JP2005139476A - 薄膜作製方法及び薄膜作製装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得ると同時にハロゲンガスを解離する触媒作用を有する金属、例えばCuで形成した被エッチング部材8の温度をヒータ11で基板3の温度とは独立に制御する一方、この被エッチング部材8の触媒作用でチャンバ1内に供給されたハロゲンガスを解離してそのラジカルを得、このラジカルで被エッチング部材8のエッチングを行うことにより所定の前駆体15を得るようにした。
【選択図】 図1
Description
(2)エッチング反応;Cu+Cl* →CuCl(g)
(3)基板への吸着反応;CuCl(g)→CuCl(ad)
(4)成膜反応;CuCl(ad)+Cl* →Cu+Cl2 ↑ ・・・(1)
ここで、Cl* はClのラジカルであることを、(g)はガス状態であることを、(ad)は吸着状態であることをそれぞれ表している。
CuCl(ad)→CuCl(s)
すなわちCuClの固体を形成してしまう可能性がある。このCuCl(s)は絶縁体である。したがって、Cu膜中におけるCuCl(s)の存在は、生成したCu膜の導電率を低下させる原因となり、膜質のさらなる改善を目指す場合には、かかる問題も同時に解消し得るものとすることが望ましい。
2CuCl(ad)→2Cu+Cl2 ・・・・・・・・・(2)
このハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成した被エッチング部材を、所定の第1の温度に制御して前記ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種でエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を、前記被エッチング部材の温度よりも低い第2の温度に制御することにより、前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて成膜を行うこと。
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成した被エッチング部材を、所定の第1の温度に制御して前記ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種でエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を、前記被エッチング部材の温度よりも低い第2の温度に制御することにより、前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて成膜を行うこと。
このハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸
気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成した被エッチング部材を、所定の第1の温度に制御して前記ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種でエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を、前記被エッチング部材の温度よりも低い第2の温度に制御することにより前記前駆体を基板に吸着させる一方、
別途前記ハロゲンガスのラジカルを形成し、このラジカルを前記チャンバ内に補給することにより吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜いて少なくとも前記前駆体の元素成分を基板に析出させて所定の成膜を行うこと。
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成した被エッチング部材を、所定の第1の温度に制御して前記ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種でエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を、前記被エッチング部材の温度よりも低い第2の温度に制御することにより前記前駆体を基板に吸着させる一方、
別途前記ハロゲンガスのラジカルを形成し、このラジカルを前記チャンバ内に補給することにより吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜いて少なくとも前記前駆体の元素成分を基板に析出させて所定の成膜を行うこと。
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスに高周波の電界を作用させてこのハロゲンガスをプラズマ化することにより得ること。
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスにマイクロ波を供給してこのハロゲンガスをプラズマ化することにより得ること。
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスを加熱して熱的解離により得ること。
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスにレーザ光又は電子線等の電磁波を供給してこのハロゲンガスを解離させることにより得ること。
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスを、触媒作用により解離させる触媒金属に接触させることにより得ること。
成膜反応に伴い発生するハロゲンガスの解離率が増加するよう、前記チャンバ内に供給するハロゲンガスの供給量を減少させること。
成膜反応に伴い発生するハロゲンガスの解離率が増加するよう、ハロゲンガスの他に、質量がNe以上の希ガスを前記チャンバ内に供給すること。
成膜反応に伴い発生するハロゲンガスの解離率が増加するよう、前記チャンバ内に電磁波を供給してこのチャンバ内に供給されたハロゲンガスを解離させること。
前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量とを検出し、両者の比率に応じて、この比率が予め定めた値になるように前記被エッチング部材の温度を制御すること。
前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量との検出は、被エッチング部材の近傍の反応空間の試料を抽出して質量分析により行うこと。
前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量との検出は、被エッチング部材の近傍の反応空間にレーザ光を照射し、これに伴う発光を分光分析することにより行うこと。
前記ハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置に配設した被エッチング部材と、
前記被エッチング部材の化学活性でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段とを有すること。
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置に配設した被エッチング部材と、
前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有する触媒金属と、
前記触媒金属に接触させることによりその触媒作用でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記基板と前記被エッチング部材との間に前記ハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段とを有すること。
前記ハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置に配設した被エッチング部材と、
前記被エッチング部材の化学活性でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段と、
前記基板に吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜くよう、別途前記ハロゲンガスのラジカルを前記チャンバ内に補給するラジカル補給手段とを有すること。
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置に配設した被エッチング部材と、
前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有する触媒金属と、
