JP2005146201A - 反応性ホットメルト接着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリイソシアネート(A)、ポリオール(B)、及びイソシアネートと反応する活性水素を有するロジン類(C)を反応させて得られてなる反応性ホットメルト接着剤である。
【選択図】 なし
Description
従来、反応性ホットメルト接着剤として、ポリエステル系又はポリエーテル系ウレタンプレポリマーと低分子量キシレン樹脂からなるものが知られている(例えば、特許文献1)。
本発明の目的は、塗布後の接着可能時間の長さを維持し、固化後の樹脂強度を向上させることで、歪みのある被着体の浮き、剥がれの防止及び接着体の切削加工までの養生時間の大幅な短縮が可能となる作業環境を汚染しない反応性ホットメルト接着剤を提供することである。
すなわち、本発明はポリイソシアネート(A)、ポリオール(B)、及びイソシアネートと反応する活性水素を有するロジン類(C)を反応させて得られてなる反応性ホットメルト接着剤である。
従来のポリエステル系又はポリエーテル系ウレタンプレポリマーと低分子量キシレン樹脂からなる反応性ホットメルト接着剤に比べ、塗工温度での溶融粘度が低く塗工性に優れ、作業環境を汚染することなく、また歪みのある被着体の接着後の浮き、剥がれの防止、及び接着体の切削加工までの養生時間の短縮が可能となる
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
また、ポリイソシアネートの変性物には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物;及びこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらの内で好ましくは、HDI、IPDI、TDI、MDI、XDI及びTMXDIであり、特に好ましくは、HDI及びMDIである。
(B1):フェノール類若しくはアルコール類に、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したもの
(B2):ジカルボン酸類と(B1)との縮合ポリエステルポリオール
(B3):(B1)及び/又は(B2)中でエチレン性不飽和単量体を重合させて得られてなる重合体ポリオール
これらの内で好ましくは(B1)及び(B3)であり、より好ましくは(B3)である。
(b13)の付加モル数は好ましくは1〜100モル、より好ましくは2〜50モルである。
上記アルキレンオキサイドの付加は、公知の方法で行うことができ、無触媒で、又は触媒(アルカリ触媒、アミン触媒、酸性触媒)の存在下で(特に付加の後半の段階で)、常圧又は加圧下に1段階又は多段階で行なわれる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、ジメチルマロン酸、β−メチルグルタル酸、エチルコハク酸、イソプロピルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸及びイコサンジカルボン酸等が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、例えば、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ酢酸、1,3−シクロヘキサンジ酢酸、1,2−シクロヘキサンジ酢酸等が挙げられる。
これらの内、好ましくは、脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸であり、より好ましくは、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、フタル酸である。
反応温度は通常120〜250℃、好ましくは150〜230℃である。反応時間は通常1〜40時間、好ましくは3〜24時間である。
反応の終点は酸価(AV)で測定できる。終点の酸価は好ましくは3以下、より好ましくは2以下である。得られる縮合ポリエステルポリオールの数平均分子量は好ましくは500〜20,000であり、より好ましくは800〜10,000である。数平均分子量(Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)で測定した値である。
溶 媒 :テトラヒドロフラン
基準物質 :ポリエチレングリコール(PEG)
サンプル濃度:0.25wt/vol%
カラム温度 :23℃
上記エチレン性不飽和単量体としては、例えば、炭素数3〜30のα−オレフィン(ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、アイコセン、ヘンアイコセン、ドコセン、トリコセン、テトラコセン、ペンタコセン、ヘキサコセン等)、炭素数8〜15の芳香族炭化水素単量体類(スチレン、α−メチルスチレン等)、不飽和ニトリル類[(メタ)アクリロニトリル等]、(メタ)アクリル酸エステル類{(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数が1〜30)[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート,ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等]、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等]}、エチレン性不飽和カルボン酸及びその誘導体[(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド等]、脂肪族炭化水素単量体(エチレン、プロピレン等)、フッ素含有ビニル単量体[パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等]、窒素含有ビニル単量体(ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート等)、グリシジル(メタ)アクリレ−ト等があげられる。
これらの内、好ましくは、芳香族炭化水素単量体類、不飽和ニトリル類[(メタ)アクリロニトリル等]及び(メタ)アクリル酸エステル類であり、より好ましくは、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
イソシアネートと反応しうる活性水素を有するロジン類(C)としては、例えば、ウッドロジン、ガムロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、トール油ロジン、及びウッド系重合ロジン、ガム系重合ロジン、トール油系重合ロジン等の重合ロジン、及びこれらの混合物等が挙げられる。また、該ロジン類として、水酸基を有するロジン類を用いることが好ましい。例えば、ロジン骨格を有するポリエステルポリオール、またはポリエーテルポリオールがあり、これらは、ポリエステルの酸成分としてロジン類を使用し、ポリオールと反応させて得るか、分子中にグリシジル基を有する化合物とロジン類を反応させて得ることができる。水酸基の量は好ましくは、1分子中に1〜5個である。
上記のロジン類は、(A)と反応し、ウレタンプレポリマーを形成できるので好ましい。(A)の数平均分子量は、好ましくは300〜15,000であり、より好ましくは、500〜5,000である。数平均分子量はGPC法による値である。
上記の(B)、(C)の各々の配合割合は、(B)と(C)の合計重量に対して、好ましくは(B)が10〜95重量%、(C)が5〜90重量%、より好ましくは(B)が20〜90重量%、(C)が10〜80重量%である。(B)が95重量%以下の場合、得られる接着剤の熱安定性が良好であり、10重量%以上であると、得られる接着剤の硬化後の接着力が低下するという問題がない。(C)が90重量%以下の場合、得られる接着剤の粘度がさらに下がり、5重量%以上であると、得られる接着剤の初期接着力がさらに向上する。
ウレタンプレポリマーの製法は、特に限定されず、下記の2種類の方法が例示できる。
(i);(A)と(B)及び(A)と(C)をそれぞれ個別に反応させた後、混練し製造する方法。
(ii);(B)、(C)の混合物と(A)を反応させ製造する方法。
上記方法のうち、製造プロセスの簡便性及び得られる接着剤の熱安定性の観点から(iii)で行うことが好ましい。
金属触媒、例えば錫系触媒[トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルチンマレエート等]、鉛系触媒[オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛等]、その他の金属触媒[ナフテン酸コバルト等のナフテン酸金属塩、フェニル水銀プロピオン酸塩等];及びアミン系触媒例えばトリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン類[1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7〔DBU(サンアプロ社製,登録商標)〕等];ジアルキルアミノアルキルアミン類[ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン等]又は複素環式アミノアルキルアミン類[2−(1−アジリジニル)エチルアミン,4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]の炭酸塩及び有機酸塩(ギ酸塩等)等;N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等;及びこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
反応条件としては例えば(A)〜(C)及びウレタン化触媒を温度制御機能を備えた反応槽に仕込み、30〜1,000分間にわたって、好ましくは50〜200℃の温度で連続的に反応させる方法や、(A)〜(C)及びウレタン化触媒を例えば2軸エクスクルーダーに流し込み、好ましくは100〜220℃の温度で連続的に反応させる方法等がある。
得られる(A)〜(C)からなるウレタンプレポリマー中のイソシアネート基の含有量は、好ましくは0.2〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜5重量%である。0.2重量%以上であると耐熱性が良好となり、10重量%以下であると加熱溶融時の熱安定性が良好となる。
(D)としては、一般的にホットメルト接着剤に使用されているものが使用でき、例えば、石油樹脂、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂及びクマロン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の数平均分子量は特に制約はないが、好ましくは200以上、15,000以下であり、より好ましくは300以上、5,000以下である。
石油樹脂としては、脂肪族石油樹脂(イソブチレン、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、ピペリジン等のC4〜C5モノ又はジオレフィンを主成分とする重合体等)、脂環族石油樹脂(スペントC4〜C5留分中のジエン成分を環化2量体化重合させた樹脂、芳香族炭化水素樹脂を水添した樹脂等)、芳香族石油樹脂(ビニルトルエン、インデン、α−メチルスチレン等のC9〜C10のビニル芳香族炭化水素を主成分とした重合体等)、脂肪族−芳香族共重合体等の石油樹脂及びこれらの水素化物等が挙げられる。
常温で液状のものを単独で使用すると凝集力が低下しすぎる場合があるが、常温固体のものと併用することで使用できる。
(D)の添加量は、本発明のホットメルト接着剤全体に対し、好ましくは0〜70質量%であり、より好ましくは5〜60質量%であり、特に好ましくは10〜50質量%である。添加量が70質量%を超えると硬化後の接着強度が不足する。
軟化剤としては、プロセスオイル、可塑剤、液状ゴム、ワックス等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上を併用しても良い。軟化剤は常温で液体であるか、固体であり、使用時に溶融し、ホットメルト接着剤の溶融粘度を低下させたり、可塑化し粘着力を付与させたり、固化速度を遅延又は促進するもののことである。
プロセスオイルとしては、動粘度(100℃)が1〜100mm2/sのものが挙げられ、例えばパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等が挙げられる。
可塑剤としては、重量平均分子量が100〜5,000のものが挙げられ、例えばフタル酸エステル、安息香酸エステル、リン酸エステル、脂肪族グリコールポリエステル、トルエンスルホンアミド等が挙げられる。
液状ゴムとしては、重量平均分子量が200〜10,000のものが挙げられ、例えば液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン及びこれらの水添物が挙げられる。
ワックスとしては、重量平均分子量が100〜10,000のものが挙げられ、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス及びこれらを酸化分解して得られる酸化ワックス、並びに(無水)マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸(無水物)をグラフト変性した酸変性ワックス等が挙げられる。
なお、重量平均分子量は前述のGPC法で測定した値である。
該添加剤としては、顔料(例えば、酸化チタン、カーボンブラック等)、染料、充填剤(例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等)、核剤(例えば、ソルビトール、ホスフェート金属塩、安息香酸金属塩、リン酸金属塩等)、滑剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ブチル、オレイン酸アミド等)、離型剤(例えば、カルボキシル変性シリコーンオイル、ヒドロキシル変性シリコーンオイル等)、酸化防止剤(例えば、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等)、光安定剤(例えば、ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン、ベンゾエート、ベンゾトリアゾール等)及び難燃剤(例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤等)等が挙げられる。
本発明のホットメルト接着剤の製造に当たっては、該接着剤の構成成分を加熱、溶融、混練が可能なもので有ればよく、通常のホットメルト製造設備が使用できる。
例えば、圧縮性の高いスクリュー状又はリボン状の攪拌機を装備する、混合機、反応混合槽、一軸又は二軸押出機、シグマブレードミキサー、バタフライミキサー、ニーダー等が挙げられる。
混合温度は好ましくは60〜250℃、より好ましくは80〜200℃であり、樹脂劣化を防ぐための窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
本発明のホットメルト接着剤の使用方法としては特に限定されないが、例えば、該接着剤がブロック又はペレットの形状の場合には、該接着剤を溶融させた後、貼り合わせようとする基材に塗布して使用される。
塗布に用いる装置としては、通常のホットメルト接着剤用のアプリケーター、[例えば、加熱可能な溶融槽を有するロールコーター(グラビアロール、リバースロール等)、カーテンコーター、ビード、スパイラル、スプレー、スロット]及び押出機[例えば、単軸押出機、二軸押出機、ニーダールーダー等]等である。
前者のような装置の場合、被着体の一方又は両方に接着剤を塗布し、冷却固化する前に貼り合わせるか、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせる。貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除することができる。
後者のような装置の場合、被着体の一方又は両方に押出し、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせる。貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除することができる。
また、被着体の間に共押出しし、貼り合わせを同時に行うことができる。
シート又はフィルムの大きさは特に制限はなく所望の面積を有するものであればよい。 シート又はフィルムの厚みは特に制限はないが、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは30〜300μmである。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定するものではない。実施例中の「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
製造例1
温度計制御装置、還流脱水装置及び撹拌装置を備えたセパラブルフラスコにアジピン酸
310.1部、「ニューポール BPE−20」(三洋化成工業社製;ビスフェノール
Aエチレンオキサイド付加物、水酸基価=343.0) 766.3部を仕込み、昇温して150℃とし、原料が溶融して撹拌できるようになってから撹拌を開始して、150℃から230℃まで8時間かけて徐々に昇温させた、230℃で4時間反応させた後、133Pa以下の減圧下で更に4時間反応させ、その結果、酸価=0.9、水酸基価=31.9、Mn=3,400のポリエステルポリオール[B2−1]を得た。
