JP2005148676A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 転写紙の紙詰まり処理を容易に行うことができるとともに、厚さ検出手段の損傷を防ぐ。
【解決手段】 以下の構成を有する画像形成装置、転写材上に当接する位置に配置され、自在に位置変位する可動磁性体と、可動磁性体が作る磁界の大きさを、転写材の厚みとして検出する磁界センサとからなる厚さ検出手段・画像形成装置内で紙詰まりが発生した場合には、可動磁性体を転写材に当接しない方向へ退避させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置に関する。
複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置において使用される転写材は、それぞれの装置によって推奨される転写材がほぼ決められている。これは、複写機等では、紙などの転写材に画像を形成する際、転写材の重さ、つまり重さとの相関関係が知られている転写材の厚さが、画像の品質を決める上で非常に大きなファクタになっているためである。特に、4色のトナー(現像剤)を1枚の転写材上に重ね合わせて1つの画像を形成するカラー複写機にあっては、白黒複写機に比べて転写材上に載せられるトナーの量がかなり多くなるため、転写材の厚さの違いが画質に大きく影響する。すなわち、トナーを溶融させて定着する一般的な加熱方式の定着器にあっては、転写材の厚さが厚い程、定着時に転写材によって奪われる熱量が多くなり、その分、トナーの溶融に供される熱量が少なくなる。このため、トナー量の多いカラー画像にあってはトナーが十分に溶融されずに定着不良を起こしがちとなる。このような定着不良を防止するため、カラー複写機においては、白黒複写機に比して、特に、シビアな温度管理が要求される。
また、転写材の厚さ(素材の密度)に応じて、トナー像を転写材に転写するための転写条件(例えば、転写バイアス)を変更することなども、良好な転写を行う上で重要である。
この転写材の厚さを自動的に検知すべく、転写材の厚さを検出する厚さ検出手段を、搬送路中に有する画像形成装置が、現在考案されている。(例えば、特許文献1参照)
ここでいう厚さ検出手段とは、転写材上に当接する位置に配置され移動自在に位置変位するように設けられた可動磁性体と、可動磁性体の周囲に固定され、可動磁性体が作る磁界の大きさを転写材の厚みとして検出する磁界センサとからなるもので、厚さ検出手段に転写材が到達する前には、可動磁性体が転写材に当接しない方向へ可動磁性体を待避させ、また厚さ検出手段に転写材が到達した後に、可動磁性体を転写材に当接させる方向へ移動させて、厚さ検出手段が出力するデータに基づいて画像形成条件を変更するものである。
特開2001−116506号公報(図1)
上記の構成において、転写紙が厚さ検出手段に侵入した状態で紙詰まりによって停止した場合には、可動磁性体が転写材に当接しつづけていると、紙詰まりの処理が行い難く、また更には厚さ検出手段を損傷してしまう懸念もある。
本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであって、画像データに基づいて像担持体上に形成したトナー像を、搬送路を介して供給される転写材に転写した後、転写材上に定着して画像形成を行う画像形成装置において、前記搬送路中に配置されて転写材の厚さを検出する厚さ検出手段と、該厚さ検出手段が出力する厚さについてのデータに基づいて画像形成条件を変更する制御手段とを備え、前記厚さ検出手段は、転写材上に当接する位置に配置され当接によって移動自在に位置変位するように設けられた可動磁性体と、可動磁性体の周囲に固定され、可動磁性体が作る磁界の大きさを転写材の厚みとして検出する磁界センサを具備し、画像形成装置内で紙詰まりが発生した場合には、前記可動磁性体を、前記転写材に当接しない方向へ退避させることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によると、転写材上に当接する位置に配置され移動自在に位置変位するように設けられた可動磁性体と、可動磁性体の周囲に固定され、可動磁性体が作る磁界の大きさを転写材の厚みとして検出する磁界センサとからなる厚さ検出手段を有する画像形成装置において、転写紙が厚さ検出手段に侵入した状態で停止した紙詰まり処理を容易に行うことができるとともに、厚さ検出手段の損傷を防ぐことができる。
