以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の第1実施形態の概略全体構成図を図1に示す。図1において、機能制限付きソフトウェア1(試用版ソフトウェア等を含む)は、インターネット上でダウンロード又はコンパクトディスク(CD(MD、DVD等を含む))やフレキシブルディスク(FD)等で入手されたものである。機能制限付きソフトウェア1は、例えばアプリケーションソフト、シェアウェアソフト、ゲームソフト、映像ソフト、音楽ソフト等である。
この機能制限付きソフトウェア1をパソコン10にインストールするとき、実行ファイル7は例えば基本ドライブの所定場所(例えばオペレーティングシステム(以下、OSという)としてマイクロソフト(R)社のWindows(R)95を使用した場合には、Windows(R)ディレクトリ下等)にファイルF1を作成する。
このファイルF1には、図2に示すように、パソコン10のハードウェア情報から得られるパソコン固有の情報、ユーザー名やプロダクトID番号等のOS情報、機能制限付きソフトウェア1のインストール先であるドライブ及びディレクトリ(以下、ディレクトリ情報という)、インストール実行日時分秒等のインストール情報、パソコンのOS等がふりだしに戻されたか否かの情報及び機能制限付きソフトウェア1のアンインストール情報が保存されている。
図2では、各機能制限付きソフトウェア1毎にインストール情報の履歴が取られるようになっている。従って、機能制限付きソフトウェア1のインストールの際、既にファイルF1が存在する場合には、ファイルF1は上書き更新されるのではなく、そのインストール情報の履歴が取られる。また、このようにファイルF1が上書き更新されないことで、後に述べるように機能制限付きソフトウェア1がアンインストール後、再度インストールされる場合等に元のファイルF1のデータが喪失されない。
パソコン10の固有の情報は、例えば富士通(R)製パソコンならばFMVT423B、NEC(R)製パソコンならばPC9821Xa16W30等のパソコン型式等であり、既存のハードウェア情報からソフトウェアで取得可能な情報である。但し、この型式は必ずしもフル型式である必要はなく、PC9821、FMV等の一部情報であってもよい。
即ち、パソコン10の固有の情報は、あくまで本発明のために改めて記録され、用意されるものではなく、既存のハードウェアやシステム情報から読み取り可能な情報であればよい。但し、読み取り可能であってもCPU型式等のように容易に変更可能なものは好ましくない。即ち、部品の交換が前提となっているものは情報として好ましくない。また、モデムの所在地情報や、電子メールの個人情報、電子メールアドレス、cookie、IPアドレス等も利用可能である。但し、これらの情報は、他のパソコン等でも同一のデータとなる可能性もあるため、他のハードウェアやシステム情報と組み合わせて用いるのが望ましい。
また、OS情報は、例えばWindows(R)95インストール時に設定されたユーザー名、プロダクトID番号、OSのインストール実行日時等である。このOSのインストール実行日時を用いる場合には、例えばOSのインストールされた基本ドライブの各ディレクトリの更新日時を参照することで可能である。
機能制限付きソフトウェア1のインストール情報は、例えば機能制限付きソフトウェア1の名称、この機能制限付きソフトウェア1がインストールされたディレクトリ情報及びこのインストールが行われた実行の年月日時分秒である。このディレクトリ情報及びインストール実行の年月日時分秒は、図2に示すように、機能制限付きソフトウェア1のインストール実行の度に履歴が保存される。
このようにディレクトリ情報及びインストール実行の年月日時分秒をも取得するのは、いつ、どこに、何のソフトがこのパソコンにインストールされたかの情報が取得できれば、機能制限付きソフトウェア1のインストールされたパソコンを特定できるからである。
しかしながら、これらのすべての情報が揃っている必要はなく、例えば機能制限付きソフトウェア1のインストール実行の年月日時分秒だけでも十分機能制限付きソフトウェア1のインストールされたパソコンを特定可能である。なお、使用者にインストール実行の年月日時分秒を認識され難くするため、意図的にインストール実行の年月日時分秒を所定時間分ずらすようにしてもよい。
また、最初の起動等によりソフトウェア1が実行され、使用される各節目の時間等を用いることでインストール情報に代えることも可能である。また、後に述べる登録申請時に作成されるファイルの作成日時分秒を用いたり、これらの情報を適宜組み合わせてデータとしてもよい。
更に、このインストール情報に代えて(又は組み合わせて)、機能制限付きソフトウェア1によりランダム発生された数字や記号を用いて、登録申請情報とすることも可能である。ランダム発生された数字や記号であっても、登録申請者側と被登録申請者側で同一のデータを保有すれば、使用パソコン及び機能制限付きソフトウェア1を特定するのに十分だからである。
履歴を保存するのは、機能制限付きソフトウェア1がアンインストール後、再インストールされた場合を考慮したからである。再インストールの際にはドライブ及びディレクトリが異なってインストールされる可能性があるからである。
これらのディレクトリ情報及びインストール実行の年月日時分秒は、図2では各機能制限付きソフトウェア1毎にまとめられ、一つのファイルとして示したが、各機能制限付きソフトウェア1毎に独立させたファイルとすることも可能である。なお、これらの情報は暗号化されて保存されることが望ましい。
機能制限付きソフトウェア1は、使用に際しての機能制限が実施されているものである。この機能制限付きソフトウェア1には、著作権者の作成した本来のアプリケーションソフト部分に加え、この機能制限付きソフトウェア1を正式に登録するための登録用ソフト部分3及び後に述べる識別ソフト5とが組み込まれている。
登録用ソフト部分3を機能させるには、例えば本来のアプリケーションソフト部分の使用の際の邪魔にならないように、機能制限付きソフトウェア1のHELP等にこの機能等を組み入れておく。又は、特別なアイコン表示や実行ファイル形式等としてもよい。使用者は、機能制限付きソフトウェア1を試用してみて、継続して正式な登録をしたくなったときには、HELPを選択した後、続いて登録申請ボタン11をクリック操作等により選択する。
この登録申請ボタン11の選択により次のような動作が実行される。図3のフローチャートに従い説明する。
まず、ステップ1(以下、S1と略す)で登録申請ボタン11がクリックされると、ステップ3でファイルF1中に機能制限付きソフトウェア1の名称の存在を確認する。そして、この機能制限付きソフトウェア1のファイルF1の履歴中から例えば最新のインストール情報を選び、このディレクトリ情報及び実行の年月日時分秒に対し、図2に示すように目印*を付ける。その後、ステップ5で、このインストール情報以前のインストール情報を履歴から削除する。目印*の付いた最新のもののみを登録情報とするためである。
次に、ステップ7でフレキシブルディスク若しくはMO等の保存用ディスクをフレキシブルディスクドライブ等に挿入するようファイルF1のバックアップ要求を画面表示する。この際、ステップ9で、ファイル名称は、Windows(R)ディレクトリ下のファイル存在位置を隠すためファイル名称を任意名称のFaに変えて保存する。
このように、ファイルF1のバックアップを行うのは、登録申請後にWindows(R)95等のOSが再インストールされる場合を考慮したためである。この場合には、登録申請作業が無駄になってしまうからである。従って、登録申請後にOSを再インストールすることのないことが明確である等ならば、かかるバックアップ作業は省略できる。
次に、本機能制限付きソフトウェア1の登録申請を電子メールで送信する場合には、ステップ11で電子メール登録申請アイコンをクリックする。このとき、例えばマイクロソフト(R)社によるマイクロソフト(R)エクスチェンジ等の本機能制限付きソフトウェア1と予め関連付けられ、又は設定登録された電子メールソフトがステップ13で自動起動され、ステップ15で電子メールが自動作成される。
この電子メールの自動作成は、まず登録用ソフト部分3からの情報により予め定められた送信先(例えば著作権管理者)を自動設定する。また、次のようなメール文をファイルF1に保存されている情報から自動入力する。メール文には、使用OS、パソコン型式、ユーザー名、ソフト名称、登録料等機能制限付きソフトウェア1を登録するのに必要な事項が選択され、記入される。
なお、ソフト本数が複数本に及んだり、使用されるパソコンが複数に及ぶときには、後述する登録申請の行われたパソコン毎にその使用OS、パソコン型式、ユーザー名、ソフト名称、登録料等必要な事項が選択され、表示される。このとき、本数に応じて登録料を変動させるため、合計本数を確認し、その合計本数に応じて予め設定された登録料を割り当て表示し、かつ合計金額を記載する。
この表示で間違えなければ、ステップ17で使用者は確認ボタンをクリックする。ステップ19で、電子メールは送信される。このときファイルF1も添付されて送信する。但し、ファイルF1の所在場所を隠すため、ファイルF1の名称をFaに変えてファイル添付する。
ファイルF1の内容は暗号化する。電子メールの送信時にファイルF1を自動添付すれば使用者にファイルF1の存在を認識されない状態の内に送信可能である。この電子メールに添付されたファイルF1はステップ23で送信完了後直ちに削除する。
このことにより、使用者は面倒な登録作業を省略できる。情報の入力間違いもなく速やかに確認が行える。また、このデータは電子メールに保存されているため、後に購入の確認や本機能制限付きソフトウェア1が使用可能となる対象パソコンを電子メールソフトを起動することで簡単に参照することができる。送信データはテキストデータであるため、データ量が少ないので送信時の負担は軽い。
なお、かかる機能制限付きソフトウェア1の登録申請は、インターネット上のサイトを介してサーバコンピュータと交信するようにしてもよい。このとき、登録申請ボタン11をクリックすることで、著作権管理者の提供するインターネット上のサイトに自動接続され、ファイルF1は登録用ソフト部分3により送信先にメール添付やデータ自動送信の形で送信される。ファイルF1の内容はサーバコンピュータにより解析され、使用OS、パソコン型式、ユーザー名、ソフト名称、登録料等が選択され、ホームページ上に表示される。この表示で間違えなければ、使用者はホームページ上に配設された確認ボタンをクリックする。登録の際のデータはサーバコンピュータに保存されているため、後に購入の確認や本機能制限付きソフトウェア1が使用可能となる対象パソコンをホームページ上で参照することができる。
登録申請されたデータは、著作権管理者等に保存されており、パソコンのメーカーや機種毎に機能制限付きソフトウェア1の異常が確認された場合には、これらの使用者を検索かつ特定することで、使用者に対し速やかにその情報やバージョンアップ情報あるいはバージョンアップソフトを提供できる。
また、使用者がこの機能制限付きソフトウェア1に対する問い合わせが生じた場合には、問い合わせボタン(図示略)をクリックすると、ファイルF1に保存されている情報から使用OS、パソコン型式、ユーザー名、ソフト名称等の必要事項が自動入力される。宛て先も自動入力される。使用者は、問い合わせ内容のみを記載し、確認ボタンをクリックすることで電子メールとして送信される。このため、使用者本人からの問い合わせであることを証明しつつ問い合わせ作業が楽に行える。
なお、インターネット上のサイトを介して機能制限付きソフトウェア1に対する問い合わせを行うことも可能である。このとき、問い合わせボタンをクリックすると、著作権管理者の提供するインターネット上のサイトに自動接続され、ファイルF1は送信先にメール添付の形で送信される。または、ファイルF1は送信先に自動送信される。ファイルF1の内容はサーバコンピュータにより解析され、使用OS、パソコン型式、ユーザー名、ソフト名称等が判断される。これらの情報は使用者側に表示されるのが望ましい。使用者は、ホームページ上に提供される問い合わせ欄に問い合わせ事項を記入し、送信することで問い合わせを行うことが可能である。
一方、インターネットメールを使用できない使用者は、ステップ25で郵送登録申請アイコンをクリックする。このとき、ステップ27でテキストエディタが自動起動され、ステップ29で登録申請に必要な事項が記入された表示がなされる。テキスト文には、メール文と同様な記載がなされる。なお、テキスト表示可能であればテキストエディタに限らない。この表示で間違えなければ、使用者はステップ31で確認ボタンを押す。
その後、ステップ33でフレキシブルディスク等をフレキシブルディスクドライブ等に挿入する要求画面が表示される。ステップ35でフレキシブルディスク等には、ファイルF1が名称をFaに変えて保存され、また登録申請のテキスト文も保存される。ファイルF1の内容は暗号化する。ステップ37では、このフレキシブルディスクを著作権管理者に郵送することで登録申請が可能である。
その後、使用者はソフト購入代金をネット上、又は郵送や銀行振込等により送金する。送信先では、入金の確認後、送信されてきたファイルF1の情報の内から必要な情報FBを抽出する。
この必要な情報FBとは、例えば図4に示すようにパソコン型式、ユーザー名、プロダクトID番号、ソフト名称、機能制限付きソフトウェア1がインストールされたディレクトリ情報及びこのインストールが行われた実行の年月日時分秒(ディレクトリ情報及び実行の年月日時分秒は目印*のもの)であり、機能制限付きソフトウェア1がインストールされたパソコンを特定するのに十分な情報である。
制限解除ファイル8には、この情報FBに加えて制限解除命令が備えられる。この制限解除ファイル8の送信データもテキストデータであるため、データ量が少ないので送信負担は軽い。電子メールには、メール文が記載されている。
このメール文には、ソフト名称や購入金額、使用可能なパソコンの型式、本数等を除く情報FBの内容が機密事項として表示されない。発信者(著作権管理者)側では、この制限解除ファイル8をメールに添付して使用者に送信する。但し、機能制限付きソフトウェア1の登録申請を、インターネット上のサイトを介してサーバコンピュータと交信により行った場合には、この登録申請の確認終了後に所定の表示事項をホームページ上に表示する。そして、使用者による確認ボタンの操作後に、制限解除ファイル8をメールに添付して送信したり、データを使用者に自動送信するようにしてもよい。受信された制限解除ファイル8は所定のディレクトリ下等に自動保存する。
なお、郵送で送られてきた登録申請に関しては、制限解除ファイル8及び登録完了の旨や情報FBの内容の内の一部が記載されたテキスト文がフレキシブルディスクに保存されて郵送される。但し、テキスト文は紙出力されてもよい。
次に、機能制限付きソフトウェア1の機能制限を解除する方法について図5のフローチャートを基に説明する。
図5のフローチャート部分は、例えば識別ソフト5に組み込まれている。図5において、ステップ51で、使用者はこの著作権管理者等から送信された電子メールを受信後、制限解除ファイル8を保存する。但し、インターネット上のサイトを介してサーバコンピュータと交信した場合には、制限解除ファイル8を自動保存してもよい。郵送でフレキシブルディスクが送付された場合も保存するのが望ましい。ステップ53でこの機能制限付きソフトウェア1を実行する。
次に、ステップ55において、例えば基本ドライブのWindows(R)ディレクトリにファイルF1が存在しているか否か判断する。ファイルF1が存在している場合には、ステップ57に進む。ステップ57では、使用者に制限解除ファイル8、又はこの制限解除ファイル8が存在するドライブやディレクトリを選択させる。なお、制限解除ファイル8を予め定めたディレクトリ等に自動保存した場合には、自動読み出しすることも可能である。
郵送で登録申請した場合に、フレキシブルディスクがフレキシブルディスクドライブに入っていない場合には、フレキシブルディスクが要求される。但し、制限解除ファイル8を自動検索するようにしてもよい。そして、ステップ59でファイルF1の内容と制限解除ファイル8の情報FBの内容が一致しているか否か判断する。
しかしながら、この比較を行うに際しては、先の登録申請作業後に機能制限付きソフトウェア1をアンインストールし、その後機能制限付きソフトウェア1が再インストールされている場合が考えられる。このとき、インストールドライブ及びディレクトリがファイルF1のときと異なってインストールされていることがある。
従って、かかるアンインストールがされている場合には、機能制限付きソフトウェア1がインストールされたディレクトリ情報は比較対象としないこととする。このため、機能制限付きソフトウェア1のアンインストール情報は、ファイルF1に記載されるようにする。但し、インストールドライブ及びディレクトリを、使用されるパソコンを特定するための情報として使用しない場合には、アンインストール情報は不要である。
ファイルF1の内容と制限解除ファイル8の情報FBの内容が一致したときには、ステップ61で登録者本人の登録申請時のパソコンと判断する。なお、インターネット上のサイトを介してサーバコンピュータと交信した場合には、かかる判断をサーバ側で行うことも可能である。なお、機能制限付きソフトウェア1から抽出したソフト名称と情報FB中に存在するソフト名称とが一致することを確認するのが望ましい。また、ファイル名称、起動用実行ファイル等の容量や更新日時との一致を確認するようにしてもよい。その後、ステップ63で制限解除命令を実行し、機能制限付きソフトウェア1の制限を解除する。この制限解除命令の実行は、例えば情報FBの制限解除命令が機能制限付きソフトウェア1に予め組み込まれた制限解除命令と一致するか否かで判断される。
