JP2005145179A - 車両用乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 好適な作動を行うことが可能な車両用乗員保護装置を提供する。
【解決手段】 車両用乗員保護装置1は、衝突を検知又は予測する前方監視レーダ10、側方監視レーダ11、前面衝突用加速度計12及び側面衝突用加速度計13を備えている。これらは、コントロールユニット30に接続されている。コントロールユニット30には、可逆的に乗員を拘束可能なモータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21と、非可逆的に乗員を拘束可能なエアバッグ22及びサイドエアバッグ23とが接続されている。そして、コントロールユニット30の作動タイミング判断部は、上記レーダ10による衝突予測の信頼度を判定し、判定した信頼度に基づき、モータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21についての作動優先度を変更して、作動を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用乗員保護装置に関する。
従来、衝突を予測した場合に可逆式の第1プリテンショナを作動させ、衝突の発生を検出した場合に非可逆式の第2プリテンショナを作動させて乗員を保護する乗員保護装置が知られている(特許文献1参照)。
また、衝突を予測した場合に第1の乗員保護装置を作動させると共に、第2の乗員保護装置を作動すべきタイミングを設定する乗員保護システムが知られている(特許文献2参照)。
特開平6−286581号公報 特開2003−175797号公報
従来装置は、衝突予測時に可逆式の拘束部を作動させ、その後、非可逆式の拘束部を作動させるようになっている。すなわち、従来装置は、可逆式、非可逆式の順で固定的に拘束部を作動させるようになっている。このように、従来装置は、拘束部の作動が固定的であり、必ずしも理想的なタイミングでそれぞれの拘束部を作動させていない可能性があった。
本発明の車両用乗員保護装置は、衝突を検知又は予測する検知手段と、可逆的に乗員を拘束可能な可逆拘束手段と、非可逆的に乗員を拘束可能な非可逆拘束手段とを備えている。さらに、車両用乗員保護装置は、検知手段からの信号に基づいて可逆拘束手段及び非可逆拘束手段の作動を制御する制御手段と、検出手段による衝突検知又は衝突予測の信頼度を判定する信頼度判定手段とを備えている。そして、制御手段は、信頼度判定手段にて判定された信頼度に基づき、可逆拘束手段と前記非可逆拘束手段との少なくとも一方についての作動優先度を変更して、可逆拘束手段及び非可逆拘束手段の作動を制御する。
本発明によれば、衝突検知又は衝突予測の信頼度を判定している。このため、衝突が予測又は検知されたものの、その予測又は検知の精度が高いものであるか又は低いものであるかを判定することができる。
また、本発明によれば、判定した信頼度に基づいて可逆拘束手段と非可逆拘束手段との少なくとも一方の作動優先度を変更して、可逆拘束手段と非可逆拘束手段との作動を制御している。このため、衝突の予測又は検知の精度に応じて作動優先度を変更し、拘束手段の作動を好適なものとすることが可能となる。
例えば、衝突の予測又は検知の精度が低く、前面衝突であるか又は側面衝突であるかが疑わしい場合には、作動優先度を変更して、すべての拘束手段が作動しやすいようにする。そして、前面衝突又は側面衝突のいずれであってもすべての拘束手段を作動させることにより、あらゆる方向の衝突から乗員を保護するようにすることができる。
また、例えば、衝突の予測又は検知の精度が低く、衝突を予測したものの、実際に衝突するか否かが疑わしい場合には、乗員保護に支障をきたさない程度に拘束手段の作動を抑制して、頻繁に拘束手段が作動しないようにすることができる。
このように、信頼度に応じて可逆拘束手段と非可逆拘束手段との少なくとも一方の作動を変えることにより、好適な作動を行うことができる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は、第1実施形態に係る車両用乗員保護装置の構成図である。なお、図1は、車両側方から様子を示しており、図2は、乗員前方からの様子を示している。
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用乗員保護装置1は、前方監視レーダ(検知手段)10、側方監視レーダ(検知手段)11、前面衝突用加速度計(検知手段)12、側面衝突用加速度計(検知手段)13を備えている。また、車両用乗員保護装置1は、モータ駆動リトラクタ(可逆拘束手段)20、アクティブパッド(可逆拘束手段)21、エアバッグ(非可逆拘束手段)22及びサイドエアバッグ(非可逆拘束手段)23を具備している。さらに、車両用乗員保護装置1は、コントロールユニット(制御手段)30及びビークルダイナミックスコントロールユニット(以下、VDCユニットという)40を有している。
上記の各レーダ10,11及び各加速度計12,13は、車両の衝突を検知又は予測するためのものである。また、モータ駆動リトラクタ20、アクティブパッド21、エアバッグ22及びサイドエアバッグ23は、車両衝突時等に乗員を拘束保護するものである。また、コントロールユニット30は、各レーダ10,11及び各加速度計12,13からの信号に基づいて、上記モータ駆動リトラクタ20、アクティブパッド21、エアバッグ22及びサイドエアバッグ23の作動及び停止を制御するものである。VDCユニット40は、各レーダ10,11及び各加速度計12,13に基づく衝突検知及び予測の信頼度を判定するべく、車両の運動状態を検出するものである。
以下、各要素について具体的に説明する。まず、前方監視レーダ10は、図1に示すように車両前方に設置され、車両前方側に向けて電波を照射することにより車両の前面衝突を予測するためのものである。図3は、前方監視レーダ10の説明図である。同図に示すように、前方監視レーダ10は、車両前方に取り付けられ、電波を照射するようになっている。また、前方監視レーダ10は、衝突対象物が車両前方に存在する場合、衝突対象物にて反射して戻ってくる反射波を受信する構成とされている。また、前方監視レーダ10は、照射波を照射した時刻及び反射波を受信した時刻の情報をコントロールユニット30に伝える構成とされている。
側方監視レーダ11は、図2に示すようにドア内に設置され、車両側方側に向けて電波を照射することにより車両の側面衝突を予測するためのものである。また、側方監視レーダ11は、前方監視レーダ10と同様に、車両側方へ電波を照射し、衝突対象物にて反射して戻ってくる反射波を受信し、照射波及び反射波を送受信した時刻をコントロールユニット30に伝える構成とされている。
上記前面衝突用加速度計12は、車両前後方向に加わる加速度を検出して、車両の前面衝突を検知するためのものである。また、前面衝突用加速度計12は、検出した加速度の情報をコントロールユニット30に送信する構成とされている。側面衝突用加速度計13も同様で、車両横方向に加わる加速度を検出して、車両の側面衝突を検知するためのものであり、検出した加速度情報をコントロールユニット30に伝えるようになっている。
また、モータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21は、乗員を可逆的に拘束可能なものである。まず、モータ駆動リトラクタ20について説明する。図4は、モータ駆動リトラクタ20の詳細構成図である。モータ駆動リトラクタ20は、モータ20a、減速ギア20b及び遊星ギア20cが、一般的なリトラクタに付加された構成となっている。
モータ20aは、シートベルトの巻取りトルクを発生させるものであり、発生させたトルクを減速ギア20bに伝えるようになっている。減速ギア20bは、モータ20aからのトルクを減速して遊星ギア20cに伝達するようになっている。遊星ギア20cは、減速されたトルクをリール20dに伝えることで、シートベルトの巻取りを行うようになっている。
このように構成されるため、モータ駆動リトラクタ20は、モータ20aの非作動時において、ロックギア20e及びメカロック機構20fによりシートベルトの引き出しを阻止するという通常のリトラクタとして作動する。一方、モータ駆動リトラクタ20は、モータ20aの作動時において、モータ20aのトルクを減速ギア20b及び遊星ギア20cを解してリール20dに伝達し、シートベルトを巻き取ることとなる。
次に、アクティブパッド21について説明する。アクティブパッド21は、図2に示すように乗員の側方ドア部に設けられており、モータ及びギヤ等を備えている。このモータは、アクティブパッド21を作動させるべくトルクを発生させ、そのトルクをギヤ等に伝えるものである。ギヤ等は、伝達されたモータの動きに応じてパッド部を乗員側へ突出させたり、引き込んだりするものである。
このように構成されるため、アクティブパッド21は、車両衝突時等にモータが作動して、パッド部を乗員側に突出させる。そして、乗員の身体側方を抑えて、乗員の側方へ加わる衝撃を緩和することとなる。一方、アクティブパッド21は、衝突等の終了後にパッド部を引き込むこととなる。
次に、エアバッグ22及びサイドエアバッグ23を説明する。エアバッグ22及びサイドエアバッグ23は、乗員を非可逆的に拘束するものであり、発火材及び袋体等により構成されるものである。また、これらは、衝突時等に発火材を発火させて、生じたガスを袋体に流入させることにより、袋体を展開するようになっている。これにより、エアバッグ22は、図1に示すように、乗員の上半身がハンドルに近づきすぎないように乗員を拘束することとなる。また、サイドエアバッグ23は、側面衝突により乗員側方に加わる衝撃を緩和することとなる。
上記コントロールユニット30は、各拘束部20〜23の作動の可否を、各レーダ10,11及び各加速度計12,13から信号に基づいて決定するものである。また、コントロールユニット30は、作動可否の決定後、各拘束部20〜23それぞれの駆動部(図示せず)に作動信号を出力し、これらを作動させるものである。
図5は、図1に示したコントロールユニット30の機能ブロック図である。同図に示すように、コントロールユニット30は、前面衝突予測判断部31a、側面衝突予測判断部31b、前面衝突検出判断部32a、側面衝突検出判断部32b、作動タイミング判断部(信頼度判定手段)33、及び複数の駆動指令部34a〜34dを備えている。
前面衝突予測判断部31aは、前方監視レーダ10から信号を入力し、側面衝突予測判断部31bは、側方監視レーダ11から信号を入力するものである。また、これらは、入力した情報に基づいて、車両の前面又は側面衝突を予測判断するものである。
具体的に、前面衝突予測判断部31aは、前方監視レーダ10から送信される照射波及び反射波の時刻情報に基づき、衝突対象物までの距離を推定するものである。また、前面衝突予測判断部31aは、衝突対象物までの距離を推定すると、その距離を時間微分することにより衝突対象物に対する自車両の相対速度を求めるものである。さらに、前面衝突予測判断部31aは、推定した衝突対象物までの距離、及び求めた衝突対象物との相対速度から演算により、衝突対象物が存する位置に到達するまでの時間を求めるものである。
そして、前面衝突予測判断部31aは、上記の距離、相対速度、及び時間から車両が衝突対象物に前面衝突するか否かを判断するものである。なお、上記の相対速度は時間微分に限らず、ドップラー効果を利用して測定することも可能である。
また、側面衝突予測判断部31bは、前面衝突予測判断部31aと同様に、衝突対象物までの距離、相対速度、及び時間を求めて、車両の側面衝突を予測判断するものである。すなわち、側面衝突予測判断部31bは、衝突を予測する方向が異なっている以外は、前面衝突予測判断部31aと同様である。
また、前面衝突検出判断部32aは、前面衝突用加速度計12から信号を入力し、側面衝突検出判断部32bは、側面衝突用加速度計13から信号を入力するものである。具体的に、前面衝突検出判断部32aは、前面衝突用加速度計12から送られてきた加速度と予め記憶される閾値Th1とを比較して、前面衝突が発生したか否かを判断するものである。また、側面衝突用検出判断部32bは、前面衝突検出判断部32aと同様に、側面衝突用加速度計13からの加速度と予め記憶される閾値Th2とを比較して、側面衝突が発生したか否かを判断するものである。
作動タイミング判断部33は、上記判断部31,32の判断結果に基づいて、各拘束部20〜23の作動タイミングを判断するものである。具体的に作動タイミング判断部33は、各拘束部20〜23を作動させるべきタイミングを判断すると、判断したタイミングを作動タイミングと決定し、各駆動指令部34a〜34dに作動タイミングの情報を送信するものである。
また、各駆動指令部34a〜34dは、各拘束部20〜23を作動させるものである。各駆動指令部34a〜34dは、作動タイミング判断部33から送られてきた作動タイミングの情報に従って、各拘束部20〜23の駆動部に駆動指令を行い、各拘束部20〜23を作動させるものである。
さらに、本実施形態において、上記の作動タイミング判断部33は、各レーダ10,11及び各加速度計12,13における衝突検知又は衝突予測の信頼性を判定する機能を有している。判定の際、作動タイミング判断部33は、VDCユニット40からの運動状態の情報を入力するようになっている。そして、作動タイミング判断部33は、入力した運動情報、即ち車両の動きに基づいて信頼性の判定を行う。具体的に、本実施形態において作動タイミング判断部33は、車両が横滑りしているか否かを判断して上記信頼度を求めるようにしている。
このような車両用乗員保護装置1においては、まず、各レーダ10,11が電波を送受信したときの時刻情報を取得し、各加速度計12,13が車両に加わる加速度の情報を取得する。そして、これらは取得した情報をコントロールユニット30に送信する。
コントロールユニット30内では、まず、前面衝突予測判断部31aが前方監視レーダ10からの時刻情報に基づいて、衝突対象物までの距離、衝突対象物に対する相対速度、及び衝突対象物に到達するまでの時間を求める。そして、前面衝突予測判断部31aは、これら距離、相対速度及び時間に基づいて、前面衝突が発生するか否かを予測判断する。
ここで、前面衝突予測判断部31aによる衝突予測について更に説明する。図6は、前面衝突予測判断部31aによる衝突予測判断の詳細を示す説明図であり、(a)は衝突回避に必要とされる車間距離と相対車速との関係を示すグラフであり、(b)は衝突を回避するのに必要な時間と相対車速との関係を示すグラフである。なお、図6(a)において縦軸は車間距離〔m〕を示し、横軸は相対車速〔km/m〕を示している。また、図6(b)において縦軸は衝突を回避するのに必要な時間〔sec〕を示し、横軸は相対車速〔km/m〕を示している。
まず、車両が前面衝突しようとしている場合、乗員は、急制動により衝突を回避するか、又は急操舵により衝突を回避する。ここで、相対車速が低い場合(例えば40km/h以下の場合)には、急制動による方が急操舵よりも回避に要する車間距離が小さくなる傾向にある。このため、急制動の方が回避しやすく、急制動にて衝突を回避できない場合は、急操舵であっても衝突を回避できないこととなる。従って、図6に示す領域イが衝突を回避できない領域となる。そして、前面衝突予測判断部31aは、現状の状況が領域イに属するものである場合には、前面衝突の発生を予測することとなる。
具体的に、相対車速40km/h以下の場合、急制動にて回避に要する車間距離は、図6(a)の実線で示すように、2次曲線的なものとして表すことができる。そして、前面衝突予測判断部31aは、現在の衝突対象物までの距離が2次曲線的に示される距離を下回る場合に、前面衝突が発生すると予測する。
また、この2次曲線は、衝突を回避するのに必要な時間と相対車速との相関関係に表すと、図6(b)に示すように比例的なものとなる。このため、前面衝突予測判断部31aは、相対車速40km/h以下の場合、相対車速40km/h以下の場合、比例的に示される時間が確保されていないときに、前面衝突の発生を予測することとなる。
一方、相対車速が高い場合(例えば40km/hを超えるの場合)には、急操舵による方が急制動よりも回避に要する車間距離が小さくなる傾向にある。このため、急操舵の方が回避しやすく、急操舵にて回避できない場合には、当然ながら急制動によっても回避できない。従って、上記と同様に、図6に示す領域イが衝突を回避できない領域となる。そして、前面衝突予測判断部31aは、現状の状況が領域イに属するものである場合には、前面衝突の発生を予測することとなる。
具体的に、相対車速40km/hを超える場合、急操舵にて回避に要する車間距離は、図6(a)の実線で示すように、比例的なものとして表すことができる。このため、前面衝突予測判断部31aは、現在の衝突対象物までの距離が比例的に示される距離を下回る場合に、前面衝突が発生すると予測する。
また、この比例直線は、衝突を回避するのに必要な時間と相対車速との相関関係に表すと、図6(b)に示すように一定の値を示すものとなる。このため、前面衝突予測判断部31aは、相対車速40km/hを超える場合、図6(b)にて一定の値として示される時間が確保されていないときに、前面衝突の発生を予測する。すなわち、衝突までの時間が約0.58secを下回る場合、前面衝突予測判断部31は、衝突を予測することとなる。
再度、図5を参照する。前面衝突の判断後、側面衝突予測判断部31bは側方監視レーダ11からの時刻情報に基づいて、衝突対象物までの距離、衝突対象物に対する相対速度、及び衝突対象物に到達するまでの時間を求める。そして、側面衝突予測判断部31aは、これら距離、相対速度及び時間に基づいて、側面衝突が発生するか否かを予測判断する。詳細については、前面衝突予測判断部31aと同様である。
その後、前面衝突検出判断部32aは、前面衝突用加速度計12から加速度情報を入力し、入力した加速度と予め記憶される閾値Th1とを比較して、前面衝突が発生したか否かを判断する。次いで、側面衝突検出判断部32bは、側面衝突用加速度計13から加速度情報を入力し、入力した加速度と予め記憶される閾値Th2とを比較して、側面衝突が発生したか否かを判断する。
その後、これら判断部31,32は、判断結果を作動タイミング判断部33に送信する。これにより、作動タイミング判断部33は、上記判断部31,32からの判断結果を入力することとなる。また、作動タイミング判断部33は、判断結果を入力する一方で、VDCユニット40から運動状態の情報を入力する。そして、作動タイミング判断部33は、車両が横滑りしているか否かを判断する。
ここで、作動タイミング判断部33は、車両の横滑りを判断することによって各レーダ10,11及び各加速度計12,13の信頼度を判断している。以下説明する。
まず、車両が横滑りをしている場合、各レーダ10,11及び各加速度計12,13の検出又は予測の精度は低下する傾向にある。例えば、側方衝突を予測したとしても、横に滑ったことにより衝突対象物が車両の前面に衝突する可能性がある。特に、車両横滑り時に車両がスピンしてしまった場合には、どの方向から衝突対象物が衝突するかの判断が一層困難となる。このように、車両の挙動が不安定となった場合には、予測の精度は低下する。そして、上記の如く予測の精度が低下してしまった場合には、正確な予測が行えない可能性があり、信頼度も低下することとなる。
そして、横滑りしているか否かを基準に信頼度を求めた後、作動タイミング判断部33は、信頼度に基づいて、拘束部20〜23の作動優先度を変更する。ここで、作動優先度とは、拘束部20〜23のうちいずれに重きを置いて作動を行うかを示すものであり、具体的には作動条件や作動順番をいう。また、作動優先度は、作動条件及び作動順番に限らず、例えば作動速度を含むものであってもよいし、これらのうちのいずれか1つであってもよい。
作動優先度を変更した後、作動タイミング判断部33は、上記判断部31,32からの判断結果に基づいて、拘束部20〜23の作動タイミングを決定する。そして、作動タイミング判断部33は、作動タイミングの情報を各駆動指令部34a〜34dに送信し、各駆動指令部34a〜34dは、対応する拘束部20〜23を作動させることとなる。
なお、上記の如く、作動優先度を変更する場合、信頼度が低いときに作動優先度を高めることですべての拘束部20〜23が作動しやすいようにしておくことが望ましい。信頼度が低い場合には、衝突予測の精度が低くなっており、予測ミスの生じる可能性が高まっているからである。すなわち、各拘束部20〜23を作動させやすくしておくと、仮に予測ミスが生じて突然の衝突や予測方向と異なる方向からの衝突があったとしても、確実に乗員保護を行うことができるからである。
次に、本実施形態に係る車両用乗員保護装置1の詳細動作を説明する。図7は、本実施形態に係る車両用乗員保護装置1の動作の一例を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、イグニッションスイッチがオンされて本装置1が起動すると、各レーダ10,11は電波の照射を開始し、各加速度計12,13は加速度の検出を開始する。その後、前面衝突予測判断部31aは、照射波及び反射波について送受信の時刻情報を前方監視レーダ10から入力する(ST10)。次いで、前面衝突予測判断部31aは、時刻情報に基づいて前面衝突の予測判断を行って(ST11)、衝突が発生し得るか否かを判断する。
その後、側面衝突予測判断部31bは、照射波及び反射波について送受信の時刻情報を側方監視レーダ11から入力する(ST12)。次いで、側面衝突予測判断部31bは、時刻情報に基づいて側面衝突の予測判断を行って(ST13)、側面衝突が発生し得るか否かを判断する。
判断後、前面衝突検出判断部32aは、車両前後方向の加速度情報を前面衝突用加速度計12から入力する(ST14)。そして、前面衝突検出判断部32aは、加速度情報により、前面衝突が発生したか否かを判断する(ST15)。次いで、側面衝突検出判断部32bは、車両横方向の加速度情報を側面衝突用加速度計13から入力する(ST16)。そして、側面衝突検出判断部32bは、加速度情報により、側面衝突が発生したか否かを判断する(ST17)。
その後、各衝突予測判断部31a,31b及び各衝突検出判断部32a,32bは、判断結果等の情報を作動タイミング判断部33に出力する。そして、作動タイミング判断部33は、VDCユニット40からの車両の運動状態の情報を入力する(ST18)。次いで、作動タイミング判断部33は、信頼度を判断する(ST19)。この際、第1実施形態の作動タイミング判断部33は、車両が横滑りしているか否かに基づいて、信頼度を判断する。
信頼度の判断後、作動タイミング判断部33は、各拘束部20〜23の作動タイミングを判断すべく、作動タイミング判断処理を実行する(ST20)。この処理により、作動優先度が変更されると共に拘束部20〜23の作動の可否が決定される。そして、各駆動指令部34a〜44dは、作動優先度の変更に応じて、各拘束部20〜23を作動させるべく、駆動指令を行う(ST21)。
指令後、コントロールユニット30は、イグニッションスイッチがオフされたか否かを判断する(ST22)。ここで、イグニッションスイッチがオフされていないと判断した場合(ST22:NO)、処理はステップST10に戻ることとなる。一方、イグニッションスイッチがオフされたと判断した場合(ST22:YES)、処理は終了する。
図8は、図7に示した作動タイミング判断処理(ST20)の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、まず作動タイミング判断部33は、ステップST11及びステップST13において衝突が予測されていたか否かを判断する(ST30)。
ここで、衝突予測判断部31a,31bにより衝突が予測されていた場合(ST30:YES)、作動タイミング判断部33は、ステップST19において車両横滑りが確認されていたか否かを判断する(ST31)。
上記したように、横滑り時には各レーダ10,11の信頼度は低下する。このため、第1実施形態では、横滑りを判断し、横滑りの有無によって各拘束部20〜23の制御処理を変更するようにしている。具体的には、以下のステップST32〜ST38に示すように、可逆拘束部20,21の作動優先度を変更して、これらを制御するようにしている。
まず、ステップST19において車両横滑りが確認されていたと判断した場合(ST31:YES)、作動タイミング判断部33は、前面又は側面衝突の「1.0sec」前であるか否かを判断する(ST32)。前面又は側面衝突の「1.0sec」前に該当しないと判断した場合(ST32:NO)、処理はステップST41に移行する。
一方、前面又は側面衝突の「1.0sec」前であると判断した場合(ST32:YES)、作動タイミング判断部33は、モータ駆動リトラクタ20を作動すべきと判断する(ST33)。そして、その情報をモータ駆動リトラクタ駆動指令部34aに与える。これにより、図7に示したステップST21において駆動指令が行われ、モータ駆動リトラクタ20は作動させられることとなる。
