JP4117308B2 - 金属膜作製方法及び金属膜作製装置 - Google Patents

金属膜作製方法及び金属膜作製装置 Download PDF

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本発明は金属膜作製方法及び金属膜作製装置に関し、特にハロゲンを含有する原料ガスプラズマで、高蒸気圧ハロゲン化物を作る複数種の金属で形成した被エッチング部材を所定条件の下でエッチングすることにより、複合金属の成膜を行う場合に適用して有用なものである。
従来、気相成長法により金属膜、例えば、銅の薄膜を作製する場合、例えば、銅・ヘキサフロロアセチルアセトナト・トリメチルビニルシラン等の液体の有機金属錯体を原料として用い、固体状の原料を溶媒に溶かし、熱的な反応を利用して気化することにより基板に対する成膜を実施している。
特開2001−284285号公報 国際公開第01/073159号パンフレット
上述の従来技術は、熱的反応を利用した成膜のため、成膜速度の向上を図ることが困難であった。また、原料となる金属錯体が高価であり、しかも銅に付随しているヘキサフロロアセチルアセトナト及びトリメチルビニルシランが銅の薄膜中に不純物として残留するため、膜質の向上を図ることが困難であった。
本発明は、上記従来技術に鑑み、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中の不純物を可及的に低減し得る金属膜作製方法及び金属膜作製装置を提供することを目的とする。
本発明者等は次の知見を得た。すなわち、基板を収容する真空のチャンバ内に塩素ガスを供給し、この塩素ガスをプラズマ発生手段によりプラズマ化する一方、前記チャンバに配設した銅板からなる被エッチング部材を、塩素ガスプラズマでエッチングした場合、銅板と基板との温度の関係を適切に制御することにより、エッチングされた銅を基板に析出させて銅の薄膜を形成することができる。すなわち被エッチング部材である銅板を高温(例えば300°C〜400°C)に、また基板を低温(200°C程度)にした場合、基板には銅薄膜を形成することができるというものである。
したがって、相対的な高温雰囲気を形成する塩素ガスプラズマに臨んで銅板を配設する一方、このプラズマ雰囲気を挟んで銅板に対向する相対的な低温雰囲気に基板を配設するとともに、両者の温度を適切に制御することにより容易にCu薄膜の作製装置を提供することができる。
ここで、被エッチング部材としては、Cuの他に、例えば、Ta、Ti、W、Zn、In、Cd等、高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属であれば一般に用いることができる。更に、これらの金属を複数種類含む複合金属、例えばInとCuとの合金を被エッチング部材とすることもできる。また、前記金属にS、Se等の非金属元素を含む複合金属、例えばCuInSe2、CdS、ZnSe等の合金を被エッチング部材とすることもできる。また、原料ガスとしてはCl2の他に、ハロゲンガスであれば一般に用いることができる。
上述のCu薄膜の作製装置においては、次の様な反応が起こっていると考えられる。
Figure 0004117308
ここで、Cl*はClのラジカルであることを、(g)はガス状態であることを、(ad)は吸着状態であることをそれぞれ表している。
上式(1)で十分にCl*が存在すれば同式の右側への反応が進み、良好にCu膜を析出させることができる。しかし、Clガスプラズマの中には、Cl2、Cl+等が混在し、Cl*が優先的に発生する訳ではない。したがって、一意に上式(1)の反応が進む訳ではなく、逆に左側へ進む反応も同時に発生する。さらに、折角成膜されたCu膜をエッチングしてしまう可能性もある。
また、CuCl(ad)からCl2を十分引き抜けなくて次の反応が発生することがある。
CuCl(ad)→CuCl(s)
すなわちCuClの固体を形成してしまう。このCuCl(s)は絶縁体である。したがって、Cu膜中におけるCuCl(s)の存在は、生成したCu膜の導電率を低下させる原因となり、膜質を悪化させてしまう。
そこで、上述の如き知見に基づく金属膜作製方法を良好に実現するとともに、膜質をさらに向上させ、同時に成膜速度もさらに向上させるためには、第1に、チャンバ内に十分な量のCl*が存在するよう、このCl*を別途補給してやれば良い。これは、チャンバよりも容積が小さい別の空間で高密度のCl*を発生させてこれを供給するようにすれば良い。容積が小さい空間の方が、Cl*が発生するようプラズマ条件を調整することが容易であるからである。
一方、もう一つの成膜反応として次式(2)で表される反応も起こっていると考えられる。
2CuCl(ad)→2Cu+Cl2・・・・・・・・・(2)
上式(2)は、CuCl(ad)が熱的なエネルギーを貰ってCuを析出させ、Cl2ガスを放出する反応であるが、熱平衡的にはあり得る可逆的な反応である。上式(2)において、Cl2の量を減らせばその反応が右側に行くが、このためには、Cl2ガスを解離してやれば良い。
そこで、上述の如き知見に基づく金属膜作製方法を良好に実現するとともに、膜質をさらに向上させ、同時に成膜速度もさらに向上させるためには、第2に、成膜反応に伴って発生するCl2ガスの量が減少するようその解離率を増加させれば良い。これは、基本的にはプラズマ条件を調整することにより実現し得る。
第1の金属膜作製方法の構成は次の点を特徴とする。
1) 内部に基板を収容するチャンバに高蒸気圧ハロゲン化物を作る複数の種類の金属成分からなる複合金属で形成した被エッチング部材を配設する一方、前記チャンバ内のハロゲンを含有する原料ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングして金属成分とハロゲンとの複数種類の前駆体を形成し、前記被エッチング部材と前記基板の温度とを所定の温度及び温度差に制御することにより、前記複数種類の前駆体の金属成分を基板に析出させて所定の成膜を行うこと。
