JP2005138425A - 記録ヘッドおよび該記録ヘッドを備えた記録装置 - Google Patents

記録ヘッドおよび該記録ヘッドを備えた記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 エネルギーをなるべく一定とするように記録素子に流れる電流を制御するスイッチング素子を制御する際に負の温度係数を有する記録素子の温度が上昇して記録素子の抵抗が下がっても記録素子に印加されるエネルギーの増大を防ぎ、記録ヘッドの寿命を長くできるようにすることである。
【解決手段】 共通の電源に接続された複数の記録素子を有する記録ヘッドであって、各記録素子が、前記記録素子に直列に接続され、制御端子に印加される電圧でその記録素子の駆動を制御するスイッチング素子と、前記電源を基準とした定電圧源と、前記記録素子に直列に接続され前記記録素子への接続配線に生じる配線抵抗部と、前記記録素子が駆動されたときに、その配線抵抗部の間の電位差と定電圧源の電圧とが等しくなるように制御する電圧制御回路とを備えて、記録素子の温度の影響を受けずに記録素子に流れる電流を一定にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は記録ヘッドおよび該記録ヘッドを備えた記録装置に関し、特に、共通の電源に接続された複数の記録素子の駆動条件を等しくすることができる記録ヘッドおよび該記録ヘッドを備えた記録装置に関するものである。
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタがある。
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と直角な方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
インクジェット方式のうち、バブルジェット(登録商標)記録方式(BJ方式)は、発熱体(ヒータ)によりインクを急激に加熱、気化させ、発生した気泡の圧力によりインク液滴をオリフィスから吐出させる方式である。
図4は、バブルジェット記録方式で記録を行うインクジェットプリンタの記録ヘッド内部のヒータ駆動回路の例を示す回路図である。
記録ヘッドの素子基板上に形成されたヒータ素子R1とそのヒータ素子に電流のスイッチングを行うためのスイッチング素子Q1とが電源VHとグランド間に直列接続されており、プリンタ本体からの記録情報に応じた制御信号により、任意のスイッチング素子がオン又はオフされ、駆動されたヒータ素子に対応するノズルからインクが吐出されて画像が形成される。
この様なヒータ素子から発生する熱エネルギーを利用してインクを吐出させる記録ヘッドを有するプリンタにおいて、高品位な画像を得るためには、吐出されるインク滴の体積を常に一定で安定させることが必要である。このためには、ヒータの発熱量を一定に保つことが望ましいと考えられてきた。
ここで、電気エネルギーを熱エネルギーに変換するヒータでの発熱量Pは、Vがヒータでの電位差、
Rがヒータの抵抗値、tが電圧印加時間であるとき、
P=(V2/R)・t ……(1)
で表される。
式(1)から解るように、ヒータでの発熱量はヒータの抵抗値及びヒータに印加される電圧によって大きく変化する。このうちヒータの抵抗値は、ヒータの製造プロセス上20%程度のばらつきが発生する。このバラツキによる発熱量への影響を抑える方法としていくつかの方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載された方法は、記録ヘッド内にインク吐出用ヒータと同一材料で形成したダミーヒータの抵抗値を測定し、この抵抗値よりインク吐出用ヒータの抵抗値を算出し、算出されたヒータの抵抗値に応じてヒータへ印加するパルス信号のパルス幅を調節してヒータでの発熱量を最適化するものである。
また、特許文献2に記載された方法では、ヒータに直接に接続される、MOSトランジスタ等のスイッチング素子のオン抵抗も製造上のバラツキを持っている。このMOSトランジスタのオン抵抗は電源とグランド間にヒータの抵抗と直列に挿入されるため、ヒータに対して印加される電圧は、電源電圧を、ヒータの抵抗とMOSトランジスタのオン抵抗の比で分圧した電圧となる。
このためMOSトランジスタのオン抵抗のバラツキは、式(1)におけるVの項が変化するのと等価であり、ヒータの発熱量に影響を与える。この影響を抑えるために、上記特許文献に記載の方法と同様に、記録ヘッド内にダミーのMOSトランジスタを形成し、このMOSトランジスタのオン抵抗を測定し、ヒータに印加される電圧Vを算出し、その結果を用いてヒータでの発熱量が一定となるようにヒータに印加するパルス信号のパルス幅を調節する方法が用いられている。