実施例1と同様な装置を備えたセパラブルフラスコに「サンニックス GP−4000」(三洋化成工業社製;グリセリンプロピレンオキサイド付加物、水酸基価=42.0)500.0部を仕込み、昇温して100℃とし、エチルメタクリレート 30.0部、アクリロニトリル 120.0部、スチレン 350.0部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 10.0部の混合物を1時間かけて滴下した。その後、AIBN 5.0部を仕込み、100℃で2時間かけて熟成し重合体ポリオール[B3−1](ポリマー含量:50%、23℃粘度:5,000mPa・s)を得た。
[B1−1]:「ニューポール BPE−100」(三洋化成工業社製;ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、水酸基価=168.0)
[B1−2]:「サンニックス PP−2000」(三洋化成工業社製;ポリオキシプロピレングリコール、水酸基価=56.9)
[C−1]:「パインクリスタル D−6011」(荒川化学工業社製;ロジン含有ポリオール、水酸基価=118.4、Mn=950)
[C−2]:「パインクリスタル KE−359」(荒川化学工業社製;ロジンエステル、水酸基価=42.8、Mn=2,600)
[D−1]:「クリアロン P−85」(ヤスハラケミカル社製;水素化テルペン樹脂、水酸基価=0、Mn=630)
[D−2]:「YSレジン TO−85」(ヤスハラケミカル社製;芳香族変性テルペン樹脂、水酸基価=0、Mn=750)
[E−1]:「ニカノール KL−05」(フドー社製;キシレン樹脂、水酸基価=6.3、Mn=4,500)
表1に示されるような(A)〜(D)の組み合わせ及び重量部で、それぞれ実施例1と同様の操作を行い、本発明のホットメルト接着剤をそれぞれ得た。
表1に示されるような(A)〜(C)の組み合わせ及び重量部で、それぞれ実施例1と同様の操作を行い、比較のホットメルト接着剤をそれぞれ得た。
1)溶融粘度;120℃下で試料を15分温調した後、同温度でB型粘度計を用いて測定した。
2)塗布後の接着可能時間;上記のホットメルト接着剤を各々、温度120℃で溶融し、23℃雰囲気下で、カーテンスプレー塗工機を用いて(ホットエアー圧力1.5kg/cm2、ホットエアー温度140℃、ガンヘッド温度130℃、ガンヘッドと被着体との距離10cm)、塗布量100g/m2でMDF(ミディアムデンシティファイバーボード)上に塗布し、表面の粘着が消失する(手触りにて評価)までの時間を測定した。
3)初期接着力;2)と同様にしてMDF(長さ10cm、幅10cm、厚さ1cm)上に塗布し、2分後、木製薄板(長さ10cm、幅10cm、厚さ0.5mm、形状に多少の波打ちが有るもの)を合わせ、23℃雰囲気下、プレス圧5kgf/cm2、プレス時間2分の条件で貼り合わせた。その後、プレスを解き、23℃、50%RH雰囲気下で5時間放置し、接着体の状態を観察して、下記基準で評価した。
評価基準 ◎:木製薄板の浮き、剥がれ部分の面積が0cm2以上1cm2未満
○:木製薄板の浮き、剥がれ部分の面積が1cm2以上3cm2未満
×:木製薄板の浮き、剥がれ部分の面積が3cm2以上
上記の硬化後接着力は、JIS K6854−1999に準じオートグラフを用いて、引張速度100mm/minの条件で測定した。
5)接着体の加工性;3)と同様にして貼り合わせ、23℃、50%RHの恒温恒湿槽中で1日放置した。接着体を鋸を用いて切り出し、切り出し時の様子を観察し下記基準で評価した。
評価基準 ○:鋸の刃に接着剤の融着無し
×:鋸の刃に接着剤の融着有り
6)熱安定性;本発明のホットメルト接着剤及び比較のホットメルト接着剤を空気雰囲気下、温度120℃の恒温器に8時間放置し、粘度変化(試験後/初期の粘度比で表示)を測定し、熱安定性とした。数値が1に近いほど熱安定性が良好であることを示す。
7)臭気、8)発煙;本発明のホットメルト接着剤及び比較のホットメルト接着剤を空気雰囲気下、温度120℃の恒温器に3時間放置し、5人のパネラーにより臭気と発煙状態(目視で評価)を確認した。
以上の結果を表2に示した。
※2 溶融粘度が高くカーテンスプレー塗工機では塗布できないため、接着力の測定不
可
具体的には、建設用部材(床材、パネル、ボード、クロス、金属等)の接着、衣料用部材(繊維、織布、フィルム等)の接着等に好適に使用できるが、これらに限定されるものではない。
Claims (7)
- ポリイソシアネート(A)、ポリオール(B)、及びイソシアネートと反応する活性水素を有するロジン類(C)を反応させて得られてなる反応性ホットメルト接着剤。
- 前記(B)が、下記(B1)〜(B3)から選ばれる1種又は2種類以上である請求項1記載の接着剤。
(B1):フェノール類若しくはアルコール類に、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したもの
(B2):ジカルボン酸類と(B1)との縮合ポリエステルポリオール
(B3):(B1)及び/又は(B2)中でエチレン性不飽和単量体を重合させて得られてなる重合体ポリオール - 前記(C)が水酸基を有するロジン類である請求項1又は2記載の接着剤。
- さらに粘着付与樹脂(D)を加えてなる請求項1〜3の何れか記載の接着剤。
- さらに顔料、染料、充填剤、核剤、離型剤、酸化防止剤、光安定剤及び難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜4の何れか記載の接着剤。
- 請求項1〜5の何れか記載の接着剤を硬化させてなる硬化物。
- 請求項1〜5の何れか記載の接着剤で接着されてなる被着体。
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