第2の金属膜作製方法の構成は次の点を特徴とする。
2) 内部に基板を収容するチャンバに高蒸気圧ハロゲン化物を作る1種類以上の金属成分と1種類以上の非金属成分とからなる複合金属で形成した被エッチング部材を配設する一方、前記チャンバ内のハロゲンを含有する原料ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングして金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体と非金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体を形成し、前記被エッチング部材と前記基板の温度とを所定の温度及び温度差に制御することにより、前記金属成分と前記非金属成分とを同時に基板に析出させて所定の成膜を行うこと。
上記第1の金属膜作製方法を実現する第1の金属膜作製装置の構成は次の点を特徴とする。
3) 基板が収容される筒状のチャンバと、このチャンバ内で前記基板に対向する位置に配設される高蒸気圧ハロゲン化物を作る複数の種類の金属成分からなる複合金属で形成した被エッチング部材と、前記基板と前記被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、前記被エッチング部材をエッチングすべく、高周波数の電力の供給によりチャンバの内部に供給された原料ガスをプラズマ化してチャンバ内に原料ガスプラズマを形成する成膜用プラズマ発生手段と、基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記原料ガスプラズマが被エッチング部材をエッチングすることにより得る金属成分とハロゲンとの複数種類の前駆体から複数種類の金属成分を基板に析出させて所定の成膜を行う温度制御手段とを有すること。
4) 基板が収容される筒状のチャンバと、このチャンバ内で前記基板に対向する位置に配設される高蒸気圧ハロゲン化物を作る複数の種類の金属成分からなる複合金属で形成した被エッチング部材と、ハロゲンを含有する原料ガスプラズマを前記チャンバ外で形成するとともに、この原料ガスプラズマを前記基板と前記被エッチング部材との間におけるチャンバ内に供給する原料ガスプラズマ供給手段と、基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記原料ガスプラズマが被エッチング部材をエッチングすることにより得る金属成分とハロゲンとの複数種類の前駆体から複数種類の金属成分を基板に析出させて所定の成膜を行う温度制御手段とを有すること。
上記第2の金属膜作製方法を実現する第2の金属膜作製装置の構成は次の点を特徴とする。
5) 基板が収容される筒状のチャンバと、このチャンバ内で前記基板に対向する位置に配設される高蒸気圧ハロゲン化物を作る1種類以上の金属成分と1種類以上の非金属成分とからなる複合金属で形成した被エッチング部材と、前記基板と前記被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、前記被エッチング部材をエッチングすべく、高周波数の電力の供給によりチャンバの内部に供給された原料ガスをプラズマ化してチャンバ内に原料ガスプラズマを形成する成膜用プラズマ発生手段と、基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記原料ガスプラズマが被エッチング部材をエッチングすることにより得る金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体と非金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体とから金属成分と非金属成分とを同時に基板に析出させて所定の成膜を行う温度制御手段とを有すること。
6) 基板が収容される筒状のチャンバと、このチャンバ内で前記基板に対向する位置に配設される高蒸気圧ハロゲン化物を作る1種類以上の金属成分と1種類以上の非金属成分とからなる複合金属で形成した被エッチング部材と、ハロゲンを含有する原料ガスプラズマを前記チャンバ外で形成するとともに、この原料ガスプラズマを前記基板と前記被エッチング部材との間におけるチャンバ内に供給する原料ガスプラズマ供給手段と、基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記原料ガスプラズマが被エッチング部材をエッチングすることにより得る金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体と非金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体とから金属成分と非金属成分とを同時に基板に析出させて所定の成膜を行う温度制御手段とを有すること。
〔請求項1〕に記載する発明は、内部に基板を収容するチャンバに高蒸気圧ハロゲン化物を作る複数の種類の金属成分からなる複合金属で形成した被エッチング部材を配設する一方、前記チャンバ内のハロゲンを含有する原料ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングして金属成分とハロゲンとの複数種類の前駆体を形成し、前記被エッチング部材と前記基板の温度とを所定の温度及び温度差に制御することにより、前記複数種類の前駆体の金属成分を基板に析出させて所定の成膜を行うので、用途に応じた種々の薄膜を作製することができ、汎用性に優れた金属膜作製方法として利用することができる。
