JP2005135717A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Masayuki Isogai
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Abstract

【課題】 アルミニウムや非磁性金属の鍋を使える誘導加熱部がどちらか一方に固定され使い勝手が悪くなってしまうのを改良し、複数のインバータ手段を用いて非磁性金属を加熱できる誘導加熱調理器を提供する。
【解決手段】 交流電源1を整流してなる第1の直流電源14と、整流後に安定化するとともに電圧可変とする第2の直流電源15と、加熱コイルと共振コンデンサとスイッチング素子で構成される複数のインバータ手段5および6を有し、前記複数のインバータ手段5および6は切替手段10から13により前記第1および第2の直流電源14、15のいずれかに接続可能にし、前記第2の直流電源15には最大でインバータ手段5および6のいずれかのみが接続できる制限を設ける。
【選択図】 図1


Description

本発明は、加熱コイルを用いて金属負荷(鍋)を加熱する誘導加熱調理器の電力制御方法に関するものである。
誘導加熱調理器は、高周波電流を流す加熱コイルの近傍に配置した金属負荷(鍋)に渦電流を発生させ、そのジュール熱によって負荷自体が自己発熱することにより効率よく金属負荷を加熱するものである。
近年、ガスコンロや電熱ヒータによる調理器具に対して、安全性や温度制御性に優れた点が評価され、この誘導加熱調理器への置き換えが進んでいる。
この誘導加熱調理器に高周波電流を流すための電源は、いわゆる共振型インバータと呼ばれ、金属負荷を含めた加熱コイルのインダクタンスと共振コンデンサを接続し、スイッチング素子を20〜40kHz程度の周波数でオンオフする構成が一般的である。また、共振型インバータには電圧共振型と電流共振型があり、前者は100V電源、後者は200V電源用として適用されることが多い。
この誘導加熱調理器は、当初は鉄などの磁性金属のみが加熱できるだけであったが、近年は非磁性ステンレスなども加熱できるような構成のものも提案されている。さらに、加熱できないとされてきたアルミニウム負荷を加熱できるような構成のものも実用化されている。
具体的には、特許文献1に示すように、加熱コイルの巻き数を増やして等価抵抗を高くすることによって加熱効率を上げたり、動作周波数を高くして表皮抵抗を増加させて加熱しやすくしたりするものである。
また、特許文献2に示すように、インバータに供給する電圧を変化させることで投入する電力を制御する方法も提案されている。
さらに、非磁性ステンレスやアルミニウムを加熱することができるインバータ部の筐体実装方法については、特許文献3に示すように、冷却ファンに近い部分に加熱コイルを実装する方法が提案されている。
特開昭61−164910号
特開平11−260542号 特開2003−17232号
しかしながら、上記従来技術においては下記の課題が存在する。
つまり、アルミニウムや非磁性金属の負荷(鍋)で実用上十分な加熱力を得るために、インバータ部に供給する直流電源部の出力を安定化させる必要があり、そのために構成部品が多くなったり、各素子の損失を冷却するための部材が大型化し、実装容積が増大するという課題がある。
一般に、筐体内に配置される加熱コイルは左右に1口づつの構成となるが、上記の課題により、筐体内に加熱コイルを実装するにあたっては片側のみがアルミニウムや非磁性金属製負荷に対応できるようにすることが限度であった。つまり、2口のうち1口は従来の磁性金属製の負荷のみに対応した加熱コイルになってしまう。
このため、アルミニウムや非磁性金属の鍋を使える誘導加熱部がどちらか一方に固定されてしまい、使い勝手が悪くなってしまう場合があった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1では、交流電源を整流してなる第1の直流電源と、整流後に安定化するとともに電圧可変とする第2の直流電源と、加熱コイルと共振コンデンサとスイッチング素子で構成される複数のインバータ手段を有し、前記複数のインバータ手段は、切替手段により前記第1および第2の直流電源のいずれかに接続可能にしたものである。
