JP2005139389A - 半導体超微粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表面欠陥による量子効率低下の問題のなく、耐水性、耐候性などの耐環境性に優れると共に紫外線などのエネルギー照射でも特性が劣化しない半導体超微粒子の提供。
【解決手段】 表面に有機成分が保持され、さらにその上に酸化物からなる被覆層が形成されている半導体超微粒子。
【選択図】 図1
【解決手段】 表面に有機成分が保持され、さらにその上に酸化物からなる被覆層が形成されている半導体超微粒子。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体超微粒子に関する。
半導体粒子は、一般に、光や電子線のようなエネルギーを吸収することにより、2つのエネルギー準位の差に反比例する波長の光を発する性質を有している。この性質は、既に陰極線管(CRT)やプラズマディスプレイ(PDP)等のディスプレイの蛍光体粒子として利用されている。これらに用いられる半導体粒子はバルク体と呼ばれ、粒径は数μmレベル(1〜10μm)のものである。
一方、ディスプレイの分野では、さらなる薄膜化、軽量化、小型化が求められている。そのために、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)に代表されるフラットパネルディスプレイやエレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等が開発されている。
これらフラットパネルディスプレイやELDは、基本的にはアノードとカソードの間に設けた蛍光体層に電子ビームや紫外線を照射したり、あるいは電界を印加したりして、蛍光体を励起し、発光させるものでアノードとカソードとの間隔を狭くして印加電圧や消費電力を小さくすることが望まれている。しかし、従来の粒径数μmのバルク体を蛍光体粒子として用いると、低電圧では充分に発光しない。例えば、数十V程度の印加電圧で発光させるためには、アノードとカソードの間隔を0.1μm以下にする必要があり、したがって、この蛍光体層を構成する蛍光体の粒子径も0.1μm以下に抑える必要がある。
これらフラットパネルディスプレイやELDは、基本的にはアノードとカソードの間に設けた蛍光体層に電子ビームや紫外線を照射したり、あるいは電界を印加したりして、蛍光体を励起し、発光させるものでアノードとカソードとの間隔を狭くして印加電圧や消費電力を小さくすることが望まれている。しかし、従来の粒径数μmのバルク体を蛍光体粒子として用いると、低電圧では充分に発光しない。例えば、数十V程度の印加電圧で発光させるためには、アノードとカソードの間隔を0.1μm以下にする必要があり、したがって、この蛍光体層を構成する蛍光体の粒子径も0.1μm以下に抑える必要がある。
しかしながら、この蛍光体層を構成する蛍光体に従来のバルク体を適用すると、例えば、ZnS、CdS等のようなカルコゲン化物、特に、ZnS系の蛍光体では、通常のバルク体では粒子径が3μm以下になるとしだいに発光効率が著しく低下してしまい、使用することができない。
しかし、この半導体粒子の粒径が1〜数十nmというように、その物質のボーア半径(a0)の2倍よりも小さくなると、量子閉じ込め効果によりバルク体と異なる性質を示し、反対に発光効率が増加するようになる。いわゆる量子サイズ効果である。このような粒子は、超微粒子、コロイド粒子、ナノ粒子、ナノクリスタル、あるいは量子ドット等と呼ばれている。
そこで、発光効率の低下を抑制するために、蛍光体材料として、粒径が1〜数十nmレベルでその物質のボーア半径の2倍よりも小さい半導体超微粒子を用いることが考えられる。
しかし、この半導体粒子の粒径が1〜数十nmというように、その物質のボーア半径(a0)の2倍よりも小さくなると、量子閉じ込め効果によりバルク体と異なる性質を示し、反対に発光効率が増加するようになる。いわゆる量子サイズ効果である。このような粒子は、超微粒子、コロイド粒子、ナノ粒子、ナノクリスタル、あるいは量子ドット等と呼ばれている。
そこで、発光効率の低下を抑制するために、蛍光体材料として、粒径が1〜数十nmレベルでその物質のボーア半径の2倍よりも小さい半導体超微粒子を用いることが考えられる。
しかし、このような半導体超微粒子は、バルク体に比べて粒子表面に表れている原子の割合が、多くなっているため、バルク体に比べて表面欠陥が生成しやすく、この欠陥により半導体自身の量子効率が低下してしまうという問題がある。
表面欠陥の補修法としては、半導体粒子製造後にアニール処理を施すことにより、結晶中に存在する欠陥準位を補修する提案がある。この提案では、3μm程度の半導体粒子にアニール処理を施している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−34477号公報
