JP2005140394A - ヒートポンプ給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機の使用範囲を超えることなく安全に運転を継続させる。
【解決手段】圧縮機11、給湯用熱交換器12、風呂用熱交換器13、膨張弁14、及び蒸発器15を配管で接続したヒートポンプサイクル10を備え、圧縮機11の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段である吐出圧力センサ18Aを設け、吐出圧力検出手段である吐出圧力センサ18Aで検出した吐出圧力の状態と給湯負荷により圧縮機11の運転周波数を決定しているので、吐出圧力が圧縮機の使用範囲を超えることなく安全に運転を継続させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機、給湯用熱交換器、風呂用熱交換器、膨張弁、及び蒸発器を配管で接続したヒートポンプサイクルを備え、給湯用熱交換器で加熱したお湯をそのまま出湯する、瞬間湯沸かし型の機能を備えたヒートポンプ給湯装置に関するものである。
従来から、種々のヒートポンプサイクルを利用した給湯装置が提案されている。この装置における給湯温度の制御方法として、給湯量が増加すると給湯温度が下がるとインバータの運転周波数を上昇させ、給湯量が減少すると給湯温度が上がるとインバータの運転周波数を下降させることにより、給湯温度を常時設定値範囲内に保持する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
図6は特許文献1に記載された従来のヒートポンプ給湯装置の構成を示す配管ブロック図である。図6において、従来のヒートポンプ給湯装置は、圧縮機1と、利用側熱交換器2と、同一次側配管2aと、同二次側配管2bと、膨張弁3と、熱源側熱交換器4と、制御回路5と、給湯蛇口6と、温度センサ7と、インバータ8とから構成されている。
冷媒回路は圧縮機1より利用側熱交換器2の一次側配管2aと膨張弁3と熱源側熱交換器4とを経て、圧縮機1に戻る循環経路により形成されている。一方、給水回路は給水管より利用側熱交換器2の二次側配管2bを経て、給湯蛇口6に至る経路により形成されている。7は給湯蛇口6近傍の給湯温度を検出する温度センサで、定期的に給湯温度を検出して情報を制御回路5に送っている。圧縮機1を制御するインバータ8で、制御回路5の信号により出力周波数を変えて、利用側熱交換器2の温度を制御している。制御回路5は温度センサ7により検出された給湯蛇口6近傍の出湯温度と設定温度とを比較し、出湯温度が低い場合はインバータ8の出力周波数を上昇方向に操作して圧縮機1の回転数を上げて出湯温度が高い場合は、インバータ8の出力周波数を下降方向に操作して圧縮機1の回転数を下げる制御を行っている。
特開平2−223767号公報
しかしながら、前記従来の構成では、使用者が蛇口を操作することにより、給湯量の変化が起こった場合、出湯温度を検知してインバータの運転周波数の制御を行っているが、給湯温度の追従性が悪く設定値範囲内を広くしないと設定値範囲内に保持できなかったり、特に給湯量が急激に減少した場合圧縮機の吐出圧力が急激に上昇し使用圧力範囲内での運転が困難となり、圧縮機の信頼性を確保することが困難となる。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、ヒートポンプサイクルを利用した瞬間湯沸かし型の給湯装置であって、圧縮機の吐出圧力の状態と給湯負荷により圧縮機の運転周波数を制御しているため、圧縮機の使用範囲外の圧力を超えることなく安全に運転を継続させることを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のヒートポンプ給湯装置は、吐出圧力の状態と給湯負荷によって圧縮機の運転周波数を決定している。
これによって、使用者が給湯中に蛇口を絞り急激に給湯量が減少したり、蛇口を閉じた場合でも、給湯負荷に加え、吐出圧力の状態を検知し圧縮機の運転周波数を決定しているので、吐出圧力が圧縮機の使用範囲を超えることなく安全に運転を継続させることができる。
本発明のヒートポンプ給湯装置は、負荷変動がおこった場合でも圧縮機の使用範囲を超えることなく安全に運転を継続させることができる。
