JP2005147969A - 光学顕微鏡測定装置 - Google Patents

光学顕微鏡測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005147969A
JP2005147969A JP2003388726A JP2003388726A JP2005147969A JP 2005147969 A JP2005147969 A JP 2005147969A JP 2003388726 A JP2003388726 A JP 2003388726A JP 2003388726 A JP2003388726 A JP 2003388726A JP 2005147969 A JP2005147969 A JP 2005147969A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
excitation light
sample
objective lens
probe light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003388726A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4016938B2 (ja
Inventor
Toshiyuki Hobo
敏行 保母
Kazumi Uchiyama
一美 内山
Takuya Shimozaka
琢哉 下坂
Hiroaki Nakanishi
博昭 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2003388726A priority Critical patent/JP4016938B2/ja
Publication of JP2005147969A publication Critical patent/JP2005147969A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4016938B2 publication Critical patent/JP4016938B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Abstract

【課題】 励起光とプローブ光との焦点を試料界面に合わせたり、測定点に合わせたりすることが容易にできる全反射熱レンズ法による測定装置を提供する。
【解決手段】 測定点を光学的に観察する光学顕微鏡本体16と、励起光Eを照射する光源20と、励起光Eを対物レンズ12の光軸に平行に入射させるとともに対物レンズ12の周縁部分を通過させて励起光Eを屈折させ測定点に対して斜めに入射させ試料界面で全反射するようにした励起光入射光学系と、プローブ光Pを照射する光源21と、プローブ光Pを対物レンズ12の光軸に平行に入射させるとともに対物レンズ12の中央部分を通過させてプローブ光Pを測定点に垂直入射させることによりプローブ光Pが試料30を通過するようにしたプローブ光入射光学系と、試料30を通過したプローブ光を検出する検出器19とを備え、励起光Eによって生じる測定点近傍の屈折率の変化を、プローブ光Pにより検出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、微小領域の測定を行う光学顕微鏡を応用した光学顕微鏡測定装置に関し、さらに詳細には全反射熱レンズ法を用いて非破壊で試料表面の顕微測定を行うことができる光学顕微鏡測定装置に関する。
細胞の表面の微小領域を生きたまま測定するなど、生物分野では生きたまま、あるいは活動している状態のまま表面の微小領域を測定することが必要であり、光学顕微鏡はこのような生体由来試料の表面を測定する際によく用いられている。
また、光を全反射条件で入射し、その光により励起された屈折率分布を測定する手法は全反射熱レンズ法として、各種計測分野や検査分野において応用が検討されている。
全反射熱レンズ法を微小領域の顕微測定に応用すると高感度な測定が可能であるとともに、蛍光処理が不要であることから、生体膜中に存在するレセプターや酵素などの反応メカニズムの解析手段など基礎研究分野への有用性が大きく、新たな測定技術として新市場を形成することが期待されている。
図4は従来法による全反射熱レンズ法を用いた測定光学系の概略構成を示す図である。測定しようとする試料7の表面に台形プリズム3が密着するように取り付けてある。励起光1とプローブ光2とをそれぞれ台形プリズム3の異なる入射面4、5に対して垂直に入射する。励起光1は集光レンズ6(凸レンズ)により集光され、その焦点はちょうどプリズム3/試料7界面にある。
励起光1はプリズム3/試料7界面で全反射し、その結果、励起光1はエバネッセント波として試料7側に約100nm染み出す。このエバネッセント波は界面近傍の試料7のみにより吸収され、焦点近傍に局所的に熱が発生する。そのため、焦点を中心として温度分布が形成される。一般的に温度が高いほど屈折率は小さいので、焦点近傍で屈折率が小さい屈折率勾配(熱レンズ)となる。
この部分にプローブ光2を通すとその屈折率勾配により光が屈折し、図4に示したようにプローブ光2は広がり、中心での単位面積あたりの光強度が変化する。その変化量をピンホール8と光検出器9(フォトダイオード)により検出することで、界面近傍の試料7を検出・定量する(非特許文献1〜3参照)。
励起光1・プローブ光2はプリズム3に対して垂直に入射しているので、プリズム3を図4に示したx方向(紙面に沿って左右方向)に動かしても、励起光1・プローブ光2の相対位置は変化しない。また、励起光1の焦点は走査時に界面上にある。
また、この紙面に対して垂直方向(この方向をy方向とする)に動かしても、同様に相対位置は変化せず、また焦点は界面上にある。
そのため、プリズム3と試料7とをx、y方向に走査し、全反射熱レンズ法による信号強度分布を測定することで、界面近傍の試料7の像(顕微像)が得られる(非特許文献1、2参照)。
下坂琢哉他、日本分析化学会年会要旨集(2001年11月23日),p258 T. Shimosaka, et al., Analyst, 2003, 128, 562-565. T. Shimosaka, et al., Analytical Chemistry, 2000, 72, 3532-3538.
