JP2005138364A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高画質、高堅牢性の記録を超高速かつ再現性よく得るためのインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】 光硬化インクを用いたインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置で、被記録材料の所定の位置にあらかじめ光照射を行い、表面性を均一に清浄化しながら、光照射部に光硬化インクを着弾し、硬化させ記録する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光硬化性インクを用い、高速で高画質の記録を得ることのできるインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置に関する。
従来、インクジェット記録方法は、液状インクをヘッド部のノズルより吐出させ高画質な記録を比較的簡易な構成で行うことが出来るものとして、ホーム分野を中心としたプリンター製品となり広く普及されてきた。
さらに近年、種々な機能を有するインクを用いることでエレクトロニクス分野やバイオ分野などの産業用分野でもデバイスの製造方法として応用検討されている。
これらのニーズの中でインクジェット記録方法としては、更なる高画質化、高速化、高堅牢性化の要求が大きいものとなってきている。
通常インクジェット記録に用いられるインクとしては、染料系あるいは、顔料系インクが使用されている。
染料系インクを用いた記録では、初期定着時間が短く、発色性は良好だが、記録画像における耐水性、耐擦過性、耐光性等の堅牢性に欠点を有していた。
更に、にじみの抑制が難しく、画像の鮮明性に欠ける場合があり、これを解消しようとすると記録速度を遅くしなければならなかった。
一方、顔料系インクを用いた記録では、初期定着時間が長くなる傾向にあり、記録速度を速くしていく上で限界があった。
また、発色性の問題や印字濃度を高めた場合には耐擦過性が低下するといった問題があった。
こうした技術課題に対しては、インク中の樹脂成分や溶剤成分を最適化したり、新規成分の添加を行う等の種々の提案がなされている。
しかしながら、これらの方法は個々の性能を改善するものが多く、課題を総合的に且つ統一的に改善するにはなお不十分である場合が多かった。
また、インクジェット記録に紫外線等の光硬化性インクを用いる記録方法も古くから知られている。
例えば、下記特許文献1および2では光硬化性受容層を用いた例が、また特許文献3には、2液タイプの光硬化インクを用いた例が、特許文献4には、1液タイプの光硬化インクを用いた例が開示されている。
しかしながら、この様な一般的な方法においては、光硬化インクを被記録材料に着弾させた後に光照射を行い、硬化させている。従って、被記録材料に対して浸透性の速いインクであると光照射までのほんの僅かな時間において浸透が進行したり、あるいは吸収性の悪い被記録材料であれば、液滴の拡がりが進行してしまい、精度の高いドット再現性に劣るといった場合があった。
また、被記録材料の表面性の僅かな差によってインクの浸透や拡がりにバラツキを生じる等の問題をおこす場合もあった。
さらに、この被記録材料の表面性の僅かな差は、インクとの密着性のバラツキにも影響を与えるものであった。
また、特許文献5には、飛翔中の光硬化インクに光を照射する例が開示されている。
この発明では、インクを飛翔中に光硬化を促進させ、被記録材料上に着弾した時点で高粘度化された状態で記録しようとしたものである。
しかしながら、この方法でも飛翔中に完全に固化するのではないので、着弾時点でインクの浸透、拡がりを完全に抑える事はできない。
また、被記録材料上の表面性は前記各特許文献と同じ様に未処理である為、精度の高いドット再現性の問題は相変わらず不安定であった。
さらに飛翔中にインクの粘度を上げてしまっている為、着弾時の被記録材料との付着力は低下し、密着性の均一確保にも不安定であった。
以上の様に従来例では、高画質、高速、高堅牢性に向かうインクジェット記録の方向性に対して、精度良く、信頼性のある記録を再現性良く行っていく上で種々の問題を有していた。
特開2002―225425号公報 特表2002―530229号公報 特開2001―150794号公報 特開平3―036019号公報 特開平3―65345号公報
