JP2005146146A - ゴム材料のシミュレーション方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ゴム材料の変形状態を精度良く解析する。
【解決手段】 フィラーが配合されたゴム材料の変形をシミュレーションするゴム材料のシミュレーション方法である。ゴム材料モデル2は、ゴムマトリックスをモデル化したマトリックスモデル3と、距離を隔てて向き合う少なくとも2つのフィラー粒子をモデル化したフィラーモデル4A、4Bと、前記2つのフィラーモデル4A、4B間に設けられ、かつ、該フィラーモデル間の距離dに基づいて生じるフィラー間引力が定義されたフィラー間モデル5とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ゴム材料のフィラー間の相互作用を解析するのに役立つゴム材料のシミュレーション方法に関する。
タイヤ、スポーツ用品、その他各種の工業製品に使用されるゴム材料は、負荷を受けると大きく変形し負荷を完全に取り除く(除荷)と元の状態へと復元しうる。またゴム材料は、変形に際して応力とひずみとが比例せず、かつ、荷重の負荷時と除荷時とでは応力−ひずみ曲線の経路を異にするループを描く非線形性を有している。試作の手間とコストとを減じるために、ゴム材料の変形過程などを予めコンピュータを用いてシミュレーションすることが行われている。従来、ゴム材料のシミュレーション方法としては、下記の特許文献1や非特許文献1等が知られている。
特開2002−365205号公報 Ellen M. Arruda and Marry C. Boyce著「 A THREE-DIMENSIONAL CONSTITUTIVE MODEL FOR THE LARGE STRECH BEHAVIOR OF RUBBER ELASTIC MATERIALSS」 Journal of the Mechani cs and Physics of Solids Volume 41, Issue 2, Pages 389-412 (February 1993)
特許文献1は、ゴム材料(粘弾性材料)がひずみ速度に応じて異なった縦弾性係数を示す点に着目している。具体的には、予め粘弾性材料の実使用状態を想定した測定条件で、当該粘弾性材料に生じるひずみ、ひずみ速度、応力などを測定し、縦弾性係数とひずみないしひずみ速度との対応関係を導出する工程が行われる。そして、解析対象である粘弾性材料の製品モデルに対して、所定のひずみ速度を与えるとともに、上記対応関係から縦弾性係数を適宜計算して変形シミュレーションを行っている。特許文献1の方法は、粘弾性材料の縦弾性係数が、ひずみ速度に応じて変化するという試みを含むため、ヒステリシスロスをシミュレーションの中に取り込み得る点で評価できる。
またArrudaらが提案した非特許文献1は、分子鎖網目理論を用いることにより、ゴム材料を高分子レベルにまでモデル化して計算することが記載されている。ここで、分子鎖網目理論について簡単に述べる。
分子鎖網目理論は、図18(A)、(B)に示すように、連続体としてのゴム材料aは、微視構造として、無秩序に配向された分子鎖cが接合点bで連結された網目構造を持つとの考えを前提とする。接合点bは、例えば分子間の化学的結合であってそれには架橋点などが含まれる。
1本の分子鎖cは、同図(C)に示すように、複数のセグメントdから構成される。一つのセグメントdは、分子鎖網目理論においては繰り返しの最小構成単位である。また一つのセグメントdは、化学的には同図(D)に示すように、炭素原子が共有結合によって連結した複数個のモノマーfが連結したものと等価である。個々の炭素原子は、原子同士の結合軸の周りで互いに自由に回転しうるため、セグメントdは全体として曲がりくねるなど様々な形態をとり得る。
分子鎖網目理論では、接合点bが原子の揺らぎ周期に対して長時間的には平均位置が変化しないものとし、接合点bの回りの摂動を無視する。さらに二つの接合点b、bを両端に持つ分子鎖cの端−端ベクトル(end-to-end vector )は、それが埋め込まれているゴム材料の連続体と共変形するものと仮定する。
Aruudaらは、分子鎖網目理論に基づいてさらに8鎖モデルを提案している。図5(A)に示されるように、粘弾性材料は、巨視的には、微小な8鎖モデルgが集合した立方体状の網目構造体hとして考えることができる。一つの8鎖モデルgは、図5(B)に拡大して示すように、分子鎖cが立方体の中心に定められた一つの接合点b1から、各頂点に設けられた8つの各接合点b2にそれぞれのびているものと仮定される。
ゴム材料は、シミュレーションにおいては超弾性体(体積変化が殆ど生じず除荷後も元の形状に戻る材料)として取り扱われる。超弾性体は、下記式(1)で示されるように、Green ひずみの成分Eijによって微分されることにより、共役なkirchhoff 応力Sijを生じるようなひずみエネルギー関数Wが存在する物質として定義される。換言すれば、ひずみエネルギー関数は、ゴム材料が変形したときに蓄えられたポテンシャルエネルギの存在を仮定的に示す。従って、ひずみエネルギー関数Wの微分勾配から応力とひずみ関係を得ることができる。