表面欠陥の補修法としては、半導体粒子製造後にアニール処理を施すことにより、結晶中に存在する欠陥準位を補修する提案がある。この提案では、3μm程度の半導体粒子にアニール処理を施している(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、半導体超微粒子は上述のようにバルク体に比べて粒子表面に表れている原子の割合が、多くなっているため半導体超微粒子の場合はアニール処理では充分表面欠陥を捕集するのは困難であった。さらに、アニール処理を行うと、結晶成長により粒子が大きくなり、粒径が1〜数十nmの、その物質のボーア半径の2倍よりも小さい粒子を得ることができないという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、表面欠陥による量子効率低下の問題のなく、耐水性、耐候性などの耐環境性に優れると共に紫外線などのエネルギー照射でも特性が劣化しない半導体超微粒子を提供することを目的とする。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、表面欠陥による量子効率低下の問題のなく、耐水性、耐候性などの耐環境性に優れると共に紫外線などのエネルギー照射でも特性が劣化しない半導体超微粒子を提供することを目的とする。
即ち、本発明の半導体超微粒子は表面に有機成分が保持され、さらにその上に酸化物からなる被覆層が形成されていることを特徴とする。
本発明の半導体超微粒子は、高い発光効率を有し、耐水性、耐光性などの耐環境性に優れるとともに紫外線や電子線などの強いエネルギーによっても特性が劣化しない。また、この半導体超微粒子を用いれば、優れた発光特性をもち、耐水性、耐酸化性、耐紫外線性、耐電子線等の耐環境性を著しく向上させた0.1μm以下の蛍光体層を形成することができる。
本発明の半導体超微粒子について説明する。なお、この実施形態は、発明の趣旨をよりよく理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は本実施形態の半導体超微粒子を示す断面図であり、図において、符号1は中心核となる半導体超微粒子、2はその表面に保持されている有機成分(以下「キャッピング剤」という。)、3はこの有機成分を保持した半導体超微粒子の表面を被覆する酸化物からなる被覆層である。
図1は本実施形態の半導体超微粒子を示す断面図であり、図において、符号1は中心核となる半導体超微粒子、2はその表面に保持されている有機成分(以下「キャッピング剤」という。)、3はこの有機成分を保持した半導体超微粒子の表面を被覆する酸化物からなる被覆層である。
半導体超微粒子1は、比較的簡単に合成できることからカルコゲン化物であることが好ましい。カルコゲン化物とは、カルコゲン(周期律表のVI族元素のうち、酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、ポロニウム(Po)の5元素の総称)を含む化合物を称する。そして特に、マンガン(Mn)、銅(Cu)、銀(Ag)、テルビウム(Tb)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)等の金属元素を付活剤としてドープすることで固有の発光特性をもたせることができることからカルコゲン化物を構成するカルコゲン以外の原子はII〜VI族化合物であることが好ましい。カルコゲンと前記II〜VI族化合物からなるカルコゲン化物は、ZnS、CdS、ZnSe、CdSe、ZnTe、CdTe、ZnOから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
この半導体超微粒子1の平均一次粒子径は、1nm以上かつ10nm以下であることが好ましい。その理由は、平均一次粒子径が1nm未満の場合には、粒子内部における原子の数がすくなくなるために、前述の付活金属元素の固溶が十分にできなくなるからであり、また、10nmを超える場合には、ボーア半径の2倍を超える粒子が多くなり、量子サイズ効果が十分に発現しないからである。
ここで、半導体超微粒子1の平均一次粒子径とは、有機成分(キャッピング剤)が保持された部分2及びその上に形成された酸化物からなる被覆層3を除いた部分の粒径をいう。
この半導体超微粒子1は、どのような方法で製造されたものであってもかまわないが、例えば金属塩を溶解した水溶液中に硫化ナトリウム(NaS)のようなカルコゲン化アルカリを沈殿剤として投入してカルコゲン化物を析出させる、いわゆる中和共沈法によって得られたコロイド状のカルコゲン化物微粒子が好適に用いられる。
ここで、半導体超微粒子1の平均一次粒子径とは、有機成分(キャッピング剤)が保持された部分2及びその上に形成された酸化物からなる被覆層3を除いた部分の粒径をいう。