〔請求項2〕に記載する発明は、内部に基板を収容するチャンバに高蒸気圧ハロゲン化物を作る1種類以上の金属成分と1種類以上の非金属成分とからなる複合金属で形成した被エッチング部材を配設する一方、前記チャンバ内のハロゲンを含有する原料ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングして金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体と非金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体を形成し、前記被エッチング部材と前記基板の温度とを所定の温度及び温度差に制御することにより、前記金属成分と前記非金属成分とを同時に基板に析出させて所定の成膜を行うので、用途に応じた種々の薄膜を作製することができ、汎用性に優れた金属膜作製方法として利用することができる。
〔請求項3〕に記載する発明は、基板が収容される筒状のチャンバと、このチャンバ内で前記基板に対向する位置に配設される高蒸気圧ハロゲン化物を作る複数の種類の金属成分からなる複合金属で形成した被エッチング部材と、前記基板と前記被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、前記被エッチング部材をエッチングすべく、高周波数の電力の供給によりチャンバの内部に供給された原料ガスをプラズマ化してチャンバ内に原料ガスプラズマを形成する成膜用プラズマ発生手段と、基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記原料ガスプラズマが被エッチング部材をエッチングすることにより得る金属成分とハロゲンとの複数種類の前駆体から複数種類の金属成分を基板に析出させて所定の成膜を行う温度制御手段とを有するので、用途に応じた種々の薄膜を作製することができ、汎用性に優れた金属膜作製装置として利用することができる。
〔請求項4〕に記載する発明は、基板が収容される筒状のチャンバと、このチャンバ内で前記基板に対向する位置に配設される高蒸気圧ハロゲン化物を作る複数の種類の金属成分からなる複合金属で形成した被エッチング部材と、ハロゲンを含有する原料ガスプラズマを前記チャンバ外で形成するとともに、この原料ガスプラズマを前記基板と前記被エッチング部材との間におけるチャンバ内に供給する原料ガスプラズマ供給手段と、基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記原料ガスプラズマが被エッチング部材をエッチングすることにより得る金属成分とハロゲンとの複数種類の前駆体から複数種類の金属成分を基板に析出させて所定の成膜を行う温度制御手段とを有するので、用途に応じた種々の薄膜を作製することができ、汎用性に優れた金属膜作製装置として利用することができる。
〔請求項5〕に記載する発明は、基板が収容される筒状のチャンバと、このチャンバ内で前記基板に対向する位置に配設される高蒸気圧ハロゲン化物を作る1種類以上の金属成分と1種類以上の非金属成分とからなる複合金属で形成した被エッチング部材と、前記基板と前記被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、前記被エッチング部材をエッチングすべく、高周波数の電力の供給によりチャンバの内部に供給された原料ガスをプラズマ化してチャンバ内に原料ガスプラズマを形成する成膜用プラズマ発生手段と、基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記原料ガスプラズマが被エッチング部材をエッチングすることにより得る金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体と非金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体とから金属成分と非金属成分とを同時に基板に析出させて所定の成膜を行う温度制御手段とを有するので、用途に応じた種々の薄膜を作製することができ、汎用性に優れた金属膜作製装置として利用することができる。
〔請求項6〕に記載する発明は、基板が収容される筒状のチャンバと、このチャンバ内で前記基板に対向する位置に配設される高蒸気圧ハロゲン化物を作る1種類以上の金属成分と1種類以上の非金属成分とからなる複合金属で形成した被エッチング部材と、ハロゲンを含有する原料ガスプラズマを前記チャンバ外で形成するとともに、この原料ガスプラズマを前記基板と前記被エッチング部材との間におけるチャンバ内に供給する原料ガスプラズマ供給手段と、基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記原料ガスプラズマが被エッチング部材をエッチングすることにより得る金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体と非金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体とから金属成分と非金属成分とを同時に基板に析出させて所定の成膜を行う温度制御手段とを有するので、用途に応じた種々の薄膜を作製することができ、汎用性に優れた金属膜作製装置として利用することができる。
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
本形態は、被エッチング部材を例えばInとCuとからなる複合金属、または、例えばCuInSe2、CdS、ZnSe等の複合金属とし、複合金属の薄膜を作製する場合である。
前述したCu薄膜の作製と同様に複合金属の薄膜の作製(例えば、InCu薄膜)においても、次の様な反応が起こっていると考えられる。
Figure 0004117308
