JP2005150368A - 電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法 - Google Patents

電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明基板上に無電解めっき触媒を含む樹脂ペーストをパターン印刷し、これを硬化させて形成された樹脂パターン上に、無電解めっきによりめっき層を形成して導電性パターンを形成することにより電磁波シールド性光透過窓材を製造するに当たり、紫外線硬化性樹脂ペーストを用いて、透明基材への密着性に優れた良好な導電性パターンを精度良く、効率的かつ低コストに形成する。
【解決手段】無電解めっき触媒を含む紫外線硬化性樹脂ペーストを透明基材1の表面に印刷し、形成された印刷パターン2に紫外線を照射して硬化させることにより、樹脂パターン3を形成し、その後無電解めっき処理して、樹脂パターン3上にめっき層4を形成して導電性パターン5を形成する。紫外線硬化性樹脂ペーストは無電解めっき浴に可溶なアルカリ可溶性樹脂成分を含み、めっき浴中でこのアルカリ可溶性樹脂成分が溶出することにより、樹脂パターン3の表面に触媒粒子が露出してくる。この露出した触媒粒子を核として無電解めっきにより良好なめっき層4を形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明はPDP(プラズマディスプレーパネル)の前面フィルタや、病院などの電磁波シールドを必要とする建築物の窓材料(例えば貼着用フィルム)等として有用な電磁波シールド性光透過窓材とその製造方法に係り、特に、透明基材上に無電解めっきにより導電性パターンを形成してなる電磁波シールド性光透過窓材とその製造方法に関する。
近年、OA機器や通信機器等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波が問題視されるようになっている。即ち、電磁波の人体への影響が懸念され、また、電磁波による精密機器の誤作動等が問題となっている。
そこで、従来、OA機器のPDPの前面フィルタとして、電磁波シールド性を有し、かつ光透過性の窓材が開発され、実用に供されている。このような窓材はまた、携帯電話等の電磁波から精密機器を保護するために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材としても利用されている。
従来の電磁波シールド性光透過窓材は、主に、金網のような導電性メッシュ材をアクリル板等の透明基板の間に介在させて一体化した構成とされている。
従来の電磁波シールド性光透過窓材に用いられている導電性メッシュは、一般に線径10〜500μmで5〜500メッシュ程度のものであり、開口率は75%未満である。
従来用いられている導電性メッシュは、一般に、メッシュを構成する導電性繊維の線径が太いものは目が粗く、線径が細くなると目が細かくなっている。これは、線径の太い繊維であれば、目の粗いメッシュとすることは可能であるが、線径の細い繊維で目の粗いメッシュを形成することは非常に困難であることによる。
このため、このような導電性メッシュを用いた従来の電磁波シールド性光透過窓材では、光透過率の良いものでも、高々70%程度であり、良好な光透過性を得ることができないという欠点があった。
また、従来の導電性メッシュでは、電磁波シールド性光透過窓材を取り付ける発光パネルの画素ピッチとの関係で、モアレ(干渉縞)が発生し易いという問題もあった。
このような問題を解決するものとして、パターン印刷法を利用して導電性パターンを形成することが提案されており、例えば、特開平11−170420号公報には、透明基材表面に無電解めっき触媒を含むペーストにより印刷パターンを形成し、この印刷パターン上に無電解めっきにより導電材料を析出させて導電性パターンを形成することが提案されている。パターン印刷によれば、無電解めっき触媒を含む印刷パターンを所望のパターン形状に形成し、この上にめっき層を析出させて所望の導電性パターンを形成することができることから、線幅や間隔、網目形状の自由度は導電性メッシュに比べて格段に大きく、線幅200μm以下、開口率75%以上という細線で開口率の高い格子状の導電性パターンであっても容易に形成可能である。そして、このような細線で目の粗い導電性パターンを形成した電磁波シールド性光透過窓材であれば、良好な光透過性を得ることができると共に、モアレ現象を防止することができる。なお、開口率とはメッシュの線幅と1インチ幅に存在する線の数から計算で求めたものである。
