JP2005144879A - 低吸着シーラント基材およびその基材を用いた低吸着包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等の内容物に含有される薬効成分や香気成分等の包装材料へ吸着し、薬効成分や香気成分が経時的に減少することを防止する、ガスバリア性、成膜適性、製袋適性、シーラント強度等に優れる低吸着シーラント基材およびその基材を用いた低吸着包装体を提供することを目的とする。
【解決手段】低吸着包装体を構成する低吸着シーラント基材であって、
熱融着可能な熱可塑性樹脂層上に、無機系蒸着薄膜層を積層してなることを特徴とする低吸着シーラント基材およびそのシーラント基材を用いた低吸着包装体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、低吸着シーラント基材およびその基材を用いた低吸着包装体に関し、さらに詳細には、食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等の内容物に含有される薬効成分や香気成分等の包装材料へ吸着し、薬効成分や香気成分が経時的に減少することを防止する低吸着シーラント基材およびその基材を用いた低吸着包装体である。
一般的に使用される包装材料は、基材に接着剤層または厚さ15μm以上のポリエチレン樹脂層を介しガスバリア層を積層し、さらにその上にシーラント層としてポリオレフィン系樹脂フイルムを積層した構成のものが多く使用されている。この包装材料を用いた袋に揮発性を有するメントールやナフタレン、その他香り成分や薬効成分を含有している内容物を包装した場合、それらの成分が最内層のシーラント層のフイルムに吸着されてしまうことが多い。これらの吸着を防ぐ為にシーラント層のフイルムを薄肉化する方法やポリエステル系フイルムを使用する方法、あるいはシーラント層としてヒートシール剤を全面コートあるいはパートコートする方法が検討されてきた。
しかしながら、前記シーラントフイルムを薄肉化する方法は、フイルムの製膜技術の限界により、最低の厚みが15μm程度となってしまうことが現状であり、ポリエステル系フイルムは現状コストが高く、また耐内容物性に関しても能力不足であった。また、シーラント層としてヒートシール剤を塗布する方法は、特に、ヒートシール剤に使用している樹脂系がポリエステル系、エチレン・ビニルアセテート系、塩素化ポリプロピレン系、塩素化ポリエチレン系、エチレンコポリマー系、ポリウレタン系、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体系等である場合、その塗膜の凝集力によるヒートシール強度を維持するためには、乾燥状態の塗布量が最低5g/m2以上必要であり、このヒートシール剤の塗布層への薬効成分吸着量の低減に限界があった。さらに、塩素系含有物を使用したものは廃棄後焼却した場合に有害物質生成の可能性もあり、今後使用を避ける必要がある。また、前記シーラント層をパートコート法で形成した場合は、内容物を包装した時にガスバリア層が内容物に接するため、前記内容物の有効成分が包装料料の内面に激しくアタックすることにより、ガスバリア層が劣化してしまったり、パートコートしたヒートシール剤自体が劣化し、ヒートシール強度が低下してしまう等の弊害が生じていた。さらに、前記パートコート法で形成した場合は、その包装材料を使用して製袋等の後加工をする際に、ヒートシール剤の塗布部及び非塗布部でタックの有無、滑り性などの差が生じ、加工適性が悪く、また、後加工工程での各種機械との摩擦などにより包装材料のガスバリア層が傷付き、ガスバリア性が劣化するという問題などが発生していた。
さらに、従来の包装材料では、アルミニウム箔や蒸着プラスチックフィルム等のバリア基材とシーラント基材をラミネートした構成のものが広く用いられているが、特に内容物が薬効成分や香味成分を含む食品や医薬品の場合は、内層に基材層、特にポリオレフィン樹脂層を主としたシーラント層への薬効成分や香味成分の吸着、また接着層やシーラント層からの添加剤や未反応物質等の低分子成分の移行により内容物の変質が発生する。これに対して、シーラント層として、ポリアクリロニトリル(PAN)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(PETG)等の低吸着熱可塑性樹脂層を配することができるが、これらのシーラント層は、ポリオレフィン樹脂層と比較して低温シール適性、シール強度、樹脂埋まり適性、液噛み適性等の面で劣るため、高速充填用途としては使用不可能であった。製袋形状は3方ないし4方シール等フラットな製袋用途に限定され、内容物としても液状物、粉体は使用不可能であるのが現状である。
以下に特許文献を記す。
特開平6―143502号公報