Figure 2005146146
Aruudaらは、非ガウス鎖理論により、ゴム材料の変形が大きくなるとエントロピー変化が急激に大きくなる(分子鎖が伸びきって配向する)と考え、式(2)のゴム弾性体のひずみエネルギ関数Wを示した。そして、このひずみエネルギー関数Wを上記式に代入することにより、ゴム材料の応力とひずみとの関係を取り出すことができる。
Figure 2005146146
Aruudaらの応力とひずみとの関係を用いて、粘弾性材料の変形シミュレーションを行うことにより、例えば図19に示すように、1軸引張変形シミュレーションにおいて、非線形な応力とひずみとの関係を得ることができる。この結果は、荷重の負荷変形時における実測値と良い相関を示す。
工業製品として使用されているゴム材料には、通常、カーボンブラック等のフィラー(充填剤)が配合されている。またフィラーが配合されたゴム材料は、その配合量が増すと、エネルギーロスが大きくなることが分かっている。図20には、発明者らによる実験結果の一例が示される。カーボンブラックCBの配合量が増えるにつれてヒステリシスループの面積が大きくなっていることが分かる。
発明者らは、フィラーの多量配合に伴うゴム材料のエネルギーロスの上昇原因の一つとして、フィラー粒子間の相互作用を検討した。フィラー配合ゴムでは、ゴムマトリックス中にフィラー粒子が分散して存在しているが、数ナノレベルで接近しているフィラー粒子間には、何らかの力が生じこれがフィラー間のゴムに影響を与えていると考えられる。従って、より精度の高いゴム材料の変形をシミュレーションするためには、このようなフィラー粒子間の力の影響を無視することは適切でない。原子間に働く力としてファンデルワールス力が知られている。この力は、原子間距離が数オングストロームに接近したときに生じると考えられている。発明者らは、フィラー間に生じている力を、原子間のファンデルワールス力と近似した形で定式化することを試みた。
然るに、特許文献1では、このようなフィラー間引力について考慮されていない。非特許文献2についても同様である。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、ゴム材料モデルに、ゴムマトリックスをモデル化したマトリックスモデルと、距離を隔てて向き合う少なくとも2つのフィラー粒子をモデル化したフィラーモデルと、前記2つのフィラーモデル間に設けられ、かつ、該フィラーモデル間の距離に基づくフィラー間引力が定義されたフィラー間モデルとを含めることを基本として、フィラー粒子間に生じる引力の作用を変形シミュレーションの中に考慮することにより、これに伴うエネルギーロスの把握を可能としうるゴム材料のシミュレーション方法を提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、フィラーが配合されたゴム材料の変形をシミュレーションするゴム材料のシミュレーション方法であって、前記ゴム材料を数値解析が可能な要素でモデル化したゴム材料モデルを設定するステップと、前記ゴム材料モデルに条件を設定して変形計算を行うステップと、前記変形計算から必要な物理量を取得するステップとを含むとともに、前記ゴム材料モデルは、ゴムマトリックスをモデル化したマトリックスモデルと、距離を隔てて向き合う少なくとも2つのフィラー粒子をモデル化したフィラーモデルと、前記2つのフィラーモデル間に設けられ、かつ、該フィラーモデル間の距離に基づくフィラー間引力が定義されたフィラー間モデルとを含むことを特徴とするゴム材料のシミュレーション方法である。
また請求項2記載の発明は、前記フィラーモデルは、カーボンブラックの一次粒子又はその凝集体である二次粒子をモデル化したカーボンブラックモデルであることを特徴とする請求項1記載のゴム材料のシミュレーション方法である。
また請求項3記載の発明は、前記フィラー間引力は、フィラーモデル間の負荷変形時において、フィラーモデルの間の距離が増大するにつれて徐々に増大しかつピークに至る漸増領域と、さらなる距離の増大によって滑らかに減少し、かつ、予め定めた特徴距離で零に至る漸減領域とを含む放物状曲線を描く関数に基づき定義されることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム材料のシミュレーション方法である。
また請求項4記載の発明は、前記引力は、負荷変形時の後に続く除荷変形時において、除荷開始時から初期の状態まで線形に減少することにより、荷重の負荷及び除荷の1サイクルでループを描くことを特徴とする請求項3に記載のゴム材料のシミュレーション方法である。
