JP2005139066A - 2、3−ジヒドロ−1h−キノリン−4−オンオキシム誘導体および熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤 - Google Patents

2、3−ジヒドロ−1h−キノリン−4−オンオキシム誘導体および熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤 Download PDF

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Abstract

【課題】熱ショック蛋白質発現誘導阻害活性、特にHSP70の発現誘導阻害活性を有する有用な2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体の提供および熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤、癌または炎症性疾患の予防・治療剤の提供。
【解決手段】
【化1】
Figure 2005139066

【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体およびそれらを含む医薬組成物に関し、より詳しくは、熱ショック蛋白質の発現誘導阻害活性を有する2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体およびそれらを含む熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤、HSP70発現誘導阻害剤、癌または炎症性疾患の予防・治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱ショック蛋白質(HSP:Heat Shock Protein、以下「HSP」という。)は、細胞を高温というストレスにさらしたときに誘導される蛋白質であるが、炎症、感染、虚血、放射線、化学物質、重金属への暴露などによるストレスによっても誘導される。さらには、細胞周期、細胞分化の進行、サイトカインなどによる生理的変化によっても誘導されることが知られており、細胞の恒常性維持、機能の調節に関与していると考えられる(田辺真佐子ら:蛋白質核酸酵素、第44巻、2434〜41頁、1999年)。
【0003】
また、HSPは一般にその分子量の1000単位の数字を付して表記され、その分子量からHSP90ファミリー、HSP70ファミリー、HSP60ファミリーおよび低分子HSPファミリーの4つのファミリーに大別される。そのうち、特にHSP70ファミリーおよびHSP60ファミリーの機能は、他のポリペプチドと会合して、正しい折り畳み(高次構造の形成)や第3の蛋白質、核酸との会合(複合体の形成)、さらに細胞内での局在化、膜透過に関与するなど、いわゆる分子シャペロン(介添え分子)とよばれる機能を担っていることが明らかにされている(ジオゴポロス(Georgopoulos)ら、アニュアル、レビュー、オブ、セル、バイオロジー、(Ann.Rev.Cell Biol.)、第9巻、601〜634頁、1993年)。
【0004】
一方、HSPと疾患との関わりについては、細胞にとってストレスとなり得る種々の疾患においてHSP70が関与していることが明らかになってきた。例えば、癌の治療において、有用な治療法である放射線療法および温熱療法は、癌細胞が耐性化しやすいことが問題となっており、癌細胞が耐性を獲得する主要な機構は、放射線または温熱処理により癌細胞内にHSP70の発現が誘導され、癌細胞に保護的に作用することによると考えられている。
【0005】
HSP70遺伝子を細胞に導入し、構成的にHSP70の発現を高めた場合、親株に比べ温熱抵抗性になること(リー(Li)ら、プロシーディング、オブ、ナショナル、アカデミック、サイエンス、USA(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)第88巻、1681〜1685頁、1991年)、逆に、HSP70に対する抗体を細胞内に注入すると、熱に対して非常に弱くなること(リアボウル(Riabowol)ら、サイエンス(Science)、第242巻、433〜436頁、1988年)が知られており、これらはいずれもHSP70と温熱耐性獲得との関連を示唆するものである。
【0006】
また、癌細胞はしばしばHSP70を高レベルに発現しており、HSP70のアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理することにより、HSP70の発現誘導が阻害され、(癌細胞の)アポトーシスが誘導されることが知られている(ウェイ(Wei)ら、キャンサー、イムノロジー、イムノセラピー(Cancer Immunol.Immunother.)第40巻、73〜78頁、1995年)。
【0007】
さらに、癌細胞の制癌剤に対する多剤耐性の原因となるP糖蛋白質もHSPと同様に、熱ショック、重金属により誘導されること(ミヤザキ(Miyazaki)ら、バイオケミカル、バイオフィジカル、リサーチ、コミュニケーション(Biochem.Biophys.Res.Comm.)第187巻、677〜684頁、1992年)、HSPの発現誘導を阻害するケルセチンが、ヒト癌細胞のP糖蛋白質の発現誘導をも阻害することが報告されている(キオカ(Kioka)ら、フェブスレター(FEBS Letter)第301巻、307〜309頁、1992年)。
【0008】
このように癌細胞内におけるHSP70の発現誘導とその発現機能から、癌細胞のHSP70の発現誘導を阻害することにより、温熱または放射線に対する耐性獲得の抑制、温熱または放射線による制癌効果の増強および多剤耐性の克服などが可能と考えられ、HSP70の発現誘導阻害剤は、制癌剤として有用であることが期待されている。
【0009】
しかし、HSP70の発現誘導を阻害する物質に関する研究報告は少なく、ケルセチンなどの植物性フラボノイドがヒトの細胞でHSPの発現誘導に阻害活性をもつことが報告されている(ホソカワ(Hosokawa)ら、モレキュラー、セル、バイオロジー、(Mol.Cell.Biol.)第12巻、3490〜3498頁、1992年)。他には、国際公開番号WO99/00382号にベンゾジオキソール誘導体が、特許公開2000−197498号に放線菌ストレプトミセス属AS9株の産生する抗生物質ストレスジェニンAおよびBが開示されているにすぎない。
【0010】
一方、癌以外の分野では、ステロイド耐性気管支喘息患者の末梢血単球中においてHSP70の発現が有意に増加している(ヤオ(Yao)ら、中華結核および呼吸雑誌(中華結核和呼吸雑誌/Zhonghua Jie He He Hu Xi Za Zhi)、第21巻、289〜292頁、1998年)ことが報告され、それらの病態への関与が示唆されているが、今のところ明らかとなってはいない。
【0011】
上述のようにHSP70は、炎症によっても発現が誘導され、細胞保護的な作用をもつことから抗炎症作用を示すことを示唆する報告が多いものの、HSP70はHSP90と同様、ステロイドホルモン受容体と結合することが報告されいるにすぎず、HSP70の発現誘導の阻害が抗炎症作用につながることを明示した報告はない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱ショック蛋白質発現誘導阻害活性、特にHSP70の発現誘導阻害活性を有する有用な2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体を提供することを目的とする。
また、前記誘導体を有効成分とする、熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤を提供することを目的とする。
さらに、熱ショック蛋白質の誘導が関与する病態、例えば、温熱療法耐性、放射線療法耐性、多剤耐性の癌など様々な難治性の癌の他、炎症性疾患、例えばアトピー性皮膚炎、ステロイド耐性喘息などの疾患、慢性関節リウマチなどの予防・治療剤を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、HSP70発現誘導阻害活性(作用)を有する、特定の2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体(以下、「オキシム誘導体」という場合がある。)を見出し、本発明を完成した。
【0014】
すなわち、1)本発明は、下記一般式(I)で示される、2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体およびその医薬として許容される塩を提供する。
【化3】
Figure 2005139066
(式中、R1 〜R4 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R1 〜R4 の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基で5〜7員の環構造を形成してもよく、
5 およびR6 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基または水酸基であり、
7 は、水素原子;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基;低級アルケニル基または低級アルキニル基であり、
1 〜R6 の低級アルキル基(前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基(前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基を含む)および低級アルキルカルボニルオキシ基の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、
オキシム基の波線は、窒素原子と炭素原子で作られる2重結合に対する水酸基の幾何異性体であるE体、Z体またはそれらの混合物を表す。
ただし、
1 、R3 、R4 、R6 およびR7 がすべて水素原子で、R2 が水素原子、メチル基または塩素原子であるときは、R5 は、水素原子、メチル基、メトキシ基および塩素原子以外であり;また、R2 がハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基であるときは、R5 は、ハロゲン原子、アルキル基およびアルコキシ基以外であり;さらに、R2 およびR5 は、同時にエチル基ではなく、
1 、R3 、R4 、R5 、R6 およびR7 がすべて水素原子であるときは、R2 は、水素原子、ハロゲン原子およびメトキシ基以外である。)
なお、本発明において「低級アルキル基などの『低級』」とは、炭素数が1〜4のものをいい、これらの置換基(例えば前記した低級アルキル基、低級アルケニル基およびこれらに含まれるメチル基、エチル基、ビニル基などR1 〜R17に導入されうる基をいう。)にカルボニル基、シアノ基などの炭素含有基を含むときは該炭素含有基の炭素数は含まない。
また本発明で「その医薬として許容される塩」とは、親化合物の生物学的有効性および特性を保持し、医薬として許容される、毒性を生じさせない塩をいう。
【0015】
ここで、前記R1 〜R4 は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、水酸基、シアノ基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R1 〜R4 の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基で5〜7員の環構造を形成してもよく;R1 〜R4 の低級アルキル基(前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基および前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよいのが好ましい態様の1つである。