前記触媒金属に接触させることによりその触媒作用でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記基板と前記被エッチング部材との間に前記ハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段と
前記基板に吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜くよう、別途前記ハロゲンガスのラジカルを前記チャンバ内に補給するラジカル補給手段とを有すること。
前記ハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板面に対向する位置を外した位置に配設した被エッチング部材と、
前記チャンバ内で前記基板と前記被エッチング部材との間に配設するとともに前記基板の方向に向いた孔を有する遮蔽板と、
前記被エッチング部材の化学活性でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記被エッチング部材と前記遮蔽板との間の空間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後すくなくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段とを有すること。
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板面に対向する位置を外した位置に配設した被エッチング部材と、
前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有する触媒金属と、
前記チャンバ内で前記基板と前記被エッチング部材との間に配設するとともに前記基板の方向に向いた孔を有する遮蔽板と、
前記触媒金属に接触させることによりその触媒作用でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記被エッチング部材と前記遮蔽板との間の空間に前記ハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後すくなくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段とを有すること。
前記ハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置を避けた位置に配設した被エッチング部材と、
前記チャンバ内で前記基板と前記被エッチング部材との間に配設するとともに前記基板の方向に向いた孔を有する遮蔽板と、
前記被エッチング部材の化学活性でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記被チャンバ内の前記被エッチング部材と前記遮蔽板との間の空間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後すくなくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段と、
前記基板に吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜くよう、別途前記ハロゲンガスのラジカルを前記チャンバ内に補給するラジカル補給手段とを有すること。
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置を避けた位置に配設した被エッチング部材と、
前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有する触媒金属と、
前記チャンバ内で前記基板と前記被エッチング部材との間に配設するとともに前記基板の方向に向いた孔を有する遮蔽板と、
前記触媒金属に接触させることによりその触媒作用でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記被エッチング部材と前記遮蔽板との間の空間に前記ハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後すくなくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段と、
前記基板に吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜くよう、別途前記ハロゲンガスのラジカルを前記チャンバ内に補給するラジカル補給手段とを有すること。
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通してハロゲンガスを流通させる筒状の通路の周囲に巻回したコイルに高周波電流を供給し、これにより形成する電界の作用でハロゲンガスをプラズマ化するものであること。
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通してハロゲンガスを流通させる筒状の通路にマイクロ波供給手段を有し、このマイクロ波供給手段が発生するマイクロ波により前記ハロゲンガスをプラズマ化するものであること。
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスを加熱してこのハロゲンガスを熱的に解離する加熱手段を有すること。
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスにレーザ光又は電子線等の電磁波を供給してこの原料ガスを解離させる電磁波発生手段を有すること。
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスを、触媒作用により解離させる触媒金属を有するものであること。
ハロゲンガスの他に、質量がNe以上の希ガスを前記チャンバ内に供給する希ガス供給手段を有すること。
さらに、前記チャンバ内に電磁波を供給して成膜反応に伴い発生するハロゲンガスを解離させる電磁波発生手段を有すること。
前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量とに基づき両者の比率を検出する比率検出手段と、
この比率検出手段で検出する比率が予め定めた値になるように前記被エッチング部材の温度を制御する温度制御手段とを有すること。
前記比率検出手段は、前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量との検出を被エッチング部材の近傍の反応空間の試料を抽出して質量分析により行う質量分析手段を有すること。
前記比率検出手段は、前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量との検出を、被エッチング部材の近傍の反応空間にレーザ光を照射し、これに伴う発光を分析することにより行う分光分析手段を有すること。
被エッチング部材は、Cu、Co、Ni、Wを含む前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有し且つ高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属、又はTaを含む前記触媒作用は有しないが高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素の単体で形成したこと。
被エッチング部材は、Cu、Co、Ni、Wを含む前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有し且つ高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属、又はTaを含む前記触媒作用は有しないが高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素の複数種類を成分とする複合金属で形成したこと。
被エッチング部材は、Cu、Co、Ni、Wを含む前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有し且つ高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属、又はTaを含む前記触媒作用は有しないが高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属と、Se、S等の非金属とを成分とする複合金属で形成したこと。
請求項1に記載する発明は、
基板が収容されるチャンバの内部にハロゲンガスを供給し、
このハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成した被エッチング部材を、所定の第1の温度に制御して前記ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種でエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を、前記被エッチング部材の温度よりも低い第2の温度に制御することにより、前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて成膜を行うことを特徴とするので、
被エッチング部材のエッチングに必要なハロゲンガスのラジカルは被エッチング部材の触媒作用で得ることができ、ハロゲンガスのプラズマで被エッチング部材を加熱する必要がない。
この結果、被エッチング部材の温度を基板の温度とは独立に制御することができ、成膜条件をきめ細かく、高精度に制御することができるので、所望の特性の金属薄膜を容易に得ることができる。
基板が収容されるチャンバの内部にハロゲンガスを供給するとともに、この供給に際し、前記ハロゲンガスを、これを解離する触媒作用を有する触媒金属と接触させてハロゲンガスのラジカルを形成する一方、
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成した被エッチング部材を、所定の第1の温度に制御して前記ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種でエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を、前記被エッチング部材の温度よりも低い第2の温度に制御することにより、前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて成膜を行うことを特徴とするので、
被エッチング部材のエッチングに必要なハロゲンガスのラジカルを触媒金属の触媒作用で得ることができ、このラジカルをチャンバ内に供給する結果、ハロゲンガスのプラズマで被エッチング部材を加熱する必要がない。
この結果、被エッチング部材の温度を基板の温度とは独立に制御することができ、成膜条件をきめ細かく、高精度に制御することができるので、所望の特性の金属薄膜を容易に得ることができる。
さらに、請求項1に記載する発明と異なり、触媒反応とエッチング反応とが独立しているので、触媒金属と被エッチング部材とが異なる材質のものでも良く、その分材料選択の幅が広がるばかりでなく、触媒条件及びエッチング条件を独立に制御することができるので、その分成膜条件の制御の適正化を容易に図り得る。
基板が収容されるチャンバの内部にハロゲンガスを供給し、
このハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸
気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成した被エッチング部材を、所定の第1の温度に制御して前記ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種でエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を、前記被エッチング部材の温度よりも低い第2の温度に制御することにより前記前駆体を基板に吸着させる一方、
別途前記ハロゲンガスのラジカルを形成し、このラジカルを前記チャンバ内に補給することにより吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜いて少なくとも前記前駆体の元素成分を基板に析出させて所定の成膜を行うことを特徴とするので、
請求項1の発明に加え、さらに基板に吸着状態となっている前駆体からハロゲンを引き抜くことができる。
この結果、請求項1に記載する作用・効果に加え、成膜速度の向上及び膜質のさらなる向上を図ることができる。
基板が収容されるチャンバの内部にハロゲンガスを供給するとともに、この供給に際し、前記ハロゲンガスを、これを解離する触媒作用を有する触媒金属と接触させてハロゲンガスのラジカルを形成する一方、
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成した被エッチング部材を、所定の第1の温度に制御して前記ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種でエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を、前記被エッチング部材の温度よりも低い第2の温度に制御することにより前記前駆体を基板に吸着させる一方、
別途前記ハロゲンガスのラジカルを形成し、このラジカルを前記チャンバ内に補給することにより吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜いて少なくとも前記前駆体の元素成分を基板に析出させて所定の成膜を行うことを特徴とするので、
請求項2の発明に加え、さらに基板に吸着状態となっている前駆体からハロゲンを引き抜くことができる。
この結果、請求項2に記載する作用・効果に加え、成膜速度の向上及び膜質のさらなる向上を図ることができる。
請求項3又は請求項4に記載する金属膜作製方法において、
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスに高周波の電界を作用させてこのハロゲンガスをプラズマ化することにより得ることを特徴とするので、
請求項3及び請求項4に記載する発明の効果を簡単な装置で得ることができる。
請求項3又は請求項4に記載する薄膜作製方法において、
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスにマイクロ波を供給してこのハロゲンガスをプラズマ化することにより得ることを特徴とするので、
請求項5に記載する発明よりも高周波数の電磁波を用いることができ、その分ハロゲンのラジカルを高密度且つ高効率に得ることができる。
請求項3又は請求項4に記載する薄膜作製方法において、
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスを加熱して熱的解離により得ることを特徴とするので、
請求項3及び請求項4に記載する発明の効果を最も安価に得ることができる。
請求項3又は請求項4に記載する薄膜作製方法において、
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスにレーザ光又は電子線等の電磁波を供給してこのハロゲンガスを解離させることにより得ることを特徴とするので、
電磁波の波長を選択、固定することにより、所望のラジカルを選択的に高効率で得ることができる。この結果、請求項3及び請求項4に記載する発明の効果を顕著なものとすることができる。
請求項3又は請求項4に記載する薄膜作製方法において、
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスを、触媒作用により解離させる触媒金属に接触させることにより得ることを特徴とするので、
触媒金属の触媒作用を利用して請求項3及び請求項4に記載する発明の効果を最も簡易に得ることができる。
請求項1乃至請求項9の何れか一つに記載する薄膜作製方法において、
成膜反応に伴い発生するハロゲンガスの解離率が増加するよう、前記チャンバ内に供給するハロゲンガスの供給量を減少させることを特徴とするので、
ハロゲンガスの解離率の増大により成膜を促進してその速度を向上させることができるが、かかる作用を最も容易に実現し得る。
請求項1乃至請求項9の何れか一つに記載する薄膜作製方法において、
成膜反応に伴い発生するハロゲンガスの解離率が増加するよう、ハロゲンガスの他に、質量がNe以上の希ガスを前記チャンバ内に供給することを特徴とするので、
希ガスが解離率を増大させる触媒として機能し、容易にハロゲンガスの解離率を増大させることができる。
請求項1乃至請求項9の何れか一つに記載する薄膜作製方法において、
成膜反応に伴い発生するハロゲンガスの解離率が増加するよう、前記チャンバ内に電磁波を供給してこのチャンバ内に供給されたハロゲンガスを解離させることを特徴とするので、
電磁波のエネルギーによりハロゲンガスの解離を高効率なものとすることができる。
請求項1乃至請求項12の何れか一つに記載する薄膜作製方法において、
前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量とを検出し、両者の比率に応じて、この比率が予め定めた値になるように前記被エッチング部材の温度を制御することを特徴とするので、
前記比率を一定制御することで所望の膜質の金属薄膜を自動的に得ることができる。
請求項13に記載する薄膜作製方法において、
前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量との検出は、被エッチング部材の近傍の反応空間の試料を抽出して質量分析により行うことを特徴とするので、
請求項13に記載する発明の効果を、チャンバ内の試料の質量分析を行うことにより実現し得る。
請求項13に記載する薄膜作製方法において、
前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量との検出は、被エッチング部材の近傍の反応空間にレーザ光を照射し、これに伴う発光を分光分析することにより行うことを特徴とするので、
請求項13に記載する発明の効果を、チャンバ内の試料の分光分析を行うことにより実現し得る。
基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
前記ハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置に配設した被エッチング部材と、
前記被エッチング部材の化学活性でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段とを有することを特徴とするので、
被エッチング部材のエッチングに必要なハロゲンガスのラジカルは被エッチング部材の触媒作用で得ることができ、ハロゲンガスのプラズマで被エッチング部材を加熱する必要がない。
この結果、被エッチング部材の温度を基板の温度とは独立に制御することができ、成膜条件をきめ細かく、高精度に制御することができるので、所望の特性の金属薄膜を容易に得ることができる。
基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置に配設した被エッチング部材と、
前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有する触媒金属と、
前記触媒金属に接触させることによりその触媒作用でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記基板と前記被エッチング部材との間に前記ハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段とを有することを特徴とするので、
被エッチング部材のエッチングに必要なハロゲンガスのラジカルを触媒金属の触媒作用で得ることができ、このラジカルをチャンバ内に供給する結果、ハロゲンガスのプラズマで被エッチング部材を加熱する必要がない。
この結果、被エッチング部材の温度を基板の温度とは独立に制御することができ、成膜条件をきめ細かく、高精度に制御することができるので、所望の特性の金属薄膜を容易に得ることができる。
さらに、請求項16に記載する発明と異なり、触媒反応とエッチング反応とが独立しているので、触媒金属と被エッチング部材とが異なる材質のものでも良く、その分材料選択の幅が広がるばかりでなく、触媒条件及びエッチング条件を独立に制御することができるので、その分成膜条件の制御の適正化を容易に図り得る。
基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
前記ハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置に配設した被エッチング部材と、
前記被エッチング部材の化学活性でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段と、
前記基板に吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜くよう、別途前記ハロゲンガスのラジカルを前記チャンバ内に補給するラジカル補給手段とを有することを特徴とするので、
請求項16の発明に加え、さらに基板に吸着状態となっている前駆体からハロゲンを引き抜くことができる。
この結果、請求項16に記載する作用・効果に加え、成膜速度の向上及び膜質のさらなる向上を図ることができる。
基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置に配設した被エッチング部材と、
前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有する触媒金属と、
前記触媒金属に接触させることによりその触媒作用でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記基板と前記被エッチング部材との間に前記ハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段と
前記基板に吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜くよう、別途前記ハロゲンガスのラジカルを前記チャンバ内に補給するラジカル補給手段とを有することを特徴とするので、
請求項17の発明に加え、さらに基板に吸着状態となっている前駆体からハロゲンを引き抜くことができる。
この結果、請求項17に記載する作用・効果に加え、成膜速度の向上及び膜質のさらなる向上を図ることができる。
基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
前記ハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板面に対向する位置を外した位置に配設した被エッチング部材と、
前記チャンバ内で前記基板と前記被エッチング部材との間に配設するとともに前記基板の方向に向いた孔を有する遮蔽板と、
前記被エッチング部材の化学活性でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記被エッチング部材と前記遮蔽板との間の空間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後すくなくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段とを有することを特徴とするので、
請求項16に記載する発明と同様の効果を奏する。さらに、エッチングされた被エッチング部材から剥離して落下するパーティクルが基板上に付着するのを防止する一方、所定の前駆体は基板の上方の空間に供給することができる。
基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板面に対向する位置を外した位置に配設した被エッチング部材と、
前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有する触媒金属と、
前記チャンバ内で前記基板と前記被エッチング部材との間に配設するとともに前記基板の方向に向いた孔を有する遮蔽板と、
前記触媒金属に接触させることによりその触媒作用でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記被エッチング部材と前記遮蔽板との間の空間に前記ハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後すくなくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段とを有することを特徴とするので、
請求項17に記載する発明と同様の効果を奏する。さらに、エッチングされた被エッチング部材から剥離して落下するパーティクルが基板上に付着するのを防止する一方、所定の前駆体は基板の上方の空間に供給することができる。
基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
前記ハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置を避けた位置に配設した被エッチング部材と、
前記チャンバ内で前記基板と前記被エッチング部材との間に配設するとともに前記基板の方向に向いた孔を有する遮蔽板と、
前記被エッチング部材の化学活性でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記被チャンバ内の前記被エッチング部材と前記遮蔽板との間の空間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後すくなくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段と、