ここで、Cl*はClのラジカル、(g)はガス状態、(ad)は吸着状態をそれぞれ表している。
また、もう一つの成膜反応として、Cu薄膜の作製の際に予想された式(2)に対応して、以下の反応も同様に起こっていることが予想される。
2CuCl(ad)→2Cu+Cl2・・・・・(5)
2InCl(ad)→2In+Cl2・・・・・(6)
また、非金属元素を含有するCuInSe2、CdS、ZnSe等の複合金属の場合も、複合金属中の非金属元素はCl*により塩素化されると考えられる。すなわち、Cl*によるエッチングの結果、Se、S等の非金属元素は塩化物を形成し前駆体となり、基板へ搬送され薄膜の構成元素となる。
第1の実施の形態
図1は本発明の第1の実施の形態に係る金属膜作製装置の概略側面図である。同図に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)のチャンバ1(絶縁材料製)の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御される。
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部はInとCuとの複合金属で作られた被エッチング部材である複合金属板部材101によって塞がれている。ここで、複合金属板部材101はInとCuとを1対1の割合で均一に混合した後にプレス成形して板状としたものである。この作製方法によれば、容易に複合金属板部材101を作製することができる。他には、複合金属板部材101の右側半分をInで形成し、左側半分をCuで形成する分割型にして作製してもよい。この作製方法によれば、成膜される薄膜の組成コントロ−ルが容易になる。複合金属板部材101によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。
チャンバ1の筒部の複合金属板部材101側の周囲には、チャンバ1の軸方向に亘り巻回したコイル状の成膜用プラズマアンテナ9が配設されており、この成膜用プラズマアンテナ9には整合器10及び電源11が接続されて給電が行われる。成膜用プラズマアンテナ9、整合器10及び電源11で成膜用プラズマ発生手段を構成している。
チャンバ1の筒部における基板3の斜め上方の位置には、スリット状の開口部23が形成され、この開口部23には筒状の通路24の一端がそれぞれ固定してある。通路24の途中には絶縁体で形成した筒状の励起室25が設けられ、この励起室25の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ26が巻回してある。このプラズマアンテナ26には整合器27及び電源28が接続され、給電を行うようになっている。ここで、開口部23、これに伴う通路24及び励起室25等はチャンバ1の同一高さ位置で、このチャンバ1の周囲4箇所(図には2箇所のみを示す。)に配設してある。通路24の他端側には流量制御器29が接続され、この流量制御器29を介して通路24内にCl*を得るためのCl2ガスが供給される。これら、プラズマアンテナ26、整合器27、電源28及び流量制御器29で原料ガスラジカル供給手段を構成している。
かかる原料ガスラジカル供給手段において、流量制御器29を介して励起室25内にCl2ガスを供給しつつ、プラズマアンテナ26から電磁波を励起室25の内部に入射することで、Cl*を形成する。このとき、励起室25内ではCl*を高密度で形成することができるようプラズマ条件を調整してある。このようにして形成したCl*は、成膜時に通路24を介してチャンバ1内に供給される。このCl*は、基板3上に吸着状態となっている金属塩化物(CuCl、InCl)からCl2ガスを解離して当該成膜反応を促進させる。すなわち、上式(3)、(4)に示す成膜反応を促進させる。
支持台2の上方におけるチャンバ1の筒部には、チャンバ1の内部に塩素を含有する原料ガス(Heで塩素濃度が≦50%、好ましくは10%程度に希釈されたCl2ガス)を供給するノズル12が接続してある。ノズル12は複合金属板部材101に向けて開口している。また、このノズル12には流量制御器13を介して原料ガスが送給される。原料ガスは、成膜時に、チャンバ1内で壁面側に沿って基板3側から複合金属板部材101側に送られる。
一方、チャンバ1の筒部の上部には、チャンバ1の内部にArガス等の希ガスを供給するノズル30が接続されている。ここで、Arガス等の希ガスは、流量制御器31で流量を制御されて上式(5)、(6)に示す成膜反応におけるCl2ガスの解離率を向上させ、成膜反応を促進するためのものである。したがって、原料ガスに希釈ガスとして含まれているHeガスを除き、質量がNe以上の希ガスは、Cl2ガスの解離率を向上させて成膜反応を促進するガスとして利用し得る。ただ、解離率を向上させる、いわば触媒としての機能を考慮すれば、Arガス乃至Krガスが好適であり、さらにコスト面を考慮すればArガスが最適である。
かかる金属膜作製装置における成膜時の態様は次の通りとなる。なお、成膜時には、成膜用プラズマアンテナ9及びプラズマアンテナ26に通電する。
先ず、チャンバ1の内部にノズル12から原料ガスを供給しつつ、成膜用プラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2ガスをイオン化してCl2ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14を発生させる。このCl2ガスプラズマ14は、チャンバ1内の成膜用プラズマアンテナ9に隣接する空間、すなわちチャンバ1の複合金属板部材101側(上部)の空間に形成される。
Cl2ガスプラズマ14により、複合金属板部材101にエッチング反応が生じ、前駆体102が生成される。このとき、複合金属板部材101はCl2ガスプラズマ14により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。ここで、前記前駆体102は、Cux1Cly1とInx2Cly2とからなる。
