JP2005135683A - リフレクタ及びリフレクタを備えた光源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のリフレクタは、略お椀型形状であって、ランプから放射された光を反射する反射面と、ランプを配置するための首部と、前方側及び後方側に形成された開口部とからなり、前記リフレクタの内面のうち、前記反射面の後方側端部からリフレクタの後方側に向けて2.5mm以上離れた領域に環状の突起部が形成されたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
従来、超高圧水銀ランプ用のリフレクタは、鏡面形状を精密に加工することができ、かつ、コスト面でも有利なホウケイ酸ガラスを材質とし、金型によるプレス成型によって製作されていた(例えば、特許文献1参照)。以下、図7を用いて、従来の超高圧水銀ランプ用のリフレクタの製造方法について説明する。
<第一の工程>
図7(a)に示すように、雌金型1は、成型するリフレクタの形状に適合した凹部を有するものであって、凹部の底にはリフレクタの首部を形成する首部用穴3を有する。この雌金型1の中に溶融したガラス4を入れて、上方から雄金型2で圧力をかけて押し込む。この雄金型2は、雌金型1の凹部よりも若干小さくなっており、押し込んだ時に生じる隙間においてリフレクタの型6´が形成される。雄金型2の押し下げは、ほとんど瞬間的に行われ、その後、雄金型2を上昇させる。尚、図7(a)では、便宜上、雄金型2が押し下げた状態となっている。この状態で自然冷却または強制冷却によってリフレクタの型6´を冷却させる。そして、このリフレクタの型6´は、ある程度固まった状態において、リング状金型19によって雌金型1から取り外される。
<第二の工程>
第一の工程で成型したリフレクタの型6´は、所定の温度にて一定に保たれた電気炉内に配置され、一定の降温速度にてアニール処理を施すことにより、室温程度まで除冷される。その後、図7(b)に示すように、リフレクタの型6´に設けられた、打ち抜き箇所5に対して、ドリル等の工具によって切削加工を施すことでランプ挿入用の後方側開口部12が形成される。この際に、打抜き箇所5
を打抜くことにより、環状の突起部50が形成される。
リフレクタは、高温状態になるとクラックが発生し、このようなクラックが進行すると場合によっては分離してしまい、ランプからの光を一定方向に反射するという基本的な性能が損なわれるという問題がある。
一般的にガラスの耐熱性は、概ね、成型後の表面状態に影響を受けると考えられるため、リフレクタ表面に微視的な傷が存在しているだけでも、その傷を起点としてクラック発生の原因となり得る。従って、突起部50の表面に対して、バーナーによる溶融処理(ファイアーポリッシング)を施し、凹凸を消滅させることによって、リフレクタが高温状態になってもクラックが生じることを防止できると考えられる。
このリフレクタにランプを組み込んだ場合には、リフレクタの後方側開口部に形成された突起部の近傍で冷却風の流れが渦を巻き、ランプの封止部をムラなく均一に冷却することが可能となるので、冷却風によるランプの冷却を効率良く行うことができる。
図1(a)に示すように、雌金型1は、成型するリフレクタの形状に適合した凹部を有するものであって、凹部の底にはリフレクタの首部を形成する首部用穴3を有する。この雌金型1の中に溶融したホウケイ酸ガラス4を入れて、上方から雄金型2で圧力をかけて押し込む。この雄金型2は、雌金型1の凹部よりも若干小さくなっており、押し込んだ時に生じる隙間においてリフレクタの型6´が形成される。雄金型2の押し下げは、ほとんど瞬間的に行われ、その後、雄金型2を上昇させる。そして、このリフレクタの型6´は、雄金型2を上昇させた後に速やかにリング状金型19によって雌金型1から取り外される。
図1(b)に示すように、第一の工程で成型されたリフレクタの型6´に形成された、後の工程で後方側開口部を形成するための打抜き箇所5に押圧部材7を当接させた後、この押圧部材7を下方(図中の矢印方向)に押し下げることにより、後方開口部12(図1(b)では不図示)が形成される。第二の工程の作業は、第一の工程でリフレクタの型6´を成型後、リフレクタの型6´の温度が下がる前に速やかに行う。これにより、リフレクタの型6´の内面には環状の突起部50が形成される。
図1(c)に示すように、突起部50に対してバーナー8により、例えば、
1秒間のファイアーポリッシングを施す。このような処理を行うのは、以下の理由による。第二の工程において、後方側開口部12を形成した直後における突起部50の表面は、多数の凹凸が存在しており微視的に粗い状態である。そして、この状態のままでランプを組み込んで点灯させると、リフレクタには高温状態になった際に、突起部50を起点としてクラックが発生する。従って、このようなクラックの発生を防止するためには、突起部50の表面を微視的に滑らかな状態とする必要があるからである。また、リフレクタの型6´に対して、温度が下がった状態でファイアーポリッシングを行うと、局所的な加熱によるクラックが生じるので、ファイアーポリッシングは、第二の工程終了後速やかに行う必要がある。
第三の工程終了後、リフレクタの型6´は、所定の温度に保たれた電気炉内に配置され一定の割合で電気炉の温度を下げることにより除冷される。このような除冷を行うのは、リフレクタを室温下に放置すると急速に冷却されることによりクラックを生じるからである。
このような第一の工程から第四の工程までの作業によって製作されたものをリフレクタという。
リフレクタ6は、その表面に形成された反射面9と、ランプを配置するための首部10と、前方側開口部11及びランプを挿入するための後方側開口部12とから構成されている。尚、反射面9の表面には必要に応じて、例えば、SiO2とTiO2とからなる可視光を反射するための多層膜を形成することも可能である。リフレクタ6の内面のうち、非反射面13には、前述の第二の工程において、打抜き箇所5を押圧部材7で打抜く際に形成された突起部50が形成されている。