上記特開平11−170420号公報記載の方法では、具体的には、無電解めっき触媒粒子とバインダーとしての樹脂成分と、溶剤、その他の添加剤を含む印刷ペーストをパターン印刷し、印刷パターンを硬化させた後、無電解めっきによりめっき層を析出させる。
なお、特開平11−170421号公報には、印刷法ではなく、フォトマスクを介した露光により無電解めっき触媒を含むパターンを形成し、このパターン上に無電解めっきによりめっき層を析出させて導電性パターンを形成することが記載されている。
特開平11−170420号公報 特開平11−170421号公報
特開平11−170420号公報に記載される方法では、次のような欠点があった。
即ち、印刷パターン上に無電解めっきによりめっき層を析出させるためには、印刷ペースト中に無電解めっき触媒粒子を高含有率で配合する(即ち、高配合)必要があるが、高配合触媒粒子の印刷ペーストを用いることにより、次のような問題が起こる。
(1) 触媒粒子を多量に含有するために、印刷ペーストの粘性の調整が難しく、微細パターンを高精度に形成することが困難である。
(2) 触媒粒子を多量に含有するために、相対的にバインダーである樹脂成分量が少なく、透明基材と印刷パターンとの密着性、更には導電性パターンの密着性が劣る場合がある。
(3) 触媒粒子は高価であるため、その配合量を多くすることは、材料コストの高騰につながる。
また、印刷ペースト中に無電解めっき触媒粒子を高含有率で配合しても、パターン印刷により形成された印刷パターンの表面に触媒粒子が露出していないと、当該印刷パターンの表面に無電解めっきによりめっき層を析出させることができない。
特開平11−170420号公報の方法では、バインダーに対する触媒粒子の割合をある一定以上にすることで、パターン印刷後、触媒粒子が表出するようになっている。しかし、このような印刷ペーストにおいては、印刷に適した粘度にするため、相当量の溶剤を添加する必要がある。
このように、溶剤を含む印刷ペーストでは、印刷後に加熱乾燥処理が必要であり、加熱中の液だれや、タクトタイム(加熱時間)の長さが作業上問題となる。
ところで、樹脂としては、加熱により硬化させる熱硬化性樹脂と、紫外線の照射により硬化させる紫外線硬化性樹脂とがあり、紫外線硬化性樹脂は、硬化速度が速く、生産性に優れるという利点がある。フォトレジスト法を採用する特開平11−170421号公報では、紫外線硬化性樹脂を用いているが、無電解めっき触媒粒子を含む紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して硬化させる場合、照射した紫外線の一部が触媒粒子に吸収されてしまうために、紫外線の照射効率、樹脂の硬化効率が悪く、特に内層が硬化しにくいという問題がある。しかして、この問題は触媒粒子を高配合した場合において、より一層顕著となる。触媒粒子による紫外線の吸収を防止するためには、紫外線透過率の高い触媒粒子を選択する必要があり、この場合には用いる触媒種に制約を受け、好ましくない。
従って、本発明は、印刷ペーストを紫外線で硬化させることにより、加熱中の液だれやタクトタイムが問題になることがなく、また、印刷ペーストの無電解めっき触媒粒子の配合量を低減することができ、これにより触媒粒子の高配合による前述の(1)〜(3)の問題や、紫外線硬化の場合の紫外線吸収の問題を軽減することができる電磁波シールド性光透過窓材の製造方法と、この方法により製造された電磁波シールド性光透過窓材を提供することを目的とする。
本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、透明基材と、この透明基材の表面に、無電解めっきにより形成された導電性パターンとを備える電磁波シールド性光透過窓材を製造する方法において、無電解めっき触媒を含む紫外線硬化性樹脂ペーストを該透明基材の表面に印刷する工程と、形成された印刷パターンに紫外線を照射して硬化させることにより、前記導電性パターンと同一パターンの樹脂パターンを形成する工程と、その後、該無電解めっき処理して、該樹脂パターン上に導電材料を付着させて前記導電性パターンを形成する工程とを備える電磁波シールド性光透過窓材の製造方法であって、該紫外線硬化性樹脂ペーストは、無電解めっき浴に可溶な樹脂成分、及び/又は、無電解めっき浴の含浸性を有する樹脂成分を含むことにより、前記無電解めっき処理中に前記樹脂パターン表面に無電解めっき触媒粒子が露出することを特徴とする。
