JP2005147745A - 近接場散乱光測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ドリフトを抑えた近接場散乱光分析装置を提供する。
【解決手段】 試料とプローブ13、プローブと対物レンズ15、試料と対物レンズ15との間のドリフトに依存する情報を近接場散乱光分析装置10に付設された検出器23、23a、25、26により取得して記憶する補正情報記憶部34と、補正情報記憶部34に記憶されたドリフトに依存する情報と、所定時間経過後に前記装置に付設された検出器により新たに取得したドリフトに依存する情報とに基づいて試料とプローブ13との間、試料と対物レンズ15間、対物レンズ15とプローブ13間のドリフト量を算出してステージ11、プローブ13、対物レンズ15の位置を補正するドリフト制御部35を備えるようにして、補正情報記憶部に記憶した情報と新たに測定した情報との比較により、試料とプローブ13間、試料と対物レンズ15間、対物レンズ15とプローブ13間のドリフト量を補正する。
【選択図】図1
【解決手段】 試料とプローブ13、プローブと対物レンズ15、試料と対物レンズ15との間のドリフトに依存する情報を近接場散乱光分析装置10に付設された検出器23、23a、25、26により取得して記憶する補正情報記憶部34と、補正情報記憶部34に記憶されたドリフトに依存する情報と、所定時間経過後に前記装置に付設された検出器により新たに取得したドリフトに依存する情報とに基づいて試料とプローブ13との間、試料と対物レンズ15間、対物レンズ15とプローブ13間のドリフト量を算出してステージ11、プローブ13、対物レンズ15の位置を補正するドリフト制御部35を備えるようにして、補正情報記憶部に記憶した情報と新たに測定した情報との比較により、試料とプローブ13間、試料と対物レンズ15間、対物レンズ15とプローブ13間のドリフト量を補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、近接場光学顕微鏡を利用して試料からの散乱光を分光測定を行うことができる近接場散乱光測定装置に関し、さらに詳細には近接場散乱光測定装置のドリフト補正に関する。
近年、分子生物学や材料解析など広範な分野において非接触、非破壊の高分解能顕微鏡による測定の重要性が高まっている。
一般的な光学顕微鏡は被測定物に対して、非接触、非破壊で試料の形状・構造・成分などを比較的短時間で分析することができるという面では優れているが、光の波動性による回折限界のため光の波長以下のサイズでの測定ができず、空間分解能に限界があった。
一般的な光学顕微鏡は被測定物に対して、非接触、非破壊で試料の形状・構造・成分などを比較的短時間で分析することができるという面では優れているが、光の波動性による回折限界のため光の波長以下のサイズでの測定ができず、空間分解能に限界があった。
この問題を解決する手法として、近接場光を用いて回折限界による分解能よりも高い分解能を得ることができる近接場光学顕微鏡が開発され、その応用が期待されている。
近接場光学顕微鏡の基本原理は、被測定物の表面にプローブの尖った先端を近づけるとともに励起光(例えばレーザ光)を照射し、プローブ先端近傍に局在する近接場光を散乱させ、伝播光に変換して検出するものであり、これによって光波長以下の高分解能での測定を可能としている。
近接場光学顕微鏡の基本原理は、被測定物の表面にプローブの尖った先端を近づけるとともに励起光(例えばレーザ光)を照射し、プローブ先端近傍に局在する近接場光を散乱させ、伝播光に変換して検出するものであり、これによって光波長以下の高分解能での測定を可能としている。
近接場光測定では、プローブが試料表面と非接触状態で測定を行うノンコンタクトモードと、試料表面と接触状態で測定を行うコンタクトモードとがある。さらに、試料表面上を断続的に軽く触れながら(タッピングしながら)水平方向に摩擦力が生じないようにして測定を行うタッピングモード、プローブを大きく強制振動させて試料に接触させたときに材料の硬さに応じて振幅が異なる性質を利用して測定を行うフォースモジュレーションモードなどもあり、測定目的に応じてモードが選択されて測定される。
また、近接場光学顕微鏡のプローブを試料面方向であるXY方向に走査し、プローブの動きに同期して被測定物からの散乱光を分光しマッピングする機能を付加した近接場散乱光測定装置とすることにより、表面観察像だけではなく試料を構成する物質の物性分布を高分解能で測定することができる。
図6は、従来の近接場散乱光測定装置の概略構成を説明する図である。この近接場散乱光装置100は、試料を載置するステージ101、ステージ101をXY方向に移動させてステージ上の試料のXY位置を走査するためのステージXY方向駆動部103、測定部位にプローブ先端を近づけて近接場光を散乱させるためのプローブ102、プローブ102のZ方向位置を調整するためのプローブZ方向駆動部104を備えている。
ステージ101はガラスなどの透光性部材からなり、後述するようにステージ101の下方からの励起用レーザ光を試料に照射したり、試料からの反射光、近接場散乱光を下方に出射したりすることができるようになっている。
ステージ101はガラスなどの透光性部材からなり、後述するようにステージ101の下方からの励起用レーザ光を試料に照射したり、試料からの反射光、近接場散乱光を下方に出射したりすることができるようになっている。
ステージの下方には対物レンズ105を含む顕微鏡光学系と、対物レンズ105をZ方向に駆動して焦点位置を調整するための対物レンズZ方向駆動部106とが設けられる。
そして励起用のレーザ光源107からの励起光がハーフミラー116を介して対物レンズに導かれるようにしてあり、対物レンズの焦点が試料位置にくるように調整することにより試料に励起光が照射されるようにしてある。
また、試料からの近接場散乱光は対物レンズ105、ハーフミラー116、117、フィルタ108、分光器109を介して検出器110に至るようにしてある。
そして励起用のレーザ光源107からの励起光がハーフミラー116を介して対物レンズに導かれるようにしてあり、対物レンズの焦点が試料位置にくるように調整することにより試料に励起光が照射されるようにしてある。