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、インクジェット記録における高画質化、高速化、高堅牢性化に対し、光硬化性インクを用いた場合のインクの被記録材料への浸透、拡がりを極端に抑え、高画質化を図ると共に、密着性良好な記録状態を得、さらにこの記録状態をいつでも高速に再現性良く行う事の出来るインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供する事を目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、光硬化インクを用いたインクジェット記録方法で、被記録材料の所定の位置に対し予め光照射を行いながら光硬化インクを着弾させる記録方法を用いることにより解決できる事を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のインクジェット記録方法は、被記録材上の少なくともインク着弾位置を含む領域に、予め光照射を行いながら該照射部に光硬化性インクを吐出付与し、記録層を形成する事を特徴とするものである。
また、本発明のインクジェット記録装置は、被記録材上の少なくともインク着弾位置を含む領域に予め光照射を行う手段と、該光照射部に光硬化性インクを付与する手段とを少なくとも含んだ事を特徴とするものである。
光硬化インクを着弾させる寸前に被記録材表面を光照射する事により表面改質処理、清浄化が行われ、常に同一の表面性を確保する事ができ、着弾時の安定したドット形成と良好な密着性を確保できる。さらに光照射している間に光硬化インクを照射部に着弾させることで、着弾と同時に瞬時に光硬化がおこり、インクの浸透、拡がりを究極に抑え込むことが可能となる。
上記の構成を、改めて以下(1)〜(7)に整理して示す。
(1)被記録材上の少なくともインク着弾位置を含む領域に、予め光照射を行いながら該照射部に光硬化性インクを付与し、記録層を形成する事を特徴とするインクジェット記録方法。
(2)前記光硬化性インクを付与した後、別の手段にて光照射を行い記録層を形成する事を特徴とする前項(1)記載のインクジェット記録方法。
(3)前記照射する光が紫外線である事を特徴とする前項(1)又は(2)記載のインクジェット記録方法。
(4)前記被記録材がインク非吸収性基材である事を特徴とする前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
(5)前記被記録材がインク吸収性基材である事を特徴とする前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
(6)前項(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法を行うインクジェット記録装置であって、被記録材上の少なくともインク着弾位置を含む領域に予め光照射を行う手段と、該光照射部に光硬化性インクを付与する手段とを少なくとも含んだ事を特徴とするインクジェット記録装置。
(7)前項(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法を行うインクジェット記録装置であって、被記録材上の少なくともインク着弾位置を含む領域に予め光照射を行う手段と、該光照射部に光硬化性インクを付与する手段と、光硬化性インクを硬化させる為の別の光照射手段とを少なくとも含んだ事を特徴とするインクジェット記録装置。
本発明によれば、光硬化インクを用いたインクジェット記録方法において、インクの着弾寸前に被記録材表面を光照射することで表面改質処理、清浄化が行われ、常に同一の表面状態を形成する事ができ、着弾時の安定したドット形成と良好な密着性を確保できる。
さらに光照射している間に光硬化インクを照射部に着弾させることで、着弾と同時に瞬時に光硬化がおこり、インクの浸透、拡がりを究極に抑え込むことが可能となる。
これにより、高画質で密着性の良い記録状態をいつでも高速に再現性良く行うインクジェット記録方法およびこの方法を用いた記録装置を提供することができる。
以下図面を参照し、本発明を更に詳細に説明する。
図1および図2は、本発明のインクジェット記録方法および記録装置の一例を各々模式的に示した断面図である。
図1、被記録材料15上の所望の記録部分を少なくとも含む領域に、ヘッドユニット11と一体化された第一の光照射装置13にて先行して光照射を行い、光照射部分16を形成する。
次いで、この光照射によって被記録材料15表面が均一に清浄化処理された領域の所望の部分に、光照射中にヘッドユニット11と一体化されたインクジェット吐出ヘッド12より光硬化インクを吐出させ、飛翔状態(吐出後、飛翔中の光硬化インク14)を経て被記録材料15上に着弾させる。
光硬化インクは、光照射中に着弾している為、所定の露光量を受けて硬化反応が進み、光硬化記録部17が形成される。
また、第一の光照射のみでは、十分な光硬化を行うことができない場合には、図2に示す様に被記録材料26上への着弾に引続いて、第二の光照射装置24による光照射部分28にて、より十分な光硬化処理を行うことによって、信頼性の高い光硬化記録部29を形成する事ができる。