上記の問題点を回避するために、例えば特許文献1に、「肉厚が0.1〜10μmのガスバリヤー性樹脂を最内層とし、これと最外層の基材を肉厚が10〜60μmのエチレン系樹脂接着剤層を介して接着積層されてなるラミネート物素材とし、これをダイロール方式の自動充填包装機にて三方ないし四方をヒートシールして得られたシール強度が1,000〜6,000g/15mm幅の積層樹脂製袋」が提案されているが、この積層樹脂製袋は、シーラント基材のベース層としてエチレ系樹脂層を配し、最内層として非常に薄肉のガスバリア性樹脂層を配することにより低吸着性とシール適性を両立した積層樹脂製袋を提供するものである。しかしながら、ガスバリア層となる樹脂層とベース樹脂の融点には大きいな差があるために共押し出し成膜方式での生産は非常に困難であり、また、カールの発生により後加工におけるハンドリング性が悪く、さらにガスバリア性樹脂の流動性が悪いために薄肉化が非常に困難であるという問題点がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等の内容物に含有される薬効成分や香気成分等の包装材料へ吸着し、薬効成分や香気成分が経時的に減少することを防止する、ガスバリア性、成膜適性、製袋適性、シーラント強度等に優れる低吸着シーラント基材およびその基材を用いた低吸着包装体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、すなわち
請求項1に係る発明は、低吸着包装体を構成する低吸着シーラント基材であって、
熱融着可能な熱可塑性樹脂層上に、無機系蒸着薄膜層を積層してなることを特徴とする低吸着シーラント基材である。
また、請求項2に係る発明は、前記無機系蒸着薄膜層が、物理的蒸着法(PVD法)および化学的蒸着法(CVD法)の内の少なくとも一つの蒸着法により得られ、Al、Si、Mg、Sn、Zr、Ti、In、Zn、およびSbからなる群から選択される少なくとも1種類の金属の酸化物からなることを特徴とする請求項1記載の低吸着シーラント基材である。
また、請求項3に係る発明は、前記無機系蒸着薄膜層の厚さが、5〜50nmの範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の低吸着シーラント基材である。
また、請求項4に係る発明は、前記熱融着可能な熱可塑性樹脂層が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα・βポリエチレン、エチレン−α・β不飽和カルボン酸およびそのエステル化合物共重合体、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、アイオノマー(IO)もしくはそれらをベース樹脂としたエチレン系共重合体のいずれかからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の低吸着シーラント基材である。
また、請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の低吸着シーラント基材を包装材料に積層し、該低吸着シーラント基材に設けられた無機系蒸着薄膜層が最内層となるように成形してなることを特徴とする低吸着包装体である。
また、請求項6に係る発明は、前記低吸着包装体が、袋状に成形されたことを特徴とす
る請求項5記載の低吸着包装体である。
また、請求項7に係る発明は、前記低吸着包装体が、薬効成分もしくは香気成分を含有する食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等を包装することを特徴とする請求項5または6記載の低吸着包装体である。
また、請求項8に係る発明は、前記低吸着包装体のシール強度が、10〜60N/15mmの範囲であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の低吸着包体である。
本発明の低吸着シーラント基材は、熱融着可能な熱可塑性樹脂層としてポリオレフィン系樹脂層に無機系蒸着薄膜層を積層した構成であることから、この低吸着シーラント基材を用いて包装材料と積層し、無機系蒸着薄膜層を最内層として袋状等に成形した低吸着包装体を成形することで、食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等の内容物を包装した場合であっても、内容物に含まれる薬効成分や香気成分の包装材料に吸着して、薬効成分や香味成分が経時的に減少することを防止することができ、またシーラント基材や接着剤からの添加剤や未反応物質等の低分子成分の移行により内容物の変質を防止できる。
また、袋状などの低吸着包装体を成形する際のシール圧により、シール部の無機系蒸着薄膜層が破壊するために、シーラント基材を構成する融着可能な熱可塑性樹脂層どうしシール面での樹脂埋まり適性に優れ、高いシール強度が得られる。
また、食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等の内容物に含まれる薬効成分や香味成分によるシーラント基材の劣化を防止し、シーラント基材の膨潤や、その膨潤に伴う内容物のシーラント基材への付着やシール強度の低下等を回避できる。
以下、本発明の一実施例としての低吸着シーラント基材および低吸着包装体について図面を参照して説明する。図1は、本発明の低吸着シーラント基材の一例を示す断面図である。図2は、本発明の低吸着シーラント基材を用いて低吸着包装体を得るための低吸着シーラント基材を含む積層材料の構成の一例を示す断面図である。図3は、例えば図2に示した本発明の低吸着シーラント基材を含む積層材料をピロー製袋による袋状の低吸着包装体の一例を示す平面図である。
本発明の低吸着シーラント基材の一例として、図1に示すように、低吸着シーラント基材1は、熱融着可能な熱可塑性樹脂層2上に、無機系蒸着薄膜層3を積層してなることを特徴とする低吸着シーラント基材である。
本発明の低吸着シーラント基材を含む積層材料の一例として、図2に示すように、積層材料4は、基材5上に、接着剤層7を介してアルムニウム箔6を積層した包装材料に、本発明の熱融着可能な熱可塑性樹脂層2上に、無機系蒸着薄膜層3を積層してなる低吸着シーラント基材1を接着剤層7を介して、アルムニウム箔6面と熱融着可能な熱可塑性樹脂層2面とを積層してなる構成の低吸着包装体を得るための本発明の低吸着シーラント基材を含む積層材料である。
本発明において用いられる熱融着可能な熱可塑性樹脂層2を構成する熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα・βポリエチレン、エチレン−α・β不飽和カルボン酸およびそのエステル化合物共重合体、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、アイオノマー(IO)もしくはそれらをベース樹脂としたエチレン系共重
合体を挙げることができる。
本発明において用いられる無機系蒸着薄膜層3を構成する無機系蒸着材料としては、物理的蒸着法(PVD法)および化学的蒸着法(CVD法)の内の少なくとも一つの蒸着法により得られ、Al、Si、Mg、Sn、Zr、Ti、In、Zn、およびSbからなる群から選択される少なくとも1種類の金属の酸化物を挙げることができる。
このような蒸着薄膜層3を形成する方法としては、基材フィルムをいためないような方法であれば、いかなるPVD法であってもCVD法であっても用いることが可能である。具体的には低温プラズマ気相成長法等を挙げることができる。
このような無機系蒸着薄膜層3に好ましく使用される金属酸化物は、Al、Si、Mg、Zr、Ti、Sn、In、Zn、Sbから選ばれる1種、あるいは2種以上であることが好ましく、具体的には、ケイ素酸化物、炭化ケイ素酸化物、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化チタン(例えば、二酸化チタン、三酸化チタン、もしくは一酸化チタン)、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム(例えば、一酸化ジルコニウム)等を挙げることができるが、特に製造の安定性、安全性やコストの観点からケイ素酸化物および/または炭化ケイ素酸化物がより好ましく用いられる。
本発明における上記無機系蒸着薄膜層3の膜厚としては、5〜50nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より薄い場合は、金属酸化物の蒸着層を設けても効果的にガスバリア性を向上させることができず、また上記範囲より膜厚が厚い場合は、使用時の屈曲等の場合にフィルム基材の屈曲性に金属酸化物の蒸着層が追従することができず、多量のクラックが生じる可能性があり、結果的にガスバリア性を悪化させることになるからである。
本発明において用いられる基材5としては、紙あるいはプラスチックフイルムが使用でき、前記プラスチックフイルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフイルム、ポリプロピレン等のポリオレフィンフイルム、ポリスチレンフイルム、6−ナイロン等のポリアミドフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリアクリルニトリルフイルム、ポリイミドフイルム等が用いられ、機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。特に、これらの中で二軸方向に任意に延伸されたフイルムが好ましく用いられる。
また、前記プラスチックフイルムが周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを含んでいても良く、その他の材料と積層する場合の密着性を良くするために、フイルムの表面を前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理などを施しておいても良く、更に薬品処理、溶剤処理を施しておいても良い。
前記基材5に使用するプラスチックフイルムの厚さは特に制限を受けるものでないが、包装材料としての適性、他の層と積層する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲で、用途によって6〜30μmがより好ましい。
なお、基材5に必要に応じて適宜印刷層を設けることができる。印刷層としては、バルーンなどとして実用的に用いるために形成されるものである。例えば、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層である。この印刷により、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周
知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアーコート等の周知の塗布方式を用いることができる。印刷層の乾燥膜厚(固形分)は0.1〜2.0μmで良い。
本発明において用いられるアルムニウム箔6は、ガスバリア層として機能するものであり、その厚みは、特に限定しないが、コスト面などから5〜30μmの範囲のものが好ましい。
本発明において用いられる接着剤層7を構成する接着剤としては、例えばドライラミネ−トする際の接着剤層を構成する接着剤としては、具体的には、ドライラミネ−ト等において使用される2液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエ−テルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤、その他等を使用することができる。一般的には、水酸基を持った主剤とイソシアネート基を持った硬化剤とを混合した二液混合型接着剤が主に使用され、塗布方法としてはグラビアコート法、ロールコート法などで塗布する。接着剤の塗布量は1〜5g/m2(乾燥状態)である。
上記で得られる本発明の低吸着シーラント基材を含む積層材料を用いた低吸着包装体として、例えば、製袋する時の形態は、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋など種々ある。
一例として、図2に示すように、本発明の低吸着シーラント基材を含む積層材料として、基材5上に、接着剤層7を介してアルムニウム箔6を積層した包装材料に、本発明の熱融着可能な熱可塑性樹脂層2上に、無機系蒸着薄膜層3を積層してなる低吸着シーラント基材1を接着剤層7を介して、アルムニウム箔6面と熱融着可能な熱可塑性樹脂層2面とを積層してなる構成の積層材料を用いてピロー包装袋に成形することができる。
例えば、上記積層材料より三方シール袋を形成するには、例えば、公知のダイロール方式の自動充填包装機12を用い、積層材料の内層側を上側に、基材が下側となるように積材料13をガイドロール14に供給し、リード15により積層材料13を二つ折りし、この二つ折りした積層材料間に充填機(図示せず)で内容物を充填し、縦シールロール16で二つ折りした積層材料の左端の縦方向をヒートシールする。
ついで、横シール18した後、内容物を一定量充填されたら横シールロール17で横方向にヒートシールし、前記横方向のヒートシール部18をナイフ19でカッティングし、内容物が充填された三方シール袋20を製造する。四方シール型のダイロール方式の自動充填包装機を用いれば四方シール袋が得られる。
本発明において、本発明にかかる積層材を使用してピロ−包装用袋を製造する方法において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。而して、その袋体の合掌貼りシ−ル型、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、舟底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態をあげることができ、これに合った種々の形態のピロ−包装用袋を製造することができる。
例えば、図3に示す、本発明の低吸着シーラント基材を含む積層材料を用いた低吸着包装体として、ピロー包装袋の一例を示す。縦70mm、横60mmの大きさで、シール幅が5mmの上端シール部9および下端シール部10、シール幅7mmの背貼りシール部11を形成して製袋した構成からなるピロー包装袋8である。図4に、その概略斜視図を示した。
以下に、本発明の低吸着シーラント基材およびその基材を用いた低吸着包装体の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
まず、熱融着可能な熱可塑性樹脂として厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)[東セロ株式会社製、TUX―FCS]からなる基材上に、金属アルミニウムを蒸着により厚さ5nmの無機系蒸着薄膜層を積層してなる低吸着シーラント基材を作成した。
一方、基材として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステル(PET)フイルムのコロナ処理面に二液硬化型のポリウレタン系接着剤を5g/m2(乾燥状態)塗布し、ガスバリア層として厚さ7μmのアルミニウム箔を貼り合わせたラミネートフイルムを得た。
引き続き、前記ラミネートフイルムのアルミニウム箔面と低吸着シーラント基材のLLDPEフィルム面とを二液硬化型のポリウレタン系接着剤を5g/m2(乾燥状態)塗布し、低吸着シーラント基材を貼り合わせた積層材料を得た。
〈実施例2〉
実施例1において、熱融着可能な熱可塑性樹脂として厚さ40μmのアイオノマー(IO)[タマポリ株式会社製、HM―52]からなる基材上に、アルミナ(AlXY)を蒸着により厚さ15nmの無機系蒸着薄膜層を積層してなる低吸着シーラント基材を作成しして用いた以外は実施例1と同様にして低吸着シーラント基材を貼り合わせた積層材料を得た。
〈実施例3〉
実施例1において、熱融着可能な熱可塑性樹脂として厚さ40μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)[出光油ユニテック株式会社製、RS―503C]からなる基材上に、シリカ(SiXY)を蒸着により厚さ5nmの無機系蒸着薄膜層を積層してなる低吸着シーラント基材を作成しして用いた以外は実施例1と同様にして低吸着シーラント基材を貼り合わせた積層材料を得た。
以下に、本発明の比較例について説明する。
〈比較例1〉
実施例1において、熱融着可能な熱可塑性樹脂として厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)[東セロ株式会社製、TUX―FCS]からなる無機系蒸着薄膜層を設けないシーラント基材を作成して用いた以外は実施例1と同様にしてシーラント基材を貼り合わせた積層材料を得た。
〈比較例2〉
実施例1において、熱融着可能な熱可塑性樹脂として厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)[東セロ株式会社製、TUX―FCS] からなる基材上に、金属アルミニウムを蒸着により厚さ5nmの無機系蒸着薄膜層を積層してなるシーラント基材を作成して用いた以外は実施例1と同様にしてシーラント基材を貼り合わせた積層材料を得た。
〈比較例3〉
実施例1において、熱融着可能な熱可塑性樹脂として厚さ40μmの低密度ポリエチレン(LDPE)[三井化学株式会社製、M14P] からなる基材上に、厚さ10μmのポ
リアクリルニトリル(PAN)樹脂層積層してなるシーラント基材を作成して用いた以外は実施例1と同様にしてシーラント基材を貼り合わせた積層材料を得た。
実施例1〜3および比較例1〜3で得られた各種積層材料を用いてダイロール方式自動充填機にて製袋(シールバー設定温度180℃、加工スピード50ショット/min)するとともに、同時に内容物として入浴製剤(香料としてリモネン含有、粉末状)20g充填し、密封シールした入浴剤充填サンプルを作成した。それらを各々40℃、1ヶ月保存後、下記の評価方法に基づき内容物取り出し適性、リモネン吸着量、製剤の香気について評価した。その結果を表1に示す。
<内容物取り出し適性>
開封後、内容物を振り出し、製剤のシーラント基材への付着の有無を確認して評価した。付着が認められないものは○印、付着が認められたものは×印で表した。
<リモネン吸着量>
積層包装材料を10×10mmの大きさ切断してサンプリングし、純水で2かい洗浄した後、水分を拭き取って20mlバイアル瓶に封入し、ここにSPMEファイバーを差し込み80℃、30min加熱し、揮発成分を捕集して、GC/MS測定器にてリモネン吸着量を分析した。比較例1におけるリモネン吸着ピーク面積を1として、他の実施例におけるリモネン吸着ピーク面積との比を求めて評価した。
<製剤の香気官能試験>
保存後の製剤のリモネン臭を官能試験にて評価した。リモネン臭に保存前後で変化が認められないものを○印、明らかに香気が弱まったものを×印で表した。
Figure 2005144879
表1の結果より、実施例1〜3における本発明の低吸着シーラント基材を用いた袋状の低吸着包装体は、内容物充填適性および内容物取り出し適性に優れ、さらにリモネン吸着試験および製剤香気官能試験結果から、包装体を構成するシーラント基材へのリモネンの吸着がなく、製剤リモネン臭が変化しないことがわかる。
したがって、本発明の低吸着シーラント基材を用いた低吸着包装体は、薬効成分や香気成分等を含有する食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等を包装する包装体として好適に用いられる。
食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等の内容物に含有される薬効成分や香気成分等の包装材料へ吸着し、薬効成分が経時的に減少することを防止する低吸着シーラント基材およびその基材を用いた低吸着包装体として好適に利用できる。
本発明の低吸着シーラント基材の一例を示す断面図である。 本発明の低吸着シーラント基材を用いて低吸着包装体を得るための低吸着シーラント基材を含む積層材料の構成の一例を示す断面図である。 本発明の低吸着シーラント基材を含む積層材料をピロー製袋による袋状の低吸着包装体の一例を示す平面図である。 図3に示したピロー包装袋の斜視図である。 ダイロール方式の自動充填包装機を用いて3方ヒートシール袋を製造する工程を説明する説明図である。
符号の説明
1・・・低吸着シラーと基材
2・・・熱融着可能な熱可塑性樹脂層
3・・・無機系蒸着薄膜層
4、13・・・積層材料
5・・・基材層
6・・・アルミニウム箔層
7・・・接着剤層
8・・・ピロー包装袋
9・・・上端シール部
10・・・下端シール部
11・・・背貼りシール部
12・・・ダイロール方式の自動充填包装機の要部
14・・・ロール
15・・・リード
16・・・縦シール金属ロール
17・・・横シール金属ロール
18・・・シール部
19・・・ナイフ
20・・・3方シール袋

Claims (8)

  1. 低吸着包装体を構成する低吸着シーラント基材であって、
    熱融着可能な熱可塑性樹脂層上に、無機系蒸着薄膜層を積層してなることを特徴とする低吸着シーラント基材。
  2. 前記無機系蒸着薄膜層が、物理的蒸着法(PVD法)および化学的蒸着法(CVD法)の内の少なくとも一つの蒸着法により得られ、Al、Si、Mg、Sn、Zr、Ti、In、Zn、およびSbからなる群から選択される少なくとも1種類の金属の酸化物からなることを特徴とする請求項1記載の低吸着シーラント基材。
  3. 前記無機系蒸着薄膜層の厚さが、5〜50nmの範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の低吸着シーラント基材。
  4. 前記熱融着可能な熱可塑性樹脂層が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα・βポリエチレン、エチレン−α・β不飽和カルボン酸およびそのエステル化合物共重合体、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、アイオノマー(IO)もしくはそれらをベース樹脂としたエチレン系共重合体のいずれかからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の低吸着シーラント基材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の低吸着シーラント基材を包装材料に積層し、該低吸着シーラント基材に設けられた無機系蒸着薄膜層が最内層となるように成形してなることを特徴とする低吸着包装体。
  6. 前記低吸着包装体が、袋状に成形されたことを特徴とする請求項5記載の低吸着包装体。
  7. 前記低吸着包装体が、薬効成分もしくは香気成分を含有する食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等を包装することを特徴とする請求項5または6記載の低吸着包装体。
  8. 前記低吸着包装体のシール強度が、10〜60N/15mmの範囲であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の低吸着包体。
JP2003386271A 2003-11-17 2003-11-17 低吸着シーラント基材およびその基材を用いた低吸着包装体 Pending JP2005144879A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015193241A (ja) * 2014-03-28 2015-11-05 住友ベークライト株式会社 積層フィルムおよび包装体
KR20220072848A (ko) 2019-09-30 2022-06-02 니찌방 가부시기가이샤 포장재

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