本発明のゴム材料のシミュレーション方法では、解析の対象となるゴム材料モデルが、ゴムマトリックスをモデル化したマトリックスモデルと、距離を隔てて向き合う少なくとも2つのフィラー粒子をモデル化したフィラーモデルと、前記2つのフィラー間に定義され、かつ、該フィラー間の距離に基づくフィラー間引力が定義されたフィラー間モデルとを含む。従って、フィラー間引力の影響を計算の結果に取り込むことが可能となり、実際の粘弾性材料の特性に即したより精度の高いシミュレーションが可能になる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には、本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置1が示されている。このコンピュータ装置1は、本体1aと、入力手段としてのキーボード1b、マウス1cと、出力手段としてのディスプレイ装置1dとから構成されている。本体1aには、図示していないが、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクなどの大容量記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスクのドライブ1a1、1a2が設けられている。そして、前記大容量記憶装置には後述する本発明のシミュレーション方法を実行するための処理手順(プログラム)が記憶されている。コンピュータ装置1にはEWSなどが好適である。
図2には、シミュレーション方法の処理手順の一例が示される。本実施形態では、先ずフィラーが配合されたゴム材料モデルが設定される(ステップS1)。図3には、微視構造としてのゴム材料モデル2の一例が視覚化して示されている。
該ゴム材料モデル2は、解析しようとするゴム材料(実在するか否かを問わない)の微小領域が、有限個の小さな要素2a、2b、2c…に置き換えられたものである。各要素2a、2b、2c…は、数値解析が可能に定義される。数値解析が可能とは、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法といった数値解析法により、各要素ないし系全体についての変形計算が可能な決まりに従うことを意味する。具体的には、各要素2a、2b、2c…について、座標系における節点座標値、要素形状、材料特性などが定義される。各要素2a、2b、2c…には、例えば2次元平面としての三角形ないし四辺形の要素、3次元要素としては、例えば4ないし6面体の要素が好ましく用いられる。これにより、ゴム材料モデル2は、前記コンピュータ装置1にて取り扱い可能な数値データを構成しうる。
この実施形態のゴム材料モデル2は、後述する変形シミュレーションにおいて平面ひずみ状態で解析が行われる。したがってZ方向(紙面と垂直方向)にはひずみを持たない。ゴム材料モデル2の一辺の長さは、例えば縦横それぞれ35nm×35nmとしている。
この実施形態のゴム材料モデル2は、ゴムマトリックス部分がモデル化されたマトリックスモデル3と、距離を隔てて向き合う少なくとも2つのフィラー粒子をモデル化したフィラーモデル4A、4B(総称するとき、単に「フィラーモデル4」と言うことがある。)と、前記2つのフィラーモデル4A、4B間に設けられ、かつ、該フィラーモデル4A、4B間の距離に基づくフィラー間引力が定義されたフィラー間モデル5とからなるものが例示される。
前記マトリックスモデル3は、ゴム材料モデル2の主要部を構成し、かつ、フィラーモデル4A、4Bを除いた全ての領域に定義され、例えば三角形ないし四辺形の要素で表現されている。マトリックスモデル3を構成する各要素には、材料特性として、下記式(3)の応力とひずみとの関係が定義される。したがって、マトリックスモデル3の各要素からは、それぞれ応力とひずみとの関係が得られる。
Figure 2005146146
ここで、式(3)の導出過程について簡単に述べる。ゴム材料は、変形による体積変化が小さいため、それを無視することができる。このため、非圧縮性の粘弾性材料では、非圧縮条件により密度を一定とすることができ、kirchhoff 応力Sijは、式(4)で表すことができる。なお、EijはGreen ひずみの成分、pは静水圧(境界条件により定まる)、Xi は、応力もひずみも0である状態C0 における任意の物体点Pの位置、xj は変形した状態Cにおける物体点Pの位置である。
Figure 2005146146
Cauchy応力の成分σijと、kirchhoff 応力の成分Smnとは下記式(5)の関係を有する。従って、式(4)から式(6)を得ることができる。
Figure 2005146146
ここで、体積が一定の場合、物体の体積変化率を示す式(5)のJは1とみなせる。また、式(2)のひずみエネルギー関数は、左Cauchy-Green変形テンソルAijのひずみの1次の不変量I1 だけの関数であるため、式(6)から式(7)が得られる。
Figure 2005146146
また、下記の関係式(8ないし10)を用いることにより、式(7)の速度形式表示は式(11)で表すことができる。
Figure 2005146146