モータ駆動リトラクタ20の作動決定後、作動タイミング判断部33は、アクティブパッド21を作動すべきと判断する(ST34)。そして、その情報をアクティブパッド駆動指令部34cに与える。これにより、図7に示したステップST21において駆動指令が行われ、アクティブパッド21は作動させられることとなる。
アクティブパッド21の作動決定後、処理はステップST41に移行する。ところで、ステップST19において車両横滑りが確認されていなかったと判断した場合(ST31:NO)、作動タイミング判断部33は、前面衝突の「1.0sec」前であるか否かを判断する(ST35)。前面衝突の「1.0sec」前に該当しないと判断した場合(ST35:NO)、処理はステップST37に移行する。
一方、前面衝突の「1.0sec」前に該当すると判断した場合(ST35:YES)、作動タイミング判断部33は、モータ駆動リトラクタ20を作動すべきと判断する(ST36)。そして、その情報をモータ駆動リトラクタ駆動指令部34aに与える。これにより、図7に示したステップST21において駆動指令が行われ、モータ駆動リトラクタ20は作動させられることとなる。
モータ駆動リトラクタ20の作動決定後、コントロールユニット30は、側面衝突の「1.0sec」前であるか否かを判断する(ST37)。側面衝突の「1.0sec」前に該当しないと判断した場合(ST37:NO)、処理はステップST41に移行する。
一方、側面衝突の「1.0sec」前に該当すると判断した場合(ST37:YES)、作動タイミング判断部33は、アクティブパッド21を作動すべきと判断する(ST38)。そして、その情報をアクティブパッド駆動指令部34cに与える。これにより、図7に示したステップST21において駆動指令が行われ、アクティブパッド21は作動させられることとなる。その後、処理はステップST41に移行する。
以上のように、ステップST32〜ST34と、ステップST35〜ST38とでは作動優先度が異なっている。ここで、作動優先度について詳細に説明する。図9は、作動優先度の一例を示す説明図である。なお、図9では、図8に示したステップST31にて「YES」と判断された場合、すなわち横滑りによって信頼度が低くなった場合を信頼度「低」と示している。また、ステップST31にて「NO」と判断された場合、すなわち横滑りが無く信頼度が高い場合を信頼度「高」と示している。
まず、上記したように、作動優先度とは、拘束部20〜23のうちいずれに重きを置いて作動を行うかを示すものであり、本実施形態において作動優先度は作動条件及び作動順番となっている。
まず、図8に示したように、ステップST31にて「YES」と判断された場合、モータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21は、前面又は側面衝突の「1.0sec」前であるときに作動するようになっている。すなわち、ステップST31にて「YES」と判断された場合、モータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21は前面又は側面衝突の「1.0sec」前であることが作動条件となっている。なお、アクティブパッド21の作動条件は、図8に示すフローチャートでは、前面又は側面衝突の「1.0sec」前であること、及びモータ駆動リトラクタ20が作動したことである。しかし、前面又は側面衝突の「1.0sec」前である場合には、モータ駆動リトラクタ20の作動という条件は必然的に満たされる。このことから、アクティブパッド21の作動条件は、前面又は側面衝突の「1.0sec」前であることとなる。
一方、ステップST31にて「NO」と判断された場合、前面衝突の「1.0sec」前であるときにモータ駆動リトラクタ20が作動し、側面衝突の「1.0sec」前であるときにアクティブパッド21が作動するようになっている。すなわち、ステップST31にて「NO」と判断された場合、モータ駆動リトラクタ20については前面衝突の「1.0sec」前が作動条件であり、アクティブパッド21については側面衝突の「1.0sec」前が作動条件となっている。
このように、信頼度に応じて作動優先度の1つである作動条件が異なっている。ここで、作動優先度は、作動条件に制約がない方が高いと言える。従って、信頼度が「低」の場合には、制約が少なく作動優先度が高められている。一例を挙げると、信頼度「低」の場合、モータ駆動リトラクタ20は前面又は側面衝突の「1.0sec」前であることを条件として作動する。一方、信頼度「高」の場合、モータ駆動リトラクタ20は前面衝突の「1.0sec」前でなければ作動しない。このため、信頼度「低」の場合、モータ駆動リトラクタ20は側面衝突の「1.0sec」前であっても作動する分、制約が少なくなっている。故に、作動優先度は高められていると言える。また、アクティブパッド21についても同様である。
さらに、ステップST31にて「YES」と判断された場合、まずモータ駆動リトラクタ20が作動する。そして、アクティブパッド21が、モータ駆動リトラクタ20の作動を契機として作動を開始している。このため、ステップST31にて「YES」と判断された場合、作動順番は、モータ駆動リトラクタ20が「1」番目であり、アクティブパッド21が「1」番目という位置づけになっている。ここで、図8に示すフローチャートにおいては、モータ駆動リトラクタ20が「1」番目に作動し、その後アクティブパッド21が「2」番目に作動するようになっている。ところが、アクティブパッド21はモータ駆動リトラクタ20の作動を契機として作動を開始することから、両者の作動開始の差は殆どない。このため、モータ駆動リトラクタ20とアクティブパッド21とはほぼ同時に作動することとなり、作動順番は双方が「1」番目という位置づけになる。
一方、ステップST31にて「NO」と判断された場合、どちらが先に作動するかは、そのときどきの状況による。このため、ステップST31にて「NO」と判断された場合、作動順番は、モータ駆動リトラクタ20が「1又は2」番目であり、アクティブパッド21についても「1又は2」番目という位置づけになっている。
このように、信頼度に応じて作動優先度の1つである作動順番についても異なっている。ここで、作動優先度は、作動順番の早い方が重きを置いて作動させられていると言える。このため、作動順番が早いものは作動優先度が高いと言える。なお、本実施形態では、信頼度が「低」の場合、作動順番について言えば、モータ駆動リトラクタ20とアクティブパッド21との作動優先度は同じである。また、信頼度が「高」の場合にも同様に作動順番について言えば、モータ駆動リトラクタ20とアクティブパッド21との作動優先度は同じである。
しかし、信頼度「低」と「高」との場合とで比較すると、信頼度「低」の場合は、作動順番が「1」番目とされており、「2」番目となることがない。従って、作動順番についていえば、作動優先度は、信頼度「低」の方が「高」のときよりも高められていることとなる。
以上をまとめると、作動優先度は、信頼度「低」のときに高められている。一方、信頼度「高」のときには、モータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21は、共に作動優先度が低くなっている。
このように、上記の図9から、作動優先度は衝突予測の信頼度に応じて変更されていることがわかる。そして、信頼度が低い場合には、作動優先度を高めて仮に予測ミスが生じて突然の衝突などがあったとしても、乗員を適格に保護するようにしている。
再度、図8を参照して説明する。ステップST11及びステップST13において衝突が予測されていなかったと判断した場合(ST30:NO)、作動タイミング判断部33は、モータ駆動リトラクタ20やアクティブパッド21の作動を解除する(ST39,ST40)。すなわち、上記のステップST32〜ST38にて、モータ駆動リトラクタ20やアクティブパッド21の作動が開始していた場合にはこれらの作動を停止し、作動していない場合には単に処理を先に進めることとなる。そして、処理はステップST41に移行する。
ステップST41において、作動タイミング判断部33は、ステップST15において前面衝突が検知されていたか否かを判断する(ST41)。ステップST15において前面衝突が検知されていなかったと判断した場合(ST41:NO)、図8に示す処理は終了し、上記した図7のステップST21の処理に戻ることとなる。一方、ステップST15において前面衝突が検知されていたと判断した場合(ST41:YES)、作動タイミング判断部33は、エアバッグ22を作動させるべき旨の情報を、エアバッグ駆動指令部34bに与える(ST42)。これにより、図7に示したステップST21において駆動指令が行われ、エアバッグ22は作動することとなる。そして、処理は図7に示したST21に移行する。
次いで、作動タイミング判断部33は、ステップST17において側面衝突が検知されていたか否かを判断する(ST43)。ステップST17において側面衝突が検知されていなかったと判断した場合(ST43:NO)、図8に示す処理は終了し、上記した図7のステップST21の処理に戻ることとなる。
一方、ステップST17において側面衝突が検知されていたと判断した場合(ST43:YES)、作動タイミング判断部33は、サイドエアバッグ23を作動させるべき旨の情報を、サイドエアバッグ駆動指令部34dに与える(ST42)。これにより、図7に示したステップST21において駆動指令が行われ、サイドエアバッグ23は作動することとなる。
以上のように、衝突予測の信頼度に応じて可逆拘束部20,21の作動優先度が変更されている。なお、図8に示すフローチャートでは、拘束部20〜23のうちモータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21について作動優先度を変更しているが、これに限るものではない。すなわち、エアバッグ22及びサイドエアバッグ23についても同様に作動優先度を変更するようにしてもよい。
次に、各拘束部20〜23の駆動部における処理を説明する。図10は、各拘束部20〜23の詳細動作の一例を示すフローチャートである。なお、図10においては、モータ駆動リトラクタ20の駆動部を例に説明するが、他の拘束部21〜23についても同様である。
同図に示すように、モータ駆動リトラクタ20の駆動部は作動信号がオンか否かを判断する(ST50)。ここで、駆動部は、モータ駆動リトラクタ駆動指令部34aから駆動指令があったか否かを判断し、駆動指令があった場合には作動信号オンと判断し、なかった場合には駆動信号オフと判断する。なお、駆動部は、駆動指令の他に、モータ駆動リトラクタ駆動指令部34aから解除指令があったか否かを判断する。そして、解除指令があった場合には、過去に駆動指令があったとしても作動信号がオフであると判断する。
ここで、作動信号がオンでないと判断した場合(ST50:NO)、駆動部はカウンタの値を「0」とする(ST51)。そして、処理はステップST50に戻る。すなわち、駆動部は、作動信号がオンでないと判断する限り、カウンタの値を「0」で維持し続けることとなる。
一方、作動信号がオンであると判断した場合(ST50:NO)、駆動部はカウンタの値が予め定めた閾値Th3よりも小さいか否かを判断する(ST52)。カウンタの値が予め定めた閾値Th3よりも小さいと判断した場合(ST52:YES)、駆動部はモータ駆動リトラクタ20の作動を開始させる(ST53)。また、既に作動している場合、駆動部はモータ駆動リトラクタ20の作動を継続することとなる。
そして、駆動部はカウンタの値をインクリメントし(ST54)、処理はステップST50に戻る。その後、上記の処理を繰り返し、カウンタの値が予め定めた閾値Th3以上となったとする。この場合、駆動部は、カウンタの値が予め定めた閾値Th3よりも小さいものでないと判断し(ST52:NO)、モータ駆動リトラクタ20の作動を停止させる(ST55)。そして、処理はステップST50に戻ることとなる。
以上のようにして、モータ駆動リトラクタ20は動作し、乗員を拘束保護することとなる。なお、上記したように、他の拘束部21〜23も同様に動作し、乗員を拘束保護する。
次に、図8に示したフローチャート、及び図9に示した作動条件について補足設定する。図11及び図12は、各拘束部20〜23の作動開始時を示す説明図であり、図11が前面衝突を示し、図12が側面衝突を示している。
まず、前面衝突が予測され且つ前面衝突の「1.0sec」前であると判断されると、図11に示すように、モータ駆動リトラクタ20が作動する。そして、衝突検知時にエアバッグ22が作動する。ところが、車両が横滑りしたとすると、前面衝突を予測したとしても、実際に車両は側面衝突する可能性がある。このため、図8では、ステップST32〜ST34に示すように、作動優先度を変更し、前面又は側面の衝突予測に応じてモータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21を作動させるようにしている。そして、図11に示すモータ駆動リトラクタ20の作動とほぼ同時に、アクティブパッド21が作動させるようにしている。一方、横滑りしていない場合には、衝突予測の信頼度は高いため、図8のステップST35,36に示すように、前面衝突の予測に応じてモータ駆動リトラクタ20が作動することとなる。
また、側面衝突についても同様である。側面衝突が予測され且つ側面衝突の「1.0sec」前であると判断されると、図12に示すように、アクティブパッド21が作動する。そして、衝突検知時にサイドエアバッグ23が作動する。ところが、車両が横滑りによりスピンしたとすると、側面衝突を予測したとしても実際には前面で衝突する可能性がある。このため、図11に示すアクティブパッド21の作動とほぼ同時に、モータ駆動リトラクタ20が作動することとなる。一方、横滑りしていない場合には、衝突予測の信頼度は高いため、図8のステップST37,38に示すように、側面衝突の予測に応じてアクティブパッド21が作動することとなる。
以上のように、衝突予測の信頼度によって、作動優先度を変更するようにすることで、理想的な拘束部20〜23の作動が可能とされている。なお、上記では衝突予測の信頼度によって作動優先度を変更するようにしていたが、これに限らず、衝突検知の信頼度によって、作動優先度を変更するようにしてもよい。
このようにして、本実施形態に係る車両用乗員保護装置1によれば、衝突検知又は衝突予測の信頼度を判定している。このため、衝突が予測又は検知されたものの、その予測又は検知の精度が高いものであるか又は低いものであるかを判定することができる。
また、本実施形態では、判定した信頼度に基づいて可逆拘束部20,21と非可逆拘束部22,23との少なくとも一方の作動優先度を変更して、可逆拘束部20,21と非可逆拘束部22,23との作動を制御している。このため、衝突の予測又は検知の精度に応じて作動優先度を変更し、拘束手段の作動を好適なものとすることが可能となる。
例えば、衝突の予測又は検知の精度が低く、前面衝突であるか又は側面衝突であるかが疑わしい場合には、作動優先度を変更してすべての拘束部20〜23が作動しやすいようにする。そして、前面衝突又は側面衝突のいずれであってもすべての拘束手段を作動させることにより、あらゆる方向の衝突から乗員を保護するようにすることができる。
従って、信頼度に応じて可逆拘束部20,21と非可逆拘束部22,23との少なくとも一方の作動を変えることにより、好適な作動を行うことができる。
また、作動タイミング判断部33は、車両の動きから信頼度を判定する。通常、車両の挙動が不安定となると、車両の衝突予測や検知が困難となる。このため、信頼度の判定基準を車両の動きとすることで、好適に信頼度を求めることが可能となる。そして、好適な信頼度に基づいて乗員拘束を行うことにより、乗員保護性能の向上を図ることができる。
また、作動タイミング判断部33は、車両の動きとして、車両が横滑りしているか否かに基づいて信頼度を判定する。例えば、車両は横滑りした場合、スピンしてしまう可能性がある。そして、スピンした場合には、車両衝突方向の予測がより困難となってしまう。このため、横滑りを判断することにより、例えば車両のスピン状態に備えて、全衝突方向について乗員を拘束保護するように、全拘束部20〜23を作動させることが可能となる。従って、乗員保護性能の向上を図ることができる。
なお、第1実施形態では、可逆拘束部20,21としてモータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21を示したが、特にこれらに限られるものではない。例えば、電動シートのシートスライド、シートクッション角度、シートバック角度、電動テレスコピックステアリング、パワーウィンドゥ、及びサンルーフなどであってもよい。
また、これらの他に、例えば以下のものであってもよい。図13及び図14は、可逆拘束部の一例を示す説明図である。例えば、可逆拘束部としては、図13に示すニーボルスタ24や図14に示すアクティブヘッドレスト25であってもよい。これらは、アクティブパッド21と同様に、モータ等の動作により作動するものである。そして、モータ等が作動することにより、図13及び図14に示すように、乗員の膝部や頭部を拘束保護するものである。このため、コントロールユニット30は、これらを作動させて、乗員を拘束保護するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、衝突予測の信頼度により可逆拘束部20,21について作動優先度を変更しているが、これに限るものではない。すなわち、衝突検知の信頼度によって非可逆拘束部22,23について作動優先度を変更するようにしてもよい。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る車両用乗員保護装置2は、第1実施形態のものと同様であるが、新たに、後方監視レーダ及びアクティブヘッドレストを備える点で、第1実施形態と異なっている。また、コントロールユニット30の処理内容が第1実施形態のものと一部異なっている。
以下、第1実施形態との相違点について説明する。図15は、第2実施形態に係る車両用乗員保護装置2の構成図である。同図に示すように、車両後方には、後方監視レーダ(検知手段)14が設置されている。後方監視レーダ14は、前方監視レーダ等と同様であって、車両後方に電波を照射することにより、後方衝突を予測するためのものである。
また、ヘッドレストは、動作可能なアクティブヘッドレスト(可逆拘束手段)25として構成されている。このアクティブヘッドレスト25は、図14を参照して説明したものと同様であって、作動することにより乗員頭部を拘束保護するようになっている。
図16は、図15に示したコントロールユニット30の機能ブロック図である。同図に示すように、コントロールユニット30は、新たに、後面衝突予測判断部31c、及びアクティブヘッドレスト駆動指令部34eを備えている。
後面衝突予測判断部31cは、後方監視レーダ14から信号を入力して後面衝突を予測判断するものである。このため、作動タイミング判断部33は、新たに後面衝突予測判断部31cからの判断結果を入力して、アクティブヘッドレスト25の作動タイミングを判断するようになっている。また、アクティブヘッドレスト駆動指令部34eは、アクティブヘッドレスト25の駆動部に駆動指令を行って、アクティブヘッドレスト25を作動させるものである。
図17は、第2実施形態に係る車両用乗員保護装置2の動作の一例を示すフローチャートである。なお、同図に示すステップST60〜ST63,ST66〜ST74は、図7に示すステップST10〜ST22と同様であるため、説明を省略する。
同図に示すように、本実施形態に係る車両用乗員保護装置2は、後方監視レーダ14からの信号に基づく処理を行っている。すなわち、前面及び側面の衝突予測を行った後(ステップST60〜ST63の後)、後面衝突予測判断部31cは、後方監視レーダ14から情報を入力し(ST64)、後面衝突の予測判断を行う(ST65)。その後、図7に示したステップST14〜ST22と同様の処理を行っていく。
また、車両後面について衝突の予測をしているため、図17のステップST72に示す作動タイミング判断処理は、以下のようになる。図18は、図17に示した作動タイミング判断処理(ST72)の詳細を示すフローチャートである。
同図に示す作動タイミング判断処理(ST72)は、図8に示した処理に、後面衝突に関する処理が追加されている。以下、具体的に説明する。まず、作動タイミング判断部33は、ステップST61,ST63,ST65において衝突予測されていたか否かを判断する(ST80)。ここで、各衝突予測判断部31a〜31cにより衝突が予測されていた場合(ST80:YES)、作動タイミング判断部33は、ステップST71において車両横滑りが確認されていたか否かを判断する(ST81)。
そして、ステップST71において車両横滑りが確認されていたと判断した場合(ST81:YES)、作動タイミング判断部33は、前面、側面又は後面衝突のいずれかの「1.0sec」前であるか否かを判断する(ST82)。これらすべての「1.0sec」前に該当しないと判断した場合(ST82:NO)、処理はステップST95に移行する。
一方、いずれかの「1.0sec」前であると判断した場合(ST82:YES)、作動タイミング判断部33は、モータ駆動リトラクタ20、アクティブパッド21及びアクティブヘッドレスト25を作動すべきと判断する(ST83,ST84,ST85)。その後、作動タイミング判断部33は、その情報を各駆動指令部34a,34c,34eに与える。これにより、モータ駆動リトラクタ20、アクティブパッド21及びアクティブヘッドレスト25は、図17のステップST73において作動させられることとなる。そして、処理はステップST95に移行する。
ところで、ステップST71において車両横滑りが確認されていなかったと判断した場合(ST81:NO)、作動タイミング判断部33は、前面衝突の「1.0sec」前であるか否かを判断する(ST86)。その後、ステップST86〜ST89において、図8に示したステップST35〜ST38と同様の処理を行う。すなわち、前面衝突の「1.0sec」前であると予測される場合(ST86:YES)、モータ駆動リトラクタ20を作動させると判断する(ST87)。また、側面衝突の「1.0sec」前と予測される場合(ST88:YES)、アクティブパッド21を作動させると判断する(ST89)。
次いで、作動タイミング判断部33は、後面衝突の「1.0sec」前であるか否かを判断する(ST90)。後面衝突の「1.0sec」前に該当しないと判断した場合(ST90:NO)、処理はステップST95に移行する。一方、後面衝突の「1.0sec」前に該当すると判断した場合(ST90:YES)、作動タイミング判断部33は、アクティブヘッドレスト25を作動すべきと判断する(ST91)。そして、アクティブヘッドレスト25は、図17に示したステップST73において作動させられることとなる。その後、処理はステップST95に移行することとなる。
以上のように、第1実施形態と同様に、ステップST83〜ST85とステップST86〜ST91とでは作動優先度が異なっている。すなわち、第1実施形態と同様に、作動優先度である作動条件及び作動順番が変更されている。
ところで、ステップST61,ST63,ST65において衝突予測されていなかったと判断した場合(ST80:NO)、作動タイミング判断部33は、モータ駆動リトラクタ20、アクティブパッド21及びアクティブヘッドレスト25の作動を解除する(ST92,ST93,ST94)。なお、ステップST95〜ST98の処理は、図8に示したST41〜ST44と同様である。
以上のように、衝突予測の信頼度に応じて可逆拘束部20,21,25の作動優先度が変更されている。このため、信頼度が低い場合には、作動優先度を高めて仮に予測ミスが生じて突然の衝突などがあったとしても、乗員を適格に保護するようにしている。特に、本実施形態では、第1実施形態と同様に横滑りにより衝突方向が不明となり得る場合であっても、衝突に備えて可逆拘束部20,21,25のすべてを作動させるので、好適に乗員を拘束保護できるようになっている。また、本実施形態では、アクティブヘッドレスト25を作動させるので、後面衝突に備えて好適に乗員を拘束保護することができる。
このようにして、本実施形態に係る車両用乗員保護装置2によれば、第1実施形態と同様に、好適な作動を行うことができ、乗員保護性能の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、アクティブヘッドレスト25を作動させるので、後面衝突が予測された場合などには、後面衝突に備えて好適に乗員を拘束保護することができる。
なお、第2実施形態についても、第1実施形態と同様に、例えば、電動シートのシートスライド、シートクッション角度、シートバック角度、電動テレスコピックステアリング、パワーウィンドゥ、及びサンルーフなどを用いるようにしてもよい。また、図13に示すニーボルスタ24を用いるようにしてもよい。
また、第2実施形態では、衝突予測の信頼度により可逆拘束部20,21について作動優先度を変更しているが、これに限るものではない。すなわち、衝突検知の信頼度によって非可逆拘束部22,23について作動優先度を変更するようにしてもよい。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る車両用乗員保護装置3は、第2実施形態のものと同様であるが、コントロールユニット30の処理内容が、第2実施形態のものと一部異なっている。
図19は、本実施形態に係る車両用乗員保護装置3の作動タイミング判断処理(ST72)の詳細を示すフローチャートである。同図に示す作動タイミング判断処理は、図18に示した処理からステップST82の処理が除かれている。すなわち、車両横滑りが確認されていた場合に、衝突の「1.0sec」前であるか否か判断することなく、可逆拘束部20,21,25を作動させるようにしている。また、作動に際しては、各可逆拘束部20,21,25をほぼ同時に作動させるのではなく、1つずつ順番に作動させるようにしている。
以下、具体的に説明する。図19に示すステップST100,ST101の処理は、図18に示したST80,ST81と同様である。まず、車両横滑りが確認されていたと判断した場合(ST101:YES)、作動タイミング判断部33は、モータ駆動リトラクタ20を作動すべきと判断する(ST102)。すなわち、作動タイミング判断部33は、前面、側面又は後面衝突のいずれかの「1.0sec」前であるか否かの判断を行うことなく、モータ駆動リトラクタ20を作動すべきと判断する。
その後、コントロールユニット30は、モータ駆動リトラクタ20の作動が終了したか否かを判断する(ST103)。モータ駆動リトラクタ20の作動が終了していないと判断した場合(ST103:NO)、コントロールユニット30は終了したと判断するまでこの処理を繰り返すこととなる。
一方、モータ駆動リトラクタ20の作動が終了したと判断した場合(ST103:YES)、作動タイミング判断部33は、アクティブパッド21を作動すべきと判断する(ST104)。すなわち、本実施形態では、モータ駆動リトラクタ20の作動が終了してから、アクティブパッド21が作動することとなる。
その後、コントロールユニット30は、アクティブパッド21の作動が終了したか否かを判断し(ST105)、終了していないと判断した場合には(ST105:NO)、終了したと判断するまでこの処理を繰り返すこととなる。一方、終了したと判断した場合(ST105:YES)、作動タイミング判断部33は、アクティブヘッドレスト25
を作動すべきと判断する(ST106)。そして、処理はステップST116に移行する。
ところで、車両横滑りが確認されていなかったと判断した場合(ST101:NO)、図18に示したST86〜ST91と同様に、ステップST107〜ST112の処理が行われる。すなわち、作動タイミング判断部33は、ステップST107、ST109,ST111において、それぞれ前面、側面及び後面の衝突の「1.0sec」前であるか判断する。そして、「1.0sec」前に該当する場合には、対応する可逆拘束部20,21,25を作動させることとなる(ST108,ST110,ST112)。そして、処理はステップST116に移行する。
また、車両の衝突が予測されていなかったと判断した場合(ST100:NO)、ステップST113〜ST115において図18に示したステップST92〜ST94と同様の処理が行われる。また、ST116〜ST119においても図18に示したST95〜ST98と同様の処理が行われる。
以上のように、ステップST102〜ST106と、ステップST107〜ST112とでは作動優先度が異なっている。ここで、本実施形態の作動優先度について詳細に説明する。図20は、第3実施形態に係る作動優先度の一例を示す説明図である。なお、図20では、図19に示したステップST101にて「YES」と判断された場合、すなわち横滑りによって信頼度が低くなった場合を信頼度「低」と示している。また、ステップST101にて「NO」と判断された場合、すなわち横滑りが無く信頼度が高い場合を信頼度「高」と示している。
まず、図19に示したように、車両の横滑りが確認された場合、モータ駆動リトラクタ20、アクティブパッド21及びアクティブヘッドレスト25が作動する。この作動の際、各可逆拘束部20,21,25は、何ら条件が付加されることなく、順次作動していく。このため、モータ駆動リトラクタ20、アクティブパッド21アクティブヘッドレスト25の作動条件は「なし」となる。なお、アクティブパッド21は、図19に示すフローチャートにおいてモータ駆動リトラクタ20が作動を終えないと、作動を開始しないようになっている。しかし、モータ駆動リトラクタ20は永久に作動し続けるわけでなく、一定時間作動後、作動を終了することから、作動終了という条件は必然的に満たされる。このため、アクティブパッド21の作動条件は「なし」となる。また、アクティブヘッドレスト25についても同様である。
一方、横滑りが確認されていなかった場合、第2実施形態と同様に、前面衝突の「1.0sec」前、側面衝突の「1.0sec」前及び後面衝突の「1.0sec」前か否かが判断されて、各可逆拘束部20,21,25が作動するようになっている。このため、モータ駆動リトラクタ20については前面衝突の「1.0sec」前が作動条件であり、アクティブパッド21については側面衝突の「1.0sec」前が作動条件となっている。
また、アクティブヘッドレスト25については後面衝突の「1.0sec」前が作動条件となっている。
このように、第3実施形態においても上記の実施形態と同様に、信頼度に応じて作動優先度の1つである作動条件が異なっている。つまり、信頼度「低」の場合には、各可逆拘束部20,21,25のそれぞれについて、作動の制約が少なく、作動優先度は高められている。
さらに、横滑りが確認されていた場合、各可逆拘束部20,21,25は、順次作動していく。すなわち、各可逆拘束部20,21,25は、1つずつ順番に作動するようになっている。このため、作動順番は、モータ駆動リトラクタ20が「1」番目であり、アクティブパッド21が「2」番目という位置づけになっている。また、アクティブヘッドレスト25は「3」番目という位置づけになっている。
一方、横滑りが確認されていなかった場合、上記の実施形態と同様に、いずれが先に作動するかは、そのときどきの状況による。このため、作動順番は、モータ駆動リトラクタ20、アクティブパッド21及びアクティブヘッドレスト25について「1〜3」番目という位置づけになっている。
このように、信頼度に応じて作動優先度の1つである作動順番についても異なっている。ここで、作動優先度は作動順番の早い方が高いため、信頼度が「低」の場合には、モータ駆動リトラクタ20、アクティブパッド21及びアクティブヘッドレスト25の順で作動優先度が高められている。一方、信頼度が「高」の場合には、各可逆拘束部20,21,25のそれぞれは、作動優先度が同じである。
また、信頼度「低」と「高」との場合とで比較すると、信頼度「低」の場合は、モータ駆動リトラクタ20、アクティブパッド21及びアクティブヘッドレスト25の順に作動順番が「1」「2」「3」番目とされている。一方、信頼度「高」の場合は、作動順番が「1〜3」番目となっている。しかし、信頼度「高」の場合において、実際の作動を想定すると、いずれかが「1」番目に作動し、いずれかが「2」「3」番目に作動する。従って、作動順番についていえば、作動優先度は、信頼度「低」と「高」とで同じである。ところが、作動条件により作動優先度が高められているため、作動順番が同じであっても、全体として作動優先度は高められていることとなる。
以上のように、衝突予測の信頼度に応じて可逆拘束部20,21,25の作動優先度が変更されている。このため、信頼度が低い場合には、作動優先度を高めて仮に予測ミスが生じて突然の衝突などがあったとしても、乗員を適格に保護するようにしている。特に、本実施形態では、車両の横滑りが確認された場合に、各可逆拘束部20,21,25それぞれを、ほぼ同時に作動させることなく、順次作動させるようにしている。このため、作動時のピーク消費電力を低くすることができる。さらに、本実施形態では、各可逆拘束部20,21,25を順次作動させるようにしつつ、これらの順番を乗員保護効果が高いものから順番に作動させるようにしている。このため、ピーク消費電力を抑えつつ、好適に乗員保護を行うようにしている。
このようにして、本実施形態に係る車両用乗員保護装置3によれば、第2実施形態と同様に、好適な作動を行うことができ、乗員保護性能の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、車両の横滑りが確認された場合に、各可逆拘束部20,21,25それぞれを、ほぼ同時に作動させることなく、各々の作動タイミングをずらして作動させるようにしている。このため、作動時のピーク消費電力を低くすることができる。
また、各可逆拘束部20,21,25をずらして作動させるようにしつつ、これらの順番を乗員保護効果が高いものから順番に作動させるようにしている。すなわち、通常、前面衝突の発生頻度が側面又は後面衝突の発生頻度よりも高いため、モータ駆動リトラクタ20を最初に作動させるようにする。このようにすることで、ピーク消費電力を抑えつつ、好適に乗員保護を行うことができる。
なお、第3実施形態についても、第1実施形態と同様に、例えば、電動シートのシートスライド、シートクッション角度、シートバック角度、電動テレスコピックステアリング、パワーウィンドゥ、及びサンルーフなどを用いるようにしてもよい。また、図13に示すニーボルスタ24を用いるようにしてもよい。
また、第3実施形態では、衝突予測の信頼度により可逆拘束部20,21について作動優先度を変更しているが、これに限るものではない。すなわち、衝突検知の信頼度によって非可逆拘束部22,23について作動優先度を変更するようにしてもよい。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態に係る車両用乗員保護装置4は、第2実施形態のものと同様であるが、コントロールユニット30の処理内容が、第2実施形態のものと一部異なっている。
図21は、本実施形態に係る車両用乗員保護装置4の作動タイミング判断処理(ST72)の詳細を示すフローチャートである。同図に示す作動タイミング判断処理は、図18に示した処理に、車速に関する条件が追加されている。すなわち、車両横滑りが確認されていた場合に、自車両の車速を判断して、各可逆拘束部20,21,25を作動させるようにしている。
以下、具体的に説明する。図21に示すステップST120,ST121の処理は、図18に示したST80,ST81と同様である。まず、車両横滑りが確認されていたと判断した場合(ST121:YES)、作動タイミング判断部33は、自車両の車速が「10km」以上であるか否かを判断する(ST122)。ここで、車速は、車速センサ(図示せず)から信号により求めるようにしてもよいし、VDCユニット40からの信号によって求めるようにしてもよい。
そして、車速が「10km」以上でないと判断した場合(ST122:NO)、処理はステップST137に移行する。一方、車速が「10km」以上であると判断した場合(ST122:YES)、アクティブヘッドレスト25を作動すべきと判断する(ST123)。
その後、作動タイミング判断部33は、自車両の車速が「20km」以上であるか否かを判断する(ST124)。そして、車速が「20km」以上でないと判断した場合(ST124:NO)、処理はステップST137に移行する。一方、車速が「20km」以上であると判断した場合(ST124:YES)、モータ駆動リトラクタ20を作動すべきと判断する(ST125)。
次いで、作動タイミング判断部33は、自車両の車速が「30km」以上であるか否かを判断する(ST126)。そして、車速が「30km」以上でないと判断した場合(ST126:NO)、処理はステップST137に移行する。一方、車速が「30km」以上であると判断した場合(ST126:YES)、アクティブパッド21を作動すべきと判断する(ST127)。その後、処理はステップST137に移行する。
ところで、車両横滑りが確認されていなかったと判断した場合(ST121:NO)、図18に示したST86〜ST91と同様に、ステップST128〜ST133の処理が行われる。すなわち、作動タイミング判断部33は、前面衝突の「1.0sec」前、側面衝突の「1.0sec」前及び後面衝突の「1.0sec」前であるか判断し、「1.0sec」前である場合には、対応する可逆拘束部20,21,25を作動させることとなる。そして、処理はステップST137に移行する。
また、車両の衝突が予測されていなかったと判断した場合(ST120:NO)、ステップST134〜ST136において図18に示したステップST92〜ST94と同様の処理が行われる。また、ST137〜ST140においても図18に示したST95〜ST98と同様の処理が行われる。
以上のように、ステップST122〜ST127と、ステップST128〜ST133とでは作動優先度が異なっている。ここで、本実施形態の作動優先度について詳細に説明する。図22は、第4実施形態に係る作動優先度の一例を示す説明図である。なお、図22では、横滑りによって信頼度が低くなった場合を信頼度「低」と示し、横滑りが無く信頼度が高い場合を信頼度「高」と示している。
まず、図21に示したように、車両の横滑りが確認された場合、車速が判断され、車速が「10km」以上、「20km」以上、「30km」以上であるかに基づいて、各可逆拘束部20,21,25のそれぞれが作動するようになっている。具体的に、モータ駆動リトラクタ20の作動条件は車速が「20km」以上であり、アクティブパッド21の作動条件は車速が「30km」以上である。また、アクティブヘッドレスト25の作動条件は車速が「10km」以上である。
一方、横滑りが確認されていなかった場合、第2実施形態と同様に、前面衝突の「1.0sec」前、側面衝突の「1.0sec」前及び後面衝突の「1.0sec」前か否かが判断されて、各可逆拘束部20,21,25が作動するようになっている。具体的に、モータ駆動リトラクタ20については前面衝突の「1.0sec」前が作動条件であり、アクティブパッド21については側面衝突の「1.0sec」前が作動条件となっている。
また、アクティブヘッドレスト25については後面衝突の「1.0sec」前が作動条件となっている。
このように、第4実施形態においても上記の実施形態と同様に、信頼度に応じて作動優先度の1つである作動条件が異なっている。本実施形態では、原則として信頼度が低い場合に作動条件による制約を少なくして作動優先度を高めるようにしている。そして、作動優先度を高めることで、すべての可逆拘束部20,21,25を作動させるようにしている。
また、信頼度が低い場合に作動優先度を高めつつも、衝突時におけるリスクに応じて作動条件を調節している。すなわち、車速が「30km」以上である場合には、衝突時におけるリスクが高いことから、すべての可逆拘束部20,21,25を作動させるようにしている。また、車速が「20km」以上「30km」未満である場合には、リスクが中程度であるため、最も乗員保護効果が高いモータ駆動リトラクタ20を作動させることで、アクティブパッド21の作動を不要としている。
また、車速が「10km」以上「20km」未満である場合には、リスクが低いため、モータ駆動リトラクタ20の作動すら不要となる。ところが、乗員は運転時に首に力を入れておらず、乗員身体のうちで最も不安定な箇所であることから、アクティブヘッドレスト25については補助的に作動させるようにしている。さらに、車速が「10km」未満である場合には、リスクが殆どなく、すべての可逆拘束部20,21,25の作動を不要としている。
このように、作動優先度を高めてすべての可逆拘束部20,21,25を作動させるようにしつつも、乗員のリスクを考慮して作動条件を調節している。故に、信頼度「低」の場合は「高」の場合と比較して、作動優先度が高められつつも、リスクに応じて好適な作動が行われるようになっている。
一方、作動順番は以下のようになっている。車両の横滑りが確認されていた場合、車速による制限があるものの、車速が「30km」以上である場合には、すべての可逆拘束部20,21,25は、作動開始の時刻差が殆どない状態で作動する。このため、これらの作動順番はそれぞれ「1」番目という位置づけになっている。
一方、横滑りが確認されなかった場合、上記の実施形態と同様に、いずれが先に作動するかは、そのときどきの状況による。このため、作動順番は、モータ駆動リトラクタ20、アクティブパッド21及びアクティブヘッドレスト25について「1〜3」番目という位置づけになっている。
このように、信頼度に応じて作動優先度の1つである作動順番についても異なっている。ここで、信頼度「低」と「高」との場合とで比較すると、信頼度「低」の場合は、各可逆拘束部20,21,25の作動順番が「1」番目とされており、「2又は3」番目となることがない。従って、作動順番について言えば、作動優先度は、信頼度「低」の方が「高」のときよりも高められていることとなる。
以上のように、衝突予測の信頼度に応じて可逆拘束部20,21,25の作動優先度が変更されている。そして、信頼度が低い場合には、作動優先度を高めてすべて可逆拘束部20,21,25を作動させるようにしており、仮に予測ミスが生じて突然の衝突などがあったとしても、乗員を適格に保護するようにしている。また、本実施形態では、リスクに応じて、各可逆拘束部20,21,25それぞれを作動させるようにしている。このため、リスクが低く作動させる必要がないものについては、作動を行わないようにしている。そして、作動を行わないことにより、不要な電力の消費を抑えることができるようになっている。
このようにして、本実施形態に係る車両用乗員保護装置4によれば、第2実施形態と同様に、好適な作動を行うことができ、乗員保護性能の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、車速に応じて、各可逆拘束部20,21,25それぞれを作動させるようにしている。このため、例えば、リスクが低いため、各可逆拘束部20,21,25のうち作動の必要性がないものについて、作動を行わないようにすることができる。従って、不要な作動を減じることで、電力の消費を抑えることができる。
なお、第4実施形態についても、第1実施形態と同様に、例えば、電動シートのシートスライド、シートクッション角度、シートバック角度、電動テレスコピックステアリング、パワーウィンドゥ、及びサンルーフなどを用いるようにしてもよい。また、図13に示すニーボルスタ24を用いるようにしてもよい。
また、第4実施形態では、衝突予測の信頼度により可逆拘束部20,21について作動優先度を変更しているが、これに限るものではない。すなわち、衝突検知の信頼度によって非可逆拘束部22,23について作動優先度を変更するようにしてもよい。
次に、本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態に係る車両用乗員保護装置5は、第1実施形態のものと同様であるが、コントロールユニット30の処理内容が、第1実施形態のものと一部異なっている。
図23は、本実施形態に係る車両用乗員保護装置5の作動タイミング判断処理(ST20)の詳細を示すフローチャートである。図23に示すステップST150,ST151の処理は、図8に示したST30,ST31と同様である。まず、車両横滑りが確認されていたと判断した場合(ST151:YES)、作動タイミング判断部33は、VDCユニット40からの信号に基づいて、車両のヨー角速度が所定値αより小さいか否かを判断する(ST152)。
ここで、車両のヨー角速度が大きい場合には、衝突予測の信頼度は低下する。すなわち、ヨー角速度が大きい場合には、車両がスピンしている可能性が高く、衝突予測の信頼度は低下する。このため、第5実施形態に係る作動タイミング判断部33は、車両の横滑りだけでなく、ヨー角速度に基づいて車両スピンの可能性を判断したうえで、信頼度を判定するようにしている。
車両のヨー角速度が所定値αより小さいと判断した場合(ST152:YES)、作動タイミング判断部33は、モータ駆動リトラクタ20を作動すべきと判断する(ST153)。
その後、作動タイミング判断部33は、モータ駆動リトラクタ20の作動が終了したか否かを判断する(ST154)。作動が終了していないと判断した場合(ST154:NO)、終了したと判断されるまでこの処理を繰り返すこととなる。一方、作動が終了したと判断した場合(ST154:YES)、アクティブパッド21を作動すべきと判断する(ST155)。そして、処理はステップST165に移行する。
また、車両のヨー角速度が所定値αより小さくないと判断した場合(ST152:NO)、作動タイミング判断部33は、アクティブパッド21を作動すべきと判断する(ST156)。
その後、作動タイミング判断部33は、アクティブパッド21の作動が終了したか否かを判断する(ST157)。作動が終了していないと判断した場合(ST157:NO)、終了したと判断されるまでこの処理を繰り返すこととなる。一方、作動が終了したと判断した場合(ST157:YES)、モータ駆動リトラクタ20を作動すべきと判断する(ST158)。そして、処理はステップST165に移行する。
ところで、車両横滑りが確認されていなかったと判断した場合(ST151:NO)、図8に示したST35〜ST38と同様に、ステップST159〜ST162の処理が行われる。すなわち、作動タイミング判断部33は、前面及び側面の衝突の「1.0sec」前であるか判断し、「1.0sec」前である場合には、対応する可逆拘束部20,21を作動させることとなる。そして、処理はステップST165に移行する。
さらに、車両の衝突が予測されていなかったと判断した場合(ST150:NO)、ステップST163,ST164において図8に示したステップST39,ST40と同様の処理が行われる。さらには、ST165〜ST168においても図8に示したST41〜ST44と同様の処理が行われる。
以上のように、ステップST153〜ST155と、ステップST156〜ST158と、ステップST159〜ST162とでは作動優先度が異なっている。ここで、本実施形態の作動優先度について詳細に説明する。図24は、第5実施形態に係る作動優先度の一例を示す説明図である。なお、図24では、横滑りが確認されているものの、ヨー角速度が所定値αより小さい場合を信頼度「中」と示している。また、横滑りが確認され且つヨー角速度が所定値αより小さくない場合を信頼度「低」と示している。さらに、横滑りが確認されなかった場合を信頼度「高」と示している。
まず、図23に示したように、車両の横滑りが確認されているものの、ヨー角速度が所定値αより小さい場合(信頼度「中」の場合)、何ら条件に制約されることなく、モータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21が作動するようになっている。また、車両の横滑りが確認され且つヨー角速度が所定値αより小さくない場合も同様に(信頼度「低」の場合)、何ら制約無く、モータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21が作動するようになっている。
このため、モータ駆動リトラクタ20の作動条件は、信頼度「中」及び「低」の双方で「なし」となる。また、アクティブパッド21の作動条件についても同様に「なし」となる。
一方、横滑りが確認されていなかった場合、第1実施形態と同様に、前面衝突の「1.0sec」前及び側面衝突の「1.0sec」前か否かが判断されて、モータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21が作動するようになっている。このため、モータ駆動リトラクタ20については前面衝突の「1.0sec」前が作動条件であり、アクティブパッド21については側面衝突の「1.0sec」前が作動条件となっている。
このように、第5実施形態においても上記の実施形態と同様に、信頼度に応じて作動優先度の1つである作動条件が異なっている。ここで、本実施形態では、信頼度が「中」又は「低」の場合に、すべて可逆拘束部20,21を作動させるようにしている。すなわち、衝突予測の信頼度が高くない場合には、すべて可逆拘束部20,21を作動させて、あらゆる方向からの衝突に備えるようにしている。
さらに、本実施形態では、ヨー角速度が所定値を下回る場合(信頼度「中」)には、モータ駆動リトラクタ20をアクティブパッド21よりも先に作動させるようにしている。すなわち、作動順番はモータ駆動リトラクタ20が「1」番目であり、アクティブパッド21が「2」番目という位置づけになっている。
また、本実施形態では、ヨー角速度が所定値を下回らない場合(信頼度「低」)には、アクティブパッド21をモータ駆動リトラクタ20よりも先に作動させるようにしている。すなわち、作動順番はモータ駆動リトラクタ20が「2」番目であり、アクティブパッド21が「1」番目という位置づけになっている。
一方、横滑りが確認されなかった場合(信頼度「高」)、上記の実施形態と同様に、いずれが先に作動するかは、そのときどきの状況による。このため、作動順番は、モータ駆動リトラクタ20及びアクティブパッド21について「1〜2」番目という位置づけになっている。
このように、第5実施形態においても上記の実施形態と同様に、信頼度に応じて作動優先度の1つである作動順番が異なっている。ここで、本実施形態において、横滑りが確認されているものの、スピンの可能性が低いと判断される場合(信頼度「中」)には、前面衝突の可能性が高いとして、モータ駆動リトラクタ20を優先的に作動させるようにしている。すなわち、前面衝突が予測されているときには、そのまま前面衝突の可能性が高いとして、モータ駆動リトラクタ20を優先的に作動させるようにしている。
一方、横滑りが確認され且つスピンの可能性が高いと判断される場合(信頼度「低」)には、側面衝突の可能性が高いとして、アクティブパッド21を優先的に作動させるようにしている。すなわち、前面衝突が予測されていたとしても、側面衝突の可能性が高いとして、アクティブパッド21を優先的に作動させるようにしている。
以上のように、衝突予測の信頼度に応じて可逆拘束部20,21の作動優先度が変更されている。そして、信頼度が「中」又は「低」の場合にはすべて可逆拘束部20,21を作動させるようにしており、仮に予測ミスが生じて突然の衝突などがあったとしても、乗員を適格に保護するようにしている。また、本実施形態では、ヨー角速度に基づいて、各可逆拘束部20,21の作動順番を変更するようにしている。このため、スピンの可能性をより詳細に判断したうえで、スピン発生時に対応するような順番で、各可逆拘束部20,21を作動させるようにしている。
このようにして、本実施形態に係る車両用乗員保護装置5によれば、第2実施形態と同様に、好適な作動を行うことができ、乗員保護性能の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、ヨー角速度に基づいて信頼度を判定するようにしている。すなわち、ヨー角速度に基づいて、スピンの可能性を判断したうえで、信頼度を判定している。このため、スピンにより信頼度が低下する場合には、スピン発生時に対応するような順番で、各可逆拘束部20,21を作動させることが可能となる。例えば、前面衝突が予測されている場合において、スピンにより信頼度が低下したときには、前面衝突よりも側面衝突の可能性が高まることから、アクティブパッド21を先に作動させる。このように、乗員保護性能の向上を図ることができる。
なお、第5実施形態についても、第1実施形態と同様に、例えば、電動シートのシートスライド、シートクッション角度、シートバック角度、電動テレスコピックステアリング、パワーウィンドゥ、及びサンルーフなどを用いるようにしてもよい。また、図13に示すニーボルスタ24や図14に示すアクティブヘッドレスト25を用いるようにしてもよい。
また、第5実施形態では、衝突予測の信頼度により可逆拘束部20,21について作動優先度を変更しているが、これに限るものではない。すなわち、衝突検知の信頼度によって非可逆拘束部22,23について作動優先度を変更するようにしてもよい。
次に、本発明の第6実施形態を説明する。第6実施形態に係る車両用乗員保護装置6は、第5実施形態のものと同様であるが、コントロールユニット30の処理内容が、第5実施形態のものと一部異なっている。
図25は、本実施形態に係る車両用乗員保護装置6の作動タイミング判断処理(ST20)の詳細を示すフローチャートである。第5実施形態に係る作動タイミング判断処理は、車両の動きに基づいて信頼度を判定し作動優先度を変更するようにしていたが、同図に示す作動タイミング判断処理は、運転者による運転操作に基づいて信頼度を判定し作動優先度を変更するようにしている。
具体的には、第6実施形態に係る作動タイミング判断処理は、図23に示したヨー角速度と所定値αとの比較処理(ST152)に代えて、操舵速度と所定値δとの比較処理が追加されている。
以下、具体的に説明する。図25に示す処理は、図23に示した処理と同様である。但し、ステップST172の処理において、作動タイミング判断部33は、操舵速度と所定値δとを比較する(ST172)。
ここで、車両の操舵速度が大きい場合には、衝突予測の信頼度は低下する。すなわち、操舵速度が大きい場合には、車両がスピンしている可能性が高く、衝突予測の信頼度は低下する。このため、第6実施形態に係る作動タイミング判断部33は、車両の横滑りだけでなく、操舵速度に基づいて車両スピンの可能性を判断したうえで、信頼度を判定するようにしている。
車両の操舵速度が所定値δより小さいと判断した場合(ST172:YES)、作動タイミング判断部33は、モータ駆動リトラクタ20を作動すべきと判断し(ST173)、モータ駆動リトラクタ20の作動終了後にアクティブパッド21を作動させると判断する(ST175)。そして、図8のステップST41〜ST44と同様の処理を経て、図7に示したステップST21に戻る。
一方、車両の操舵速度が所定値δより小さくないと判断した場合(ST172:NO)、作動タイミング判断部33は、アクティブパッド21を作動すべきと判断し(ST176)、アクティブパッド21の作動終了後にモータ駆動リトラクタ20を作動させると判断する(ST178)。そして、図8のステップST41〜ST44と同様の処理を経て、図7に示したステップST21に戻る。
また、車両横滑りが確認されていなかったと判断した場合(ST171:NO)、ステップST179〜ST182の処理において、作動タイミング判断部33は、第5実施形態と同様に、前面及び側面の衝突の「1.0sec」前であるか判断する。そして、前面衝突の「1.0sec」前である場合、作動タイミング判断部33はモータ駆動リトラクタ20を作動させると判断する(ST180)。一方、側面衝突の「1.0sec」前である場合、作動タイミング判断部33はアクティブパッド21を作動させると判断する(ST182)。そして、図8のステップST41〜ST44と同様の処理を経て、図7に示したステップST21に戻る。
以上のように、ステップST173〜ST175と、ステップST176〜ST178と、ステップST179〜ST182とでは作動優先度が異なっている。ここで、本実施形態の作動優先度は、図24を参照して説明したものと同様である。
このようにして、本実施形態に係る車両用乗員保護装置6によれば、第5実施形態と同様に、好適な作動を行うことができ、乗員保護性能の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、運転者による運転操作に基づいて信頼度を判定するようにしている。このため、例えば車両の動きから信頼度を判定する場合に比較して信頼度を精度良く求めることができる。例えば運転が荒く、車両の動きが極めて不安定となった場合には、車両の動きから信頼度を求めることが困難となるが、運転操作に基づいて信頼度を判定することにより、車両の動きとは無関係に信頼度を求めることができる。よって、車両の動きに影響されることなく、信頼度を判定することでができる。従って、信頼度の判定精度が高まることにより、各可逆拘束部20,21の作動を一層好適に行うことができる。
また、運転者による運転操作として、操舵速度に基づいて信頼度を判定する。このため、例えば、急操舵等から信頼度を判定することとなり、スピンの可能性を一層正確に求めることとなる。従って、拘束部20〜23の作動をさらに最適に行うことができる。
なお、本実施形態では、操舵速度に基づいて信頼度を判定するようにしているが、これに限らず、操舵周波数に基づいて信頼度を判定するようにしてもよい。この場合であっても、同様に拘束部20〜23の作動をさらに最適に行うことができる。
また、第6実施形態についても、第1実施形態と同様に、例えば、電動シートのシートスライド、シートクッション角度、シートバック角度、電動テレスコピックステアリング、パワーウィンドゥ、及びサンルーフなどを用いるようにしてもよい。また、図13に示すニーボルスタ24や図14に示すアクティブヘッドレスト25を用いるようにしてもよい。
また、第6実施形態では、衝突予測の信頼度により可逆拘束部20,21について作動優先度を変更しているが、これに限るものではない。すなわち、衝突検知の信頼度によって非可逆拘束部22,23について作動優先度を変更するようにしてもよい。
次に、本発明の第7実施形態を説明する。第7実施形態に係る車両用乗員保護装置7は、第1実施形態のものと同様であるが、コントロールユニット30の処理内容が、第1実施形態のものと一部異なっている。
図26は、本実施形態に係る車両用乗員保護装置7の作動タイミング判断処理(ST20)の詳細を示すフローチャートである。同図に示す作動タイミング判断処理は、衝突対象物から信頼度を判定し、作動優先度を変更するようにしている。
以下、具体的に説明する。図26に示すステップST190の処理は、図8に示したST30と同様である。まず、ステップST11及びステップST13において衝突の予測されていたと判断した場合(ST190)、作動タイミング判断部33は、衝突対象物の種類が車両であるか否かを判断する(ST191)。車両か否かの判断は、衝突が予測された対象物の特徴、例えば形状や運動方向を検出することで行われる。
ここで、衝突対象物の種類が車両でない場合、衝突予測の信頼度は低下する。通常、事故における衝突の対象物は車両であることが多い。このため、衝突対象物が車両でない場合、その衝突予測の信頼度は低いといえる。
衝突対象物の種類が車両であると判断した場合(ST191:YES)、作動タイミング判断部33は、前面衝突の「1.0sec」前であるか否かを判断する(ST192)。そして、前面衝突の「1.0sec」前に該当しないと判断した場合(ST192:NO)、処理はステップST194に移行する。
一方、前面衝突の「1.0sec」前であると判断した場合(ST192:YES)、作動タイミング判断部33は、モータ駆動リトラクタ20を作動すべきと判断する(ST193)。
モータ駆動リトラクタ20の作動決定後、作動タイミング判断部33は、側面衝突の「1.0sec」前であるか否かを判断する(ST194)。側面衝突の「1.0sec」前に該当しないと判断した場合(ST194:NO)、処理はステップST202に移行する。
一方、側面衝突の「1.0sec」前であると判断した場合(ST194:YES)、作動タイミング判断部33は、アクティブパッド21を作動すべきと判断する(ST195)。そして、処理はステップST202に移行する。
ところで、衝突対象物が車両でないと判断した場合(ST191:NO)、作動タイミング判断部33は、前面衝突の「1.0sec」前であるか否かを判断する(ST196)。そして、前面衝突の「1.0sec」前に該当しない場合(ST196:NO)、処理をステップST198に進める。一方、前面衝突の「1.0sec」前である場合(ST196:YES)、作動タイミング判断部33は、モータ駆動リトラクタ20を作動すべきと判断する(ST197)。
その後、作動タイミング判断部33は、側面衝突の「0.5秒前」であるか否かを判断する(ST198)。側面衝突の「0.5秒前」に該当しないと判断した場合(ST198:NO)、処理はステップST202に移行する。
一方、側面衝突の「0.5秒前」であると判断した場合(ST198:YES)、作動タイミング判断部33は、アクティブパッド21を作動すべきと判断する(ST199)。そして、処理はステップST202に移行する。
以上のように、ステップST192〜ST195と、ステップST196〜ST199とでは作動優先度が異なっている。ここで、本実施形態の作動優先度について詳細に説明する。図27は、第7実施形態に係る作動優先度の一例を示す説明図である。なお、図27では、図26の処理において衝突対象物の種類が車両であると判断された場合を信頼度「高」と示している。また、衝突対象物の種類が車両でないと判断された場合を信頼度「低」と示している。
まず、図26に示したように、衝突対象物の種類が車両でない場合、前面衝突の「1.0sec」前か否かが判断されて、モータ駆動リトラクタ20が作動する。また、側面衝突の「0.5sec」前か否かが判断されて、アクティブパッド21が作動する。このため、モータ駆動リトラクタ20は前面衝突の「1.0sec」前が作動条件となっている。また、アクティブパッド21は側面衝突の「0.5sec」前が作動条件となっている。
一方、衝突対象物が車両の種類である場合、前面衝突の「1.0sec」前か否かが判断されて、モータ駆動リトラクタ20が作動する点は同じである。しかし、側面衝突の「1.0sec」前か否かが判断されて、アクティブパッド21が作動する点が異なっている。そして、この場合には、モータ駆動リトラクタ20の作動条件は前面衝突の「1.0sec」前であり、アクティブパッド21の作動条件は側面衝突の「1.0sec」前となる。
このように、第7実施形態においても上記の実施形態と同様に、信頼度に応じて作動優先度の1つである作動条件が異なっている。ここで、衝突対象物の種類が車両である場合、衝突が将来的に発生する可能性が高いことから、アクティブパッド21の作動を早めるようにしている。一方、衝突対象物が車両でない場合、衝突が将来的に発生する可能性は比較的低く、アクティブパッド21の作動を遅めるようにしている。これにより、本実施形態では、衝突予測のミスによりアクティブパッド21が作動してしまう可能性を減じるようにしている。すなわち、例えば側面衝突「0.7」前の段階で、実際に側面衝突が発生しないことが判明した場合には、アクティブパッド21の作動が防止されることとなる。
なお、本実施形態において作動順番は、衝突対象物の種類が車両である場合と車両でない場合とで同じであるため、説明を省略する。
以上のように、衝突予測の信頼度に応じて可逆拘束部20,21の作動優先度が変更されている。このため、信頼度に応じて、可逆拘束部20,21の不要な作動を抑制することができるようになっている。なお、衝突対象物の種類が車両であるか否かに基づいて信頼度を判定せず、衝突対象物が車両であっても、衝突対象の車両が大型であるか、又は小型であるなどに基づいて信頼度を判定するようにしてもよい。また、車両に限らず、単に大きいものであるか又は小さいものであるに基づいて信頼度を判定するようにしてもよい。この場合、衝突対象物が大きいものであるときには、大きいことから衝突の可能性が高まり、信頼度も高いと判定できる。一方、衝突対象物が小さいものである場合には、小さいことから衝突の可能性が低く、信頼度も低いと判定できる。
また、衝突対象物の速度によって信頼度を判定するようにしてもよい。例えば、車両前方に衝突対象物が存在しており、前面衝突が予測されたとする。この場合、衝突対象物の速度が速いときには、自車両が衝突対象物の存する位置まで到達したとしても、衝突対象物は自車両の前方からいなくなることが多い。このため、信頼度が低いと判定できる。一方、速度が遅い場合には、自車両が衝突対象物の存する位置まで到達したときに、未だ自車両の前方に存する可能性が高く、信頼度が高いと判定できる。
すなわち、本実施形態では、ステップST191において衝突対象物の種類が車両である否かを判断しているが、単に衝突対象物の特徴を検知して、それに基づいて信頼度を判定し、作動優先度を変更するようにしてもよい。
このようにして、本実施形態に係る車両用乗員保護装置7によれば、衝突検知又は衝突予測の信頼度を判定している。このため、衝突が予測又は検知されたものの、その予測又は検知の精度が高いものであるか又は低いものであるかを判定することができる。
また、本実施形態では、判定した信頼度に基づいて可逆拘束部20,21と非可逆拘束部22,23との少なくとも一方の作動優先度を変更して、可逆拘束部20,21と非可逆拘束部22,23との作動を制御している。このため、衝突の予測又は検知の精度に応じて作動優先度を変更し、拘束手段の作動を好適なものとすることが可能となる。
例えば、衝突の予測又は検知の精度が低く、衝突を予測したものの、実際に衝突するか否かが疑わしい場合には、乗員保護に支障をきたさない程度に拘束部20〜23の作動を抑制して、頻繁に拘束部20〜23が作動しないようにすることができる。
このように、信頼度に応じて可逆拘束部20,21と非可逆拘束部22,23との少なくとも一方の作動を変えることにより、好適な作動を行うことができる。
さらに、本実施形態では、衝突対象物から信頼度を判定するようにしている。すなわち、衝突対象物の形状や速度などのように、衝突対象物の種々の特徴から信頼度を判定するようにしている。例えば、衝突対象物が大きいものであるときには、大きいことから衝突の可能性が高まり、信頼度も高いと判定する。一方、衝突対象物が小さいものである場合には、小さいことから衝突の可能性が低く、信頼度も低いと判定する。また、例えば、車両前方に衝突対象物が存在しており、前方衝突予測された場合であっても、速度が速い場合には、自車両の前方からいなくなるため、信頼度が低いと判定する。一方、速度が遅い場合には、自車両が衝突対象物の存する位置まで到達したときに、未だ自車両の前方に存する可能性が高く、信頼度が高いと判定する。そして、このように信頼度を判定するため、衝突対象物の相違に応じて信頼度を適格に判定することができる。
また、衝突対象物の種類が車両である否かに基づいて、信頼度を判定している。通常、自車両が衝突する対象物は他車両であることが多く、車両との衝突が予測された場合には、信頼度が高いといえる。このように、衝突対象物の種類に応じて信頼度の判定を正確に行うことができる。
なお、第7実施形態についても、第1実施形態と同様に、例えば、電動シートのシートスライド、シートクッション角度、シートバック角度、電動テレスコピックステアリング、パワーウィンドゥ、及びサンルーフなどを用いるようにしてもよい。また、図13に示すニーボルスタ24や図14に示すアクティブヘッドレスト25を用いるようにしてもよい。
また、第7実施形態では、衝突予測の信頼度により可逆拘束部20,21について作動優先度を変更しているが、これに限るものではない。すなわち、衝突検知の信頼度によって非可逆拘束部22,23について作動優先度を変更するようにしてもよい。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、各実施形態を組み合わせてもよい。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。例えば、上記実施形態において、前方、側方及び後方の監視レーダ10,11,14は、電波を照射するようになっているが、電波に限らず、光や超音波を照射するようにしてもよい。
第1実施形態に係る車両用乗員保護装置の構成図であり、車両側方から様子を示している。 第1実施形態に係る車両用乗員保護装置の構成図であり、乗員前方からの様子を示している。 前方監視レーダの説明図である。 モータ駆動リトラクタの詳細構成図である。 図1に示したコントロールユニットの機能ブロック図である。 前面衝突予測判断部による衝突予測判断の詳細を示す説明図であり、(a)は衝突回避に必要とされる車間距離と相対車速との関係を示すグラフであり、(b)は衝突を回避するのに必要な時間と相対車速との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る車両用乗員保護装置1の動作の一例を示すフローチャートである。 図7に示した作動タイミング判断処理(ST20)の詳細を示すフローチャートである。 作動優先度の一例を示す説明図である。 各拘束部の詳細動作の一例を示すフローチャートである。 各拘束部の作動開始時を示す説明図であり、前面衝突を示している。 各拘束部の作動開始時を示す説明図であり、側面衝突を示している。 可逆拘束部の一例を示す説明図であり、ニーボルスタを示している。 可逆拘束部の一例を示す説明図であり、アクティブヘッドレストを示している。 第2実施形態に係る車両用乗員保護装置の構成図である。 図15に示したコントロールユニットの機能ブロック図である。 第2実施形態に係る車両用乗員保護装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図17に示した作動タイミング判断処理(ST72)の詳細を示すフローチャートである。 本実施形態に係る車両用乗員保護装置の作動タイミング判断処理(ST72)の詳細を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る作動優先度の一例を示す説明図である。 本実施形態に係る車両用乗員保護装置の作動タイミング判断処理(ST72)の詳細を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る作動優先度の一例を示す説明図である。 本実施形態に係る車両用乗員保護装置の作動タイミング判断処理(ST20)の詳細を示すフローチャートである。 第5実施形態に係る作動優先度の一例を示す説明図である。 本実施形態に係る車両用乗員保護装置の作動タイミング判断処理(ST20)の詳細を示すフローチャートである。 本実施形態に係る車両用乗員保護装置の作動タイミング判断処理(ST20)の詳細を示すフローチャートである。 第7実施形態に係る作動優先度の一例を示す説明図である。
符号の説明
1〜7…車両用乗員保護装置
10…前方監視レーダ(検知手段)
11…側方監視レーダ(検知手段)
12…前面衝突用加速度計(検知手段)
13…側面衝突用加速度計(検知手段)
14…後方監視レーダ(検知手段)
20…モータ駆動リトラクタ(可逆拘束手段)
21…アクティブパッド(可逆拘束手段)
22…エアバッグ(非可逆拘束手段)
23…サイドエアバッグ(非可逆拘束手段)
24…ニーボルスタ(可逆拘束手段)
25…アクティブヘッドレスト(可逆拘束手段)
30…コントロールユニット(制御手段)
33…作動タイミング判断部(信頼度判定手段)

Claims (10)

  1. 衝突を検知又は予測する検知手段と、
    可逆的に乗員を拘束可能な可逆拘束手段と、
    非可逆的に乗員を拘束可能な非可逆拘束手段と、
    前記検知手段からの信号に基づいて前記可逆拘束手段及び前記非可逆拘束手段の作動を制御する制御手段と、
    前記検出手段による衝突検知又は衝突予測の信頼度を判定する信頼度判定手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記信頼度判定手段にて判定された信頼度に基づき、前記可逆拘束手段と前記非可逆拘束手段との少なくとも一方についての作動優先度を変更して、前記可逆拘束手段及び前記非可逆拘束手段の作動を制御する
    ことを特徴とする車両用乗員保護装置。
  2. 前記信頼度判定手段は、車両の動きから信頼度を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用乗員保護装置。
  3. 前記信頼度判定手段は、車両の動きとして、車両が横滑りしているか否かに基づいて信頼度を判定することを特徴とする請求項2に記載の車両用乗員保護装置。
  4. 前記信頼度判定手段は、車両の動きとして、車両のヨー角速度に基づいて信頼度を判定することを特徴とする請求項2に記載の車両用乗員保護装置。
  5. 前記信頼度判定手段は、運転者による運転操作から信頼度を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用乗員保護装置。
  6. 前記信頼度判定手段は、運転者による運転操作として、運転者の操舵速度に基づいて信頼度を判定することを特徴とする請求項5に記載の車両用乗員保護装置。
  7. 前記信頼度判定手段は、運転者による運転操作として、運転者の操舵周波数に基づいて信頼度を判定することを特徴とする請求項5に記載の車両用乗員保護装置。
  8. 前記信頼度判定手段は、衝突対象物から信頼度を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用乗員保護装置。
  9. 前記信頼度判定手段は、衝突対象物の種類から信頼度を判定することを特徴とする請求項8に記載の車両用乗員保護装置。
  10. 衝突検知又は衝突予測を行い、その衝突検知又は衝突予測の信頼度を判定し、判定した信頼度に応じて作動優先度を変更して、乗員の拘束処理を変更することを特徴とする車両用乗員保護装置。

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