しかしながら、上述したプリズム(台形プリズム)を用いた従来の全反射熱レンズ法による測定では、微小領域の測定に際して、試料の測定点付近の微細な様子を実際に光学顕微鏡で観察しながら、励起光、プローブ光を試料上の測定しようとする位置に正確に合わせることが望ましい。
しかしながら、試料の測定点を光学顕微鏡で観察できるようにするためには、光学顕微鏡の対物レンズを、プローブ光が通過する位置に置かなければならない。また、台形プリズムが置かれた位置に対物レンズを置かなければならない。
したがって、以下のようないくつかの課題を有していた。
台形プリズムを用いた全反射熱レンズ法の測定光学系と光学顕微鏡の光学系とを、1台の装置上に搭載しようとしても、試料の直上付近に台形プリズムと対物レンズとを置かなければならず、物理的にこれら2つを同時に置くことができないことになる。すなわち片方を退避させてから他方を試料の直上に置くようにする必要がある。そのため、たとえ光学顕微鏡を搭載したとしても、全反射熱レンズ法の測定光学系の調整作業を光学顕微鏡下で行うことができなかった。
したがって、励起光とプローブ光との光路をちょうど試料界面で重なるようにする必要があるが、この調整を肉眼で行う必要があり、最適な調整にすることが容易ではなかった。
また、試料界面(表面)像を得るために、励起光の焦点を試料界面に合わせる必要があるが、励起光焦点が試料界面に来ていることを確認することが困難であった。
また、試料上の実際に測定したい位置に励起光、プローブ光がくるように試料の位置を調整する必要があるが、同時に光学顕微鏡で試料界面を観察することができないため、肉眼で大まかに測定位置に合わせ、顕微像(全反射熱レンズ法の検出器により得られる像)を参考にして場所を設定する操作を繰り返し、逐次測定したい位置に合わせていかなければならなかった。
また、光学顕微鏡と全反射熱レンズ法測定光学系とを備えているにも拘わらず、両者の像を同時に取得できないため、全反射熱レンズ法による測定結果に光学顕微鏡像の測定結果を生かすことが十分ではなかった。
また、2つの光学系が完全に独立して存在することになるので、励起光、プローブ光、集光レンズ、台形プリズムの相対的な位置や入射角を調整するための微動装置を数多く組み込む必要があり、装置が大掛かりになっていた。
そこで、本発明は上記のような課題を解決し、光学顕微鏡による位置調整と全反射熱レンズ法による位置調整とを関連して行うことができ、全反射熱レンズ法の測定のための調整作業が簡単に行うことができる光学顕微鏡測定装置を提供することを目的とする。
また、従来の光学顕微鏡による界面測定では、感度を上げて測定するために蛍光処理を行うことがあったが、蛍光処理を行わなくても非破壊で感度が高い界面測定が可能である全反射熱レンズ法を応用した光学顕微鏡測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、対物レンズを用いて測定点を光学的に観察する光学顕微鏡本体と、励起光を照射する光源と、励起光を対物レンズの光軸に平行に入射させるとともに対物レンズの周縁部分を通過させて励起光を屈折させ測定点に対して斜めに入射させることにより励起光が試料界面で全反射するようにした励起光入射光学系と、プローブ光を照射する光源と、プローブ光を対物レンズの光軸に平行に入射させるとともに対物レンズの中央部分を通過させてプローブ光を測定点に垂直入射させることによりプローブ光が測定点を通過するようにしたプローブ光入射光学系と、試料を通過したプローブ光を検出する検出器とを備え、励起光によって生じる測定点近傍の屈折率の変化を、試料を通過するプローブ光により検出するようにしている。
この発明によれば、励起光とプローブ光とを光学顕微鏡本体の対物レンズの光軸に平行になるように入射する。このとき励起光は対物レンズの中央部分を通過させずに周縁部分を通過するようにし、プローブ光は対物レンズの中央部分から通過するようにし周縁部分は通過しないようにしてそれぞれ別々の光路にて試料に入射させる。
これにより励起光は対物レンズを通過した後、大きく屈折して試料界面に斜め入射することとなり、試料界面で全反射するようになる。一方、プローブ光は対物レンズの中央部分を通過した後、光軸に平行にまっすぐ進むようになる。