そして、体積一定条件下で、式(11)に示すCauchy応力のJaumann 速度をkirchhoff 応力のJ aumann 速度に置き換えても本質的な差異はないこと、かつ、変形速度テンソルDをひずみ速度テンソルに置き換えることにより、非圧縮性の粘弾性材料の構成式の速度形式表示を前記式(3)で表すことができる。
ところが、単にこの式(3)だけを用いた場合では、Arrudaらの非特許文献1と同様、ゴム材料の特徴の一つでもあるエネルギーロスを考慮することができない。即ち図19の状態Qから荷重を除荷するシミュレーションを行うと、該曲線と実質的に同じ経路を通ってひずみの回復が行われ、ゴム自身のエネルギーロスを考慮できない。
本実施形態では、Arrudaらのモデルを前提として次のような改良を試みている。先ずゴム材料は、複雑に絡み合った長い前記分子鎖cが伸びることによって数百%にも達し得る大ひずみが許容されると考えられる。そこで、荷重の負荷における変形過程においては、粘弾性材料の分子鎖cの互いに絡み合った部分がほどけたり(接合点bの数の減少)、或いは荷重を取り除くことによってさらなる絡み合い(接合点bの数の増加)が生じ得るとの仮定を立てた。換言すれば、この仮定は、前記式(3)における1本の分子鎖当たりの平均セグメント数Nは、負荷ないし除荷変形時において可変のパラメータであることを意味している。発明者らは、この仮定を検証したところ、粘弾性材料のヒステリシスを表現可能であることが分かった。
以上より、本実施形態のゴム材料モデル2は、前記式(3)において、1本の分子鎖当たりの平均セグメント数Nが負荷変形時と除荷変形時とで異なるパラメータとして定義される。これにより、マトリックスモデル3の各要素は、それ自身のエネルギーロスを計算の中に取り込むことができる。ここで、負荷変形時とは、微小時間の間でモデルのひずみが増大する変形であり、逆に除荷変形時とは、ひずみが減少する変形を意味する。
図5(A)には、粘弾性材料の巨視的な3次元の網目構造体hを、また図5(B)には、この網目構造体hを構成する8鎖モデルgの1つを拡大して示した。この例の網目構造体hは、幅方向、高さ方向及び奥行き方向にそれぞれ8鎖モデルgがk個結合したものとする。
いま、網目構造体hに含まれる接合点bの総数を「からみ数」として符号mで表すと、からみ数mは、式(12)で表すことができる。同様に、網目構造体hに含まれる分子鎖cの数(即ち、マトリックスモデル3の単位体積中に含まれる分子鎖の数)をnとすると、このnは、式(13)で表すことができる。
m=(k+1)3 +k3 …式(12)
n=8k3 …式(13)
ここで、kは十分に大きい数とすると、kの3次項以外を省略して上式はそれぞれ次のような式(14)、(15)で表すことができ、さらにこれらの関係から、からみ数mは、nを用いて、式(16)で表すことができる。
m=2k3 …式(14)
n=8k3 …式(15)
m=n/4 …式(16)
さらに、マトリックスモデル3は、変形してもその中に含まれる分子鎖のセグメントの総数NA は変化しないため、式(17)〜(18)が成り立つ。
A =n・N …式(17)
N=NA /n=NA /4m …式(18)
この実施形態では、変形シミュレーションにおいてマトリックスモデル3のエネルギーロスを表現するために、荷重の負荷過程及びこれに続くひずみの回復過程において、粘弾性材料の分子鎖cのからみ数mを変化させる。即ち、図6(A)に示すように、例えば一つの接合点bで接合されている分子鎖c1ないしc4に矢印方向の引張応力が作用すると、各分子鎖c1ないしc4は伸び、接合点bは大きなひずみを受けて破損するものと考える。
この結果、図6(B)に示すように、これまで2本であった分子鎖c1及びc2は、あたかも1本の長い分子鎖c5のように振る舞うものと考えられる。分子鎖c3及びc4についても同様である。そして、このような現象は、ゴム材料の負荷変形が進むにつれて逐次発生していくものと考えられる。
以上のような接合点bの破損は、マトリックスモデル3におけるからみ数mの減少に他ならない。マトリックスモデル3自体は材料の出入りがないため、その中に含まれる分子鎖cのセグメントの総数NA は変化しない。よって、マトリックスモデル3の負荷変形が進むにつれて、1本の分子鎖cに含まれる平均セグメント数Nが増加することは式(18)から明らかである。つまり、前記平均セグメント数Nを、一定ではなく、負荷変形時と除荷変形時とで異なる可変のパラメータとすることにより、マトリックスモデル3の変形時におけるエネルギーロスが再現できる。
このような様子をコンピュータ上でより好ましく再現するためには、前記平均セグメント数Nは、負荷変形時では、そのひずみに関するパラメータに応じて増大させることが特に好適である。前記ひずみに関するパラメータとしては、特に制限されるものではないが、例えば、ひずみ量、ひずみ速度又はひずみの1次の不変量I1 などが挙げられる。本実施形態では、前記平均セグメント数Nが、下記式(19)に示すように、当該マトリックスモデル3の各要素個々において、それぞれひずみの1次の不変量I1 を平方根であるパラメータλc の関数となるものを示す。
Figure 2005146146