なお、登録申請前には試用版ソフトウェアにより使用者は試用の確認を行い、機能制限付きソフトウェア1は、登録申請後に制限解除ファイル8を送信等する際に著作権管理者等より同時に送付する。そして、この機能制限付きソフトウェア1を試用版ソフトウェアと同じパソコン(同じディレクトリにファイルを上書きしたり、機能制限付きソフトウェア1をインストールする際に試用版ソフトウェアとの間でアドレス等の関連付けを行うのが望ましい)にインストールした後、制限解除命令(例えばパスワード)により機能制限を解除するようにしてもよい。
但し、この一致判断に代えて、ファイルF1の内容の内から情報FBの内容として何を項目として選択するか、項目の記載順はどうするか、情報FBの内容を予め定めたルールに従い分割して情報の混在化を図るなど、機能制限付きソフトウェア1側と著作権管理者側との間で予めルールを決めておき、対比判断することで制限解除命令を不要とすること等も可能である。
また、このような判断を組み合わせて用いてもよい。このように、予め定めたルールのもとに情報化された符号はパソコンの外部にデータとして出ても判別されにくく、情報の漏洩の点でも安全である。
ステップ65では、登録申請後も機能制限付きソフトウェア1のアンインストール及び再インストールが実施されていることもあるので、これらの不要な履歴情報(*印以降のデータ)をファイルF1の内容から削除する。ステップ67では、機能制限の無くなったソフトウェア(以降、機能制限無しソフトウェア9という)の状態で起動が可能となる。
次に、ステップ55でファイルF1が存在しない場合について説明する。このとき、ステップ69でエラー表示され、機能制限の解除を行わずに終了する。また、ステップ59でファイルF1の内容と制限解除ファイル8の情報FBの内容が一致しなかったときには、ステップ71に進み、OSが再インストールされているか否か自動判断される。
このときの判断は、例えば次のように行う。OSが再インストールされた場合には、基本ドライブのWindows(R)ディレクトリ等や複数の設定ファイルの日時が新しく設定される。一方、制限解除ファイル8の情報FBの内容から機能制限付きソフトウェア1のインストールが行われた実行の年月日時分秒が分かっている。
この日時を基本ドライブのWindows(R)ディレクトリ等の日時と比較する。Windows(R)ディレクトリ等の日時が機能制限付きソフトウェア1のインストール実行の年月日時分秒より新しければ、OSは登録申請後に再インストールされたことになる。一方、古ければOSの再インストールは行われていない。
OSの再インストールが行われている場合にはステップ73に進み、一方、OSの再インストールが行われていない場合には、登録者本人の登録申請時のパソコンではないので、ステップ69に進みエラー表示を行い、機能制限の解除を行わずに終了する。
ステップ73では、ファイルF1の内容と制限解除ファイル8の情報FBの内容の内、パソコン固有の情報が比較される。この比較の結果が一致しているものならば、登録申請時と同一のパソコンでOSの再インストールが行われた非常時の場合と判断し、ステップ75に進む。一方、比較の結果が一致しなければ、ステップ69に進みエラー表示を行い、機能制限の解除を行わずに終了する。
なお、パソコン固有の情報として複数個のデータ(例えば、型番、ハードディスクやマザーボードのシリアル番号等)が取得可能であり、かつこれらのデータ(これらのデータが変更された場合にはこれらのデータの内の数点)にて本人使用のパソコンの認証がほぼ確実に行えるのであれば、ステップ71のOSの再インストールの判断は不要とすることも可能である。
ステップ75では、フレキシブルディスク等に保存されているバックアップ用に保存されているファイルFaのフレキシブルディスクドライブ等への挿入要求が出される。ステップ77では、ファイルの名称をF1に変更の上、このファイルをWindows(R)ディレクトリ下に保存する。但し、ファイルF1は、インターネット上のサイトよりダウンロードされ、保存されるようにしてもよい。
その後、ステップ79では、OSの再インストールが行われた事実であるUP符号をファイルF1に保存する。その後、ステップ61に進み、登録者本人と判定して、以降の処理を行う。このようにするのは、OSの再インストールが行われるのは、非常時に限られると判断されるためである。かかる場合には、ファイルF1も登録申請時のものが消失してしまうため、何らかの手当てが必要なためである。
なお、パソコン固有の情報として複数個のデータが取得可能であり、かつこれらのデータ(これらのデータが変更された場合にはこれらのデータの内の数点)にて本人使用のパソコンの認証がほぼ確実に行えるのであれば、フレキシブルディスクやインターネットを介してファイルF1を再セットする代わりに次のような方法によることもできる。
まず、図示しないOSの再セットボタンが押される。この際には、パソコン固有の情報としての複数個のデータを定量化する。定量化は、例えば数字はそのままとして、符号は予め決めた関数に基づき数字化する。関数は、例えばaに1を割り付け、bに2を割り付け等されることで可能である。定量化された数字は、それぞれ予め定められた加算等の演算が施され、一つの固有情報キーを生成する。この固有情報キーは画面表示されるので、ユーザーは著作権管理者側に固有情報キーを連絡可能である。連絡は電話やFAX等でも構わない。そして、著作権管理者側では、この固有情報キーに対し制限解除命令や後述するパスワードを加える。その後、この固有情報キーに基づき暗号化して新たなパスワードを生成する。
この暗号化されたデータは、ユーザーに通知される。ユーザーは、機能制限付きソフトウェア1や後述する著作権保護ソフトの所定の画面にてこのデータを入力する。機能制限付きソフトウェア1等は、この入力されたデータを固有情報キーに基づき復号化する。そして、パソコン固有の情報を対比して一致していれば、制限解除命令やパスワードをこの機能制限付きソフトウェア1等に関連付けしてファイルF1に保存する。
以上により、インターネットに接続されていないパソコンであって、かつファイルF1のバックアップがされていない等の場合でも電話等により簡単に再セットアップに対処できる。
次に、登録申請時に複数台(N台)のパソコンで使用する旨の意思表示方法について図6のフローチャートに基づき説明する。
なお、図3と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図6において、ステップ91でフレキシブルディスクを所定のフレキシブルディスクドライブに挿入することが要求される。このフレキシブルディスクは、図3で述べたバックアップに使用したのと同一のフレキシブルディスクを使用するのが望ましい。
使用するフレキシブルディスクの枚数を最小限度に抑えるためである。ステップ93では、ファイルFN(F1、F2、F3・・・)の内容がこのフレキシブルディスクにファイルFaとして保存される。ファイルFaの内容は暗号化されるのが望ましい。なお、ネットワーク構築されている場合等には、フレキシブルディスクによらず、特定のパソコン(例えばインターネット接続されたパソコン)に保存された所定のファイルにファイルFNの内容を保存するようにしてもよい。また、インターネット上のサイトやインターネット上に提供された特定の記憶手段等を介して保存することも可能である。インターネット上のサイトを介する場合には、それぞれのパソコン毎にその都度インターネット接続する必要があるため、独立したファイルF1、F2、F3・・・としてもよい。
ステップ95で、本機能制限付きソフトウェア1を使用したい他のパソコンが更に存在するか否か問い合わせがされる。YESボタンをクリックした場合には、ステップ97で選択の完了を意味する選択完了キーをフレキシブルディスク内に設定せずに、そのパソコンでの登録申請作業を中止又は終了する。
本機能制限付きソフトウェア1の使用に関し、2台目のパソコンの登録申請をしたい場合には、ステップ1に戻る。機能制限付きソフトウェア1は2台目のパソコンにもインストールされている。そして、ステップ91では1台目のときに用いたのと同一のフレキシブルディスク等が要求される。
ステップ93では、ファイルF2の内容がフレキシブルディスクのファイルFaに追加記載される。但し、ファイルFN(F1、F2、F3・・・)毎に独立させた状態で保存してもよい。更に別のパソコンをも使用したい場合にはステップ95でYESボタンをクリックする。もうこれ以上使用したいパソコンが存在しない場合には、NOボタンをクリックする。このとき、ステップ99でこのファイルFaやフレキシブルディスク等に選択完了キーが保存される。
次に、ステップ11でインターネットに接続されているパソコンに向かい、機能制限付きソフトウェア1を起動し、登録申請アイコンをクリックする。続いて、ステップ101では、ステップ91で用いたのと同一のフレキシブルディスクが要求される。ステップ103で、選択完了キーがこのファイルFaやフレキシブルディスク中に存在する場合には、ステップ105で選択されたパソコンの台数が合計される。
そして、ステップ107で合計金額が算出される。この合計金額の算出は、例えば台数が増える程1台当たりの値段を安くしたり、段階的に値段を設定する等、台数の増加程度に応じて予め定められた金額を基に算出される。あるいは、台数の増加と値段の関係を近似曲線として算出してもよい。
その後、続いてステップ13〜ステップ23の処理が行われる。選択完了キーが存在しない場合には、まだ登録申請をしたいパソコンが残っているので、ステップ1から処理を繰り返す。この際、既に登録申請済のパソコンの場合には、「既に登録済です。」のメッセージを行うのが望ましい。なお、登録申請に際しては、前述の通り、インターネット上のサイトを介してサーバコンピュータと交信するようにしてもよい。
ステップ25で郵送登録申請アイコンをクリックした場合にも同様の処理が行われる。即ち、ステップ101で同一のフレキシブルディスクが要求され、ステップ103で選択完了キーがこのフレキシブルディスク中に存在する場合には、ステップ105で選択されたパソコンの台数が合計される。そして、ステップ107で合計金額が算出される。その後、続いてステップ27〜ステップ37の処理が行われる。選択完了キーが存在しない場合には、ステップ1から処理を繰り返す。
なお、機能制限付きソフトウェア1の機能制限を解除する方法については、図5のフローチャートと同様である。
次に、機能制限無しソフトウェア9の起動方法について説明する。
図7において、ステップ111では、機能制限無しソフトウェア9を起動する。ステップ113で、ファイルFN(F1、F2、F3・・・)が存在しない場合には、他のパソコンから機能制限無しソフトウェア9がコピーされた可能性が高いので、ステップ115でこの機能制限無しソフトウェア9を再び機能制限する。
ファイルFNが存在する場合には、ステップ117に進みファイルFNにUP符号が存在するか否か判断される。UP符号が存在しない場合には、OSの再インストールがされていないと判断され、ステップ119でファイルFNの内容がパソコン固有の情報及びOS情報と比較される。パソコン固有の情報及びOS情報は、その都度パソコンから取得された情報である。
パソコン固有の情報及びOS情報と比較するのは、登録申請時のパソコンにおける使用か否かの判断を精度よく行うためである。不一致ならば登録済のパソコンでの使用ではないので、ステップ115で機能制限無しソフトウェア9を再び機能制限する。比較の結果が一致しているならば、ステップ121でそのまま機能制限無しソフトウェア9を使用させる。
一方、ステップ117でUP符号が存在する場合には、OSの再インストールがされているので、ステップ123でパソコン固有の情報のみを使用してファイルFNの内容と比較される。OS情報は、OSの再インストールにより変更されている可能性があるからである。比較の結果が一致しているならば、ステップ121でそのまま機能制限無しソフトウェア9を使用させる。
かかる機能制限無しソフトウェア9の起動方法を採用することにより、登録済のパソコンからファイルFN及び機能制限無しソフトウェア9の双方をコピーして他のパソコンで不正に使用しようとする場合や、機能制限無しソフトウェア9のみをコピーして他のパソコンで不正に使用しようとする場合に有効に対処可能である。
次に、機能制限無しソフトウェア9をパソコン間で移動して使用できるようにする方法について説明する。
図8及び図9にフローチャートを示し、これに対応するデータの流れを図10に示す。今、パソコン1のファイルF1には図2に示すデータが存在するものとする。但し、このファイルF1のデータを図10には簡略のためインストール時間とパソコンの型式のみで記載している(図10の工程(1)参照)。
そして、パソコン1は機能制限無しソフトウェア9の状態である。パソコン2には機能制限付きソフトウェア1がインストールされており、機能制限のかけられた状態である。この状態より次の段階として、パソコン2を機能制限無しの状態にし、パソコン1を機能制限する。
まず、パソコン2側の操作及び処理について説明する。図8において、ステップ201で、パソコン2の機能制限付きソフトウェア1を起動する。そして、ステップ203で、パソコン2の機能制限付きソフトウェア1の画面から移動申請ボタン31をクリックする。
このとき、図10に示すように、パソコン2には移動申請ボタン31のクリックされたときの時間であるクリック時間T1S(Sは申請されたことを示す符号)とパソコン2の型式PC2Sからなるデータが作成される(図10の工程(1))。このデータは1回だけ作成され、以降移動申請ボタン31をクリックしても作成されない。なお、説明の簡略化のためパソコン2の型式はPC2とだけ示しているが、例えば製造番号が取得可能ならばその番号もパソコン2の型式に付記されるのが望ましい。また、製造番号が取得不可能な場合であっても、例えば移動申請ボタン31のクリックされたときの時間T1がパソコン2の型式に付記されるのが望ましい(以下、同旨)。
この作成されたデータは、例えばパソコン2のWindows(R)ディレクトリ下のファイルFNの機能制限付きソフトウェア1に対応するデータ部分に上書きされる。従って、図2に示すようなインストール時の初期データは残らず、ファイルFNにはT1S、PC2Sのみが保存される。
ステップ205でデータの保存場所が問い合わせされるので選択する。但し、予め保存場所を設定しておいてもよい。この選択は、フレキシブルディスク等の移動可能な媒体か、ネットワーク接続されたパソコン間での移動を希望する場合にはハードディスク内のいずれかの場所である。インターネット上のサイトやインターネット上に提供された特定の記憶手段等を介してもよい。ステップ207で選択された保存場所にデータT1S、PC2Sを保存する。
次に、パソコン1側の操作及び処理について説明する。図9のステップ209において、パソコン1の機能制限無しソフトウェア9を起動する。パソコン1には、このパソコン1が機能制限無し状態であることを示すため画面中にパソコン1の型式等である例えばPC1を表示させる(図10の工程(1))。ステップ211で画面から移動受付ボタン33をクリックする(図10の工程(2))。ステップ213でデータの保存場所が問い合わせされるので選択する。但し、予め保存場所を設定しておいてもよい。インターネット上のサイトを介して保存された場合には、交信されたcookieデータを基にサーバ側で自動的に本人を認証し、当該保存ファイルを抽出することが可能である。パスワードやユーザーI.D.の入力や、本発明の第6実施形態に説明するようなパスワードやユーザーI.D.等の自動送信及び判別により当該保存ファイルを抽出するようにしてもよい。
ステップ215では、ステップ207で保存されたデータが読み取られ、ファイルF1のデータに追加される。ステップ217で移動受付されたパソコン2の型式等である例えばPC2がパソコン1に表示される(図10の工程(2))。このとき、PC1(機能制限無し)の表示とPC2(機能制限付き)の表示とは色分け等で区別される。
また、PC1、PC2共スイッチとして表示されている。データは時系列に履歴として累積される。なお、図8の移動申請及び図9の移動受付の処理を繰り返し行い、更に多くの台数をスイッチ表示するようにしてもよい。この場合には、これらの複数台のパソコンの中から移動先が選択可能となる。これらのパソコンのすべての情報は、著作権管理者のサイト等に登録されることが望ましい。
次に、移動元のパソコンでの操作及び処理について説明する。図11のステップ231で移動先のパソコンを選択する。例えば、図10の工程(3)において、パソコン1で移動先であるPC2のスイッチをクリックする。
その後、ステップ233でフレキシブルディスク等が要求される。このフレキシブルディスクは、前述してきたフレキシブルディスクを兼用してもよいし、独立させたものを使用してもよい。ネットワーク接続されたパソコン間での移動を希望する場合にはハードディスク内のいずれかの場所であってもよい。インターネット上のサイトを介して保存された場合には、交信されたcookieデータからサーバ側で自動的に本人を認証し、保存ファイルを抽出することが可能である。
ステップ235で、ファイルF1のデータにPC2のスイッチがクリックされた時間T2と機能制限解除をパソコン1からパソコン2に移すことを示すPC1−PC2R(Rは解除要求信号)が追加記載されると共に、フレキシブルディスク等にも同じデータが保存される。このとき、フレキシブルディスク等には、参照ファイルQ1として保存される。インターネット上のサイトを介した場合には、この参照ファイルQ1が送信される。そして、ステップ237で移動元パソコン(パソコン1)の機能制限無しソフトウェア9を機能制限付きとし、機能制限付きソフトウェア1に変える。
次に、移動先のパソコンでの操作及び処理について説明する。