また、試料からの近接場散乱光は対物レンズ105、ハーフミラー116、117、フィルタ108、分光器109を介して検出器110に至るようにしてある。
なお、フィルタ108は試料から出射される近接場散乱光に含まれるレイリー散乱光とラマン散乱光のなかからレイリー散乱光をカットしてラマン散乱光を取り出すためのものである。このラマン散乱光を分光して検出することにより、光の波長以下のサイズにおける試料を構成する物質の成分についての物性情報を取得することができる。
そして近接場散乱光測定装置100のステージXY方向駆動部102、プローブZ方向駆動部104、対物レンズZ方向駆動部106は、コンピュータ111のステージXY方向制御部112、プローブZ方向制御部113、対物レンズZ方向制御部114により制御されるようにしてあり、これら制御系により試料を走査しながら測定が行えるようにしてある。
一般に、近接場散乱光測定装置に用いられている近接場光学顕微鏡では、プローブを一点に固定しようとしても、温度変化などの要因により位置が経時的に変化し、いわゆるプローブを含むシステム全体のドリフトが問題となる。これを解決するために、従来は例えばプローブのドリフト量を計測して時間あたりのドリフト量を予め計測し、次回測定の際のドリフトを予測してこれを打ち消すように補正する方法が採用されている(特許文献1参照)。
特開2003−108228号公報
上述したように、従来の近接場光学顕微鏡ではドリフトが問題となるが、これを応用した近接場散乱光測定装置でも同様の問題が生じる。すなわち、プローブ近傍の近接場光の強度は非常に微弱なものであり、その近接場光から発する散乱光の強度はさらに小さいものとなる。
例えば、ラマン散乱光を検出する場合は通常、信号強度は、励起用レーザ光の光量の6〜7桁落ちた信号強度しか見込めない。さらにノッチフィルタなどの光学系および検出器の量子効率を考慮すると、システム全体を光が透過する時にその信号強度は11桁程度まで落ちることになる。
そのため、微弱な信号を検出する必要上、測定時間を非常に長くとるようにして散乱光データを取得するようにしているが、このことは装置全体のドリフト現象が測定に大きく影響を及ぼすことになる。すなわち、プローブと試料との間の相対位置関係は0.1μm以下の精度で長時間一定位置に保持されなければならないが、温度変動などによるドリフトの影響のため、この精度でプローブを長時間維持することは困難である。そのため、従来のドリフト補正より高い精度でドリフト補正を行う必要がある。
特に、従来の近接場光学顕微鏡におけるドリフト補正は、プローブと試料との位置関係のドリフトに着目していたが、近接場散乱光測定装置では、プローブと試料の位置関係についてのドリフト補正だけではドリフトを除去しきれないこともわかってきた。
そこで、本発明は近接場散乱光測定装置のドリフト問題を解決し、近接場光学顕微鏡としての表面観察像でのドリフト問題だけではなく、近接場散乱光の分光測定においてもドリフトの影響を低減することができる高精度のドリフト補正を行うようにした近接場散乱光測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、ステージ上に載置された試料の測定部位近傍にプローブの先端部を近接又は接触させるとともに該試料の測定部位近傍又は該プローブ先端部近傍に励起光を照射することにより得られる近接場散乱光を集光光学手段を介して検出するようにして試料の測定を行う近接場散乱光測定装置であって、近接場散乱光測定装置はステージとプローブと集光光学手段とを相対的に位置制御できるように構成され、プローブと集光光学手段との間のドリフトに依存する情報、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフトに依存する情報を近接場散乱光測定装置に付設された検出器により取得して記憶する補正情報記憶部と、補正情報記憶部に記憶されたドリフトに依存する情報と、所定時間経過後に近接場散乱光測定装置に付設された検出器により新たに取得したドリフトに依存する情報とに基づいてプローブと集光光学手段との間のドリフト量、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフト量を算出してステージ、プローブ、集光光学手段の相対位置を補正するドリフト制御部とを備えるようにしている。
本発明では、プローブと集光光学手段との間のドリフト情報、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフトに依存する情報が近接場散乱光測定装置に付設された検出器により取得され、これらの情報が補正情報記憶部に記憶される。
その後、近接場散乱光に基づいて試料の測定を所定時間行った後で、再びプローブと集光光学手段との間のドリフト情報、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフトに依存する情報が近接場散乱光測定装置に付設された検出器により取得される。そして、ドリフト制御部は、新しく取得した情報と補正情報記憶部に記憶した情報とに基づいてプローブと集光光学手段との間のドリフト量、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフト量を算出し、この算出結果に基づいてステージ、プローブ、集光光学手段の相対位置関係を補正する。これにより、微弱な信号であっても高精度な測定が可能になる。
その後、近接場散乱光に基づいて試料の測定を所定時間行った後で、再びプローブと集光光学手段との間のドリフト情報、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフトに依存する情報が近接場散乱光測定装置に付設された検出器により取得される。そして、ドリフト制御部は、新しく取得した情報と補正情報記憶部に記憶した情報とに基づいてプローブと集光光学手段との間のドリフト量、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフト量を算出し、この算出結果に基づいてステージ、プローブ、集光光学手段の相対位置関係を補正する。これにより、微弱な信号であっても高精度な測定が可能になる。