なお式(19)は、種々の実験によって定めた一例であり、上記AないしEは、いずれも定数であって、ゴム試験片の単純な1軸引張試験などの実測結果からように定めることができる。この例では、上記定数を次のように設定した。
A=+2.9493
B=−5.8029
C=+5.5220
D=−1.3582
E=+0.1325
図7には、マトリックスモデル3の各要素の負荷変形時における平均セグメント数Nとパラメータλc との関係を示す。ひずみに関するパラメータであるλc が大きくなると、平均セグメント数Nは滑らかに増大する。この例では、パラメータλc の上限は2.5である。後述するゴム材料モデル2の変形シミュレーションでは、マトリックスモデル3の各要素について、負荷変形時においてはパラメータλc が常時計算される。計算されたλc は、式(19)に代入される。これにより、当該要素の当該ひずみ状態における平均セグメント数Nが計算できる。
他方、マトリックスモデル3の除荷変形時には、平均セグメント数Nは一定値としている。また平均セグメント数Nを決定する方法としては、例えば次の方法がある。解析対象となる粘弾性材料において、一つの応力−ひずみ曲線がある場合、先ず除荷時の曲線に合うように前記n、Nを定める(つまり、NA =(n・N)が決まる。)。次に、負荷時、除荷時とも分子鎖の総セグメント数NA は同一であるため、負荷時の曲線に整合するよう、各ひずみにおける平均セグメント数Nを求める(このNは変化させる。)。そして、決定された負荷時の平均セグメントNに一致するよう、式(19)のパラメータAないしEを決定する。本実施形態では、N=6.6を使用し、かつ、負荷終了時のNが除荷時のそれと等しくなるように設定している。
前記フィラーモデル4は、本実施形態ではフィラーとしてのカーボンブラックをモデル化したカーボンブラックモデルであるものが示されている。但しフィラーは、カーボンブラックに限定されるものではなく、例えばシリカ、さらには他のものでも良い。図8には、ゴム中に充填されたカーボンブラックを電子顕微鏡にて撮像した形状の略図が示されている。カーボンブラック6は、炭素原子からなる直径数10nm程度の球ないし卵形状の一次粒子7が不規則に3次元的に結合した葡萄の房状構造(二次粒子)をなしている。
カーボンブラックは、ゴム等の粘弾性材料に比べると数百倍の硬さ(縦弾性係数)を持つため、本実施形態のフィラーモデル4は、粘弾性体ではなく弾性体として取り扱われる。したがって、フィラーモデル4は、材料特性として縦弾性係数が与えられ、変形計算上では応力とひずみとが比例する。また、この例では2つのフィラーモデル4A、4Bしか含まれていないが、ゴムへのフィラー配合量を考慮して適宜増やすこともできる。
フィラーが配合されたゴム材料の変形シミュレーションにおいてフィラー間の引力を考慮する場合、カーボンブラックの一次粒子又はその凝集体である二次粒子のいずれをモデル化しても良い。この実施形態では、フィラーモデル4は、ラグビーボール状に定義された2つが示される。各フィラーモデル4A、4Bは同一の構成で定義され、距離d(ただし、d≠0)を隔てて向き合っている。
例えば下記に記すneedleman らの実験を参考にすれば、2物体間の距離が大きすぎてもまた小さすぎても、それらの間の引力が作用しなくなることが報告されている。
A Continuum Model for Void Nucleation by Inclusion Debonding / A. needleman (Journa l of Applied Mechanics SEP. 1987 Vol.54 P.525-531)
このシミュレーションにおいて、フィラーモデル4Aとフィラーモデル4Bとの間の初期の距離dの値は最も小さい所で数ナノメータとし、より具体的には1ないし3ナノメータ程度の範囲で選択している。ただし、初期の距離dの値は、フィラーモデル4の位置やシミュレーションの条件などに応じて種々異なる。
また図9には、上記needleman らが提案した剥離を開始した界面a、b間に働く相互引力に基づく引力Tnと、距離dとの関係が示されている。なお横軸のδは、界面a、b間の距離dを増大させたときに引力が零となるときの限界の長さ(以下、この長さを「特徴距離」と呼ぶ)である。図から明らかなように、界面a、b間の引力Tnは、距離dが増大するにつれて徐々に増大してピークσmax に至り、さらに距離dが増大することによって滑らかに減少し、かつ特徴距離で零に至る放物状曲線を描く距離dの関数である。needleman らは、引力Tnの関数を式(20)のように定めている(二次元形)。法線方向nと接線方向sとは、図10のように定める。
Figure 2005146146
ゴム材料のシミュレーションの場合、フィラーモデル4A、4B間に初期状態でマトリックスモデルが介在していること、及びこの初期状態ではフィラー間引力は零であるとの前提を置く。このため、式(20)の関数は、本実施形態にそのまま適用することはできない。この実験結果をフィラーモデル4A、4B間に適用するために、次の修正が加えられる。
