JP2005148510A - 監視装置を備えた間接照明装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 監視対象となる空間内にいる者に、撮像されていることを意識させずに監視画像を撮影できる監視装置を備えた間接照明装置を提供する。
【解決手段】 監視装置２０は、間接照明のためのシェード５０と、シェード５０の内部に設けられ、電球４０を設置するためのソケット４２と、シェード５０の外部であって、電球４０からの直射光が到達しない位置に設けられたビデオカメラ６０とを含む。シェード５０の外面５２の少なくとも一部に鏡面部分を形成し、ビデオカメラ６０は、鏡面部分により反射された監視対象を撮影する。監視装置２０はさらに、ビデオカメラ６０を遮蔽するための遮蔽部６２を含む。
【選択図】 図１

Description

本発明は、監視対象となる空間内の事物を撮影する監視装置を備えた間接照明装置に関し、特に、室内で用いられ、監視装置の存在を室内の人に意識させないような監視装置を備えた間接照明装置に関する。

近年、病院、学校等の公共の施設において、様々な理由から、施設内を常時監視することが必要となった。例えば、病院では、医療事故防止等を目的とする監視を行なうことが必要とされている。また例えば、学校内での生徒の安全を確保するための監視を行なうことが必要とされている。そのため、これら公共の施設においても、防犯用の監視カメラと同様に、監視カメラを設置することが求められるようになった。

防犯用の監視カメラは、カメラを用いて、犯罪の現場を撮影するという目的の他に、監視対象の空間内の人間に監視カメラにより監視されているという意識を与えることで、犯罪を抑止するという効果を期待して設置される。そのため、一般的な監視カメラは、監視対象の空間内にいる人間から、一見して監視カメラであると分かる形状をしている。

しかし、監視カメラのレンズが向けられ監視されることを快く思わない人は少なからず存在する。病院等の施設では、絶えず監視されていることを意識することにより、患者が落ち着かないという気分になったり、不愉快になったりすることが予想される。また、撮影されることにより自分のプライバシーが侵害されたと感じ、監視されることに対する抵抗を感じる人が多いことが予想される。

そのため、特に病院等の施設では、監視対象となる施設内の人々にできるだけ監視カメラであることを意識させずに、必要な監視活動を行なうことが求められる。

そうした監視カメラの一例として、後掲の特許文献１に記載されたものがある。特許文献１に記載された監視カメラは、河川等の監視を行なうための監視カメラの本体をケース内に収納したものである。このカメラ装置においては、上部カバーと、一部に透光部を設けた半球面状の下部カバーとからなるケースに、カメラ本体が収納される。このカメラ装置は取付金具を介して、地面や建物の外壁などに設置されるポールに取付けられる。また、この装置のカメラ本体は回動軸に固定されケース内で撮影方向の変更が可能となっている。

特許文献１には、ケース内にカメラ本体を収納したため、カメラ装置を意識させることなく、景観にも対応させることができると記載されている。

特開平１１−３０８５０４号公報

このカメラ装置の外見は、一般的な監視カメラのそれと異なるため、一見してカメラ装置であるとは意識されないかもしれない。特に、屋外の広い場所にこのカメラ装置が設置されていても、監視されているという意識を持つ者はごく少数かもしれない。

しかし、特許文献１に記載のカメラ装置は、屋外に設置されることを想定した装置であり、屋内にこのような装置が設置されていると、依然として違和感が生じる。また、このカメラ装置は、透光部を透過する光を、内部のカメラ本体が撮影するので、屋内では、監視される者がカメラのすぐそばにいる可能性が高く、レンズが透光部を通して見えてしまい、屋内等の限られた空間内でこのカメラ装置を用いると、監視されていることを意識させてしまう。

さらに、広い範囲の光景を撮影するためには、回動軸を中心にケース内でカメラ本体を回転させなければならない。このように動くものについては、人は敏感に反応することが多く、その結果監視カメラであることに気付かれてしまう。

従って、本発明の目的は、監視対象となる空間内にいる者に、撮影されていることを意識させずに、安定して鮮明な監視画像を撮影できる監視装置を提供することである。

本発明の第１の局面に係る監視装置を備えた間接照明装置は、予め定められた外形形状を有する間接照明のためのシェードと、シェードの内部に設けられた光源と、シェードの外部であって光源からの直射光が到達しない位置に設けられた監視カメラとを含み、シェードの外面の少なくとも一部に鏡面部分を形成し、当該鏡面部分によって反射された監視対象を監視カメラは撮影し、さらに、監視カメラを遮蔽するための遮蔽手段を含む。

