JP2005139954A - 遠心ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】
揚水量が少量であっても、流体の流れを円滑にして流体に遠心力を確実に付与し得るエネルギー効率の良い遠心ポンプを提供する。
【解決手段】 回転軸芯Xの周りに回転駆動される羽根車1と、羽根車1を収納する羽根車ケース2とを備え、羽根車ケース2のうち、回転軸芯Xの側には、流体を前記羽根車1に導く吸入口3を設け、回転軸芯Xに対して外方側には、羽根車1によって押し出された流体を羽根車1の回転方向に流動させる流路と、この流路の流体を吐出する吐出口5とを設けてある遠心ポンプPであって、羽根車1が、一定の断面形状および一定の断面積を有するトンネル状の羽根車流水路6を少なくとも一つ備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転軸芯の周りに回転駆動される羽根車と、当該羽根車を収納する羽根車ケースとを備え、前記羽根車ケースのうち、前記回転軸芯の側には、流体を前記羽根車に導く吸入口を設け、前記回転軸芯に対して外方側には、前記羽根車によって押し出された流体を前記羽根車の回転方向に流動させる流路と、当該流路の流体を吐出する吐出口とを設けてある遠心ポンプに関する。
従来から、各種の遠心ポンプが多くの給水装置等に用いられている。遠心ポンプに求められる条件は様々である。例えば、揚水量の多さであったり、消費電力の少なさであったり、外形サイズのコンパクト化などであったりする。
そのような中で、例えば、大きな揚程を確保しようとする遠心ポンプとして以下のようなものがある(特許文献1参照)。
当該文献によれば、例えば、羽根車の渦巻き流路内の流速が遅く、かつ羽根車の入口部において羽根角度と水の流入角度が大幅に異なる場合には、渦巻き流路の入口部で羽根の前縁から剥離が生じて渦流が発生し、流路の入口部が負圧となって、水中に溶解している空気が微小な気泡となり、これが入口部の低圧部から次第に増加して渦巻き流路の全体を塞ぎ、ポンプの吐出圧力が低下すると共に揚水不能になるという。
当該文献の遠心ポンプは、ポンプケーシングの内部に、前シュラウドおよび後シュラウドを有する羽根車を備えている。この羽根車には、周方向に沿って設けた複数の渦巻状羽根と、これら渦巻状羽根間に形成した複数の渦巻き流路を形成してある。特に、渦巻状羽根の回転方向の前面には、所定の長さに亘って突出部を設けてあり、渦巻き流路の面積を絞ってある。
このように、従来の遠心ポンプは、羽根車の羽根前面側に突出部を形成し、極小流量域で運転しても渦巻き流路の入口部において羽根角度と水の流入角度とを近似させて、羽根の前縁から剥離が発生するのを防止しようとするものであった。
特開平09−287593号公報(〔0010〕段落)
しかしながら、上記従来の遠心ポンプによれば、渦巻き流路の入口形状に工夫を施してはいるものの、流水の流れが円滑でないという不都合があった。例えば、渦巻き流路の外方部側ほど流路断面積が加速度的に増大しているものや、上記のごとく、突出部の終了位置近傍で渦巻き流路の断面積が急拡大しているものでは、渦巻き流路において水の流れに乱れが生じる。その結果、局所的に負圧部が生じて気泡が発生し、吐出圧力が低下したり騒音が増大することとなる。特に、揚水量が小さくなれば、このような流水の乱れの影響は大きく、吐出圧力が大幅に低下することとなる。
また、従来では、少揚水の用途に適したポンプの選択範囲が狭く、例えば、ギヤポンプやピストンポンプ等であって、過剰な揚水能力を備えたポンプを敢えて用いることがあった。これらのポンプは比較的大きな摩擦抵抗を有する等の問題も有する。このため、少ない量の揚水を行う際には、エネルギー効率の観点からみても十分な揚水作業が実現されていない。
このように、従来の遠心ポンプには、未だ改善すべき点があった。