第1の発明は、圧縮機、給湯用熱交換器、膨張弁、及び蒸発器を配管で接続したヒートポンプサイクルを備え、前記ヒートポンプサイクルの冷媒状態と給湯負荷により前記圧縮機の運転周波数を決定する。
従って、使用者が給湯中に蛇口を絞り急激に給湯量が減少したり、蛇口を閉じた場合でも、給湯負荷に加え、ヒートポンプサイクルの冷媒状態を検知し圧縮機の運転周波数を決定しているので、ヒートポンプサイクルの状態が圧縮機の使用範囲を超えることなく安全に運転を継続させることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明のヒートポンプ給湯装置に風呂用熱交換器を備えた。
従って、風呂にも注湯できる。
第3の発明は、圧縮機、給湯用熱交換器、風呂用熱交換器、膨張弁、及び蒸発器を配管で接続したヒートポンプサイクルを備え、前記ヒートポンプサイクルの冷媒状態と風呂負荷により前記圧縮機の運転周波数を決定する。
従って、使用者が風呂に注湯中に蛇口を絞り急激に注湯量が減少したり、蛇口を閉じた場合でも、風呂負荷に加え、ヒートポンプサイクルの冷媒状態を検知し圧縮機の運転周波数を決定しているので、ヒートポンプサイクルの状態が圧縮機の使用範囲を超えることなく安全に運転を継続させることができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明において、前記ヒートポンプサイクルの冷媒状態として、前記圧縮機の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段を設け、前記吐出圧力検出手段で検出した圧力が予め決定した吐出圧力以上の場合、前記吐出圧力検出手段で検出した吐出圧力の状態と給湯負荷または、風呂負荷により前記圧縮機の運転周波数を決定する。
従って、吐出圧力が一定値を超えた場合、吐出圧力を下げるべく運転周波数を下げるので、吐出圧力のオーバーシュートを抑制できる。
第5の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明において、前記ヒートポンプサイクルの冷媒状態として、前記圧縮機の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段を設け、前記吐出圧力検出手段で検出した圧力が予め決定した吐出圧力との偏差と給湯負荷または、風呂負荷により圧縮機の運転周波数を決定する。
従って、偏差が大きい場合は操作量を大きく、偏差が小さい場合は操作量を小さく制御し、吐出圧力のオーバーシュートを抑制でき、安定した温度での給湯または、注湯ができる。
第6の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明において、前記ヒートポンプサイクルの冷媒状態として、前記圧縮機の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段を設け、前記吐出圧力検出手段で検出した圧力が予め決定した吐出圧力との偏差と吐出圧力の変化量と給湯負荷または、風呂負荷により圧縮機の運転周波数を決定する。
従って、吐出圧力の偏差と変化量により操作量を細かく決定し制御しているため、吐出圧力のオーバーシュートをさらに抑制でき、さらに安定した温度での給湯または、注湯ができる。
第7の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明において、前記ヒートポンプサイクルの冷媒状態として、前記蒸発器の入口の温度を検出する蒸発器入口温度検出手段と、前記圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度検出手段を設け、前記蒸発器入口温度検出手段で検出した蒸発器入口温度と前記吐出温度検出手段で検出した吐出温度により吐出圧力を推定する。
従って、安価な仕様で、吐出圧力を検出できる。