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として、デジタルカラーの画像形成装置1の概略構成を示す。
まず、同図を参照してその構成及び動作を説明する。
同図の画像形成装置1は、装置本体2の上部にリーダ部10を、また中間部にプリント部20を、そして下部に転写材Pの給搬送部50を備えている。
リーダ部10は、原稿が載置される原稿台11、載置された原稿を上方から押圧する原稿圧板12、原稿の画像面を照射する光源13、画像面からの反射光を導く複数のミラー14とレンズ15、反射光の光電変換を行うCCD16a、そして種々の画像処理を行う画像処理部16を主要構成部材として構成されている。さらに、画像処理部16は、図2に示すように、CCD16a、A/D&S/H部16b、シェーディング補正部16c、入力マスキング部16d、変倍処理部16e、LOG変換部16f、圧伸部16g、マスキング・UCR部16h、γ補正部16i、そしてエッジ強調部16jを有している。
上述構成のリーダ部10の動作は次のとおりである。
原稿台11上に原稿を、その画像面が下方を向くようにして載置し、その上から原稿圧板12で押える。光源13は、光を照射しながら矢印K1方向に移動し、原稿の画像面を走査する。画像面からの反射光像は、複数のミラー14及びレンズ15を介して、RGBの3色のフィルタが施されたCCD16上に結像され、ここで、RGBの各色の信号に光電変換される。電気信号となった画像信号は、画像処理部16において、図2に示す流れに従って、以下のように処理される。CCD16aからの信号は、A/D&S/H部16bにおいてデジタルデータに変換され、さらに返還されたデジタルデータはシェーディング補正部16cと入力マスキング部16dとによって修正される。また、変倍動作時には変倍処理部16eで変倍処理を受ける。次に、LOG変換部16fでRGBのデータがCMYのデータに変換され、画像データの圧縮、記憶、伸長を行う圧伸部16gに入力される。格納された画像データは、後述のプリント部20のそれぞれの色に同期して読み出され、マスキング・UCR部16hにてマスキング処理された後、γ補正部16iとエッジ強調部16jとによりYMCKの出力画像データが作られ、次のプリント部20に送出される。
プリント部20は、図1に示すように、各色の同期をとる画像制御部21、4つのレーザー素子、すなわちマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色用のレーザー素子22M、22C、22Y、22K、後述の感光ドラム表面をレーザー光によって走査するポリゴンスキャナ23、4つの画像形成部、すなわち転写材Pの搬送方向上流側から下流側に向かって(同図中、右側から左側にかけて)順に配置されたマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色用の画像形成部30M、30C、30Y、30K、そして最下流側の画像形成部30Kの更に下流側に配設した定着器40を主要構成部材として構成されている。また、上述の最上流側のマゼンタの画像形成部30Mは、矢印方向に回転自在に支持された感光ドラム31、その周囲にその回転方向に沿ってほぼ順に配設された、感光ドラム31表面を帯電する一次帯電器32、感光ドラム31上の静電潜像を現像する現像器33、感光ドラム31上のトナー像を転写材Pに転写する転写帯電器34、感光ドラム31の転写残トナーを除去するクリーナ35、除電を行う補助帯電器36、そして残留電荷を除去する前露光ランプ37とを備えている。さらに、現像器33の現像ローラ33a上の現像剤からの反射光量により現像剤濃度を検出する現像剤濃度センサS1と、感光ドラム31上に形成されたトナー像からの反射光量を検出する現像濃度センサS2とが配置されている。
なお、他の色の画像形成部30C、30Y、30Kについては、上述のマゼンタの画像形成部30Mと同様の構成であるのでその説明は省略するものとする。