このような光学系を有する装置において、光学顕微鏡で通常の観察を行う場合のように対物レンズのピント合わせをして試料界面の光学像が見えるようにする。すると、光学像のピントが合った状態では、励起光は光学顕微鏡の対物レンズの光軸に沿って平行に入射しているので、(励起光が完全なコリメート光である限り)試料界面上に焦点がくるように調整されていることになる。
また、プローブ光については、対物レンズの中央部分(必ずしもレンズ光軸上を通る必要はない)からレンズ光軸に平行に入射するようにしているので、プローブ光は試料界面に垂直入射するようになっている。
なおプローブ光の焦点は必ずしも界面上にある必要はなく、むしろ調整時にわずかに界面からずれている方が熱レンズによる屈折の影響を受けて後述するプローブ光検出器における信号を強くすることができるので、超長焦点距離の非コリメート光にして対物レンズのピントが合った状態のときに焦点位置が界面からわずかにずれるようにしてもよい。
そして、光学顕微鏡による目視下で励起光とプローブ光とが測定しようとする試料位置(測定点)にくるように試料を移動し、測定点、励起光、プローブ光が正確に重なるようにする。
測定点では、励起光は全反射し、その結果、励起光はエバネッセント波として試料界面から試料内に約100nm程度染み出すようになる。このエバネッセント波が界面近傍の試料により吸収され、励起光の焦点(すなわち測定点)近傍に局所的に熱が発生する。
そのため、測定点を中心として界面近傍に温度分布が形成され、この温度分布により屈折率分布が発生し、測定点(焦点)近傍に他の領域よりも屈折率が小さい屈折率勾配(熱レンズ)が形成される。
一方、プローブ光は測定点近傍を通過するとき、屈折率勾配(熱レンズ)領域を通過することとなり、試料の屈折率勾配に応じてプローブ光の光路の幅が基本的に広がり(プローブ光の焦点が界面より下側になるときは一時的に狭まる)、単位面積あたりの通過光量が変化する。
この通過光量の変化を検出器により検出することにより、測定位置の屈折率の変化を検出することができ、例えば屈折率の変化に基づいて測定点近傍に存在する試料量を求めることができる。
このようにして光学顕微鏡目視下で対物レンズのピントを合わせ、励起光、プローブ光の位置を試料の測定点に合わせるだけで簡単に意図した測定位置に励起光、プローブ光を重ねることができ、光学系の調整が容易に行うことができる。
そして、測定位置での屈折率の変化(すなわち検出器に到達するプローブ光光量)を測定することにより、屈折率の変化から例えば界面に存在する(屈折率に影響を与える成分の)試料量を求めることができる。
また、測定点の光学顕微鏡観察と全反射熱レンズ法による検出とを同時に行うことができ、光学顕微鏡像と全反射熱レンズ法による試料の顕微像とを平行して同時取得することができる。
しかも、全反射熱レンズ法は高感度な測定法であるので、本発明によれば蛍光処理を行うまでもなく、試料界面の高感度測定が可能となる。
また、上記発明において、励起光入射光学系は励起光をコリメートな光にして対物レンズに入射するとともに、プローブ光入射光学系はプローブ光を非コリメートな光にして対物レンズに入射するようにして、対物レンズを通過した励起光の焦点位置とプローブ光の焦点位置とが異なるようにしてもよい。
これによれば、励起光をコリメート光にして対物レンズの光軸に平行入射することにより、対物レンズのピントを試料界面に合わせるだけで、励起光の焦点を試料界面に合わせることができる。また、プローブ光を非コリメートな光(超長焦点距離の非コリメート光)にすることにより、プローブ光の焦点をわずかに試料界面からずらすことができ、これによりプローブ光の焦点が試料界面上にくるときよりも、検出器における信号を大きくすることができる。
この点をさらに正確に説明すると、プローブ光の焦点が完全に試料界面に一致すると理論的には検出器信号が出なくなる。ただし、実際には焦点が完全に試料界面に一致することはないので小さい信号が出ている。この検出器の信号を大きくするには、プローブ光の焦点をわざと試料界面の上または下にずらせばよい(最適な焦点位置は共焦点距離の√3倍程度である)。そのため、プローブ光を超長焦点の非コリメート光にすることにより、焦点位置を界面からわずかにずらせるようにしてプローブ光焦点が試料界面からずらすことにより、検出器における信号を大きくすることができる。
また、上記構成に加えて、測定点を二次元的に走査する走査手段をさらに備えるようにしてもよい。
これによれば、走査手段により対物レンズに対する試料の位置を相対的に変化させながら測定を繰り返すことにより、試料の屈折率分布を反映する二次元像を得ることができる。
