JP2005146117A - ポリアミド系樹脂組成物の混練法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリアミド系樹脂にタルクを配合して耐熱性を高めると耐衝撃性が劣化するが,タルクを配合しても耐衝撃性がポリアミド系樹脂そのものよりも高くなるようにする。
【解決手段】 ポリアミド系樹脂に,EVA系樹脂5〜25重量%とタルク10〜30重量%を配合し,この配合物を臼型混練機を用いて190〜250℃の温度範囲で混練し,アイゾット衝撃値50kJ/m2以上の樹脂組成物を得るポリアミド系樹脂組成物の混練法である。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリアミド系樹脂に,EVA系樹脂5〜25重量%とタルク10〜30重量%を配合し,この配合物を臼型混練機を用いて190〜250℃の温度範囲で混練し,アイゾット衝撃値50kJ/m2以上の樹脂組成物を得るポリアミド系樹脂組成物の混練法である。
【選択図】 なし
Description
本発明は,耐衝撃性に優れたポリアミド系樹脂組成物を得る混練法に関する。
ポリアミド樹脂は引張強度,衝撃強度および耐磨耗性等の機械的性質や耐薬品性に優れることからエンジニアリングプラッスチックとして広汎な分野で使用されているが,荷重たわみ温度が低く,また吸水による剛性の低下が大きいので,高温・高湿度にさらされる用途には自ずと制限を受けていた。
このようなポリアミド樹脂の欠点を改良するために,繊維を配合してなる繊維強化ポリアミド樹脂が知られている。繊維強化ポリアミドは強度,靭性および熱変形温度は向上するが,成形品表面に繊維が浮き出し,成形品の表面外観を悪化させるという問題がある。他方,ワラストナイト,カオリン,タルク等の無機粉体を配合したものも知られており,これによると吸水による剛性低下が改善され,反りの発生も抑制されるが,耐衝撃強度が著しく低下する。これを改善するものとして,特許文献1には,ポリアミド樹脂にタルクを配合する場合に,タルクとして高品質のものを使用すると共に種々の耐衝撃性改良剤(オレフイン系化合物および/または共役ジエン系化合物の重合体)を配合してなるポリアミド樹脂組成物が記載されている。
特許文献1のように,ポリアミド樹脂にタルク等と耐衝撃性改良剤を配合して耐熱性および耐衝撃性の優れた樹脂組成物を得る場合には,タルク(無機粉体)と耐衝撃性改良剤(樹脂)がポリアミド樹脂に良好に分散されることが肝要である。しかし,この分散を工業的有利に行うことは実際には困難であり,このため,市場で入手し得るタルク含有のポリアミド樹脂組成物のアイゾット衝撃強度は一般に50KJ/m2未満であり,耐衝撃性が充分ではない。本発明はこの問題を解決することを課題とする。
本発明によれば,ポリアミド系樹脂に,EVA系樹脂5〜25重量%とタルク10〜30重量%を配合し,この配合物を臼型混練機を用いて190〜250℃の温度範囲で混練して,アイゾット衝撃値50kJ/m2以上の樹脂組成物を得るポリアミド系樹脂組成物の混練法を提供する。ここで,臼型混練機とは,石臼のように被処理材料をもみ潰しながら混練する混練機を指しており,実際には,摺動面に放射状の溝が形成された複数のブレードを筒体内で同軸的に交互に多段に重ね,各ブレードの間を被処理材料が高いせん断応力を受けながら移動するものを言う。ポリアミド系樹脂は好ましくはナイロン12であり,EVA系樹脂はエチレン−酢酸ビニルコポリマーである。
本発明によると,ポリアミド系樹脂にタルクを配合して耐熱性を向上させた場合に,耐衝撃性も同時に向上した混練組成物が得られる。
ポリアミド系樹脂にタルクを配合すると耐熱性が向上するが,耐衝撃性が大きく劣化する。しかし,EVA系樹脂を配合すると,タルク配合による耐衝撃性劣化の影響を相殺しポリアミド系樹脂それ自身のものより耐衝撃性を向上させことができる。そのさい,ポリアミド系樹脂の耐熱性向上のためには,タルクは少なくとも10重量%以上必要とする。ポリアミド系樹脂としてはナイロン12を使用できる。しかし,タルク配合量が30重量%を超えると,適量のEVA系樹脂配合では耐衝撃性の改善効果が充分に発揮できなくなる。このため,タルク配合量は10〜30重量%とするのがよく,好ましくは15〜25重量%とするがよい。使用するタルクとしては,本発明では特許文献1のように純度の高いものを必ずしも使用する必要はなく,通常の市販品でよい。