上述構成のプリント部20は、前述のリーダ部10から送出された出力画像データに基づいて、次のようにして転写材P上にトナー像を形成する。
マゼンタの画像形成部30Mにおいて、一次帯電器32によって感光ドラム31表面を所定の電位に均一に帯電する。画像制御部21により出力画像データに基づいて他の色との同期をとってマゼンタ用のレーザー素子22Mを駆動し、上述の感光ドラム31表面を走査する。これにより感光ドラム31表面には、原稿画像のうちのマゼンタに対応する静電潜像が形成される。静電潜像は、現像バイアスが印加された現像ローラ33aによってマゼンタのトナーが付着されてトナー像として現像される。このトナー像は、後述の転写ベルトによって搬送されてくる転写材Pの表面に、転写ベルト内側からの転写帯電器34の放電によって転写される。トナー像転写後の感光ドラム31は、表面の転写残トナーがクリーナ35によって除去され、さらに、補助帯電器36による除電を受け、前露光ランプ37によって残留電荷が除去されて、一次帯電器32の帯電から始まる次の画像形成に供される。
このマゼンタの画像形成部30Mと同様にして、下流側のシアン、イエロー、ブラックの各色の画像形成部30C、30Y、30Kにおいても、各感光ドラム表面にそれぞれの色のトナー像が形成される。表面にマゼンタのトナー像が転写された転写材Pは、転写ベルトによって下流側のシアン、イエロー、ブラックの画像形成部30C、30Y、30Kに順次に搬送され、それぞれの色のトナー像が次々と転写され、表面に4色のトナー像が重ねられる。こうして4色のトナー像が転写された転写材Pは、後述の定着前ベルトによって定着器40に搬送され、ここで定着ローラ40aと加圧ローラ40bとによる加熱加圧を受けて表面のトナー像が定着される。定着後の転写材Pは、裏面に対する画像形成が行われない場合は、そのまま装置本体2外部に排出され、一方、裏面に画像を形成する場合には、次に説明する給搬送部50によって、再度、画像形成部30M等に供給されて、裏面にトナー像が形成された後、装置本体2外部に排出されることになる。
転写材Pの給搬送を行う給搬送部50は、転写材Pの搬送路を有し、その転写材Pの搬送方向についての最上流側に、給紙カセット51a、51b、給紙ローラ52a、52b、搬送ローラ53a、53b等を有する用紙送り装置54を備えている。さらに給紙カセット51a、51bの下方には、これらを装置本体2に装着したときに、これら給紙カセット51a、51bに収納された転写材Pのサイズを検知するための用紙サイズ検出部S3、S4が付設されている。用紙サイズ検出部S3、S4は、給紙カセット51a、51b側に配置された係合部と装置本体2側のサイズ検知スイッチ(いずれも不図示)とを備えており、給紙カセット51a、51bが装着された際に、係合部が転写材Pのサイズに対応したサイズ検知スイッチを作動させ、これによってサイズに対応したコード信号をサイズ情報として装置本体2に対して出力する。この用紙送り装置54のほかに、マルチ用紙送り装置55が設けられている。このマルチ用紙送り装置55からは画像形成部30M等に対して、材質、大きさ等の性状の異なる種々の転写材Pを供給することができる。ここから供給される転写材Pについての情報、例えば、材質、サイズ、厚さ等は、例えば、ユーザーが操作部(不図示)から入力したり、あるいは、厚さについては、後述のように紙厚検出部によって自動的に検出したりする。
画像形成部30Mの少し上流側には、搬送されてきた転写材Pを一旦停止させ、また画像形成部30M等に同期させて搬送するレジストローラ56が配置されている。レジストローラ56は、上下一対の上ローラ56a(図7参照)と下ローラ56bとを備えており、これらのローラ56a、56bにより転写材Pを表裏両面から挟み込むようにして搬送する。
この時、一旦停止させられて転写材Pの厚さを検出するために、レジストローラ56の上流側に紙厚検出部(厚さ検出手段)S5が構成されている。なお、紙厚検出部S5の詳細な構成及び動作については後に説明する。
レジストローラ56の下流側には、前述の各色の画像形成部30M、30C、30Y、30Kの各感光ドラムに下方から接触するようにして矢印K57方向に周回する転写ベルト57が配置されている。転写ベルト57はその表面に転写材Pを担持して、これを各画像形成部30M、30C、30Y、30Kに搬送するように構成されている。