先ず、初期のフィラーモデル間の距離を導入するため、図9のグラフを横軸方向に−d(初期のフィラーモデル間の距離)、縦軸方向に−Td(引力)だけ移動させる。この場合、式(20)は、式(21)のように修正できる。本シミュレーションでは、フィラーモデル間の距離dに応じたフィラー間引力を式(21)から求め得る。なおこの例では二次元形を示すが、3次元形としても良い。
Figure 2005146146
図11には、フィラーモデル間の初期の距離d0を種々違えた場合の引力Tnの一例を示している。前記特徴距離δは、例えば初期の距離d0=0の場合には約11nm、また初期の距離d0=2.0nmの場合には約4.8nmになる。このように、初期の距離d0、特徴長さδは、条件に応じて適宜設定される。
また図12には、フィラー間引力Tnの例として、初期の距離d0=1.0nmの場合を取り出して示す。フィラー間引力Tnを示す前記式(21)は、フィラーモデル間の負荷変形(フィラーモデル4A、4B間の距離を増大させる変形)時においては、距離dが増大するにつれて、d=1.0nmの点P1から徐々に増大し、かつピークσmax に至る漸増領域Laと、さらなる距離dの増大によって滑らかに減少し、かつ、予め定めた特徴距離δの点P2で零に至る漸減領域Lbとを含む放物状曲線を描く関数である。距離dが特徴距離δよりも大きくなるとフィラーモデル4A、4B間にはフィラー間引力は作用しない。
また前記引力Tnは、負荷変形時の後に続く除荷変形時においては、除荷開始時のフィラーモデル4A、4B間の距離dのときの値から初期の状態まで線形に減少する。例えば漸減領域Lb上における任意の点P3から除荷が開始される場合、図の鎖線の矢印のように、フィラー間引力Tnは、距離dに応じて、当該点P3と点P1とを結ぶ直線上の値をとりながら線形に減少する。なお、負荷変形がピークσmax を超えていない場合には、負荷変形と同じルートを通って初期の状態まで復元できる。この場合、可逆変形となる。これにより、フィラー間引力は、ピークσmax を超えた場合、荷重の負荷及び除荷の1サイクルで閉ループを描く非可逆変形をマトリックスモデル3に生じさせる。この閉ループの面積は熱として消費されるエネルギーロスを表す。このような除荷時の引力Tnは、下記式(22)により求めることができる。
Figure 2005146146
また本発明では、このようなフィラー間引力を生じさせるために、マトリックスモデル3とは別のフィラー間モデル5がゴム材料モデル2の中に定義される。図4には、やや太い実線でこのフィラー間モデル5が拡大表示される。フィラー間モデル5は、2つのフィラーモデル4A、4Bの間に設けられる。各フィラー間モデル5は、この例ではいずれも四辺形である。四辺形をなす各フィラー間モデル5において、2つの節点は、一方のフィラーモデル4Aの外表面の節点と共有され、残り2つの節点は、他方のフィラーモデル4Aの外表面の節点と共有されている。計算効率を向上させるために、このフィラー間モデル5を含めて、ゴム材料モデル2の微視構造(ユニットセル)は、そのx軸及びy軸の各中心線に対して対称にモデリングされている。
またフィラー間モデル5は、マトリックスモデル3のようなそれ自身の剛性を持っていない。換言すれば、式(21)、同(22)を用いてフィラー間引力を計算するために設けられたフィラーモデル間の微細領域である。フィラー間モデル5は、フィラーモデル4A、4Bの間の距離の方向(y軸方向)には分割されていない。従って、フィラー間モデル5の形状は、変形の過程度、その都度、4つの節点(換言すればフィラーモデルの相対位置)よって単純に決定される。また式(21)、同(22)によってフィラーモデルの単位面積当たりのフィラー間引力(相互作用力)が各フィラー間モデル5において計算されるが、それは図10に示した4つの節点に作用する力へと置き換えられる。これにより、フィラー間引力をマトリックスモデル3に作用させることができる。
次に本実施形態のシミュレーション方法では、変形条件が設定され(ステップS2)、変形シミュレーションが行われる(ステップS3)。変形条件には、ひずみ速度や最大ひずみなどが含まれる。また変形シミュレーションの具体的な処理手順は、図13に示される。変形シミュレーションでは、先ずデータがコンピュータ装置1に入力される(ステップS31)。入力されるデータには、各要素に定義された節点の位置や材料特性といった情報が含まれる。
コンピュータ装置1では、変形条件とフィラー間引力とを考慮して仮想仕事の原理に基づき有限要素解析が行われる。具体的には、入力されたデータに基づいて各要素の剛性マトリックスを作成し(ステップS32)、しかる後、全体構造の剛性マトリックスを組み立てる(ステップS33)。全体構造の剛性マトリックスには、既知節点の変位、節点力が導入され(ステップS34)、剛性方程式の解析が行われる。そして、未知節点変位が決定され(ステップS35)、各要素のひずみ、応力、主応力といった物理量を計算し、出力する(ステップS36ないし37)。ステップS38では、計算を終了させるか否かの判定がなされ、否定的である場合には、ステップS32以降を繰り返す。