本発明の遠心ポンプは、上記従来の遠心ポンプの欠点を解消し、特に、揚水量が少量であっても、流体の流れを円滑にして流体に遠心力を確実に付与し得るエネルギー効率の良い遠心ポンプを提供することを目的とする。
(特徴構成1)
上記目的を達成するための本発明に係る遠心ポンプは、回転軸芯の周りに回転駆動される羽根車と、当該羽根車を収納する羽根車ケースとを備え、前記羽根車ケースのうち、前記回転軸芯の側には、流体を前記羽根車に導く吸入口を設け、前記回転軸芯に対して外方側には、前記羽根車によって押し出された流体を前記羽根車の回転方向に流動させる流路と、当該流路の流体を吐出する吐出口とを設けたものであって、前記羽根車が、一定の断面形状および一定の断面積を有する羽根車流水路を少なくとも一つ備えた点に特徴を有する。
(作用効果)
このように、羽根車流水路の断面形状および断面積を一定にすることで、羽根車流水路の内部を流れる水に不要な抵抗が作用するのを防止することができる。例えば、断面積が急激に変化すると、そこでは必ず乱流が発生する。また、一般に用いられているような外周側に向かって断面積が漸増している羽根車の場合でも、流水速度が変化するためその速度の変化に伴って流水抵抗が増大することがある。
しかし、本構成のごとく、羽根車流水路の形状を、一定の断面形状および一定の断面積を有するものとすることで、上記のような流水状態が変化しにくく、流水抵抗の増大を少なくすることができる。
さらに、羽根車の回転速度を種々変化させて、揚水量を調節可能に構成しているような場合には、流水抵抗の変化を抑えることができ、ポンプの回転速度の調節範囲を広く確保することができる。よって、例えば、流体の揚水量が少ない場合でも、流体の排出速度を大きく確保することができる。
尚、上記羽根車流水路に形成した一定の断面形状および一定の断面積は、必ずしも前記羽根車流水路の全長に亘って形成しておく必要はない。例えば、前記羽根車流水路の中間部位に、羽根車流水路の半分の長さ程度に形成するものとし、前記羽根車流水路の入口近傍あるいは出口近傍において、流水路の形状等をある程度変更して、水の流入と排出とをより円滑にするように工夫することも本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、前記羽根車流水路の入口から出口までの任意の部位において流水路の一部の断面形状を変更することも、同様に本発明の技術的範囲に含む。
(特徴構成2)
本発明に係る遠心ポンプにおいては、前記羽根車流水路をトンネル状とし、当該羽根車流水路の断面形状を略円形に構成することができる。
(作用効果)
このように、羽根車流水路をトンネル状にすることで、羽根車を流通する水の通路を確定することができる。例えば、一般に良くみられる、所謂オープンタイプと呼ばれる羽根車では、羽根車とケーシングとの間に隙間が存在する。このため、この隙間に流れ出した水に対しては、有効な遠心力が付与されず、ポンプの揚水高さが低くなる要因となる。しかし、本構成のごとく、羽根車流水路をトンネル状にすることで、一旦、羽根車流水路に進入した水が上記のように漏れ出すことはない。よって、羽根車流水路内の水に対して確実に遠心力が付与され、ポンプの揚水高さを最大限確保することができる。
また、羽根車流水路の断面形状を円形にすることで、水を流す通路としての断面の外周長さが最も短いものとなる。例えば、同じ外周長さであれば、正方形よりも円形の方が断面積は大きくなる。よって、本構成であれば、水の流通抵抗が最小となり、ポンプ効率を高めることができる。
(特徴構成3)
本発明に係る遠心ポンプにおいては、前記羽根車ケースの外側に、前記吐出口から吐出された流体が流動する第2流路を設け、前記羽根車ケースの壁部のうち前記回転軸芯と交差する壁部に、前記流路と前記第2流路とを連通する連通路を設けることができる。
(作用効果)
