硬化および硬化後での接着力、タック力やリフロー耐熱性および耐サーマルサイクル性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005150421
実施例から本発明の接着剤組成物は、タック力を低減することによって易加工性を実現し、接着力やリフロー耐熱性、耐サーマルサイクル性のいずれも優れていた。一方、比較例は、易加工性及びリフロー耐熱性性において劣っていた。
本発明の半導体装置用接着剤組成物および半導体装置用接着剤シートを用いたBGA型半導体装置の一態様の断面図。 本発明の半導体装置用接着剤シートの一態様の断面図。 本発明の半導体接続基板の一態様図。
符号の説明
1 半導体集積回路
2 金バンプ
3、11 可撓性を有する絶縁性フィルム
4、12 配線基板層を構成する接着剤層
5、13 半導体接続用の導体
6、14、18 本発明の接着剤組成物より構成される接着剤層
7、15 導体パターンが形成されていない層
8、16 ソルダーレジスト
9 半田ボール
10 封止樹脂
18 保護フィルム層

Claims (6)

  1. 半導体接続用基板の接着剤層を形成する半導体装置用接着剤組成物であって、接着剤組成物が、熱硬化性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、無機フィラー(C)、アルキル変性、アルキルアラルキル変性、脂肪酸エステル変性、フルオロアルキル変性、メチルスチリル変性から選ばれる少なくとも一種類のシリコーンオイル(D)を含有する熱硬化型の接着剤であることを特徴とする半導体装置用接着剤組成物。
  2. 未硬化状態のプローブタックが25℃において2N/cm2以下であり、未硬化状態の接着力Pが、25℃において0.5N/cm≦P≦10N/cmであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用接着剤組成物。
  3. 熱可塑性樹脂(B)が、ブタジエンを共重合成分とする共重合体、炭素数1〜8の側鎖を有するアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを共重合成分とする共重合体の少なくとも一つを含有する請求項1記載の半導体装置用接着剤組成物。
  4. 請求項1記載の半導体装置用接着剤組成物を接着剤層とし、接着剤層の少なくとも片面に剥離可能な保護フィルム層を有する半導体装置用接着剤シート。
  5. 絶縁体層、導体パターンからなる配線基板、導体パターンが形成されていない層、接着剤層をそれぞれ少なくとも1層有する半導体接続用基板であって、接着剤層に請求項1記載の半導体装置用接着剤組成物を用いた半導体接続用基板。
  6. 請求項5記載の半導体接続用基板を用いた半導体装置。
JP2003386255A 2003-11-17 2003-11-17 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートならびに半導体接続用基板、半導体装置 Expired - Fee Related JP4483270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003386255A JP4483270B2 (ja) 2003-11-17 2003-11-17 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートならびに半導体接続用基板、半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003386255A JP4483270B2 (ja) 2003-11-17 2003-11-17 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートならびに半導体接続用基板、半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005150421A true JP2005150421A (ja) 2005-06-09
JP4483270B2 JP4483270B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=34693986

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003386255A Expired - Fee Related JP4483270B2 (ja) 2003-11-17 2003-11-17 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートならびに半導体接続用基板、半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4483270B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009091566A (ja) * 2007-09-19 2009-04-30 Toray Ind Inc 接着剤組成物およびそれを用いた接着剤シート
JP2009242606A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Lintec Corp 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法
US8217115B2 (en) * 2006-10-30 2012-07-10 Sumitomo Bakelite Company, Ltd Liquid resin composition, semiconductor wafer having adhesive layer, semiconductor element having adhesive layer, semiconductor package, process for manufacturing semiconductor element and process for manufacturing semiconductor package
US20120288659A1 (en) * 2010-01-08 2012-11-15 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Adhesive sheet and bonding method using the same
JP2019089948A (ja) * 2017-11-15 2019-06-13 王子ホールディングス株式会社 粘着シート、積層体の製造方法および積層体

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8217115B2 (en) * 2006-10-30 2012-07-10 Sumitomo Bakelite Company, Ltd Liquid resin composition, semiconductor wafer having adhesive layer, semiconductor element having adhesive layer, semiconductor package, process for manufacturing semiconductor element and process for manufacturing semiconductor package
JP2009091566A (ja) * 2007-09-19 2009-04-30 Toray Ind Inc 接着剤組成物およびそれを用いた接着剤シート
JP2009242606A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Lintec Corp 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法
US20120288659A1 (en) * 2010-01-08 2012-11-15 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Adhesive sheet and bonding method using the same
US9512335B2 (en) * 2010-01-08 2016-12-06 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Adhesive sheet and bonding method using the same
JP2019089948A (ja) * 2017-11-15 2019-06-13 王子ホールディングス株式会社 粘着シート、積層体の製造方法および積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4483270B2 (ja) 2010-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100417776B1 (ko) 반도체접속기판용접착제시트,접착제가붙어있는tab용테이프,접착제가붙어있는와이어본딩접속용테이프,반도체접속용기판및반도체장치
JP4961761B2 (ja) 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シート、半導体接続用基板ならびに半導体装置
JP5200386B2 (ja) 電子材料用接着剤シート
JP3777734B2 (ja) 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シート
JPH10178251A (ja) 半導体集積回路接続用基板およびそれを構成する部品ならびに半導体装置
JP2006176764A (ja) 電子機器用接着剤組成物、電子機器用接着剤シート、およびそれを用いた電子部品ならびに電子機器
JP4876317B2 (ja) 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シート、半導体接続用基板ならびに半導体装置
JP3956771B2 (ja) 半導体装置用接着剤シート、半導体接続用基板ならびに半導体装置
JP4483270B2 (ja) 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートならびに半導体接続用基板、半導体装置
JP2009091566A (ja) 接着剤組成物およびそれを用いた接着剤シート
JP5233066B2 (ja) 電子材料用接着剤シート
JP4742402B2 (ja) 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートならびに半導体装置
JP2006117824A (ja) 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シート
JP2012044193A (ja) 半導体装置用接着剤シートおよびそれを用いた半導体装置用部品ならびに半導体装置
JP3777732B2 (ja) 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シート
JPH10178053A (ja) 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シート
JPH11260839A (ja) 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シート
JP2005317613A (ja) 半導体装置用接着剤シートおよびそれを用いた半導体装置用部品ならびに半導体装置
JP2005247953A (ja) 半導体用接着剤組成物およびそれを用いた半導体用接着剤シート
JP4359954B2 (ja) 半導体装置用接着剤シートおよびそれを用いた部品ならびに半導体装置
JPH10178054A (ja) 半導体集積回路接続用基板およびそれを構成する部品ならびに半導体装置
JP3911776B2 (ja) 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シート
JPH10178040A (ja) 半導体集積回路接続用基板およびそれを構成する部品ならびに半導体装置
JP2002322457A (ja) 半導体装置用接着剤組成物及び半導体装置用接着シート
JPH10178037A (ja) 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100302

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100315

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4483270

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees