JP2005148482A - フイルム搬送ローラおよびフイルムキャリア - Google Patents

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Abstract

【課題】 写真フイルムの品質を保持しながらカールを矯正することができ、処理時間を短縮させることが可能なフイルム搬送ローラおよびフイルムキャリアを提供する。
【解決手段】 フイルムキャリア2の第1露光枠25のA方向上流側および下流側に配置された第3、第4搬送ローラ対44、45を、ローラ部44a、45aと、これら一対のローラ部44a、45aよりも小径の軸部44b、45bとから構成し、軸部44b、45bの外周面44d、45dで135フイルム15の幅方向のカールを矯正する。ローラ部44a、45aの間隔を、135フイルム15の画像記録領域15bの幅よりも大きくし、ローラ部44a、45aの内側の側端44c、45cが、135フイルム15の画像記録領域15bに接触しないように、第3、第4搬送ローラ対44、45を配置する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、写真フイルムを搬送するフイルム搬送ローラおよびフイルムキャリアに関する。
複数コマが連続した写真フイルムを1コマ毎に給送して、CCDなどの撮像素子で各コマに記録された画像を読み取る画像読取装置が普及している。この画像読取装置は、写真フイルムの各コマを画像読み取り部に位置決めするためのフイルムキャリアを備えている。フイルムキャリアでは、写真フイルムのカールに起因する焦点ボケや画像の歪みを防止するために、画像を読み取る際に写真フイルムを平坦にする工夫がなされている。
例えば、写真フイルムの画像記録領域に当接し得る位置に、写真フイルムの厚さ以上、且つ写真フイルムに生じ得るカールの高さ以下の間隙を設けて補助ローラを配置し、写真フイルムを画像読み取り部に給送する際に、この補助ローラで写真フイルムを軽く押さえることにより、カールを矯正するフイルム給送装置が提案されている(特許文献1参照)。また、写真フイルムを画像読み取り部に給送した後、枠状の圧着板で写真フイルムを上下から挟持して、写真フイルムの画像記録領域を平坦にするフイルムキャリアが提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−272728号公報 特開2002−296696号公報
特許文献1に記載のフイルム給送装置では、写真フイルムの画像記録領域に補助ローラを押し当てるので、写真フイルムを高速で搬送したり、複数回搬送を繰り返すと、補助ローラの縁部で画像記録領域に傷を付けるおそれがあった。そのうえ、補助ローラの写真フイルムとの接触面が、ゴム製または樹脂製の発泡剤から形成されているため、写真フイルムの搬送を繰り返すと、写真フイルム上のゴミや塵埃が接触面に付着して、このゴミや塵埃により画像記録領域に傷を付けるおそれがあった。
特許文献2に記載のフイルムキャリアでは、圧着板で圧着した状態で写真フイルムを搬送すると、写真フイルムに傷を付けてしまうため、撮像素子で画像を読み取った後に圧着を解除する必要がある。このため、1コマの画像読み取りを行うのに、写真フイルムを画像読み取り部に給送→給送停止→圧着→撮像→圧着解除→送り出しという6つの工程を経なければならず、処理時間が長くなるという問題があった。また、圧着板をソレノイドなどで稼動させているため、装置の大型化を招くとともに、製造コストが嵩むという問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、簡単な構造で、写真フイルムの品質を保持しながらカールを矯正することができるフイルム搬送ローラおよびフイルムキャリアを提供することを目的とする。
また、本発明は、1コマの画像読み取りに掛かる処理時間を短縮させることができるフイルム搬送ローラおよびフイルムキャリアを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のフイルム搬送ローラは、画像記録領域を有する写真フイルムを搬送するための一対のローラ部と、このローラ部よりも小径の軸部とを備え、前記一対のローラ部の間隔を前記画像記録領域の幅よりも大きくするとともに、前記軸部の外周面で前記写真フイルムの幅方向のカールを矯正することを特徴とする。
なお、前記ローラ部と前記軸部の径の差を、0.05〜0.3mmとすることが好ましい。また、前記ローラ部は弾性部材、前記軸部は金属または樹脂からなることが好ましい。あるいは、前記ローラ部は弾性部材、前記軸部は表面に樹脂が形成された金属からなることが好ましい。