本発明における第一の光照射装置は、例えば1cmφ以内の微小領域を均一に照射できる紫外光が被記録材料の表面処理とUV硬化樹脂の硬化の観点で好ましい。
紫外線照射ランプには、発光スペクトルが184nmから450nmの範囲である低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、希土類元素を用いたランプ、キセノンフラッシュランプ、デイープUVランプなどがあるが、用途と用いる光硬化インクとのマッチングの観点から適宜選択する。
光の照射波長としては、あまり短波長域の紫外光になると、かえって基材に対しダメージを与えることが考えられる為、一般的には、i線(λ=365nm)付近が好適である。
また光の照射強度としては、10〜50mW/cm2程度のものが好ましい。
被記録材料の表面性を清浄化するには、およそ10〜500mj/cm2、好ましくは20〜300mj/cm2程度の照射エネルギーを与えるのが好適である。
そして光照射装置は、インクジェットヘッドに対して、光が漏れ、照射したりしないような構造をとりながら、ランプ部から例えば光ファイバー等によって光照射近傍まで導く形で使用される。
さらに第一の光照射装置は、インクジェット吐出領域に先行して光照射できるように調整され、スキャニングユニットに取り付けられる。
本発明における第二の光照射装置は、光硬化インクの十分な硬化反応を補う必要がある場合に用いられるものであり、インクジェット着弾領域をカバーする光照射を行えるよう調整され、スキャニングユニットに取り付けられる。
基本的には、紫外光を用いた第一の光照射装置と同一種のものを使用する事ができるが、必要に応じて、光照射の面積、波長や照度の異なるものを用いても良い。
本発明に用いられる被記録材料としては、用途に応じてインク吸収性基材、あるいはインク非吸収性基材が用いられる。
インク吸収性基材としては、通常の紙、コート紙、アート紙等や、布、さらにインク非吸収性基材上に種々の受容層を形成したものを用いることができる。
また、インク非吸収性基材としては、オーバーコート層をもつ各種用紙やフィルム、合成紙、あるいはポリエチレン、透明性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの合成フィルムを用いることができる。
特に合成フィルムを用いる場合には、基材の表面をマット処理、コロナ処理などの表面処理を施したものも使用する事も可能である。
さらに、用途によってはガラス、金属、セラミック、プラスチック、木材等の基板も基材として使用する事ができる。
本発明に用いられる光硬化インクは、色材や機能性材料、UV硬化樹脂、添加剤、溶剤等からなり、インクジェット吐出方法により最適な配合に調整されたものを使用する。
色材としては、一般にインクジェット用インクに用いられる種々の色材を用いることができ、例えば、顔料、アニオン性染料、そしてカチオン性染料等が挙げられる。
染料は顔料と比較すると一般的に耐光性は劣るが、光硬化に用いる波長と強度を適宜選択することによって、その退色を最小限に抑え、実質的に適用可能な場合も多い。適用可能な染料は用途によって異なるので、所望の用途に応じて選択することができる。
具体的な顔料としては、例えばイエロー顔料としては、ピグメントイエロー1、2、3、12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー55、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー93、ピグメントイエロー95、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー109、ピグメントイエロー110、ピグメントイエロー114、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー139、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー180などを、
マゼンタ顔料としては、ピグメントレッド5、ピグメントレッド7、ピグメントレッド12、ピグメントレッド48(Ca)、ピグメントレッド48(Mn)、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド57(Sr)、ピグメントレッド57:2、ピグメントレッド122、ピグメントレッド123、ピグメントレッド168、ピグメントレッド184、ピグメントレッド202などを、