この半導体超微粒子1は、どのような方法で製造されたものであってもかまわないが、例えば金属塩を溶解した水溶液中に硫化ナトリウム(NaS)のようなカルコゲン化アルカリを沈殿剤として投入してカルコゲン化物を析出させる、いわゆる中和共沈法によって得られたコロイド状のカルコゲン化物微粒子が好適に用いられる。
本発明においては、半導体超微粒子1はその表面にキャッピング剤2が保持されている。
上述のように半導体超微粒子は、バルク体に比べて粒子表面に表れている原子の割合が、多くなっているため、表面に現れている原子にキャッピング剤を保持させて表面欠陥を塞ぐ。
また、キャッピング剤を保持させることにより、半導体超微粒子の凝集、成分元素の媒質への溶解や揮発を防止することができる。
さらに、キャッピング剤として、リン酸類、オキシリン酸類、カルボン酸類などの2重結合を持つ官能基を含む有機物を使用した場合、励起したエネルギーが通常の経路を通って発光中心に移動するのに加えて、官能基を介してのエネルギー移動や官能基自体が励起されたエネルギーの発光中心への移動が起こり、発光強度が増大する。
ここで、半導体超微粒子表面に有機成分(キャッピング剤)が保持されているとは、有機成分が、例えば、配位結合、共有結合、イオン結合等の化学結合で保持されている場合、あるいはファンデルワールス力、水素結合、分子鎖の絡み合いによる作用等の、お互いの相互作用で保持されている場合等が例示される。特に、半導体超微粒子表面の欠陥部分と、配位結合のような化学結合により保持されている場合が好ましい。また、表面が被覆されていることが好ましい。
上述のように半導体超微粒子は、バルク体に比べて粒子表面に表れている原子の割合が、多くなっているため、表面に現れている原子にキャッピング剤を保持させて表面欠陥を塞ぐ。
また、キャッピング剤を保持させることにより、半導体超微粒子の凝集、成分元素の媒質への溶解や揮発を防止することができる。
さらに、キャッピング剤として、リン酸類、オキシリン酸類、カルボン酸類などの2重結合を持つ官能基を含む有機物を使用した場合、励起したエネルギーが通常の経路を通って発光中心に移動するのに加えて、官能基を介してのエネルギー移動や官能基自体が励起されたエネルギーの発光中心への移動が起こり、発光強度が増大する。
ここで、半導体超微粒子表面に有機成分(キャッピング剤)が保持されているとは、有機成分が、例えば、配位結合、共有結合、イオン結合等の化学結合で保持されている場合、あるいはファンデルワールス力、水素結合、分子鎖の絡み合いによる作用等の、お互いの相互作用で保持されている場合等が例示される。特に、半導体超微粒子表面の欠陥部分と、配位結合のような化学結合により保持されている場合が好ましい。また、表面が被覆されていることが好ましい。
このようなキャッピング剤2としては、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、2−メルカプトエチルアミン、β−チオグリコール、2,2’−チオ二酢酸などのチオアルコール類;ヘキサリン酸、オクタリン酸、テトラリン酸、トリリン酸などのリン酸類;トリオクチルフォスフィンオキシド等のオキシリン酸類;酢酸、アクリル酸、ポリアクリル酸、メタクリル酸などのカルボン酸類から選択される少なくとも1種が好ましい。特にチオアルコール類はカルコゲナイト元素である硫黄を含むため、保持しやすく、その硫黄原子がカルコゲン化物の表面の欠陥を周囲と大きな電子物性の違いが生じることなく非常に効率よく表面の欠陥を塞ぐことが可能であるためにより好ましい。
キャッピング剤2の添加量としては、半導体超微粒子の5倍モル量以上かつ10倍モル量以下が、溶液中に単分散したナノサイズの半導体超微粒子の表面に確実に保持させることができることから好ましい。
このキャッピング剤2の添加量を半導体超微粒子の5倍モル量未満とした場合、ナノサイズの半導体超微粒子の表面における保持量が少なすぎて効果が得られにくく、また、10倍モル量よりも多くしても表面の欠陥を塞ぐ効果は向上しにくいからである。
このキャッピング剤2の添加量を半導体超微粒子の5倍モル量未満とした場合、ナノサイズの半導体超微粒子の表面における保持量が少なすぎて効果が得られにくく、また、10倍モル量よりも多くしても表面の欠陥を塞ぐ効果は向上しにくいからである。
本発明においては、その表面にキャッピング剤2が保持された半導体超微粒子1の上に、さらに酸化物からなる被覆層3が形成されている。
すなわち、キャッピング剤は半導体を構成している無機物に比べて、電子ビームや電界に弱く、キャッピング剤が保持された半導体超微粒子を表示素子として使用した際にこれら強いエネルギーの照射や印加により蛍光体である半導体超微粒子を励起すると、表面のキャッピング剤は強いエネルギーに耐えられずに分解あるいは揮発してしまう。また、半導体超微粒子に紫外線を照射すると電子と正孔を生成し、それらが酸化還元反応を起こして有機物を分解する光触媒反応と呼ばれる現象が起る。このような光触媒反応は通常の電灯の灯りに含まれるわずかな紫外線であっても、わずかづつキャッピング剤と空気中の水分と間で酸化還元反応を誘起させることでキャッピング剤を分解して半導体超微粒子の発光性能を劣化させてしまう。この現象を防止するために酸化物からなる被覆層3が形成されているのである。