また、前記R1 〜R4 より選択される少なくとも2つが、水素原子でないのが好ましい態様の1つである。
【0016】
また、前記R4 が水素原子であるのが好ましい態様の1つである。
また、前記R2 および前記R3 または前記R1 および前記R3 が、各々独立にハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、水酸基、シアノ基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R1 〜R4 の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基で5〜7員の環構造を形成してもよく;R1 〜R4 の低級アルキル基(前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基および前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよいのが好ましい態様の1つである。
さらに、前記R5 が、ハロゲン原子;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシル基または低級アルコキシカルボニル基であるのが好ましい態様の1つである。
【0017】
2)本発明は、下記一般式(II)で示される、2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体またはその医薬として許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物を提供する。
【化4】
Figure 2005139066
(式中、R8 〜R16は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシル基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R8 〜R16の低級アルキル基(前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシル基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基(前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基を含む)、低級アルキルカルボニルオキシ基の水素原子は、ハロゲン原子、低級アルコキシル基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよく;R8 〜R11の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基、アルキレンジチオ基またはアルキレンオキシチオ基で5〜7員の環構造を形成してもよく、
17は、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、水酸基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R17の波線は、窒素原子と炭素原子で作られる2重結合に対するR17の幾何異性体であるE体、Z体またはそれらの混合物を表す。)
【0018】
また、本発明は、1)に記載の2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オンオキシム誘導体またはその医薬として許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物を提供する。
【0019】
前記医薬組成物が、熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤であるのが好ましい態様の1つである。
また、前記熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤が、HSP70発現誘導阻害剤であるのが好ましい態様の1つである。
さらに、前記熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤またはHSP70発現誘導阻害剤からなる癌または炎症性疾患の予防・治療剤を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明するが, 本発明はこれに限定されるものではない。本発明の第1態様は、下記一般式(I)で示される、2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体およびその医薬として許容される塩である。
【化5】
Figure 2005139066
【0021】
以下、上記一般式(I)のR1 〜R7 について説明する。
1 〜R4 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基である。
また、R1 〜R4 の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基で5〜7員の環構造を形成してもよい。
さらに、R1 〜R4 の低級アルキル基(上記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基(上記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基を含む)および低級アルキルカルボニルオキシ基の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。
ここで、「低級アルキル基などの『低級』」とは、炭素数が1〜4のものをいい、これらの置換基にカルボニル基、シアノ基などの炭素含有基を含むときは該炭素含有基の炭素数は含まない。
【0022】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を挙げることができる。
低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基などを挙げることができ、低級アルケニル基としては、例えばビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、2−ブテニル基または3−ブテニル基などを挙げることができ、低級アルキニル基としては、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)、1−ブチニル基または2−ブチニル基などを挙げることができる。
【0023】
低級アルコキシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、アリルオキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基またはtert−ブトキシ基などを挙げることができ、低級アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基またはアリルオキシカルボニル基などを挙げることができ、低級アルキルカルボニル基(アセチル基)としては、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基またはイソブチリル基などを挙げることができ、低級アルキルカルボニルオキシ基としては、例えばメチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
【0024】
低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1または2置換されていてもよいアミノ基としては、置換されていないアミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルアセチルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基またはn−ブチリルアミノ基などを挙げることができる。
【0025】
1 〜R4 の互いに隣接するものどうしが一緒になって形成する炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基としては、例えばメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基またはトリメチレンジオキシ基などを挙げることができる。
これらのアルキレンジオキシ基は、2、3−ジヒドロ−1H−キノリン骨格の隣接する2つの炭素原子(例えば、5位と6位、6位と7位および7位と8位の隣接炭素原子)と結合し、5〜7員の環構造を形成する。
【0026】
1 〜R4 の低級アルキル基(上記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基(上記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基を含む)および低級アルキルカルボニルオキシ基の水素原子はハロゲン原子で置換されている置換基を用いることもできる。
このような置換基としては、該低級アルキル基などに有する水素原子の一部または全部を同一または異なるハロゲン原子で置換することができ、例えば、トリフルオロメチル基(−CF3 )、トリフルオロメトキシ基(−OCF3 )、トリフルオロメトキシカルボニル基(−COOCF3 )、トリフルオロメチルカルボニル基(−COCF3 )、トリフルオロメチルアミノ基(−NHCF3 )、ジクロロメトキシカルボニル基(−COOCHCl2 )、2−クロロエトキシカルボニル基(−COOCH2 CH2 Cl)などが挙げられる。
【0027】
5 およびR6 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基または水酸基である。
これらの置換基はR1 〜R4 で述べたのと同様であり、また、これらの置換基の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよいのも同様である。
【0028】
7 は、水素原子;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基;低級アルケニル基または低級アルキニル基である。
これらの置換基はR1 〜R4 で述べたのと同様であり、また、低級アルキル基の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよいのも同様である。
【0029】
本発明の第1態様のオキシム誘導体は、
▲1▼R1 、R3 、R4 、R6 およびR7 がすべて水素原子である場合、および
▲2▼R1 、R3 、R4 、R5 、R6 およびR7 がすべて水素原子であるとき、
は、特定の置換基の組合わせが除かれる。
具体的には、▲1▼の場合でR2 が水素原子、メチル基または塩素原子であるときときには、R5 として水素原子、メチル基、メトキシ基および塩素原子;▲1▼の場合でR2 がハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基であるときには、R5 としてハロゲン原子、アルキル基およびアルコキシ基;▲1▼の場合でR2 およびR5 としてエチル基がそれぞれ除かれる。
また、▲2▼の場合では、R2 として水素原子、ハロゲン原子およびメトキシ基がそれぞれ除かれる。
【0030】
オキシム基は、窒素原子と炭素原子で作られる2重結合に対する水酸基の幾何異性体を有する場合がある。