シアン顔料としては、ピグメントブルー1、ピグメントブルー2、ピグメントブルー3、ピグメントブルー16、ピグメントブルー22、ピグメントプルー60、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:3、バットブルー4、バットブルー60などを、
ブラック顔料としては、所望の表面特性に処理されたカーボンブラック、チタンブラックなどを挙げることができる。
また、具体的なアニオン性染料としては、例えばイエロー染料としては、アシッドイエロー11、アシッドイエロー17、アシッドイエロー23、アシッドイエロー25、アシッドイエロー29、アシッドイエロー42、アシッドイエロー49、アシッドイエロー61、アシッドイエロー71、ダイレクトイエロー12、ダイレクトイエロー24、ダイレクトイエロー26、ダイレクトイエロー44、ダイレクトイエロー86、ダイレクトイエロー87、ダイレクトイエロー98、ダイレクトイエロー100、ダイレクトイエロー130、ダイレクトイエロー132、ダイレクトイエロー142などを、
マゼンタ・レッド染料としては、アシッドレッド1、アシッドレッド6、アシッドレッド8、アシッドレッド32、アシッドレッド35、アシッドレッド37、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド80、アシッドレッド85、アシッドレッド87、アシッドレッド92、アシッドレッド94、アシッドレッド115、アシッドレッド180、アシッドレッド254、アシッドレッド256、アシッドレッド289、アシッドレッド315、アシッドレッド317、ダイレクトレッド1、ダイレクトレッド4、ダイレクトレッド13、ダイレクトレッド17、ダイレクトレッド23、ダイレクトレッド28、ダイレクトレッド31、ダイレクトレッド62、ダイレクトレッド79、ダイレクトレッド81、ダイレクトレッド83、ダイレクトレッド89、ダイレクトレッド227、ダイレクトレッド240、ダイレクトレッド242、ダイレクトレッド243などを、
シアン染料としては、アシッドブルー9、アシッドブルー22、アシッドブルー40、アシッドブルー59、アシッドブルー93、アシッドブルー102、アシッドブルー104、アシッドブルー113、アシッドブルー117、アシッドブルー120、アシッドブルー167、アシッドブルー229、アシッドブルー234、アシッドブルー254、ダイレクトブルー6、ダイレクトブルー22、ダイレクトブルー25、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー78、ダイレクトブルー86、ダイレクトブルー90、ダイレクトブルー106、ダイレクトブルー199などを
ブラック染料としては、例えばCr,Cu,Mn,Al,Zn,Fe等の多価金属が配位したモノアゾ錯体、ジスアゾ錯体や、非錯体系アゾブラック染料として、C.I.Direct Black 17、C.I.Direct Black 19、C.I.Direct Black 51、C.I.Direct Black 154、C.I.Direct Black 174、C.I.Direct Black 195等を挙げることができる。
また、具体的なカチオン性染料としては、例えばC.I.ベーシックイエロー(Basic Yellow)1、C.I.Basic Yellow 11、C.I.Basic Yellow 13、C.I.Basic Yellow 19、C.I.Basic Yellow 21、C.I.Basic Yellow 25、C.I.ベーシックイエロー(Basic Yellow)33、C.I.Basic Yellow 36、C.I.Basic Red 1、C.I.Basic Red 2、C.I.Basic Red 9、C.I.Basic Red 12、C.I.Basic Red 13、C.I.Basic Red 38、C.I.Basic Red 39、C.I.Basic Red 92、C.I.Basic Blue 1、C.I.Basic Blue 3、C.I.Basic Blue 5、C.I.Basic Blue 9、C.I.Basic Blue 19、C.I.Basic Blue 24、C.I.Basic Blue 25、C.I.Basic Blue 26、C.I.Basic Blue 28、C.I.Basic Blue 45、C.I.Basic Blue 54およびC.I.Basic Blue 65などを挙げることができる。
なお本発明は、これら既存の色材に限定されるものではなく、種々の組合せや新規に開発された化合物の中でも色相、耐光性、溶解性を満足するものであれば、大きな困難無く適用可能である。
また色特性の機能以外の例えば電気的機能や化学的機能をインクジェットで形成する場合には、機能性材料として所望とする機能を有した化学物質を用いることができる。