また、前記軸部の外周面は、表面粗さが1.6μm以下であることが好ましい。あるいは、前記軸部の外周面は、前記写真フイルムに付着したゴミを除去するゴミ取りブラシであることが好ましい。さらに、前記ローラ部と前記軸部との境目に、軸部の外周面に付着したゴミを集積して除去するためのゴミ取り溝を設けることが好ましい。
請求項8に記載の発明は、写真フイルムに記録された画像の読み取り時または焼き付け時に、前記写真フイルムの画像記録領域を読み取るための読み取り枠と、前記写真フイルムの搬送方向に関して、前記読み取り枠の上流側および下流側にそれぞれ配された第1および第2搬送ローラ対とを備えたフイルムキャリアにおいて、前記第1および第2搬送ローラ対を構成する搬送ローラのうち少なくとも1つを、前記写真フイルムを搬送するための一対のローラ部と、このローラ部よりも小径の軸部とから構成し、前記ローラ部の側端が、前記写真フイルムの画像記録領域に接触しないように、前記搬送ローラを配置するとともに、前記軸部の外周面で前記写真フイルムの幅方向のカールを矯正することを特徴とする。
なお、前記ローラ部と前記軸部の径の差を、0.05〜0.3mmとすることが好ましい。また、前記ローラ部は弾性部材、前記軸部は金属または樹脂からなることが好ましい。あるいは、前記ローラ部は弾性部材、前記軸部は表面に樹脂が形成された金属からなることが好ましい。
また、前記軸部の外周面は、表面粗さが1.6μm以下であることが好ましい。あるいは、前記軸部の外周面は、前記写真フイルムに付着したゴミを除去するゴミ取りブラシであることが好ましい。さらに、前記ローラ部と前記軸部との境目に、軸部の外周面に付着したゴミを集積して除去するためのゴミ取り溝を設けることが好ましい。
また、前記画像記録領域外で前記写真フイルムに接触して、前記カールを矯正する補助ローラを、前記第1搬送ローラ対と第2搬送ローラ対との間に配置することが好ましい。
あるいは、前記画像記録領域外で前記写真フイルムを挟み込んで、前記幅方向および搬送方向のカールを矯正する一対のガイド部材を、前記第1搬送ローラ対と第2搬送ローラ対との間に配置することが好ましく、前記一対のガイド部材の間隔を、0.5mm以下とすることが好ましい。または、前記一対のガイド部材の一方を、他方に向けて付勢する付勢手段を設けることが好ましい。
また、前記第2搬送ローラ対による写真フイルムの搬送量を、前記第1搬送ローラ対による搬送量よりも大きくして、前記読み取り枠内で写真フイルムをその搬送方向に張らせる張力発生機構を備えることが好ましい。
前記張力発生機構は、前記第1搬送ローラ対または/および第2搬送ローラ対の回転数または駆動タイミングを制御することが好ましい。あるいは、前記張力発生機構は、前記読み取り枠と、前記第1搬送ローラ対または/および第2搬送ローラ対との間に配置され、これらの間で前記写真フイルムをその搬送方向に撓ませるフリクションローラであることが好ましい。
本発明のフイルム搬送ローラおよびフイルムキャリアによれば、画像記録領域を有する写真フイルムを搬送するための一対のローラ部と、このローラ部よりも小径の軸部とを備え、一対のローラ部の間隔を画像記録領域の幅よりも大きくするとともに、軸部の外周面で写真フイルムの幅方向のカールを矯正するので、簡単な構造で、写真フイルムの品質を保持しながらカールを矯正することができる。また、従来必要であったフイルム圧着工程が省略または簡素化されるので、1コマの画像読み取りに掛かる処理時間を短縮させることができる。
図1および図2において、本発明を適用したフイルムキャリア2は、キャリアベース10と上カバー11とから構成される。上カバー11は、取り付け軸12によりキャリアベース10に取り付けられ、図1に示す倒伏位置と、図2に示す起立位置との間で開閉自在となっている。
上カバー11は、図示しないバネにより起立位置に向けて付勢されている。キャリアベース10には、上カバー11を倒伏位置でロックするロック部材13と、ロック部材13のロックを解除する解除ボタン14とが設けられている。解除ボタン14を操作すると、取り付け軸12を中心にして上カバー11が起立位置に回転し、後述するフイルム搬送路17、18が露呈する。
キャリアベース10と上カバー11との間には、ストリップ形態の135フイルム15を搬送する135フイルム搬送路17と、IX240フイルム16を搬送するIX240フイルム搬送路18とが、取り付け軸12と平行に並設されている。各フイルム搬送路17、18は、キャリアベース10に形成された断面コの字状の下溝17a、18aと、上カバー11に形成された上溝17b、18bとからなる。フイルムキャリア2は、図示しないスライド機構により、画像読取装置に対してフイルム搬送路17、18の幅方向にスライドし、2つのフイルム搬送路17、18のいずれか一方が画像読取装置の画像読み取り部に選択的にセットされる。
135フイルム搬送路17の始端には、135フイルム15を挿入するためのフイルム挿入口19が設けられている。また、IX240フイルム搬送路18の始端には、IX240フイルム16のカートリッジ20が装填されるカートリッジ装填部21が設けられている。一方、各フイルム搬送路17、18の終端には、画像読み取り後の各フイルム15、16を巻き取って一時的に収納するフイルム収納部22が設けられている。
カートリッジ装填部21の上部には、ツマミ21aが取り付けられている。このツマミ21aを持って上方に引くと、カートリッジ装填部21が装填位置にセットされ、カートリッジ20が装填可能となる。カートリッジ20の装填後、ツマミ21aを下方に戻すと、カートリッジ装填部21がガイド位置に戻り、カートリッジ20のフイルム送り出し口がIX240フイルム搬送路18に位置決めされる。そして、カートリッジ装填部21内に設けられたフイルム送り出し部(図示せず)により、IX240フイルム搬送路18に向けてIX240フイルム16が送り出される。
各フイルム搬送路17、18の中程には、その下方から画像読取装置の光源からの光が照射される第1、第2読み取り開口23、24を有する第1、第2露光枠25、26が配置されている。この第1、第2露光枠25、26では、各フイルム15、16を透過した光が、フイルムキャリア2を挟んで光源とは逆側に配置された画像読取装置のCCDで撮像され、各コマの画像が読み取られる。
第1、第2露光枠25、26の下溝17a、18aには、第1、第2ロアマスク27、28が取り付けられている。また、第1、第2ロアマスク27、28に対峙する上溝17b、18bの位置には、第1、第2アッパマスク29、30が取り付けられている。なお、符号31は操作パネルであり、フイルム送りの際に操作される。
図3に示すように、135フイルム搬送路17には、フイルム挿入口19から順に、先端検知センサ40、第1搬送ローラ対41、第1パーフォレーションセンサ42、第2搬送ローラ対43、第3搬送ローラ対44、前述の第1読み取り開口23を有する第1露光枠25、第4搬送ローラ対45、および第2パーフォレーションセンサ46が配置されている。また、IX240フイルム搬送路18には、カートリッジ装填部21から順に、第5搬送ローラ対47、第3パーフォレーションセンサ48、磁気読み取りヘッド49、第6搬送ローラ対50、前述の第2読み取り開口24を有する第2露光枠26、および第7搬送ローラ対51が配置されている。これら各部の動作は、コントローラ52により統括的に制御される。
先端検知センサ40は、フイルム挿入口19への135フイルム15の先端の挿入を検知して、この検知信号をコントローラ52に送信する。コントローラ52は、送信された検知信号に基づいて、フイルム搬送モータ53を正転駆動させる。フイルム搬送モータ53の駆動力は、図示しないタイミングベルトやプーリを介して、第1〜第7搬送ローラ対41、43〜45、47、50、51に伝達される。これにより、第1〜第7搬送ローラ対41、43〜45、47、50、51が同期して回転し、各フイルム15、16を各フイルム搬送路17、18に引き込む。なお、以下の説明では、フイルム搬送モータ53の正転に応じた搬送方向をA、逆転に応じた搬送方向をBとする。
第1〜第3パーフォレーションセンサ42、46、48は、135フイルム15のパーフォレーション15a(図1参照)や、図示しないIX240フイルムのパーフォレーションを検出して、この検出信号をコントローラ52に送信する。コントローラ52は、送信された検出信号をカウントし、各コマの記録位置を特定する。磁気読み取りヘッド49は、IX240フイルム16の磁気記録層に記録された撮影情報を読み取ってコントローラ52に送信する。
図4および図5に示すように、第1露光枠25のA方向上流側および下流側に配置された第3、第4搬送ローラ対44、45は、135フイルム15を搬送するローラ部44a、45aと、これら一対のローラ部44a、45aが両端に配された軸部44b、45bとから構成される。ローラ部44a、45aの外径は、軸部44b、45bの外径よりも大きくなっており、ローラ部44a、45aと軸部44b、45bとの境目に段差d1が設けられている。本実施形態においては、ローラ部44a、45aとして弾性部材(例えばポリウレタンゴム)、軸部44b、45bとして、表面粗さが1.6μm以下となるようにバフ仕上げなどの磨き加工が施された金属(例えばステンレス)、または表面粗さが1.6μm以下のテフロン(登録商標)などの樹脂がそれぞれ用いられ、段差d1は0.3mmとなっている。なお、段差d1は、0.05〜0.3mmの範囲内にあることが好ましい。
一対のローラ部44a、45aの間隔d2は、135フイルム15の画像記録領域15bの幅d3よりも大きくなっている。さらに、第3、第4搬送ローラ対44、45は、ローラ部44a、45aの内側の側端44c、45cが、135フイルム15の画像記録領域15bに接触しないように配置されている。135フイルム15は、上下一対のローラ部44a、45aにより両端を挟持され、軸部44b、45bの外周面44d、45dで幅方向のカール(図5に点線で示す)を矯正されながら搬送される。なお、図示および説明は省略するが、IX240フイルム搬送路18の第2露光枠26のA方向上流側および下流側に配置された第6、第7搬送ローラ対50、51も、第3、第4搬送ローラ対44、45と同様の構成を有している。また、ここでいう第3、第4搬送ローラ対44、45、第6、第7搬送ローラ対50、51は、請求項8で表記される第1、第2搬送ローラ対に対応している。
図3において、フイルム収納部22には、画像読み取り後の各フイルム15、16が巻き取られる巻き取り軸54、55が設けられている。これらの巻き取り軸54、55は、フイルム搬送モータ53の駆動を利用して回転し、各フイルム15、16を先端から巻き取って収納する。なお、フイルム搬送モータ53とは別個に、巻き取り専用のモータを設けてもよい。
次に、上記構成による作用について説明する。まず、135フイルム15から画像を読み取る場合には、画像読取装置の読み取り位置に、135フイルム搬送路17の第1露光枠25が合うようにフイルムキャリア2をスライドさせ、フイルム挿入口19から135フイルム15を挿入する。
135フイルム15が挿入されると、その先端が先端検知センサ40に検知され、この検知信号がコントローラ52に送信される。コントローラ52では、検知信号に応答してフイルム搬送モータ53を正転駆動させる。これにより、第1〜第4搬送ローラ対41、43〜45が同期して回転され、135フイルム15が第1露光枠25に向けて搬送される。このとき、135フイルム15は、第3、第4搬送ローラ対44、45の上下一対のローラ部44a、45aにより両端を挟持され、軸部44b、45bの外周面44d、45dで幅方向のカールが矯正される。
135フイルム15の搬送中は、第1、第2パーフォレーションセンサ42、46で135フイルム15のパーフォレーション15aが検出される。コントローラ52では、第1、第2パーフォレーションセンサ42、46からフイルム頭出し分に応じた所定の検出信号を受信すると、フイルム搬送モータ53の駆動を一旦停止させる。これにより、最初の撮影コマが第1露光枠25にセットされる。
最初の撮影コマの第1露光枠25へのセットが完了すると、コントローラ52から画像読取装置にプレスキャン開始信号が送信される。このプレスキャンは、比較的粗い読み取り精度で各撮影コマの画像を読み取り、後に行われるファインスキャンで読み取ったデータを補正するプレスキャン情報を撮影コマ毎に算出するために行われる。プレスキャン情報は、画像読取装置で各撮影コマに対応付けて記憶される。
最初の撮影コマのプレスキャン後、画像読取装置からコントローラ52にプレスキャン情報の記憶が完了した旨の信号が送信される。そして、コントローラ52によりフイルム搬送モータ53が再び正転駆動され、135フイルム15がA方向に1コマ分移送される。以下、同様に135フイルム15がA方向に1コマずつ送られながら、各撮影コマに対してプレスキャンが行われる。なお、プレスキャンの際には、135フイルム15の先端がフイルム収納部22の巻き取り軸54に巻き取られ、135フイルム15がフイルム収納部22に一時的に収納される。
全撮影コマのプレスキャン後、コントローラ52によりフイルム搬送モータ53の駆動が停止される。そして、フイルム搬送モータ53が逆転駆動され、135フイルム15がB方向に逆送される。画像読取装置では、記憶したプレスキャン情報に基づいて、最後尾の撮影コマから順にファインスキャンが行われ、各撮影コマの画像が読み取られる。全撮影コマのファインスキャン後、135フイルム15は、第1〜第4搬送ローラ対41、43〜45によりB方向に逆送され、フイルム挿入口19から排出される。
IX240フイルム16から画像を読み取る場合には、画像読取装置の読み取り位置に、IX240フイルム搬送路18の第2露光枠26が合うようにフイルムキャリア2をスライドさせる。そして、ツマミ21aを持って上方に引き、カートリッジ装填部21を装填位置にセットして、IX240フイルム16が収納されたカートリッジ20を装填する。
カートリッジ20の装填後、ツマミ21aを下方に戻してカートリッジ装填部21をガイド位置に戻し、カートリッジ20のフイルム送り出し口をIX240フイルム搬送路18に位置決めする。
カートリッジ20の位置決め後、操作パネル31の操作により、カートリッジ装填部21内に設けられたフイルム送り出し部、およびフイルム搬送モータ53が正転駆動される。これにより、第5〜第7搬送ローラ対47、50、51が同期して回転され、IX240フイルム16が第2露光枠26に向けて搬送される。このとき、135フイルム15の場合と同様に、IX240フイルム16は、第6、第7搬送ローラ対50、51の上下一対のローラ部により両端を挟持され、軸部の外周面で幅方向のカールが矯正される。なお、第5〜第7搬送ローラ対47、50、51による搬送が開始されると、フイルム送り出し部の駆動は自動的に解除される。
IX240フイルム16の搬送中は、第3パーフォレーションセンサ48でIX240フイルム16のパーフォレーションが検出され、磁気読み取りヘッド49でIX240フイルム16の磁気記録層に記録された撮影情報が読み取られる。コントローラ52では、第3パーフォレーションセンサ48からフイルム頭出し分に応じた所定の検出信号を受信すると、フイルム搬送モータ53の駆動を一旦停止させる。これにより、最初の撮影コマが第2露光枠26にセットされる。
以下、前述の135フイルム15の場合と同様に、IX240フイルム16をA方向に1コマずつ送りながらプレスキャンした後、カートリッジ20にIX240フイルム16を巻き戻しながら、B方向に1コマずつ送ってファインスキャンを行い、各撮影コマの画像を読み取る。
第3、第4搬送ローラ対44、45のローラ部44a、45aとして弾性部材を用いているので、十分な挟持力で135フイルム15を確実に搬送することができる。また、軸部44b、45bとして、表面粗さが1.6μm以下となるようにバフ仕上げなどの磨き加工が施された金属、または表面粗さが1.6μm以下のテフロン(登録商標)などの樹脂を用いているので、ゴミや塵埃が付着し難い。そのうえ、画像記録領域15bにローラ部44a、45aの側端44c、45cが接触しないように、第3、第4搬送ローラ対44、45を配置したので、ローラ部44a、45aの側端44c、45cで画像記録領域15bに傷やゴミを付けることがない。
135フイルム15に幅方向のカールがあるときには、画像記録領域15bが軸部44b、45bの外周面44d、45dに接触するが、補助ローラを押し当てて矯正する場合と比べて、画像記録領域15bに傷が付き難い。
ローラ部44a、45aと軸部44b、45bとが一体で、1台のフイルム搬送モータ53による駆動力で同時に搬送・矯正を行うので、矯正用の補助ローラを搬送ローラと別体で設けた場合のように、2つのローラによるフイルムの搬送速度に差が生じ、補助ローラがスリップしてフイルムに擦り傷が付くおそれがない。また、写真フイルムの圧着機構が省略されるので、フイルム圧着、圧着解除工程を省略または簡素化することが可能となる。したがって、装置および生産コストダウン、装置の小型化を促進させることができる。また、フイルム圧着、圧着解除時の機械的な騒音が無くなり、静音化を実現させることができる。なお、第6、第7搬送ローラ対50、51も、上記と同様の効果を奏する。
第3、第4搬送ローラ対44、45(第6、第7搬送ローラ対50、51)を、図6〜8に示す搬送ローラ60〜62のような構造としてもよい。搬送ローラ60〜62は、上記実施形態と同様に、ローラ部60a〜62aとして弾性部材、軸部60b〜62bとして金属がそれぞれ用いられ、ローラ部60a〜62aと軸部60b〜62bとの段差d4〜d6は0.3mmとなっている。
図6に示す搬送ローラ60の軸部60bの外周面60dには、表面粗さが1.6μm以下のテフロン(登録商標)などの樹脂63が形成されている。このようにすると、上記実施形態のように金属の表面に磨き加工を施す必要が無くなり、製造コストを削減することができる。
図7に示す搬送ローラ61の軸部61bの外周面61dは、135フイルム15に付着したゴミを除去するゴミ取りブラシ64となっている。このようにすると、フイルム搬送路にゴミ取りローラを設ける必要が無くなり、部品コストを削減することができる。
図8に示す搬送ローラ62のローラ部62aと軸部62bとの境目には、軸部62bの外周面62dに付着したゴミを集積して除去するためのゴミ取り溝65が設けられている。これにより、ローラ清掃時の作業性を向上させることができる。なお、ゴミ取り溝65の形状としては、テーパー状(65a)、コの字状(65b)のいずれでもよい。
図9に示すように、135フイルム15の幅方向のカール矯正をより確実に行うために、第3搬送ローラ対44と第4搬送ローラ対45との間に、補助ローラ70を配置してもよい。この補助ローラ70は、画像記録領域15b外で135フイルム15に接触して、135フイルム15の搬送を補助するとともに、135フイルム15の幅方向のカールを矯正する。
また、図10に示すように、補助ローラ70と同様の目的で、画像記録領域15b外で135フイルム15を挟み込む一対のガイド部材71を、第3搬送ローラ対44と第4搬送ローラ対45との間に配置してもよい。この一対のガイド部材71は、その間隔d7が0.5mm以下となっており、135フイルム15の搬送を案内するとともに、135フイルム15の幅方向および搬送方向のカールを矯正する。
さらに、図11に示すように、上側のガイド部材71を、下側のガイド部材71の方向に付勢する付勢バネ72を設け、135フイルム15の搬送時にガイド部材71を退避させるようにしてもよい。このようにすると、135フイルム15の幅方向のカール矯正を、より一層確実に行うことができる。なお、下側のガイド部材71を、上側のガイド部材71の方向に付勢してもよい。
図12〜15に示すように、135フイルム15の搬送方向下流側に配置された搬送ローラ対の搬送量を、上流側に配置された搬送ローラ対の搬送量よりも大きくして、第1露光枠25内で135フイルム15をその搬送方向に張らせ、135フイルム15の搬送方向のカールを矯正してもよい。
図12に示す例では、第3搬送ローラ対44のローラ径d8を、第4搬送ローラ対45のローラ径d9よりも大きくし、これらを同一のフイルム搬送モータ53で駆動させ、ファインスキャン時に第4搬送ローラ対45で搬送する135フイルム15を僅かに滑らせることで、135フイルム15をB方向に張らせる。なお、ローラ径の代わりに、フイルム搬送モータ53の駆動力を第3、第4搬送ローラ対44、45に伝達するプーリやギヤの径を変えてもよい。また、ローラ径を変えずに、2台のフイルム搬送モータで第3、第4搬送ローラ対44、45を個別に駆動させ、これらの回転数または駆動タイミングを制御することで、第1露光枠25内で135フイルム15をその搬送方向に張らせてもよい。但し、プレスキャン時に135フイルム15がA方向に撓まないように、ローラ径や回転数、駆動タイミングを設定することが好ましい。
図13に示す例では、第3、第4搬送ローラ対44、45とフイルム搬送モータ53との間に、第1、第2電磁クラッチ80、81を接続し、ファインスキャン時に135フイルム15の撮影コマを第1露光枠25へセットする際に、第1電磁クラッチ80を第2電磁クラッチ81よりも所定時間遅らせて切ることで、第4搬送ローラ対45の停止タイミングに対して、第3搬送ローラ対44の停止タイミングを遅らせる。なお、プレスキャン時には、第1、第2電磁クラッチ80、81を上記と逆に駆動させ、135フイルム15をA方向に張らせる。
図14に示す例では、第3搬送ローラ対44とフイルム搬送モータ53との間に、第1減速ギヤ82を接続し、第4搬送ローラ対45とフイルム搬送モータ53との間に、電磁クラッチ83および第2減速ギヤ84を接続する。この場合、ファインスキャン時に135フイルム15の撮影コマを第1露光枠25へセットする際に、まず電磁クラッチ83を切り、第4搬送ローラ対45を停止させた後、第3搬送ローラ対44のみにフイルム搬送モータ53の駆動力を伝達させる。そして、所定量搬送後に第1減速ギヤ82を介して第3搬送ローラ対44にセルフロックをかける。なお、セルフロックの方法としては、第3搬送ローラ対44にトルクリミッタを取り付け、ある一定以上の負荷が掛かるとローラが空転するようにする。または、フイルム搬送モータ53側のギヤのモジュールよりも第3搬送ローラ対44側のギヤのモジュールを小さくし、第3搬送ローラ対44側のギヤをフイルム搬送モータ53側のギヤよりも回りにくくする。