本発明においては、該オキシム基の配置は特に限定されず、幾何異性体として、E体、Z体またはそれらの混合物が挙げられる。
また、一般式(I)で示されるオキシム誘導体は、その2位(R7 が結合する位置)またはR1 〜R7 に導入する置換基によっては不斉炭素を有する場合がある。
これらの場合において、本発明の第1態様のオキシム誘導体は考えられる異性体(立体、幾何異性体など)のすべてを包含する。例えば、異なった立体異性形態またはラセミ形態を含む立体異性形態の混合物の形態で存在することができ、E体、Z体またはそれらの混合物の形態で存在することもでき、これらのすべての混合物の形態で存在することもできる。すなわち、本発明はこのように規定した種々の形態をも包含するが、これらも同様に有効成分化合物として用いることができる。
【0031】
1 〜R4 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、水酸基、シアノ基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R1 〜R4 の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基で5〜7員の環構造を形成してもよく;R1 〜R4 の低級アルキル基(上記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基および上記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよいのが好ましい。
また、R1 〜R4 より選択される少なくとも2つが、水素原子でないのが好ましい。
また、R4 が水素原子であるのが好ましい。
また、R2 およびR3 またはR1 およびR3 が、各々独立にハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、水酸基、シアノ基、または、低級アルキル基もしくは低級アルキルカルボニル基で1または2置換されていてもよいアミノ基であり;R1 〜R4 の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基で5〜7員の環構造を形成してもよく;R1 〜R4 の低級アルキル基(上記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基および上記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよいのが好ましい。
さらに、R5 が、ハロゲン原子;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシル基または低級アルコキシカルボニル基であるのが好ましい。
【0032】
本発明で「その医薬として許容される塩」とは、親化合物の生物学的有効性および特性を保持し、医薬として許容される、毒性を生じさせない塩をいう。具体的には、本発明の第1態様のオキシム誘導体と、この分野で常用される塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの無機酸との塩;酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸との塩;本発明の第1態様のオキシム誘導体の水和物;本発明の第1態様のオキシム誘導体の医薬として許容される各種溶媒和物;本発明の第1態様のオキシム誘導体の医薬として許容される結晶多形などを挙げることができる。
【0033】
以下に、上記一般式(I)で示されるオキシム誘導体の製造法を詳細に説明する。
また原料、中間体、生成物は、必要に応じて塩または溶媒和物として扱うこともできる。
本明細書に記載された化合物および中間生成物の単離および精製は、所望により、あらゆる適切な単離または精製手法、例えば濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、厚層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)またはこれらの手法の組合せにより実行し得る。
原料化合物および試薬は、すべて公知の手法により調製するか、または市販のものを使用できる。
【0034】
<第1工程>
第1工程は、下記式(III)で示されるケトン誘導体と下記式(IV)で示されるハロゲン化アリールまたはスルホニルオキシアリールとを反応させる工程である。
【化6】
Figure 2005139066
(式中、R1 〜R4 およびR7 は一般式(I)と同一の意味を表す。)
【化7】
Figure 2005139066
(式中、R5 およびR6 は一般式(I)と同一の意味を表す。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子であるハロゲン原子またはパーフルオロアルキルスルホニルオキシ基を表す。パーフルオロアルキルスルホニルオキシ基のアルキル基は炭素数1〜4の低級アルキル基である。)
パーフルオロアルキルスルホニルオキシ基の低級アルキル基は、上記したものを用いることができる。
【0035】
該反応は、ケトン誘導体とハロゲン化アリールまたはスルホニルオキシアリールとを、銅粉、酸化銅または鉄粉(好ましくは酸化銅)の存在下に、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基;ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシドなどのアルカリ金属試薬;(好ましくは炭酸カリウム)を用いて、無溶媒またはジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、キシレン、デカリン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドンなどの適当な高沸点溶媒(好ましくは無溶媒)で、100℃から200℃(好ましくは180℃から190℃)で、反応が十分進行する時間、具体的には30分から12時間でウルマン反応を行うことにより、下記一般式(V)で示される所望の置換フェニル基を導入したケトン誘導体を合成することができる。
【0036】
【化8】
Figure 2005139066
(式中、R1 〜R7 は一般式(I)と同一の意味を表す。)
【0037】
<第2工程>
第2工程は、上記式(V)で示される置換フェニル基を導入したケトン誘導体とヒドロキシルアミンまたはその塩とを反応させる工程である。
上記式(V)で示される置換フェニル基を導入したケトン誘導体とヒドロキシルアミンまたはその塩(塩は塩酸、硫酸などの酸との塩を表す。)を、メタノール、エタノールなどのアルコール類;ピリジン、2,6−ルチジンなどのピリジン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類または水などの溶媒中あるいはこれらの混合溶媒中(好ましくはエタノール中)、必要に応じてトリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基;ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシドなどの有機金属試薬;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基または酢酸カリウム、酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属有機酸塩(ヒドロキシルアミンの塩を用いた場合、好ましくはピリジン)の存在下、−20℃から溶媒の沸点までの温度(好ましくは室温から130℃)で、反応が十分進行する時間(具体的には20分から24時間)で反応させることによって、一般式(I)で示される、2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体を得ることができる。
【0038】
また、上記製造法の各工程において種々の官能基変換や置換基の導入が可能である。例えばR1 〜R4 が水素原子であるときは、溶媒にクロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類またはベンゼン、クロロベンゼンなどの非プロトン性溶媒を用い、適当なハロゲン化剤、例えばN−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなどのN−ハロイミド類;塩素、臭素などのハロゲン分子;塩化スルフリル、臭化スルフリルなどのハロゲン化スルフリルまたはt−ブチルハイポクロライトなどで、必要に応じて過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤を添加して反応させることにより、ハロゲン化物を合成することができる。
また、R1 〜R4 がニトロ基であるときは、メタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸または水などの溶媒中、ラネーニッケル、パラジウム−炭素などの不均一触媒下での接触還元反応あるいはスズ、鉄などの金属類を用いる還元反応によりアミノ基へ還元することができる。
【0039】
また、R1 〜R4 が水酸基であるときは、ヨウ化メチル、塩化ベンジルまたは1−臭化プロピルなどのハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキルまたはハロゲン化アリール;p−トルエンスルホン酸エチル、トリフロロメタンスルホン酸メチルまたはメタンスルホン酸n−ブチルなどのスルホン酸エステル類を、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属類;水素化リチウム、水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物または水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類などで調製したフェノキシドと反応するか、上記のハロゲン化合物またはスルホン酸エステル類とフェノール誘導体をそのまま塩基の存在下反応させてエーテル誘導体(アルコキシル基)に変換できる。
塩基は、上記の塩基などの他、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基を用いることができ、塩基以外には酸化銀を用いることができる。溶媒は、メタノール、エタノールなどのアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトン、2−ブタノンなどのケトン類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類または水を用いることができる。反応温度は、−20℃から溶媒の沸点までの範囲で反応させることができる。
また、必要に応じて塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウムなどの相間移動触媒または18−クラウン−6などのクラウンエーテル類を触媒として用いることができる。
【0040】
さらに本製造法において合成した各化合物に置換基として水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの反応性基がある場合には、各反応工程においてこれらの基を適宜保護し、適当な段階で該保護基を除去することもできる。こうした保護基の導入および除去の方法は、保護される基あるいは保護基のタイプにより適宜行われるが、例えばジョン ウィリー アンド サンズ(John Willy and Sons)出版のティー ダブリュ グリーン(T.W.Greene)およびピー ジー エム ウッツ(P.G.M.Wuts)編 プロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第3版、1999年の総説に記載の方法に準じて行うことができる。また、これらの保護基の導入法を参考にして各種の置換基の導入や置換基の変換に使用することもできる。