また、励起光とプローブ光には、波長が異なるレーザー光を用いるようにするのが好ましい。波長が同じレーザーを用いると、試料によってはプローブ光も試料により吸収されることになり、プローブ光の吸収により熱レンズ信号が発生してしまうことになるから、これを防ぐために異なるレーザー光にしてプローブ光の吸収の影響が試料に及ばないようにするのがよい。
また、プローブ光は試料中を通過するので、試料によっては界面以外の試料部分からも信号が出てしまうので、これを防ぐためにも異なるレーザー光とするのがよい。
さらに、ピント合わせを行ったときに励起光とプローブ光との光路が試料界面で一致しているかを確認することが容易になり、また、一致していない場合でもそれぞれの光を確認しながら調整できるので作業が容易になる。
また、対物レンズは励起光と対して色収差がないレンズを用いるのが好ましい。励起光に対して色収差がない対物レンズを用いれば、レンズ光軸に平行なコリメート光を入射させて、対物レンズのピントを試料界面に合わせるだけで、自動的に励起光の焦点を試料界面に合わせることができるので、微調整をする手間を省くことができる。
また、少なくとも励起光入射光学系またはプローブ光入射光学系のいずれかに入射光の光軸を調整する光軸調整部をさらに備えてもよい。光軸調整部としては具体的にはそれぞれの光学系の光路上にミラーやレンズのような光学部品を介在させて、調整機能を持たせるようにすればよい。
これによれば、測定点から励起光やプローブ光の光路が外れているような場合であっても、光学顕微鏡目視下において、光軸調整部を調整することにより、励起光光路やプローブ光光路を微調整することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は一例にすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形実施することが可能である。
図1は、本発明の一実施形態である光学顕微鏡測定装置の構成を示す図である。また、図2は図1における励起光学系およびプローブ光学系を説明する拡大図である。
この光学顕微鏡測定装置は、主に、光学顕微鏡本体16と、試料透過光を検出する検出器19と、励起光光源20と、プローブ光光源21と、励起光光源20からの励起光Eの光軸を調整するミラー22と、プローブ光光源21からのプローブ光Pの光軸を調整するミラー23と、顕微鏡下で励起光、プローブ光を調整する際に光量を落として調整しやすくしたり、信号が飽和したときに信号強度を調整したりする場合に使用される光量調整器24(例えば直線偏光板)とから構成される。
また、プローブ光Pの光路上には、超長焦点距離のレンズ25、26が組み込んであり、プローブ光を光束が広がらない完全なコリメート光ではなく、光が進行するにつれて光束がわずかに広がる非コリメート光にしてある。これは励起光の焦点が試料界面にくるときにプローブ光の焦点が試料界面から外れるように積極的に焦点位置をずらすためである。
光学顕微鏡本体16は、接眼レンズ11、対物レンズ12、顕微鏡鏡筒13、顕微鏡筐体14、試料を載置するXYステージ15を有しており、接眼レンズ11と対物レンズ12との間の光路上にハーフミラー17が設けられている。
このハーフミラー17により2つの光路が結合される。すなわち接眼レンズ11による光学像観察のための光学系の光路と、顕微鏡筐体14に設けられたポート18を介して外部から光を入射したり、外部に光を出射したりするための光学系(後述する励起光入射光学系、プローブ光入射光学系)の光路とが結合され、ハーフミラー17から対物レンズ12までの光路が重なるようにしている。
XYステージ15は、対物レンズ12に対向するように配置され、試料30を載置した状態で図示しない駆動機構により、二次元的に走査することができるようにしてある。
試料30はオイル32を上に載せたスライドガラス31上に載置され、試料30表面にはカバーガラス33が載置され、さらにその上をオイル34で覆うようにしてある。
カバーガラス33やオイル34は、励起光を試料界面にできるだけ浅い入射角で入射するようにして全反射条件を満たしやすくするために用いるものであり、試料の屈折率より大きな材料が選ばれる(カバーガラスが載せられる試料は屈折率がカバーガラスの屈折率より小さい場合である)。