図12において、ステップ251でパソコン2の機能制限付きソフトウェア1を起動する。ステップ253で機能制限付きソフトウェア1の画面中の使用パソコンボタン35をクリックする(図10の工程(4))。ステップ255でデータの保存場所を選択させる。フレキシブルディスクの場合にはフレキシブルディスクが要求される。インターネット上のサイトを介して保存された場合には、交信されたcookieデータからサーバ側で自動的に本人を認証し、参照ファイルQ1を抽出し、ダウンロードすることが可能である。
ステップ257で参照ファイルQ1のデータがフレキシブルディスク等から読み取られる。このとき、図10の工程(4)に示すように、参照ファイルQ1の内容から登録申請時のパソコンPC1及びSの付されたパソコンのすべて(図10の工程(4)の場合にはPC1とPC2)が表示される。このとき、PC1−PC2Rから移動元パソコンであるPC1と移動先であるPC2を色分け等により表示してもよい。
次に、ステップ259で読み取られたデータから当該パソコン以外の他のパソコンが機能制限されたものであるか否か判断される。図10の工程(3)の場合には、PC1−PC2RよりPC1が制限されているので、YESと判断され、ステップ261に進む。一方、NOと判断された場合には、ステップ260で機能制限は解除されない。
ステップ261では、解除要求信号Rが本パソコンに向けたものか否か判断される。この場合にはPC2に向けたものなのでYESと判断され、ステップ263に進む。一方、NOと判断された場合には、ステップ260で機能制限は解除されない。
ステップ263では、本パソコンのファイルFNのデータがステップ257でフレキシブルディスク等から読み取られたデータに含まれるか否か判断される。図10の場合には、パソコン2のファイルFNにはT1S、PC2Sのみが保存されているので、フレキシブルディスク等から読み取られた工程(3)のデータに含まれる。従って、YESと判断され、ステップ265に進む。一方、NOと判断された場合には、ステップ260で機能制限は解除されない。
ステップ265では、本パソコンのデータより新しい解除要求信号Rか否か判断される。新しい解除要求信号Rか否かは、データの累積順序で判断する。但し、パソコン相互間で設定時間の相違がないことを前提とすれば時間Tで判断してもよい。データの累積順序を示す整理番号を付与し、この整理番号で判断してもよい。又は、これらを組み合わせて判断してもよい。
新しい解除要求信号Rではないと判断された場合には、ステップ267で「古い移動指令です」と表示し、ステップ260で機能制限は解除されない。新しい解除要求信号Rの場合にはステップ269に進む。ステップ269では、最新の解除要求信号Rはまだ未受付のものか否か判断される。
受付済である場合には、ステップ271で「既に受付済です」と表示し、ステップ260で機能制限は解除されない。未受付であれば、ステップ273に進み、フレキシブルディスク等の参照ファイルQ1のデータを移動先のパソコンのファイルFNに上書き更新する。
その後、ステップ275で機能制限付きソフトウェア1の制限を解除する。そして、ステップ277でフレキシブルディスク等及びファイルFNのデータから解除要求信号Rを削除する。その後、このステップ279でこの解除されたパソコンの表示を色分け等で行う。
以上により、機能制限付きソフトウェア1のパソコン2における機能制限は解除され、使用パソコンの移動が完了する。このことにより、例えば新規にパソコンを購入した場合でも、本移動操作を行うことで購入前のパソコンから購入後のパソコンに使用パソコンを簡単に移動させることができる。
また、著作権管理者に登録を行った台数を維持しつつ、登録済のパソコンとは異なるパソコンでの使用が可能となる。従って、自宅と会社間、会社の複数台のパソコン間、ネットワークで結ばれたパソコン間、インターネット利用可能なパソコン同士間、インターネット利用可能なパソコンと利用のできないパソコン間、いずれもインターネット利用のできないパソコン同士間等でも使用権を移動させることができる。
なお、再びパソコン1側で機能制限付きソフトウェア1の機能制限を解除したい場合には、図11のステップ231で、パソコン2において移動先パソコンであるPC1を選択する。このとき、パソコン2におけるファイルFNには図10の工程(5)に示すように履歴が保存される。フレキシブルディスク等には、参照ファイルQ1のデータが上書き更新される。参照ファイルQ1のデータはテキストデータであり、容量も小さく、他のデータと共に一枚のフレキシブルディスク等に収納可能であり、便利である。そして、必ずしも同一の参照ファイルQ1のデータに対し上書き更新し続ける必要はなく、新規に保存されてもよい。以降、図11、図12に示した同様の処理が繰り返される。また、移動申請及び移動受付の処理は最初に1回だけ行えばよい。その後は、移動元と移動先間での作業となるため簡単である。
また、パソコン2が機能制限無しソフトウェア9の状態にあるとき、第3のパソコンであるパソコン3で機能制限付きソフトウェア1の機能制限を解除したい場合でも同様である。図8のステップ203で、パソコン3において移動申請ボタン31をクリックする。このとき、Windows(R)ディレクトリ下のファイルFMには移動申請ボタン31のクリック時間T4S、パソコン3の型式PC3Sのみが保存される。このデータはフレキシブルディスク等にも保存する。
その後、フレキシブルディスク等を移動し、パソコン2で移動受付ボタン33をクリックする。このとき、T4S、PC3Sのデータが既存のデータに上積み
追加される。この作業により、パソコン2にはPC1、PC2、PC3がスイッチとして表示され、現在PC2が機能制限解除中であることが色分け表示される。
そこで、図11のステップ231でPC3をクリックする。パソコン2におけるファイルFNにはT4S、PC3Sのデータの次にT5、PC2−PC3Rが上積み追加される。同じデータは要求されたフレキシブルディスク等にも保存される。
このように、履歴が次々に上積み保存される。履歴を上積みするのは、フレキシブルディスク等の内容をそっくりコピーして保存していても、コピーされたデータは履歴の上積みの度に古いデータとなり使用できなくなるためである。パソコン2の機能制限無しソフトウェア9は機能制限され、機能制限付きソフトウェア1となる。
続いてパソコン3に作業を移し、図12のステップ253で使用パソコンボタン35をクリックする。その後、このフレキシブルディスク等を選択する。以上により、ステップ279でPC3が機能制限解除中であることが色分け表示される。パソコン3における機能制限付きソフトウェア1の機能制限は解除され、機能制限無しソフトウェア9となる。
なお、フレキシブルディスク等を破壊、紛失したり、参照ファイルQ1を削除した場合には、移動作業が行われる際にステップ233で更新対象である参照ファイルQ1が存在しないため、参照ファイルQ1が改めて作成される。
また、今現在どのパソコンで機能制限解除中であるかは、図12のステップ253で使用パソコンボタン35をクリックし、このフレキシブルディスク等を選択することで、どのパソコンからでも確認可能である。但し、予め定めたディレクトリに参照ファイルQ1を自動保存し参照可能なようにすれば、フレキシブルディスク等を選択する作業は不要となる。
更に、図8及び図9では、移動先パソコンで移動申請ボタン31をクリックし、移動元パソコンで移動受付ボタン33をクリックするようにした。しかしながら、移動元パソコンで移動申請を行い、移動元パソコンの機能制限無しソフトウェア9を機能制限させ、ファイルFNのデータをフレキシブルディスク等の参照ファイルQ1に保存し、移動先パソコンで移動受付を行い参照ファイルQ1を参照することで機能制限付きソフトウェア1の機能制限を解除するようにしてもよい。
次に、フレキシブルディスク等の参照ファイルQ1のデータ量が多くなった場合のデータ整理方法について説明する。
参照ファイルQ1はテキストデータのみであるので、相当量の履歴が保存可能である。しかしながら、同じフレキシブルディスクに他のデータファイル等が存在する場合等も考えられるので、データの整理が行えるようにする。
機能制限無しソフトウェア9において、データの整理が必要になった場合には、データ整理ボタン37をクリックする。このクリックにより、ファイルFNの内容は、図13のデータに整理される。なお、このとき参照ファイルQ1を同時に整理するようにしてもよい。
図13において、最初のデータであるT0、PC1は図10の工程(1)で述べたのと同様に図2に示すデータを簡略して記載している。この最初のデータ、移動申請されたSの付いたデータ及び最後の移動命令を残し、途中のデータは削除する。そして、整理符号Aを各パソコン(図13の例ではPC1〜3)に付す。但し、データ整理の済んだ本パソコン(図13の例ではPC4)には整理符号Aを付さない。
また、図12に相当するフローチャートは図14のように変更する。即ち、ステップ261で解除要求信号Rが本パソコンに向けたものと判断されたときには、ステップ281に進み、本パソコンに向けた整理符号Aが存在するか否か判断される。
整理符号Aが存在する場合にはステップ283に進み、本パソコンに向けた整理符号Aを削除する。そして、ステップ265に進む。このため、ステップ263の処理は行わない。一方、整理符号Aが存在しない場合にはステップ263の処理を行う。
このことにより、機能制限解除パソコンを移動する度に各パソコン及びフレキシブルディスク等は自動的にデータ整理される。
次に、他のパソコンで使用するために現在使用中であったパソコンを機能制限するよう図11の処理を行った後に、他のパソコンに移動せず再びこのパソコンで使用したくなった場合について説明する。
このとき、図14のステップ253で使用パソコンボタン35をクリックし、その後、このフレキシブルディスク等を選択する。ステップ259では他のパソコンではなく、本パソコンが制限されていると判断されるので、ステップ260で機能制限が続行される。
この状態のときに、表示されたパソコンPC1、PC2、・・PCM、・・PCN・・中から例えば本パソコンであるPCMのスイッチをクリックする。このとき、図15の例で最新の履歴情報の移動元パソコンがPCMであることが判断された後、参照ファイルQ1及びファイルFNからT9、PCM−PCN Rが削除される。
また、他のパソコンに移動する前にフレキシブルディスクやファイル等を破壊や紛失、削除した場合もほぼ同様である。移動元パソコンに戻り、図14のステップ253で使用パソコンボタン35をクリックし、その後、このフレキシブルディスク等を選択する。この状態で例えば本パソコンであるPCMのスイッチをクリックする。フレキシブルディスク等に参照ファイルQ1が存在しない場合にはファイルFNよりデータが保存される。
次に、パソコン間で機能制限解除を移動させることを考慮したときの機能制限無しソフトウェア9の起動方法は図16のようになる。なお、図7と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図16において、ステップ291では、ファイルFN中の最新の移動履歴データから移動先パソコンを抽出する。例えば図13のPCM−PCNの例ではPCNが抽出される。このデータがステップ123でパソコン固有の情報(例えばPCN)と比較される。一致すればステップ121でそのまま機能制限無しソフトウェア9は実行される。一致しなければステップ115で機能制限無しソフトウェア9は機能制限される。
なお、参照ファイルQ1及びファイルFN等は例えばパスワードで保護するようにしてもよい。また、その内容は暗号化されるのが望ましい。
次に、機能制限無しソフトウェア9が移動先パソコンでアンインストールされた場合について説明する。図17において、ステップ251で機能制限付きソフトウェア1が再インストールされる。このとき、ファイルFNは既に存在するため上書き更新されない。
なお、前提として、アンインストールソフトが実行ファイル等として備えられている場合には、この実行ファイルが起動された時間TUNと実行された事実であるアンインストール情報UN符号とをファイルFNに記録する。
ステップ301では、ファイルFNにUN符号が存在するか否か判断される。存在している場合にはステップ303に進み、ファイルFNから最新の移動履歴データが抽出される。例えば図13のPCM−PCNが抽出される。ステップ305では、UN符号が生じたのは最新の移動履歴データの後か否か判断される。このときの比較は、図13のPCM−PCNの発生時間であるT9と時間TUNの間で行われる。
UN符号が生じたのが最新の移動履歴データの後である場合には、移動先パソコンの機能制限が解除された後に機能制限付きソフトウェア1がアンインストール後、再インストールされた非常の場合と判断できる。このため、ステップ259に進み例外適用を行う。
この例外適用は、次のように、図12の処理を簡略化して行われる。まず、ステップ259で、最新の移動履歴データは他のパソコンが制限されているか否か判断される。YESであればステップ261で本パソコンに向けたものか否か判断される。本パソコンに向けたものであれば、アンインストール前から使用されていたパソコンであると判断できるので、ステップ275で制限の解除を行う。ステップ259、ステップ261の判断結果がNOならばステップ260で機能制限が続行される。
一方、ステップ305で、UN符号が生じたのが最新の移動履歴データの後でない場合には、過去に生じたアンインストールと判断して無視し、通常通り図12のステップ253以降の処理が行われる。
また、アンインストールソフトが実行ファイル等として備えられていないような場合には、アンインストールが行われたか否か次のように判断する。即ち、図2に示すように、インストールされた事実は履歴としてファイルFNに残される。ステップ307で最新の移動履歴データの後にインストールされた事実があれば、アンインストールが行われたと判断し、ステップ259以降の処理を行うこととする。
更に、アンインストールが行われたか否かを次のように判断してもよい。OSの再インストールが行われていないことを確認した上で、機能制限付きソフトウェア1の再インストールされたディレクトリ等から日時を取得する。そして、この日時をファイルFNに存在する最新の移動履歴データの日時と比較する。この最新の移動履歴データの日時よりディレクトリ等から取得した日時の方が新しければ、機能制限無しソフトウェア9が移動先パソコンでアンインストールされたと判断する。
次に、移動先パソコンのOSが再インストールされた場合について説明する。このとき、図18のように対処する。なお、図14と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
まず、ステップ251で機能制限付きソフトウェア1が再インストールされる。このとき、ファイルFNが改めて作成される。ステップ253で使用パソコンボタン35をクリックし、その後、このフレキシブルディスク等を選択する。ステップ311では参照ファイルQ1より最新の移動履歴データ(図13の例でいえば、T9、PCM−PCNである)が抽出される。
ステップ313では、この最新の移動履歴データであるT9後に、OSが再インストールされたか否か判断される。OSが再インストールされているか否かの自動判断は、ステップ71の処理と同様である。最新の移動履歴データ後にOSの再インストールがされていない場合には、通常通り図14のステップ259からと同様の処理が行われる。
一方、最新の移動履歴データ後にOSの再インストールが行われている場合には、非常の場合と判断できる。このため、ステップ259に進み例外適用を行う。この例外適用は、次のように、図14の処理を簡略化して行われる。ステップ259及びステップ261で共にYESの場合には、ステップ275で制限の解除を行う。そして、ステップ315で参照ファイルQ1のデータをファイルFNに更新する。
なお、この移動先パソコンのOSが再インストールされた場合の別対処方法として、すべてのパソコンの状態を登録完了時の初期状態に戻すことも考えられる。即ち、図18のステップ313においてOSの再インストールが行われている場合には、ファイルFN及び参照ファイルQ1の履歴データを削除し、参照ファイルQ1には、移動先パソコンでOSの再インストールが行われた事実であるUP符号を保存する。
他のパソコンで、このUP符号を検出し、かつUP符号が未対応の場合には履歴データを削除する。削除後には、各パソコン毎に対応するUP符号を処理済とする。但し、登録時のパソコンだけは図2の初期データを残し、他のデータを削除することとする。
次に、移動先パソコン以外のパソコンでOSが再インストールされた場合について説明する。このときは、機能制限付きソフトウェア1を再インストールした後、改めて移動先パソコンに対し、図8の移動申請及び図9の移動受付の処理を行うことで対処可能である。
次に、機能制限の解除をパソコン単位若しくは複数個の機能制限無しソフトウェア9をまとめてグループ単位に行う方法について説明する。
本方法を実施するに際しては、複数個の機能制限無しソフトウェア9(機能制限付きソフトウェア1)の登録時初期データや履歴データを一つのファイルFNとして保存するのが望ましい。又は、グループ化された各機能制限無しソフトウェア9(機能制限付きソフトウェア1)の履歴データ等が、予めそれぞれどのファイルに保存されているか分かっている必要がある。
図19(A)に示すように、パソコンPCJのファイルFNにはそれぞれ機能制限付きソフトウェア1であるソフト1〜ソフト3の履歴が保存されている。そして、ソフト1とソフト3は、パソコンPCJで機能制限が解除された状態である。また、ソフト2は他のパソコンPCMで機能制限が解除されており、本パソコンPCJでは機能制限がされている。
この状態で、一つの機能制限無しソフトウェア9の画面からグループ単位に移動ボタン39をクリックする(図20のステップ321)。ステップ323で、このクリックにより、移動先が本パソコンであるソフトが選択される。図19(A)の例ではソフト1とソフト3が選択される。