通常の遠心ポンプでは、羽根車の外方に押し出された流体は、当該羽根車ケースの周壁に設けてある吐出口より吐き出され、羽根車ケースの外側に設けた第2流路を流動する。この第2流路も環状に構成してあり、所定量の流体を貯留することができる。前記吐出口より吐出された流体は、その吐出の勢いによって第2流路を周回し、その後、第2流路に設けた排出口から排水される。
本構成の遠心ポンプでは、当該第2流路と前記流路とを連通路を介して接続してある。前記連通路は、前記羽根車ケースの壁部のうち回転軸芯と交差する壁部に設けてある。よって、強い遠心力が作用した状態で第2流路の外側部分を流通する流体の圧力に比べて、同じ第2流路の内部であっても当該連通路の近傍における流水の圧力は小さい。
一方、例えば遠心ポンプの始動時において、羽根車ケースの内部の流体が前記吐出口から第2流路に吐出されるときに、汲み上げる流体の供給が途切れた場合に、前記羽根車ケースの内部に生じた空間は負圧になる。この状態を解消するために、圧力が低い前記連通路を介して前記第2流路から流体が羽根車ケースの内部に流入する。しかし、連通路の面積は所定サイズに制限されているため、流入する流体量は、前記羽根車ケースの内部空間を充填するには十分ではない。前記流路に進入した流体は、直ちに前記吐出口から第2流路に吐出される。このように、吐出口から流体が吐き出されるあいだ、前記羽根車ケースの内部は負圧に維持される。この結果、遠心ポンプの吸入口を介して流体が吸引され、いわゆるポンプの自吸作業が行われる。
上記のごとく、本構成の遠心ポンプであれば、ポンプの始動時において流体の汲み上げを確実に行うことができ、使い勝手の良い遠心ポンプを得ることができる。
(特徴構成4)
本発明に係る遠心ポンプにおいては、前記羽根車流水路の両端部開口のうち、前記回転軸芯と反対側の端部開口の近傍位置であって、当該端部開口に対して前記回転方向上手側の位置に突起部を設けて構成することができる。
(作用効果)
本構成において、前記羽根車流水路の両端部開口のうち、前記回転軸芯と反対側の端部開口の近傍位置というのは、即ち、羽根車流水路の最外方部である。つまり、この部分に、突起部を設けてある。また、端部開口に対して前記回転方向上手側の位置というのは、羽根車が回転するときに、所定の位置をまず前記端部開口が通過し、その直後に前記突起部が通過するような位置をいう。
本構成であれば、羽根車流水路の外方に押し出された直後の流体を、前記突起部が引き続き押し続け、羽根車ケースの内部の前記流路に沿って周回させることができる。また、当該羽根車流水路から出た直後の流体に限らず、前記流体を周回している流体に引き続き外力を作用させることができるため、前記流路中での流体の流速を速い状態に維持し、前記吐出口からの流体の吐出圧力を高めて、遠心ポンプの揚程を増大することができる。
(特徴構成5)
本発明に係る遠心ポンプは、他の容器に接続可能に構成してポンプユニットとして使用することができる。
(作用効果)
本発明の遠心ポンプは他の容器に接続可能に構成してある。よって、容器を任意に選択することで、各種のポンプユニットとして活用することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る遠心ポンプPの実施の形態を図面に基づいて説明する。
当該遠心ポンプPの概要を図1に示す。当該遠心ポンプPは、モータMによって回転駆動する羽根車1を備える。当該遠心ポンプPは、第1ケーシングC1と第2ケーシングC2とを有する。これらケーシングは、例えば、各種の樹脂材料やアルミニウム、鋳物等を用いて作製可能である。前記羽根車1は羽根車ケース2の内部に設けてある。羽根車ケース2は、例えば略円筒形に構成する。
前記羽根車ケース2のうち、回転軸芯Xの側には、流体を前記羽根車1に導く吸入口3を設けてある。当該吸入口3は、前記回転軸芯Xの長手方向に沿って開口させてある。この吸入口3から吸い込まれた水等の流体は、回転する前記羽根車1によって外方に押し出される。当該吸入口3の中心部には、回転軸芯Xと同方向に延出する山部3aを備えてある。当該山部3aの基端部は、前記回転軸芯Xに対して次第に直角となるような緩やかな曲面を有する。これにより、当該吸入口3から吸い込んだ流体を、羽根車流水路6に向かってスムーズに流すことができる。