ここで、オイル34、カバーガラス33、試料30からなる例で、全反射条件について説明する。図3に示すように、オイル、カバーガラス、試料の屈折率をn、n、nとし、これらの入射角をΘ、Θ、Θとする。スネルの法則により、
sinΘ=nsinΘ=nsinΘ (1)
の関係が成り立つ。
ここで、全反射するためには、
sinΘ=(n/n)sinΘ>1 (2)
を満たさなければならない。 ここでsinΘ<1であるので、n>nでなければならない。
一般に、水中にある試料を測定する場合には、水の屈折率より屈折率が高い液体が必要である。そのため、ここで述べたようにオイルを用いるとよい。
なお、オイルの屈折率として現実的な値は1.5程度であるが、オイル・カバーガラス間で全反射しないようにオイルの屈折率>カバーガラスの屈折率の関係を満たすかぎりは屈折率は1.5以上でよい。
検出器19には、例えばフォトダイオードが用いられ、検出器19の前面に設けたアパーチャ35のピンホールを通過したプローブ光Pを検出する。
励起光Eを照射する励起光光源20には、例えばアルゴンレーザが用いられる。励起光Eは、ミラー22で光軸が調整され、さらに光量調整器24により光量が調整されて、ポート18からハーフミラー17を介して対物レンズ12の光軸に平行に進み、周縁部分に導かれる。
対物レンズ12の周縁部分を通過した励起光Eの光路は、図2に示すように大きく屈折し、その結果、屈折した励起光が試料30面に対して浅い角度で斜めに入射し、全反射するようにしてある。
プローブ光Pを照射するプローブ光光源21には、例えばHe−Neレーザーが用いられる。プローブ光Pは、レンズ25、26により非コリメート光にされ、ミラー23で光軸が調整され、さらに光量調整器24により光量が調整されて、ポート18からハーフミラー17を介して対物レンズ12の光軸に平行に進み、対物レンズ中央部分に導かれる。
そして対物レンズ12の中央部分を垂直に通過したプローブ光Pは、図2に示すように試料30内をまっすぐ垂直に通過し、試料30の屈折率に応じてプローブ光Pの光路が変化しながらアパーチャ35のピンホール35、検出器19に向けて進むようにしてある。
次に、上記光学顕微鏡測定装置による全反射熱レンズ法の測定について説明する。
上述したように、スライドガラス31とカバーガラス33とにより挟まれ、さらに周囲をオイル32、34により覆った試料30が、XYステージ上にセットされる。
接眼レンズ11を覗き、試料30の光学像を観察しながら対物レンズ12を調整することにより試料30とカバーガラス33との界面にピントを合わせて試料30の光学像がはっきり見えるようにする。これにより対物レンズ12の焦点が試料30界面にくることになる。
このとき、励起光E(コリメート光)を対物レンズ12の光軸に平行に入射させると、励起光Eは対物レンズ12を通過するが、すでに対物レンズ12のピントが合っているので、励起光Eも界面上に焦点を結ぶようになる。このとき、プローブ光P(非コリメート光)の焦点位置は、試料界面からわずかにずれており(励起光Eの焦点位置が試料界面にあるときはプローブ光Pの焦点は界面からずれることになる)、検出器19に十分な強度の信号が届くようにしてある。
次に、試料30とカバーガラス33との界面上で励起光Eの中心とプローブ光Pの中心が一致するようにミラー22、ミラー23の両方または片方を調節する。すなわち、はじめからプローブ光Pの光路が対物レンズ12の光軸に完全に一致しているときは試料界面上で励起光Eとプローブ光Pとの中心が一致することになるが、そうでない場合は、ミラー22、23で調整するようにして一致させるようにする。
さらに、試料上の実際に測定しようとする位置が、励起光Eの中心およびプローブ光Pの中心にくるようにステージ15を調整する。
このようにして光学系の調整を終えると、励起光Eが試料界面(測定点)で全反射し、エバネッセント波が試料30内に約100nm染み出す。この染み出したエバネッセント波は界面近傍の微小領域内の試料のみに吸収され、この領域に局所的な熱が発生し、試料の温度分布が形成される。一般に屈折率は温度に依存するので、温度分布の発生により試料内に温度が高い中心部ほど屈折率の小さい屈折率分布が形成される。
プローブ光Pは局所的に温度が高くなり屈折率が小さくなった部分を垂直に通過することになるが、発生した屈折率分布によってプローブ光Pは試料を通過する際に光路が広がり、単位面積あたりの光量が低下する。この低下量は試料界面に存在し、屈折率変化に影響を与える物質量に比例する。したがって、アパーチャ35のピンホールと光検出器19とにより測定点での試料の濃度あるいは物質量を検出、定量することができる。