【0041】
本発明の第2態様は、上記一般式(I)または下記一般式(II)で示される、2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体またはその医薬として許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物である。
より好ましくは、上記一般式(I)または下記一般式(II)で示されるオキシム誘導体またはその医薬として許容される塩を有効成分として含有する熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤である。
【化9】
Figure 2005139066
【0042】
一般式(I)で示されるオキシム誘導体は第1態様で説明したので省略する。
まず、上記一般式(II)で示されるオキシム誘導体について説明する。
8 〜R16は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシル基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R8 〜R16の低級アルキル基(上記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシル基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基(上記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基を含む)、低級アルキルカルボニルオキシ基の水素原子は、ハロゲン原子、低級アルコキシル基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよく;R8 〜R11の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基、アルキレンジチオ基またはアルキレンオキシチオ基で5〜7員の環構造を形成してもよく、
17は、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、水酸基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R17の波線は、窒素原子と炭素原子で作られる2重結合に対するR17の幾何異性体であるE体、Z体またはそれらの混合物を表す。
【0043】
8 〜R16の水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基の各置換基は、一般式(I)のR1 〜R4 で述べたのと同様である。
これらの置換基の他に、R8 〜R16には低級アルキルチオ基、メルカプト基を導入できる。低級アルキルチオ基としては、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基またはtert−ブチルチオ基などを挙げることができる。
【0044】
また、R8 〜R16の低級アルキル基(上記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基(上記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基を含む)、低級アルキルカルボニルオキシ基の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよいのは、一般式(I)のR1 〜R4 で述べたのと同様である。
8 〜R16は、ハロゲン原子の他に、上記した低級アルコキシル基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよく、例えば、3−ヒドロキシプロポキシ基(−OCH2 CH2 CH2 OH)、3−ブトキシプロポキシ基(−CH2 CH2 CH2 OCH2 CH2 CH2 CH3 )、4−((N−エチル−N−メチル)アミノ)ブトキシ基(−OCH2 CH2 CH2 CH2 N(CH3 )(CH2 CH3 ))、3−((N−プロピル)アミノ)プロピル基(−CH2 CH2 CH2 NHCH2 CH2 CH3 )、4−(n−プロピルチオ)ブトキシ基(−OCH2 CH2 CH2 CH2 SCH2 CH2 CH3 )、4−オキソヘプチル基(−CH2 CH2 CH2 COCH2 CH2 CH3 )、4−(エトキシカルボニル)ブトキシ基(−OCH2 CH2 CH2 CH2 COOCH2 CH3 )などが挙げられる。
また、R8 〜R16の低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルキルチオ基も同様に、ハロゲン原子、低級アルコキシル基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよく、例えば、3−ヒドロキシ−2−プロペニル基(−CH=CHCH2 OH)、4−トリフルオロ−2−ブテニル基(−CH2 CH=CHCF3 )、4−エトキシ−2−ブテニル基(−CH2 CH=CHCH2 OCH2 CH3 )、3−プロポキシプロピルチオ基(−SCH2 CH2 CH2 OCH2 CH2 CH3 )、3−エチルカルボニルプロピルチオ基(−SCH2 CH2 CH2 COCH2 CH3 )、3−(イソプロポキシカルボニル)プロピルチオ基(−SCH2 CH2 CH2 COOCH(CH3 2 )、3−ヒドロキシ−2−プロピニル基(−CH2 CH≡CHOH)などが挙げられる。
【0045】
8 〜R11の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基で5〜7員の環構造を形成してもよいのは、一般式(I)のR1 〜R4 で述べたのと同様である。
8 〜R11では、アルキレンジオキシ基の他に、アルキレンジチオ基またはアルキレンオキシチオ基で5〜7員の環構造を形成してもよく、これらの基として、例えばメチレンジチオ基、エチレンジチオ基、トリメチレンジチオ基、メチレンオキシチオ基、エチレンオキシチオ基、トリメチレンオキシチオ基などを挙げることができる。
【0046】
17は、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、水酸基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基である。これらの置換基は、一般式(I)のR1 〜R4 で述べたのと同様である。
一般式(II)で示されるオキシム誘導体は、窒素原子と炭素原子で作られる2重結合に対するR17の幾何異性体および不斉炭素に由来する異性体のすべてを包含するのは、一般式(I)のオキシム誘導体と同様である。
【0047】
一般式(II)で示されるオキシム誘導体のR8 〜R15の好ましいものは、一般式(I)のオキシム誘導体の対応するR1 〜R7 と同様である。
16およびR17の好ましいものは、低級アルキル基、低級アルコキシ基および水酸基であり、これらの置換基は上記したものを用いることができる。
第2態様でいう「その医薬として許容される塩」は、第1態様でいうものと同様である。
なお、一般式(II)で示されるオキシム誘導体では、一般式(I)のオキシム誘導体のような除外される置換基はない。
【0048】
一般式(II)で示されるオキシム誘導体は、一般式(I)で示されるオキシム誘導体と同様にして製造することができる。
なお、R16は、一般式(III)に対応する、R16を有するケトン誘導体を用いるか、または一般式(III)に対応するケトン誘導体のカルボニル基のα水素の性質を利用して一般に用いられる方法で導入可能である。また、R17は、対応する(R17を有する)ヒドロキシルアミンなどを用いて導入することができる。
【0049】
本発明の第2態様の医薬組成物は、熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤であるのが好ましい態様の1つである。
ここで、熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤とは、細胞における熱ショック蛋白質の発現を主に転写レベルで阻害することにより、熱ショック蛋白質の発現誘導を阻害する化合物を有効成分として含有するものをいい、HSP70の発現誘導阻害剤が好ましく、ヒトHSP70の発現誘導阻害剤がより好ましい。
【0050】
本発明において、熱ショック蛋白質発現誘導阻害活性は、10μMで50%以上阻害すれば「活性」または「有効」であり、1μMで50%以上阻害する活性を有するものがより好ましい。
【0051】
本発明の熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤は、癌または炎症性疾患の予防・治療剤であるのが特に好ましい態様の1つである。
本発明の医薬組成物が有効な疾患は、癌、特に温熱治療、放射線治療または各種化学療法に耐性のもの、および気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの炎症性疾患である。
【0052】
一般式(I)および(II)で示されるオキシム誘導体(以下「本発明化合物」という。)は、熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤および上記した炎症性疾患の疾病に対して、本発明化合物単独で、または後述する医薬組成物として投与されることもできる。
また本発明化合物またはその医薬組成物は、熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤および上記した炎症性疾患の疾病に対して、単独で、または該阻害剤および該疾患に一般的に用いられている他の薬理活性成分と併用して投与されることもできる。
ここで、併用とは、本発明化合物と該薬理活性成分とをともに含む合剤を投与する他、本発明化合物と該薬理活性成分とがそれぞれ別個の製剤として一時期にまたは時間をずらして投与される場合をも含み、患者の血中において同時に存在する限りにおいて投与の形態は問われない。
【0053】
本発明化合物およびその医薬として許容される塩の一種または2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、通常用いられる製剤用の担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて、カプセル剤、丸剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤の他、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤、エリキシル剤、シロップ剤などの内用液剤;注射剤、経鼻吸収剤、坐剤、軟膏、貼付剤などの非経口投与剤;に調製され、人間その他の動物に対して経口的または非経口的に投与される。
通常用いられる製剤用の担体としては、特に限定されず、例えば滅菌水や生理食塩水、植物油、鉱油、高級アルコール、高級脂肪酸、無害性有機溶媒など、さらには必要に応じて賦形剤、着色剤、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、溶解補助剤、吸着防止剤、安定化剤、保存剤、保湿剤、酸化防止剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、無痛化剤などが挙げられる。これらの担体などを用いて通常行われる方法で、上記内用液剤、非経口投与剤などを製造できる。