転写ベルトの下流側には、定着器40との間に、矢印K58方向に周回可能な定着前ベルト58が配設されている。また、定着器40のすぐ下流側には、定着後の転写材Pの腰付けのための加圧を、切り換え可能な複数の加圧力で行うことができる加圧機構部(湾曲加圧装置)59(後に詳述)が配設されている。加圧機構部59の下流側には、転写材Pの排出か再給紙かを選択する排出フラッパ60、排紙トレイ61が配設され、また、排出フラッパ60の下方には、反転搬送路62、反転フラッパ63が配設され、さらに下流側には、再給紙搬送路64、再給紙装置65が配設されている。
上述構成の給搬送装置50は、次のように動作する。用紙送り装置54又はマルチ用紙送り装置55から給紙された転写材Pは、レジストローラ56によって一時停止され、その後、前述の画像形成部30M、30C、30Y、30Kの感光ドラム上に形成された各色のトナー像に同期するようにして、レジストローラ56によって挟持搬送され、さらに転写ベルト57によって担持搬送される。マゼンタの画像形成部30Mを通過する際に、転写帯電器34によって、表面にマゼンタのトナー像が転写される。転写材Pは、その後同様にして、シアン、イエロー、ブラックの各画像形成部30C、30Y、30Kを通過する際に、それぞれの色のトナー像が順次に転写される。4色のトナー像の転写が終了した転写材Pは、定着前ベルト58によって定着器40に運ばれ、ここで加熱、加圧を受けて表面のトナー像が定着される。トナー像定着後の転写材Pは、加圧機構部59によって腰付けが行われる。ここで、片面画像形成時には、排出フラッパ60が排出側にセットされ、転写材Pは排紙トレイ61上に排出される。一方、両面画像形成時には、排出フラッパ60が再給紙側にセットされ、これにより、転写材Pは、反転搬送路62に導かれ、その後端が反転フラッパ63を通過するまで下方に向けて搬送される。その後、反転フラッパ63を切り換え、転写材Pを上方に向けて搬送すると、転写材Pは、反転フラッパ63により再給紙搬送路64に導かれ、再給紙装置65に収納される。これにより、転写材Pは、表裏反転される。転写材Pは、ここから画像形成部30M等に再給紙され、表面に画像形成を行ったときと同様にして、裏面に画像形成が行われ、その後、排紙トレイ61上に排出される。
以上で、画像形成装置全体についての構成及び動作の説明を終える。
次に、図3に、上述の画像形成装置におけるブロック図を示す。このブロック図は、転写材Pに応じた最適な画像形成を行うためのブロック図である。システムコントローラ71は、画像形成装置の各種制御を行うものであり、内部のCPUによって統括的に制御を行う。同図中、72はリーダ部10の一部を構成する画像入力部、16は画像処理部、21は画像データに基づき半導体レーザーを変調駆動するレーザー駆動回路(画像制御部)、そして22はレーザー駆動回路21によって駆動される半導体レーザ(レーザー素子)である。また、31、33、34は、前述のマゼンタの画像形成部30Mを構成する部材であり、それぞれ31は半導体レーザー22の出力光により静電潜像が形成される感光ドラム、33は感光ドラム31上の潜像に応じた現像を行う現像器、そして34は感光ドラム31上のトナー像を転写材Pに転写する転写帯電器である。さらに、40は転写材P上のトナー像を加熱加圧して定着させる定着器、59は定着後の転写材Pに腰を付けるための加圧機構部である。そしてS6は、画像処理部16から出力される画像データに基づいて画像濃度分布を推定する濃度分布推定回路(以下適宜「推定回路」という、後に詳述)である。
つづいて、図3のブロック図を参照して前述構成の画像形成装置において、最適な画像形成を行うための動作について説明する。原稿の画像情報は、画像入力部72を通して電気信号として入力され、画像処理部16において、A/D変換、シェーディング補正、LOG変換、UCR処理、γ補正など画像形成に必要な画像処理が加えられ、出力画像データとして出力される。この出力画像データに基づいて、レーザー駆動回路21が駆動され、半導体レーザー22を変調駆動する。その半導体レーザー22の出力光を帯電済の感光ドラム31上にスキャン露光することにより、感光ドラム31表面には、画像データに対応する電荷分布、すなわち静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器33によってトナーが付着されマゼンタのトナー像として現像される。