これらの処理を行うための有限要素方程式は式(23)の通りである。
Figure 2005146146
Figure 2005146146
Figure 2005146146
シミュレーションは、例えば有限要素法を用いたエンジニアリング系の解析アプリケーションソフトウエア(例えば米国リバモア・ソフトウェア・テクノロジー社で開発・改良されたLS−DYNA等)を用いて行うことができる。
本シミュレーションは、均質化法(漸近展開均質化法)に基づいて行われる態様を例示する。均質化法は、図14に示されるように、図3に示したゴム材料モデル2の微視構造(ユニットセル)を周期的に持っているゴム材料全体Mを表現するxI と、前記微視構造を表現するyI との独立した2変数が用いられる。微視的スケールと巨視的スケールという異なる尺度の場におけるそれぞれ独立した変数を漸近展開することにより、図3に示した微視構造のモデル構造を反映させたゴム材料全体Mの平均的な力学応答を求めることができる。
即ち、解析対象領域が任意の微視構造の繰り返しによって構成され、その繰り返し度合いが非常に密なために直接有限要素法で領域を離散化出来ない場合、解析対象を均質な等価モデルで代用して全体を解析し、その解析結果を任意の点での微視構造に戻すことによって微視構造自身の変形を近似的に求めることができる。漸近展開均質化法については、例えば次の文献に詳細に述べられている。
Higa,Y.and Tomita,Y,,Computational Prediction of Mechanical Properties of Nickel-based superalloy with gamma Prime Phase Precipitates,Proceedings of ICM8(Victoria,B.C.,Canada),Advance Materials and Modeling of Mechanical Behavior,(Edited by Ellyin,F,and Proven,J.W.),III(1999),1061-1066,Fleming Printing Ltd..
比嘉吉一,冨田佳宏,粒子強化型複合材の均質化法による変形挙動のモデル化とシミュレーション,日本機械学会論文集,A66(2000),1441-1446.
具体的には前記式(3)に加え下記式(24)の巨視的平衡方程式及び式(25)の特性変位関数(Y−periodic)が用いられる。
Figure 2005146146
Figure 2005146146
また、本実施形態では、式(3)の定数等を次のように設定した。
R =0.268
N=6.6
T=296
B =1.38066×10-29
n=CR /KB /T=6.558×1025
A =n・N=4.328×1026
フィラーモデルの縦弾性係数E:100MPa
フィラーモデルのポアソン比:0.3
特徴長さδ(δn=δs)=22.75nm
ピークσmax =0.001MPa
法線方向とせん断方向との強さ比γ=1.0
また変形シミュレーションは、巨視的モデルMとして2mm×2mmの矩形状の解析領域を設定し、この巨視的モデルMに一様な一軸引張変形を発生させるため、図9のx2 方向に平均ひずみ速度1.0×10-5/sを加え、図14のx2 方向のひずみが0.65に達した後は、逆に同じ速度でひずみを零まで漸減させる除荷条件を与えた。この際、各ひずみ状態において、それぞれ平均セグメント数Nが計算され、この値は式(3)へ代入され逐次計算が行われる。なおゴム材料モデルは、厚さ方向(図3のZ軸方向)に変化しないようにArrudaらの3次元8鎖モデルが用いられている。また、マトリックスモデル3の平均セグメント数Nは次のように設定した。
<マトリックスモデル>
・負荷変形時の平均セグメント数N
N=-3.2368+20.6175 λc-21.8168 λc 2 +10.8227λc 3 -1.9003 λc 4
・除荷変形時の平均セグメント数N(一定)
N=6.6
・分子鎖のセグメントの総数NA (一定)
NA =4.3281×1026
前記変形計算が行われると、その結果から必要な物理量を取得することができる(ステップS4)。図15には、マトリックスモデル3とフィラーモデル4とについて、それぞれ単独で変形シミュレーションを行った結果を示している。
また図16には、図3の微視構造(セルユニット)として組み入れたゴム材料モデル全体における真応力とひずみとの関係を示している。実線のグラフは、フィラー間モデル5を定義していないため、フィラー間引力の相互作用が考慮されていない結果であり、破線のグラフは、フィラー間モデル5を定義した本実施形態の結果を示す。フィラー間引力を考慮した本実施形態のシミュレーションでは、フィラー間引力を無視したものに比べて、やや硬化していることが分かる。また、フィラー間引力を考慮したものでは、エネルギーロスを表す閉ループ面積が、フィラー間引力を無視したものに対して0.929%アップしており、僅かではあるがフィラー間引力に伴うエネルギーロス分大きくなっていることが確認できた。この値はパラメータの設定によって変えることができる。また、この実施形態では、セルユニットの中に2つのフィラーモデル4A、4Bを設定したが、例えば解析しようとするゴム材料のフィラーの配合割合などに応じてフィラーモデル4の密度を変えることにより、より正確なエネルギーロスの評価ないし比較を行うことができる。