本発明においては、樹脂パターンを形成する紫外線硬化性樹脂ペーストが、無電解めっき浴に可溶な樹脂成分、及び/又は、無電解めっき浴の含浸性を有する樹脂成分(以下「侵食性樹脂成分」と称す。)を含み、無電解めっき処理中にこれらの成分が溶出することにより、或いは、めっき浴を含浸して膨潤することにより、樹脂パターン内の無電解めっき触媒粒子が樹脂パターン表面に露出するようになる。このように、めっき浴中で樹脂パターン表面が侵食されることにより露出した触媒粒子を核として無電解めっきにより良好なめっき層を形成することができる。
従って、印刷ペーストは紫外線硬化が可能となり、溶剤を用いた場合の加熱処理に起因する前述の加熱中の液だれやタクトタイムの問題は解消される。
また、このように、樹脂パターンの表層をめっき浴中で侵食させて触媒粒子を強制的に露出させるため、触媒粒子の配合量を少なくしても、効率的な無電解めっき処理を行うことが可能となり、触媒粒子の高配合による問題も解消ないし軽減される。
即ち、次のような効果が得られる。
(1) 印刷ペーストの粘性の調整が容易であり、微細パターンを高精度に形成することができる。
(2) バインダーである樹脂成分量を多くすることができ、透明基材と印刷パターン及び導電性パターンとの密着性を高めることができる。
(3) 高価な触媒粒子の配合量を低減して、材料コストを下げることができる。
(4) 触媒粒子の配合量を低減することにより、触媒粒子に吸収される紫外線量を低減し、紫外線照射効率、及び硬化効率を高めることができる。
本発明において、紫外線硬化性樹脂ペーストは、樹脂成分として耐アルカリ性樹脂成分とアルカリ可溶性樹脂成分とを含み、該アルカリ可溶性樹脂成分の割合が耐アルカリ性樹脂成分100重量部に対して30〜100重量部であることが好ましい。
また、この紫外線硬化性樹脂ペーストは、樹脂成分と、無電解めっき触媒と、光重合開始剤とを含み、該無電解めっき触媒の含有量が樹脂成分100重量部に対して10〜700重量部であり、光重合開始剤の含有量が樹脂成分100重量部に対して2〜10重量部であることが好ましい。
また、形成される樹脂パターンは格子状であることが好ましく、導電性パターンの線幅は200μm以下であり、開口率が75%以上であることが好ましい。
本発明の電磁波シールド性光透過窓材は、このような本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法により製造されたものである。
本発明によれば、透明基板上に無電解めっき触媒を含む樹脂ペーストをパターン印刷し、これを硬化させて形成された樹脂パターン上に無電解めっきによりめっき層を形成して導電性パターンを形成することにより電磁波シールド性光透過窓材を製造するに当たり、紫外線硬化性樹脂ペーストを用いて、透明基材への密着性に優れた良好な導電性パターンを精度良く、効率的かつ低コストに形成することができる。この導電性パターンは、印刷パターンに倣うものであり、線幅が小さく開口率の高い導電性パターンとすることができるため、モアレ現象を防止すると共に、光透過性、電磁波シールド性、熱線(近赤外線)カット性がいずれも極めて良好な電磁波シールド性光透過窓材を容易に製造することができる。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
図1は本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法の実施の形態を示す断面図である。
まず、透明基材1を準備し(図1(a))、透明基材1の表面に印刷法により、紫外線硬化性樹脂ペーストの印刷パターン2を形成する(図1(b))。次いで、この印刷パターン2に紫外線を照射することにより硬化させて樹脂パターン3を形成する(図1(c))。
そして、樹脂パターン3を形成した透明基材1を無電解めっき処理に供する。この無電解めっき処理において、この透明基材1をめっき浴中に浸漬すると、樹脂パターン3から侵食性樹脂成分がめっき浴に侵されて溶出することにより、或いは侵食性樹脂成分がめっき浴を含浸して膨潤することにより、樹脂パターン3の表面3Aは荒れ、紫外線硬化性樹脂ペーストに含まれていた触媒粒子が露出してくる。この状態で無電解めっきを行うことにより、この触媒粒子の露出した被めっき処理面3Aに、露出した触媒粒子を核として無電解めっき層4が形成される。これにより、透明基板1上に導電性パターン5が形成された電磁波シールド性光透過窓材が得られる。