EVA系樹脂の配合量は,5重量%未満では耐衝撃性の向上効果が充分ではない。しかし25重量%を超えると,ポリアミド系樹脂の量が相対的に減少して強度特性が劣化するようになる。したがって,EVA系樹脂の配合量は5〜25重量%,好ましくは10〜20重量%とするのがよい。
本発明は,このような樹脂と無機物との組成物を臼型混練機を用いて混練温度190〜250℃で混練する点に特徴がある。
臼型混練機は,粒状物を石臼でひいて粉体にする場合のように,表面に凹凸または溝をもつ臼体(ブレード)の間で,被処理物をもみ潰しながら混練する装置であり,臼型混練機として市場で入手できる。その原理は,表面に凹凸または溝をもつ回転ブレードと固定ブレードを交互に同軸的に多段に重ね,回転ブレードを軸回りに回転させることによって,両ブレードの間を移動する被処理物に圧縮・せん断・置換の作用を付与する点にある。
この作用により,被処理物は両ブレードで押し潰されながら混練分散を繰り返しつつ両ブレードの間を移動し,微細に分散された組織の組成物を得ることがてきる。そのさい,該組成物を190℃以上の温度に維持しながら混練することが必要である。190℃未満では流動性が充分ではなく,密実な混練物を得ることができない。しかし,250℃を超える温度で混練すると,樹脂の変性を来たしたり,流動性が高くなりすぎてタルクの偏在を発生したりするので好ましくない。
本発明に従う樹脂組成物はポリアミド樹脂の特性を保持しながら耐熱性と耐衝撃性が優れるので,自動車用途,電気・電子部品用途,土木・建築用途,スポーツ・レジャー用途等の幅広い分野において用途の拡大ができる。例えば,本発明に従う樹脂組成物によって自動車分野ではエンジンカバー,カップホルダー,ランプソケット,冷却ファン,フードガーニッシュ等が,電気・電子部品分野ではホイルビン,ブレーカ部品,電磁開閉器,コネクター,エアーガイド等が,土木・建築分野ではボルト,ナット等が,またレジャー用途では釣具部品等が有利に製作できる。
〔実施例1〕
以下に示す材料を表1に示した割合で配合し,その配合物を臼型混練機(株式会社ケー・シー・ケー製の商品名KCK)を用いて,該混練機の混練部を通過する材料温度が220℃となるように温度管理して混練した。
ポリアミド樹脂:宇部興産株式会社製の商品名「UBESTA3035U」
EVA樹脂:三井デュポンポリケミカル社製の商品名「EVFLEX EV270」
タルク:山陽クレー株式会社製の商品名「タルク83」(平均粒径5μm)
以下に示す材料を表1に示した割合で配合し,その配合物を臼型混練機(株式会社ケー・シー・ケー製の商品名KCK)を用いて,該混練機の混練部を通過する材料温度が220℃となるように温度管理して混練した。
ポリアミド樹脂:宇部興産株式会社製の商品名「UBESTA3035U」
EVA樹脂:三井デュポンポリケミカル社製の商品名「EVFLEX EV270」
タルク:山陽クレー株式会社製の商品名「タルク83」(平均粒径5μm)
得られた混練物を,射出成形機(株式会社日本製鋼所製の商品名J50EII)を用いて評価用供試材に成形し,耐衝撃性と耐熱性を評価した。耐衝撃性については東洋精機製作所株式会社製のアイゾット衝撃強度試験機によりJIS K7110に従ってノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定して評価し,耐熱性については東洋精機製作所株式会社製のHDT&VSPTテスターによりJIS K7191に従って荷重1.82MPaでの荷重温度(熱変形温度)を測定して評価した。その結果を表1に示した。
〔比較例1〕
EVA樹脂とタルクを配合しなかった以外は実施例1を繰り返した。得られた混練物の耐衝撃性と耐熱性を実施例1と同様に評価した結果を表1に併記した。
EVA樹脂とタルクを配合しなかった以外は実施例1を繰り返した。得られた混練物の耐衝撃性と耐熱性を実施例1と同様に評価した結果を表1に併記した。
〔比較例2〕
EVA樹脂を配合しなかった以外は実施例1を繰り返した。得られた混練物の耐衝撃性と耐熱性を実施例1と同様に評価した結果を表1に併記した。
EVA樹脂を配合しなかった以外は実施例1を繰り返した。得られた混練物の耐衝撃性と耐熱性を実施例1と同様に評価した結果を表1に併記した。
〔比較例3〕
臼型混練機に代えて,2軸押し出し式混練機(株式会社日本製鋼所製の商品名TEX30SS−325BW−2V)により混練温度220℃で混練した以外は実施例1を繰り返した。得られた混練物の耐衝撃性と耐熱性を実施例1と同様に評価した結果を表1に併記した。
臼型混練機に代えて,2軸押し出し式混練機(株式会社日本製鋼所製の商品名TEX30SS−325BW−2V)により混練温度220℃で混練した以外は実施例1を繰り返した。得られた混練物の耐衝撃性と耐熱性を実施例1と同様に評価した結果を表1に併記した。
表1の結果から次のことがわかる。ポリアミド樹脂にタルクを配合すると耐熱性は向上するが耐衝撃性が大きく劣化する(比較例1と2との比較)。しかし,タルクを配合してもEVA樹脂を配合すると耐衝撃性は著しく向上し,ポリアミド樹脂のそれよりも優れるようになる。その場合,実施例1と比較例3とを対比すると明らかなように,混練の仕方によって耐衝撃強度の向上効果が相違し,臼式混練機では2軸混練機に比べて2倍近く耐衝撃性の優れたものが得られ,さらに耐熱性も良好となる。
実施例1と比較例3で得られた混練物の供試材を液体窒素中にて破断し,その破断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で撮像した写真を図1(実施例1のもの)および図2(比較例3のもの)に示した(倍率はいずれも10,000倍である)。両図を対比すると明らかなように,2軸混練機で得られた図2のものでは,空隙が多く,各成分の偏析も見られるのに対し,臼式混練機で得られた図1のものでは各成分が緊密且つ密実に分散した組成物となっている。
Claims (3)
- ポリアミド系樹脂に,EVA系樹脂5〜25重量%とタルク10〜30重量%を配合し,この配合物を臼型混練機を用いて190〜250℃の温度範囲で混練し,アイゾット衝撃値50kJ/m2以上の樹脂組成物を得るポリアミド系樹脂組成物の混練法。
- ポリアミド系樹脂はナイロン12であり,EVA系樹脂はエチレン−酢酸ビニルコポリマーである請求項1に記載の混練法。
- ポリアミド系樹脂組成物は荷重たわみ温度が130℃以上である請求項1または2に記載の混練法。
Priority Applications (1)
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JP2003385663A JP2005146117A (ja) | 2003-11-14 | 2003-11-14 | ポリアミド系樹脂組成物の混練法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007187959A (ja) * | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Ricoh Co Ltd | 非磁性トナー、現像剤、及び画像形成方法 |
CN102746644A (zh) * | 2012-07-23 | 2012-10-24 | 武汉理工大学 | 一种自动探火灭火装置用塑料火探管 |
CN103589147A (zh) * | 2013-10-29 | 2014-02-19 | 安徽安缆模具有限公司 | 一种抗冲击性汽车连接件用尼龙pa12材料 |
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2003
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