ドリフトに依存する情報を取得する検出器として、顕微鏡光学系の後焦点に形成される試料のフーリエ像を取得するためのフーリエ像検出器を含み、ドリフト制御部は、フーリエ像検出器による情報に基づいて試料と集光光学手段との間のドリフト量を算出して集光光学手段と試料との間の位置を補正するようにしてもよい。
後焦点像(フーリエ像)は、試料と集光光学手段との距離に依存して大きく変化するので補正情報記憶部に記憶された後焦点像(フーリエ像)と新たに取得した後焦点像(フーリエ像)とを比較したときに位置がずれていれば、ドリフトにより試料と集光光学手段との間にZ方向のずれが生じたことになる。したがって、このずれ量を算出することにより試料と集光光学手段のZ方向のドリフト補正を行うことができる。
後焦点像(フーリエ像)は、試料と集光光学手段との距離に依存して大きく変化するので補正情報記憶部に記憶された後焦点像(フーリエ像)と新たに取得した後焦点像(フーリエ像)とを比較したときに位置がずれていれば、ドリフトにより試料と集光光学手段との間にZ方向のずれが生じたことになる。したがって、このずれ量を算出することにより試料と集光光学手段のZ方向のドリフト補正を行うことができる。
また、ドリフトに依存する情報を取得する検出器として、顕微鏡光学系の共焦点に形成される試料像(SLM像)を取得するための共焦点像検出器を含み、ドリフト制御部は、共焦点像検出器による情報に基づいて試料と集光光学手段との間のドリフト量を算出して集光光学手段と試料との間の位置を補正するようにしてもよい。
共焦点には、試料のSLM像が形成される。このSLM像のマッピングを取るとその変化は試料と集光光学手段とのXY方向の変化を反映するので、補正情報記憶部に記憶された共焦点像のマッピングデータと新たに取得した共焦点像のマッピングデータとを比較したときに位置がずれていれば、ドリフトにより試料と集光光学手段との間にXY方向のずれが生じたことになる。したがって、このずれ量を算出することにより試料と集光光学手段のZ方向のドリフト補正を行うことができる。
共焦点には、試料のSLM像が形成される。このSLM像のマッピングを取るとその変化は試料と集光光学手段とのXY方向の変化を反映するので、補正情報記憶部に記憶された共焦点像のマッピングデータと新たに取得した共焦点像のマッピングデータとを比較したときに位置がずれていれば、ドリフトにより試料と集光光学手段との間にXY方向のずれが生じたことになる。したがって、このずれ量を算出することにより試料と集光光学手段のZ方向のドリフト補正を行うことができる。
また、ドリフトに依存する情報を取得する検出器として、プローブを試料に近接又は接触させた状態での近接場散乱光強度を取得する散乱光強度検出器を含み、ドリフト制御部は、散乱光強度検出器による情報に基づいて集光光学手段とプローブとの間のドリフト量を算出して試料とプローブとの間の位置を補正するようにしてもよい。
プローブを試料に近接又は接触させた状態で、近接場散乱光強度を検出すると、検出強度は集光光学手段とプローブ間との距離を反映するので、補正情報記憶部に記憶された散乱光強度と新たに取得した散乱光強度とを比較したときに変化があれば、ドリフトにより試料とプローブとの間にZ方向のずれが生じたことになる。したがって、この変化量を算出することにより試料と集光光学手段のZ方向のドリフト補正を行うことができる。
プローブを試料に近接又は接触させた状態で、近接場散乱光強度を検出すると、検出強度は集光光学手段とプローブ間との距離を反映するので、補正情報記憶部に記憶された散乱光強度と新たに取得した散乱光強度とを比較したときに変化があれば、ドリフトにより試料とプローブとの間にZ方向のずれが生じたことになる。したがって、この変化量を算出することにより試料と集光光学手段のZ方向のドリフト補正を行うことができる。
また、ドリフトに依存する情報を取得する検出器として、プローブを試料に近接又は接触させて走査したときのプローブのZ方向の変位の分布像(AFM像)を取得するためのプローブ変位検出器を含み、ドリフト制御部は、プローブ変位検出器による情報に基づいて試料とプローブとの間のXY方向のドリフト量を算出して試料とプローブとの間の位置を補正するようにしてもよい。
プローブ変位検出器によるプローブのZ方向の変位の分布像は(AFM像)は、試料表面のXY面内における凹凸を反映しており、補正情報記憶部に記憶された分布像と新たに取得した分布像との凹凸を比較したときに位置がずれていれば、ドリフトにより試料とプローブとの間にXY方向のずれが生じたことになる。したがって、このずれ量を算出することにより試料とプローブとのXY方向のドリフト補正を行うことができる。
プローブ変位検出器によるプローブのZ方向の変位の分布像は(AFM像)は、試料表面のXY面内における凹凸を反映しており、補正情報記憶部に記憶された分布像と新たに取得した分布像との凹凸を比較したときに位置がずれていれば、ドリフトにより試料とプローブとの間にXY方向のずれが生じたことになる。したがって、このずれ量を算出することにより試料とプローブとのXY方向のドリフト補正を行うことができる。
また、別の観点からなされた本発明の他の近接場散乱光測定装置は、ステージ上に載置された試料の測定部位近傍にプローブの先端部を近接又は接触させるとともに該試料の測定部位近傍又は該プローブ先端部近傍に励起光を照射することにより得られる近接場散乱光を集光光学手段を介して検出して試料の測定を行う近接場散乱光測定装置であって、ステージをXY方向に移動するステージXY方向駆動部を制御するステージXY方向制御部と、プローブをZ方向に移動するプローブZ方向駆動部を制御するプローブZ方向制御部と、集光光学手段をZ方向に移動する集光光学手段Z方向駆動部を制御する集光光学手段Z方向制御部と、プローブを試料から離した状態での顕微鏡光学系の後焦点に形成される試料のフーリエ像を取得するためのフーリエ像検出器と、プローブを試料から離した状態での顕微鏡光学系の共焦点に形成される試料像(SLM像)を取得するための共焦点像検出器と、プローブを試料に近接又は接触させた状態での近接場散乱光強度を取得する散乱光強度検出器と、プローブと集光光学手段との間のドリフトに依存する情報、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフトに依存する情報としてフーリエ像検出器、共焦点像検出器、散乱光強度検出器で取得した情報を記憶する補正情報記憶部と、補正情報記憶部に記憶されたドリフトに依存する情報と、所定時間経過後に前記フーリエ像検出器、共焦点像検出器、散乱光強度検出器により新たに取得したドリフトに依存する情報とに基づいてプローブと集光光学手段との間のドリフト量、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフト量を算出してステージ、プローブ、集光光学手段の相対位置を補正するドリフト制御部を備えるようにしている。
試料表面がある程度粗い場合には、共焦点位置に試料の像(SLM像)を形成することにより、この像の変化から試料と集光光学手段焦点との間のドリフトを検出することができる。
したがってフーリエ像検出器の情報により試料と集光光学手段焦点Z方向のずれ量を検出し、共焦点像検出器の情報により試料と集光光学手段焦点のXY方向ずれ量を検出し、散乱光強度検出器の情報により試料とプローブとのXY方向ずれ量を検出し、これらに基づいてプローブと集光光学手段との間のドリフト量、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフト量を算出してステージ、プローブ、集光光学手段の相対位置を補正することができる。
したがってフーリエ像検出器の情報により試料と集光光学手段焦点Z方向のずれ量を検出し、共焦点像検出器の情報により試料と集光光学手段焦点のXY方向ずれ量を検出し、散乱光強度検出器の情報により試料とプローブとのXY方向ずれ量を検出し、これらに基づいてプローブと集光光学手段との間のドリフト量、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフト量を算出してステージ、プローブ、集光光学手段の相対位置を補正することができる。
また、別の観点からなされた本発明の他の近接場散乱光測定装置は、ステージ上に載置された試料の測定部位近傍にプローブの先端部を近接又は接触させるとともに該試料の測定部位近傍又は該プローブ先端部近傍に励起光を照射することにより得られる近接場散乱光を集光光学手段を介して検出して試料の測定を行う近接場散乱光測定装置であって、ステージをXY方向に移動するステージXY方向駆動部を制御するステージXY方向制御部と、プローブをXYZ方向に移動するためのプローブXYZ方向駆動部を制御するプローブXYZ方向制御部と、集光光学手段をZ方向に移動するための集光光学手段Z方向駆動部を制御する集光光学手段Z方向制御部と、プローブを試料から離した状態での顕微鏡光学系の後焦点に形成される試料のフーリエ像を取得するためのフーリエ像検出器と、プローブを試料に近接させて走査したときのプローブのZ方向の変位の分布像(AFM像)を取得するためのプローブ変位検出器と、プローブを試料に近接又は接触させた状態での近接場散乱光強度を取得する散乱光強度検出器と、、プローブと集光光学手段との間のドリフトに依存する情報、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフトに依存する情報としてフーリエ像検出器、プローブ変位検出器、散乱光強度検出器で取得した情報を記憶する補正情報記憶部と、補正情報記憶部に記憶されたドリフトに依存する情報と、所定時間経過後に前記フーリエ像検出器、プローブ変位検出器、散乱光強度検出器により新たに取得したドリフトに依存する情報とに基づいてプローブと集光光学手段との間のドリフト量、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフト量を算出してステージ、プローブ、集光光学手段の相対位置を補正するドリフト制御部を備えるようにしている。
試料表面が平滑な場合は、共焦点位置に試料の像(SLM像)を形成しても像を見ることができない。この場合でも、プローブ変位検出器により試料表面の分布像(AFM像)から凹凸を検出することができ、これを用いて試料とプローブとのXY方向のずれ量を検出することができる。
さらに、プローブと試料とが相対位置を変えないようにXYステージ制御部とXYZプローブ制御部とを連動させ、レーザ光のZ方向の焦点位置が変わらないように走査して散乱光強度検出器により散乱光強度の分布像を取得するようにすれば、このようにして取得した散乱強度の分布像の情報から試料と集光光学手段焦点のXY方向のずれ量を検出することができる。
さらに、プローブと試料とが相対位置を変えないようにXYステージ制御部とXYZプローブ制御部とを連動させ、レーザ光のZ方向の焦点位置が変わらないように走査して散乱光強度検出器により散乱光強度の分布像を取得するようにすれば、このようにして取得した散乱強度の分布像の情報から試料と集光光学手段焦点のXY方向のずれ量を検出することができる。
したがってフーリエ像検出器の情報により、試料と集光光学手段焦点のZ方向のずれ量を検出し、プローブ変位検出器の情報により試料とプローブのXY方向のずれ量を検出し、散乱光強度検出器の情報により試料と集光光学手段焦点のXY方向のずれ量を検出することにより、プローブと集光光学手段との間のドリフト量、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフト量を算出してステージ、プローブ、集光光学手段の相対位置を補正することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施例は、一例にすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形実施することが可能である。
図1は、本発明の一実施例である近接場散乱光測定装置の構成を示す図である。
この近接場散乱光測定装置は10は、試料Aを載置するステージ11、ステージ11をXY方向に移動させてステージ上の試料のXY位置を走査するためのステージXY方向駆動部12、測定部位近傍にプローブ先端を近づけて(ノンコンタクトモード測定)あるいは接触させて(コンタクトモード測定)、近接場光を散乱させるためのプローブ13、プローブ13のXY方向およびZ方向位置を調整するためのプローブXYZ方向駆動部14を備えている(なお、プローブ13のXY方向への駆動機構は、後述する補正Aでは不要であり、補正Bで用いられる)。