チャンバ1の内部で生成された前駆体102は、複合金属板部材101よりも低い温度に制御された基板3に搬送される。基板3に搬送されてこれに吸着された前駆体102は、成膜反応を表す前記式(3)乃至(6)の反応により基板3上にCuとInを析出させる。かくして、基板3の表面にCuとInとからなる複合金属薄膜103が生成される。
このとき、励起室25では、Cl*を高効率で形成してこれをチャンバ1内に補給することにより、上式(3)、(4)におけるClを解離して成膜反応を促進させる。また、ノズル30からは、Arガスをチャンバ1内に供給して上式(5)、(6)におけるCl2ガスを解離して成膜反応を促進させる。
上記構成の金属膜作製装置では、Cl2ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14を用いているため、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原料ガスとしてCl2ガスを用いているため、コストを大幅に減少させることができる。さらに、温度制御手段6を用いて基板3を複合金属板部材101よりも低い温度に制御しているので、複合金属薄膜103中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質な複合金属薄膜103を生成することが可能になる。
また、本実施形態に係る金属膜作製装置では複合金属板部材101をCuInSe2、CdS、ZnSe等の複合金属で作製することにより、これらの複合金属の薄膜を作製することも可能である。
第2の実施の形態
図2は本発明の第2の実施の形態に係る金属膜作製装置の概略側面図である。同図に示すように、本形態に係る金属膜作製装置は図1に示す第1の実施の形態に対し、プラズマアンテナの構成及びこれに伴う関連部分の構成が異なるが、多くの部分で同様の構成である。そこで、図1と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図2に示すように、チャンバ41は円筒状に形成された、金属製(例えば、アルミ製)の部材で、その上面は開口部とされ、開口部は絶縁部材(例えば、セラミックス製)である円盤状の天井板47によって塞がれている。リング部106及び突起部107からなる複合金属部材105は、図3に基づき後に詳説するが、チャンバ41内で基板3に対向する位置に、周方向に亘り複数に分割するとともに各分割部分である突起部107がチャンバ41の内周面側から中心側に向かって突出している。成膜用プラズマアンテナ49は、スパイラル状に成形されて天井板47の外方に配設されており、整合器50を介して電源51から供給される電流により、電界を形成し、チャンバ41の複合金属部材105側(上部)の内部空間で、このチャンバ41内に供給される原料ガスであるCl2ガスをプラズマ化してCl2ガスプラズマ14を形成する。すなわち、成膜用プラズマアンテナ49、整合器50及び電源51で成膜用プラズマ発生手段を構成している。
図3に詳細に示すように、複合金属部材105のリング部106の内周側にはチャンバ41(図2参照。)の径方向中心部近傍まで延び同一幅となっている突起部107a〜107lが円周方向に複数(図示例では12個)設けられている。突起部107a〜107lは、リング部106に対して一体、若しくは取り外し自在に取り付けられている。ここで、突起部107a、e、iはCu(銅)製、突起部107c、g、kはIn(インジウム)製、突起部107b、d、f、h、j、lはSe(セレン)製である。すなわち、CuInSe2の組成比にあわせて各突起部を形成している。天井板47(図2参照。)とチャンバ41の内部との間には突起部107a〜107lの間で形成される切欠部67(空間)が存在した状態になっている。リング部106はアースされており、複数の突起部107a〜107lはリング部106で電気的に接続されて同電位となっている。
かかる金属膜作製装置における成膜時には、成膜用プラズマアンテナ49及びプラズマアンテナ26に通電する。この結果、成膜用プラズマアンテナ49から電磁波をチャンバ41の内部に入射することで、Cl2ガスをイオン化してCl2ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14を発生させ、前記第6の実施の形態と同様の態様で複合金属薄膜103の成膜を行う。
本形態における複合金属薄膜103は非金属元素を含有するCuInSe2からなる複合金属の薄膜であるが、前記第6の実施例で示した金属元素のみからなる複合金属膜の成膜と同様の成膜が行われると考えられる。すなわち、CuとInの金属元素のみならず、非金属元素であるSeもCl*による塩素化により前駆体である塩化物を形成し、基板へ搬送され薄膜を生成すると考えられる。
なお、本形態においても、励起室25では、Cl*を高効率で形成してこれをチャンバ41内に補給することにより、上式(3)、(4)におけるClを解離して成膜反応を促進させる。更に、基板に吸着した塩素化されたSeもClを解離し、成膜反応を促進させると考えられる。また、ノズル30からは、Arガスをチャンバ41内に供給して上式(5)、(6)におけるCl2ガスを解離して成膜反応を促進させる。
また、本実施形態に係る金属膜作製装置では複合金属部材105をCdS、ZnSe、InCu等の複合金属で作製することにより、これらの複合金属の薄膜を作製することも可能である。
第3の実施の形態