また図17には、各フィラー間モデル5に生じた引力と距離dとの関係が示される。要素ア、イ、ウ、エ及びオは、それぞれ図4の符号ア、イ、ウ、エ及びオが示す要素に対応している。要素ア、イ及びウについては、距離dの変化が小さかったためピークσmax を超えていない。このため、引力Tnは、負荷及び除荷変形において同一の経路を通ったものと考えられる。また要素オについては、初期の距離dが当初から大きいため、フィラー間引力が生じなかったと考えられる。これに対して要素エは、引力Tnがピークを超えて復元したため、負荷と除荷とで異なる経路を通ったと考えられる。
このようなシミュレーションは、例えばゴム材へのフィラーの配合割合、フィラーの種類を種々違えたゴム材について、エネルギーロスを含めた粘弾性特性をより詳しく評価することができる。これは、とりわけ粘弾性材料を主要部として用いるタイヤ、ゴルフボールの工業製品に性能改善に大いに役立つ。
本実施形態で用いたコンピュータ装置の一例を示す斜視図である。 本実施形態の処理手順を示すフローチャートである。 ゴム材料モデル(微視構造)の一実施形態を示す線図である。 その要部拡大図である。 (A)は粘弾性材料の網目構造体を示す斜視図、(B)は8鎖モデルの一例を示す斜視図である。 (A)、(B)は分子鎖の接合点の破断を説明する線図である。 パラメータλc と分子鎖1本当たりの平均セグメント数Nとの関係を示すグラフである。 カーボンブラックの形状を示す線図である。 引力Tnと、界面間の距離dとの関係を示すグラフである。 界面間を拡大して示す線図である。 引力Tnとフィラーモデル間の距離dとの関係を示すグラフである。 フィラーモデル間の負荷変形及び除荷変形を説明するグラフである。 変形シミュレーションの手順を示すフローチャートである。 均質化法を説明する微視構造と全体構造との関係を示す。 マトリックスモデル及びフィラーモデルの個々の応力ーひずみ曲線を示す。 ゴム材料モデル(全体構造)のシミュレーション結果として真応力−ひずみとの関係を示すグラフである。 各フィラー間モデルに生じたの引力と距離dとの関係を示すグラフである。 (A)は粘弾性材料、(B)はその分子鎖1構造を説明する線図、(C)は1本の分子鎖の拡大図、(D)はセグメントの拡大図である。 Arrudaらによるシミュレーション結果として、応力−ひずみ曲線を示す。 カーボンブラックの配合量を違えたゴム材料の引張試験結果を示すグラフである。
符号の説明
1 コンピュータ装置
2 ゴム材料モデル
3 マトリックスモデル
4 フィラーモデル
5 フィラー間モデル

Claims (4)

  1. フィラーが配合されたゴム材料の変形をシミュレーションするゴム材料のシミュレーション方法であって、
    前記ゴム材料を数値解析が可能な要素でモデル化したゴム材料モデルを設定するステップと、
    前記ゴム材料モデルに条件を設定して変形計算を行うステップと、
    前記変形計算から必要な物理量を取得するステップとを含むとともに、
    前記ゴム材料モデルは、ゴムマトリックスをモデル化したマトリックスモデルと、
    距離を隔てて向き合う少なくとも2つのフィラー粒子をモデル化したフィラーモデルと、
    前記2つのフィラーモデル間に設けられ、かつ、該フィラーモデル間の距離に基づくフィラー間
    引力が定義されたフィラー間モデルとを含むことを特徴とするゴム材料のシミュレーション方法。
  2. 前記フィラーモデルは、カーボンブラックの一次粒子又はその凝集体である二次粒子をモデル化したカーボンブラックモデルであることを特徴とする請求項1記載のゴム材料のシミュレーション方法。
  3. 前記フィラー間引力は、フィラーモデル間の領域の負荷変形時において、フィラーモデルの間の距離が増大するにつれて徐々に増大しかつピークに至る漸増領域と、
    さらなる距離の増大によって滑らかに減少し、かつ、予め定めた特徴距離で零に至る漸減領域とを含む放物状曲線を描く関数に基づき定義されることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム材料のシミュレーション方法。
  4. 前記引力は、負荷変形時の後に続く除荷変形時において、除荷開始時から初期の状態まで線形に減少することにより、荷重の負荷及び除荷の1サイクルでループを描くことを特徴とする請求項3に記載のゴム材料のシミュレーション方法。
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