この近接場散乱光測定装置は10は、試料Aを載置するステージ11、ステージ11をXY方向に移動させてステージ上の試料のXY位置を走査するためのステージXY方向駆動部12、測定部位近傍にプローブ先端を近づけて(ノンコンタクトモード測定)あるいは接触させて(コンタクトモード測定)、近接場光を散乱させるためのプローブ13、プローブ13のXY方向およびZ方向位置を調整するためのプローブXYZ方向駆動部14を備えている(なお、プローブ13のXY方向への駆動機構は、後述する補正Aでは不要であり、補正Bで用いられる)。
プローブ13の形状、材質は特に限定されない。形状については先端部に穴があけられた開口型のものや閉口型(散乱型)のものがあるが、いずれを用いてもよい。また、材質についても誘電体、半導体、金属製のものがあるが、いずれを用いてもよい。
ステージ11は、透過測定ができるように下方からの励起用レーザ光を試料に照射したり、試料からの反射光、近接場散乱光をステージ11の下方に出射したりすることができるようになっている。
ステージ11の下方には対物レンズ15を含む顕微鏡光学系と、対物レンズ15をZ方向に駆動して焦点位置を調整するための対物レンズZ方向駆動部16とが設けられる。この対物レンズは集光光学手段として機能する。
そして励起用のレーザ光源17からの励起光がハーフミラー18を介して対物レンズに導かれるようにしてあり、対物レンズ15の焦点が試料Aの位置にくるように調整することにより試料Aに励起用レーザ光が照射されるようにしてある。
また、試料からの近接場散乱光は対物レンズ15、ハーフミラー24、18、19、フィルタ20、分光器21を介してラマン光検出器22に至るようにしてある。
そして励起用のレーザ光源17からの励起光がハーフミラー18を介して対物レンズに導かれるようにしてあり、対物レンズ15の焦点が試料Aの位置にくるように調整することにより試料Aに励起用レーザ光が照射されるようにしてある。
また、試料からの近接場散乱光は対物レンズ15、ハーフミラー24、18、19、フィルタ20、分光器21を介してラマン光検出器22に至るようにしてある。
フィルタ20は試料から出射される近接場散乱光に含まれるレイリー散乱光とラマン散乱光のなかからレイリー散乱光をカットしてラマン散乱光を取り出すためのものである。このラマン散乱光を分光して検出することにより、光の波長以下のサイズの試料領域について、物性情報を取得することができる。
また、対物レンズ15に対してレーザ光源17と光学的に共役の位置関係にある共焦点での試料Aの反射像(共焦点像、以下SLM像という)を検出する共焦点像検出器23が設けられる。この共焦点像検出器23は、試料Aからプローブ13を離した状態で試料Aにレーザ光を走査したときにはSLM像を得ることができ、試料Aにプローブ13を近接させてレーザ光を照射したとき、レイリー光とラマン光とを含む近接場散乱光強度を測定する散乱光強度検出器23aとしても用いることができる。
また、ハーフミラー24を介して顕微鏡光学系の後焦点に形成されるフーリエ像を取得するためのフーリエ像検出器25が設けられる。このフーリエ像検出器25にはイメージセンサが用いられる。
また、プローブ13のZ方向の動きを検出するプローブ変位検出器26が設けられる。このプローブ変位検出器26には、AFM像を取得するときの位置センサである光てこが利用できる。
また、ハーフミラー24を介して顕微鏡光学系の後焦点に形成されるフーリエ像を取得するためのフーリエ像検出器25が設けられる。このフーリエ像検出器25にはイメージセンサが用いられる。
また、プローブ13のZ方向の動きを検出するプローブ変位検出器26が設けられる。このプローブ変位検出器26には、AFM像を取得するときの位置センサである光てこが利用できる。
そして近接場散乱光測定装置10のステージXY方向駆動部12、プローブXYZ方向駆動部14、対物レンズZ方向駆動部16は、コンピュータ30のステージXY方向制御部31、プローブXYZ方向制御部32、対物レンズZ方向制御部33により制御されるようにしてあり、これら制御系により試料Aを走査しながら測定することができるようになっている。
コンピュータ30は、さらに共焦点像検出器23(散乱光強度検出器23a)、フーリエ像検出器25、プローブ変位検出器26により取得した検出データを、ドリフト量を求めるときに用いる情報として記憶する補正情報記憶部34を有する。これらの情報は、顕微鏡の焦点調整、表面観察像の形成など他の目的にも用いられるものであるが、ここではさらにドリフト量を算出して補正するためにも用いる。
ドリフト制御部35は、補正情報記憶部34に記憶された情報と、補正情報記憶部に記憶後に試料Aの物性測定のためのラマン光の測定を行うことによってある程度の時間が経過した後(すなわちドリフトが生じる程度に時間が経過した後)に、新たに同様の情報を取得し、新たな取得データと記憶されたデータとの情報により、差分からドリフト量を算出し、補正量を計算して位置制御にフィードバックする。
なお、図1のものでは、プローブ13に閉口型プローブを用いているため入射光学系と出射光学系とが重なっているが、プローブ13に開口型プローブ13aを用いた場合には、図5に示すようにレーザ光(励起光)を開口型プローブ13aの開口を通過させて入射するようにすることができるので、入射光学系と出射光学系とを分離することができる。
次に2つの方法によるドリフト補正を含めた測定の動作手順について説明する。この動作は、近接場光測定をノンコンタクトモード、コンタクトモード、タッピングモード、フォースモジュレーションモードのいずれで行っている場合であっても利用することができる。
このうち第1の補正方法である補正Aは、試料表面がある程度粗く、共焦点に像を結ばせるとSLM像が見える場合にSLM像を用いて補正を行うものである。第2の補正方法である補正Bは、試料が平滑であってSLM像が見えない場合にプローブを走査して得られるAFM像を用いて補正を行うものである。前者はSLM像が見えなければできないが、後者は表面状態にかかわらず測定できる。一方、前者は後者より短時間で補正を行うことができる。したがって用途に応じていずれのドリフト補正をするかを選択すればよい。
(補正A)
st101: プローブ13を試料Aから離した状態で、フーリエ像検出器25により試料Aの反射像のフーリエ像(後焦点像)を取得し、記憶する。
st102: プローブ13を試料Aから離した状態で、ステージ11を移動して試料Aを走査し、共焦点像検出器23(散乱光強度検出器23aを兼ねる)によりそのSLM像を取得し、記憶する。