図4示すように、本形態は、図1に示す第1の実施の形態における成膜用プラズマアンテナ9を除去し、その代わりに被エッチング部材である複合金属板部材101に成膜用プラズマアンテナの機能を兼備させたものである。このため、電源11からの高周波電力を整合器10を介して複合金属板部材101に供給するとともに、導電部材である支持台2を接地するように構成してある。すなわち、複合金属板部材101と支持台2とが両電極となってチャンバ1内における両者の間にCl2ガスプラズマ14を形成するようになっている。ここで、複合金属板部材101はInとCuとの複合金属で形成されている。
本形態に係る金属膜作製装置におけるその他の構成は、図1と同様であるので、同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
かかる本形態においては、チャンバ1の内部にノズル12から原料ガスを供給し、複合金属板部材101から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2ガスがイオン化されてCl2ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生する。この結果、Cl2ガスプラズマ14により、複合金属板部材101にエッチング反応が生じ、前駆体102が生成される。ここで、前記前駆体102は、Cux1Cly1とInx2Cly2とからなる。このとき、複合金属板部材101は、図示しない温度制御手段により基板3の温度よりも高い温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。かくして、第1の実施の形態と全く同様の態様で基板3の表面にはCuとInとからなる複合金属薄膜103が形成される。
また、本形態においても、励起室25では、Cl*を高効率で形成してこれをチャンバ1内に補給することにより、上式(3)、(4)におけるClを解離して成膜反応を促進させる。また、ノズル30からは、Arガスをチャンバ1内に供給して上式(5)、(6)におけるCl2ガスを解離して成膜反応を促進させる。
また、本実施形態に係る金属膜作製装置では複合金属板部材101をCuInSe2、CdS、ZnSe等の複合金属で作製することにより、これらの複合金属の薄膜を作製することも可能である。
第4の実施の形態
上記第1から第3の実施形態では、原料ガスをチャンバ1等の内部に供給し、これをプラズマ化したが、チャンバ内に直接原料ガスプラズマを供給するようにしても良い。かかる金属膜作製装置を図5に基づき詳説する。同図に示すように、本形態に係る金属膜作製装置は図1等に示す第1の実施の形態等にかかる金属膜作製装置に対し、成膜用プラズマアンテナ9等を有しない点が大きく異なるが、多くの共通する構成部分を有する。そこで、図1等と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図5に示すように、円筒状に形成された、例えばセラミックス製(絶縁材料製)のチャンバ81の上面は開口部とされ、開口部は、例えばセラミックス製(絶縁材料製)の天井板100によって塞がれている。天井板100の下面には複合金属板部材101が設けられ、複合金属板部材101は錐形状となっている。ここで、複合金属板部材101はInとCuとの複合金属で形成されている。
また、チャンバ81の筒部の上部の周囲4箇所(図には2箇所のみを示す。)には、スリット状の開口部89が形成され、開口部89には筒状の通路90の一端がそれぞれ固定されている。通路90の途中部には絶縁体で形成した筒状の励起室95が設けられ、励起室95の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ91が設けられ、プラズマアンテナ91には整合器92及び電源93に接続されて給電が行われる。プラズマアンテナ91、整合器92及び電源93によりプラズマ発生手段を構成している。
通路90の他端側には流量制御器94が接続され、流量制御器94を介して通路90内にハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(Heで塩素濃度が≦50%、好ましくは10%程度に希釈されたCl2ガス)が供給される。プラズマアンテナ91から電磁波を励起室95の内部に入射することで、Cl2ガスがイオン化されてCl2ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)96が発生する。つまり、塩素を含有する原料ガスをチャンバ81と隔絶した励起室95で励起する励起手段が構成されている。Cl2ガスプラズマ96の発生により励起塩素が開口部89からチャンバ81内の複合金属板部材101側(上部)に供給され、複合金属板部材101がCl2ガスプラズマ96によりエッチングされる。
かかる金属膜作製装置における成膜時には、励起室95でCl2ガスプラズマ96を形成し、複合金属板部材101と基板3との温度条件を所定通りに調整したチャンバ81内に開口部89を介して前記Cl2ガスプラズマ96を導入する。このことにより、図1等に示す金属膜作製装置の場合と同様に複合金属板部材101がエッチングされ、基板3の表面にCuとInとからなる複合金属薄膜103を形成することができる。
なお、本形態においても、励起室25では、Cl*を高効率で形成してこれをチャンバ81内に補給することにより、上式(3)、(4)におけるClを解離して成膜反応を促進させる。また、ノズル30からは、Arガスをチャンバ81内に供給して上式(5)、(6)におけるCl2ガスを解離して成膜反応を促進させる。
また、本実施形態に係る金属膜作製装置では複合金属板部材101をCuInSe2、CdS、ZnSe等の複合金属で作製することにより、これらの複合金属の薄膜を作製することも可能である。