第8の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明において、前記ヒートポンプサイクルの冷媒状態として、前記蒸発器の入口の温度を検出する蒸発器入口温度検出手段と、前記蒸発器の出口の温度を検出する蒸発器出口温度検出手段と、前記圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度検出手段を設け、前記蒸発器入口温度検出手段で検出した蒸発器入口温度と、前記蒸発器出口温度検出手段で検出した蒸発器出口温度と、前記吐出温度検出手段で検出した吐出温度により吐出圧力を推定する。
従って、安価な仕様で、吐出圧力を精度良く検出できる。
第9の本発明は、特に、第1〜8のいずれか一つの発明において、ヒートポンプサイクルを複数備えている。
従って、出湯流量に応じてヒートポンプサイクルの運転台数を切り換え、幅広い能力において効率の良い運転が可能となる。
第10の本発明は、特に、第1〜9のいずれか一つの発明において、ヒートポンプサイクルに用いる冷媒を二酸化炭素とし、高圧側では臨界圧を越える状態で運転している。
従って、高温の湯を生成することができ、また貯湯タンクを併用する場合には高温の湯を貯湯できるので貯湯タンクを小型化できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯装置の回路構成図である。図2は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯装置の圧縮機制御のフローチャートである。
図1において、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯装置の冷凍回路について説明する。
ヒートポンプサイクル10は、圧縮機11、給湯用熱交換器12、風呂用熱交換器13、膨張弁14、及び蒸発器15を順に配管で接続して構成されている。また、ヒートポンプサイクル10は、給湯用熱交換器12をバイパスするバイパス回路16を備え、このバイパス回路16には制御弁17を設けている。また、ヒートポンプサイクル10には、圧縮機11からの吐出冷媒圧力を検出する吐出圧力センサ18Aを備えている。さらにヒートポンプサイクル10に対応する蒸発器15に送風するためのファン19を設けている。また、吐出温度センサ18B、蒸発器入口温度センサ18C、蒸発器出口温度センサ18D、外気温センサ20を設置している。
本実施例によるヒートポンプ給湯装置は、二酸化炭素を冷媒として用い、高圧側では臨界圧を越える状態で運転することが好ましい。
次に、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯装置の出湯回路について説明する。
給湯用熱交換器12の水用配管12Aの流入側は、流量調整弁21、減圧弁22、及び逆止弁23を介して水道管等の水供給配管24に接続されている。水用配管12Aの流出側は、逆止弁25、第一混合弁26、及び第二混合弁27を介してキッチン、又は洗面所等の給湯用の蛇口28に接続されている。この出湯回路には、キッチン、又は洗面所等の給湯用の蛇口28の流量を検出する流量センサ29を備えている。
次に、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯装置の貯湯回路について説明する。
貯湯タンク30の底部配管32は、逆止弁31、減圧弁22、及び流量調整弁21を介して水道管等の水供給配管24に接続されている。この底部配管32は、循環ポンプ33を介して水用配管12Aの流入側と接続されている。また、貯湯タンク30の上部循環用配管34は、制御弁35を介して水用配管12Aの流出側と接続されている。なお、本発明の実施例による貯湯タンク30は、積層式の貯湯タンクであり、タンク内での撹拌が防止され、上部に高温水が底部に低温水が蓄積されるように構成されている。
一方、貯湯タンク30の上部出湯用配管41は、第一混合弁26に接続されている。また、貯湯タンク30の底部配管32から分岐させた出水用配管42は、逆止弁43を介して第二混合弁27に接続されている。
次に、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯装置の浴槽加熱回路について説明する。
風呂用熱交換器13の水用配管13Aは、循環ポンプ51を備えた浴槽用循環配管52と接続されている。この浴槽用循環配管52は、水用配管13Aをバイパスするバイパス配管53と、水用配管13Aとバイパス配管53とを切り換える三方弁54とを備えている。