前記基板に吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜くよう、別途前記ハロゲンガスのラジカルを前記チャンバ内に補給するラジカル補給手段とを有することを特徴とするので、
請求項20に記載する発明に加え、さらに基板に吸着状態となっている前駆体からハロゲンを引き抜くことができる。
この結果、請求項20に記載する作用・効果に加え、成膜速度の向上及び膜質のさらなる向上を図ることができる。特に、ここで前駆体は遮蔽板の孔を容易に通過するが、被エッチング部材と遮蔽板との間の空間で形成されたラジカルのうち、孔を通過して基板の上方の空間に至るのは僅かである点を考慮すれば、前記ラジカルの補給による成膜反応の促進に対する寄与度を顕著なものとすることができる。
基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置を避けた位置に配設した被エッチング部材と、
前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有する触媒金属と、
前記チャンバ内で前記基板と前記被エッチング部材との間に配設するとともに前記基板の方向に向いた孔を有する遮蔽板と、
前記触媒金属に接触させることによりその触媒作用でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記被エッチング部材と前記遮蔽板との間の空間に前記ハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後すくなくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段と、
前記基板に吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜くよう、別途前記ハロゲンガスのラジカルを前記チャンバ内に補給するラジカル補給手段とを有することを特徴とするので、
請求項21に記載する発明に加え、さらに基板に吸着状態となっている前駆体からハロゲンを引き抜くことができる。
この結果、請求項20に記載する作用・効果に加え、成膜速度の向上及び膜質のさらなる向上を図ることができる。特に、ここで前駆体は遮蔽板の孔を容易に通過するが、被エッチング部材と遮蔽板との間の空間で形成されたラジカルのうち、孔を通過して基板の上方の空間に至るのは僅かである点を考慮すれば、前記ラジカルの補給による成膜反応の促進に対する寄与度を顕著なものとすることができる。
請求項18、請求項19、請求項22又は請求項23にの何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通してハロゲンガスを流通させる筒状の通路の周囲に巻回したコイルに高周波電流を供給し、これにより形成する電界の作用でハロゲンガスをプラズマ化するものであることを特徴とするので、
請求項18、請求項19、請求項22及び請求項23に記載する発明の効果を簡単な装置で得ることができる。
請求項18、請求項19、請求項22又は請求項23の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通してハロゲンガスを流通させる筒状の通路にマイクロ波供給手段を有し、このマイクロ波供給手段が発生するマイクロ波により前記ハロゲンガスをプラズマ化するものであることを特徴とするので、
請求項24に記載する発明よりも高周波数の電磁波を用いることができ、その分ハロゲンのラジカルを高密度且つ高効率に得ることができる。
請求項18、請求項19、請求項22又は請求項23の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスを加熱してこのハロゲンガスを熱的に解離する加熱手段を有することを特徴とするので、
請求項18、請求項19、請求項22及び請求項23に記載する発明の効果を最も安価に得ることができる。
請求項18、請求項19、請求項22又は請求項23の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスにレーザ光又は電子線等の電磁波を供給してこの原料ガスを解離させる電磁波発生手段を有することを特徴とするので、
電磁波の波長を選択、固定することにより、所望のラジカルを選択的に高効率で得ることができる。この結果、請求項18、請求項19、請求項22及び請求項23に記載する発明の効果を顕著なものとすることができる。
請求項18、請求項19、請求項22又は請求項23の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスを、触媒作用により解離させる触媒金属を有するものであることを特徴とするので、
触媒金属の触媒作用を利用して請求項18、請求項19、請求項22及び請求項23に記載する発明の効果を最も簡易に得ることができる。
請求項16、請求項17、請求項20又は請求項21の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
ハロゲンガスの他に、質量がNe以上の希ガスを前記チャンバ内に供給する希ガス供給手段を有することを特徴とするので、
希ガスが解離率を増大させる触媒として機能し、ハロゲンガスの解離率の増大により成膜を促進してその速度を向上させることができるが、かかる効果を最も容易に実現し得る。
請求項16、請求項17、請求項20又は請求項21の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
さらに、前記チャンバ内に電磁波を供給して成膜反応に伴い発生するハロゲンガスを解離させる電磁波発生手段を有することを特徴とするので、
電磁波のエネルギーによりハロゲンガスの解離を高効率なものとすることができ、その解離率の増大により成膜を促進してその速度を向上させることができる。
請求項16乃至請求項30の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量とに基づき両者の比率を検出する比率検出手段と、
この比率検出手段で検出する比率が予め定めた値になるように前記被エッチング部材の温度を制御する温度制御手段とを有することを特徴とするので、
被エッチング部材の温度を制御して前記比率を一定制御することで所望の膜質の金属薄膜を自動的に得ることができる。
請求項31に記載する薄膜作成装置において、
前記比率検出手段は、前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量との検出を被エッチング部材の近傍の反応空間の試料を抽出して質量分析により行う質量分析手段を有することを特徴とするので、
請求項31に記載する発明の効果を、チャンバ内の試料の質量分析を行うことにより実現し得る。
請求項31に記載する薄膜作製装置において、
前記比率検出手段は、前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量との検出を、被エッチング部材の近傍の反応空間にレーザ光を照射し、これに伴う発光を分析することにより行う分光分析手段を有することを特徴とするので、
請求項31に記載する発明の効果を、チャンバ内の試料の分光分析を行うことにより実現し得る。
請求項16乃至請求項33の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
被エッチング部材は、Cu、Co、Ni、Wを含む前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有し且つ高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属、又はTaを含む前記触媒作用は有しないが高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素の単体で形成したことを特徴とするので、
被エッチング部材に対応する所望の単一の金属薄膜を形成することができる。
請求項16乃至請求項33の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
被エッチング部材は、Cu、Co、Ni、Wを含む前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有し且つ高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属、又はTaを含む前記触媒作用は有しないが高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素の複数種類を成分とする複合金属で形成したことを特徴とするので、