図15に示す例では、第1露光枠25と第3、第4搬送ローラ対44、45との間で、135フイルム15をその搬送方向に撓ませる第1、第2フリクションローラ対85、86が配置されている。135フイルム15をA方向に搬送しているとき(プレスキャン時)には、第1フリクションローラ対85の摩擦力により、第3搬送ローラ対44と第1フリクションローラ対85との間で、135フイルム15に撓み87aを発生させる。一方、B方向に搬送しているとき(ファインスキャン時)には、第2フリクションローラ対86の摩擦力により、第2フリクションローラ対86と第4搬送ローラ対45との間で、135フイルム15に撓み87bを発生させる。このように、第3、第4搬送ローラ対44、45による135フイルム15の幅方向のカール矯正とともに、搬送方向のカール矯正を行うようにすれば、焦点ボケや歪みのないより高画質な画像を得ることができる。
上記実施形態では、第3、第4搬送ローラ対44、45を構成する全ての搬送ローラが段差d1を有する構造としたが、4本のうち少なくとも1本が段差d1を有する構造であればよい。また、ローラ部44a、45aと軸部44b、45bとを、同一の部材で構成してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態のように、1コマずつ画像読み取り部に搬送する間欠送りではなく、写真フイルムを連続送りして、ラインCCDなどの撮像素子で写真フイルムの幅方向に走査する方式にも適用可能である。また、上記実施形態では、2つの搬送路17、18を有するフイルムキャリア2を例として挙げたが、1つの搬送路を有するものに本発明を適用してもよい。
本発明を適用したフイルムキャリアを示す外観斜視図である。 上カバーを開いた状態のフイルムキャリアを示す外観斜視図である。 フイルムキャリアの内部構成を示す説明図である。 第3、第4搬送ローラ対の構成を示す斜視図である。 第3、第4搬送ローラ対の構成を示す断面図である。 搬送ローラの他の実施形態を示す断面図である。 搬送ローラの他の実施形態を示す断面図である。 搬送ローラの他の実施形態を示す断面図である。 補助ローラを配置した例を示す斜視図である。 ガイド部材を配置した例を示す斜視図である。 ガイド部材に付勢バネを設けた例を示す斜視図である。 第3、第4搬送ローラ対のローラ径を変えた例を示す説明図である。 第3、第4搬送ローラ対とフイルム搬送モータとの間に電磁クラッチを接続した例を示す説明図である。 第3搬送ローラ対とフイルム搬送モータとの間に電磁クラッチを接続し、第4搬送ローラ対とフイルム搬送モータとの間に電磁クラッチおよび第2減速ギヤを接続した例を示す説明図である。 第1露光枠と第3、第4搬送ローラ対との間にフリクションローラ対を配置した例を示す説明図である。
符号の説明
2 フイルムキャリア
10 キャリアベース
11 上カバー
15 135フイルム
15b 画像記録領域
16 IX240フイルム
17 135フイルム搬送路
18 IX240フイルム搬送路
20 カートリッジ
21 カートリッジ装填部
22 フイルム収納部
23、24 第1、第2読み取り開口
25、26 第1、第2露光枠
27、28 ロアマスク
29、30 アッパマスク
41、43〜45、47、50、51 第1〜第7搬送ローラ対
44a、45a ローラ部
44b、45b 軸部
44c、45c 側端
44d、45d 外周面
52 コントローラ
53 フイルム搬送モータ
60〜62 搬送ローラ
60a〜62a ローラ部
60b〜62b 軸部
60d〜62d 外周面
63 樹脂
64 ゴミ取りブラシ
65a、65b ゴミ取り溝
70 補助ローラ
71 ガイド部材
72 付勢バネ
80、81 第1、第2電磁クラッチ
82、84 第1、第2減速ギヤ
83 電磁クラッチ
85、86 第1、第2フリクションローラ対
87a、87b 撓み

Claims (21)

  1. 画像記録領域を有する写真フイルムを搬送するための一対のローラ部と、このローラ部よりも小径の軸部とを備え、
    前記一対のローラ部の間隔を前記画像記録領域の幅よりも大きくするとともに、
    前記軸部の外周面で前記写真フイルムの幅方向のカールを矯正することを特徴とするフイルム搬送ローラ。
  2. 前記ローラ部と前記軸部の径の差を、0.05〜0.3mmとしたことを特徴とする請求項1に記載のフイルム搬送ローラ。
  3. 前記ローラ部は弾性部材、前記軸部は金属または樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載のフイルム搬送ローラ。
  4. 前記ローラ部は弾性部材、前記軸部は表面に樹脂が形成された金属からなることを特徴とする請求項1または2に記載のフイルム搬送ローラ。
  5. 前記軸部の外周面は、表面粗さが1.6μm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のフイルム搬送ローラ。