上記背景を元にエネルギーを一定にするという観点で記録素子に一定の電流が流れるように記録素子の両端の電圧が一定になるようにスイッチング素子を制御することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平7−76077号公報 特開平10−95116号公報 特開2001−277516号公報
ここでインクジェット記録ヘッドの記録素子に用いられる発熱体は特開昭56−89578号公報や特開昭61−100476号公報の本文中記載にあるように温度係数が負(すなわち吐出のための駆動時の温度上昇に伴って記録素子の抵抗が下がる)の材料を一般的に用いている。
この場合、特許文献3にあるように記録素子の両端の電圧が一定となるように記録素子に流れる電流を制御すると高温時に記録素子の抵抗が下がることによって記録素子に流れる電流が増加して、その結果駆動の後半において記録素子に印加されるエネルギーがさらに増大する。
記録素子の熱による膜沸騰の力を利用したバブルジェット記録方式において、膜沸騰後の記録素子の温度は低ければ低い程、記録素子の寿命が延びることがわかっている。
本発明は上述したようにエネルギーをなるべく一定とするように記録素子に流れる電流を制御するスイッチング素子を制御する際に負の温度係数を有する記録素子の温度が上昇して記録素子の抵抗が下がっても記録素子に印加されるエネルギーの増大を防ぎ、寿命を長くできるようにする記録ヘッド、及びその記録ヘッドを備えた記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の記録ヘッドは、以下のような構成からなる。
即ち、共通の電源線に接続された複数の記録素子を有する記録ヘッドであって、前記記録素子のそれぞれに直列に接続され、制御端子に印加される電圧で前記記録素子の駆動を制御するスイッチング素子と、前記電源を基準とした定電圧源と、前記電源線に接続されると共に、前記記録素子に直列に接続された前記記録素子への接続配線に生じる配線抵抗部と、前記記録素子の駆動時における該配線抵抗部での電位差と前記定電圧源の電圧とが等しくなるように制御する電圧制御回路とを備えたことを特徴とする。
なお、前記電圧制御回路は、前記記録素子と並列に接続され、前記記録素子と同じ特性を有するダミー記録素子と、前記ダミー記録素子に直列に接続され、前記スイッチング素子と同じ特性を有するダミースイッチング素子と、前記記録素子に直列に接続され前記ダミー記録素子への接続配線に生じるダミー配線抵抗部と、前記ダミー接続配線抵抗部の電位差と前記定電圧源の電圧とが等しくなるように、検出出力を前記ダミースイッチング素子の制御端子にフィードバックする検出素子とを含むようにすると良い。
そして、前記検出出力が、前記スイッチング素子の前記制御端子に接続され、前記記録素子を駆動するか否かを示す選択信号が入力される論理回路の電源として使用されることが望ましい。
また、前記定電圧源は、バンドギャップ電圧を利用した電圧源であると良い。
さらに、前記スイッチング素子は、MOSトランジスタであると良い。
なお、上記記録ヘッドは、各記録素子からインクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであることが好適であり、その場合、熱エネルギーを利用してインクを吐出するべく、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を各記録素子に備えていることが望ましい。
また他の発明によれば、上記構成の記録ヘッドによって記録を行う記録装置であって、各記録素子に流れる電流量が記録素子の温度によらず一定になるように各記録素子に供給する駆動信号を制御する駆動制御手段を備えたことを特徴とする記録装置を備える。
さらに他の発明によれば、上記構成の記録ヘッドとインクタンクとを備えたヘッドカートリッジを備える。
従って本発明によれば、エネルギーをなるべく一定とするように記録素子に流れる電流を制御するスイッチング素子を制御する際に負の温度係数を有する記録素子の温度が上昇して記録素子の抵抗が下がっても記録素子に印加されるエネルギーの増大を防ぎ、寿命を長くできるようになり長寿命で高画質な記録が可能となる。
さらに特許文献3にあるように、記録ヘッドに供給される電源電圧の変動や、配線抵抗および寄生抵抗による影響をも記録素子に流れる電流を一定とすることから低減することができ、電源装置や配線のコストを低下することができる。また、記録ヘッドの温度変化による内部の素子の特性の変動に対しても、各記録素子を一定の条件で駆動することができるので、記録品質を保つことができる。
更に、従来行われていたように、配線や接続部分で予想される電圧降下をマージンとして加えた電圧を記録素子に印加して駆動する必要がなくなり、記録素子を最適な条件で駆動することができるので、記録ヘッドの耐久性が向上する。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