選択可能なパソコンPCがスイッチ表示されるので、ステップ325でその内から移動先である一つのパソコンを選択する。例えばパソコンPCXを選択する。この選択により、各ソフトの履歴は図19(B)のようになり、ソフト1とソフト3に最新の移動履歴データPCJ−PCX Rが追加される。このとき、ソフト2はパソコンPCX以外のパソコンPCMで使用されているので、変化されない。
なお、図19(B)のソフト1のT11とソフト3のT8とは、時間情報であれば同一データとなり、累積番号であれば各ソフト毎に累積された番号である。また、時間情報と累積番号の組み合わせの場合には、累積番号部分が異なるデータとなる。各パソコン毎に時間データの異なることが想定される場合には時間情報と累積番号の組み合わせが望ましい。
また、ステップ326で、最新の移動履歴データPCJ−PCX Rには、グループ単位に一括して移動されることを示す符号Gが付される。
ステップ327で、データの保存場所が問い合わせされるので選択する。この選択は、フレキシブルディスクか、ネットワーク接続されたパソコン間での移動を希望する場合にはハードディスク内のいずれかの場所、又はインターネット上のサイト等である。ステップ329で選択された保存場所にファイルFNの履歴がソフト2を除き保存される。ステップ331で本パソコンPCJにおけるソフト1及びソフト3の機能は制限される。
次に、移動先のパソコンPCXに移り、一つの機能制限付きソフトウェア1の画面からグループ単位に移動ボタン39をクリックする(図21のステップ341)。ステップ253で、機能制限付きソフトウェア1の画面中の使用パソコンボタン35をクリックする。ステップ255でデータの保存場所を選択させる。但し、このデータの保存場所は、予め設定しておくことも可能である。
フレキシブルディスクの場合にはフレキシブルディスクが要求される。ステップ257でステップ329で保存されたデータがフレキシブルディスク等から読み取られる。ステップ343で読み取られたデータからグループ一括移動符号Gを検出する。
グループ一括移動符号Gが検出された場合には、続いて各機能制限付きソフトウェア1について順次図12に示すステップ259以降の処理が行われる。例えばステップ329の保存データによればソフト1及びソフト3についてステップ259以降の処理が行われる。
そして、それぞれの機能制限付きソフトウェア1について、ステップ275では、制限の解除を行う代わりに、ステップ259〜ステップ269の判断結果がすべてYESの場合に制限解除キーをグループ一括移動符号Gと共にファイルFXのソフト1とソフト3に対し記録する。以上の処理は、各機能制限付きソフトウェア1が実行されない状態で、移動の行われたすべての機能制限付きソフトウェア1について一時に行われる。
そして、ステップ251で機能制限付きソフトウェア1が実行された場合には、グループ一括移動符号G及び制限解除キーが存在するか否かを判断し、存在する場合にはステップ275に飛び制限の解除を行う。解除後、グループ一括移動符号G及び制限解除キーを削除する。一方、存在しない場合には、図12に従いステップ253以降の処理が行われる。
なお、図20でグループ一括移動された場合でも、図21の処理のように一括して一時に、すべての機能制限付きソフトウェア1について機能制限の解除処理を行うのではなく、図12に示す通り、機能制限付きソフトウェア1毎に制限を解除するようにしてもよい。この場合、各機能制限付きソフトウェア1毎に図12の処理を繰り返す。ステップ343でグループ一括移動符号Gを検出しなかった場合には、ステップ347でエラー表示する。
各機能制限付きソフトウェア1につき、機能制限を解除するため次の処理を行う。図14の処理で、ステップ253とステップ255の間にグループ一括移動符号Gを検出したか否かのステップ254を設ける。検出した場合には、ステップ255の処理は行わない。このときは、ステップ257に代えて、ファイルFxの中のファイル名称が一致した機能制限付きソフトウェア1の履歴データからデータは読み取られる。その後ステップ259以降の処理が行われる。
なお、本発明の第1実施形態では、条件に応じて機能制限付きソフトウェア1の機能制限を解除させたり制限するとして説明したが、もともと機能制限が設けられていない通常ソフトウェア11をパスワード等で制限したり解除させたりすることも同様に可能である。この場合には、制限解除ファイル8の情報FBとしてパスワードも著作権管理者より付与される。このパスワードはファイルFN及び参照ファイルQ1の履歴データにも保存される。
そして、例えば図7のステップ111は通常ソフトウェア11の起動に変える。ステップ121をパスワード等の自動入力により実行を可能とし、ステップ115の機能制限をパスワード等を投与しないことで対処可能である。同様に、図11のステップ237も機能制限をパスワード等を投与しないことで対処可能である。
パスワード等の入力は、例えばパスワード入力欄をクリックし、その後、パスワード投与キーボタン(図示略)をクリックするようにしてもよい。この際には、ファイルFNより通常ソフトウェア11のパスワードが抽出され、パスワード入力欄に投与される。更に、図12、図14のステップ251、ステップ275、ステップ260、図16のステップ111、ステップ115、図18のステップ251、ステップ275、ステップ260も同様に変更することで可能である。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本発明の第2実施形態は、登録申請時に複数台(N台)のパソコンで使用する旨の意思表示方法についての、図6のフローチャートで述べた方法の別態様である。
図6では、使用したいパソコンを予め定めて登録申請するようにしたが、図22では、複数台(N台)分をまとめて登録申請し、登録後に使用したいパソコンを決める方法である。但し、1台だけは、本発明の第1実施形態の図1〜図4で述べたのと同様に登録申請を行い、申請の際にN台の使用申込みと共にN台分の料金の納付がされる場合である。
図22のステップ401において、制限解除ファイル8には、N台分の使用許可信号が含まれている。次に、ステップ402で機能制限付きソフトウェア1を実行する。ステップ403において、ファイルFx(x=1〜N)が例えば基本ドライブのWindows(R)ディレクトリに存在しているか否か判断される。
ファイルFxが存在していればステップ404に進む。ファイルFxが存在しなければステップ415で終了するか又は機能制限を解除しない。ステップ404では、使用者に制限解除ファイル8、又はこの制限解除ファイル8が存在するドライブやディレクトリを選択させる。
この際、例えばフレキシブルディスクがフレキシブルディスクドライブに入っていない場合には、フレキシブルディスクが要求される。ステップ405では、ファイルFxが登録申請時1台だけ申請された際に用いられたファイルF1か否か判断される。ファイルFxがファイルF1のとき、ステップ407に進みファイルF1の内容と制限解除ファイル8の情報FBの内容とが一致しているか否か判断される。
但し、この比較を行うに際しては、先の登録操作後に機能制限付きソフトウェア1をアンインストールし、その後機能制限付きソフトウェア1が再インストールがされている場合を考えるのは、図5の場合と同様である。
ファイルF1の内容と制限解除ファイル8の情報FBの内容が一致しているとき、登録時のパソコンに間違いないと判断される。そして、ステップ409に進み、既に機能制限付きソフトウェア1の機能制限が解除済か否か判断される。まだ、解除されていないときには、ステップ411に進み機能制限の解除を行う。その後、ステップ413では、機能制限無しソフトウェア9が実行可能な状態となる。
一方、ステップ409で既に機能制限付きソフトウェア1の機能制限が解除済のときにはステップ415で終了する。
ステップ407でファイルF1の内容と制限解除ファイル8の情報FBの内容が一致していないと判断されたとき、図5のステップ71〜ステップ79、ステップ61と同様の処理が行われ、OSが再インストールされたと判断された場合にはその後ステップ411で制限が解除される。
一方、ステップ405で、FxがF1に一致しないとき、ステップ425に進みファイルFxの内容とファイルFα(α=2〜M:但し、Mは登録済のデータ個数)の内容とを比較する。ファイルFxの内容とファイルFαの内容とが一致しているときには、ステップ427で既にこのパソコンは登録済のためステップ415に進み終了する。
ファイルFxの内容とファイルFαの内容とが一致しないときには、ステップ429に進み、MがN−1以下か否か判断する。MがN−1以下であれば、まだ新規に登録可能な余裕があるため、ステップ431に進み、現在使用中のパソコンをM+1台目のパソコンとして登録するか否か問い合わせを行う。
M+1台目のパソコンとして登録する場合にはステップ433でYESボタンを押す。M+1台目のパソコンとして登録しない場合にはステップ435でNOボタンを押し、ステップ415で終了する。ステップ433でYESボタンを押したときには、ステップ437に進む。
ステップ437では、機能制限付きソフトウェア1のファイルF1M+1の履歴中から最新のインストール情報を選ぶ。そして、このディレクトリ情報及び実行の年月日時分秒に目印*を付ける。その後、このインストール情報以前のインストール情報を履歴から削除する。
ステップ439では、万一のためフレキシブルディスク若しくはMO等に保存用ディスクをフレキシブルディスクドライブ等に挿入するようファイルF1M+1のバックアップ要求を画面表示する。この際、ファイル名称は、Windows(R)ディレクトリ下のファイル存在位置を隠すためファイル名称をFaMに変えて保存する。なお、機能制限無しソフトウェア9にファイルFaMを関連付けする。
その後、ステップ411では制限解除を行う。このことにより、ステップ413では、M+1台目の機能制限無しソフトウェア9の使用が可能となる。
以上により、簡単な操作で予め著作権者より許可された数のパソコンで機能制限無しソフトウェア9の使用が可能となる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本発明の第1実施形態及び第2実施形態では、登録用ソフト部分3及び識別ソフト5部分を機能制限付きソフトウェア1と始めから組み合わせて使用される場合を示した。これに対し、本発明の第3実施形態では、この登録用ソフト部分3及び識別ソフト5部分を独立したソフト(著作権保護ソフト51)とし、機能制限付きソフトウェア1とは分離させて使用する場合である。
本発明の第3実施形態の著作権保護ソフト51の表示画面の例を図23に示す。画面中左半分は例えばマイクロソフト(R)社のエクスプローラ画面のように、ドライブ、ディレクトリ、ファイルが階層構造にツリー状に示されたツリー表示部41である。
この画面中には、インストール用の実行ファイルや圧縮ファイル、ソフト起動用のファイル等が表示される。また、画面中右半分は例えば各ソフト起動用のアイコン等の示された起動用アイコン表示部43である。そして、このツリー表示部41及び起動用アイコン表示部43の上方にはボタン部45が配設されている。
次に、本発明の第3実施形態である著作権保護ソフト51の作用について説明する。本発明の第3実施形態では、まず、ダウンロードやCD−ROM等の記録媒体により供給された機能制限付きソフトウェア1及び著作権保護ソフト51をパソコンにインストールする。次に、著作権保護ソフト51を起動し、図23の表示画面を表示させる。
ツリー表示部41から機能制限付きソフトウェア1の起動用実行ファイルを選択し、続いてボタン部45のアイコン作製ボタン(図示略)をクリックする。このとき、起動用アイコン表示部43には、著作権保護ソフト51(機能制限付きソフトウェア1用)の起動用アイコン43aが作製される。但し、起動用アイコン43aに代えて起動用ファイルを表等の形式で列記するようにしてもよい。
なお、機能制限付きソフトウェア1及び著作権保護ソフト51がインストールされた際には、自動的に起動用アイコン表示部43等に著作権保護ソフト51(機能制限付きソフトウェア1用)の起動用アイコン43aが作製されるのが望ましい。
このことにより、起動用アイコン43a、著作権保護ソフト51、機能制限付きソフトウェア1の起動用実行ファイル間の関連付けが行われる。従って、起動用アイコン43aをクリックすることにより、登録されたパソコンでの使用か否か等の著作権保護ソフト51による判断が行われた後に、機能制限付きソフトウェア1の起動用実行ファイルを実行させる等の順を追った処理が行える。なお、かかる処理は、機能制限付きソフトウェア1が文書作成ソフトウェアであっても同様であり、著作権保護ソフト51(機能制限付きソフトウェア1用)の起動用アイコン43aとしての文書アイコンが作製される。そして、この文書アイコンをクリックすることにより、登録されたパソコンでの使用か否か等の著作権保護ソフト51による判断が行われた後に、文書作成ソフトウェアで保存されていた文書が表示される。機能制限付きソフトウェア1の起動用実行ファイルを単独で実行させることも可能であるが、この場合には、後述するように例えばパスワードが付与されず機能制限は解消されない。
このとき、起動用実行ファイルから例えばファイル名称を抽出する。このファイル名称は起動用アイコン43aの名称に用いてもよい。そして、図2のファイルF1を作製する。ファイル名称をソフト名とし、実行日時分秒は、例えばアイコン作製ボタンのクリック時間とする。また、起動用実行ファイルが存在するディレクトリを検出し記録する。
同一の機能制限付きソフトウェア1の下に、クリック時間とディレクトリは履歴が取られるので、同一の機能制限付きソフトウェア1がバージョンアップされた場合でも、例えば初回目に行われた登録申請情報を参照可能である。パソコン固有の情報とOS情報も同様に記録する。
なお、この著作権保護ソフト51(機能制限付きソフトウェア1用)の起動用アイコン43aは、オプション設定における選択によりスタートメニュー、スタートアップ、デスクトップにも登録可能である。そして、これらに登録された起動用アイコン43aを起動することによっても、起動用アイコン表示部43の起動用アイコン43aと同様の機能が得られる。
なお、機能制限付きソフトウェア1を特定する情報として、ファイル名称の他に起動用実行ファイル等の容量や更新日時を記録するようにしてもよい。これらの情報の履歴を取るようにしてもよい。
図3のフローチャートでは、登録申請ボタン11、電子メール登録申請アイコン、郵送登録申請アイコン及び確認ボタンがボタン部45より操作される。ステップ1では、著作権保護ソフト51(機能制限付きソフトウェア1用)の起動用アイコン43aを選択した後、登録申請ボタン11をクリックする。
ステップ3では、インストール情報に代えてアイコン作製ボタンのクリック時間、起動用実行ファイルのディレクトリ情報の最新のものが選ばれる。なお、複数の機能制限付きソフトウェア1を登録申請したい場合には、ステップ1〜ステップ5の処理を繰り返す。
図5のフローチャートのステップ53で機能制限付きソフトウェア1を実行するという処理は、本実施形態では、起動用アイコン43aを選択した後、ボタン部45の実行ボタン(図示略)をクリックする。但し、起動用アイコン43aをダブルクリック等して起動も可能である。
ステップ55では、ファイルF1が存在していると判断された場合には、ファイルF1に本機能制限付きソフトウェア1に対する制限解除キーが存在するか否か判断される。制限解除キーが既に存在する場合には、図7のステップ117に飛ぶ。一方、制限解除キーが存在しない場合にはステップ57に進む。
続いてステップ59の判断によりステップ61で登録者本人と判定されたとき、ステップ63に進む。ステップ63では、まずファイルF1に本機能制限付きソフトウェア1に対する制限解除キーを付与する。また、このときには制限解除ファイル8の情報FBからパスワード等を抽出し、ファイルF1に保存する。
機能制限を解除させる方法は、例えば図24のように行う。但し、図24の前提として、図4の制限解除ファイル8の情報FBには、パスワード等が追加されているものとする。パスワードは、同一の機能制限付きソフトウェア1がバージョンアップされる場合を考え、バージョンアップの度に異ならせるのが望ましい。
このことにより、バージョンアップされた機能制限付きソフトウェア1が同一のディレクトリにインストールされた場合でも、バージョンアップの段階毎に異なる機能制限をかける等の処理が可能となる。従って、かかる場合でも前バージョンの登録者は前バージョンの機能をそのまま使用することができる。
バージョンアップされた機能制限付きソフトウェア1が異なるディレクトリにインストールされた場合には、ファイルF1にこのバージョンアップされた機能制限付きソフトウェア1の項目が新規に追加される。この際、以前のバージョンにおけるパスワード等がそのまま使用可能な場合には、著作権保護ソフト51により、まずファイルF1中に以前のバージョンの機能制限付きソフトウェア1の存在が確認される。その後、そのパスワード等がファイルF1中の以前のバージョンの機能制限付きソフトウェア1の項目中の情報からコピーされ、バージョンアップされた機能制限付きソフトウェア1の項目中に追加される。
また、機能制限付きソフトウェア1は、起動の度にパスワード等が比較され、制限を解除するか否か判断されるものとする。
図24において、ステップ350で、ファイルFNに本機能制限付きソフトウェア1に対する制限解除キーが存在するか否か判断される。存在する場合には、ステップ370に進み、ファイルFβが既に存在しているか否か判断される。ファイルFβが存在しない場合には、著作権保護ソフト51は、ステップ351でファイルFβを予め定めたディレクトリ等に作成し、このファイルFβにパスワードを記録する。この際には、バージョンアップ毎のパスワードが存在する場合には、すべてのパスワードを履歴としてFβに記録するのが望ましい。ファイルFβが既に存在している場合には、ファイルFβが不正にコピーされた場合も考えられるため、ステップ356で制限を続行する。但し、何らかのシステム等の異常原因により、ファイルFβが削除されずに残ってしまった場合も考えられるので、初回には警告を発する程度にして処理を続行させる。そして、その後もファイルFβの既に存在している状況が複数回にわたり検出されたときに、ステップ356で制限を続行するようにしてもよい。