一方、前記羽根車ケース2のうち、前記回転軸芯Xに対して外方側には、押し出された流体を前記羽根車1の回転方向に流動させる流路(以降において「第1流路R1」と称する)を備えている。この第1流路R1は、前記羽根車ケース2の周壁部4の内面に沿って形成される。前記周壁部4には、前記第1流路R1に沿って流れる流体の一部を前記羽根車ケース2の外側に吐出する吐出口5を備えている。
本発明の遠心ポンプPにおいては、特に、前記羽根車1に設けた羽根車流水路6の形状に特徴を持たせている。即ち、図1に示すごとく、前記羽根車流水路6の形状を、所定の領域においてその断面形状および断面積が一定となるようなトンネル状に構成してある。この羽根車流水路6は、図2に示すごとく、少なくとも一つ形成しておけばよい。
尚、本実施形態では、前記羽根車流水路6の形状をトンネル状に構成した例を示すが、従来の所謂オープンタイプの羽根車を用いても構わない。その場合には、前記羽根車流水路は、勿論、溝形形状となる。
図1に示すごとく、第1ケーシングC1の最下部には、流体としての水を汲み上げる取水口7を設けてある。この取水口7を介して、同じく第1ケーシングC1に設けた貯水室14に水を汲み上げる。図1に示すごとく前記取水室の下面は略円錐形に形成してあり、その最下部に前記取水口7を形成してある。当該取水口7には、一方向弁として機能する弁体8を配置してある。
尚、第1ケーシングC1と第2ケーシングC2との間、および、第1ケーシングC1と羽根車ケース2との間にはシール材を設けてあり、当該遠心ポンプ各部の水密性を高めてある。
(羽根車)
当該遠心ポンプPに用いる羽根車1の一例を図1乃至図3(イ)(ロ)に示す。
前記羽根車1は、モータMにより、回転軸9を介して回転駆動される。これら回転軸9と羽根車1とは、ネジ係合やマグネットカップリングなど各種の手段によって連結してある。前記回転軸9と第2ケーシングC2との間にはメカニカルシール等を設けてあり、水密性を維持している。
当該羽根車1は、その回転に伴って流体を外方に押し出す羽根車流水路6を有する。本発明の羽根車1は、従来の遠心ポンプに用いられているような、円盤状部材の表面に複数のフィンを突設したようなものではなく、むしろ、羽根車の内部にトンネル状の流水路を形成したものである。
当該実施形態では、羽根車流水路6をただ一つ備えた例を示す。当該羽根車流水路6は、その殆ど全部の領域において、その断面形状および断面積を一定に形成してある。
このように、羽根車流水路6の断面形状および断面積を一定にすることで、羽根車流水路6の中を流れる水に不要な抵抗が作用するのを防止する。例えば、断面積が急激に変化する部位では、必ず乱流が発生する。また、一般に用いられているような外周側ほど断面積が大きく構成してある羽根車1の場合でも、乱流が発生するまでには至らないとしても、流水速度が変化するため、それに伴って流水抵抗が増大する。
しかし、本構成のごとく、羽根車流水路6の形状を、一定の断面形状および一定の断面積を有するトンネル状にすることで、流水状態が最も安定し、流水抵抗の増大を最も少なくすることができる。その結果、特に揚水量が少ない場合であっても、本発明の遠心ポンプは優れた揚水性能を発揮することができる。
さらに、当該遠心ポンプPの回転速度を調節切換可能にして揚水量を調節することがある。その場合には、羽根車1の回転速度が種々変化することになる。しかし、上記ごとく、流水抵抗の変化が小さい本構成の羽根車1を用いる結果、揚水量の調節範囲を広く確保することができる。