本発明において、透明基材1の構成材料としては、めっき浴に対する耐侵食性に優れ、また、紫外線硬化性樹脂ペーストの付着性に優れるものであれば良く、特に制限はないが、ガラス、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、アクリル板、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテートフィルム、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタアクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等、好ましくは、PET、PC、PMMAが挙げられる。
透明基材1の厚さは得られる窓材の用途による要求特性(例えば、強度、軽量性)等によって適宜決定されるが、通常の場合、1μm〜5mmの範囲とされるが、厚さ25〜200μm程度の透明フィルムが、電磁波シールド性光透過窓材の薄肉、軽量化のために好ましい。
紫外線硬化性樹脂ペーストは、バインダーとしての樹脂成分と、無電解めっき触媒粒子と、光重合開始剤とを含むものである。その樹脂成分としては、透明基材1に対する密着性を確保することができ、硬化後は無電解めっき浴に対する耐侵食性に優れた耐アルカリ性樹脂成分と、めっき浴に可溶なアルカリ可溶性樹脂成分とを含むことが好ましく、耐アルカリ性樹脂成分としては特に反応性アクリレート及び/又はメタクリレートが好ましい。この樹脂成分は、モノマーであってもオリゴマーであっても良く、紫外線硬化性樹脂ペーストに要求される粘度に応じて、モノマーとオリゴマーとの配合量と、オリゴマーの分子量を適宜調整することが好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂成分としては、めっき浴中で、樹脂パターン3から溶出するものであれば良く、紫外線で硬化する親水基を有する(メタ)アクリレート系モノマー、例えばエチレングリコール鎖や3級アミノ基、モルフォリノ基等のアルカリ可溶性の高い官能基を有するモノマーであっても良く、また、硬化に関与しないポリエチレングリコール等の成分であっても良い。また、カルボキシル基等のアルカリ可溶性の酸性基を有する樹脂であっても良い。
或いは、アルカリ可溶性樹脂成分としては、ポジ型レジスト材料と呼ばれる感光性樹脂を用いても良い。例えば、オルトジアゾキノン−ノボラック系樹脂であり、特にオルトジアゾナフトキノン−5−スルホン酸エステル、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノンをエステル化したものと、ノボラック樹脂とを混合したものなどが挙げられる。
また、アルカリ可溶性樹脂成分としては、例えばオルトニトロベンジルエステル基を有するような、感光性ポリイミド樹脂でも良い。
また、アルカリ可溶性樹脂成分としては、電着フォトレジストを用いても良い。電着フォトレジスト材としては例えばオルトナフトキノンジアジドスルホニル基を有する樹脂が挙げられるがこれに限定されるものではない。
紫外線硬化性樹脂ペースト中の樹脂成分が耐アルカリ性樹脂成分とアルカリ可溶性樹脂成分とで構成される場合、耐アルカリ性樹脂成分に対するアルカリ可溶性樹脂成分の割合が多過ぎると樹脂パターン3の耐久性が低下し、樹脂パターン3及び導電性パターン5の透明基材1に対する密着性が低下する。逆に、この割合が少ないと触媒粒子の露出が不十分となり、均質なめっき層4を形成し得なくなる。従って、アルカリ可溶性樹脂成分は、耐アルカリ性樹脂成分100重量部に対して30〜100重量部、特に50〜80重量部の範囲で配合することが好ましい。
なお、侵食性樹脂成分は、アルカリ可溶性樹脂成分に限らず、めっき液を含浸して膨潤するような樹脂成分であっても良い。このような樹脂としては、反応性モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレートなど親水基、アルカリ可溶性の高い官能基を有するモノマーを用いたものなどが挙げられる。
このような膨潤性樹脂成分の配合量も、上記アルカリ可溶性樹脂成分の配合量の多少と同様の理由から、上記アルカリ可溶性樹脂成分の配合量と同程度とすることが好ましい。また、膨潤性樹脂成分とアルカリ可溶性樹脂成分とを併用しても良く、この場合においては、その合計量が上記アルカリ可溶性樹脂成分の配合量と同程度となるようにすることが好ましい。