すなわち、キャッピング剤は半導体を構成している無機物に比べて、電子ビームや電界に弱く、キャッピング剤が保持された半導体超微粒子を表示素子として使用した際にこれら強いエネルギーの照射や印加により蛍光体である半導体超微粒子を励起すると、表面のキャッピング剤は強いエネルギーに耐えられずに分解あるいは揮発してしまう。また、半導体超微粒子に紫外線を照射すると電子と正孔を生成し、それらが酸化還元反応を起こして有機物を分解する光触媒反応と呼ばれる現象が起る。このような光触媒反応は通常の電灯の灯りに含まれるわずかな紫外線であっても、わずかづつキャッピング剤と空気中の水分と間で酸化還元反応を誘起させることでキャッピング剤を分解して半導体超微粒子の発光性能を劣化させてしまう。この現象を防止するために酸化物からなる被覆層3が形成されているのである。
被覆層3を構成する酸化物の材質は、特に制限されるものではないが、化学的安定性に優れている酸化珪素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化モリブデン(MoO2、Mo2O3、その他のモリブデン酸化物)、酸化タングステン(WO2、WO3、その他のタングステン酸化物)、酸化クロム(Cr2O3、CrO2、CrO3、その他のクロム酸化物)から選択された1種または2種以上を含有していることが好ましい。特に半導体超微粒子1を励起する紫外域の光を透過し、発光する可視光をよく透過する点で酸化珪素が好ましい。
これらの酸化物は安定な無機化合物であることから、有機物であるキャッピング剤よりも、耐紫外線性、耐酸性、耐塩基性、耐酸化性などの耐環境性に優れ、紫外線、電子線、高電界などの強いエネルギーにも耐性をもっているので、中心核となっている半導体超微粒子ならびにその表面に保持されているキャッピング剤の耐環境性を向上させるに十分な効果を発揮させることができる。また、キャッピング剤と大気中の酸素との接触を阻害することによってキャッピング剤の酸化あるいは燃焼による消失を防止することができる。
さらに、キャッピング剤として、リン酸類、オキシリン酸類、カルボン酸類などの2重結合を持つ官能基を含む有機物を使用し、さらに酸化物で被覆した場合、通常経路よりも多くのエネルギーが発光中心に移動するため、発光強度が増大する。
さらに、キャッピング剤として、リン酸類、オキシリン酸類、カルボン酸類などの2重結合を持つ官能基を含む有機物を使用し、さらに酸化物で被覆した場合、通常経路よりも多くのエネルギーが発光中心に移動するため、発光強度が増大する。
被覆層3の厚みは、特に制限するものではないが、0.2〜100nmが好ましい。その理由は、厚みが0.2nmより薄いと、酸化性ガス、腐食性ガス、水蒸気あるいは大気中の酸素など、キャッピング剤2の分解を促進するガスなどとの接触を抑制するのに十分な効果が得られないからであり、また、厚みが100nmよりも厚いと、キャッピング剤2の耐紫外線性、耐酸性、耐塩基性、耐酸化性などの耐環境性はそれ以上増大せず、しかも半導体超微粒子1と外部との距離が長くなるため、発光が十分に得られなくなくなるからである。
この被覆層3の好ましい厚みは、特に中心核となる半導体超微粒子の粒径との関係から、0.2〜50nmが好ましく、より好ましくは1〜50nmであり、さらに好ましくは2〜50nmであり、最も好ましくは2〜25nmである。
この被覆層3の好ましい厚みは、特に中心核となる半導体超微粒子の粒径との関係から、0.2〜50nmが好ましく、より好ましくは1〜50nmであり、さらに好ましくは2〜50nmであり、最も好ましくは2〜25nmである。
次いで、本実施形態の蛍光体超微粒子の製造方法について説明する。
中心核となる半導体超微粒子1の表面にキャッピング剤2を保持するためには、半導体超微粒子が分散している分散媒中にキャッピング剤を添加すればよい。添加は、半導体超微粒子の生成の前でも後でもかまわない。また、キャッピング剤を添加してから攪拌や加温することはキャッピング剤を表面に保持する反応を促進するので好ましい。
中心核となる半導体超微粒子1の表面にキャッピング剤2を保持するためには、半導体超微粒子が分散している分散媒中にキャッピング剤を添加すればよい。添加は、半導体超微粒子の生成の前でも後でもかまわない。また、キャッピング剤を添加してから攪拌や加温することはキャッピング剤を表面に保持する反応を促進するので好ましい。