なお、浴槽50への注湯は、第二混合弁26の下流側配管に接続した注湯用配管61を用いて行うことができる。この注湯用配管61は、浴槽用循環配管52に接続している。注湯用配管61には、注湯弁62が設けられている。
リモコン71は、蛇口28からの出湯温度の指示や、浴槽50の沸き上げ温度及び沸き上げ開始などを指示し、このリモコン71からの指示に基づいてヒートポンプサイクル10とを制御手段72にて制御する。なお各種のセンサの検出値はこの制御手段72に入力される。
次に、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯装置の給湯運転動作について説明する。蛇口28の開放を流量センサ29にて検知すると、ヒートポンプサイクル10が運転を開始する。
圧縮機11で圧縮された冷媒は、給湯用熱交換器12で放熱し、風呂用熱交換器13を通り、膨張弁14で減圧された後、蒸発器15にて吸熱し、ガス状態で圧縮機11に吸入される。このとき、制御弁17は閉状態で、バイパス回路16には冷媒は流れない。
水供給配管24から供給される水は、流量調整弁21、減圧弁22、及び逆止弁23を順に通り、分岐して、給湯用熱交換器12の水用配管12Aに導かれる。水用配管12Aで加熱された温水は、逆止弁25、第一混合弁26、及び第二混合弁27を順に通り蛇口28に導かれる。
なお、ヒートポンプサイクル10で能力制御を行っても、給湯用熱交換器12からの水温が設定温度よりも高い場合には、出水用配管42から第二混合弁27に冷水を導入し、第二混合弁27での出口温度が設定温度となるように制御する。
また、ヒートポンプサイクル10で能力制御を行っても、給湯用熱交換器12からの水温が設定温度よりも低い場合には、貯湯タンク30から第一混合弁26に温水を導入し、第一混合弁26での出口温度が設定温度となるように制御する。さらに第一混合弁26での出口温度が設定温度よりも低い場合は、通常全開状態の流量調整弁21の開度を小さくし、蛇口28からの出湯流量を少なくして第一混合弁26での出口温度が設定温度となるように制御する。
次に、本発明の第1の形態におけるヒートポンプ給湯装置の圧縮機制御に関して図2のフローチャートで説明する。
まず、蛇口28の開放を流量センサ29にて検知すると、圧縮機11がスタートする(ステップ1)。
次に、吐出圧力センサ18Aで圧縮機11からの吐出冷媒圧力を検出する。また、リモコン71の設定温度と入水温度(図示せず)および流量センサ29より給湯負荷が算出される(ステップ2)。
次に、吐出圧力センサ18Aで圧縮機11からの吐出冷媒圧力を検出し、吐出圧力が第1の吐出圧力以上であるか判断される(ステップ3)。ここでは、急激な給湯量の減少が起こった場合、吐出圧力の急激な上昇が見られることに注目し、急激な給湯量の減少が起こっていないかを判断している。この第1の吐出圧力は、(表1)に示すように外気温によって決定されており、例えば45℃の給湯温度を得るための吐出圧力より1MPa高い圧力に設定されている。
Figure 2005140394
吐出圧力が第1の吐出圧力以上である場合、先程検出した吐出圧力が第2の吐出圧力以上であるか判断される(ステップ4)。ここでは、先程同様、急激な給湯量の減少が起こっていないかを判断している。この第2の吐出圧力は、(表2)に示すように外気温によって決定されており、例えば45℃の給湯温度を得るための吐出圧力より1.5MPa高い圧力に設定されている。
給湯量が極端に減少した場合、給湯用熱交換器12の水用配管12Aを流れる水量も極端に減少し、給湯負荷も減少するため、圧縮機11の運転周波数は給湯負荷に見合った運転周波数に下げられるが、運転周波数が下がる操作量が小さく、過渡的に圧縮機11の運転周波数に比べ、給湯負荷の方が小さくなり吐出圧力が上昇し、運転効率が悪くなり、最悪の場合圧縮機の使用圧力範囲外になる。
Figure 2005140394
吐出圧力が第2の吐出圧力以上である場合、吐出圧力が適正圧力でないと判断される。圧縮機の運転周波数は、吐出圧力を適正値に速く到達させるために、検出した吐出圧力と第3の吐出圧力との偏差および吐出圧力の変化量によって決定される(ステップ5)。この第3の吐出圧力は、(表3)に示すように外気温によって決定されており、例えば45℃の給湯温度を得るための吐出圧力より0.5MPa高い圧力に設定されている。