上記各実施の形態における原料ガスラジカル供給手段は、筒状の励起室25の周囲に巻回したコイル状のプラズマアンテナ26で、この励起室25内にCl*を形成し、このCl*をチャンバ1等の内部に補給するように構成したが、これに限るものではない。原料ガス(例えば、Cl2ガス)のラジカル(例えば、Cl*)を別途形成してこれをチャンバの内部に補給することができるようになっていれば良い。例えば、次の様な構成の原料ガスラジカル供給手段が考えられる。
1) チャンバ内に連通して原料ガスを流通させる筒状の通路にマイクロ波を供給手段を有し、このマイクロ波供給手段が発生するマイクロ波により前記原料ガスをプラズマ化するもの。これは、例えばマグネトロンを利用することにより容易に構成することができる。この場合、周波数は2.45(GHz)程度のものを使用することができる。ちなみに、上記各実施の形態でプラズマアンテナ26に供給する周波数は13.56(MHz)である。したがって、マイクロ波を用いた場合がより高密度の原料ガスラジカルを形成することができる。
2) チャンバ内に連通する筒状の通路を流通する原料ガスを加熱してこの原料ガスを熱的に解離する加熱手段を有するもの。かかる加熱手段としては、フィラメントで形成したヒータが考えられるが、かかるヒータで熱解離に必要な1500度以上の温度は容易に得られる。したがって、最も安価に原料ガスラジカル補給手段を構成することができる。
3) チャンバ内に連通する筒状の通路を流通する原料ガスにレーザ光又は電子線等の電磁波を供給してこの原料ガスを解離させる電磁波発生手段を有するもの。これは、レーザ光又は電子線の波長を特定のものに固定することにより、所望のラジカル(例えばCl*)を高効率で発生させることかできる。すなわち、所望のラジカルを選択的に高効率で発生させることができる。
また、上記各実施の形態において上式(2)及び(5)、(6)の成膜反応を促進させるべくCl2ガスの解離率を向上させる手段として、希ガス供給手段を設けたが、この代わりにチャンバ1等の内部に電磁波を供給してCl2ガスを解離するようにしても良い。すなわち、基板3の上方で原料ガス(例えばCl2)が解離するような波長の電磁波、例えば200nm〜350nmのレーザ光を供給するように構成すれば良い。かかる構成は、エキシマレーザ、YAGレーザ等の紫外域のレーザ光を照射するレーザ発振装置を利用することにより容易に構成することができる。
さらに、上式(2)及び(5)、(6)の成膜反応を促進させるべく、解離率を増加するには次の様なプラズマ条件の制御が有効である。
1) 原料ガス(例えばCl2ガス)の供給量を減じる。この場合は、その前駆体の量も減るので成膜レートを多少犠牲にする必要がある。ただ、原理的には可能である。例えば、上記各実施の形態の場合で考えると、成膜レートとの兼ね合いから、標準供給量の10%減程度が適当である。すなわち、Cl2ガスの標準供給量が50(sccm)の場合、45(ccm)程度に減じるのが適当である。
2) チャンバ1等の内部にプラズマを発生させる成膜用プラズマアンテナへの高周波電力の電力量を増加させる。例えば、標準電力が22(W/cm2)の場合、これを30(W/cm2)とする。
上記各実施の形態に係る金属膜作製装置は、上式(1)及び(3)、(4)による成膜反応を促進する要件及び上式(2)及び(5)、(6)による成膜反応を促進する要件の両方を同時に充足する装置として説明したが、勿論何れか一方の成膜反応を促進するような装置として構成しても良い。また、上式(2)及び(5)、(6)による成膜反応を促進すべく解離率を向上させるため、別途Arガスを供給するようにしたが、これは原料ガス(例えばCl2ガス)の希釈ガスとしてHeガスを使用している場合には、このHeガスに代えて用いることもできる。この場合には、原料ガスの希釈ガスとしての機能と、前記解離率を向上させるための成膜促進用ガスとしての機能とを兼備することとなる。
なお、上記各実施の形態においては、原料ガスとして、Heで希釈されたCl2ガスを例に挙げて説明したが、Cl2ガスを単独で用いることも可能である。また、複合金属からなる被エッチング部材の場合は、前駆体はCux1Cly1、Inx2Cly2、SeやSの塩化物などである。したがって、原料ガスは塩素を含有するガスであればよい。さらに、一般的には塩素に限らず、ハロゲンガスであれば、本発明の原料ガスとして利用することができる。
また、被エッチング部材は銅に限らず、例えばTa、Ti、W、Zn、In、Cd等の高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属であれば同様に用いることができる。この場合、前駆体はTa、Ti、W、Zn、In、Cd等の塩化物(ハロゲン化物)となり、基板3の表面に生成される薄膜はTa、Ti、W、Zn、In、Cd等となる。
更に、これらの金属を複数種類含む複合金属、例えばInとCuとの合金を被エッチング部材とすることもできる。また、前記金属にS、Se等の非金属元素を含む複合金属、例えばCuInSe2、CdS、ZnSe等の合金を被エッチング部材とすることもできる。この場合、前駆体は金属塩化物及び非金属元素の塩化物であり、基板3の表面には複合金属の薄膜が生成される。
また、上記実施の形態では何れも原料ガスのラジカルを補給する場合について説明したが、成膜条件等によっては必ずしも原料ガスのラジカルを補給する必要はない。ただし、別途形成した原料ガスのラジカルを補給することにより、成膜速度の向上及び膜質の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る金属膜作製装置を示す概略側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る金属膜作製装置を示す概略側面図である。 図2のI−I線矢視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る金属膜作製装置を示す概略側面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る金属膜作製装置を示す概略側面図である。
符号の説明
1 チャンバ
3 基板
6 温度制御手段
7 銅板部材
9 成膜用プラズマアンテナ

Claims (6)

  1. 内部に基板を収容するチャンバに高蒸気圧ハロゲン化物を作る複数の種類の金属成分からなる複合金属で形成した被エッチング部材を配設する一方、前記チャンバ内のハロゲンを含有する原料ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングして金属成分とハロゲンとの複数種類の前駆体を形成し、
    前記被エッチング部材と前記基板の温度とを所定の温度及び温度差に制御することにより、前記複数種類の前駆体の金属成分を基板に析出させて所定の成膜を行うことを特徴とする金属膜作製方法。
  2. 内部に基板を収容するチャンバに高蒸気圧ハロゲン化物を作る1種類以上の金属成分と1種類以上の非金属成分とからなる複合金属で形成した被エッチング部材を配設する一方、前記チャンバ内のハロゲンを含有する原料ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングして金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体と非金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体を形成し、
    前記被エッチング部材と前記基板の温度とを所定の温度及び温度差に制御することにより、前記金属成分と前記非金属成分とを同時に基板に析出させて所定の成膜を行うことを特徴とする金属膜作製方法。
  3. 基板が収容される筒状のチャンバと、
    このチャンバ内で前記基板に対向する位置に配設される高蒸気圧ハロゲン化物を作る複数の種類の金属成分からなる複合金属で形成した被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    前記被エッチング部材をエッチングすべく、高周波数の電力の供給によりチャンバの内部に供給された原料ガスをプラズマ化してチャンバ内に原料ガスプラズマを形成する成膜用プラズマ発生手段と、
    基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記原料ガスプラズマが被エッチング部材をエッチングすることにより得る金属成分とハロゲンとの複数種類の前駆体から複数種類の金属成分を基板に析出させて所定の成膜を行う温度制御手段とを有することを特徴とする金属膜作製装置。
  4. 基板が収容される筒状のチャンバと、
    このチャンバ内で前記基板に対向する位置に配設される高蒸気圧ハロゲン化物を作る複数の種類の金属成分からなる複合金属で形成した被エッチング部材と、
    ハロゲンを含有する原料ガスプラズマを前記チャンバ外で形成するとともに、この原料ガスプラズマを前記基板と前記被エッチング部材との間におけるチャンバ内に供給する原料ガスプラズマ供給手段と、
    基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記原料ガスプラズマが被エッチング部材をエッチングすることにより得る金属成分とハロゲンとの複数種類の前駆体から複数種類の金属成分を基板に析出させて所定の成膜を行う温度制御手段とを有することを特徴とする金属膜作製装置。
  5. 基板が収容される筒状のチャンバと、
    このチャンバ内で前記基板に対向する位置に配設される高蒸気圧ハロゲン化物を作る1種類以上の金属成分と1種類以上の非金属成分とからなる複合金属で形成した被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    前記被エッチング部材をエッチングすべく、高周波数の電力の供給によりチャンバの内部に供給された原料ガスをプラズマ化してチャンバ内に原料ガスプラズマを形成する成膜用プラズマ発生手段と、
    基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記原料ガスプラズマが被エッチング部材をエッチングすることにより得る金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体と非金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体とから金属成分と非金属成分とを同時に基板に析出させて所定の成膜を行う温度制御手段とを有することを特徴とする金属膜作製装置。
  6. 基板が収容される筒状のチャンバと、
    このチャンバ内で前記基板に対向する位置に配設される高蒸気圧ハロゲン化物を作る1種類以上の金属成分と1種類以上の非金属成分とからなる複合金属で形成した被エッチング部材と、
    ハロゲンを含有する原料ガスプラズマを前記チャンバ外で形成するとともに、この原料ガスプラズマを前記基板と前記被エッチング部材との間におけるチャンバ内に供給する原料ガスプラズマ供給手段と、
    基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低い所定の温度に制御して前記原料ガスプラズマが被エッチング部材をエッチングすることにより得る金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体と非金属成分とハロゲンとの1種類以上の前駆体とから金属成分と非金属成分とを同時に基板に析出させて所定の成膜を行う温度制御手段とを有することを特徴とする金属膜作製装置。
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