また、請求項2では、筐体内に複数のインバータ手段を有し、前記第2の直流電源には最大で一つのインバータ手段のみが接続できる制限を設けるものである。
さらに、請求項3では、前記複数のインバータ手段は、加熱負荷材質の許容範囲をほぼ同一に設定可能な能力を持つようにしたものである。
本発明の請求項1によれば、直流非安定化電源と直流安定化電源をそれぞれ最小の数だけ筐体内に納めるだけでよく、必要スペースの極小化を図ることができる。
また、請求項2によれば、直流安定化電源を最小1つのみで可能となり、必要スペースの極小化およびコストの低減を図ることができる。
さらに、請求項3によれば、1つの筐体においてインバータ手段の性能に差をつけることなく使用者が必要とする性能、たとえば、非磁性ステンレスやアルミニウムを加熱できる性能を複数のインバータ手段で実現可能となり、使い勝手が大幅に向上する。
図1は本発明の第1の実施例を示すブロック図である。
図1において、交流電源1に整流手段2および整流手段3が接続されている。
整流手段2は第1の直流電源14を構成するもので、この第1の直流電源14は整流手段2の出力を安定化せず、フィルタ等(図示せず)のみを通して出力する。そして、この第1の直流電源14の正負電圧出力は、切替手段10のそれぞれの共通端子に接続されている。
第2の直流電源15は、整流手段3の出力に電圧可変型直流電源手段4を接続して構成されたものであり、その正負出力は切替手段12のそれぞれの共通端子に接続されている。
インバータ手段5および6は、加熱コイル、共振コンデンサ、スイッチング素子等で構成される共振型インバータ回路であり、それぞれ第1の直流電源14および第2の直流電源15を接続可能とし、内部で高周波交流電流に変換するものである。インバータ手段5および6の正負電圧入力端子はそれぞれ切替手段11、13の共通端子に接続されている。
制御手段7はインバータ手段5および6の通電電力制御を行うものである。すなわち、インバータ手段5の負荷状態を検出する第1の負荷状態検出手段8と、インバータ手段6の負荷状態を検出する第2の負荷状態検出手段9からそれぞれの通電電力状態や負荷状態を判別し、切替手段10から13の設定状態およびインバータ手段5および6の制御パラメータ(動作周波数やパルスデューティなど)を設定するものである。また、第2の直流電源15をインバータ手段5および6のいずれかに接続している場合は、制御手段7の設定により第2の直流電源15の出力電圧を変化させる。
なお、切替手段10から13は、その状態の設定によって、
(a)第1の直流電源14の出力と第1のインバータ手段5または第2のインバータ手段6
(b)第2の直流電源15の出力と第1のインバータ手段5または第2のインバータ手段6
のそれぞれの組み合わせで接続が可能な構成としている。
図2は図1の構成において、第1および第2の直流電源14、15とインバータ手段5および6の接続状態を示したものである。
なお、第1の直流電源14および第2の直流電源15をそれぞれPS1、PS2と表し、インバータ手段5および6はINV1、INV2と表して簡略化している。
接続状態は下記の4通りとなる。
(A)PS1→INV1とINV2
(B)PS1→INV1
PS2→INV2
(C)PS1→INV2
PS2→INV1
(D)PS2→INV1とINV2
インバータ手段5および6の電力制御方式は、多数の方式が実用化されているが、基本的には下記の3種類に分類される。
1)電源電圧固定デューティ固定周波数制御(周波数制御)
2)電源電圧固定周波数固定デューティ制御(デューティ制御)
3)周波数固定デューティ固定電源電圧制御(電圧制御)
通常、商用電源を整流した直流電源手段をそのまま用いる場合は、電源電圧が商用電源電圧で決まるため、上記1または2の方法が用いられる。電源電圧を変化させることができる直流電源手段を用いることができる場合は3の方式が採られる。従って、インバータ手段側では、それぞれの電源方式に合わせて電力制御方式を用いなければならない。
図3は、上記の点を考慮した場合の、第1、第2の直流電源手段14、15とインバータ手段5および6の組み合わせ制御方式である。
図中、A〜Dは図2における接続状態、1〜3は上記の電力制御方式に対応した制御で、制御可能な方式は「○」、制御不可能な方式は「×」としている。