Figure 2005140394
ステップ4で吐出圧力が第2の吐出圧力以上でない場合、吐出圧力の変化量が正であるか判断される(ステップ6)。吐出圧力の変化量が正である場合、吐出圧力が第2の吐出圧力以上になる可能性があり、吐出圧力を適正値に速く到達させる必要がある。そこで、検出した吐出圧力と第3の吐出圧力との偏差および吐出圧力の変化量によって決定された運転周波数Aと給湯負荷から算出された運転周波数Bが算出される。最終的には、圧縮機の運転周波数は、運転周波数Aと運転周波数Bに重み付けされ、決定される(ステップ7)。
この場合、吐出圧力が上昇傾向にあるため、吐出圧力による運転周波数Aに重きを置き、例えば0.7とし、運転周波数Bの重みは0.3とする。
ステップ6で、吐出圧力の変化量が正でない場合、吐出圧力が第2の吐出圧力以上になる可能性が小さく、安定した給湯温度で給湯するために、ステップ7同様に、検出した吐出圧力と第3の吐出圧力との偏差および吐出圧力の変化量によって決定された運転周波数Aと給湯負荷から算出された運転周波数Bが算出する。圧縮機の運転周波数は、運転周波数Aと運転周波数Bに重み付けされる(ステップ8)。
この場合、吐出圧力が下降傾向にあるため、給湯負荷による運転周波数Bに重きを置き、例えば0.7とし、運転周波数Aの重みは0.3とする。
ステップ3で吐出圧力が第2の吐出圧力以上でない場合、安定した給湯温度で給湯するために、圧縮機の運転周波数は、給湯負荷から算出される(ステップ9)。
以上のように本実施例のヒートポンプ給湯装置は、吐出圧力センサ18で圧縮機11からの吐出冷媒圧力を検出し、使用者が蛇口28を操作することにより急激な給湯量の減少が起こった場合、吐出圧力の急激な上昇が起こることに注目し、この場合吐出圧力の状態を検知し圧縮機の運転周波数を決定しているので、吐出圧力が圧縮機の使用範囲を超えることなく安全に運転を継続させることができる。さらに、吐出圧力のオーバーシュートを抑制でき、安定した給湯温度での給湯ができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯装置の吐出圧力の一例を示すタイムチャートである。
蛇口28の開放を流量センサ29にて検知すると、圧縮機11がスタートと、吐出圧力は上昇し、時間t1でほぼ安定する。この場合、圧縮機の運転周波数は、給湯負荷により決定されている。
時間t2で負荷変動があり、例えば使用者が給湯中に蛇口を絞り急激に給湯量が減少した場合である。この場合、圧縮機の運転周波数は、給湯負荷により決定されているため、運転周波数の操作量が少ないため吐出圧力は上昇し、予め決定しておいた第1の吐出圧力を超える(時間t3)。
時間t3以降は、吐出圧力が予め決定しておいた第1の吐出圧力を超えたため、圧縮機の運転周波数は、吐出圧力の状態を加味して決定される。そこで、吐出圧力の偏差と変化量から決定された運転周波数Aと給湯負荷から決定された運転周波数Bの両方を算出する。次に、例えば、運転周波数Aの重みを0.7、運転周波数Bの重みを0.3とし、最終の運転周波数が決定される。吐出圧力の状態を加味することで、運転周波数の操作量を大きくし、吐出圧力の上昇は緩和されたが、予め決定しておいた第2の吐出圧力を超える(時間t4)。
時間t4以降は、吐出圧力が上昇し、効率の悪いサイクルになったため、吐出圧力により運転周波数を決定するモードに切り換えられ、吐出圧力は下降し始め、予め決定しておいた第2の吐出圧力を下がる(時間t5)。
時間t5以降は、吐出圧力が下降し、効率の悪いサイクル状態も解消され始め、安定した給湯温度での給湯をするため、例えば、運転周波数Aの重みを0.3、運転周波数Bの重みを0.7とし、最終の運転周波数が決定される。ここで、吐出圧力は、予め決定しておいた第1の吐出圧力を下がる(時間t6)。
時間t6以降は、安定した給湯温度での給湯するため、圧縮機の運転周波数は、給湯負荷により決定されている。
負荷変動の大きさによっては、第1の吐出圧力を超えた後、第2の吐出圧力値を超えずに第1の吐出圧力以下になる場合もある。この場合は、先程説明した時間t4以降の動作、及び、時間t5以降の動作は無くなり、時間t6以降に移る。また、時間t4以降の動作で吐出圧力が下がらない場合も考えられ、この場合は、圧縮機の運転を停止する措置がとられる。