このマゼンタのトナー像は、前述の給搬送部50によって搬送されてきた転写材P表面に転写される。この転写材Pは、トナー像転写前に、あらかじめ用紙サイズ検出部S3(S4)によってサイズが検出され、また、紙厚検出部S5によって厚さが検知されたものである。またトナー像の転写によって、現像器33内のトナーは転写材P上に転移することになるが、転写材Pではトナー像は、トナーの分布として認識される。推定回路S6は、この転写材P上のトナーの分布、すなわち画像濃度分布を、画像形成に用いたものと同じ画像データを基にして推定する。転写材P上には、さらに、下流側のシアン、イエロー、ブラックの各画像形成部30C、30Y、30Kによって、それぞれの色のトナー像が順次に転写される。これらの転写に際しても、上述の推定回路S6によって、同様に、それぞれの色の画像濃度分布の推定が行われる。
転写材P上に4色分のトナー像は、定着器40によって加熱、加圧されて定着される。このトナーを加熱定着するには、最適な定着温度があり、それは、用紙サイズ検出部S3、S4が検出する転写材Pのサイズ、紙厚検出部S5が検出する転写材Pの厚さ、そして推定回路S6が推定する画像濃度分布等に基づいて定着条件を変更することで、実現している。
例えば、定着器40の定着ローラ40aと加圧ローラ40bとによって転写材Pを挟持搬送しながら加熱するに際し、転写材Pの厚さに応じて、定着ローラ40aの回転数制御を行って転写材Pの搬送速度(定着速度)を変化させ、これにより、最適な定着条件を実現している。すなわち、転写材Pの厚さが厚い場合には、定着速度を遅くし、反対に転写材Pの厚さが薄い場合には、定着速度を速くして、トナー像に対しこれを溶融するに十分な熱量が与えられるようにしている。
また、感光ドラム31から転写材P上にトナー像を転写する際に転写帯電器34に印加する転写バイアスを、転写材Pのサイズ、厚さについての情報に基づいて、決定するようにしている。
さらに、転写材Pのサイズ、厚さに応じて、加熱定着後の転写材Pの腰付けを行う加圧機構部59の加圧量を切り換えることにより、最適なカール取りの加圧制御が可能となる。
すなわち、図3に示すブロック図においては、用紙サイズ検出部S3、S4、紙厚検出部S5、推定回路S6の出力に基づいて、転写帯電器34、定着器40、加圧機構部59等を適宜に制御し、最適な画像形成を行うようにしている。
次に、用紙サイズ検出部S3、S4については前述したので、ここでは、推定回路S6、紙厚検知部S5、加圧機構部59について詳述する。
図4に、推定回路S6の詳細な回路図を示す。ここで、現像剤(トナー)使用量は概略としては画像データの積算値に比例すると考えられることから、推定回路S6として一画像中を複数の領域に分け、その各領域での画像データ値の積算を行う回路を考え、本実施の形態では画像を4×4の16領域に分割した、図5に示すC00〜C33を算出する例で説明を行う。ここで、Cmnは各領域の画像濃度値である。
図4中、Dataは画像データであり、本実施の形態では8ビットの信号とする。Vclkは画像データの同期信号であり、Vsyncは一画像区間開始を示す副走査同期信号である。Henableは主走査画像有効区間信号であり、Venableは副走査画像有効区間信号である。用紙サイズ検出部S3、S4によって検出された転写材Pのサイズに基づき、システムコントローラ71は画像形成を行う主走査の画素数N、副走査の画素数Mを導き出し、濃度分布の一領域に対応するM/4、N/4の算出を行う。81は主走査の領域を計数するカウンタ、82、85はORゲート、83は主走査の領域を指示する数値を示すアップカウンタ、84は副走査の領域を計数するカウンタ、86は副走査の領域を指示する数値を示すアップカウンタ、87はアップカウンタ83、86の領域を示す数値をエンコードするエンコーダ、88は画像データが入力されるフリップフロップ、89はイネーブル信号を生成するANDゲート、90は画像データと選択された領域の画像データ積算値とを加算する加算器、91、93、95は各領域の画像データ加算値を記憶するフリップフロップ、92、94、96は各領域のイネーブルを生成するANDゲート、97、98、99は各領域の画像データ積算値を加算器に出力する出力イネーブル付きのバッファである。