接続状態Aでは、INV1とINV2は、それぞれ周波数制御かデューティ制御が可能である。同様に、
接続状態Bでは、INV1は周波数制御かデューティ制御、INV2はすべての方式。
接続状態Cでは、接続状態Bの逆となる。
ただし、接続状態Dにおいては、INV1とINV2は同時に電圧制御方式を採ることができないことは明らかであり、少なくとも、どちらかのインバータ手段が必要とする直流電源電圧を設定しておき、一方または両方を周波数制御かデューティ制御で電力を制御しなければならない。つまり、INV1とINV2のどちらかが必要とする電源電圧を優先して設定しなければならないため、制御が複雑となる。
従って、本発明においては、第2の直流電源15へは最大でインバータ手段5および6のうちいずれか一つのみが接続できる制限を設けることにより、上記の接続状態Dを採らない構成とすることができ、制御が単純化される。
図4は第2の実施例を示す要部ブロック図である。
この図4は、図1の構成に対して、整流手段2を共用するとともに、各インバータ手段5、6の負電源側を共通ラインとして使用するものである。これにより、切替手段10〜13において負電源側の接続切り替えが省略できるので、切替手段10から13の素子数が半減する。
図4においても、回路構成は図1と機能的に同等であるため、動作説明は省略する。
なお、上記説明で明らかなように、インバータ手段5および6は同一機能でも可能である。従って、例えば非磁性ステンレスやアルミニウムを加熱可能なインバータ手段を複数内蔵し、直流電源を切り替えることによっていずれかを優先的に上記負荷対応とすることができる。つまり、従来は1つの筐体では1カ所のインバータ手段のみが上記負荷対応だったものが、本発明の構成を採用することによって、複数のインバータ手段で加熱可能となる。
また、このインバータ手段は、図1および図2に示すように2個に限定されるものではなく、複数個、すなわち、3個以上設けて第1および第2の直流手段14、15に接続することもできる。
図5はその実施例を示すもので、16および17は追加されたインバータ手段であり、この場合の接続状態は、
PS1→INV1とINV2とINVn
PS2→INV3
となる。この場合、PS2、すなわち、第2の直流電源15に接続できるインバータ手段は最大一つで、インバータ手段16とし、その他のインバータ手段17はPS1、すなわち、第1の直流電源14に接続する。この場合でも各インバータ手段16、17は切替手段(図示せず)を設けて接続される。
本発明における第1の実施例のブロック図である。 第1の実施例における直流電源とインバータ手段の組み合わせを示す図である。 図2におけるインバータ手段の制御方式の組み合わせを示す図である。 本発明における第2の実施例のブロック図である。 本発明のさらに他の実施例における直流電源とインバータ手段の組み合わせを示す図である
符号の説明
2 整流手段
3 整流手段
4 電圧可変型直流電源手段
5 インバータ手段
6 インバータ手段
7 制御手段
8 負荷状態検出手段
9 負荷状態検出手段
11 切替手段
13 切替手段
14 第1の直流電源
15 第2の直流電源
16 インバータ手段
17 インバータ手段


Claims (3)

  1. 交流電源を整流してなる第1の直流電源と、整流後に安定化するとともに電圧可変とする第2の直流電源と、加熱コイルと共振コンデンサとスイッチング素子で構成される複数のインバータ手段を有し、前記複数のインバータ手段は、切替手段により前記第1および第2の直流電源のいずれかに接続可能にしたことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 筐体内に複数のインバータ手段を有し、前記第2の直流電源には最大で一つのインバータ手段のみが接続できる制限を設けることとする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記複数のインバータ手段は、加熱負荷材質の許容範囲をほぼ同一に設定可能であることを特徴とする請求項1および2記載の誘導加熱調理器。




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