JP2005145407A - 車体構造 - Google Patents

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Hiroyuki Kurokawa
博幸 黒川
Yoshinori Yokota
義則 横田
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Abstract

【課題】 車両の衝突時に、車両前後方向に車体が変形可能な長さを増大させるようにする。
【解決手段】 前輪4の車両後方側に配置された車体壁面10が、車両後方に向かって下方へ傾斜し、車体壁面10上にプレート11が溶着されていて、車両の前面衝突時に、車体前部が車両後方へ変形することにより、前輪4が車両後方へ変位してプレート11に衝突すると、プレート11が車体壁面10から分離し、前輪4と共に車体壁面10に沿って斜め下方へ移動する結果、前輪4が車両後方へさらに変位できることとなる。
【選択図】 図1


Description

本発明は、車両の衝突時に、車両前後方向に車体が変形可能な長さを増大させる機構に関する。
従来の車両は、図4に例示されているように、フロントピラー1とサイドシル2との結合部分における車体壁面3が、前輪4の後方に近接して配置されているが、車両の前面衝突時に、車体前部が車両後方へ向かって適宜変形することにより衝突エネルギを吸収し、乗員が受ける衝撃を緩和させて乗員を保護しようとする場合に、前輪4の後方移動が車体壁面3により制約されるため、上記衝突エネルギの吸収に制限を受けるおそれがあった。
なお、車両の衝突時に、車体前方部における変形領域を増加させる装置として、下記特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
実開平6−51019号公報
この場合は、車両の衝突時に、破裂部材により空気タイヤを破裂させて、車体前方部の変形領域を増加させるようにしているが、空気タイヤの破裂により車両の操舵性が不安定となって、安全面に問題が生じるという不具合がある。
本発明は、車両の衝突時に、車両前後方向に車体が変形可能な長さを容易に増大させようとするものである。
このため、本発明にかかる車体構造は、車輪に対して車両前後方向に面した車体壁面が下方へいくほど上記車輪と遠ざかるように傾斜し、その傾斜面にプレートが取り付けられていて、車体の車両前後方向変形に伴い上記車輪が車両前後方向に変位して上記プレートに衝突すると、上記プレートが上記車体壁面から分離して上記車輪と共に上記傾斜面に沿い斜め下方へ移動するように構成されている。
従って、車両の衝突時に、車体の車両前後方向変形に伴い車輪が車両前後方向に変位して、車体壁面上のプレートに衝突すると、プレートが車体壁面から分離して車輪と共に上記傾斜面に沿い斜め下方へ移動する結果、車輪は車両前後方向へ余分に変位できることとなって、それだけ車両前後方向に対する車体の大きな変形が許容されるため、車体の変形による衝突エネルギの吸収量を増大させることが可能となる。
以下、本発明の各実施例について、前記従来装置との同等部分にはそれぞれ同一符号を付けて説明する。
図1において、フロントピラー1とサイドシル2との結合部分において、前輪4の車両後方側に面して配置された車体壁面10は、下方へいくほど車輪4と遠ざかるように、すなわち、車両後方に向かって下方へ傾斜しており、その車体壁面10には、例えば鋼板製のプレート11がプロジェクション溶接、あるいは、スポット溶接等により部分的に弱く溶着されている。
従って、車両の前面衝突時に、車体前部が車両後方へ向かって変形することにより、2点鎖線で示されているように前輪4も車両後方へ変位し、前輪4が車体壁面10上のプレート11に衝突すると、その負荷によりプレート11は車体壁面10から容易に分離されるので、傾斜した車体壁面10に沿って矢印のように斜め下方へ前輪4及びプレート11が共に移動し、その結果、前輪4は車体の下方へもぐり込むことにより、車体に対してさらに車両後方へ変位することができるので、従来よりもそれだけ車体前部の車両後方への大きな変形が許容されて、車体前部の変形による衝突エネルギの吸収量を一層増大させることが可能となる。
図2及び図3の実施例においては、重ね合わせて溶着されることにより形成されたフランジ20が車体壁面10に設けられ、フランジ20に沿ってプレート11に形成された溝21内へフランジ20が嵌め込まれた状態で、プレート11がプロジェクション溶接、あるいは、スポット溶接等により車体壁面10に対して部分的に弱く溶着されている。
従って、上記実施例の場合と同様に、車両の前面衝突時に車体前部が車両後方へ向かって変形することにより2点鎖線で示されているように前輪4も車両後方へ変位し、前輪4が車体壁面10上のプレート11に衝突すると、その負荷によりプレート11は車体壁面10から容易に分離されるので、傾斜した車体壁面10に沿いフランジ20をガイドとして矢印のように斜め下方へ前輪4及びプレート11が共に移動し、その結果、上記実施例と同様な作用効果を一層確実に奏することができるようになる。
なお、上記各実施例は、車両の前輪4及び車体壁面10に関係したものであるが、車両の後輪と、その後輪の車両前方側に面して配置された車体壁面との関係に適宜置き換えて、車両の後面衝突に対する車両後部の変形許容量を増大させるようにすることができるのはいうまでもない。
本発明の実施例における要部の概略側面図。 本発明の他の実施例における要部の概略側面図。 図2の III−III 断面拡大図。 従来装置における要部の概略側面図。
符号の説明
4 前輪
10 車体壁面
11 プレート
20 フランジ
21 溝

Claims (1)

  1. 車輪に対して車両前後方向に面した車体壁面が下方へいくほど上記車輪と遠ざかるように傾斜し、その傾斜面にプレートが取り付けられていて、車体の車両前後方向変形に伴い上記車輪が車両前後方向に変位して上記プレートに衝突すると、上記プレートが上記車体壁面から分離して上記車輪と共に上記傾斜面に沿い斜め下方へ移動するように構成された車体構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009190706A (ja) * 2008-02-12 2009-08-27 Ichu Fukuzawa 衝突荷重吸収装置
JP2015116924A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 富士重工業株式会社 車両の車体構造及び車体の製造方法
JP2015116923A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 富士重工業株式会社 車両の車体構造及び車体の製造方法

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