尚、前方側とは矢印100方向を、後方側とは矢印200方向を示す。また、リフレクタ6の内面のうち、反射面9とは、反射面9の後方側端部14よりも前方側の領域をいい、非反射面13とは、反射面9の後方側端部14よりも後方側の領域をいう。さらに、首部10とは、リフレクタ6の根元部60よりも後方部分をいい、後方側開口部12とは、反射面9における後方側端部14よりも後方に延在する開口部分全てをいう。
リフレクタ6は、万が一ランプが破裂した場合に破片が飛散することを防止するための光透過性の前面ガラス15が前方側開口部11に嵌め込まれるとともに、首部10においてリフレクタベース16が接着剤17により固定されている。そして、発光部31とその両端に連続して形成された封止部32とからなる、発光部31内に0.15mg/mm3以上の水銀が封入された超高圧水銀ランプ30(以下、単にランプ30とも称す)が、その一方の封止部32に装着された口金33とリフレクタべース16との間に接着剤18を充填して固定されている。光源装置20とは、リフレクタ6にリフレクタベース16が接着されるとともに、ランプ30が組み込まれた構成のものをいう。
請求項1に係る発明のリフレクタによると、反射面9の後方側端部から後方側に向けて2.5mm以上離れた領域に環状の突起部50が形成されている。言い換えると、非反射面13に形成された突起部50と反射面9の後方側端部14との距離Lが2.5mm以上と規定されている。この距離が2.5mm未満であると、製造段階において突起部50表面をクラック消滅のためにファイアーポリッシュした際に、反射面9を歪ませてしまいランプ30から放射される光を所望の方向に反射させることができないという問題が生じる可能性がある。このような事態を回避する方法として、バーナーの炎を弱く調節することにより炎が反射面に当たらないようにすることが考えられるが、これによると、突起部50の表面に存在する凹凸を完全に消滅させるのに長時間を要するため好ましくない。
一方、請求項1に係る発明によると、突起部50と反射面9との距離が十分にあるので反射面9に歪みを生じさせることなく、突起部50表面に存在する凹凸を消滅させることができるので、このような問題が生じることがない。この2.5mmの数値の根拠については、反射面9に歪みを生じることがない範囲を実験により突き止めたのである。
尚、突起部50と反射面9における後方側端部14との距離とは、突起部50の前方側端部51から反射面9における後方側端部14までの最短距離のことを意味する。
図5に示す雄金型2の先端部2aの構造は、打抜き箇所5を反射面9における後方側端部14となるべき箇所14´よりも後方側に形成するためのものである。そして、リフレクタの型6´を成型後速やかに上昇させることが可能なように、前方方向100(上昇させる方向)に向けて拡径したテーパー形状を有することが必須条件である。尚、テーパー形状は、誇張して表現してある。
ここで、図3に示す光源装置20に使用するためのリフレクタ6は、ランプ30からの光を最大限に反射するようにランプ30の寸法に対応して、後方側開口部12(反射面9における後方側端部14)の径が決められている。従って、図5において、雄金型2を、その先端部2aが過剰に長い構造とすると、打抜き箇所5の径は必然的に小さくなり、その結果、図1(b)に示す第二の工程において形成するランプを挿入するための後方側開口部12の径が小さくならざるを得ない。
図6に示すように、突起部50の近傍で、図3に矢印で示す冷却風の流れが渦を巻き、ランプ30の封止部32をムラなく均一に冷却することが可能となる。尚、突起部50の厚みは図6にTで表されており、突起部50は誇張して表現してある。さらに、上記の冷却効果を十分に得るためには、突起部50の長さXが0.3mm〜1.0mmであることが好ましい。
前方側開口部の径 :55mm
後方側開口部の径 :11.2mm
突起部が存在する部分における径:9.7mm
肉厚 :4.0mm
リフレクタ全長 :45.6mm
首部全長 :6.5mm
2 雄金型
3 首部用穴
4 ガラス
5 打抜き箇所
6 リフレクタ
7 押圧部材
8 バーナー
9 反射面
10 首部
11 前方側開口部
12 後方側開口部
13 後方側開口部の表面
14 後方側開口端部
15 前面ガラス
16 リフレクタベース
17 接着剤
18 接着剤
20 光源装置
21 冷却風導入口
22 排風口
30 超高圧水銀ランプ
31 発光部
32 封止部
33 口金
50 突起部
L 反射面9の後方側端部14から突起部50までの距離
T 突起部50の厚み
Claims (4)
- 略お椀型形状であって、ランプから放射された光を反射する反射面と、ランプを配置するための首部と、前方側及び後方側に形成された開口部とからなるホウケイ酸ガラス製のリフレクタにおいて、
前記リフレクタの内面のうち、前記反射面の後方側端部からリフレクタの後方側に向けて2.5mm以上離れた領域に環状の突起部が形成されたことを特徴とするリフレクタ。 - 前記突起部が、前記反射面の後方側端部からリフレクタの後方側に向けて5mm以内の領域に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のリフレクタ。
- 前記突起部の肉厚が、1〜2.5mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリフレクタ。
- 請求項1乃至請求項3に記載のリフレクタに超高圧水銀ランプを備えてなることを特徴とする光源装置。
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