図3(イ)(ロ)に示すごとく、本実施形態の羽根車流水路6は、円形断面を有するトンネル状に形成してある。本構成にすることで、水を流す通路としての断面の外周長さが最も短いものとなる。例えば、同じ外周長さであれば、正方形よりも円形の方が断面積は大きくなる。よって、本構成であれば水の流通抵抗が最小となり、ポンプ効率を高めることができる。このようなトンネル状の通路は任意の手法で形成することができる。
本実施形態では、前記羽根車1を、羽根車本体1aと当該羽根車本体1aに対向配置するカバー体1bとで構成し、羽根車本体1aとカバー体1bとの夫々に、半円形の断面を有する溝部を予め形成しておき、これら両部材を一体化して羽根車流水路6を形成する。
勿論、それ以外の手法によって羽根車1を構成することも可能である。例えば、まず、一体の羽根車1を形成しておき、この羽根車1の側面から羽根車流水路6を穿工してもよい。
羽根車流水路6の断面積は、前記吸入口3の断面積に対し、略等しく形成する。そうすることで、吸入口3から羽根車流水路6に流入する水の流速が大きく変化せず、流通抵抗の増大を抑制することができる。
前記羽根車流水路6は、図2に示すごとく、前記羽根車1の外側に位置するほど前記羽根車1の回転方向Yの上手側に湾曲させて構成するのが好ましい。本構成であれば、羽根車流水路6の外側ほど、羽根車流水路6の延出方向と、羽根車1の径方向とのなす角度が大きくなる。よって、水が羽根車流水路6の外側に移動するほど、当該水に対し、外方に押し出すように作用する力を効果的に加えることができるから、前記吐出口5からの吐き出し流速を高めることができる。
(吐出口)
前記羽根車ケース2の周壁部4と前記羽根車1の外縁部との間には、所定の空間を形成してある。この空間は、羽根車流水路6から押し出された水が羽根車1の回転方向に沿って流通する第1流路R1としても機能する。
当該第1流路R1を流れる水は、図4に示すごとく前記羽根車ケース2の周壁部4に設けた吐出口5を介して前記羽根車ケース2の外方に吐出される。当該吐出口5は、前記第1流路R1を流れる水の流れを阻害しないように羽根車ケース2の外方側ほど、羽根車1の回転方向Yに沿って下手側となるように傾斜している。
当該吐出口5の断面積は、前記羽根車流水路6の断面積に略一致させて構成してある。本構成であれば、当該吐出口5を流通する水の流速と前記羽根車流水路6を流通する水の流速とを近似させることができる。よって、ここでも流速が変化するのを抑制して、水の流通抵抗が高まるのを抑制することができる。
尚、前記吐出口5の断面形状は、図4では矩形状としてあるが、これも任意の形状に構成可能である。先に述べたごとく、例えば円形断面に構成すれば吐出口5の内面積を最小にできて、水の流通抵抗の高まりを防止してポンプ効率を向上させることができる。
(自吸機構)
本発明の遠心ポンプPは、ポンプ始動時に少量の水を供給することで、その後連続して揚水を行える自吸機構を備える。
一般的なポンプでは、ポンプの始動時においては、水の供給源からポンプ吐出口に至る流路を水で満たしておく必要がある。よって、予め途中の流路を満たす作業が必要となって、利便性に欠けるものであった。しかし、本発明に係る遠心ポンプPのように自吸機構を備えたものであれば、後述するごとく、第2流路R2の一部と貯水室14とに水を供給しておくだけでその後の揚水が連続的に行えるため非常に便利である。
本実施形態では、図1および図4に示すごとく、前記自吸機構を構成するために、前記羽根車ケース2に連通路10を設けてある。羽根車ケース2は円筒形状を呈しており、前記連通路10は、羽根車ケース2の壁部のうち羽根車1の回転軸芯Xと交差する壁部に設けてある。具体的には、前記羽根車ケース2の当該壁部に膨出部11を設けてあり、この膨出部11の内部を貫通する状態に連通路10を形成してある。これにより、前記羽根車ケース2の内部に位置する第1流路R1と、前記羽根車ケース2の外部に位置する第2流路R2とが連通する。この連通路10は、図4に示すごとく、羽根車ケース2の側面視において傾斜している。ここでは、前記第2流路R2の側ほど前記羽根車1の回転方向に沿って下手側に傾斜している。