好ましくは、監視装置を備えた間接照明装置はさらに、シェードに取付けられ、光源からの直射光が受光部に到達しない位置に監視カメラを支持するための支持部材を含む。

遮蔽手段は、支持部材に取付けられた監視カメラを覆うように支持部材に取付けられ、監視カメラを遮蔽するための遮蔽部材を含んでもよい。

さらに好ましくは、シェードは、シェード内に設けられた光源に関して鏡面部分とは反対側に形成された開口部を有することを特徴とする。

シェードは、光源からの直接光が到達しない位置に向かって凸の曲面形状を有することを特徴とするものであってもよい。又は、シェードは、鏡面部分が平面となる形状に形成されていることを特徴とするものであってもよい。

好ましくは、監視装置を備えた間接照明装置は、光源からの直接光が到達しない複数の位置にそれぞれ設けられた複数の監視カメラを含み、鏡面部分は、シェードの外面の、それぞれ別個の複数の領域にそれぞれ形成され、複数の監視カメラはそれぞれ、複数の領域の鏡面部分によってそれぞれ反射された監視対象を撮影することを特徴とする。

以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態に係る、間接照明装置を兼ねる監視装置について説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。

［第１の実施の形態］
図１に本実施の形態に係る監視装置２０の外観を示す。図２は、図１の２−２面での断面図である。図１及び図２を参照して、監視装置２０は、室内（例えば病室等）の平坦な壁面に取付けられ、壁面上部から天井面にかけて間接照明を行なう間接照明装置を兼ねる。監視装置２０は、壁面に取付け可能なように平坦となっている平坦部５０Ａを有し、かつ上部に開口部を有するシェード５０と、長い方の部材３２の端部がシェード５０の平坦部５０Ａの下部に接合され、短い方の部材３４に室内の監視映像を撮影するためのビデオカメラ６０の取付部（図示せず）を有するＬ字型の支持部材３０と、支持部材３０の短い方の部材３４の端部にビデオカメラ６０を覆うように接合され、ビデオカメラ６０を周囲の人の視線から遮蔽するための遮蔽部６２とを含む。支持部材３０の内部は中空となっており、ビデオカメラ６０のための電源コード及び画像信号送信のためのコードを収容できる。

シェード５０は、平坦部５０Ａに加え、平坦部５０Ａと一体となるように曲面で構成された曲面部５０Ｂを含む。平坦部５０Ａの中央には、電球４０が取付可能なソケット４２が設けられている。曲面部５０Ｂは、ビデオカメラ６０の方向に凸となる曲面形状を有する。

本実施の形態に係る監視装置２０においては、曲面部５０Ｂの内面には、電球４０の光が乱反射するような仕上げが施されている。

一方、曲面部５０Ｂの外面５２には、鏡面仕上げが施されている。鏡面仕上げとなっている個所は、電球４０からの光が直接ビデオカメラ６０の受光部（撮影レンズ位置）に入射しない領域に配置されている。またシェード５０の開口部は、電球４０に関してこの鏡面仕上げされている面と反対側に形成されている。そのため、電球４０からの光は、この開口部から一旦ビデオカメラ６０と反対側に出射されたのち、天井などに反射されて室内を間接照明することになる。

この間接照明により照らされた室内の物体や人物により反射され、曲面部５０Ｂに入射する光は、曲面部５０Ｂの外面５２によりさらに反射される。曲面部５０Ｂの形状を所定の数式で表される形状としておくことにより、曲面部５０Ｂにより反射された光の大部分がビデオカメラ６０に入射し、ビデオカメラ６０内で結像するようにできる。これは、曲面部５０Ｂとビデオカメラ６０との間の位置関係が、支持部材３０によって予め定められた関係に固定されているためである。このとき、電球４０からの光が直接ビデオカメラ６０に入射しないので、ビデオカメラ６０による撮影に悪影響が及ぶことはない。

なお、このようにしてビデオカメラ６０により撮影されたビデオ映像は歪んだものとなるが、曲面部５０Ｂの形状を表す式と、曲面部５０Ｂとビデオカメラ６０との間の位置関係とに基づいて補正し、人が確認しやすい通常の画像に変換することができる。これも、曲面部５０Ｂとビデオカメラ６０との間の位置関係が、支持部材３０によって固定されているためである。

図３に、監視装置２０の設置例、並びに光源光の光路及びこの室内から曲面部５０Ｂに入射する光がビデオカメラ６０に到達するまでの光路を模式的に示す。図３に示す設置例は、監視装置２０を室内の壁面８０に設置した場合のものである。