図4は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯装置の吐出圧力の推定方法の一実施例を示す図である。
図4のモリエル線図において、本ヒートポンプサイクルの圧縮機の吸入をA、圧縮機の吐出をB、風呂用熱交換器の出口をC、蒸発器の入口をDとする。
ここで、吐出温度センサ18Bにより圧縮機の吐出温度Bと、蒸発器入口温度センサ18Cにより蒸発器の入口温度Dの2点が検出される場合の推定方法について説明する。
蒸発器入口温度センサ18Cにより蒸発器の入口温度Dが検出されると、飽和ガス温度D’が求められる。この飽和ガス状態D’で圧縮機に吸入され、等エントロピー変化で圧縮されたと仮定し、吐出温度センサ18Bで検出された圧縮機の吐出温度Bとの交点がB’で示される。この点B’の圧力PB’は、実際の圧力PBより△P高く求められる。そこで、例えば、圧力PB’は、(表4)で、△Pは(表5)に示すように決定されている。従って、実際の圧力PBは、(数1)に示されるように計算される。この△Pを圧縮機の特性または、実験的に求めておくことにより温度センサ2個という安価な仕様で、B点での吐出圧力を推定できる。
なお、この推定方法で推定した吐出圧力を用い、請求項4〜6に示す制御と組み合わせてもよい。
Figure 2005140394
Figure 2005140394
Figure 2005140394
図5は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯装置の吐出圧力の推定方法の他の実施例を示す図である。
図5のモリエル線図において、本ヒートポンプサイクルの圧縮機の吸入をA、圧縮機の吐出をB、風呂用熱交換器の出口をC、蒸発器の入口をD、蒸発器の出口をEとする。
ここで、吐出温度センサ18Bにより圧縮機の吐出温度Bと、蒸発器入口温度センサ18Cにより蒸発器の入口温度Dと、蒸発器出口温度センサ18Dにより蒸発器の出口温度Eの3点が検出される場合の推定方法について説明する。
蒸発器入口温度センサ18Cにより蒸発器の入口温度Dと蒸発器出口温度センサ18Dにより蒸発器の出口温度Eが検出されると、蒸発器内の圧力損失が無いと仮定した場合、蒸発器の出口温度Eが求められる。この状態で圧縮機に吸入され、等エントロピー変化で圧縮されたと仮定し、吐出温度センサ18Bで検出された圧縮機の吐出温度Bとの交点がB’’で示される。この点B’’の圧力PB’’は、実際の圧力PBより△P’高く求められる。例えば、圧力PB’’は、(表6)で、△P’は(表7)に示すように決定されている。従って、実際の圧力PBは、(数2)に示されるように計算される。この△P’を圧縮機の特性または、実験的に求めておくことにより温度センサ3個という安価な仕様で、B点での吐出圧力を推定できる。
なお、この推定方法で推定した吐出圧力を用い、請求項4〜6に示す制御と組み合わせてもよい。
Figure 2005140394
Figure 2005140394
Figure 2005140394
なお、本実施の形態では、給湯時の制御で説明したが、風呂への注湯時の制御も同様である。
また、本実施の形態では冷媒として二酸化炭素を用いた場合で説明したが、冷媒としてR410A冷媒やHC冷媒などのその他の冷媒を用いてもよい。
また、本実施の形態では、ヒートポンプサイクル10を備えたヒートポンプ給湯装置を用いて説明したが、2つ以上のヒートポンプサイクルを用いてもよい。
また、ヒートポンプサイクル10の風呂用熱交換器13を、例えば床暖房や温風機器などの暖房用熱交換器として利用することもできる。