st103: プローブ13を試料に近接させた状態(あるいは接触させた状態)で走査し、散乱光強度検出器23a(共焦点像検出器23を兼ねる)により各測定点での散乱光強度を取得し、記憶する。
以上の手順によりドリフト量を算出するのに必要な情報を補正情報記憶部34に記憶しておく。
st101: プローブ13を試料Aから離した状態で、フーリエ像検出器25により試料Aの反射像のフーリエ像(後焦点像)を取得し、記憶する。
st102: プローブ13を試料Aから離した状態で、ステージ11を移動して試料Aを走査し、共焦点像検出器23(散乱光強度検出器23aを兼ねる)によりそのSLM像を取得し、記憶する。
st103: プローブ13を試料に近接させた状態(あるいは接触させた状態)で走査し、散乱光強度検出器23a(共焦点像検出器23を兼ねる)により各測定点での散乱光強度を取得し、記憶する。
以上の手順によりドリフト量を算出するのに必要な情報を補正情報記憶部34に記憶しておく。
st104: 散乱光強度が最大になる位置に対物レンズの焦点位置を調整する。これにより散乱光強度を効率的に測定できるように調整する。
st105: 試料Aを走査し、任意位置でラマン光を測定し、試料Aの物性情報を取得する。
st106: 測定開始から一定時間経過後(ドリフトが予測される時間経過後)、試料Aをst101からst103の測定をしたときの位置である初期設定位置に戻す。
以上の手順により分光測定を中断し、ドリフト補正のための手順に移行する。
st105: 試料Aを走査し、任意位置でラマン光を測定し、試料Aの物性情報を取得する。
st106: 測定開始から一定時間経過後(ドリフトが予測される時間経過後)、試料Aをst101からst103の測定をしたときの位置である初期設定位置に戻す。
以上の手順により分光測定を中断し、ドリフト補正のための手順に移行する。
st107: st101と同様に、プローブ13を離した状態で試料Aの反射像のフーリエ像(後焦点像)を取得する。
st108: st101とst107とで取得した反射像のフーリエ像を比較し、試料Aと対物レンズ焦点とのZ方向のずれ量を検出して補正する。
st109: st102と同様に、プローブ13を離した状態でステージ11を移動して試料Aを走査し、試料のSLM像を取得する。
st110: st102とst109とで取得したSLM像を比較し、試料Aと対物レンズ焦点とのXY方向のずれ量を検出して補正する。
st111: st103と同様に、プローブ13を試料Aに近接させた状態で走査し、散乱光強度検出器23a(共焦点像検出器23を兼ねる)により各測定点での散乱光強度を取得し、記憶する。
st112: st103とst111とを比較し、対物レンズ15とプローブ13のXY方向ずれ量を検出して補正する。なお、すでに試料と対物レンズ間の調整は済んでいるので、
st113: st105に戻り、試料Aの分光測定を行う。以下、測定が終了するまで同様の手順を繰り返す。
st108: st101とst107とで取得した反射像のフーリエ像を比較し、試料Aと対物レンズ焦点とのZ方向のずれ量を検出して補正する。
st109: st102と同様に、プローブ13を離した状態でステージ11を移動して試料Aを走査し、試料のSLM像を取得する。
st110: st102とst109とで取得したSLM像を比較し、試料Aと対物レンズ焦点とのXY方向のずれ量を検出して補正する。
st111: st103と同様に、プローブ13を試料Aに近接させた状態で走査し、散乱光強度検出器23a(共焦点像検出器23を兼ねる)により各測定点での散乱光強度を取得し、記憶する。
st112: st103とst111とを比較し、対物レンズ15とプローブ13のXY方向ずれ量を検出して補正する。なお、すでに試料と対物レンズ間の調整は済んでいるので、
st113: st105に戻り、試料Aの分光測定を行う。以下、測定が終了するまで同様の手順を繰り返す。
なお、補正Aのst103とst111において、散乱光強度AとともにAFM像を取得して試料Aとプローブ13間のXY方向ずれ量をAFM像の比較により求めるようにすることもできる。
(補正B)
st201: プローブ13を試料Aから離した状態で、フーリエ像検出器25により試料Aの反射像のフーリエ像(後焦点像)を取得し、記憶する。
st202: プローブ13を試料Aに近接させて走査し、表面(Topo)の分布像(AFM像)を取得する。
st203: プローブ13と試料Aとを一体で(相対位置を変えずに)レーザ焦点(Z方向位置)を変えずに走査して散乱光強度の分布像を取得する。すなわち、プローブXYZ方向制御部32とステージXY方向制御部31とを連動させて走査するようにして散乱光強度の分布像を取得する。
st201: プローブ13を試料Aから離した状態で、フーリエ像検出器25により試料Aの反射像のフーリエ像(後焦点像)を取得し、記憶する。
st202: プローブ13を試料Aに近接させて走査し、表面(Topo)の分布像(AFM像)を取得する。
st203: プローブ13と試料Aとを一体で(相対位置を変えずに)レーザ焦点(Z方向位置)を変えずに走査して散乱光強度の分布像を取得する。すなわち、プローブXYZ方向制御部32とステージXY方向制御部31とを連動させて走査するようにして散乱光強度の分布像を取得する。
st204: 散乱光強度が最大になる位置に対物レンズ15の焦点位置を調整する。
st205: 試料Aを走査し、任意位置でラマン光を測定し、試料Aの物性情報を取得する。
st206: 測定開始から一定時間経過後(ドリフトが予測される時間経過後)、試料Aをst201からst203の測定をしたときの位置である初期設定位置に戻す。
以上の手順により分光測定を中断し、ドリフト補正のための手順に移行する。
st205: 試料Aを走査し、任意位置でラマン光を測定し、試料Aの物性情報を取得する。
st206: 測定開始から一定時間経過後(ドリフトが予測される時間経過後)、試料Aをst201からst203の測定をしたときの位置である初期設定位置に戻す。
以上の手順により分光測定を中断し、ドリフト補正のための手順に移行する。
st207: st201と同様に、プローブ13を離した状態で試料Aの反射像のフーリエ像(後焦点像)を取得する。