本発明に用いられるUV硬化樹脂は、所望の記録状態を形成するために必要な諸特性を有する公知のアクリル系光硬化成分から最適な配合に調整されたものを使用する。
具体的なアクリル系光硬化成分としては、光重合性モノマーとしてアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸やそのエステル、アクリルアミド、メタクリルアミドやその誘導体、さらにアリル化合物などを、さらに光重合性オリゴマーとして種々のエポキシ樹脂のアクリル酸エステルを挙げることができる。
これらは、単独で用いても良いが、必要な特性に合わせて2種以上組み合わせて用いても良い。
また特にインクジェットで吐出させる観点からは、用いるアクリル系光硬化成分が親水性を有しているものから選ばれると好適である。
具体的な親水性を有するアクリル系光硬化性成分としては、常温状態で水への溶解度が高く、かつ保存安定性の優れたものであって、公知の親水性を有するアクリル系光重合性モノマーや親水性を有するアクリル系光重合性オリゴマーから任意に選んで用いることができる。
アクリル系光重合性モノマーとしては、例えばエチレングリコール単位を分子内にもつポリエチレングリコール(nは3以上、14以下)ジアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは3以上、14以下)トリアクリレート、フェノールEO変性(nは3以上、14以下)変性アクリレートや、水酸基を分子内にもつ2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレートなどを挙げることができる。
これらは、単独で用いても良いが、必要な特性に合わせて2種以上組み合わせて用いても良い。
本発明に用いられる光重合開始剤は従来公知のもので良く、具体的には、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド−ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独で用いても良いが、必要な特性に合わせて2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の光硬化性インクには、さらに、所望に応じて通常使用されている添加成分、例えば、反応性希釈剤、密着性付与剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、消泡剤、各種安定剤、着色剤、滑剤、増感剤などを含有させても良い。
本発明の光硬化性インクに使用する溶剤としては、通常使用されている種々の有機溶剤を用いることができるが、インクジェットとの適性に優れた水と水溶性有機溶媒との混合溶剤を用いることが好ましい。
この水性有機溶媒としては、例えば、グリコール系溶剤、グリセリン、ジオールおよびトリオール系溶剤、ジメチルスルホキシド、ダイアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、チオジグリコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコールエーテル系溶剤、トリエチレングリコールエーテル系溶剤、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、β―ジヒドロキエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、ペンタエリスリトール、1,4―シクロヘキサンジオール等を挙げることができる。
本発明に用いられる光硬化インクは、以上の様な色材や機能性材料、UV硬化樹脂、添加剤、溶剤等を用い、インクジェット吐出方法に合わせた最適な配合に調整し、使用する。
好ましい配合としては、インク100重量部に対して、色材は0.5〜10.0重量%の範囲から、UV硬化樹脂の配合としては1〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部の範囲で、さらに光重合開始剤は0.3〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の範囲で、そして水溶性溶剤は5〜40重量%の範囲からそれぞれ任意に選択することができる。
光硬化インクはインクジェットヘッドから正確に吐出可能な特性を有するとともに、記録媒体に着弾したときに、インクが記録媒体上で適度なサイズのドット形状を維持する様に特性を調整する必要がある。
この観点から光硬化インクの特性としては、例えば粘度を1〜15cpsの範囲で、表面張力が25dyn/cm以上、より好ましくは、粘度を1〜5cpsの範囲で、表面張力が25〜50dyn/cmとすることが好適である。