半導体超微粒子を蛍光体超微粒子として製造する場合、上述した様に合成の際に表面にキャッピング剤を保持させる必要があることから、各種のキャッピング剤が溶解可能な有機溶媒中で合成することができ、例えば、いわゆるホットソープ法や中和共沈法等を用いることができる。
ホットソープ法は、キャッピング剤を含有する有機溶媒を高温に加熱し、この高温の有機溶媒中に半導体超微粒子の原料を投入し、この有機溶媒中にて半導体結晶の核生成及び成長をさせる方法であり、有機溶媒中に表面にキャッピング剤が保持された半導体超微粒子が分散した形態で合成される。
また、有機溶媒を使用しないで水中で合成する方法も提案されている。この方法は、メルカプトエタノールやメタクリル酸のような水溶性のキャッピング剤を含む水溶液中にて半導体超微粒子を合成する方法であり、中でも、中和共沈法と称される方法は、表面にキャッピング剤が保持された半導体超微粒子が水中に分散した形態で合成されることから、特に、ZnS超微粒子を合成する際によく用いられている。
ホットソープ法は、キャッピング剤を含有する有機溶媒を高温に加熱し、この高温の有機溶媒中に半導体超微粒子の原料を投入し、この有機溶媒中にて半導体結晶の核生成及び成長をさせる方法であり、有機溶媒中に表面にキャッピング剤が保持された半導体超微粒子が分散した形態で合成される。
また、有機溶媒を使用しないで水中で合成する方法も提案されている。この方法は、メルカプトエタノールやメタクリル酸のような水溶性のキャッピング剤を含む水溶液中にて半導体超微粒子を合成する方法であり、中でも、中和共沈法と称される方法は、表面にキャッピング剤が保持された半導体超微粒子が水中に分散した形態で合成されることから、特に、ZnS超微粒子を合成する際によく用いられている。
キャッピング剤を保持した半導体超微粒子の表面に、酸化物からなる被覆層3を形成するには、保持されているキャッピング剤の表面を、アミノシラン、メルカプトシラン、グリシドキシシラン、メタクリロイルオキシシラン等のシランカップリング剤を用いて表面修飾し、その後、珪酸ソーダ等の珪酸アルカリ溶液あるいは金属アルコキシド溶液中に浸漬し、保持されているキャッピング剤2の層の表面に被覆層3を形成する。
上記のシランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン等を例示することができる。
上記の金属アルコキシドとしては、シリコンメトキシド、シリコンエトキシド、シリコンプロポシキド等のシリコンアルコキシド;アルミニウムプロポキシド、アルミニウムブトキシド等のアルミニウムアルコキシド;チタンプロポキシド、チタンブトキシド等のチタンアルコキシド;ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウムブトキシド等のジルコニウムアルコキシド;スズプロポキシド等のスズアルコキシド等を例示することができる。
上記の金属アルコキシドとしては、シリコンメトキシド、シリコンエトキシド、シリコンプロポシキド等のシリコンアルコキシド;アルミニウムプロポキシド、アルミニウムブトキシド等のアルミニウムアルコキシド;チタンプロポキシド、チタンブトキシド等のチタンアルコキシド;ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウムブトキシド等のジルコニウムアルコキシド;スズプロポキシド等のスズアルコキシド等を例示することができる。
上記のシランカップリング剤を用いてキャッピング剤層2の表面を修飾する場合、シランカップリング剤中のシラノール基(−SiOH)は親水基であるため、有機物であるキャッピング剤と反対の方向を向き、シラノール基以外の部分はキャッピング剤の方向を向いて表面修飾される。そのため、表面修飾後はシラノール基が粒子表面を覆う構造となる。そして、そのシラノール基上で珪酸アルカリや金属アルコキシドの加水分解反応や縮重合反応が行われることにより、キャッピング剤層2の外側表面に酸化物からなる被覆層3が形成される。この被覆層3の厚みは、被覆層3を形成する際の溶液の温度及び浸漬の時間を制御することにより、所望の厚みに制御することが可能である。
また、キャッピング剤を使用せずに、直接、半導体超微粒子1の表面をシランカップリング剤で処理すると、半導体超微粒子の分散が不十分となり、粒子同士が凝集し、量子サイズ効果を発揮することが難しくなる
また、キャッピング剤を使用せずに、直接、半導体超微粒子1の表面をシランカップリング剤で処理すると、半導体超微粒子の分散が不十分となり、粒子同士が凝集し、量子サイズ効果を発揮することが難しくなる
以下、本実施形態の蛍光体超微粒子の具体例として、被覆層の成分である酸化物をシリカ(二酸化珪素)とした場合について説明する。