一方、ステップ350で、制限解除キーが存在しない場合にはステップ354で図5のステップ57に飛び、再び登録者本人であるか等判断される。その後、ステップ352で起動用実行ファイルが操作され、機能制限付きソフトウェア1が自動起動される。
機能制限付きソフトウェア1は、まずステップ353でファイルFβに記録されたパスワードを読む。そして、ステップ355でパスワードが機能制限付きソフトウェア1に予め仕組まれたパスワードと一致した場合にはステップ357で機能制限付きソフトウェア1は制限解除が行われ機能制限無しソフトウェア9となる。
そして、ステップ359で、このパスワードを漏洩防止のため直ちにファイルFβを削除する。ファイルFβよりパスワードを削除するようにしてもよい。但し、この削除は、著作権保護ソフト51側で著作権保護ソフト51を終了させる際若しくはファイルFβにパスワードを付与後所定時間経過時等に行ってもよい。ステップ355でパスワードの一致が認められないときは機能制限付きソフトウェア1はステップ356で制限を続行する。
なお、ステップ119及びステップ123でのファイルFNの内容がパソコン固有の情報やOS情報と比較される点は、ステップ352における機能制限付きソフトウェア1が自動起動された後に行うようにされることも可能である。この際には、機能制限付きソフトウェア1の使用の邪魔にならないように、CPU負荷率の低い所で比較処理を行ったり、比較の時期を適宜機能制限付きソフトウェア1の起動の時期とずらす等されることが望ましい。
そして、比較の結果は、符号としてファイルF1に保存し、次の機能制限付きソフトウェア1が自動起動される場合にはこの符号を参照する。かかる方法によれば、機能制限付きソフトウェア1の起動前にパソコン固有の情報やOS情報を抽出等せずにすむ分、機能制限付きソフトウェア1が起動されるまでの時間を短縮できる。起動時間とは無関係な所で比較処理が行えるので、パソコン固有の情報やOS情報の比較対象とする点数は多く取ることができる。このため、比較の精度を向上させることができる。
また、この比較は、例えば1日に1回だけ行うようにされてもよい。この場合には、実行された時間と共に結果の符号をファイルF1に保存する。著作権保護ソフト51は、現在時刻を保存されている実行された時間と対比し、24時間経過していたならばこの比較処理を行うようにする。比較の結果の符号は、各機能制限付きソフトウェア1の起動前に参照されるようにする。このことにより、各機能制限付きソフトウェア1が起動されるまでの時間を短縮できる。
更に、OS側でパソコン固有の情報等が複数比較され、結果の参照できる場合には比較に要する時間を一層短縮できる。
以上の比較処理は、本発明の第1実施形態にも適用可能である。
なお、登録申請前には試用版ソフトウェアにより使用者は試用の確認を行う。そして、登録申請後に、ファイルF1の内容と著作権管理者等より送信された制限解除ファイル8の内容とが一致するか否かを判断する。一致した場合には、著作権保護ソフト51はファイルF1に制限解除キーを付与する。その後、著作権保護ソフト51は、ファイルF1に制限解除キーが存在する場合に、著作権管理者等より機能制限付きソフトウェア1をダウンロードするようにしてもよい。この際にパスワードもダウンロードされるのが望ましい。
または、登録申請のされた場合には、著作権管理者等より機能制限付きソフトウェア1をダウンロードするようにしてもよい。この際には、パスワード及び制限解除キーもダウンロードされる。
更に、制限解除ファイル8を省略し、機能制限付きソフトウェア1のヘッダ部(プロパティ)に制限解除ファイル8の内容やパスワード、制限解除キー等の情報を記録したり、電子透かし技術による透かし情報として、制限解除ファイル8の内容やパスワード、制限解除キー等の情報をプログラム中に埋め込んだ形でダウンロードされてもよい。この場合でも、著作権保護ソフト51は、透かし情報を読み込み、ファイルF1の内容と一致するか否か判断するのが望ましい。
情報は、例えば機能制限付きソフトウェア1のファイル名称等である。但し、著作者情報やファイル容量、機能制限内容等を加えてもよい。著作者情報等によれば、著作権の帰属も明確となる。電子透かし技術は、ディジタル情報内に人間に知覚されないような形態で別の情報を埋め込み、この埋め込んだ情報を必要時に取り出すことができるようにした技術である。そして、埋め込み時に用いた鍵情報に基づき埋め込み情報が取り出され、埋め込み位置情報は乱数により作成されるものである。
透かし情報をプログラム中に埋め込むには、例えば、プログラム中の命令間に存在する空白を利用し、この空白の数が一つのとき情報の「0」を、空白の数が2つ続くとき情報の「1」を定義する。そして、これらの情報を適宜組み合わせることで情報をプログラム中に埋め込むことで可能である。
但し、機能制限付きソフトウェア1をダウンロードする際には、機能制限付きソフトウェア1のファイルのすべてをダウンロードする必要はなく、機能制限付きソフトウェア1に更新されるべき必要なファイルのみがダウンロードされてもよい。そして、このダウンロードされた機能制限付きソフトウェア1を試用版ソフトウェアと同じパソコン(同じディレクトリにファイルを上書きしたり、機能制限付きソフトウェア1をインストールする際に試用版ソフトウェアとの間でアドレス等の関連付けを行うのが望ましい)にインストールし、前述の処理の下にパスワードにより機能制限を解除するようにしてもよい。このようにして機能制限付きソフトウェア1に更新された場合であっても、起動処理や移動処理等は前述と同様に行われる。
なお、機能制限付きソフトウェア1のファイルの一部若しくは機能制限付きソフトウェア1の全体は予め公開キー方式(例えばRSA等)や共通キー方式(例えばDES(Data Encryption Standard)等)等により暗号化(若しくは圧縮化)されてもよい。ファイルの一部が暗号化される場合には、この部分が機能制限部分に相当するのが望ましい。
先述のパスワード等は、暗号化に公開キー方式を採用し、機能制限付きソフトウェア1を公開キーにより暗号化した場合には秘密キーであり、一方、共通キー方式を採用し、機能制限付きソフトウェア1を共通キーにより暗号化した場合には、共通キーである。公開キーと秘密キーとの関係は、同時に生成され、かつ一定の密接な関係を有するキーであり、公開キーで暗号化されたデータは、秘密キーでなければ復号化できない。従って、ファイルの一部等が予め、ダウンロードサイトやCD−ROM等の記録媒体において、公開キーで暗号化されて提供されている場合には、秘密キーがパスワード等として情報FBに含まれる。一方、共通キーで暗号化された場合には、この共通キーがパスワード等として情報FBに含まれる。公開キー(秘密キー)や共通キー等は、各機能制限付きソフトウェア1毎に異なることが望ましい。
例えば、機能制限付きソフトウェア1が公開キーにより暗号化されているとすると、図5のステップ63においては、制限解除ファイル8の情報FBから秘密キーが抽出され、ファイルF1に保存される。そして、図24において、ステップ353でファイルFβに記録されるパスワードは、秘密キーである。ステップ355では、パスワードの一致を判断する代わりにこの秘密キーをキーとして機能制限付きソフトウェア1が復号化される。
なお、公開キー(秘密キー)や共通キー等は、ダウンロードされる各機能制限付きソフトウェア1毎、あるいはCD−ROM単位に異なることが一層望ましい。この際には、例えば以下のように処理する。
まず、ダウンロードされる各機能制限付きソフトウェア1等の各単位にシリアル番号を付与する。そして、付与されたシリアル番号は、著作権管理センターのデータベースに保存される。また、このシリアル番号は、各機能制限付きソフトウェア1に付帯させる付属ファイルに保存される。この付属ファイルは、機能制限付きソフトウェア1のダウンロードの際にユーザのパソコンにダウンロードされる。ユーザによりダウンロード要求のあった際(又はCD−ROM等の作成の際)には、キー生成が行われ、例えば公開キー方式を採用した場合には、公開キー及び秘密キーが生成される。この公開キーを基にまず機能制限付きソフトウェア1のファイルの一部若しくは機能制限付きソフトウェア1の全体が暗号化され、この暗号化された状態でユーザに対しダウンロード(若しくはCD−ROMに記録)される。秘密キーは、著作権管理センターのデータベースにシリアル番号と共に保存される。
機能制限付きソフトウェア1のユーザパソコンへのインストールに際しては、ソフト情報等と共にシリアル番号がまず付属ファイルよりファイルF1に保存される。そして、試用によりユーザが気に入り、機能制限付きソフトウェア1を正式に登録や購入をしたくなった場合には、ユーザは著作権保護ソフト51を介して登録申請を行う。登録申請の際には、図3のステップ19でこのファイルF1が著作権管理センターに対し送信される。著作権管理センターでは、受信したファイルF1から抽出されたシリアル番号を基にデータベースより対応する秘密キーが抽出される。この秘密キーとシリアル番号は、制限解除ファイル8の情報FBに含まれる。図5のステップ61で、登録者本人の登録申請時のパソコンと判断された場合には、ファイルF1の当該シリアル番号に対し、情報FBより秘密キーが抽出され保存される。そして、図24において、ステップ353でファイルFβに記録されているパスワードは、秘密キーである。ステップ355では、パスワードの一致を判断する代わりにこの秘密キーをキーとして機能制限付きソフトウェア1が復号化される。
次に、評価されるべき機能制限付きソフトウェア1とは別に機能制限無しソフトウェア9を準備しておき、ユーザが機能制限付きソフトウェア1を評価して正式に登録や購入をしたくなった場合には、機能制限無しソフトウェア9をダウンロードやCD−ROM等の形で提供する場合について説明する。
機能制限付きソフトウェア1がユーザパソコンへインストールされた際には、ソフト名称やこのソフトの製品番号であるプロダクトID等がファイルF1に保存される。ユーザが機能制限無しソフトウェア9を入手したくなった場合には、ユーザは著作権保護ソフト51を介して登録申請を行う。登録申請の際には、図3のステップ19でこのファイルF1が著作権管理センターに対し送信される。著作権管理センターでは、受信したファイルF1から抽出されたプロダクトID等からユーザ希望の機能制限無しソフトウェア9を抽出する。その後、この機能制限無しソフトウェア9の一部若しくは全体を暗号化する。暗号化に際しては、ファイルF1から抽出されたパソコン固有情報やOS情報、システム情報等に基づき暗号化のキーが生成されるのが望ましい。そして、この暗号化キーの生成の理論値を示すキー生成理論値aが定義されてもよい。このキー生成理論値aには、後に詳述するように暗号化キーの生成のための論理手順が示されている。
キー生成理論値aは、著作権管理センターのデータベースに保存されると共に制限解除ファイル8の情報FBに含まれる。暗号化された機能制限無しソフトウェア9と制限解除ファイル8とはインターネット等を介してユーザのパソコンに送付される。図5のステップ61で、登録者本人の登録申請時のパソコンと判断された場合には、ファイルF1の当該ソフト情報に対し、情報FBよりキー生成理論値aが抽出され保存される。そして、図24において、ステップ351でファイルFβにパスワードを投与するに際しては、ファイルF1よりパソコン固有情報やOS情報、システム情報等を抽出し、これらの情報からキー生成理論値aを基に復号化キーが生成(キー生成理論値aを基に復号化キーを生成する方法については後述)された後に、この復号化キーがパスワードとして投与される。ステップ355では、パスワードの一致を判断する代わりにこの復号化キーをキーとして機能制限無しソフトウェア9が復号化される。復号化された機能制限無しソフトウェア9はメモリ上に展開され、使用される。但し、制限解除ファイル8の情報FBにキー生成理論値aが含まれるのではなく、生成されたキー(機能制限無しソフトウェア9を公開キーにより暗号化した場合には秘密キーであり、一方、共通キーにより暗号化した場合には、共通キーである)が含まれるようにしてもよい。生成されるキーは、パソコン固有情報やOS情報、システム情報等を基に生成されるものでなくてもよい。
次に、パスワードの対比の別例を示す。図29に示すように、ステップ371で、著作権保護ソフト51はパソコンから現在の年月日時刻データを取得する。そして、ステップ351では、この年月日時刻データをパスワードに加えた上でファイルFβにデータを投与する。一方、機能制限付きソフトウェア1側では、ステップ353でファイルFβに記録されたパスワードを読み、ステップ355でパスワードの一致を判断する。パスワードが一致している場合には、ステップ373でパソコンから現在の年月日時刻データを取得する。その後、ステップ375では、このパソコンから直接取得した年月日時刻データとファイルFβから読んだ年月日時刻データとを比較する。時間特に秒が所定の誤差範囲内であるならば正常に機能したとしてステップ357で制限解除を行う。誤差範囲を超えている場合には、ステップ356に進み制限を続行する。
但し、機能制限付きソフトウェア1の起動時間及びデータのファイルFβを介しての授受に要する処理時間はパソコンの処理速度によって多少違うことが想定される。従って、パソコンの型式やこのパソコンに搭載されたCPUの型式、CPUの処理速度、搭載されたメモリの容量を検出して処理時間を推測し、この処理時間から誤差範囲を調整するようにしてもよい。推測は予め実験等により定めることが可能である。
また、この処理時間を著作権保護ソフト51側で推測し、ステップ371でパソコンから取得した現在の年月日時刻データから所定時間分を加算してファイルFβにデータを投与するようにしてもよい。このことにより、ステップ375における時間誤差を極めて小さくできる。
以上により、固定値であるパスワードに対し、変動値である年月日時刻データを付加するよう考慮したので、ファイルFβをも予めコピーしておくような違法行為に対し効果を有する。
更に、変動値という観点からいえば、例えば著作権保護ソフト51側と機能制限付きソフトウェア1側とで、予め定めた共通のキー値を用意し、著作権保護ソフト51、機能制限付きソフトウェア1の起動の度にこのキー値を更新するようにしてもよい。キー値は、例えば、2、6、15、10、50・・・等のように規則性のないデータが好ましい。そして、最初の起動時には2がパスワードに付加される。次の起動時には6がパスワードに付加される。なお、キー値はM系列符号等としてもよい。M系列符号は、2値(0と1、1と−1等)を取る2P−1(Pは適当な正整数)を周期とする2進疑似乱数列である。但し、何らかの原因により著作権保護ソフト51側と機能制限付きソフトウェア1側とで、エラー等の原因によりデータが不一致となる場合も考えられる。この場合には、強制的にその回のキー値を一致させてしまう。しかしながら、続けて複数回にわたり不一致の状態が続いた場合には、ステップ356で制限を続行する。
なお、これらの変動値も暗号化されるのが望ましい。
また、パスワードが固定値であっても、著作権保護ソフト51より、このパスワードの一桁ずつを順次ファイルFβに投与するようにしてもよい。そして、機能制限付きソフトウェア1側では、ファイルFβに記録されたパスワードの一桁ずつを読む。パスワードの始めには開始符号が付けられ、パスワードの終わりには終了符号が付けられるのが望ましい。このことによっても、パスワードの全体が漏れたり、不正行為が行われ難くすることができる。
更に、機能制限付きソフトウェア1側でこのパスワードの一桁が読めた場合には、機能制限付きソフトウェア1側よりファイルFβに受信確認符号を記録するようにしてもよい。そして、この受信確認符号が、著作権保護ソフト51側で読まれた場合には、著作権保護ソフト51側より次のパスワードの一桁をファイルFβに記録するようにする。
一方、図24の別態様を図25に示す。図5のステップ61で登録者本人と判定されたとき、ステップ360で起動用実行ファイルが操作され、機能制限付きソフトウェア1が自動起動される。そして、ステップ362でファイルFNに本機能制限付きソフトウェア1に対する制限解除キーが存在するか否か判断される。存在する場合には、ステップ361で著作権保護ソフト51は機能制限付きソフトウェア1のパスワード入力画面でパスワード欄にパスワードを自動入力する。また、パスワードを入力すべきパスワード欄をマウス操作等により指定させ、その後パスワードを自動入力するようにしてもよい。
一方、ステップ362で制限解除キーが存在しない場合には、ステップ366で図5のステップ57に飛び、再び登録者本人であるか等判断される。ステップ361でパスワード入力された後、ステップ363で確認ボタンが自動操作されることでステップ364でパスワードが機能制限付きソフトウェア1に予め仕組まれたパスワードと一致するか否か判断される。一致したときステップ365で制限解除が行われ機能制限無しソフトウェア9となる。一致しない場合にはステップ367で機能制限を続行させる。
また、図6のステップ95の別のパソコンでの登録申請も著作権保護ソフト51の表示画面で問い合わせがされることで処理される。図7のステップ111で機能制限無しソフトウェア9を実行するというのは、機能制限付きソフトウェア1を実行することになる。
図5のステップ53と同様に、起動用アイコン43aを選択した後、ボタン部45の実行ボタン(図示略)をクリックする。ステップ121も図24又は図25のようにして制限を解除する。ステップ115では、ファイルFNの本機能制限付きソフトウェア1に対する制限解除キーを削除する。図8の移動申請ボタン31、図9の移動受付ボタン33、ステップ217で移動受付されたパソコンもボタン部45に備えられる。