【0054】
本発明の経口投与のための固体組成物としては、カプセル剤、丸剤、錠剤、散剤、顆粒剤などの剤型に製造される。このような固体組成物においては、一つまたはそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な担体と組み合わせてつくられる。該不活性な担体として、より詳細には、賦形剤(例えば乳糖、白糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、メタケイ酸)、結合剤(例えば結晶セルロース、糖類、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク)、崩壊剤(例えばトウモロコシデンプン、カルボキシメチルセルロース、繊維素グリコール酸カルシウム)、安定化剤(例えばラクトースなどの糖アルコールや糖)、可溶化ないしは溶解補助剤(例えばコレステロール、トリエタノールアミン、グルタミン酸、アスパラギン酸)、着色剤、香味剤、防腐剤、等張化剤、分散剤、酸化防止剤(例えばアスコルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール)、緩衝剤、保存剤(例えばパラベン、ベンジルアルコール)が挙げられる。なお、錠剤、丸剤、顆粒剤などは、必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの胃溶性あるいは腸溶性のフィルムコーティングを施してもよい。
【0055】
非経口投与のための注射剤は、無菌の水性または非水性の溶解剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤の担体としては、例えば注射用蒸留水、生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤の担体としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エチルアルコールのようなアルコール類、ポリソルベート80(TM)などが挙げられる。こうした組成物は、さらに上述の等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、可溶化剤もしくは溶解補助剤などの添加剤を含みうる。これらは例えばメンブランフィルターによる濾過、殺菌剤の配合または紫外線照射などによって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、用時溶解、乳濁または懸濁して用いる注射剤とすることもできる。本発明化合物の溶解性が低い場合には、可溶化処理を施してもよい。当該処理としては、医薬製剤に適用できる公知の方法、例えば界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類など)を添加する方法、薬物と可溶化剤、例えば高分子(ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)などの水溶性高分子、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体(オイドラギットL,S(TM);ローム・アンド・ハース社製)などの腸溶性高分子との固体分散体を形成する方法が挙げられる。さらに必要により、α−、β−あるいはγ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンなどを用いて包接化合物を形成させる方法も挙げられる。また、「薬学モノグラフNo.1,生物化学利用能」永井恒司ら、ソフトサイエンス社、78〜82頁、1988年あるいは「最近の製剤技術とその応用」、内海勇ら、医薬ジャーナル、157〜159頁、1983年などを参考に、目的とする薬物に応じて、可溶化の手法を適宜変更することも可能である。これらのうち、好ましくは薬物と可溶化剤との固体分散体を形成させ溶解性を改善する方法が採用され得る(特開昭56−49314号、FR2460667号)。
【0056】
本発明化合物のヒトに対する臨床投与量は適用される患者の症状、体重、年齢や性別などを考慮して適宜決定されるが、通常成人1日当たり経口で0.1mg〜1000mg、好ましくは1mg〜300mg、非経口で0.01mg〜300mg、好ましくは0.1mg〜100mgであり、これを1回あるいは数回に分けて投与する。投与量は種々の条件で変動するので、上記投与量範囲より少ない量で十分な場合もある。
なお、本発明化合物およびその塩は、薬理学的に効果を示す投与量において毒性を示さない(後述の実験例6および7参照)。
【0057】
【実施例】
本発明を実施例を基にさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[合成実施例]
下記実施例により得られた各化合物の物性データを第1表に示し、それらの構造式を第2表に示した。本明細書および表において「化合物番号」は、最初の数字が実施例の番号を表し、ハイフンの後の数字は該実施例の工程番号を表す。例えば化合物番号「1−1」は、実施例1の<工程1>により得られる化合物を表す。
本発明化合物およびその医薬として許容される塩について、核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、日本電子(株)製ジェオル FX−90Q(JEOL FX90Q)、ジェオル FX90A(JEOL FX90A)またはジェオル JNM−LA300(JEOL JNM−LA300)を、赤外吸収スペクトル(IR)はニコレ(株)製のニコレ 5DX(Nicolet 5DX)FT−IRまたは(株)堀場製作所製のホリバ(HORIBA)FT−720をそれぞれ用いて測定した。
なお、NMRにおいて300MHzのデータには、第1表中の溶媒名の後に「*」印を付して区別し、「*」印を付してないものは90Hzのデータである。
【0058】
《実施例1》
(E)−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−6,7−ジメトキシ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>
1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−6,7−ジメトキシ−1H−キノリン−4−オンの合成
2,3−ジヒドロ−6,7−ジメトキシ−1H−キノリン−4−オン(16.0g)、4−クロロヨードベンゼン(37.0g)、炭酸カリウム(10.7g)および酸化第二銅(1.60g)の混合物を、190℃で40分間加熱攪拌した。反応懸濁液を放冷し、酢酸エチル(400mL) および水(200mL) を加え充分攪拌し、不溶物を濾過して除き、濾液を水層と有機層に分液した。有機層を取り、水層を酢酸エチル(300mL、100mL)で抽出した。有機層を合わせ、1N−塩酸(120mL) 、水(80mL) 、次いで飽和食塩水(80mL) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濾過して濾液を濃縮(以下「濾過濃縮」という。)した。残渣に酢酸エチル(200mL) を加え溶解し、加熱下エーテル(200mL) を加え、放冷した。析出結晶を濾取後風乾し、乳白色結晶の表題化合物(13.6g)を得た。
【0059】
<工程2>
(E)−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−6,7−ジメトキシ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>で得られた化合物(3.60g)および塩酸ヒドロキシルアミン(1.57g)のエタノール(90mL)懸濁液に、ピリジン(1.83mL)を加え、50℃で3時間加熱攪拌し、さらに30分間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチル(400mL)および水(100mL)を加え抽出した。有機層を、水(40mL) 次いで飽和食塩水(80mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濾過濃縮した。
残渣に少量のエーテルを加え、細粉化し、濾取後風乾して表題化合物(3.30g)を黄色結晶として得た。
【0060】
《実施例2》
(E)−1−(4−クロロフェニル)−6−エトキシ−2,3−ジヒドロ−7−メトキシ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>
1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−7−メトキシ−1H−キノリン−4−オンの合成
酢酸(41mL)および47%臭化水素酸(55mL)の混液に、氷水冷下、実施例1の<工程1>で得られた化合物(化合物番号1−1、13.6g)を加え、加熱還流した。4.5時間後酢酸(8mL)および47%臭化水素酸(11mL)を追加しさらに3.5時間加熱還流した。反応液を、氷−飽和食塩水(200mL) に注ぎ、酢酸エチル(500mL×1、250mL×2、100mL×1)で抽出した。有機層を合わせ飽和食塩水(150mL) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過濃縮した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル−n−ヘキサン=1/5〜2/5)で精製し、表題化合物を含む分画を集めて減圧濃縮した。残渣に少量の酢酸エチル−n−ヘキサンを加え細粉化し、濾取後風乾し表題化合物(1.95g) を黄色結晶として得た。
【0061】
<工程2>
1−(4−クロロフェニル)−6−エトキシ−2,3−ジヒドロ−7−メトキシ−1H−キノリン−4−オンの合成
<工程1>で得られた化合物(0.5g)および無水炭酸ナトリウム(0.4g)のアセトン(2mL) およびジメチルホルムアミド(2mL) の懸濁液を30分間加熱還流した。反応懸濁液に臭化エチル(0.28mL)を加え、9時間加熱還流し、さらにヨウ化エチル(1mL)を加え18時間70℃で加熱攪拌した。反応液を放冷後、酢酸エチル(50mL) および水(30mL) を加え抽出した。有機層を、1N−塩酸(30mL) 次いで飽和食塩水(20mL) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過濃縮した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム)で精製し、表題化合物を含む分画を集めて減圧濃縮した。残渣に少量のエーテルを加え、細粉化し、濾取後風乾し表題化合物(0.17g)を黄色結晶として得た。
【0062】
<工程3>
(E)−1−(4−クロロフェニル)−6−エトキシ−2,3−ジヒドロ−7−メトキシ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程2>で得られた化合物(120mg)および塩酸ヒドロキシルアミン(76mg)を用いて、実施例1の<工程2>と同様の操作により表題化合物(70mg)を淡黄色結晶として得た。
【0063】
《実施例3》
(E)−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−6,7−ジヒドロキシ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>
1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−6,7−ジヒドロキシ−1H−キノリン−4−オンの合成