無電解めっき触媒粒子としては、Pd,Au,Ag,Pt等の貴金属粒子や、Cu等の金属粒子、或いはITO(インジウムスズ酸化物)等の金属酸化物粒子を用いることができる。これらの触媒粒子は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
触媒粒子の配合量は、用いる触媒粒子の種類によって適宜決定されるが、一般的には、樹脂成分100重量部に対して10〜700重量部の範囲である。上記触媒粒子のうち、Pdはその必要量が少なく、例えば、樹脂成分100重量部に対して10〜50重量部程度で良く、触媒粒子の配合量の低減の面で有利である。
用いる触媒粒子は、粒径は大きいと、均質なめっき層が得られないことから、触媒粒子は粒径1μm以下、特に0.1μm以下、例えば平均粒径5〜500nm程度の微粒子であることが好ましい。
本発明において、光重合開始剤としては、特に制限はなく、通常の紫外線硬化性樹脂に採用されるものをいずれも好適に用いることができる。
光重合開始剤の紫外線硬化性樹脂ペースト中の配合量は、用いる光重合開始剤の種類や必要とされる硬化性能に応じて適宜決定されるが、通常の場合、樹脂成分100重量部に対して2〜10重量部、例えば3〜4重量部程度である。
本発明で用いる紫外線硬化性樹脂ペーストは、上記成分以外に更に必要に応じて界面活性剤等の分散剤を、樹脂成分100重量部に対して0〜10重量部程度含有していても良い。
また、本発明で用いる紫外線硬化性樹脂ペーストは、粘度調整のために必要に応じて溶剤を含むものであっても良く、この場合溶剤は、樹脂成分100重量部に対して0〜50重量部程度とすることが好ましい。即ち、本発明では、実質的に溶剤を用いない無溶剤型紫外線硬化性樹脂ペーストとすることも可能であるが、溶剤を用いても良い。溶剤を用いる場合であっても、従来の一般的な印刷ペーストよりもその配合量を低減することが可能であり、これにより、印刷後の加熱乾燥処理や加熱中の液だれや、タクトタイム(加熱時間)の問題を解消することができる。
透明基材、中への紫外線硬化性樹脂ペーストの印刷方法としては特に制限はないが、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等を採用することができる。
なお、調製された紫外線硬化性樹脂ペーストは、印刷に先立ち、適当な目開きのメッシュで処理して粗大粒子等を排除することが好ましい。
形成された印刷パターンへの紫外線照射条件としては特に制限はなく、常法に従って行われる。
このように、紫外線硬化させた後は、無電解めっき処理を行う。この無電解めっき処理は、通常の無電解めっき浴を用いて常法に従って行うことができる。めっき金属、即ち、導電性パターン5を構成する導電材料としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト、亜鉛等の金属又は合金が好適であるが、これらの中でも銅、ニッケル、クロム、亜鉛、スズ、銀又は金の純金属又は合金が好ましい。従って、例えば、無電解Cuめっき浴、無電解Ni−Pめっき浴、無電解Ni−Bめっき浴、無電解Auめっき浴等が使用可能である。
この無電解めっき処理により、樹脂パターン3からのアルカリ可溶性樹脂成分等の溶出で表面3Aに露出した無電解めっき触媒粒子を核としてめっき金属が析出し、めっき層4が形成される。
このようにして形成される導電性パターン5のめっき層4の厚さは、薄過ぎると電磁波シールド性能が不足するので好ましくない。一方、厚過ぎると得られる電磁波シールド性光透過窓材の厚さに影響を及ぼすと共に、視野角を狭くしてしまう。また、めっきが幅方向にも広がるため線幅が太くなり、開口率が低下する。従って、めっき層4の厚さは、0.1〜10μm程度とするのが好ましい。
この無電解めっきによる導電性パターン5の形成後、防眩性を付与するために黒色化処理してもよい。黒色化の手法としては、金属膜の酸化処理、クロム合金などの黒色メッキ処理などを採用することができる。
このようにして形成される導電性パターン5は、好ましくは、線幅が200μm以下特に好ましくは100μm以下とりわけ30μm以下で開口率が75%以上の格子状であることが好ましく、従って、紫外線硬化性樹脂ペーストは、このような導電性パターン5が形成されるようにパターン印刷することが好ましい。
このようにして製造される電磁波シールド性光透過窓材は、特に透明フィルムを基材とする場合、1枚物のフィルムよりなるものであってもよく、ロールから巻き出された連続ウェブ状のフィルムであってもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
実施例1〜7、比較例1〜4