st208: st201とst207とで取得した反射像のフーリエ像を比較し、試料Aと対物レンズ焦点とのZ方向のずれ量を検出して補正する。
st209: st202と同様にプローブ13を近接させた状態でステージ11を移動して試料Aを走査し、表面(Topo)分布像(AFM像)を取得する。
st210: st202とst209とで取得した表面分布像(AFM像)を比較し、試料Aとプローブ13間のXY方向のずれ量を検出して補正する。
st211: st203と同様に、プローブ13と試料Aを一体で(相対位置を変えずに)レーザ焦点(Z方向位置)を変えずに走査して、散乱光強度の分布像を取得する。
st212: st203とst211とを比較し、対物レンズ15とプローブ13とのXY方向ずれ量を検出して補正する。
st213: st205に戻り、試料Aのラマン光の測定を行う。以下、測定が終了するまで同様の手順を繰り返す。
st208: st201とst207とで取得した反射像のフーリエ像を比較し、試料Aと対物レンズ焦点とのZ方向のずれ量を検出して補正する。
st209: st202と同様にプローブ13を近接させた状態でステージ11を移動して試料Aを走査し、表面(Topo)分布像(AFM像)を取得する。
st210: st202とst209とで取得した表面分布像(AFM像)を比較し、試料Aとプローブ13間のXY方向のずれ量を検出して補正する。
st211: st203と同様に、プローブ13と試料Aを一体で(相対位置を変えずに)レーザ焦点(Z方向位置)を変えずに走査して、散乱光強度の分布像を取得する。
st212: st203とst211とを比較し、対物レンズ15とプローブ13とのXY方向ずれ量を検出して補正する。
st213: st205に戻り、試料Aのラマン光の測定を行う。以下、測定が終了するまで同様の手順を繰り返す。
図2は、本発明の他の実施例である近接場散乱光分析装置である。図において図1と同じものについては同符号を付すことにより説明を省略する。この実施例はレーザ光をステージの上側から照射し、また、試料からの測定光をステージの上側から検出する反射型の分析装置(開口型プローブを用いない場合の反射型分析装置)である。反射型装置では、試料Aにレーザ光を照射する照射光学系と試料からの反射光・散乱光を検出するための結像光学系とが分離しているため、レーザ光を試料に照射するための対物レンズ15と、反射光、散乱光を結像するための受光レンズ15aとをそれぞれ独立に設けている。
このような反射型装置でも基本的に透過型と同様にドリフト補正をすることができる。
このような反射型装置でも基本的に透過型と同様にドリフト補正をすることができる。
ただし、反射型の場合には、(補正A)においては、図3のst102の手順において、受光レンズ15aの位置を決定した後に、受光レンズ15aと対物レンズ15とを一体化することができるように、固定機構を設けるようにする。そしてそれ以降は同様の手順を実行すればドリフト補正を行うことができる。
また、(補正B)においては、図4のst203の散乱光強度を取得する際、受光レンズ15aも位置を調整して、一番強く散乱光を受光する位置に持ってくるようにする。
次にst204において、補正Aと同様に固定機構を設けておき、対物レンズ15の焦点位置調整を終了した後、対物レンズ15と受光レンズを一体化するように固定する。そして、それ以降は同様の手順を実行すればよい。
次にst204において、補正Aと同様に固定機構を設けておき、対物レンズ15の焦点位置調整を終了した後、対物レンズ15と受光レンズを一体化するように固定する。そして、それ以降は同様の手順を実行すればよい。
本発明は、近接場散乱光分析装置で試料とプローブとの間のドリフトだけではなく、試料と対物レンズ、プローブと対物レンズとの間のドリフトについても補正するようにしたので、安定して測定することができる近接場散乱光分析装置を形成するのに利用できる。
10:近接場散乱光分析装置
11:ステージ
12:ステージXY方向駆動部
13:プローブ
14:プローブXYZ方向駆動部
15:対物レンズ(集光光学手段)
16:対物レンズZ方向駆動部
17:レーザ光源
21:分光器
22:ラマン分光検出器
23:共焦点像検出部
23a:散乱光強度検出器
25:フーリエ像検出器
26:プローブ変位検出器
30:コンピュータ
31:ステージXY方向制御部
32:プローブXYZ方向制御部
33:対物レンズZ方向制御部
34:補正情報記憶部
35:ドリフト制御部
11:ステージ
12:ステージXY方向駆動部
13:プローブ
14:プローブXYZ方向駆動部
15:対物レンズ(集光光学手段)
16:対物レンズZ方向駆動部
17:レーザ光源
21:分光器
22:ラマン分光検出器
23:共焦点像検出部
23a:散乱光強度検出器
25:フーリエ像検出器
26:プローブ変位検出器
30:コンピュータ
31:ステージXY方向制御部
32:プローブXYZ方向制御部
33:対物レンズZ方向制御部
34:補正情報記憶部
35:ドリフト制御部
Claims (7)
- ステージ上に載置された試料の測定部位近傍にプローブの先端部を近接又は接触させるとともに該試料の測定部位近傍又は該プローブ先端部近傍に励起光を照射することにより得られる近接場散乱光を集光光学手段を介して検出するようにして試料の測定を行う近接場散乱光測定装置であって、
近接場散乱光測定装置はステージとプローブと集光光学手段とを相対的に位置制御できるように構成され、
プローブと集光光学手段との間のドリフトに依存する情報、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフトに依存する情報を近接場散乱光測定装置に付設された検出器により取得して記憶する補正情報記憶部と、
補正情報記憶部に記憶されたドリフトに依存する情報と、所定時間経過後に近接場散乱光測定装置に付設された検出器により新たに取得したドリフトに依存する情報とに基づいてプローブと集光光学手段との間のドリフト量、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフト量を算出してステージ、プローブ、集光光学手段の相対位置を補正するドリフト制御部とを備えたことを特徴とする近接場散乱光測定装置。 - ドリフトに依存する情報を取得する検出器として、顕微鏡光学系の後焦点に形成される試料のフーリエ像を取得するためのフーリエ像検出器を含み、
ドリフト制御部は、フーリエ像検出器による情報に基づいて試料と集光光学手段との間のドリフト量を算出して集光光学手段と試料との間の位置を補正する請求項1に記載の近接場散乱光測定装置。 - ドリフトに依存する情報を取得する検出器として、顕微鏡光学系の共焦点に形成される試料像(SLM像)を取得するための共焦点像検出器を含み、
ドリフト制御部は、共焦点像検出器による情報に基づいて試料と集光光学手段との間のドリフト量を算出して集光光学手段と試料との間の位置を補正する請求項1に記載の近接場散乱光測定装置。 - ドリフトに依存する情報を取得する検出器として、プローブを試料に近接又は接触させた状態での近接場散乱光強度を取得する散乱光強度検出器を含み、
ドリフト制御部は、散乱光強度検出器による情報に基づいて集光光学手段とプローブとの間のドリフト量を算出して集光光学手段とプローブとの間の位置を補正する請求項1に記載の近接場散乱光測定装置。 - ドリフトに依存する情報を取得する検出器として、プローブを試料に近接又は接触させて走査したときのプローブの変位の分布像(AFM像)を取得するためのプローブ変位検出器を含み、
ドリフト制御部は、プローブ変位検出器による情報に基づいて試料とプローブとの間のドリフト量を算出して試料とプローブとの間の位置を補正する請求項1に記載の近接場散乱光測定装置。 - ステージ上に載置された試料の測定部位近傍にプローブの先端部を近接又は接触させるとともに該試料の測定部位近傍又は該プローブ先端部近傍に励起光を照射することにより得られる近接場散乱光を集光光学手段を介して検出して試料の測定を行う近接場散乱光測定装置であって、
ステージをXY方向に移動するステージXY方向駆動部を制御するステージXY方向制御部と、
プローブをZ方向に移動するプローブZ方向駆動部を制御するプローブZ方向制御部と、
集光光学手段をZ方向に移動する集光光学手段Z方向駆動部を制御する集光光学手段Z方向制御部と、
プローブを試料から離した状態での顕微鏡光学系の後焦点に形成される試料のフーリエ像を取得するためのフーリエ像検出器と、
プローブを試料から離した状態での顕微鏡光学系の共焦点に形成される試料像(SLM像)を取得するための共焦点像検出器と、
プローブを試料に近接又は接触させた状態での近接場散乱光強度を取得する散乱光強度検出器と、
プローブと集光光学手段との間のドリフトに依存する情報、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフトに依存する情報としてフーリエ像検出器、共焦点像検出器、散乱光強度検出器で取得した情報を記憶する補正情報記憶部と、
補正情報記憶部に記憶されたドリフトに依存する情報と、所定時間経過後に前記フーリエ像検出器、共焦点像検出器、散乱光強度検出器により新たに取得したドリフトに依存する情報とに基づいてプローブと集光光学手段との間のドリフト量、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフト量を算出してステージ、プローブ、集光光学手段の相対位置を補正するドリフト制御部を備えたことを特徴とする近接場散乱光測定装置。 - ステージ上に載置された試料の測定部位近傍にプローブの先端部を近接又は接触させるとともに該試料の測定部位近傍又は該プローブ先端部近傍に励起光を照射することにより得られる近接場散乱光を集光光学手段を介して検出して試料の測定を行う近接場散乱光測定装置であって、
ステージをXY方向に移動するステージXY方向駆動部を制御するステージXY方向制御部と、
プローブをXYZ方向に移動するためのプローブXYZ方向駆動部を制御するプローブXYZ方向制御部と、
集光光学手段をZ方向に移動するための集光光学手段Z方向駆動部を制御する集光光学手段Z方向制御部と、
プローブを試料から離した状態での顕微鏡光学系の後焦点に形成される試料のフーリエ像を取得するためのフーリエ像検出器と、
プローブを試料に近接させて走査したときのプローブのZ方向の変位の分布像(AFM像)を取得するためのプローブ変位検出器と、
プローブを試料に近接又は接触させた状態での近接場散乱光強度を取得する散乱光強度検出器と、
プローブと集光光学手段との間のドリフトに依存する情報、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフトに依存する情報としてフーリエ像検出器、プローブ変位検出器、散乱光強度検出器で取得した情報を記憶する補正情報記憶部と、
補正情報記憶部に記憶されたドリフトに依存する情報と、所定時間経過後に前記フーリエ像検出器、プローブ変位検出器、散乱光強度検出器により新たに取得したドリフトに依存する情報とに基づいてプローブと集光光学手段との間のドリフト量、及び少なくとも試料とプローブとの間又は試料と集光光学手段との間のいずれかのドリフト量を算出してステージ、プローブ、集光光学手段の相対位置を補正するドリフト制御部を備えたことを特徴とする近接場散乱光測定装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007163359A (ja) * | 2005-12-15 | 2007-06-28 | Toyota Motor Corp | 位置調整機構 |
WO2015133014A1 (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-11 | 株式会社日立製作所 | 走査プローブ顕微鏡及び、これを用いた試料測定方法 |
JP2016080494A (ja) * | 2014-10-16 | 2016-05-16 | 日本分光株式会社 | 近接場測定方法および近接場光学顕微鏡 |
KR20230078360A (ko) * | 2021-11-26 | 2023-06-02 | 부산대학교 산학협력단 | 시료의 수평방향으로 대물렌즈 움직임이 가능한 라만 프로브 |
-
2003
- 2003-11-12 JP JP2003382420A patent/JP2005147745A/ja active Pending
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