なお、本発明において用いている「記録」という語は、文字や図形などの意味をもつ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味をもたない画像を付与することをも意味するものである。
始めに、以下で説明する本発明の記録ヘッドを用いる記録装置の代表的な全体構成および制御構成について説明する。
<装置本体の概略説明>
図5は、本発明の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。図5において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。
5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。
5016は記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。
又、5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来た時にリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
<制御構成の説明>
次に、上述した装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。
図6はインクジェットプリンタIJRAの制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す同図において、1700は記録信号を入力するインタフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROM、1703は各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。
1704は記録ヘッドIJHに対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インタフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。1710は記録ヘッドIJHを搬送するためのキャリアモータ、1709は記録紙搬送のための搬送モータである。1705は記録ヘッドを駆動するヘッドドライバ、1706,1707はそれぞれ搬送モータ1709、キャリアモータ1710を駆動するためのモータドライバである。
上記制御構成の動作を説明すると、インタフェース1700に記録信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データに従って記録ヘッドが駆動され、記録が行われる。
ここでは、MPU1701が実行する制御プログラムをROM1702に格納するものとしたが、EEPROM等の消去/書き込みが可能な記憶媒体を更に追加して、インクジェットプリンタIJRAと接続されたホストコンピュータから制御プログラムを変更できるように構成することもできる。
なお、上述のように、インクタンクITと記録ヘッドIJHとは一体的に形成されて交換可能なインクカートリッジIJCを構成しても良いが、これらインクタンクITと記録ヘッドIJHとを分離可能に構成して、インクがなくなったときにインクタンクITだけを交換できるようにしても良い。
図7は、インクタンクとヘッドとが分離可能なインクカートリッジIJCの構成を示す外観斜視図である。インクカートリッジIJCは、図7に示すように、境界線Kの位置でインクタンクITと記録ヘッドIJHとが分離可能である。インクカートリッジIJCにはこれがキャリッジHCに搭載されたときには、キャリッジHC側から供給される電気信号を受け取るための電極(不図示)が設けられており、この電気信号によって、前述のように記録ヘッドIJHが駆動されてインクが吐出される。
なお、図7において、500はインク吐出口列である。また、インクタンクITにはインクを保持するために繊維質状もしくは多孔質状のインク吸収体が設けられている。
以下、上記のインクジェットプリンタに搭載される、本発明の記録ヘッドの実施例について説明する。
[第1の実施例]
図1は、本発明の記録ヘッドの第1の実施例における、各記録素子(ノズル)毎に設けられた駆動制御回路の構成を示す回路図である。
図示されたように、各記録素子毎に、インクを吐出させる熱エネルギーを発生するヒータR1と、ヒータR1に電流を印加するためのMOSトランジスタ等のスイッチング素子Q1と、前記ヒータR1の電極配線部に生じる接続配線抵抗部RL1、Q1のゲートに印加される電圧を制御することで記録データに応じてスイッチング素子Q1を駆動するためのビット選択ロジック102と、ビット選択ロジック102に電源を供給する電圧制御回路101とが設けられている。