図8のステップ201は、移動先予定のパソコンで、まずツリー表示部41から機能制限付きソフトウェア1の起動用実行ファイルを選択し、続いてボタン部45のアイコン作製ボタン(図示略)をクリックして著作権保護ソフト51(機能制限付きソフトウェア1用)の起動用アイコン43aを作製する。そして、この起動用アイコン43aを選択する。
図11のステップ231の移動先ボタンは起動用アイコン43aが選択されている状態でボタン部45に表示された移動先パソコンを選択する。また、ステップ237の機能制限は、この移動先パソコンが選択された後には、ファイルFNの本機能制限付きソフトウェア1に対する制限解除キーを削除する。
図12及び図14の使用パソコンボタン35もボタン部45に備えられている。ステップ251では、起動用アイコン43aを起動する。ステップ275の処理は、先に述べた図5のステップ63の処理と同様である。
図16のステップ111で機能制限無しソフトウェア9を実行するというのは、機能制限付きソフトウェア1を実行することになる。ステップ121も図24又は図25のようにして制限を解除する。ステップ115では、ファイルFNの本機能制限付きソフトウェア1に対する制限解除キーを削除する。
なお、ステップ111における機能制限無しソフトウェア9の実行は、スタートメニュー、スタートアップ、デスクトップよりダブルクリック等によっても行えるので、使用の段階では著作権保護ソフト51の存在を意識せずに各ソフトウェアの使用が可能である。
図20のステップ321のグループ単位に移動ボタン39もボタン部45に備えられている。選択可能なパソコンPCのスイッチ表示もボタン部45で行われる。そして、ステップ325でその内から移動先である一つのパソコンを選択する。起動用アイコン43aは、本パソコンで使用可能なものが色分け表示等される。ステップ331では、本パソコンより移動される機能制限付きソフトウェア1に対する制限解除キーを削除する。
次に、移動先のパソコンPCXに移り、著作権保護ソフト51のボタン部45からグループ単位に移動ボタン39をクリックする(図21のステップ341)。ステップ253で、ボタン部45の使用パソコンボタン35をクリックする。ステップ255でデータの保存場所を選択させる。フレキシブルディスクの場合にはフレキシブルディスクが要求される。ステップ257でステップ329で保存されたデータがフレキシブルディスク等から読み取られる。ステップ343で読み取られたデータからグループ一括移動符号Gを検出する。
グループ一括移動符号Gが検出された場合には、続いて各機能制限付きソフトウェア1について順次図12に示すステップ259以降の処理が行われる。そして、それぞれの機能制限付きソフトウェア1について、ステップ275では、制限の解除を行う代わりに、ステップ259〜ステップ269の判断結果がすべてYESの場合に制限解除キーをグループ一括移動符号Gと共にファイルFXの各機能制限付きソフトウェア1に対し記録する。
以上の処理は、各機能制限付きソフトウェア1が実行されない状態で、移動の行われたすべての機能制限付きソフトウェア1について一時に行われる。以降、図24に従い機能制限が解除される。
また、機能制限付きソフトウェア1にアンインストールソフトが実行ファイル等として備えられている場合には、この実行ファイル等を選択し、続いてボタン部45のアンインストールボタン(図示略)をクリック等する。
このとき、この実行ファイルが起動された時間TUNと実行された事実であるアンインストール情報UN符号とをファイルFNに記録する。アンインストールソフトが実行ファイル等として備えられていないような場合には、アンインストールが行われたか否かをファイルFNの最新の移動履歴データの後にインストールされた事実があるか否かで判断する。
なお、これらの点は本発明の第2実施形態でも同様であり、図22のステップ402で機能制限付きソフトウェア1を実行するのは、起動用アイコン43aを選択した後、ボタン部45の実行ボタン(図示略)をクリック等する。パソコンの使用問い合わせも著作権保護ソフト51の表示画面で問い合わせがされることで処理される。
ステップ411は、まずファイルFNに本機能制限付きソフトウェア1に対する制限解除キーを付与し、図24又は図25のようにして制限を解除する。ステップ415では、ファイルFNに本機能制限付きソフトウェア1に対する制限解除キーを付与しない。
以上により、著作権保護ソフト51を利用することで、この著作権保護ソフト51とは独立して作られた機能制限付きソフトウェア1であっても簡単に管理できる。機能制限付きソフトウェア1が、どのような言語で作成されたものであっても著作権保護が可能である。著作権保護ソフト51と機能制限付きソフトウェア1とは互いに独立しているので、互いの責任範囲も明確である。著作権保護ソフト51の存在によっても、機能制限付きソフトウェア1の性能や処理速度等は何ら変わることはない。
また、この著作権保護ソフト51の1台で複数の機能制限付きソフトウェア1の管理が可能である。既存の機能制限付きソフトウェア1に対しては、パスワードの処理方法を変える(例えば、予め指定されたファイルからパスワードを読み取る)という簡単な修正のみで適用可能である。また、著作権保護ソフト51によるパスワードのパスワード欄への自動入力を行うようにすれば、修正は不要である。従って、インターネット上等で配信されるシェアウェアソフト等に有効に寄与する。
また、独立した登録用ソフト部分3及び識別ソフト部分5等(著作権保護ソフト51)を予め用意しておき、シェアウェアソフトである各機能制限付きソフトウェア1等毎に、この登録用ソフト部分3及び識別ソフト部分5等(著作権保護ソフト51)を一緒にセットにしてインターネット上等で配信するようにしてもよい。この場合、機能制限付きソフトウェア1と著作権保護ソフト51の間には、先述のように予め関連付けを行っておく。そして、ダウンロード後の解凍時等には、著作権保護ソフト51(機能制限付きソフトウェア1用)の起動用アイコン43aが、スタートメニュー、スタートアップ、デスクトップに登録されるようにする。但し、オプション設定により登録場所が選択されるようにしてもよい。
起動用アイコン43a、著作権保護ソフト51、機能制限付きソフトウェア1の起動用実行ファイル間の関連付けにより、起動用アイコン43aをクリックすることにより、登録されたパソコンでの使用か否か等の著作権保護ソフト51による判断が行われた後に、機能制限付きソフトウェア1の起動用実行ファイルを実行させる等の順を追った処理が行える。登録申請や移動処理も登録用ソフト部分3を利用して行える。もちろん、従来通り機能制限付きソフトウェア1の起動用実行ファイルを実行させることも可能であるが、この場合には、例えばパスワードが付与されず機能制限は解消されない。
なお、著作権保護ソフト51を常駐タスクに常駐させた場合には、必要の都度常駐タスク内のアイコンを起動させることで著作権保護ソフト51を起動可能である。また、常駐させない場合でも、エクスプローラ画面等から著作権保護ソフト51の実行ファイルを直接選択し実行させるようにしても著作権保護ソフト51を起動可能である。起動用アイコン43a上にて右クリックし、選択メニューを表示し、その中から著作権保護ソフト51の起動を選択することで著作権保護ソフト51を起動可能としてもよい。著作権保護ソフト51の起動アイコンを作成するようにしてもよい。著作権保護ソフト51が起動された場合には、登録申請や移動処理等を可能とする画面表示がされる。なお、移動処理の部分は、登録申請部や識別ソフト部等とは独立させることも可能である。移動処理用の起動アイコンを独立させるようにしてもよい。
このようにセット配信した場合でも、既存の機能制限付きソフトウェア1に対し、パスワードの処理方法を変える(例えば、予め指定されたファイルからパスワードを読み取る)という簡単な修正のみで適用可能である。機能制限付きソフトウェア1は登録されたパソコンで使用可能である。
また、独立した登録用ソフト部分3及び識別ソフト部分5等(著作権保護ソフト51)を予め用意しておき、各シェアウェアソフト等毎に、この登録用ソフト部分3及び識別ソフト部分5等(著作権保護ソフト51)を組み込んでインターネット上で配信等するようにしてもよい。但し、登録用ソフト部分3は機能処理とは無関係な部分なので組み込まずにおくことも可能である。
この組み込みは、シェアウェアソフト等が所定のプログラムステップに到ったときに、著作権保護ソフト51の識別処理等のプログラムが実行されればよい。従って、著作権保護ソフト51のプログラム自体(識別ソフト部分5等)を各シェアウェアソフト等に内蔵させたものであってもよいし、各シェアウェアソフト等のプログラムの一部に著作権保護ソフト51(識別ソフト部分5等)を動作させる関数を組み込んだものであってもよい。著作権保護ソフト51のプログラム自体(識別ソフト部分5等)を各シェアウェアソフト等に内蔵させた場合には、ファイルFβ等を介してのデータの授受等を無くすことも可能である。従って、図24中のステップ370、ステップ359の処理は省略してもよい。
プログラムの一部に著作権保護ソフト51(識別ソフト部分5等)を動作させる関数を組み込んだ場合には、著作権保護ソフト51の動作命令により、識別ソフト部分5が機能し、先述と同様の処理を行った上で著作権保護ソフト51はファイルFβを作成し、パスワードを記録する。一方、シェアウェアソフト等では、著作権保護ソフト51の動作に続くプログラムステップにおいて、ファイルFβに記録されたパスワードを読みパスワードの一致を判断する。この場合でも、既存の機能制限付きソフトウェア1に対し簡単な修正のみで適用可能である。
なお、著作権保護ソフト51は、シェアウェアソフト等とセット配信等される以外に、CD−ROM等の記録媒体にて機能制限付きソフトウェア1と一緒に頒布されてもよい。また、CD−ROM等には機能制限付きソフトウェア1のみを保存し、この機能制限付きソフトウェア1がユーザーのパソコンにインストールされた後に、対応する著作権保護ソフト51を所定のサイトよりダウンロードするようにしてもよい。この場合であっても、機能制限付きソフトウェア1のインストールされたディレクトリはファイルF1を参照することで分かるので、著作権保護ソフト51と機能制限付きソフトウェア1の関連付けは維持される。従って、著作権保護ソフト51と機能制限付きソフトウェア1とは、それぞれ別のディレクトリにインストールされることも可能である。なお、ディレクトリはレジストリにて確認してもよい。
また、この使用可能なパソコンは逐次移動可能である。移動された場合には移動元のパソコンは使用不可能となる。従って、事務所内の移動や家庭と会社間の移動等にも対処可能である。移動作業も簡単である。パソコンを新規に購入した場合にも簡単に新規パソコンに移行できる。この際には、以前のパソコンでのソフト使用権は購入後のパソコンに移る。グループ単位又はパソコン単位で機能制限解除の移動も可能である。
なお、登録用ソフト部分3による登録申請処理の一部や、使用権の移動処理、識別ソフト部分5による識別処理は、パソコン側ではなく、インターネットのサーバ側にて処理することも可能である。
OSが再インストールされたときやフレキシブルディスクが破損等された場合にも簡単に対処可能である。使用パソコンが限定された場合に起こりうる、パソコンの新規購入やOSの再インストールを理由とされて、著作権管理者が複数のソフト使用許可を乱発せざるを得なくなるといった問題も起こらない。
次に、複数の機能制限付きソフトウェア1をパソコンの起動時等に順を追って起動させる場合について説明する。上記では、各著作権保護ソフト51(機能制限付きソフトウェア1用)の起動用アイコン43aが、スタートアップにそれぞれ登録されることで起動処理を行うとして説明した。しかしながら、起動の際に、多くのソフトウェアが同時に起動するようなことは避けるのが好ましい。
このため、図30に示すように、パソコンの起動時に起動させたい機能制限付きソフトウェア1を、起動順位欄111に希望の起動順に時系列に設定可能とする。このとき、起動用アイコン表示部43に存在する各著作権保護ソフト51(機能制限付きソフトウェア1用)の起動用アイコン43aをドラッグアンドドロップにて起動順位欄111まで移動可能である。起動順位欄111における順位の変更も、ドラッグアンドドロップによる移動にて変更可能である。そして、起動の際には、各順位順に従って重複のないように起動する。このため、一つの機能制限付きソフトウェア1の起動が終了するまでに次の機能制限付きソフトウェア1が起動しないように、メモリの負荷率を監視する。そして、この負荷率が設定値以下になったときに次の機能制限付きソフトウェア1を起動させる。但し、各機能制限付きソフトウェア1同士の間にタイマーを設定し、このタイマーの時間をユーザーが任意に調整可能としてもよい。
パソコンのWindows(R)ディレクトリ下のスタートアップには著作権保護ソフト51の起動用アイコンを設定する。このことにより、パソコンの起動と共に著作権保護ソフト51が起動され、その後指定された順位に従い機能制限付きソフトウェア1が起動される。この際には、登録されたパソコンでの使用か否か等の著作権保護ソフト51による判断が行われた後に、機能制限付きソフトウェア1の起動用実行ファイルを実行させる等の順を追った処理が行える。
なお、この起動順位欄111には、著作権保護ソフト51による判断を行わない通常のソフトウェアを設定することも可能である。この場合には、ツリー表示部41から任意のソフトウェアの起動用実行ファイルを選択し、続いてボタン部45のアイコン作製ボタン(図示略)をクリックして、このソフトウェアの起動用アイコン113aを起動用アイコン表示部43に作製する。起動用アイコン113aは、起動用アイコン43aと色を変えて表示されるのが望ましい。そして、この起動用アイコン113aを、起動順位欄111の希望とする位置にドラッグアンドドロップにて挿入することで可能である。
また、著作権保護ソフト51の起動用アイコンを、スタートメニュー、デスクトップ等に登録し、プログラムランチャーとして機能させてもよい。
更に、マウス操作やキーボード操作をシーケンシャルにその操作手順を記録し、再生可能なソフトウェアを起動順位欄111の途中に登録し、予め登録した操作手順に従い操作手順を再生するようにすれば、各ソフトウェアが起動後に、その後の処理まで自動化可能である。
なお、この起動順位欄111には、著作権保護ソフト51と機能制限付きソフトウェア1がセットされたものも設定可能である。この場合であっても、著作権保護ソフト51(機能制限付きソフトウェア1用)の起動用アイコン43aを希望の順位に設定すればよい。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本発明の第4実施形態では、本発明の第3実施形態と同様に、本発明の第1実施形態及び第2実施形態の登録用ソフト部分3及び識別ソフト5部分を独立したソフトとし、これらの機能を動画や静止画等の映像配信ソフト、音楽配信ソフト、映像、音楽等が収められたコンパクトディスクやインターネットによる配信等(以下、音楽配信ソフト等という)に適用した場合である。
音楽配信ソフト等は例えばイントロ部分若しくは特徴のある部分をわずかの時間だけ又はインストール後の所定期間のみ見聞き可能なように、試用制限された試用制限付きファイル61である。この際には、イントロ部分若しくは特徴のある部分のみをファイル化し、残りの部分を省略してもよいし、イントロ部分若しくは特徴のあるデータ部分を残し、その他のデータ部分を暗号化(若しくは圧縮化等)するようにしてもよい。但し、音楽配信ソフト等の全体が試用制限されるべく、試用制限付きファイル61の全体に対し暗号化(若しくは圧縮化等)されるようにしてもよい。
静止画等の場合には、大きさが制限されたり、画素数や色彩が制限されたものである。制限は、例えば、各画素の有する色彩のディジタル情報値に対し、原画像を縦横それぞれ複数の画素に分解した範囲若しくは原画像のすべての範囲にわたり特定のディジタル信号を加算若しくは減算することで、モザイク風若しくは全体的に画質を劣化させたものである。本発明の第4実施形態の著作権保護ソフト71の表示画面の例を図26に示す。なお、図23と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図26において、画面中左半分は例えばマイクロソフト(R)社のエクスプローラ画面のように、ドライブ、ディレクトリ、ファイルが階層構造にツリー状に示されたツリー表示部41である。但し、ファイルは、単なるファイル名称に代え、試用制限付きファイル61から曲名等を抽出し、曲名等の理解し易い名称に変えて表示する。
また、音楽配信ソフト等のみを一覧表示するようにしてもよい。また、画面中右半分は例えば音楽配信ソフトや動画の場合にはプレーヤー65である。 このプレーヤー65は、著作権保護ソフト71にもともと組み込んでもよいが、例えばタスクバーのスタート63をクリックし、必要なプレーヤー65をスタートメニューより選択するようにしてもよい。
なお、プレーヤー65は、演奏等するときにこの著作権保護ソフト71とは別に独立して起動させてもよい。また、著作権保護ソフト71は、著作権保護ソフト51と独立させてもよいが、モード選択することにより一緒のソフトとすることもできる。この場合には、例えばアプリケーションソフト、ゲームソフト、音楽、動画、静止画等の各モードを選択するモード選択ボタンをボタン部45に配設する。
コンパクトディスク等で収められている情報が容量の大きい場合には、インストールによりすべてのデータがファイル化されてハードディスクに保存されるのではなく、曲名や試用制限を解除するためのパスワード等の必要な最小限のものがファイルとして保存されればよい。試用制限付きファイル61は、ダウンロードやCD−ROM等の記録媒体により供給される。試用により、継続して見聞きしたい場合には、次のようにまず登録申請を行う。