実施例2の<工程1>のシリカゲルクロマトグラフィーの溶出を続け、40〜50%酢酸エチル−n−ヘキサンで溶出して表題化合物を含む分画を溶出し、その分画を集めて減圧濃縮した。残渣に少量のエーテルを加え細粉化し、濾取後風乾して表題化合物(4.69g)を黄色結晶として得た。
【0064】
<工程2>
(E)−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−6,7−ジヒドロキシ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>で得られた化合物(0.50g)および塩酸ヒドロキシルアミン(0.24g)のエタノール(14mL)の懸濁液に、ピリジン(0.27mL)を加え、19時間室温で攪拌した。反応液を水(80mL) に注ぎ、酢酸エチル(250mL)で抽出した。有機層を、水(50mL×3) 次いで飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濾過して濾液を室温で減圧濃縮した。
残渣にエーテル(30mL) を加え、濾過して不溶物を除き、濾液を減圧濃縮した。再度残渣にエーテル(30mL) を加え細粉化し、濾取後風乾して表題化合物(0.10g)の結晶を得た。
【0065】
《実施例4》
(E)−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>
1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジメトキシ−1H−キノリン−4−オンの合成
2,3−ジヒドロ−5,7−ジメトキシ−1H−キノリン−4−オン(13.0g)、4−クロロヨードベンゼン(30.0g)、炭酸カリウム(8.67g)および酸化第二銅(1.30g)の混合物を、190℃で1.2時間加熱攪拌した。反応懸濁液を放冷し、酢酸エチル(500mL)および水(200mL) を加え充分攪拌し、不溶物を吸引濾過して除き濾液を水層と有機層に分液した。有機層を、飽和食塩水(100mL) で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物は、クロロホルム(200mL) で洗浄し、水層を、クロロホルム(400mL)で抽出した。このクロロホルム洗液とクロロホルム抽出層を合わせ飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、先の酢酸エチル抽出液と合わせて濾過濃縮した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−(溶出液:酢酸エチル−n−へキサン=1/5〜4/5)で精製し、表題化合物を含む分画を集め減圧濃縮した。少量のエーテルで細粉化し、濾取後風乾して乳白色結晶の表題化合物(8.00g)を得た。
【0066】
<工程2>
1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−1H−キノリン−4−オンの合成
酢酸(21mL)および47%臭化水素酸(28mL)の混液に、氷水冷下、<工程1>で得られた化合物(6.98g)を加えた後、15分間加熱還流した。氷−飽和食塩水に反応液を注ぎ、析出した不溶物を濾過し、濾液をクロロホルム(200mL×1、100mL×2)で抽出した。有機層を合わせ飽和食塩水(100mL) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過濃縮した。
残渣と先の不溶物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム)で精製し、表題化合物を含む分画を集め、減圧濃縮した。残渣に少量のエーテルを加え細粉化し、濾取後風乾して表題化合物(2.05g)を黄色結晶として得た。
【0067】
<工程3>
(E)−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程2>で得られた化合物(0.50g)および塩酸ヒドロキシルアミン(0.24g)のエタノール(15mL)の懸濁液に、ピリジン(0.27g)を加え、4時間加熱還流した。反応液に塩酸ヒドロキシルアミン(0.24g)およびピリジン(0.27g)を追加し、さらに8時間加熱還流した。
反応液を減圧濃縮し、酢酸エチル(50mL)および水(50mL)を加え抽出した。有機層を、1N−塩酸(20mL)次いで飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濾過濃縮した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:メタノール−クロロホルム=1/10)で精製し、表題化合物を含む分画を集め、減圧濃縮した。残渣に少量のクロロホルムを加え細粉化し、濾取後風乾して表題化合物(0.30g)を淡桃色結晶として得た。
【0068】
《実施例5》
2−クロロー5−[1,2,3,4−テトラヒドロ−4−(E)−ヒドロキシイミノ−6,7−ジメトキシキノリン−1−イル] 安息香酸エチルの合成
<工程1>
2−クロロ−5−ヨード安息香酸エチルの合成
2−アミノ−5−ヨード安息香酸(10.0g)の水(30mL) 懸濁液に、濃硫酸(7.46g)を注意して加え、70〜80℃で30分間攪拌した。反応懸濁液に氷水冷下、亜硝酸ナトリウム(2.89g)の水(10mL) 溶液を、30分間攪拌し、ジアゾニウム塩の懸濁液を調製した。
塩化第一銅(3.96g)、塩化ナトリウム(15.0g)および濃塩酸(15mL)の混合液に、70〜80℃で上記ジアゾニウム塩の懸濁液を約20分間で添加し、同温で30分攪拌した。
反応懸濁液を氷水冷し、不溶物を濾取して酢酸エチル(500mL) を加え溶解した。この酢酸エチル溶液を、水(100mL) 次いで飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過濃縮した。
残渣にトルエンおよびn−ヘキサンを加え細粉化し、濾取後風乾して2−クロロ−5−ヨード安息香酸(7.41g)を得、このまま次の反応に用いた。
【0069】
2−クロロ−5−ヨード安息香酸(2g)の塩化チオニル(2.07mL)懸濁液を1.5時間還流し、減圧濃縮した。残渣にエーテル(1.4mL)を加えた溶液に、室温でエタノール(0.42mL)およびエーテル(0.6mL) の溶液を滴下し、同温で30分間攪拌した後減圧濃縮した。残渣に水(20mL) を加え、エーテル(30mL×2) で抽出した。有機層を合わせ、水(20mL) 次いで飽和食塩水(20mL) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過濃縮した。残渣を減圧乾燥して表題化合物(1.96g)を淡褐色油状物として得た。
【0070】
<工程2>
2−クロロ−5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−6,7−ジメトキシ−4−オキソキノリン−1−イル) 安息香酸エチルの合成
<工程1>で得られた化合物(0.50g)および2,3−ジヒドロ−6,7−ジメトキシ−1H−キノリン−4−オン(0.33g)を用いて、実施例4の<工程1>と同様の操作により表題化合物(0.09g)を黄色油状物として得た。
<工程3>
2−クロロ−5−[1,2,3,4−テトラヒドロ−4−(E)−ヒドロキシイミノ−6,7−ジメトキシキノリン−1−イル] 安息香酸エチルの合成
<工程2>の表題化合物(90mg)および塩酸ヒドロキシルアミン(48.1mg) を用いて、実施例1の<工程2>と同様の操作により表題化合物(70mg)を結晶として得た。
【0071】
《実施例6》
(E)−5−アミノ−6−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>
6−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−5−ニトロ−1H−キノリン−4−オンの合成
6−クロロ−2,3−ジヒドロ−5−ニトロ−1H−キノリン−4−オン(1.44g)および4−クロロヨ−ドベンゼン(15.2g) を用いて、実施例4の<工程1>と同様の操作により表題化合物(0.95g) を得た。
【0072】
<工程2>
5−アミノ−6−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オンの合成
<工程1>で得られた化合物(0.2g) および鉄粉(0.2g) の50%エタノール(5mL) 懸濁液に濃塩酸(20μL)を加え、10分間還流した。反応懸濁液に水(10mL) 、1N水酸化ナトリウム(10mL)およびエーテル(30mL)加え、不溶物を濾過して除き濾液を分液した。有機層を、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濾過濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトクロマトグラフィー(溶出液:塩化メチレン)で精製した。表題化合物を含む分画を集め、濃縮した。残渣を減圧乾燥し表題化合物(59mg) を黄色結晶として得た。
【0073】
<工程3>
(E)−5−アミノ−6−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程2>で得られた化合物(50mg)および塩酸ヒドロキシルアミン(34mg) を用いて、実施例4の<工程3>と同様の操作により表題化合物(34mg)を淡黄色結晶として得た。
【0074】
《実施例7》
(E)−6,7−ジクロロ−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>
7−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オンの合成
7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン(2.2g) および4−クロロヨードベンゼン(5.7g) を用いて、実施例4の<工程1>と同様の操作により表題化合物(1.95g) を得た。
【0075】
<工程2>
6,7−ジクロロ−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オンの合成
<工程1>で得られた化合物(1.7g)、N−クロロスクシンイミド(0.8g) および過酸化ベンゾイル(0.05g) の四塩化炭素(40mL) 溶液を1時間加熱還流した。反応懸濁液を濃縮し、水(40mL)を加え、エーテル(40mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(30mL) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濾過濃縮した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:塩化メチレン−n−ヘキサン=1/3)で精製した。表題化合物を含む分画を集め濃縮した。残渣を減圧乾燥して表題化合物(0.35g)を淡黄色結晶として得た。
【0076】
<工程3>
(E)−6,7−ジクロロ−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程2>で得られた化合物(150mg)および塩酸ヒドロキシルアミン(96mg) を用いて、実施例1の<工程2>と同様の操作により表題化合物(130mg)を無色結晶として得た。
【0077】
以下の、実施例8〜14の<工程1>は、対応するキノリン−4−オン オキシム誘導体とクロロヨードベンゼンとの反応を、実施例1 の<工程1>または実施例4の<工程1>と同様の操作で行った。
実施例8〜14の<工程2>は、対応する<工程1>の生成物と塩酸ヒドロキシルアミンとの反応を、実施例1の<工程2>または実施例4の<工程3>と同様の操作で行った。