本発明における光硬化性インクを吐出するインクジェットヘッドとしては、特に限定されるものではなく、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェット(登録商標)タイプ、あるいは圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能である。
(実施例1)
まず以下に示した配合の各色光硬化性インクを調整した。
[光硬化性イエローインク]
(1)PY−128 微分散体 : 5重量部
顔料:分散剤(スチレン/アクリル酸/アクリル酸エチル共重合体)=10:3.5(重量比率)
(2)ノニオン性光重合オリゴマー : 12重量部
(3)光重合開始剤 : 1重量部
(4)ポリエチレングリコール : 10重量部
(5)チオジグリコール : 5重量部
(6)水 : 67重量部
[光硬化性マゼンタインク]
(1)PR−122 微分散体 : 4重量部
顔料:分散剤(スチレン/アクリル酸/アクリル酸エチル共重合体)=10:2(重量比率)
(2)ノニオン性光重合オリゴマー : 10重量部
(3)光重合開始剤 : 2重量部
(4)チオジグリコール : 7重量部
(6)水 : 77重量部
[光硬化性シアンインク]
(1)PB−15:3 微分散体 : 5重量部
顔料:分散剤(スチレン/アクリル酸/アクリル酸エチル共重合体)=10:3(重量比率)
(2)ノニオン性光重合オリゴマー : 12.5重量部
(3)光重合開始剤 : 1.5重量部
(4)ポリエチレングリコール : 5重量部
(5)チオジグリコール : 5重量部
(6)水 : 71重量部
[光硬化性ブラックインク]
(1)カーボンブラック 微分散体 : 6重量部
顔料:分散剤(アクリロニトリル/トリメチルアミノ−2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート/アクリルアミド共重合体)=10:2.5(重量比率)
(2)カチオン性光重合オリゴマー : 15重量部
(3)光重合開始剤 : 1重量部
(4)グリセリン : 10重量部
(5)エチレングリコール : 5重量部
(6)水 : 63重量部
次にバブルジェット(登録商標)プリンターPIXUS850i(キャノン社製)に紫外線照射装置を組み込んだ装置を用いて、電子写真コピー用普通紙(キャノン社製)上に各色光硬化性インクを用いた画像形成を行った。
この際、紫外線照射装置は、インクの着弾位置に常に先行して光照射されるように調整し、駆動させた。
また紫外線照射装置には、低圧水銀ランプUL1―5DQ(ウシオ電気社製)を用い、本体をプリンターの外部に配置させ、光ファイバーで導光し、プリンター内のヘッドユニットに調整取り付けた。
紫外線照射を受けている時間は約7秒間であった。
さらにこの画像形成を繰り返して行った。
高速で記録した画像を詳細に評価したところ、インクジェットのドット再現が優れ、くっきりした高画質の記録を得ることができた上、さらに何枚にもわたって再現性のある記録が確認された。
また、記録画像の耐擦過性、耐水性、耐マーカー性等の表面物性は非常に優れたものであり、かつこの状態は何枚にもわたって達成されていた。
(実施例2)
前記光硬化インクの着弾後に、ヘッドユニットに調整し取り付けられた第二の光照射装置によってさらに光硬化を促進させ、画像記録を行った以外は実施例1と同様に画像形成を繰り返し行った。
実施例1と同様に高速で記録した画像を詳細に評価したところ、インクジェットのドット再現が優れ、くっきりした高画質の記録を得ることができた上、さらに何枚にもわたって再現性のある記録が確認された。
また、記録画像の耐擦過性、耐水性、耐マーカー性等の表面物性はより一層優れたものであり、かつこの状態は何枚にもわたって安定的に達成されていた。
(実施例3)
前記画像形成を行う被記録材料を電子写真コピー用普通紙(キャノン社製)の代わりにコート紙(キヤノン社製)を用いた以外は実施例1と同様に画像形成を繰り返し行った。
実施例1と同様に高速で記録した画像を詳細に評価したところ、インクジェットのドット再現が優れ、くっきりした高画質の記録を得ることができた上、さらに何枚にもわたって再現性のある記録が確認された。
また、記録画像の耐擦過性、耐水性、耐マーカー性等の表面物性は非常に優れたものであり、かつこの状態は何枚にもわたって安定的に達成されていた。
(実施例4)
前記画像形成を行う被記録材料を電子写真コピー用普通紙(キャノン社製)の代わりにインク非吸収基材のPETフィルムを用いた以外は実施例1と同様に画像形成を繰り返し行った。
実施例1と同様に高速で記録した画像を詳細に評価したところ、インクジェットのドット再現が優れ、くっきりした高画質の記録を得ることができた上、さらに何枚にもわたって再現性のある記録が確認された。