図1は、ポンプ始動時に、羽根車1が水中に位置するように前記第2流路R2の約半分の高さにまで水を貯留した状態を示している。取水口7の下部は、例えば後述する別実施形態に関する図6に示すように、パイプ12を介して水の供給源に連結してある。しかし、当該パイプ12は一部が中空状態である。この状態からポンプを始動させると、羽根車1が回転し、羽根車流水路6の内部の水が羽根車ケース2の内部の第1流路R1に押し出される。この押し出された水は当該第1流路R1を周回し、前記吐出口5から第2流路R2に吐き出される。当該吐出口5は、前述のごとく傾斜してあるから、第2流路R2の水も、前記羽根車1の回転方向Yに沿って流動する。この流動によって水には遠心力が作用するから、水の一部は第1ケーシングC1に設けた排水口13からポンプの外部に排出される。
このような水の排出に伴って、当初、前記羽根車ケース2から貯水室14にかけて貯留していた水の量が減少する。これを補うように、前記弁体8の下部から、空気が貯水室14の内部に進入する。この結果、前記パイプ12の内部を水が上昇する。
羽根車1の回転を持続するあいだ、前記第1流路R1内の水は第2流路R2に吐き出される。同時に、前記パイプ12から上昇してくる空気が羽根車1の吸入口3から羽根車流水路6に進入する。この結果、前記吐出口5からは、水と空気とが混合した状態で吐き出される。このとき、吐出口5は、ある種のエジェクターのような効果を発揮し、前記第1流路R1の内部が若干の負圧になる。この結果、前記第2流路R2の下部に溜まっている水が前記連通路10を介して前記第1流路R1に吸い上げられ、前記第1流路R1の内部を周回したのち吐出口5から再び第2流路R2に排出される。ただし、当初、第2流路R2の内部に存在していた水のうち、一部の水は既に第1ケーシングC1の外部に排出されている。よって、第2流路R2の内部における水面高さは、もはや水が前記排水口13から外部に排出されるほど高くはない。そのため、上記連通路10から吸い上げられた水は、第1流路R1と第2流路R2とに亘って循環する。このあいだ、第1流路R1の負圧に引かれて前記パイプ12の内部を水が上昇する。このようにして、水が前記貯水室14にまで達し、その後は定常的な揚水が行われる。
揚水が定常状態となった後は、第1流路R1を流動する水は、前記吐出口5及び前記連通路10を介して前記第2流路R2に排出される。つまり、自吸時と定常状態時とでは、前記連通路10を流れる水の方向が入れ替わる。これら吐出口5及び連通路10は、羽根車1の回転方向Yに沿って下手側に傾斜しているから、定常状態においては、水がこれらの部位を通過する抵抗が小さくなる。これにより、定常状態におけるポンプ効率の向上を図っている。
さらに、上記自吸の効果を高めるために、図2に示すごとく、前記羽根車流水路6の両端部開口のうち、前記回転軸芯Xと反対側の端部開口の近傍位置であって、当該端部開口に対して前記回転方向上手側の位置に突起部15を設けてある。
この突起部15を設けることで、前記第1流路R1の水をより積極的に流動させることができ、水に遠心力を付与して前記吐出口5からの吐出速度を高めることができる。
上記自吸機能を効果的に発揮させるためには、前記第1流路R1における水の流量をある程度確保する必要がある。そうすることで、前記吐出口5からの吐出水量が確保され、いわゆるエジェクター効果が得られるからである。本実施形態では、前記羽根車1の外周縁部と前記羽根車ケース2の内周面との距離を適宜設定することで自吸のための水量を確保する。つまり、この距離が狭過ぎると、前記羽根車流水路6が吐出口5を通過するときにのみ水が吐出されることとなって水の吐出が断続的になる。この結果、前記吐出口5からの吐出水量を確保できず自吸能力が低下してしまう。一方、羽根車流水路6の容積に対して第1流路R1の容積が過大となるほど前記距離を広くすると、第1流路R1に対する水の供給能力が不足して前記エジェクター機能が発揮されず、やはり自吸機能が低下してしまう。