被エッチング部材に対応する複数種類の金属が複合した所望の複合金属膜を形成することができる。
請求項16乃至請求項33の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
被エッチング部材は、Cu、Co、Ni、Wを含む前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有し且つ高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属、又はTaを含む前記触媒作用は有しないが高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属と、Se、S等の非金属とを成分とする複合金属で形成したことを特徴とするので、
被エッチング部材に対応する所望の金属と非金属との複合金属膜を形成することができる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る金属膜(薄膜)作製装置の概略側面図である。同図に示すように、円筒状に形成されたチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、この支持台2には基板3が載置されている。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至300℃に維持される温度)に制御される。
図2は本発明の第2の実施の形態に係る金属膜作製装置の概略側面図である。同図に示すように、本形態に係る金属膜作製装置は、図1に示す金属膜作製装置に対し、原料ガスであるCl2ガスを先ず触媒金属の触媒作用により解離してラジカルを形成し、このラジカルをチャンバ1内に供給するようにした点が異なるが、多くの部分で同様の構成となっている。そこで、図1と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図3は本発明の第3の実施の形態に係る金属膜作製装置の概略側面図である。同図に示すように、本形態に係る金属膜作製装置では、Cuで形成した截頭円錐状の被エッチング部材48を有するもので、この被エッチング部材48がが、チャンバ41内で基板3に対向する位置を避けた位置に配設してあり、対向して配置される遮蔽板42との間で所定の反応空間43を形成している。ここで、遮蔽板42には多数の孔42aが形成してあり、反応空間43に形成された前駆体15は孔42aを通過してチャンバ41内における基板3の上方の空間に至るように構成してある。また、遮蔽板42は被エッチング部材48と相似形の截頭円錐状の部材で構成してある。したがって、被エッチング部材48と遮蔽板42の相対向する面は平行となっており、基板3に対して傾斜して構造となっている。
図4は本発明の第4の実施の形態に係る金属膜作製装置の概略側面図である。同図に示すように、本形態に係る金属膜作製装置は、図3に示す金属膜作製装置に対し、原料ガスであるハロゲンガスを先ず触媒金属の触媒作用により解離してラジカルを形成し、このラジカルをチャンバ41内に供給するようにした点が異なるが、多くの部分で同様の構成となっている。そこで、図3と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
(1)プラズマの解離反応;Cl2 →2Cl*
(2)エッチング反応 ;Cu+Cl* →CuCl(g)
In+Cl* →InCl(g)
(3)基板への吸着反応 ;CuCl(g)→CuCl(ad)
InCl(g)→InCl(ad)
(4)成膜反応;CuCl(ad)+Cl* →Cu+Cl2 ↑ ・・・(3)
InCl(ad)+Cl* →In+Cl2 ↑ ・・・(4)
ここで、Cl* はClのラジカル、(g)はガス状態、(ad)は吸着状態をそれぞれ表している。
2CuCl(ad)→2Cu+Cl2 ・・・・・(5)
2InCl(ad)→2In+Cl2 ・・・・・(6)
また、吸光分析(レーザ光の必要はない。)も利用することができる。例えば測定用に放電で励起ラジカルを生成し、その発光を光源にした原子共鳴吸収がある。
また、当該比率は、原理的には、前駆体とラジカルとの量比に限る必要はない。前駆体と、ハロゲンガスとの比率であっても良い。ただし、この場合には供給したハロゲンガスの量を別途把握しておく必要がある。
3 基板
6 温度制御手段
8、48 被エッチング部材
11、44 ヒータ
13 ノズル
15 前駆体
16 Cu薄膜
24 通路
25 励起室
26 プラズマアンテナ
32 質量分析装置
33、53 筒状部材
34、54 フィラメント
42 遮蔽板
42a 孔
Claims (36)
- 基板が収容されるチャンバの内部にハロゲンガスを供給し、
このハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成した被エッチング部材を、所定の第1の温度に制御して前記ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種でエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を、前記被エッチング部材の温度よりも低い第2の温度に制御することにより、前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて成膜を行うことを特徴とする薄膜作製方法。 - 基板が収容されるチャンバの内部にハロゲンガスを供給するとともに、この供給に際し、前記ハロゲンガスを、これを解離する触媒作用を有する触媒金属と接触させてハロゲンガスのラジカルを形成する一方、
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成した被エッチング部材を、所定の第1の温度に制御して前記ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種でエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を、前記被エッチング部材の温度よりも低い第2の温度に制御することにより、前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて成膜を行うことを特徴とする薄膜作製方法。 - 基板が収容されるチャンバの内部にハロゲンガスを供給し、
このハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸
気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成した被エッチング部材を、所定の第1の温度に制御して前記ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種でエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を、前記被エッチング部材の温度よりも低い第2の温度に制御することにより前記前駆体を基板に吸着させる一方、
別途前記ハロゲンガスのラジカルを形成し、このラジカルを前記チャンバ内に補給することにより吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜いて少なくとも前記前駆体の元素成分を基板に析出させて所定の成膜を行うことを特徴とする薄膜作製方法。 - 基板が収容されるチャンバの内部にハロゲンガスを供給するとともに、この供給に際し、前記ハロゲンガスを、これを解離する触媒作用を有する触媒金属と接触させてハロゲンガスのラジカルを形成する一方、
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成した被エッチング部材を、所定の第1の温度に制御して前記ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種でエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を、前記被エッチング部材の温度よりも低い第2の温度に制御することにより前記前駆体を基板に吸着させる一方、
別途前記ハロゲンガスのラジカルを形成し、このラジカルを前記チャンバ内に補給することにより吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜いて少なくとも前記前駆体の元素成分を基板に析出させて所定の成膜を行うことを特徴とする薄膜作製方法。 - 請求項3又は請求項4に記載する薄膜作製方法において、