また、記録画像の耐擦過性、耐水性、耐マーカー性等の表面物性は特に優れたものであり、かつこの状態は何枚にもわたって安定的に達成されていた。
(比較例1)
前記紫外線照射をインク着弾後のみに行った以外は実施例1と同様に画像形成を繰り返し行った。
実施例1と同様に高速で記録した画像を詳細に評価したところ、記録画像の耐擦過性、耐水性、耐マーカー性等の表面物性はほどほど良好なものであったが、インクジェットのドット再現は被記録材料への浸透、拡がりが見られ、画質上劣るものであった。
さらに何枚も詳細に評価したところ、これらの諸特性にバラツキが生じていた。
(比較例2)
前記紫外線照射を全く行わなかった以外は実施例1と同様に画像形成を繰り返し行った。
実施例1と同様に高速で記録した画像を詳細に評価したところ、記録画像の耐擦過性、耐水性、耐マーカー性等の表面物性は劣るものであり、かつインクジェットのドット再現は被記録材料への浸透、拡がりが大きく見られ、さらに画質上劣るものであった。
また何枚も詳細に評価したところ、これらの諸特性に大きなバラツキが生じていた。
(比較例3)
通常の顔料インクを用いた一般的なインクジェット記録を繰り返し行った。
インク吸収性基材にあたる普通紙への画像形成では、被記録材料への浸透、拡がり現象が大きく、画質上劣るものであった。
また、記録画像の耐擦過性、耐水性、耐マーカー性等の表面物性も劣るものであった。
さらに何枚も詳細に評価したところ、これらの諸特性に大きなバラツキも生じていた。
一方、インク非吸収性基材にあたるPET上への画像形成では、インクのはじき現象が発生し、安定した画像形成はできなかった。
従って、耐擦過性、耐水性、耐マーカー性等の表面物性は非常に劣ると共に、大きなバラツキをもったものであった。
本発明のインクジェット記録方法および記録装置の一例を模式的に示す断面図 本発明の第二のインクジェット記録方法および記録装置の一例を模式的に示す断面図
符号の説明
11,21 ヘッドユニット
12,22 インクジェット吐出ヘッド
13,23 第一の光照射装置
14,25 吐出後、飛翔中の光硬化インク
15,26 被記録材料
16,27 第一の光照射装置による光照射部分
17,29 光硬化記録部
24 第二の光照射装置
28 第二の光照射装置による光照射部分

Claims (7)

  1. 被記録材上の少なくともインク着弾位置を含む領域に、予め光照射を行いながら該照射部に光硬化性インクを付与し、記録層を形成する事を特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記光硬化性インクを付与した後、別の手段にて光照射を行い記録層を形成する事を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記照射する光が紫外線である事を特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記被記録材がインク非吸収性基材である事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記被記録材がインク吸収性基材である事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法を行うインクジェット記録装置であって、被記録材上の少なくともインク着弾位置を含む領域に予め光照射を行う手段と、該光照射部に光硬化性インクを付与する手段とを少なくとも含んだ事を特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法を行うインクジェット記録装置であって、被記録材上の少なくともインク着弾位置を含む領域に予め光照射を行う手段と、該光照射部に光硬化性インクを付与する手段と、光硬化性インクを硬化させる為の別の光照射手段とを少なくとも含んだ事を特徴とするインクジェット記録装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010100011A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Seiko Epson Corp インクジェット印刷装置
JP2011167968A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 活性エネルギー線硬化型インキ組成物および画像形成方法
JP5597331B2 (ja) * 2010-01-20 2014-10-01 株式会社ミマキエンジニアリング パターン形成装置

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