表1に示す配合で、まず、樹脂成分及び光重合開始剤を30分撹拌して泡抜きした後、無電解めっき触媒粒子としてパラジウム微粒子を投入して更にビーズミルで撹拌した。その後、三本ロールミルで混練し、#300のメッシュでフィルタリングすることにより無溶剤型紫外線硬化性樹脂ペーストを調製した。
この紫外線硬化性樹脂ペーストをスクリーン印刷により、透明PETフィルム(厚さ100μm)上に印刷し、大気雰囲気中で、紫外線を照射強度250mW、積算光量1000mJで照射して硬化させることにより、所定の格子状パターン(線幅20μm、線間隔230μm、厚さ3μm)の樹脂パターンを形成した。
このようにして樹脂パターンを形成したPETフィルムを無電解銅めっき浴(メルテックス社製「Cu5100」)に浸漬して50℃で20分間無電解銅めっき処理して導電性パターンを形成した。
得られた導電性パターンについて、めっきの析出性と密着性を下記方法で評価し、結果を表1に示した。
めっきの析出性:めっき層の厚さを調べると共に、めっき層を目視により観察し、めっ
き層が非常に均質(◎)、均質(○)、やや不均質(△)、不均質(
×)で評価した。
導電性パターンの密着性:セロテープ剥離試験により、密着性優良(◎)、密着性良(
○)、密着性不良(×)で評価した。
Figure 2005150368
表1より、アルカリ可溶性樹脂成分を適量で配合した紫外線硬化性樹脂ペーストにより形成された樹脂パターンを無電解めっき処理に供することにより、良好な導電性パターンを形成することができることがわかる。
実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材の製造方法を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1 透明基材
2 印刷パターン
3 樹脂パターン
4 めっき層
5 導電性パターン

Claims (7)

  1. 透明基材と、この透明基材の表面に、無電解めっきにより形成された導電性パターンとを備える電磁波シールド性光透過窓材を製造する方法において、
    無電解めっき触媒を含む紫外線硬化性樹脂ペーストを該透明基材の表面に印刷する工程と、
    形成された印刷パターンに紫外線を照射して硬化させることにより、前記導電性パターンと同一パターンの樹脂パターンを形成する工程と、
    その後、該無電解めっき処理して、該樹脂パターン上に導電材料を付着させて前記導電性パターンを形成する工程とを備える電磁波シールド性光透過窓材の製造方法であって、
    該紫外線硬化性樹脂ペーストは、無電解めっき浴に可溶な樹脂成分、及び/又は、無電解めっき浴の含浸性を有する樹脂成分を含むことにより、前記無電解めっき処理中に前記樹脂パターン表面に無電解めっき触媒粒子が露出することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  2. 請求項1において、前記紫外線硬化性樹脂ペーストが、樹脂成分として耐アルカリ性樹脂成分とアルカリ可溶性樹脂成分とを含み、該アルカリ可溶性樹脂成分の割合が耐アルカリ性樹脂成分100重量部に対して30〜100重量部であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、前記紫外線硬化性樹脂ペーストは樹脂成分と、無電解めっき触媒と、光重合開始剤とを含み、該無電解めっき触媒の含有量が樹脂成分100重量部に対して10〜700重量部であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  4. 請求項3において、該紫外線硬化性樹脂ペースト中の光重合開始剤の含有量が樹脂成分100重量部に対して2〜10重量部であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記樹脂パターンを格子状に形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  6. 請求項5において、前記導電性パターンの線幅が200μm以下であり、開口率が75%以上であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項の方法により製造されたものであることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材。
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