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスに高周波の電界を作用させてこのハロゲンガスをプラズマ化することにより得ることを特徴とする薄膜作製方法。 - 請求項3又は請求項4に記載する薄膜作製方法において、
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスにマイクロ波を供給してこのハロゲンガスをプラズマ化することにより得ることを特徴とする薄膜作製方法。 - 請求項3又は請求項4に記載する薄膜作製方法において、
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスを加熱して熱的解離により得ることを特徴とする薄膜作製方法。 - 請求項3又は請求項4に記載する薄膜作製方法において、
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスにレーザ光又は電子線等の電磁波を供給してこのハロゲンガスを解離させることにより得ることを特徴とする薄膜作製方法。 - 請求項3又は請求項4に記載する薄膜作製方法において、
前記ハロゲンガスのラジカルは、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスを、触媒作用により解離させる触媒金属に接触させることにより得ることを特徴とする薄膜作製方法。 - 請求項1乃至請求項9の何れか一つに記載する薄膜作製方法において、
成膜反応に伴い発生するハロゲンガスの解離率が増加するよう、前記チャンバ内に供給するハロゲンガスの供給量を減少させることを特徴とする薄膜作製方法。 - 請求項1乃至請求項9の何れか一つに記載する薄膜作製方法において、
成膜反応に伴い発生するハロゲンガスの解離率が増加するよう、ハロゲンガスの他に、質量がNe以上の希ガスを前記チャンバ内に供給することを特徴とする薄膜作製方法。 - 請求項1乃至請求項9の何れか一つに記載する薄膜作製方法において、
成膜反応に伴い発生するハロゲンガスの解離率が増加するよう、前記チャンバ内に電磁波を供給してこのチャンバ内に供給されたハロゲンガスを解離させることを特徴とする薄膜作製方法。 - 請求項1乃至請求項12の何れか一つに記載する薄膜作製方法において、
前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量とを検出し、両者の比率に応じて、この比率が予め定めた値になるように前記被エッチング部材の温度を制御することを特徴とする薄膜作製方法。 - 請求項13に記載する薄膜作製方法において、
前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量との検出は、被エッチング部材の近傍の反応空間の試料を抽出して質量分析により行うことを特徴とする薄膜作製方法。 - 請求項13に記載する薄膜作製方法において、
前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量との検出は、被エッチング部材の近傍の反応空間にレーザ光を照射し、これに伴う発光を分光分析することにより行うことを特徴とする薄膜作製方法。 - 基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
前記ハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置に配設した被エッチング部材と、
前記被エッチング部材の化学活性でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段とを有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置に配設した被エッチング部材と、
前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有する触媒金属と、
前記触媒金属に接触させることによりその触媒作用でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記基板と前記被エッチング部材との間に前記ハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段とを有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
前記ハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置に配設した被エッチング部材と、
前記被エッチング部材の化学活性でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段と、
前記基板に吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜くよう、別途前記ハロゲンガスのラジカルを前記チャンバ内に補給するラジカル補給手段とを有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置に配設した被エッチング部材と、
前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有する触媒金属と、
前記触媒金属に接触させることによりその触媒作用でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記基板と前記被エッチング部材との間に前記ハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後少なくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段と
前記基板に吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜くよう、別途前記ハロゲンガスのラジカルを前記チャンバ内に補給するラジカル補給手段とを有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
前記ハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板面に対向する位置を外した位置に配設した被エッチング部材と、
前記チャンバ内で前記基板と前記被エッチング部材との間に配設するとともに前記基板の方向に向いた孔を有する遮蔽板と、
前記被エッチング部材の化学活性でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記被エッチング部材と前記遮蔽板との間の空間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後すくなくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段とを有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板面に対向する位置を外した位置に配設した被エッチング部材と、
前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有する触媒金属と、
前記チャンバ内で前記基板と前記被エッチング部材との間に配設するとともに前記基板の方向に向いた孔を有する遮蔽板と、
前記触媒金属に接触させることによりその触媒作用でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記被エッチング部材と前記遮蔽板との間の空間に前記ハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後すくなくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段とを有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
前記ハロゲンガスを解離する化学活性を有するとともに少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置を避けた位置に配設した被エッチング部材と、
前記チャンバ内で前記基板と前記被エッチング部材との間に配設するとともに前記基板の方向に向いた孔を有する遮蔽板と、
前記被エッチング部材の化学活性でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記被チャンバ内の前記被エッチング部材と前記遮蔽板との間の空間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後すくなくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段と、