以上のように、本発明にかかるヒートポンプ給湯装置は、使用者が給湯中に蛇口を絞り急激に給湯量が減少したり、蛇口を閉じた場合でも、給湯負荷に加え、吐出圧力の状態を検知し圧縮機の運転周波数を決定しているので、吐出圧力が圧縮機の使用範囲を超えることなく安全に運転を継続させることができるので、温水を用いた暖房等の安全性改善の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるヒートポンプ給湯装置の構成を示す図 本発明の実施の形態1におけるヒートポンプ給湯装置の圧縮機制御のフローチャート 本発明の実施の形態1におけるヒートポンプ給湯装置の吐出圧力の一例を示すタイムチャート 本発明の実施の形態1におけるヒートポンプ給湯装置の吐出圧力の推定方法の一実施例を示す図 本発明の実施の形態1におけるヒートポンプ給湯装置の吐出圧力の推定方法の他の実施例を示す図 従来のヒートポンプ給湯装置の構成を示す図
符号の説明
10 ヒートポンプサイクル
11 圧縮機
12 給湯用熱交換器
13 風呂用熱交換器
14 膨張弁
15 蒸発器
18A 吐出圧力センサ

Claims (10)

  1. 圧縮機と給湯用熱交換器と膨張弁と蒸発器を配管で接続したヒートポンプサイクルを備え、前記ヒートポンプサイクルの冷媒状態と給湯負荷により前記圧縮機の運転周波数を決定することを特徴とするヒートポンプ給湯装置。
  2. ヒートポンプサイクルに風呂用熱交換器を備えたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ給湯装置。
  3. 圧縮機と給湯用熱交換器と風呂用熱交換器と膨張弁と蒸発器を配管で接続したヒートポンプサイクルを備え、前記ヒートポンプサイクルの冷媒状態と風呂負荷により前記圧縮機の運転周波数を決定することを特徴とするヒートポンプ給湯装置。
  4. ヒートポンプサイクルの冷媒状態は、圧縮機の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段を設け、前記吐出圧力検出手段で検出した圧力が予め決定した吐出圧力以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  5. ヒートポンプサイクルの冷媒状態は、圧縮機の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段を設け、前記吐出圧力検出手段で検出した圧力が予め決定した吐出圧力との偏差であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  6. ヒートポンプサイクルの冷媒状態は、圧縮機の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段を設け、前記吐出圧力検出手段で検出した圧力が予め決定した吐出圧力との偏差と吐出圧力の変化量であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  7. ヒートポンプサイクルの冷媒状態は、蒸発器の入口の温度を検出する蒸発器入口温度検出手段と、圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度検出手段を設け、前記蒸発器入口温度検出手段で検出した蒸発器入口温度と前記吐出温度検出手段で検出した吐出温度により吐出圧力を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  8. ヒートポンプサイクルの冷媒状態は、蒸発器の入口の温度を検出する蒸発器入口温度検出手段と、前記蒸発器の出口の温度を検出する蒸発器出口温度検出手段と、圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度検出手段を設け、前記蒸発器入口温度検出手段で検出した蒸発器入口温度と、前記蒸発器出口温度検出手段で検出した蒸発器出口温度と、前記吐出温度検出手段で検出した吐出温度により吐出圧力を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  9. ヒートポンプサイクルを複数備えた請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  10. ヒートポンプサイクルに用いる冷媒を二酸化炭素とし、高圧側では臨界圧を越える状態で運転する請求項1〜9のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
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