以下に、各工程とその目的化合物を記載する。
【0078】
《実施例8》
(E)−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−6,7−ジメトキシ−2−メチル−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>
1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−6,7−ジメトキシ−2−メチル−1H−キノリン−4−オンの合成
<工程2>
(E)−1−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−6,7−ジメトキシ−2−メチル−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
【0079】
《実施例9》
4−[1,2,3,4−テトラヒドロ−4−(E)−ヒドロキシイミノ−6,7−ジメトキシキノリン−1−イル] 安息香酸エチルの合成
<工程1>
4−(1,2,3,4−テトラヒドロ−6,7−ジメトキシ−4−オキソキノリン−1−イル)安息香酸エチルの合成
<工程2>
4−[1,2,3,4−テトラヒドロ−4−(E)−ヒドロキシイミノ−6,7−ジメトキシキノリン−1−イル] 安息香酸エチルの合成
【0080】
《実施例10》
(E)−6−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−7−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>
6−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−7−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オンの合成
<工程2>
(E)−6−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−7−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
【0081】
《実施例11》
(E)−1−(4−クロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>
1−(4−クロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オンの合成
<工程2>
(E)−1−(4−クロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−5−トリフルオロメチル−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
【0082】
《実施例12》
1−(4−クロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−4−(E)−ヒドロキシイミノキノリン−6−カルボニトリルの合成
<工程1>
1−(4−クロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−4−オキソキノリン−6−カルボニトリルの合成
<工程2>
1−(4−クロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−4−(E)−ヒドロキシイミノキノリン−6−カルボニトリルの合成
【0083】
《実施例13》
(E)−1−(4−クロロフェニル)−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>
1−(4−クロロフェニル)−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オンの合成
<工程2>
(E)−1−(4−クロロフェニル)−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
【0084】
《実施例14》
(E)−6−クロロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
<工程1>
6−クロロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オンの合成
<工程2>
(E)−6−クロロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシムの合成
【0085】
《実施例15》
(E)−5−(4−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−g] キノリン−8−オン オキシムの合成
<工程1>
5−(4−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3] ジオキソロ[4,5−g] キノリン−8−オンの合成
<工程2>
(E)−5−(4−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3] ジオキソロ[4,5−g] キノリン−8−オン オキシムの合成
【0086】
【表1】
Figure 2005139066
【0087】
【表2】
Figure 2005139066
【0088】
【表3】
Figure 2005139066
【0089】
【表4】
Figure 2005139066
【0090】
【表5】
Figure 2005139066
【0091】
【表6】
Figure 2005139066
【0092】
【表7】
Figure 2005139066
【0093】
【表8】
Figure 2005139066
【0094】
【表9】
Figure 2005139066
【0095】
[薬理実験例]
《実験例1》
<レポータージーンアッセイによるHSP70発現誘導阻害活性の測定>
(1)<HeLa−198株を用いたHSP70発現誘導阻害活性の測定>
国際公開番号WO99/16903号に記載の方法に従って行った。すなわち、ヒトHSP70遺伝子の5’側上流領域2.8kbにレポーター遺伝子としてホタルルシフェラーゼ遺伝子を連結したベクターで形質転換したHeLa細胞198株(以下、HeLa−198株)を96ウェル培養プレートに播種し、D−MEM中、37℃、5%CO2 雰囲気下で48時間培養する。DMSOに溶解した種々の被験化合物を終濃度が0.1〜50μMとなるように含むD−MEMに交換した後、さらに37℃で1時間培養する。次いで、42℃で2時間の熱ショックを与え、その後、37℃で2時間回復培養する。このとき、42℃の熱ショックを与えないで、37℃で培養を続けた系を発現誘導の対照とする。培地を除去し、ルシフェラーゼアッセイシステム(Promega社製)のプロトコールに従って、細胞抽出液中のルシフェラーゼ活性をルミノメーター( Labsystems社製、Luminoskan) により測定し、熱ショック依存的HSP70の発現誘導を検出した。溶媒のDMSOのみを含むD−MEMで処理した細胞におけるルシフェラーゼの発現誘導を対照として、熱ショックによるルシフェラーゼの発現誘導を阻害する化合物をHSP70の発現誘導阻害剤として、その阻害率で活性をあらわした。結果を第3表に示す。
(2)<HSP70以外のプロモーターからの転写には作用しないことの確認>
(1)と同様、国際公開番号WO99/16903号に記載の方法に従って、HeLa細胞を形質転換し、SV40初期プロモーターの制御下にルシフェラーゼを発現する細胞株HeLa−SV−3を樹立した。
HeLa−SV−3細胞の培養液に、被験化合物を添加し(終濃度10μM)、さらに5時間培養した後、細胞抽出液中のルシフェラーゼ活性を測定し、溶媒のDMSOのみの添加の対照に比べて有意な差が認められなかった場合に、被験化合物は、HSP70プロモーター特異的であるとした。結果を第3表に示す。
【0096】
【表10】
Figure 2005139066
【0097】
第3表に示したように、10μMの用量で70%以上の阻害がみられた。実施例化合物1−2および実施例化合物9−2は、1μMの用量でも70%以上の阻害がみられた。これに対し、SV40初期プロモーターの制御下にルシフェラーゼを発現させる系では、10μMの用量でも阻害活性はほとんどみられず、HSP70の発現誘導を選択的に、強く阻害することが示された。
【0098】
《実験例2》
<ウエスタンブロッティングによるHSP70−蛋白レベルの測定>
内在性HSP70の発現誘導に対する作用を、ウエスタンブロッティングにより蛋白質レベルで調べた。10cm培養ディッシュに、HeLa−198株を1.1×106 細胞/cm2 で播種し、48時間培養後、被験化合物溶液を終濃度10μMとなるように添加し、さらに37℃で1時間培養した。42℃で2時間の熱ショックを与えた後、37℃で2時間回復培養した細胞の抽出液を、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた後、抗HSP70抗体(StressGen社製)を用いたウエスタンブロッティングにより、細胞内HSP70の蓄積量を調べた。ウエスタンブロッティングにより得られたバンドの強度をバイオイメージングアナライザー(富士フィルム社製)で定量し、数値化した。対照として、DMSOのみを含む培地で同様の処理をしたものを用いた。結果を第4表に示す。
【0099】
【表11】
Figure 2005139066
42℃、2時間の熱ショックによる内在性HSP70の発現誘導を阻害することが、蛋白質レベルで確認された。
【0100】
《実験例3》
<細胞毒性試験>
細胞増殖アッセイシステムRPN250(アマシャムファルマシア社製)のプロトコールに従って行った。詳細には、HeLa細胞を10%FBSを含むD−MEM培地に懸濁し、3×103 個/100μL/ウェルの濃度で96ウェル培養プレートに播種した。37℃、5%CO2 雰囲気下で2日間培養後、被験化合物を添加し(終濃度10μM)、さらに24時間培養した。最後の4〜6時間で細胞にブロモデオキシウリジン(BrdU)を取り込ませ、取り込んだBrdUをELISAにより測定し、細胞増殖(DNA合成速度)に対する被験化合物の影響を判定した。対照として1/2の細胞数を同様に捲き込んだときに取り込んだBrdUの量を下限とし、その値を下回るものは細胞毒性を示すものとした。結果を第5表に示す。
【0101】
【表12】
Figure 2005139066
第5表に示すように10μMの濃度では全く変化はみられなかった。
【0102】
《実験例4》
<細胞の温熱耐性獲得阻害活性>
《実験例1》で調べたHSP70発現誘導阻害活性を有する実施例化合物9−2が細胞の温熱耐性獲得を阻害するかどうかを調べるため、生細胞数を形成したコロニー数で経時的に測定した。HeLa細胞に、終濃度10μMとなるように実施例化合物9−2を添加してから1時間後に非致死的熱ショック(42℃、2時間)を与え、37℃で6時間回復培養を行い、その後15〜75分間にわたり、45℃の致死的熱ショックを与え、各時点における生細胞数をカウントし、生細胞数を形成したコロニー数の経時的変化で表した。結果を図1に示す。
図1において、縦軸は対照に対する生細胞率を表し、横軸は致死的熱ショックを与えた時間(分)を表す。また、図1中、「○」は非致死的熱ショックを与えていない対照群、「●」は非致死的熱ショックを与えた対照群、「▲」は化合物番号9−2を添加後、非致死的熱ショックを与えた群である。
実施例化合物9−2の非存在下に比べ、45℃の致死的熱ショック後の生細胞は明らかに減少し、HeLa細胞の温熱耐性獲得が阻害されたことがわかる。
【0103】
《実験例5》
<局所塗布によるマウス耳介浮腫反応抑制作用>