前記基板に吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜くよう、別途前記ハロゲンガスのラジカルを前記チャンバ内に補給するラジカル補給手段とを有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 基板を収容する内部に原料ガスであるハロゲンガスが供給される筒状のチャンバと、
少なくとも一種類の高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料で形成して前記チャンバ内で前記基板に対向する位置を避けた位置に配設した被エッチング部材と、
前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有する触媒金属と、
前記チャンバ内で前記基板と前記被エッチング部材との間に配設するとともに前記基板の方向に向いた孔を有する遮蔽板と、
前記触媒金属に接触させることによりその触媒作用でハロゲンガスを解離するとともに、ハロゲンガス、このハロゲンガスを解離したラジカル又は前記ハロゲンガスを励起したイオン種で前記被エッチング部材をエッチングすることにより少なくとも前記元素とハロゲンとの前駆体を形成し得るよう前記チャンバ内の前記被エッチング部材と前記遮蔽板との間の空間に前記ハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記被エッチング部材の温度を所定の温度に制御する第1の温度制御手段と、
基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記前駆体を基板に吸着させ、その後すくなくともその元素成分を析出させて所定の成膜を行う第2の温度制御手段と、
前記基板に吸着状態となっている前記前駆体からハロゲンを引き抜くよう、別途前記ハロゲンガスのラジカルを前記チャンバ内に補給するラジカル補給手段とを有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項18、請求項19、請求項22又は請求項23の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通してハロゲンガスを流通させる筒状の通路の周囲に巻回したコイルに高周波電流を供給し、これにより形成する電界の作用でハロゲンガスをプラズマ化するものであることを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項18、請求項19、請求項22又は請求項23の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通してハロゲンガスを流通させる筒状の通路にマイクロ波供給手段を有し、このマイクロ波供給手段が発生するマイクロ波により前記ハロゲンガスをプラズマ化するものであることを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項18、請求項19、請求項22又は請求項23の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスを加熱してこのハロゲンガスを熱的に解離する加熱手段を有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項18、請求項19、請求項22又は請求項23の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスにレーザ光又は電子線等の電磁波を供給してこの原料ガスを解離させる電磁波発生手段を有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項18、請求項19、請求項22又は請求項23の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
ラジカル補給手段は、前記チャンバ内に連通する筒状の通路を流通するハロゲンガスを、触媒作用により解離させる触媒金属を有するものであることを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項16、請求項17、請求項20又は請求項21の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
ハロゲンガスの他に、質量がNe以上の希ガスを前記チャンバ内に供給する希ガス供給手段を有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項16、請求項17、請求項20又は請求項21の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
さらに、前記チャンバ内に電磁波を供給して成膜反応に伴い発生するハロゲンガスを解離させる電磁波発生手段を有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項16乃至請求項30の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量とに基づき両者の比率を検出する比率検出手段と、
この比率検出手段で検出する比率が予め定めた値になるように前記被エッチング部材の温度を制御する温度制御手段とを有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項31に記載する薄膜作成装置において、
前記比率検出手段は、前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量との検出を被エッチング部材の近傍の反応空間の試料を抽出して質量分析により行う質量分析手段を有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項31に記載する薄膜作製装置において、
前記比率検出手段は、前記前駆体の量と前記ラジカル又は前記ハロゲンガスの量との検出を、被エッチング部材の近傍の反応空間にレーザ光を照射し、これに伴う発光を分析することにより行う分光分析手段を有することを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項16乃至請求項33の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
被エッチング部材は、Cu、Co、Ni、Wを含む前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有し且つ高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属、又はTaを含む前記触媒作用は有しないが高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素の単体で形成したことを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項16乃至請求項33の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
被エッチング部材は、Cu、Co、Ni、Wを含む前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有し且つ高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属、又はTaを含む前記触媒作用は有しないが高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素の複数種類を成分とする複合金属で形成したことを特徴とする薄膜作製装置。 - 請求項16乃至請求項33の何れか一つに記載する薄膜作製装置において、
被エッチング部材は、Cu、Co、Ni、Wを含む前記ハロゲンガスを解離する触媒作用を有し且つ高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属、又はTaを含む前記触媒作用は有しないが高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属と、Se、S等の非金属とを成分とする複合金属で形成したことを特徴とする薄膜作製装置。
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