そして、XYステージ15を二次元的に走査して試料30界面の屈折率分布を測定し、マッピングするようにすれば試料界面の濃度、物質量を反映した二次元像を得ることができる。
光学顕微鏡を応用し、全反射熱レンズ法を用いた高感度な測定のための調整が容易な測定装置を製造するときに利用できる。
本発明の一実施例である顕微鏡測定装置の構成図。 図1の励起光光学系、プローブ光光学系の構成を説明する図。 試料界面における全反射条件を説明する図。 従来の全反射熱レンズ法による測定系を説明する図。
符号の説明
11:接眼レンズ
12:対物レンズ
15:XYステージ
16:光学顕微鏡測定装置
17:ハーフミラー
18:ポート
19:検出器
20:励起光光源
21:プローブ光光源
22、23:ミラー(光路調整部)
24:光量調整器
30:試料
35:アパーチャ
E:励起光
P:プローブ光

Claims (6)

  1. 対物レンズを用いて測定点を光学的に観察する光学顕微鏡本体と、
    励起光を照射する光源と、
    励起光を対物レンズの光軸に平行に入射させるとともに対物レンズの周縁部分を通過させて励起光を屈折させ測定点に対して斜めに入射させることにより励起光が試料界面で全反射するようにした励起光入射光学系と、
    プローブ光を照射する光源と、
    プローブ光を対物レンズの光軸に平行に入射させるとともに対物レンズの中央部分を通過させてプローブ光を測定点に垂直入射させることによりプローブ光が測定点を通過するようにしたプローブ光入射光学系と、
    試料を通過したプローブ光を検出する検出器とを備え、
    励起光によって生じる測定点近傍の屈折率の変化を、試料を通過するプローブ光により検出することを特徴とする光学顕微鏡測定装置。
  2. 励起光入射光学系は励起光をコリメートな光にして対物レンズに入射するとともに、プローブ光入射光学系はプローブ光を非コリメートな光にして対物レンズに入射するようにして、対物レンズを通過した励起光の焦点位置とプローブ光の焦点位置とが異なるようにすることを特徴とする請求項1に記載の光学顕微鏡測定装置。
  3. 測定点を二次元的に走査する走査手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の光学顕微鏡測定装置。
  4. 励起光とプローブ光とは、波長が異なるレーザー光を用いることを特徴とする請求項1に記載の光学顕微鏡測定装置。
  5. 対物レンズには励起光に対して色収差が生じないレンズが用いられることを特徴とする請求項1記載の光学顕微鏡測定装置。
  6. 少なくとも励起光入射光学系またはプローブ光入射光学系のいずれかに入射光の光軸を調整する光軸調整部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の光学顕微鏡測定装置。
JP2003388726A 2003-11-19 2003-11-19 光学顕微鏡測定装置 Expired - Fee Related JP4016938B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003388726A JP4016938B2 (ja) 2003-11-19 2003-11-19 光学顕微鏡測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003388726A JP4016938B2 (ja) 2003-11-19 2003-11-19 光学顕微鏡測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005147969A true JP2005147969A (ja) 2005-06-09
JP4016938B2 JP4016938B2 (ja) 2007-12-05

Family