この蛍光体超微粒子は、半導体超微粒子であるカルコゲン化物の表面に保持されたキャッピング層の上に、耐水性、耐酸化性、耐紫外線性、耐電子線に極めて優れたシリカ(二酸化珪素)からなる被覆層(以下、シリカ層とも称する)を形成することにより、カルコゲン化物及びその表面に保持されたキャッピング剤の耐水性、耐酸化性、耐紫外線性、耐電子線等の耐環境性が著しく向上する。
この蛍光体超微粒子は、半導体超微粒子であるカルコゲン化物の表面に保持されたキャッピング層の上に、耐水性、耐酸化性、耐紫外線性、耐電子線に極めて優れたシリカ(二酸化珪素)からなる被覆層(以下、シリカ層とも称する)を形成することにより、カルコゲン化物及びその表面に保持されたキャッピング剤の耐水性、耐酸化性、耐紫外線性、耐電子線等の耐環境性が著しく向上する。
キャッピング剤を保持したカルコゲン化物の表面にシリカ層を形成する方法としては、キャッピング剤を保持したカルコゲン化物あるいはコロイド状のキャッピング剤を保持したカルコゲン化物を、シランカップリング剤を用いて表面修飾をした後に水ガラス、有機珪素化合物等と混合して反応させる方法が採られる。これによりキャッピング剤を保持したカルコゲン化物の表面に強固なシリカ層を形成することができる。
上記のキャッピング剤を保持したカルコゲン化物としては先に例示したII〜VI族化合物を好ましい例として挙げることができる。
キャッピング剤及びシランカップリング剤も先に例示したものを好ましく用いることができる。
上記のキャッピング剤を保持したカルコゲン化物としては先に例示したII〜VI族化合物を好ましい例として挙げることができる。
キャッピング剤及びシランカップリング剤も先に例示したものを好ましく用いることができる。
上記の有機珪素化合物としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が好適に用いられる。
この様にして得られた平均粒子径1nm以上かつ10nm以下の蛍光体超微粒子は、量子閉じこめ効果とキャッピング剤による表面欠陥修復により高い発光効率を維持でき、紫外線、酸化性ガス、腐食性ガス、水蒸気あるいは大気中の酸素などの劣化因子と長時間接触させてもキャッピング剤が破損したり消滅したりすることがないため発光強度に変化は見られず、電子線によっても励起発光することが可能である。
従って、本実施形態の蛍光体超微粒子を用いることにより、得られる蛍光体層は0.1μm以下の厚さにすることが可能であり、この厚さにおいて従来のバルク体蛍光体で得られなかった発光強度を得ることができるとともに電子線による励起も可能でありそれを長期間にわたって維持することができる。
従って、本実施形態の蛍光体超微粒子を用いることにより、得られる蛍光体層は0.1μm以下の厚さにすることが可能であり、この厚さにおいて従来のバルク体蛍光体で得られなかった発光強度を得ることができるとともに電子線による励起も可能でありそれを長期間にわたって維持することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
純水に、酢酸亜鉛2水和物を0.1mol/Lの割合で溶解させ、酢酸マンガン4水和物を亜鉛に対してマンガンの量が0.3atom%になるように添加して溶解させた。その溶液にさらにZn量の6倍モルにあたる量のメルカプトエタノールを攪拌しながら添加した。別途、硫化ナトリウム9水和物0.2mol/Lの溶液を作製して、前記の亜鉛とマンガンの溶液を攪拌しながら亜鉛とマンガンの合計に対して等量になるように硫化ナトリウム9水和物の溶液を添加して中和共沈反応を行い、表面にメルカプトエタノールをキャッピング剤として保持したMnドープZnS超微粒子の0.1mol/L分散液Aを得た。このキャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、その平均粒径は5nmであった。
純水に、酢酸亜鉛2水和物を0.1mol/Lの割合で溶解させ、酢酸マンガン4水和物を亜鉛に対してマンガンの量が0.3atom%になるように添加して溶解させた。その溶液にさらにZn量の6倍モルにあたる量のメルカプトエタノールを攪拌しながら添加した。別途、硫化ナトリウム9水和物0.2mol/Lの溶液を作製して、前記の亜鉛とマンガンの溶液を攪拌しながら亜鉛とマンガンの合計に対して等量になるように硫化ナトリウム9水和物の溶液を添加して中和共沈反応を行い、表面にメルカプトエタノールをキャッピング剤として保持したMnドープZnS超微粒子の0.1mol/L分散液Aを得た。このキャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、その平均粒径は5nmであった。
この溶液1Lにアミノプロピルトリメトキシシラン1gを添加して攪拌して、キャッピング剤の上にアミノプロピルトリメトキシシランが吸着したMnドープZnS超微粒子分散液Bを作製した。