また、上記自吸能力は、前記吐出口5の開口面積と、前記連通路10の開口面積との大小関係によっても変化する。上述のごとく、自吸するためには、前記第1流路R1の内部が負圧になっていることが必要であり、その負圧領域に対して、前記貯水室14の側から羽根車流水路6を介して水あるいは空気を吸い込まなければならない。前記第1流路R1に対しては、当該羽通路の他に、前記連通路10を介して水の進入が可能である。よって、吐出口5から吐き出される水の量を連通路10からの水で補い、且つ、第1流路R1を負圧に維持できるように前記連通路10の開口面積を前記吐出口5の開口面積とバランスさせ、連通路10から進入する水の量をある程度制限する必要がある。
(第2の実施形態)
図5(イ)(ロ)には、羽根車1の別実施形態を示す。ここでは、三つの羽根車流水路6を備えている。このように、羽根車流水路6は複数形成することも可能である。羽根車流水路6の数あるいは断面積は、羽根車1のサイズや、求める揚水量等に応じて適宜設定することができる。また、例えば、揚水する流体の種類によって流通抵抗等が変化するから、各種のパラメータに応じて上記羽根車流水路6の数あるいは断面積を適宜変更すると良い。
また、図5の実施形態では、羽根車流水路6の断面形状を矩形状に構成する。羽根車1は、羽根車本体1aと、この羽根車本体1aに対向配置するカバー体1bとで構成する。羽根車本体1aには、羽根車流水路6となる三つの矩形状の溝部を形成してある。一方、カバー体1bは、略平面状の板状部材で構成してある。両者を一体化することで、矩形断面の羽根車流水路6が形成される。本構成であれば、カバー体1bを単に平板状の部材で構成して、羽根車1の構造を簡略化することができる。
(実施例)
図6には、本発明の遠心ポンプPをペットボトル等の他の容器16に取り付け可能に構成した例を示す。
前記第2ケーシングC2下方部には、例えばペットボトルのねじ部に噛合可能な弾性部17が形成してある。つまり、ペットボトルに対して当該弾性部17を押し込むことで、ポンプユニットをペットボトルに密着して取り付けることができる。勿論、当該弾性部17の代わりに、ペットボトルのねじ部に螺合可能な雌ねじ部を形成してあっても良い。その場合には、ペットボトルに対する取り付けがより強固なものとなって好都合である。
また、前記取水口7には、ペットボトルの深さに応じたパイプ12を設けておく。このパイプ12は、各種サイズのペットボトルに取付可能となるよう、例えば可撓性の部材で構成しておく。
図1に示したごとく、前記取水口7には、弁体8としての球体を設けてある。これにより、簡便な逆止弁を構成することができる。勿論、この他の逆止弁を用いることも可能である。例えば、球体に代えて、バネ付勢される弁体8を用いることも可能である。
ポンプの始動時には、容器16の胴部を握ったり容器16そのものを倒すなどして、前記貯水室14に自吸用の水を供給する。その後、スイッチを入れて揚水を開始する。
尚、前記貯水室14に対して自吸用の水を供給する操作如何によっては、弁体8の下方に連接したパイプ12に空気が入り、容器16に溜まった水と貯水室14に溜まった水との間が分断される場合がある。しかし、本発明の自吸機構を備えた遠心ポンプであれば、前記自吸機能によって、容器16の水を確実に揚水することができる。
また、図示は省略してあるが、前記ポンプユニットの何れかの部位、あるいは、容器16の何れかの部位に、通気弁を設けておくと良い。つまり、容器16の内部の水が減少するに伴い、容器16の外部から空気を入れる通路を設けておく。このような通気弁を設けることで、ポンプの稼動中に容器16の内部の水が減少しても、容器16の内部が負圧とならない。このため、特段の抵抗が生じることが無く、前記揚水機能あるいは自吸機能を良好に発揮することができる。弁体の構成としては、例えば一方向弁の機能を奏するものであれば、何れの構成のものであっても良い。