主走査の領域の計数は主走査の領域の画素数N/4を画像形成前にVsyncによりカウンタにロードし、Vclkを計数しダウンカウントし、N/4まで計数した時点でN/4を再ロードするとともにアップカウンタ83にnクロックとなるキャリーを出力し、領域を示すアップカウンタ83の出力をインクリメントしていくこで、N/4画素ごとにアップカウンタ83の出力を増加させることで実現する。副走査の領域に関しても主走査の場合と同様に、HsyncをM/4個ずつカウントすることで、M/4ラインごとの領域信号を生成し、エンコーダ87に出力する。一方、画像データは、HenableとVenableとのANDゲート89によるイネーブル区間の間、フリップロップ88にVclk 同期で記憶される。そのフリップロップ88の出力は加算器90の一方の入力に入力される。加算器90の他方の入力には、各領域を示すエンコード信号によって出力制御されたバッファ97、98、99からの所定の領域のデータ出力が入力される。この2つのデータを加算しその出力を、所定の領域に対応するようにイネーブル制御されたフリップロップに記憶することで、エンコーダ87が指示する領域に対応する画像データの積算値C00〜C33が各フリップロップに記憶され、システムコントローラ71に読み込まれた濃度分布が推定される。また、図6にビデオ系の各信号、すなわちVsync、Venable、Hsync、Henable、Data、Cの概略のタイミングを示す。
算出された画像濃度データC00〜C33からの画像濃度分布の推定はシステム
コントローラ71での演算によって行う。
次に、図7aに本実施の形態で使用した紙厚検出部S5を示す。
紙厚検知部S5は、変位量検知手段100とレジストローラ56、転写材検知センサ105、変位量検知手段100の磁性体100a(本装置ではsus304を使用)を上下動させるための検知レバー106とその支持部材103、および検知レバーを駆動して、磁性体100aを上下動させるためのソレノイド102とその駆動部104、更に、磁性体100aを常時磁界センサ100b側に位置決めさせるためのスプリング103とを備えている。
この磁性体100aは、ソレノイド102が駆動されていない場合、即ち、装置のスタンバイ状態などの通常状態では、スプリング101によって、磁界センサ100b側に固定されており、磁界センサ100b出力が、転写材を挟んでいない状態の信号を出力するように設置されている。
以下には、紙厚検出部S5の制御について詳細な説明をする。紙厚検出部S5の制御は図示しない各種センサ、特に転写材検知センサ105等の出力をもとに、ソレノイド102の駆動、また、磁界センサ100bの信号をA/D変換するためのA/D変換器の制御信号S12(A/Dクロックなど)、およびA/D後の厚さデータS14(本装置では8bit)は、全てシステムコントローラ71上のCPUにより統括的に制御演算される。
まず、変位量検知手段100の詳細について説明する。
磁界センサ100bは、互いが磁気的に結合しており、可動磁性体100aの位置変化に応じてインダクタンスが変化するように配置されたコイルL1、L2と、既定周波数の発振器OSCの出力信号をコイルL1に出力し、コイルL2との間で共振回路が構成されるコンデンサC1、C2とを備えており、コイルL1とL2により可動磁性体100aが基準位置(転写材Pがなく、可動磁性体100aの下面が磁界センサ100bに当接した状態)で発振周波数に同調するように構成されている。その後、検波回路を経由して、可動磁性体100aが作る磁界の大きさを、電圧として出力させ、アンプAMP1によって、A/D変換器AD1の入力既定電圧まで増幅された後、A/D変換器AD1によって、厚さデータが出力される。