次にトリメチルエトキシシラン20gをエタノール300gに溶解し、この溶液を上記の分散液Bに滴下しながら加え、これを5℃に保持しつつ攪拌し、さらに、0.1%アンモニア水2gを添加して6時間攪拌した。次いで、これを濾過洗浄し、その後100℃で乾燥し、キャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子の表面にシリカ層が形成されたシリカ被覆MnドープZnS超微粒子を得た。
このシリカ被覆MnドープZnS超微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、MnドープZnS超微粒子の表面に約20nmのシリカ層が形成されていることがわかった。キャッピング剤の量を熱重量分析で測定しようと試みたが、300℃でもキャッピング剤は揮発しなかったので計測できなかった。
(発光特性)
得られたシリカ被覆MnドープZnS超微粒子に334nmの波長の光を照射し、励起した発光スペクトルを蛍光分光光度計(FP−777,日本分光社製)を用いて測定した。
耐環境性の評価のためにそれぞれの超微粒子に302nmの紫外線を40時間照射した後の発光スペクトルおよび60℃で相対湿度80%の雰囲気中に40時間保管した後の発光スペクトルを測定した。
発光スペクトルは合成直後のピーク強度を100として、おのおのの値を相対的に数値化して表1に示す。
次にトリメチルエトキシシラン20gをエタノール300gに溶解し、この溶液を上記の分散液Bに滴下しながら加え、これを5℃に保持しつつ攪拌し、さらに、0.1%アンモニア水2gを添加して6時間攪拌した。次いで、これを濾過洗浄し、その後100℃で乾燥し、キャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子の表面にシリカ層が形成されたシリカ被覆MnドープZnS超微粒子を得た。
このシリカ被覆MnドープZnS超微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、MnドープZnS超微粒子の表面に約20nmのシリカ層が形成されていることがわかった。キャッピング剤の量を熱重量分析で測定しようと試みたが、300℃でもキャッピング剤は揮発しなかったので計測できなかった。
(発光特性)
得られたシリカ被覆MnドープZnS超微粒子に334nmの波長の光を照射し、励起した発光スペクトルを蛍光分光光度計(FP−777,日本分光社製)を用いて測定した。
耐環境性の評価のためにそれぞれの超微粒子に302nmの紫外線を40時間照射した後の発光スペクトルおよび60℃で相対湿度80%の雰囲気中に40時間保管した後の発光スペクトルを測定した。
発光スペクトルは合成直後のピーク強度を100として、おのおのの値を相対的に数値化して表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様にして得た分散液Aを濾過洗浄し、その後、真空凍結乾燥により溶媒を除去し、キャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子を得た。この超微粒子はシリカの被覆層を持っていない。
このキャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、その粒径は4nmであった。キャッピング剤の量を熱重量分析で測定したところZnSに対して0.27mol%であった。
このキャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子につき、実施例1と同様にして発光特性を評価した。
発光スペクトルは実施例1における合成直後のピーク強度を100として、おのおのの値を相対的に数値化して表1に示す。
実施例1と同様にして得た分散液Aを濾過洗浄し、その後、真空凍結乾燥により溶媒を除去し、キャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子を得た。この超微粒子はシリカの被覆層を持っていない。
このキャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、その粒径は4nmであった。キャッピング剤の量を熱重量分析で測定したところZnSに対して0.27mol%であった。
このキャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子につき、実施例1と同様にして発光特性を評価した。
発光スペクトルは実施例1における合成直後のピーク強度を100として、おのおのの値を相対的に数値化して表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様にして得た分散液Aを濾過洗浄し、その後、100℃で乾燥し、キャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子を得た。この超微粒子はシリカの被覆層を持っていない。このキャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、その粒径は4nmであった。キャッピング剤の量を熱重量分析で測定したところZnSに対して0.12mol%であった。
このキャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子につき、実施例1と同様にして発光特性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例1と同様にして得た分散液Aを濾過洗浄し、その後、100℃で乾燥し、キャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子を得た。この超微粒子はシリカの被覆層を持っていない。このキャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、その粒径は4nmであった。キャッピング剤の量を熱重量分析で測定したところZnSに対して0.12mol%であった。
このキャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子につき、実施例1と同様にして発光特性を評価した。その結果を表1に示す。
表1から、比較例1のキャッピング剤を保持したMnドープZnS超微粒子は合成直後では優れたピーク強度が得られたが、紫外線照射や高温高湿保管により、ピーク強度が大きく低下している。これは、キャッピング剤が紫外線照射や高温高湿保管により分解、揮発して、蛍光体粒子の表面欠陥を塞ぐことができなくなって発光特性が低下したものと思われる。また、比較例2では、キャッピング剤を保持させたものの、100℃の加熱乾燥により、分解揮発したためか、合成直後から発光特性が大幅に低下し、紫外線照射後や高温高湿保管後ではほとんど蛍光体としての性能が失われていることがわかる。
これに対して、実施例1のシリカ被覆MnドープZnS超微粒子は合成直後から高度な発光特性を示し、紫外線照射後、高温高湿保管後もほとんど発光特性が低下していない、耐環境性に優れる発光体超微粒子であることがわかる。
これに対して、実施例1のシリカ被覆MnドープZnS超微粒子は合成直後から高度な発光特性を示し、紫外線照射後、高温高湿保管後もほとんど発光特性が低下していない、耐環境性に優れる発光体超微粒子であることがわかる。
本発明の半導体超微粒子は耐水性、耐光性などの耐環境性に優れるとともに紫外線や電子線などの強いエネルギーによっても特性の劣化しない高い発光効率を有するため、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等の表示装置、発光ダイオード(LED)、エレクロルミネッセンス(EL)、蛍光表示管(VFD)などの表示素子等の光デバイスを作製する際に用いられる蛍光体微粒子として好適に用いられる。
1:半導体超微粒子
2:有機成分
3:酸化物からなる被覆層
2:有機成分
3:酸化物からなる被覆層
Claims (8)
- 表面に有機成分が保持され、さらにその上に酸化物からなる被覆層が形成されている半導体超微粒子。
- 前記半導体超微粒子の平均一次粒子径が、1nm以上かつ10nm以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体超微粒子。
- 前記酸化物が、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化クロムから選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体超微粒子。
- 前記半導体超微粒子が、カルコゲン化物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体超微粒子。
- 前記カルコゲン化物を構成するカルコゲン以外の原子が、II〜VI族の原子であることを特徴とする請求項4記載の半導体超微粒子。
- 前記カルコゲン化物が、ZnS、CdS、ZnSe、CdSe、ZnTe、CdTe及びZnOから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載の半導体超微粒子。
- 前記有機成分が、チオアルコール類、カルボン酸類、リン酸類及びオキシリン酸類から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体超微粒子。
- 前記チオアルコール類が、メルカプトエタノールであることを特徴とする請求項7記載の半導体超微粒子。
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-
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