さらに、前記排水口13にも逆止弁を設けておくことができる。そうすれば、ポンプの稼動が終了した際に、一旦排出された流体が戻るのを確実に防止することができる。前記取水口7の付勢弁に加えて、ここにもバネ付勢の弁体8を設けておけば、ペットボトルを任意の姿勢に保持した場合でも、貯水室14および第1流路R1、第2流路R2に存在する流体が保持される。よって、次の始動時には、前記パイプ12の先端が容器16の水の中に没している姿勢であれば、直ちに揚水を開始することができる。
その他の実施形態として、前記排水口13にのみ逆止弁を設けておき、前記取水口7には弁体8そのものを設けない構成にしても良い。本発明の遠心ポンプは主に揚水量の少ないものを想定している。よって、本構成のごとく、取水口7に弁体8を設けないことにして、ここでの流水抵抗を低減させることで、少量の水であっても、安定して揚水することができる。
本発明の遠心ポンプPは、特に、流体の揚水量が小さくとも、大きな排出速度を得ることができる。よって、例えば、ペットボトル等の任意の小型容器等に取り付けて、簡易給水器として用いることができる。その場合、図6に示すごとく、排出ノズル18を設けておけば便利である。さらに、アウトドアにおいて簡易洗浄器として用いることができる。この他、自動車のウォッシャー液供給用のポンプや、各種実験用の小型ポンプとして用いることも可能である。
このように、本発明の遠心ポンプは、小型ポンプの分野において優れたポンプ効率を発揮するものである。
本発明に係る遠心ポンプの概要を示す断面図 第1実施形態における羽根車の構成を示す平面図 第1実施形態における羽根車の構成を示す説明図 第1実施形態における羽根車ケースの構成を示す斜視図 第2実施形態における羽根車の構成を示す平面図 本発明に係る遠心ポンプの利用態様を示す説明図
符号の説明
1 羽根車
2 羽根車ケース
3 吸入口
5 吐出口
6 羽根車流水路
10 連通路
15 突起部
P 遠心ポンプ
R1 第1流路
R2 第2流路
X 回転軸芯

Claims (5)

  1. 回転軸芯の周りに回転駆動される羽根車と、当該羽根車を収納する羽根車ケースとを備え、
    前記羽根車ケースのうち、前記回転軸芯の側には、流体を前記羽根車に導く吸入口を設け、前記回転軸芯に対して外方側には、前記羽根車によって押し出された流体を前記羽根車の回転方向に流動させる流路と、当該流路の流体を吐出する吐出口とを設けてある遠心ポンプであって、
    前記羽根車が、一定の断面形状および一定の断面積を有する羽根車流水路を少なくとも一つ備えてある遠心ポンプ。
  2. 前記羽根車流水路がトンネル状であり、当該羽根車流水路の断面形状が略円形である請求項1に記載の遠心ポンプ。
  3. 前記羽根車ケースの外側に、前記吐出口から吐出された流体が流動する第2流路を設けてあり、前記羽根車ケースの壁部のうち前記回転軸芯と交差する壁部に、前記流路と前記第2流路とを連通する連通路を設けてある請求項1又は2に記載の遠心ポンプ。
  4. 前記羽根車流水路の両端部開口のうち、前記回転軸芯と反対側の端部開口の近傍位置であって、当該端部開口に対して前記回転方向上手側の位置に突起部を設けてある請求項1から3の何れか一項に記載の遠心ポンプ。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の遠心ポンプを他の容器に対して接続可能に構成してあるポンプユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103925235A (zh) * 2014-03-10 2014-07-16 梁国强 新式宽体高效节能水泵
JP2016200104A (ja) * 2015-04-14 2016-12-01 富士通株式会社 ポンプ、冷却装置及び電子機器

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