ここで、発振周波数は、経済的な理由により数MHz〜数十MHzに選定されている。これは、周波数が低いと、L1、L2、C1、C2の容量を大きくする必要性がある一方、周波数が高いと、回路上の取り扱いが難しくなり、どちらにしても、コストアップを招くためである。また、検波回路は、カップリングコンデンサC3、ダイオードD1、D2、抵抗R1、コンデンサC4、アンプAMP1から構成されている。抵抗R1、コンデンサC4の時定数は、アンプAMP1の入力レベルがリップルによって変動しない程度まで高くすることが望ましい。以上の回路は全て、磁界センサ100bに収められている。
具体的に動作を説明する。
転写材Pが無く、可動磁性体100aが上記基準位置にある時、共振回路の共振周波数がOSCによる発振周波数と等しくなり、共振回路としてのインピーダンスが最小となり、共振回路から出力される信号レベルは最大となり、アンプAMP1から出力される信号のレベルも最大となる。
一方、転写材Pが搬送されてきて、その厚みに応じて可動磁性体100aの位置が変化すると、コイルL1、L2のインダクタンスが変化し、これに伴い、共振回路の共振周波数が発振周波数から外れて小さくなり、共振回路のインピーダンスも高くなる。その結果、共振回路から出力されるレベルは、上記に比較して低下する。即ち、コイルL2を含んだ共振回路の共振周波数の変化は、コイルL1を含んだ共振回路の共振周波数の変化より大きく、この共振周波数の変化を同調の変化として検出している。
では次に転写材Pの紙詰まり発生時における制御について説明する。
転写材Pが給紙カセット51a(または51b)から給紙されると同時に、システムコントローラ71はカウント動作を開始する。システムコントローラ71は、このカウント値に基づいて、転写材Pが転写材検知センサ105に到達するまでの時間を測定し、転写材Pが規定時間内に転写材検知センサ105に到達するか、否かを1枚ごとに判断する。転写材Pが、転写材検知センサ105に規定時間内に到達しない場合には、転写材Pの搬送が遅延または早着していると判断し、画像形成動作を停止させて、図示しない操作部上にジャム表示を行う。
この際に、システムコントローラ71は、ソレノイド102を駆動して磁性体100aを磁界センサ100b側から退避させる。このことにより、転写材Pが、磁性体100aと磁界センサ100bとに挟まれていた場合に、紙詰まり処理を容易に行えるようにするとともに、紙厚検知部S5における磁性体100a及び、磁界センサ100bの損傷を防げる。詳細なシーケンスについては図9を用いて後述する。
次に、図8に、加圧機構部59の詳細図を示す。一般に、転写材P上に転写されたトナー像が加熱定着されると、定着後の転写材Pは、トナー像側にカールすることが知られている。こうした状態では排紙トレイ61上での積載性が著しく損なわれると同時に、複写機、プリンタ等で広く使用されているソータ(後処理装置)への排紙性の悪化、さらにはジャム等へも発展する可能性があり、定着後のカール量の管理は非常に重要な問題である。本実施の形態ではカール量の管理方法として、一対のスポンジローラ59aと金属ローラ59bとにより定着後の転写材Pを挟み込むことで実現している。カールは転写材Pの上面にトナー像が形成されていることから、それと反対の方向にカールを加えるべく上側にスポンジローラ59a、下側に金属ローラ59bを配置し、金属ローラ59bがスポンジローラ59aに食い込むことを利用して、カールを抑えている。また、加圧量の調整は、カム59cを駆動することにより、軸59dを中心にして揺動可能な金属ローラ可動板59eを、同図中の矢印方向に上下させて制御している。この加圧量はカム59cの形状に応じて、複数段又は無段階に調整可能である。また、59fは転写材Pの搬送性をよくするために設けられた搬送ローラである。加圧機構部59のカム59c及び金属ローラ可動板59eによる、加圧量の調整は、前述の紙厚検出部S5による転写材Pの厚さ及び推定回路S6による画像濃度分布等のデータを参照して、システムコントローラ71上のCPUにより統括的に制御されている。
では次に、図9を用いて本発明による制御の具体例について説明する。
図9は、本発明に係わる画像形成装置のシステムコントローラ77の制御手順を示すフローチャートで、転写材のジャム検知時における制御の例について示したものである。