図3において、ツリー表示部41から試用制限付きファイル61を選択し、続いてボタン部45の登録申請ボタン11をクリックする。ステップ3のインストール情報は、例えば登録申請ボタンをクリックした時間あるいは試用制限付きファイル61を選択した時間等とする。聞きたい曲目等が複数存在する等により試用制限付きファイル61を複数登録申請したい場合には、ステップ1〜ステップ5の処理を繰り返す。そして、ボタン部45の選択完了ボタン(図示略)をクリックする。その後、ステップ7以降の処理を行う。
図4の制限解除ファイル8の情報FBには、パスワード等が追加されているものとする。また、試用制限付きファイル61は、起動の度にパスワード等と比較され、制限を解除するか否か判断されるものとする。なお、この試用制限付きファイル61のファイルの一部若しくは全体が、予め暗号化(若しくは圧縮化)されている場合には、この暗号化に使用されたキーと一定の関係のあるキーでなければ復号化(若しくは解凍化)されない。一定の関係のあるキーは、パスワード等として情報FBに含まれる。暗号化には、例えば公開キー方式や共通キー方式を採用可能である。
パスワード等は、暗号化に公開キー方式を採用し、試用制限付きファイル61を公開キーにより暗号化した場合には秘密キーであり、一方、共通キー方式を採用し、試用制限付きファイル61を共通キーにより暗号化した場合には、共通キーである。公開キーと秘密キーとの関係は、同時に生成され、かつ一定の密接な関係を有するキーであり、公開キーで暗号化されたデータは、秘密キーでなければ復号化できない。従って、ファイルの一部等が予め、ダウンロードサイトやCD−ROM等の記録媒体において、公開キーで暗号化されて提供されている場合には、秘密キーがパスワード等として情報FBに含まれる。一方、共通キーで暗号化された場合には、この共通キーがパスワード等として情報FBに含まれる。公開キー(秘密キー)や共通キー等は、各試用制限付きファイル61毎に異なることが望ましい。
図5のフローチャートのステップ53で機能制限付きソフトウェア1を実行するという処理は、試用制限付きファイル61が音楽配信ソフト等のデータファイルである場合には、もともと実行ファイルの形式ではないことが想定される。このため実行という形式にはそぐわない。
従って、ステップ53で機能制限付きソフトウェア1を実行するという処理は、著作権保護ソフト71を起動することとする。また、ステップ55では、ファイルFNが存在する場合には、そのファイルFNの試用制限付きファイル61(各曲目等)に制限解除キーが存在するか否か判断される。ファイルFNが複数存在する場合にはすべてのファイルFNの試用制限付きファイル61(各曲目等)に制限解除キーが存在するか否か判断される。
また、一つのファイルFNに複数の試用制限付きファイル61(各曲目等)が存在する場合には、すべての試用制限付きファイル61(各曲目等)にわたり、制限解除キーが存在するか否か判断される。制限解除キーが存在しない場合には、ステップ57に進む。
ステップ59で、ファイルF1の内容と制限解除ファイル8の情報FBの内容を比較するに際しては、試用制限付きファイル61のヘッダ部に予め情報を記録したり、電子透かし技術により曲や画像中に情報を予め埋め込んでおく。そして、この埋め込み等された情報を読み出すことで、ファイルF1の内容、制限解除ファイル8の情報FBの内容と読み出した情報を比較し、一致するか否かを判断するのが望ましい。なお、制限解除ファイル8を省略し、情報FBの内容を試用制限付きファイル61のヘッダ部や、電子透かしにて曲や画像、プログラム中に埋め込んだ形で著作権管理者側よりダウンロードされてもよい。この場合には、この埋め込み等された情報を読み出してファイルF1の内容と比較する。
情報は、例えば試用制限付きファイル61(各曲目等)の曲名やファイル名称等である。但し、著作者情報や機能制限の内容等を加えてもよい。著作者情報等によれば、著作権の帰属も明確となる。機能制限の内容が埋め込まれていれば、この透かし情報を読み取り、再生の際にその内容に応じた機能制限をかけることができる。また、透かし情報の読み取り及び機能制限の可能な本発明とは異なる他の再生機器等に試用制限付きファイル61(各曲目等)が移された場合でも、データの仕様が統一されたものであれば、機能制限に応じた形での再生処理が可能である。
なお、図3で登録申請された試用制限付きファイル61を記憶しておき、この試用制限付きファイル61のヘッダ部や電子透かし技術により埋め込まれた透かし情報等に制限解除キーが存在しない場合にステップ57に進むようにしてもよい。ステップ61で登録者本人と判定された場合にはステップ63に進み、ファイルFNの試用制限付きファイル61(各曲目等)に対し制限解除キーを設定する。ステップ67では、制限解除キーの設定された試用制限付きファイル61を色分け表示等により区別する。
また、図6のステップ95の別のパソコンでの登録申請も著作権保護ソフト51の表示画面で問い合わせがされることで処理される。図7のステップ111で機能制限無しソフトウェア9を実行するという処理は、著作権保護ソフト71を起動することとする。ステップ113では、すべての試用制限付きファイル61について対応するファイルFNが存在するか否か判断される。ステップ117では、ファイルFNの内容にUP符号が存在するか否か判断される。
ステップ121では、このステップ121の処理に代えて、図27及び図28の処理が行われる。図27において、ステップ501でツリー表示部41から試用制限付きファイル61を選択する。この際には、ステップ67で制限解除キーの設定された試用制限付きファイル61が色分け表示等により区別され、この試用制限付きファイル61から選択することが可能なので選択し易い。
選択後、ステップ503でボタン部45の選択ボタン(図示略)をクリックする。複数曲を選択したい場合には、ステップ501〜ステップ505を繰り返す。ステップ505で選択を終了する場合には、次のステップ507に進みボタン部45の選択完了ボタン(図示略)をクリックする。
このとき選択された順番に従い以降の処理で再生が行われる。但し、ステップ505とステップ507の間に選択された順番を入れ換える処理を挿入してもよい。
選択完了ボタンがクリックされると、ステップ509で、例えば1番目に選択された曲目について制限解除キーが設定されているか否か判断される。制限解除キーが設定されていれば、ステップ511でファイルFβにその曲に割り当てられたパスワードが投与される。
制限解除キーが設定されていなければ、ステップ513でファイルFβにパスワードを投与しない。ステップ515で、選択されたすべての試用制限付きファイル61について処理が行われたか否か判断され、すべてが終了した場合にはステップ517で停止する。
次に、これらの選択された試用制限付きファイル61を再生する方法について説明する。
図28において、ステップ531でプレーヤー65の再生ボタンをクリックする。プレーヤー65は、まずステップ533で、選択された順番に従い試用制限付きファイル61よりデータを読む。このデータ中には、曲データの他にパスワードも含まれている。このパスワードは、例えばヘッダ部や透かし情報等に組み込まれている。パスワードは暗号化されるのが望ましい。続いてステップ535でファイルFβのデータを読む。
ステップ537で試用制限付きファイル61より読み込んだデータとファイルFβより読み込んだデータが比較され、その試用制限付きファイル61(例えば曲)に対応したパスワードが一致した場合には、ステップ539でその試用制限を解除する。
そして、ステップ541でファイルFβよりこのパスワードを漏洩防止のため直ちに削除する。但し、この削除は著作権保護ソフト71を終了させる際に著作権保護ソフト71側で行ってもよい。一方、パスワードが一致しない場合には、ステップ543で試用制限を継続する。
なお、試用制限付きファイル61の一部若しくは全体が暗号化(若しくは圧縮化)されている場合には、ファイルFβより読み込んだパスワード等をキーとして試用制限付きファイル61の復号化(若しくは解凍化)を行う。例えば、試用制限付きファイル61が公開キーで暗号化されている場合には、パスワード等として用意された対応する秘密キーにより復号化が可能である(あるいは共通キーで暗号化されている場合には、パスワード等として用意されたこの共通キーにより復号化が可能である)。このため、図5のステップ63においては、制限解除ファイル8の情報FBから秘密キーが抽出され、ファイルF1に保存される。そして、図28においてはステップ533は省略され、ステップ535でファイルFβに記録されているパスワードは、秘密キーである。この秘密キーは、図27のステップ511においてファイルFβに投与される。図28のステップ537では、パスワードの一致を判断する代わりにこの秘密キーをキーとして試用制限付きファイル61が復号化される。復号化等されたデータは例えばメモリ上に展開される。プレーヤー65は、この復号化等された試用制限付きファイル61のデータを基に再生を行う。
なお、公開キー(秘密キー)や共通キー等は、ダウンロードされる各試用制限付きファイル61毎、あるいはCD−ROM単位に異なることが一層望ましい。この際には、例えば以下のように処理する。
まず、ダウンロードされる各試用制限付きファイル61等の各単位にシリアル番号を付与する。そして、付与されたシリアル番号は、著作権管理センターのデータベースに保存される。また、このシリアル番号は、各試用制限付きファイル61に付帯させる付属ファイルに保存される。この付属ファイルは、試用制限付きファイル61のダウンロードの際にユーザのパソコンにダウンロードされる。ユーザによりダウンロード要求のあった際(又はCD−ROM等の作成の際)には、キー生成が行われ、例えば公開キー方式を採用した場合には、公開キー及び秘密キーが生成される。この公開キーを基にまず試用制限付きファイル61のファイルの一部若しくは試用制限付きファイル61の全体が暗号化され、この暗号化された状態でユーザに対しダウンロード(若しくはCD−ROMに記録)される。秘密キーは、著作権管理センターのデータベースにシリアル番号と共に保存される。
試用制限付きファイル61のユーザパソコンへのインストールに際しては、ファイル情報等と共にシリアル番号がまず付属ファイルよりファイルF1に保存される。そして、試聴等によりユーザが気に入り、試用制限付きファイル61を正式に登録や購入をしたくなった場合には、ユーザは著作権保護ソフト71を介して登録申請を行う。登録申請の際には、図3のステップ19でこのファイルF1が著作権管理センターに対し送信される。著作権管理センターでは、受信したファイルF1から抽出されたシリアル番号を基にデータベースより対応する秘密キーが抽出される。この秘密キーとシリアル番号は、制限解除ファイル8の情報FBに含まれる。図5のステップ61で、登録者本人の登録申請時のパソコンと判断された場合には、ファイルF1の当該シリアル番号に対し、情報FBより秘密キーが抽出され保存される。そして、図28において、ステップ535でファイルFβに記録されているパスワードは、秘密キーである。ステップ537では、パスワードの一致を判断する代わりにこの秘密キーをキーとして試用制限付きファイル61が復号化される。
次に、評価されるべき試用制限付きファイル61とは別に試用制限のされていない試用制限無しファイル62を準備しておき、ユーザが試用制限付きファイル61を評価して正式に登録や購入をしたくなった場合には、試用制限無しファイル62をダウンロードやCD−ROM等の形で提供する場合について説明する。 試用制限付きファイル61がユーザパソコンへインストールされた際には、ファイル名称(曲名等)やこのファイルの製品番号であるプロダクトID等がファイルF1に保存される。ユーザが試用制限無しファイル62を入手したくなった場合には、ユーザは著作権保護ソフト71を介して登録申請を行う。登録申請の際には、図3のステップ19でこのファイルF1が著作権管理センターに対し送信される。著作権管理センターでは、受信したファイルF1から抽出されたプロダクトID等からユーザ希望の試用制限無しファイル62を抽出する。その後、この試用制限無しファイル62の一部若しくは全体を暗号化する。暗号化に際しては、ファイルF1から抽出されたパソコン固有情報やOS情報、システム情報等に基づき暗号化のキーが生成されるのが望ましい。そして、この暗号化キーの生成の理論値を示すキー生成理論値aが定義されてもよい。このキー生成理論値aには、後に詳述するように暗号化キーの生成のための論理手順が示されている。
キー生成理論値aは、著作権管理センターのデータベースに保存されると共に制限解除ファイル8の情報FBに含まれる。暗号化された試用制限無しファイル62と制限解除ファイル8とはインターネット等を介してユーザのパソコンに送付される。図5のステップ61で、登録者本人の登録申請時のパソコンと判断された場合には、ファイルF1の当該ファイル情報に対し、情報FBよりキー生成理論値aが抽出され保存される。そして、図27において、ステップ511でファイルFβにパスワードを投与するに際しては、ファイルF1よりパソコン固有情報やOS情報、システム情報等を抽出し、これらの情報からキー生成理論値aを基に復号化キーが生成(キー生成理論値aを基に復号化キーを生成する方法については後述)された後に、この復号化キーがパスワードとして投与される。ステップ537では、パスワードの一致を判断する代わりにこの復号化キーをキーとして試用制限無しファイル62が復号化される。復号化された試用制限無しファイル62はメモリ上に展開され、プレーヤー65により再生される。但し、制限解除ファイル8の情報FBにキー生成理論値aが含まれるのではなく、生成されたキー(試用制限無しファイル62を公開キーにより暗号化した場合には秘密キーであり、一方、共通キーにより暗号化した場合には、共通キーである)が含まれるようにしてもよい。生成されるキーは、パソコン固有情報やOS情報、システム情報等を基に生成されるものでなくてもよい。
また、ステップ537でパスワードが一致するか否か判断することとしたが、パスワードに代えて、図4の制限解除ファイル8の情報FBには、曲等のディジタル信号データの内の初期の複数点(例えばサンプリングデータ等)をデータとして追加し、制限解除キーが存在する場合には、ファイルFβにこのデータを投与する。そして、試用制限付きファイル61より読み込んだデータとファイルFβより読み込んだデータを比較するようにしてもよい。
また、試用制限付きファイル61より読み込んだデータとファイルFβより読み込んだデータを比較するのではなく、その試用制限付きファイル61の例えばヘッダ部や透かし情報等に制限解除キーが存在する場合には、プレーヤー65側でその試用制限付きファイル61を無条件に再生するようにすることも可能である。このとき、例えばステップ511で、ファイルFβに試用制限付きファイル61に対する所定のキーを投与する。
プレーヤー65側では、この所定のキーがファイルFβに存在する場合には、ステップ539でこの試用制限付きファイル61の制限を解除し、演奏等を続行する。但し、プレーヤー65と著作権保護ソフト71を一体化した場合には、このようなファイルFβを介して所定のキーを交換しあうという処理が無くなるため、一層の簡単化及び秘密漏洩防止等の安全化が図れる。
図7において、ステップ113でファイルFNの存在しない試用制限付きファイル61については、ステップ115に進み、図27及び図28の処理は行われず、試用制限は解除されない。また、ステップ119及びステップ123で不一致の場合には、ファイルFNの試用制限付きファイル61(各曲目等)から制限解除キーを削除する。図8の移動申請ボタン31、図9の移動受付ボタン33、ステップ217で移動受付されたパソコンもボタン部45に備えられる。
図11のステップ231の移動先ボタンは、試用制限付きファイル61が選択されている状態でボタン部45に表示された移動先パソコンをスイッチ選択する。また、ステップ237の機能制限は、この移動先パソコンが選択された後には、ファイルFNの本試用制限付きファイル61(各曲目等)に対する制限解除キーを削除する。
図12及び図14の使用パソコンボタン35もボタン部45に備えられている。ステップ251の機能制限付きソフトウェアの起動は、著作権保護ソフト71の起動とする。ステップ275は、各曲目(試用制限付きファイル61)等に対しファイルFNに制限解除キーを設定する。ステップ279では、制限解除キーの設定された試用制限付きファイル61を色分け表示等により区別する。
ステップ260の機能制限は、ファイルFNに試用制限付きファイル61に対する制限解除キーを付与しないことである。図16のステップ111で機能制限無しソフトウェア9を実行するという処理は、著作権保護ソフト71を起動することとする。
ステップ121では、このステップ121の処理に代えて、図27及び図28の処理が行われる。ステップ115では、ファイルFNの試用制限付きファイル61に対する制限解除キーを削除する。
図20のステップ321のグループ単位に移動ボタン39もボタン部45に備えられている。選択可能なパソコンPCのスイッチ表示もボタン部45で行われる。そして、ステップ325でその内から移動先である一つのパソコンを選択する。試用制限付きファイル61は、ファイルFNの制限解除キーの存在から本パソコンで使用可能なものが色分け表示等される。
なお、静止画のように、パスワードで管理されるのがふさわしくないような場合には、図27のステップ511で所定のキーを投与するようにしてもよい。この所定のキーは、パスワードが各曲目毎に異なるのとは違い、すべての静止画に共通のキーとするのが望ましい。
また、図28のステップ531では画像表示ソフトを起動する。ステップ533では、静止画を区別するファイル名等を読む。ステップ535ではファイルFβより所定のキーを読み、ステップ537で所定のキーが存在する場合には、ステップ539で機能制限を解除する。