ICRマウスを1群3匹に分け、刺激剤として、クロトン油またはフォルボルエステルを片方の耳介に塗布し、実施例化合物4−3を刺激剤塗布の30分前および15分後に、同じ耳介に0.3、1および3mgをそれぞれ塗布し、24時間後、ダイヤル式厚さゲージで両耳の厚さを測定した。薬物非投与群と比較し耳介浮腫阻害率(%)で示した。結果を第6表に示す。
【0104】
【表13】
Figure 2005139066
第6表に示したようにフォルボルエステル刺激による浮腫においては0.3mgでもデキサメタゾン3mg塗布と同程度の抑制作用がみられた。
【0105】
《実験例6》
<安全性試験:静脈内投与>
8週齢の雌Wistar Hannoverラット(1群3匹)を一夜絶食し(投与時、体重約150g)、実施例化合物4−3をジメチルホルムアミドに溶解した後、PEG400、水と順次加えて希釈し、10mg/mLの濃度の30%ジメチルホルムアミド−50%PEG400−20%水溶液を調製し、10mg/mL/kgの用量で尾静脈内に投与し、24時間後まで観察したが、死亡例はなく、特に問題となる症状は認められなかった。
【0106】
《実験例7》
<安全性試験:経口投与>
8週齢の雌Wistar Hannoverラット(1群3匹)を一夜絶食し(投与時、体重約150g)、実施例化合物4−3を0.5%のHPMCに10mg/mLの濃度になるように懸濁し、100mg/10mL/kgの用量で経口投与し、24時間後まで観察したが、死亡例はなく、特に問題となる症状は認められなかった。
【0107】
[製剤実施例]
以下に本発明の医薬組成物の例(製剤実施例)を挙げる。
ここで、化合物Mとは、一般式(I)、一般式(II)またはそれらの医薬として許容される塩(製薬学的に許容される塩)であり、詳細には、上記実施例から選択されるいずれかの化合物である。
【0108】
《錠剤(有効成分含有量100mg)》
化合物M10.0g、乳糖18.0g、クロスカルメロースナトリウム1.3g、コーンスターチペースト(5%W/Vペースト)0.4gおよびステアリン酸マグネシウム0.3gをそれぞれ秤量し、常法により打錠し、300mgの錠剤とした。
【0109】
《カプセル剤(有効成分含有量50mg)》
化合物M10.0g、ラクトース39.55gおよびステアリン酸マグネシウム0.45gをそれぞれ秤量した後、均一に混合し、混合粉体を日本薬局方No.1のハードカプセルに250mgずつ封入した。
【0110】
【発明の効果】
本発明により、熱ショック蛋白質発現誘導阻害活性、特にHSP70の発現誘導阻害活性を有する有用な2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体を提供できる。
また、該オキシム誘導体を有効成分とする、熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤を提供できる。
さらに、熱ショック蛋白質の誘導が関与する病態、例えば、温熱療法耐性、放射線療法耐性、多剤耐性の癌など様々な難治性の癌の他、炎症性疾患、例えばアトピー性皮膚炎、ステロイド耐性喘息などの疾患、慢性関節リウマチなどの予防・治療剤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例化合物9−2による、細胞の温熱耐性獲得阻害効果を示す図である。

Claims (10)

  1. 下記一般式(I)で示される、2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン
    オキシム誘導体およびその医薬として許容される塩。
    Figure 2005139066
    (式中、R1 〜R4 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R1 〜R4 の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基で5〜7員の環構造を形成してもよく、
    5 およびR6 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基または水酸基であり、
    7 は、水素原子;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基;低級アルケニル基または低級アルキニル基であり、
    1 〜R6 の低級アルキル基(前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基(前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基を含む)および低級アルキルカルボニルオキシ基の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、
    オキシム基の波線は、窒素原子と炭素原子で作られる2重結合に対する水酸基の幾何異性体であるE体、Z体またはそれらの混合物を表す。
    ただし、
    1 、R3 、R4 、R6 およびR7 がすべて水素原子で、R2 が水素原子、メチル基または塩素原子であるときは、R5 は、水素原子、メチル基、メトキシ基および塩素原子以外であり;また、R2 がハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基であるときは、R5 は、ハロゲン原子、アルキル基およびアルコキシ基以外であり;さらに、R2 およびR5 は、同時にエチル基ではなく、
    1 、R3 、R4 、R5 、R6 およびR7 がすべて水素原子であるときは、R2 は、水素原子、ハロゲン原子およびメトキシ基以外である。)
  2. 前記R1 〜R4 が各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、水酸基、シアノ基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R1 〜R4 の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基で5〜7員の環構造を形成してもよく;R1 〜R4 の低級アルキル基(前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基および前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい、請求項1に記載の2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体およびその医薬として許容される塩。
  3. 前記R1 〜R4 より選択される少なくとも2つが、水素原子でない、請求項1または2に記載の2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体およびその医薬として許容される塩。
  4. 前記R4 が水素原子である、請求項1〜3のいずれかに記載の2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体およびその医薬として許容される塩。
  5. 前記R2 および前記R3 または前記R1 および前記R3 が、各々独立にハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、水酸基、シアノ基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R1 〜R4 の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基で5〜7員の環構造を形成してもよく;R1 〜R4 の低級アルキル基(前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル基および前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい、請求項3または4に記載の2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体およびその医薬として許容される塩。
  6. 前記R5 が、ハロゲン原子;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシル基または低級アルコキシカルボニル基である、請求項1〜5のいずれかに記載の2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体およびその医薬として許容される塩。
  7. 下記一般式(II)で示される、2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体またはその医薬として許容される塩を有効成分として含有する熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤。
    Figure 2005139066
    (式中、R8 〜R16は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシル基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R8 〜R16の低級アルキル基(前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキル基を含む)、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシル基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基(前記アミノ基の水素原子を置換する低級アルキルカルボニル基を含む)、低級アルキルカルボニルオキシ基の水素原子は、ハロゲン原子、低級アルコキシル基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよく;R8 〜R11の互いに隣接するものどうしが一緒になって炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基、アルキレンジチオ基またはアルキレンオキシチオ基で5〜7員の環構造を形成してもよく、
    17は、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、水酸基、あるいは、低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基で1もしくは2置換されていてもよいアミノ基であり;R17の波線は、窒素原子と炭素原子で作られる2重結合に対するR17の幾何異性体であるE体、Z体またはそれらの混合物を表す。)
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の2、3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン オキシム誘導体またはその医薬として許容される塩を有効成分として含有する熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤。
  9. 前記熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤が、HSP70発現誘導阻害剤である請求項7または8に記載の熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の熱ショック蛋白質発現誘導阻害剤またはHSP70発現誘導阻害剤からなる、癌または炎症性疾患の予防・治療剤。
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