コピー動作が開始され、ステップ901で給紙搬送制御が開始されると、次にステップ902で、システムコントローラはカウントを開始する。カウント値Cはコピー動作ごとに初期化されて0に戻り、ステップ902においてカウント値Cは1づつ計数される。
ステップ903では、転写材検知センサ105からの信号をもとに、転写材Pが転写材検知センサ105の位置まで到達したか、否かを検出し、未到達であればステップ902に戻ってカウント値Cを1だけ加算し、再びステップ903へ進む。
ステップ903において、転写材Pが転写材検知センサ105の位置まで到達した場合には、カウント動作を停止して、次のステップ904にて、カウント値Cが最小規定値Cminより大きく、また最大規定値Cmaxより小さいかを比較する。
ここでカウント値CがCminより小さい場合には、転写材Pが規定時間より速く転写材検知センサ105へ到達してしまった、即ち搬送早着であることを意味し、またカウント値CがCmaxより大きい場合には、転写材Pが規定時間より遅く転写材検知センサ105へ到達してしまった、即ち搬送遅延であることを意味する。
よって、カウント値Cがステップ905にて示した条件内である時は、転写材P規定時間内に転写材検知センサ105に到達したものと判断してステップ906へと進み、この範囲外である時は、搬送の早着ジャム或いは遅延ジャムであると判断し、ステップ908へと進む。
ステップ906では紙厚検出部S5において転写材Pの厚さ検知を行い、次のステップ907にて、転写材Pの厚さに応じた最適な画像形成動作を行って、一連のコピー動作が終了する。
一方、ステップ907で、搬送の早着ジャム或いは遅延ジャムであると判断したシステムコントローラは、ステップ908にて各種の画像形成動作を停止しするとともに、紙厚検出部S5内の、ソレノイド102を駆動して磁性体100aを磁界センサ100b側から退避させる。
そして、次のステップ909にて図示しない操作部上にジャム表示を行い、コピー動作が終了する。
上述の実施の形態1においては、紙厚検出部S5に設けた転写材検知センサ105を用いて、転写材の搬送ジャムを検知した場合の制御について説明したが、装置内の他の位置に設けられた転写材検知センサを用いて、異なる搬送部、例えば給紙部、定着部等におけるジャム発生時においても、同様の制御を行うことが可能である。
本発明を適用した、画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。 画像処理部の詳細を示すブロック図である。 画像形成に供せられる転写材の性状によって、画像形成条件を変更する様子を示す図である。 推定回路の詳細を示すブロック図である。 推定回路の算出を示す図である。 推定回路を駆動する各制御信号のタイミング図である。 紙厚検知部の構成の詳細を示す図である。 加圧制御部の構成の詳細を示す図である。 本発明に関わる制御のフローチャートである。
符号の説明
1 画像形成装置
10 リーダ部
16 画像処理部
20 プリント部
50 給紙搬送部

Claims (2)

  1. 画像データに基づいて像担持体上に形成したトナー像を、搬送路を介して供給される転写材に転写した後、転写材上に定着して画像形成を行う画像形成装置において、
    前記搬送路中に配置されて転写材の厚さを検出する厚さ検出手段と、
    該厚さ検出手段が出力する厚さについてのデータに基づいて画像形成条件を変更する制御手段とを備え、
    前記厚さ検出手段は、転写材上に当接する位置に配置され、当接によって移動自在に位置変位するように設けられた可動磁性体と、可動磁性体の周囲に固定され、可動磁性体が作る磁界の大きさを転写材の厚みとして検出する磁界センサを具備し、
    画像形成装置内で紙詰まりが発生した場合には、前記可動磁性体を、前記転写材に当接しない方向へ退避させることを特徴とする、画像形成装置。
  2. 請求項1において、前記搬送路を搬送されてきた前記転写材が、前記厚さ検出手段に侵入した状態で紙詰まりによって停止した場合には、前記可動磁性体を、前記転写材に当接しない方向へ退避させることを特徴とする、画像形成装置。
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