電球４０からの光源光は、図３の矢印８４Ａ及び８４Ｂにより示されるように、シェード５０の開口部より天井面８２に到達する。また、光源光の一部は，矢印８４Ｃで示されるようにシェード５０の内面により反射され、天井面８２に到達する。天井面８２に到達した光源光は、天井面８２で反射され、室内を間接的に照明する。

室内の物体や人物からの光は、矢印８６Ａ及び８６Ｂにより示されるように、曲面部５０Ｂの外面５２で反射され、ビデオカメラ６０に到達する。ビデオカメラ６０は、到達した光を受け、その光により形成される室内の物体及び人物の像を撮影する。

本実施の形態に係る監視装置２０によれば、ビデオカメラの撮影レンズを直接監視対象に向けることがない。それに加えて、ビデオカメラそのものが遮蔽部６２により遮蔽され、室内の大部分からは見えない。そのため、この室内にいる者がビデオカメラを意識するおそれは少なく、室内にいて落ち着かないという気分になったり、監視されていることを意識して不愉快になったりするおそれは少なくなる。

また、電球４０とシェード５０とを用いた間接照明により、監視対象を撮影するために必要な光源が確保できる。しかも、この光源光は間接照明であるため、撮影時のハレーションが生じにくく、監視対象の像を安定して得られる可能性が高くなる。

さらに、監視装置２０は、通常の間接照明装置と同様に壁面又は天井面に設置することが可能である。また、間接照明を行なうためのシェード５０を、ビデオカメラ６０による監視のために用いるため、監視装置が存在していることをあまり意識させない。

さらに、シェード５０はビデオカメラ６０側に向かって凸な曲面形状であるため、監視対象側の空間の広い範囲からの光を、ビデオカメラ６０の方向に反射する。そのためビデオカメラ６０は、監視対象側の空間の広い範囲を撮影できる。

［第２の実施の形態］
図４に、本発明の第２の実施の形態に係る監視装置の外観を示す。図４を参照して、本実施の形態に係る監視装置９０は、一面が開放された中空の三角錐形状を有するシェード１００を含む。

シェード１００は、壁面に装着できるように平坦となっている背面部１０２Ｃと、外側に向く面に鏡面仕上げが施されている二つの反射部１０２Ａ及び１０２Ｂとを含む。背面部１０２Ｃの内面中央部には、第１の実施の形態と同様、電球４０を装着できるソケット４２が設けられている。

監視装置９０はさらに、２本のＬ字型の支持部材１１０及び１１２を含む。

支持部材１１０の長い方の部材１１４の端部は反射部１０２Ａの中央付近で、背面部１０２Ｃに、壁面に沿う方向となるように接続されている。支持部材１１０の短い方の部材１１５には、ビデオカメラ６０Ａが取付可能な取付部材（図示せず）が設けられている。ビデオカメラ６０Ａは、その撮影レンズが反射部１０２Ａの方向を向くように固定される。さらに、支持部材１１０の短い方の部材１１５の端部には、ビデオカメラ６０Ａを周囲の人の目から遮蔽するための遮蔽部６２Ａが取付けられる。

支持部材１１２の長い方の部材１１６の端部は反射部１０２Ｂの中央付近で背面部１０２Ｃに、壁面に沿うような方向に接続されている。支持部材１１２の短い方の部材１１７の端部には、支持部材１１０の場合と同様に、ビデオカメラ６０Ｂ及び遮蔽部６２Ｂが取付けられる。

本実施の形態に係る監視装置９０の動作原理も、第１の実施の形態のものと同様である。ただし本実施の形態に係る監視装置９０においては、反射面が平面で構成されている。そのため、ビデオカメラ６０Ａ及び６０Ｂにより撮影された像は、ひずみの少ない像となり、補正が容易である。

なお、上記した第２の実施の形態では、監視装置のシェード１００は２つの平面形状の反射部１０２Ａ及び１０２Ｂを持ち、それぞれ対応するビデオカメラ６０Ａ及び６０Ｂが設けられる。しかし、本発明はこのような実施の形態には限定されない。例えばシェードの反射面を３枚以上とし、それぞれ対応するビデオカメラを設けるようにしてもよい。また、シェードの反射面のうち、特に監視する必要がない部分（主として両側部）は、鏡面仕上げとしなくてもよい。

［第３の実施の形態］
図５に、本発明の第３の実施の形態に係る監視装置の外観を示す。図５を参照して、この監視装置１２０は、室内の二つの壁面１２１及び１２２の接合部付近に設置される。監視装置１２０は、電球４０が装着可能なソケット４２と、壁面１２１及び１２２への取付部材（図示せず）とを有する背面板１３２と、背面板１３２に取付けられた電球４２を下から覆い、かつ上部を開放するように背面板１３２の前面に設けられたシェード１３０と、シェード１３０の下部に、壁面１２１及び１２２の接合線に沿って下方に伸びるように取付けられたＬ字型の支持部材１４０とを含む。

支持部材１４０は、その長い方の部材１４１の端部でシェード１３０に取付けられている。支持部材１４０の短い方の部材（図示せず）には、シェード１３０の下方の所定位置にビデオカメラ６０が固定できるように設けられた取付部（図示せず）が設けられている。支持部材１４０の短い方の部材の端部には、ビデオカメラ６０を人の目から遮蔽するための遮蔽部６２が取付けられる。シェード１３０の、背面板１３２と反対側で正面方向を向いている面１３１には、鏡面仕上げが施されている。ビデオカメラ６０は、シェード１３０の面１３１に撮影レンズを向けて上向きに設置される。

本実施の形態に係る監視装置１２０の動作及び機能は、第１の実施の形態及び第２の実施の形態の説明から明らかであろう。この実施の形態の監視装置１２０を部屋のコーナーに設置できる。その結果、室内の人物の邪魔になることもなく、室内を有効に利用しながら、室内の人物にビデオカメラによる監視を意識させることなく、室内を監視できる。

なお、上記した実施の形態では、図１等に示すように遮蔽部６２によりビデオカメラを遮蔽した。しかし、本発明はこのような実施の形態には限定されない。ビデオカメラの存在を監視対象に意識させないことができるものであれば、その形状、材質等は問わない。単なる板状部材ではなく、箱型にしたり、筒型にしたりすることもできる。さらに、この遮蔽部に何らかの機能（例えば鏡、飾り棚等の機能）を持たせるようにすれば、壁面を有効に利用することができ、好ましい。また例えば、ビデオカメラ６０自体の外観を、何か別のものに擬装してもよい。

今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。

第１の実施の形態に係る監視装置２０の外観を示す斜視図である。 図１に示される監視装置の、２−２面における断面図である。 第１の実施の形態に係る監視装置の設置状態の一例を模式的に示す図である。 第２の実施の形態に係る監視装置の外観を示す斜視図である。 第３の実施の形態に係る監視装置の外観を示す斜視図である。

符号の説明

２０，９０，１２０ 監視装置、３０，１１０，１１２，１４０ 支持部材、４０ 電球、４２ ソケット、５０，１００，１３０ シェード、５０Ａ 平坦部、６０，６０Ａ，６０Ｂ ビデオカメラ、６２ 遮蔽部、１３２ 背面板

Claims (7)

1. 予め定められた外形形状を有する間接照明のためのシェードと、
   前記シェードの内部に設けられた光源と、
   前記シェードの外部であって前記光源からの直射光が到達しない位置に設けられた監視カメラとを含み、
   前記シェードの外面の少なくとも一部に鏡面部分を形成し、当該鏡面部分によって反射された監視対象を前記監視カメラは撮影し、
   さらに、前記監視カメラを遮蔽するための遮蔽手段を含む、監視装置を備えた間接照明装置。
2. さらに、前記シェードに取付けられ、前記光源からの直射光が受光部に到達しない位置に前記監視カメラを支持するための支持部材を含む、請求項１に記載の監視装置を備えた間接照明装置。
3. 前記遮蔽手段は、前記支持部材に取付けられた監視カメラを覆うように前記支持部材に取付けられ、前記監視カメラを遮蔽するための遮蔽部材を含む、請求項２に記載の監視装置を備えた間接照明装置。
4. 前記シェードは、前記シェード内に設けられた光源に関して前記鏡面部分とは反対側に形成された開口部を有することを特徴とする、請求項１〜請求項３のいずれかに記載の監視装置を備えた間接照明装置。
5. 前記シェードは、前記光源からの直接光が到達しない位置に向かって凸の曲面形状を有することを特徴とする、請求項１〜請求項４のいずれかに記載の監視装置を備えた間接照明装置。
6. 前記シェードは、前記鏡面部分が平面となる形状に形成されていることを特徴とする、請求項１〜請求項４のいずれかに記載の監視装置を備えた間接照明装置。
7. 前記監視装置を備えた間接照明装置は、前記光源からの直接光が到達しない複数の位置にそれぞれ設けられた複数の監視カメラを含み、
   前記鏡面部分は、前記シェードの外面の、それぞれ別個の複数の領域にそれぞれ形成され、前記複数の監視カメラはそれぞれ、前記複数の領域の鏡面部分によってそれぞれ反射された監視対象を撮影することを特徴とする、請求項１に記載の監視装置を備えた間接照明装置。

Images