  6. 前記軸部の外周面は、前記写真フイルムに付着したゴミを除去するゴミ取りブラシであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のフイルム搬送ローラ。
  7. 前記ローラ部と前記軸部との境目に、軸部の外周面に付着したゴミを集積して除去するためのゴミ取り溝を設けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のフイルム搬送ローラ。
  8. 写真フイルムに記録された画像の読み取り時または焼き付け時に、前記写真フイルムの画像記録領域を読み取るための読み取り枠と、前記写真フイルムの搬送方向に関して、前記読み取り枠の上流側および下流側にそれぞれ配された第1および第2搬送ローラ対とを備えたフイルムキャリアにおいて、
    前記第1および第2搬送ローラ対を構成する搬送ローラのうち少なくとも1つを、前記写真フイルムを搬送するための一対のローラ部と、このローラ部よりも小径の軸部とから構成し、
    前記ローラ部の側端が、前記写真フイルムの画像記録領域に接触しないように、前記搬送ローラを配置するとともに、
    前記軸部の外周面で前記写真フイルムの幅方向のカールを矯正することを特徴とするフイルムキャリア。
  9. 前記ローラ部と前記軸部の径の差を、0.05〜0.3mmとしたことを特徴とする請求項8に記載のフイルムキャリア。
  10. 前記ローラ部は弾性部材、前記軸部は金属または樹脂からなることを特徴とする請求項8または9に記載のフイルムキャリア。
  11. 前記ローラ部は弾性部材、前記軸部は表面に樹脂が形成された金属からなることを特徴とする請求項8または9に記載のフイルムキャリア。
  12. 前記軸部の外周面は、表面粗さが1.6μm以下であることを特徴とする請求項8ないし11のいずれかに記載のフイルムキャリア。
  13. 前記軸部の外周面は、前記写真フイルムに付着したゴミを除去するゴミ取りブラシであることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載のフイルムキャリア。
  14. 前記ローラ部と前記軸部との境目に、軸部の外周面に付着したゴミを集積して除去するためのゴミ取り溝を設けたことを特徴とする請求項8ないし13のいずれかに記載のフイルムキャリア。
  15. 前記画像記録領域外で前記写真フイルムに接触して、前記カールを矯正する補助ローラを、前記第1搬送ローラ対と第2搬送ローラ対との間に配置したことを特徴とする請求項8ないし14のいずれかに記載のフイルムキャリア。
  16. 前記画像記録領域外で前記写真フイルムを挟み込んで、前記幅方向および搬送方向のカールを矯正する一対のガイド部材を、前記第1搬送ローラ対と第2搬送ローラ対との間に配置したことを特徴とする請求項8ないし14のいずれかに記載のフイルムキャリア。
  17. 前記一対のガイド部材の間隔を、0.5mm以下としたことを特徴とする請求項16に記載のフイルムキャリア。
  18. 前記一対のガイド部材の一方を、他方に向けて付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項16に記載のフイルムキャリア。
  19. 前記第2搬送ローラ対による写真フイルムの搬送量を、前記第1搬送ローラ対による搬送量よりも大きくして、前記読み取り枠内で写真フイルムをその搬送方向に張らせる張力発生機構を備えたことを特徴とする請求項8ないし18のいずれかに記載のフイルムキャリア。
  20. 前記張力発生機構は、前記第1搬送ローラ対または/および第2搬送ローラ対の回転数または駆動タイミングを制御することを特徴とする請求項19に記載のフイルムキャリア。
  21. 前記張力発生機構は、前記読み取り枠と、前記第1搬送ローラ対または/および第2搬送ローラ対との間に配置され、これらの間で前記写真フイルムをその搬送方向に撓ませるフリクションローラであることを特徴とする請求項19に記載のフイルムキャリア。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010082854A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Fujifilm Corp フィルム延伸装置及び方法

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