ID=34695671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003388726A Expired - Fee Related JP4016938B2 (ja) 2003-11-19 2003-11-19 光学顕微鏡測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4016938B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106949383A (zh) * 2017-04-01 2017-07-14 杭州有人光电技术有限公司 一种利用激光诱导荧光的照明系统
CN116499975A (zh) * 2023-06-29 2023-07-28 之江实验室 一种用于光学表面波传感器的棱镜装置及其设计安装方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106949383A (zh) * 2017-04-01 2017-07-14 杭州有人光电技术有限公司 一种利用激光诱导荧光的照明系统
CN106949383B (zh) * 2017-04-01 2023-03-21 安徽仁和光电科技有限公司 一种利用激光诱导荧光的照明系统
CN116499975A (zh) * 2023-06-29 2023-07-28 之江实验室 一种用于光学表面波传感器的棱镜装置及其设计安装方法
CN116499975B (zh) * 2023-06-29 2023-09-22 之江实验室 一种用于光学表面波传感器的棱镜装置及其设计安装方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4016938B2 (ja) 2007-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2006293071B2 (en) Optical measuring system
US20120133943A1 (en) Systems And Methods For Multi-Wavelength SPR Biosensing With Reduced Chromatic Aberration
US7304282B2 (en) Focus detection device and fluorescent observation device using the same
JP2020510838A (ja) 焦点可変レンズを用いた粒子特性評価装置
JP2002221668A (ja) 干渉顕微鏡及びその作動方法
JP3507319B2 (ja) 光学的特性測定装置
JP2010112803A (ja) 基板検査装置及び光検出装置
CN103604787B (zh) 一种激光扫描位相显微成像方法及系统
JP5107003B2 (ja) エバネッセント波発生装置及びそれを用いた観察装置
JP2009540346A (ja) 干渉共焦点顕微鏡
JP2000019104A (ja) 表面プラズモンセンサ―
JP2004117298A (ja) 全反射減衰を利用した測定方法および測定装置
JP4016938B2 (ja) 光学顕微鏡測定装置
WO2003060589A1 (en) Auto focussing device and method
JP2004309428A (ja) マイクロ化学システムのレンズ焦点位置測定方法及び装置、並びにマイクロ化学システムのレンズ位置決め方法及びマイクロ化学システム
KR100933101B1 (ko) 분석 장치
JP4262380B2 (ja) 光量測定装置
JPWO2019130372A1 (ja) 光学分析装置
JP2005524069A (ja) 励起光源として発光ダイオードを有する蛍光検出装置及び方法
JP5122930B2 (ja) エバネッセント波発生装置及びそれを用いた観察装置
US7382530B2 (en) Method for the adjustment of a light source in a microscope
JP4595572B2 (ja) ラマン分光装置及びラマン分光測定方法
JP3994568B2 (ja) 偏光性測定装置
JP2005147968A (ja) 光学顕微鏡測定装置
JP2007192841A (ja) 全反射減衰を利用した測定方法および測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4016938

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees