JP2005142395A - 光源ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源ユニット20は、LD21が補助部材22と一体になってLDホルダ23の座ぐり部23bに隙間をもって落とし込まれ、止めネジ25によって止められた押さえ部材24の爪部24aで押圧されている。常温で組み付けた状態で保証限界の最低温度の雰囲気中に光源ユニットを放置する。収縮の差により座ぐり部23bと補助部材22の外形との間の隙間がなくなって心合わせが達成でき、常温に戻しても変わらない。
【選択図】図1
Description
同図において符号1は光源装置、2は光変調装置、5は偏向装置、7は面倒れ補正光学系、8は回転多面鏡、9はfθレンズ、10は被走査面をそれぞれ示す。
光源装置1から出た光束は、光変調装置2において画像情報によって変調され、偏向装置5によって向きを変えられ、回転多面鏡8により連続的に反射方向を変えられ、fθレンズ9で被走査面10上で等速走査される。被走査面10が紙面に垂直方向に走査されることによって、画像情報を読み取ったり、あるいは、画像情報に対応した潜像が形成される。このような装置は複写機、ファクシミリ、プリンタ、デジタルラボ等、画像形成装置に用いられる。光変調装置を用いず、被走査面からの反射光を受光することで読み取り装置として用いることもできる。
同図において符号11は半導体レーザ(以下LDと称す)、12はLDホルダ、13は断熱部材、14はコリメートレンズ、15はコリメートレンズセル、16はレンズセルホルダ、17はコンプレッサレンズ鏡胴、18は鏡胴ホルダ、Cはリング形状の補助部材、U1は第1ユニット、U2は第2ユニットをそれぞれ示す。
第1ユニットU1は、コリメートレンズ14を保持するコリメートレンズセル15がレンズセルホルダ16の片側からねじ込まれている。レンズセルホルダ16の他側には、断熱部材13を介してLDホルダ12が取り付けられている。LDホルダ12は中央部付近に座ぐり部を有する貫通穴12aが開いていて、その座ぐり部に落とし込んだ補助部材Cを介してLD11が取り付けられ、押さえ板12bで押しつけられて止められている。
一方、LDホルダ12は図示しないペルチエ素子等を接触させて冷却を行う。表1に各種材料の熱伝導率を示す。この表では純銅が極めて高い数値を示しているが、純銅は機械的強度に難があるためあまり使われない。
第2ユニットU2はコンプレッサレンズ鏡胴17が鏡胴ホルダ18に載せられ、図示しない保持部材で固定されている。
第1ユニットU1と第2ユニットU2は、コリメートレンズセル15の一部とレンズセルホルダ16の一部を鏡胴ホルダ18にはめ込むように合わせて図示しないネジ等で固定されて光源装置1が完成する。
同図において符号Aは補助部材Cの移動方向を示す矢印を示す。
LD11は補助部材Cにほぼ嵌合ガタがゼロに近い状態に収まっているとする。LDホルダ12の穴12aに対し補助部材Cの大きさは余裕を持たせてある。
LDのはめ込まれた補助部材Cを、LDホルダ12の穴12aに組み付けて両者が同図(a)のように偏心した状態であったとする。それでも、コリメートレンズ14に対しLDホルダの位置を調整することによって光軸合わせはできる。
この状態で光軸合わせが完了した場合、装置が放置されているときに温度低下が生じたとする。クロム銅は線膨張係数がセラミックに比べてかなり大きいので、両者の収縮の度合いが大きく異なる。同図(b)において実線は収縮後の形状、一点鎖線および破線は組み付け時の穴12aと補助部材Cのそれぞれの位置を示す。すなわち、LDホルダ12の穴12aが収縮することによって補助部材Cに対して片当たりが生ずると、補助部材Cを矢印Aのように一方に押し、その結果、LD11を当初の位置からずらしてしまう。この心ずれは、装置が常温に戻っても解消されないので、光学系に対するLDの光軸がずれたままになってしまう。このような異常温度は、装置の保管中のみならず、輸送中などにも良く発生することである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のユニットの心ずれ防止方法において、前記所定の温度は、前記隙間が常温時より減少する方の温度変化であって、装置の保管中、あるいは輸送中に発生が予想される温度範囲の限界の温度をさらに超えた温度であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のユニットの心ずれ防止方法を適用するユニットにおいて、前記形状の他方がほぼ正多角形であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のユニットにおいて、第1の部材と第2の部材の接触面の摩擦抵抗力が、第2の部材と第3の部材との複数の接触部の摩擦抵抗力より小さくなるよう構成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、穴部とその周囲の座ぐり部が同心に形成された光源ホルダと、光源が取り付けられ、前記座ぐり部に少なくともその一部が常温において隙間をもって落とし込める嵌合部を有する補助部材と、前記光源ホルダに取り付けられ前記補助部材を複数の部位で押圧するばね性を有する押さえ板と、を有し、前記光源ホルダと前記補助部材が互いに線膨張係数が異なる組み合わせにになっており、前記座ぐり部の形状と、前記嵌合部の形状の、少なくとも一方の形状が円形である光源ユニットの心ずれ防止方法であって、該光源ユニットを組み上げられた状態において、該光源ユニットを所定の温度雰囲気中に置き、常温に戻してから光学系ユニットとの心合わせを行うことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の光源ユニットの心ずれ防止方法において、前記所定の温度は、前記隙間が常温時より減少する方の温度変化であって、装置の保管中、あるいは輸送中に発生が予想される温度範囲の限界の温度をさらに超えた温度であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の光源ユニットの心ずれ防止方法を適用する光源ユニットにおいて、前記形状の他方がほぼ正多角形であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の光源ユニットにおいて、前記複数の接触部における各摩擦抵抗力の合力がほぼ0になるよう構成されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれか1つに記載の光源ユニットにおいて、前記光源ホルダ、および、補助部材は比較的熱伝導率の高い材料からなることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項8ないし11のいずれか1つに記載の光源ユニットにおいて、前記補助部材は電気的絶縁性材料からなることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項11または12に記載の光源ユニットにおいて、前記光源ホルダの材料はクロム銅であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項11ないし13のいずれか1つに記載の光源ユニットにおいて、前記補助部材の材料はセラミックであることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項8ないし14に記載の光源ユニットを用いた光走査用の光源装置を特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の光源装置を用いた光走査装置を特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の光走査装置を用いる画像読み取り装置を特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項16に記載の光走査装置を用いる画像形成装置を特徴とする。
同図において符号20はLDユニット、21はLD、22は補助部材、23はLDホルダ、24は押さえ板、25は止めネジをそれぞれ示す。
LD21は補助部材22を介してLDホルダ23の貫通穴23aの周辺に設けられた座ぐり部23bに落とし込まれ、ばね性のある押さえ板24の爪部24aによって接触され押さえられて、止めネジ25によって止められる。押さえ板24は電気的に絶縁性の部材で形成するか、または、爪部24aとLD21との間の接触部に図示しない絶縁性部材を介しておく。この絶縁性部材を後述の摩擦抵抗力を発生させる用途に兼用してもよい。
LD21と補助部材22はほぼ隙間のない状態で嵌合しており、以後の説明では両者は一体として扱う。
補助部材22の外周と座ぐり部23bの内周の間は常温において若干の隙間が生ずるような大きさにそれぞれが構成されている。
補助部材22と座ぐり部23bの底面との接触部は特に摩擦抵抗が小さくなるように構成されている。摩擦抵抗を小さくする方法として、接触面積を小さくすることと、摩擦抵抗を小さくするための表面処理をすることが挙げられるが、両者を併用すればなお効果が大きくなる。
逆に、LD21と押さえ板24との間は摩擦抵抗が大きくなるよう構成されている。
クロム銅は線膨張係数が非常に大きい(例えば16.7×10−6/°C)のに対し、セラミックの線膨張係数はそれほど大きくない(例えば4.4×10−6/°C)ので、温度変化が生ずると補助部材22とLDホルダ23の間の隙間の大きさが変化する。
LDユニット20を組み上げるに当たって、LD21のLDホルダ23に対する位置、すなわち、貫通穴23aとの同心度については全く気にしないで構わない。
LDユニット20が完成したら、次の工程として断熱材を介してレンズセルホルダに取り付け、コリメートレンズとの心合わせ等を行うのであるが、本発明ではその前にLD21と貫通穴23aとの心ずれ防止工程を入れる。
LDホルダ23は低温において大きく収縮する。もちろん、補助部材22も収縮はするが、その程度は前者に比べてかなり小さい。両者の収縮量の差によって、座ぐり部23bと補助部材22の間の隙間は減少する。この隙間が上記最低の温度においても0にならないように、常温における隙間の大きさが決定されている。詳細な計算は省略するが、常温を25°Cとして、上記の数値例を直径11mmの座ぐり穴に適用すると、常温における隙間は直径差で約8μm以上あればよい。実際の設計ではこの値を10〜30μm程度になるようにしている。
補助部材22の中心が偶然最初から座ぐり部23bの中心とほぼ一致していた場合は、座ぐり部23bの内周が補助部材22の外周に接触しないこともある。そうでない場合は、LDユニット20全体が周囲温度にほぼ等しくなった時点で、補助部材22の外周のどこか一点と座ぐり部23bの内周の一点が接触した状態となる。ただし、後述のように一方が正多角形の場合は2点で接触することもあり得る。
補助部材22やLDホルダ23が前記最低温度から上昇すると、両者の間には再び隙間が広がるようになる。このとき、補助部材22とLDホルダ23の接触面は、両者が同心でないとき偏りが生ずるため、構成次第では両者の接触面周方向において均一にならない場合がある。その場合は、接触面に摩擦抵抗力がある限り、面積の大きい方が摩擦力は大きくなり、既に寄っている方へさらに寄る力が働く。
温度低下のときは座ぐり部23bの内周からLD21へ中心方向に向かう強制力が働いたため、爪部24aの摩擦抵抗力に抗してLD21の移動が生じたが、常温に戻るときときはそれに匹敵するような強制力が働かない。LD21と爪部24aとの間の摩擦抵抗力は補助部材22とLDホルダ23の接触面における摩擦抵抗より大きい。したがって、LD21は爪部24aとの相対移動ができなくなる。
補助部材22が座ぐり部23bと接触する面の内径が、温度変化や組み付けの位置ずれにも拘わらず常に座ぐり部23bの内径、すなわち、穴部23aの穴径、にかからない程度に大きい場合、補助部材22と座ぐり部23bの底面との接触部は、補助部材22の全面が接触するため常に円周方向において均一である。この場合は温度変化における上記接触部における摩擦力は半径方向に置いてほぼ均等に働くのでその合力はほぼ0となる。したがって、押さえ板24の爪部24aにおける摩擦抵抗力は互いに均等でさえあれば、その大きさを特定する必要がなくなる。
このような構成では、押さえ板24がLDホルダ23に取り付けられると、温度変化が生じても、円板の中心と貫通穴23aの中心は常に一致した状態となる。これは、両者の線膨張係数が一致していない場合でも同じである。ただし、両者の線膨張係数が著しく異なると、温度変化によって止めネジ部分に大きなストレスがかかって好ましくないので、なるべく両者の線膨張係数は近い値のものを選ぶとよい。
また、止めネジ25と爪部24aとが、円周方向の廻りに対して位相が一致するように示しているが、必ずしもこれに限定するものではない。例えば両者を60°の位相ずれをもって構成しても効果は全く同じである。
一旦本工程を経たLDユニットは、次の工程でコリメートレンズとの心合わせ等を行った後も、温度変化に対し光軸ずれを生ずることがない。
ただし、LDホルダ23よりも補助部材22の方が線膨張係数が大きい場合、例えば、LDホルダをセラミック材で形成し、補助部材をクロム銅で形成したような場合は、両者の心ずれ防止のための雰囲気を常温よりも高温側に設定することになる。
光源としてLDの場合で説明してきたが、形状が類似であればLDに限らない。例えばLEDであっても本発明は適用できる。この場合、上記説明中のLDはすべてLED、もしくは一般に光源と置き換えて解釈すればよい。
さらに言えば、本発明は、円形穴部(座ぐり部を含む)を有する第1の部材と、該穴部に嵌め込める円形の外形を少なくとも一部に有する第2の部材とのあいだで、両部材の線膨張係数が異なる場合のユニットにおける心合わせ一般に適用することができる。この場合の第2の部材は、LDユニットにおけるLDが嵌合した補助部材に相当する。
21 LD
22 補助部材
23 LDホルダ
24 押さえ板
Claims (18)
- 穴部を有する第1の部材と、前記穴部に少なくともその一部が常温において隙間をもって落とし込める嵌合部を有する第2の部材と、第1の部材に取り付けられ第2の部材を複数の部位で押圧するばね性を有する第3の部材と、を有し、第1と第2の部材が互いに線膨張係数が異なる組み合わせになっており、前記穴部の形状と、前記嵌合部の形状の、少なくとも一方の形状が円形であるユニットの心ずれ防止方法であって、該ユニットを組み上げられた状態において、該ユニットを所定の温度の雰囲気中に置き、常温に戻してから他のユニットとの心合わせを行うことを特徴とするユニットの心ずれ防止方法。
- 請求項1に記載のユニットの心ずれ防止方法において、前記所定の温度は、前記隙間が常温時より減少する方の温度変化であって、装置の保管中、あるいは輸送中に発生が予想される温度範囲の限界の温度をさらに超えた温度であることを特徴とするユニットの心ずれ防止方法。
- 請求項1または2に記載のユニットの心ずれ防止方法を適用するユニットにおいて、前記形状の他方がほぼ正多角形であることを特徴とするユニット。
- 請求項3に記載のユニットにおいて、第1の部材と第2の部材の接触面の摩擦抵抗力が、第2の部材と第3の部材との複数の接触部の摩擦抵抗力より小さくなるよう構成されていることを特徴とするユニット。
- 請求項4に記載のユニットにおいて、前記複数の接触部における各摩擦抵抗力の合力がほぼ0になるよう構成されていることを特徴とするユニット。
- 穴部とその周囲の座ぐり部が同心に形成された光源ホルダと、光源が取り付けられ、前記座ぐり部に少なくともその一部が常温において隙間をもって落とし込める嵌合部を有する補助部材と、前記光源ホルダに取り付けられ前記補助部材を複数の部位で押圧するばね性を有する押さえ板と、を有し、前記光源ホルダと前記補助部材が互いに線膨張係数が異なる組み合わせにになっており、前記座ぐり部の形状と、前記嵌合部の形状の、少なくとも一方の形状が円形である光源ユニットの心ずれ防止方法であって、該光源ユニットを組み上げられた状態において、該光源ユニットを所定の温度雰囲気中に置き、常温に戻してから光学系ユニットとの心合わせを行うことを特徴とする光源ユニットの心ずれ防止方法。
- 請求項6に記載の光源ユニットの心ずれ防止方法において、前記所定の温度は、前記隙間が常温時より減少する方の温度変化であって、装置の保管中、あるいは輸送中に発生が予想される温度範囲の限界の温度をさらに超えた温度であることを特徴とする光源ユニットの心ずれ防止方法。
- 請求項6または7に記載の光源ユニットの心ずれ防止方法を適用する光源ユニットにおいて、前記形状の他方がほぼ正多角形であることを特徴とする光源ユニット。
- 請求項8に記載の光源ユニットにおいて、前記光源ホルダと前記補助部材の接触面の摩擦抵抗力が、前記補助部材と前記押さえ板との複数の接触部の摩擦抵抗力より小さくなるよう構成されていることを特徴とする光源ユニット。
- 請求項9に記載の光源ユニットにおいて、前記複数の接触部における各摩擦抵抗力の合力がほぼ0になるよう構成されていることを特徴とする光源ユニット。
- 請求項8ないし10のいずれか1つに記載の光源ユニットにおいて、前記光源ホルダ、および、補助部材は比較的熱伝導率の高い材料からなることを特徴とする光源ユニット。
- 請求項8ないし11のいずれか1つに記載の光源ユニットにおいて、前記補助部材は電気的絶縁性材料からなることを特徴とする光源ユニット。
- 請求項11または12に記載の光源ユニットにおいて、前記光源ホルダの材料はクロム銅であることを特徴とする光源ユニット。
- 請求項11ないし13のいずれか1つに記載の光源ユニットにおいて、前記補助部材の材料はセラミックであることを特徴とする光源ユニット。
- 請求項8ないし14に記載の光源ユニットを用いたことを特徴とする光走査用の光源装置。
- 請求項15に記載の光源装置を用いたことを特徴とする光走査装置。
- 請求項16に記載の光走査装置を用いたことを特徴とする画像読み取り装置。
- 請求項16に記載の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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