電圧制御回路101において、R2はR1と同一の材料で造られたヒータ抵抗であり、Q2はQ1と同種のMOSトランジスタである。またRL2はRL1と同様にR2に接続する配線に生じる接続配線抵抗部である。すなわち、R2、Q2およびRL2はインク吐出用のヒータおよびMOSトランジスタであるR1,Q1、RL1とそれぞれ同一の特性を持つように同じ製造工程で製造されている。
Vr1はVHを基準とした定電圧源であり、オペアンプOP1はヒータR2の接続配線抵抗部RL2での電圧とVr1の電圧を等しくなるようにQ2のゲートを調節する。結果的にヒータR1の接続配線抵抗部RL2での電位差とVr1の電圧が等しくなるように調整している。ここで、RL2,Q2,Vr1,OP1は定電圧フィードバック回路を構成し、この出力がビット制御ロジック102に電源として供給される。
以下、図1の回路の動作について説明する。
プリンタ本体より、記録すべき情報に応じてビット制御ロジック102の入力INに記録データに基づいた「0」又は「1」を示す信号が入力される。図1の回路の場合、入力に「0」が入力された場合にMOSトランジスタQ1がオンとなり、ヒータR1に電流が流れてノズルからインクが吐出される。
この時のQ1のゲートに印加される電圧は、ビット制御ロジック102の電源電圧に略等しく、この電源電圧は電圧制御回路101により供給される。上記で述べたように、R2、Q2およびRL2はR1、Q1およびRL1とそれぞれ同じ特性を持つので、R1の抵抗値とQ1のオン抵抗値とRL1の抵抗値の比と、R2の抵抗値とQ2のオン抵抗値とRL2の抵抗値の比は等しいとみなされる。RL2の一端とQ2のソースには、オペアンプOP1の非反転入力が接続されており、オペアンプOP1の反転入力には、VHを基準とした定電圧源Vr1が接続されている。そして、OP1の出力にはQ2のゲートが接続されているので、OP1によりRL2抵抗間における電位差が常にVr1となるようにQ2のゲート電圧にフィードバックがかけられる。
OP1の出力は、ビット制御ロジック102の電源となっているため、ヒータR1の駆動時にQ1のゲートにはOP1の出力電圧、つまり、Q2のゲート電圧と同じ電圧が印加される。Q1およびQ2のゲート電圧が等しくなることから、R1とQ1のオン抵抗値とRL1の比と、R2とQ2のオン抵抗値とRL2の比が等しくなり、RL1の端子間の電位差がVr1と等しくなる。
ここで、本実施例では定電圧源Vr1をバンドギャップ電圧のように、電源電圧の変動に対する依存性や温度特性を持たない構成とすることで、RL1の電位差を常に一定に保つことができる。
ここで記録素子駆動時に急激に温度が上昇する記録素子周辺領域、及び前記急激な温度上昇を比較的受けない記録素子接続配線抵抗部について図2に示した。
また記録素子を駆動した際に記録素子の温度上昇とその際の記録素子の抵抗の変化の例を図3に示した。
図2、図3からわかるように、特許文献3に記載のように記録素子両端の電圧を一定にした場合に駆動による温度上昇での記録素子抵抗値の減少によるエネルギー増加(特に発泡が開始した後さらに急激に温度上昇、すなわち記録素子エネルギー印加増加)に対して本件では駆動時にも抵抗変化がほとんどない配線抵抗部RLを用いていていることがわかる。
ヒータR1の電極配線部に生じる接続配線抵抗部RL1の電位差はVr1で一定であり、ヒータR1の抵抗値をダミー抵抗等を用いてあらかじめ測定可能であれば、ヒータR1での発熱量Pは、
P=I2・R1・t
=(Vr1/RL1)2・R1・t
であるから、ヒータR1の抵抗値が駆動時のエネルギーで温度が上昇して抵抗が下がっても電流は温度の影響を受けない接続配線抵抗RL1(=RL2)によって一定に保てることから結果的に駆動の後半時にヒータR1に印加されるエネルギーは減少することとなり、ヒータR1の温度上昇が抑えられ長寿命化が達成される。
なお、図1に示した回路の構成要素は、半導体プロセスによって製造される記録ヘッドの基板上に素子基板として一体的に形成することができる。
[他の実施例]
以上説明した実施例は、発熱体(ヒータ)によりインクを急激に加熱、気化させ、発生した気泡の圧力によりインク液滴をオリフィスから吐出させる、いわゆるバブルジェット方式のインクジェット記録ヘッドを例に挙げて説明したが、電源電圧の変動や接続に関する寄生抵抗の影響を抑えるという本発明の作用・効果に鑑みれば、これ以外の方式によって記録を行う記録ヘッドに対しても本発明が適用できることは明らかであろう。
この場合、上記各実施例におけるヒータ抵抗の代わりに、各方式で使用する素子がそれぞれ設けられることとなる。
なお、以上の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である。特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されている液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、上記の実施例で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
本発明の代表的な実施例である記録ヘッドの各記録素子の制御回路を示す回路図である。 本発明の記録素子(ヒータ)及び接続配線抵抗部RL及び駆動により温度が急激に上昇する領域を示す図である。 記録素子を駆動した場合の記録素子の温度及び記録素子の抵抗変化を示す図である。 従来の記録ヘッドの駆動回路図である。 本発明の代表的な実施例であるインクジェットプリンタの構成の概要を示す外観斜視図である。 図5のインクジェットプリンタの制御回路の構成を示すブロック図である。 インクタンクとヘッドとが分離可能なインクカートリッジの構成を示す外観斜視図である。
符号の説明
Q1,Q2 MOSトランジスタ
R1,R2 ヒータ抵抗
RL1,RL2 ヒータ接続配線抵抗部
SW ダミーヒータ駆動スイッチ
101 電圧制御回路
102 ビット選択ロジック
Vr1 定電圧源
OP1 オペアンプ

Claims (9)

  1. 共通の電源線に接続された複数の記録素子を有する記録ヘッドであって、
    前記記録素子のそれぞれに直列に接続され、制御端子に印加される電圧で前記記録素子の駆動を制御するスイッチング素子と、
    前記電源を基準とした定電圧源と、
    前記電源線に接続されると共に、前記記録素子に直列に接続された前記記録素子への接続配線に生じる配線抵抗部と、
    前記記録素子の駆動時における該配線抵抗部での電位差と前記定電圧源の電圧とが等しくなるように制御する電圧制御回路とを備えたことを特徴とする記録ヘッド。
  2. 前記電圧制御回路は、
    前記記録素子と並列に接続され、前記記録素子と同じ特性を有するダミー記録素子と、
    前記ダミー記録素子に直列に接続され、前記スイッチング素子と同じ特性を有するダミースイッチング素子と、前記記録素子に直列に接続され前記ダミー記録素子への接続配線に生じるダミー配線抵抗部と、
    前記ダミー接続配線抵抗部の電位差と前記定電圧源の電圧とが等しくなるように、検出出力を前記ダミースイッチング素子の制御端子にフィードバックする検出素子とを含むことを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
  3. 前記検出出力が、前記スイッチング素子の前記制御端子に接続され、前記記録素子を駆動するか否かを示す選択信号が入力される論理回路の電源として使用されることを特徴とする請求項2に記載の記録ヘッド。
  4. 前記定電圧源は、バンドギャップ電圧を利用した電圧源であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  5. 前記スイッチング素子は、MOSトランジスタであることを特徴とする 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  6. 各記録素子からインクを吐出して記録を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  7. 熱エネルギーを利用してインクを吐出するべく、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を各記録素子に備えていることを特徴とする請求項6に記載の記録ヘッド。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の記録ヘッドによって記録を行う記録装置であって、
    各記録素子に流れる電流量が記録素子の温度によらず一定になるように各記録素子に供給する駆動信号を制御する駆動制御手段を備えたことを特徴とする記録装置。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の記録ヘッドとインクタンクとを備えたヘッドカートリッジ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007290361A (ja) * 2006-03-31 2007-11-08 Canon Inc 液体吐出ヘッド及びそれを用いた液体吐出装置
JP2007331354A (ja) * 2006-06-19 2007-12-27 Canon Inc 記録装置及びインク吐出不良検出方法
JP2008149496A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Canon Inc ヘッド基板、記録ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び記録装置

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