なお、これらの点は本発明の第2実施形態でも同様であり、図22のステップ402で機能制限付きソフトウェア1を実行するという処理は、著作権保護ソフト71を起動することとする。パソコンの使用問い合わせも著作権保護ソフト71の表示画面で問い合わせがされることで処理される。
ステップ411は、各曲目等に対しファイルF1に制限解除キーを設定する。ステップ413では、制限解除キーの設定された試用制限付きファイル61を色分け表示等により区別する。ステップ415では、ファイルFNに本試用制限付きファイル61に対する制限解除キーを付与しない。
プレーヤー65の再生は、図28の処理を行えばよいので、著作権保護ソフト71とは独立させて起動し、マイクロソフト(R)社のエクスプローラ画面で試用制限付きファイル61を選択したり、又はプレーヤー65でファイル−開く等の手順に従っても再生処理が可能である。
なお、著作権保護ソフト71は、プレーヤー65等と独立させるとして説明したが、この著作権保護ソフト71の機能をプレーヤー65等に含んでもよい。また、プレーヤー65等はハードウェアで構成され、著作権保護ソフト71がその中に組み込まれてもよい。この際には、ボタン部45のボタン類はハードウェアで構成されるボタンとしてもよい。
なお、図27のステップ507〜ステップ517の処理において、選択されたすべての試用制限付きファイル61についてまとめてパスワードの投与処理を行うのではなく、順次1曲毎にその都度ファイルFβにパスワードを投与し、続けてステップ531で再生処理を行うようにしてもよい。この際には、ファイルFβに、パスワードに加えて時間情報等の変動値を投与するのが望ましい。
また、パスワードの投与に際しては、その都度、図7のステップ119に示すように、パソコン固有の情報やOS情報と対比されるようにしてもよい。
本発明では、ハードウェアはパソコンとして説明したが、パソコンに限定するものではなく、著作物の扱われる情報処理機器(ゲーム機、携帯電話、テレビ等)であれば広く適用可能である。また、フレキシブルディスクは、移動可能な他の記録媒体(メモリやカード等)であってもよい。
更に、試用制限付きファイル61の例えばヘッダ部や透かし情報等に、ファイルF1の内容やパスワード等の移動情報として必要な情報を記録した状態で、試用制限付きファイル61毎各情報処理機器間を移動させるようにしてもよい。この場合は、著作権保護ソフト71が、移動の際等にこの情報を試用制限付きファイル61に記録したり、試用制限付きファイル61から読み込む。
また、各実施形態の制限解除ファイル8には、この情報FBに加えて、各情報処理機器間(相互に異なる情報処理機器間であってもよい)の移動を、機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61毎に制限又は不可能とする移動制限符号を付与するようにしてもよい。この場合には、指定回数(例えば1回)、指定期間や指定情報処理機器間でのみ移動を可能としたり、登録申請された情報処理機器でのみ機能制限付きソフトウェア1等の使用が可能となる。
更に、例えばダウンロードされた機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61を2週間だけ使用可能とする。試用制限付きファイル61を電子ブックや電子雑誌、電子コミック等とすれば、インターネット上で電子ブック等の貸し出しが行える電子図書館を実現可能である。但し、貸し出しに限るものではなく、有料としてもよい。
電子図書館のサイトより著作権保護ソフト71及び試用制限付きファイル61をダウンロードする。そして、この試用制限付きファイル61(例えば図書)を試聴した結果、この図書の貸し出しを依頼したい場合には、著作権保護ソフト71を利用して登録申請等を行う点は前述と同様なので省略する。電子図書館側からは、制限解除ファイル8の情報FBにパスワード等を送信するようにしてもよいし、試用制限付きファイル61を最小限のファイル容量(従って、電子ブック等の場合には数ページ分の抜粋や要約、目録程度)としておき、登録申請のされた場合に残りの正式版ファイルをダウンロードするようにしてもよい。
この電子図書館では、例えば貸し出しから2週間経過後に、著作権保護ソフト71がファイルFNの試用制限付きファイル61に対する制限解除キーを削除する。しかしながら、2週間経過した際に、自動的に著作権保護ソフト71がこの制限解除キーを電子図書館に返却するように画面にて警告し、その際の操作方法を案内するようにしてもよい。
この警告メッセージは、例えば「貸し出しした電子ブックの返却時間が過ぎました。返却の処理をして下さい。インターネットに接続後、ボタン部45にある指定の返却ボタンを押して下さい。」と記載する。ユーザーが、インターネットに接続後、この返却ボタンを押すと、ブラウザに予め設定された電子図書館のサイトのURLが投入される。その後、著作権保護ソフト71がファイルFNの試用制限付きファイル61に対する制限解除キーを削除し、この制限解除キーを電子図書館のサーバに自動送信する。但し、この際には、試用制限付きファイル61自体を削除したり、このユーザーのパソコンより削除した試用制限付きファイル61を電子図書館のサーバに自動送信するのが望ましい。
この結果、試用制限付きファイル61の閲覧等は制限されたり、閲覧できなくなる。電子図書館側では、この受信した制限解除キーにより試用制限付きファイル61が返却されたことを確認でき、管理に生かすことができる。貸し出し期間を例えば2週間に限定することで、著作権者の利益を守ることができる。試用制限付きファイル61を再生するための専用の再生ソフトを配設する場合には、その再生ソフトによりファイルFβを介して所定のキーを交換しあうように構成することができる。また、かかる再生ソフトによらず、一般の再生ソフトが適用される場合等も考えられる。しかしながら、この場合であっても、試用制限付きファイル61のヘッダ部や透かし情報には、著作者情報等と共に貸し出し期間が指定されている。そして、著作権保護ソフト71がこの情報を抽出して、ファイルFN等と対比することで、試用制限付きファイル61の不正コピーに対処することが可能である。ユーザーは、この試用制限付きファイル61を移動処理により、他の情報処理設備で利用できる。従って、移動情報処理端末に保存し、車中等にも持ち運べる。
電子図書館側では、この送信が的確になされ、かつ必要なデータが送信されたか否か判断する。送信が的確であると判断した場合には、電子図書館側のサーバより著作権保護ソフト71に対し特定の受信確認信号が送信される。この受信確認信号が受信されたとき、著作権保護ソフト71では警告メッセージが表示されないようにする。なお、長期間にわたり、著作権保護ソフト71でこの特定の受信確認信号を確認しない場合には、著作権保護ソフト71は警告を行う。そして、以降は、他の図書の貸し出しのための登録申請が行えないようにする。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本発明の第5実施形態は、インターネット等の接続に際し、登録申請された情報処理機器又は使用許可の移動を行った情報処理機器以外からの接続を不可能とするものである。インターネット等の接続に際しては、各プロバイダ毎に設定されたユーザーIDやパスワードが一致すれば、どの情報処理機器からでも、例え複数台であってもアクセス可能となってしまう。このため、登録申請や移動申請した情報処理機器以外からの接続を不可能とする。
著作権保護ソフト81の表示画面の例は、図23に示す本発明の第3実施形態の著作権保護ソフト51の表示画面と同様である。著作権保護ソフト81のモード選択スイッチ(図示略)よりプロバイダの登録を選択する。プロバイダ名は例えば著作権保護ソフト81より選択可能とする。このとき、このプロバイダのURLも同時に選択されるのが望ましい。また、住居等の地域を選択することで選択可能なプロバイダ名が表示されるようにするのが望ましい。
ツリー表示部41からインターネット接続の起動用実行ファイル(又はアイコン)を選択し、続いてボタン部45のアイコン作製ボタン(図示略)をクリックする。このとき、起動用アイコン表示部43には、インターネット接続の起動用アイコン83aが作製される。このことにより、起動用アイコン83a、著作権保護ソフト81、インターネット接続の起動用実行ファイル間の関連付けが行われる。
従って、起動用アイコン83aをクリックすることにより、登録されたパソコンでの使用か否か等の著作権保護ソフト81による判断が行われた後に、インターネット接続の起動用実行ファイルを実行させる等の順を追った処理が行える。そして、図2のファイルF1を作製する。ソフト名はプロバイダ名とし、実行日時分秒は、例えばアイコン作製ボタンのクリック時間とする。また、ディレクトリ情報は不要とする。
図3のステップ1で登録申請ボタン11をクリックする。ステップ15やステップ29で電子メール等に記載された事項が問題なければステップ17及びステップ31で確認ボタンをクリックする。
制限解除ファイル8には、情報FBに加えてユーザーI.D.及びパスワードが備えられる。図5のステップ53の実行は、起動用アイコン83aを選択した後、ボタン部45の実行ボタン(図示略)をクリックする。
ステップ59でファイルF1の内容と制限解除ファイル8の情報FBの内容が一致しているか否か判断する。その結果、一致していればステップ63でファイルF1のプロバイダ名に使用許可符号を記載する。また、この際には、ユーザーI.D.及びパスワードをファイルF1に記録する。
インターネット接続に際しては、プロバイダ名、ユーザー名からファイルF1に使用許可符号が存在するか否か判断する。存在すれば図7の処理が行われた後に、ダイヤルアップ接続画面でパスワードが自動入力され、送信されることで接続が完了する。使用許可符号が存在しない場合には、ダイヤルアップ接続画面が消去若しくは起動されず、インターネットへの接続が行われない。
パスワード等の入力は、例えばパスワード入力欄をクリックし、その後、ボタン部45よりパスワード投与キーボタン(図示略)をクリックするようにしてもよい。また、パスワード入力欄をクリックさせ、その後、パスワードを自動投与するようにしてもよい。この際には、ファイルF1より本プロバイダに対するパスワードが抽出され、パスワード入力欄に投与、送信される。
図7のステップ111で機能制限無しソフトウェア9を実行するというのは、図5のステップ53と同様である。ステップ121では、インターネット接続に際し、プロバイダ名、ユーザー名からファイルF1に使用許可符号が存在するか否か判断する。
存在すれば図7の処理が行われた後に、ダイヤルアップ接続画面でパスワードが自動入力され、送信されることで接続が完了する。使用許可符号が存在しない場合には、ステップ115に進み、ダイヤルアップ接続画面が消去若しくは起動されず、インターネットへの接続が行われない。また、ステップ119等で不一致の場合には、ファイルF1より使用許可符号を削除する。
インターネットの使用を情報処理機器間で移動する場合には、図8以降の処理を行う。図8のステップ201は、移動先予定のパソコンで、まずツリー表示部41からインターネット接続の起動用実行ファイル(又はアイコン)を選択し、続いてボタン部45のアイコン作製ボタン(図示略)をクリックして起動用アイコン83aを作製する。そして、この起動用アイコン83aを選択する。ステップ203では、ボタン部45より移動申請ボタンをクリックする。ステップ209では、移動元のパソコンで起動用アイコン83aを選択する。図11のステップ235では、プロバイダ名、ユーザー名、パスワード等も保存される。
図12のステップ251は、移動先のパソコンで起動用アイコン83aを選択する。ステップ275では、ステップ121と同様の処理が行われる。
なお、制限解除ファイル8には、更に移動制限符号を付与するようにしてもよい。移動制限符号によれば、移動先を1箇所のみに制限したり、移動を許可しない等することができる。
以上により、登録者本人のみの使用が可能となる。複数の情報処理機器から同時にインターネットにアクセスすることができなくなる。情報処理機器を買い換える場合でも簡単にインターネット使用権を移動できる。ファイルF1に保存されたパスワードは暗号化され、使用時のみ解読されて利用可能であり、また登録者本人には文書等で知らされることはない。インターネットに接続後は直ちに接続画面が消去されるため容易には知られず、他人への貸与も困難となる。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
本発明の第6実施形態は、パスワード等で進入を許可されるWWW(World Wide Web)ホームページや電子決済等について著作権保護ソフトを利用するものである。
著作権保護ソフト91の表示画面の例は、図23に示す本発明の第3実施形態の著作権保護ソフト51の表示画面と同様である。著作権保護ソフト91のモード選択スイッチ(図示略)よりパスワードの発行を選択する。インターネットに接続してパスワードの発行許可を望むホームページを開く。
このとき、登録申請ボタン11をクリックすることでファイルF1が作製される。ファイルF1には、図2に示すように、ソフト名に代えてホームページタイトル、ディレクトリに代えてホームページのURLが自動取得され、記録される。また、登録申請ボタン11をクリックした日時分秒が記録される。
図3に従い登録申請され、制限解除ファイル8が送信等される。なお、電子決済の場合には、登録申請時に1回だけクレジットカードの情報であるカード番号や氏名、住所等を送信する。但し、この情報送信は、データ漏洩の点からファックスや郵送にて別途行われるのが望ましい。情報送信されたデータは、サーバ側のデータベースに保存される。制限解除ファイル8には、情報FBに加えてユーザーI.D.、パスワードが備えられる。更に移動制限符号を付与するようにしてもよい。図5のステップ53の実行は、著作権保護ソフト91の起動である。
ステップ57で制限解除キーが存在しない場合には、制限解除ファイルを選択する要求画面が表示される。ステップ59及びステップ61で登録者本人であることが確認できた場合にはステップ63に進む。ステップ63では、ホームページ入場許可符号をファイルF1のホームページタイトルに付与する。
次に、当該ホームページを再び開いた後、ボタン部45よりパスワード投与キー(図示略)をクリックする。この際には、まず、ホームページタイトル、ホームページのURLを自動抽出する。そして、ファイルF1の内容が自動抽出されたホームページタイトル、ホームページのURLと比較される。
その後、本ホームページに対応するホームページ入場許可符号が存在するか否か判断され、存在する場合には、ユーザーI.D.、パスワードが抽出され、パスワード入力欄等に投与、送信される。このことにより、ホームページ毎に異なるパスワードを覚えておく必要も無くなる。操作も極めて簡単で短時間に行える。登録者本人のみの使用が可能となる。
なお、ファイルF1の内容の中に本ホームページタイトルが存在するときにパスワード投与キーの色彩等を変化させ、クリック可能であることを表示等するようにしてもよい。
また、ファイルF1の内容の中に自動抽出されたホームページタイトル、ホームページのURLが存在するか否かを監視する。そして、その存在を確認し、かつ本ホームページに対応するホームページ入場許可符号が存在したとき、自動にてユーザーI.D.、パスワードを抽出して、パスワード入力欄等に投与、送信するようにしてもよい。更に、送信されたユーザーI.D.、パスワードを基にサーバ側で一致する登録済のクレジットカードの情報をデータベースから抽出すれば、利用者がインターネットショッピング等で商品等を購入した後の電子決済が可能となる。ユーザーI.D.、パスワードに加えてファイルF1から登録申請時の情報をも自動交信可能とすれば一層本人認証の精度が上がる。なお、これらの情報をすべて暗号化して送信するようにしてもよい。同様に、株取引や金融取引にも適用可能である。
更に、本人認証が確実に行えることから、例えばインターネットを介してサーバにて、ユーザー本人に対しお1人様1回限定のクーポン券を差し上げたり、ユーザー本人のみに限定した特典を与えたり、ユーザー本人のみに所定回数だけくじ引き等に挑戦させる等することも可能となる。
更に、ユーザーはサイトへの入場許可のためのユーザーI.D.、パスワードが予め与えられている場合には、著作権保護ソフト91のモード選択スイッチ(図示略)よりパスワードの登録を選択することにより、このユーザーI.D.、パスワードを自ら登録することも可能である。この場合には、まず、ユーザーはインターネットに接続してパスワードの自動投入を望むホームページを開く。次に、図示しない登録ボタンをクリックすることでファイルF1が作製される。既にファイルF1が作製済の場合には上書きされない。ファイルF1には、ホームページタイトル、ディレクトリに代えてホームページのURLが自動取得され、記録される。そして、入力されたユーザーI.D.、パスワードが著作権保護ソフト91により取得され、ファイルF1に保存される。但し、ユーザーI.D.、パスワードは著作権保護ソフト91による登録画面で別途キー入力された上でファイルF1に保存されてもよい。
次に、ユーザーが再びこのサイトを訪れる場合には、当該ホームページを開いた後、ボタン部45よりパスワード投与キー(図示略)をクリックする。この際には、まず、ホームページよりホームページタイトル、ホームページのURLを自動抽出する。そして、ファイルF1の内容が自動抽出されたホームページタイトル、ホームページのURLと比較される。
比較の結果一致するものが存在する場合には、本ホームページに対応するユーザーI.D.、パスワードがファイルF1より抽出され、パスワード入力欄等に投与、送信される。このことにより、ホームページ毎に異なるパスワードを覚えておく必要も無くなる。操作も極めて簡単で短時間に行える。
なお、ファイルF1の内容の中に本ホームページタイトルが存在するときにパスワード投与キーの色彩等を変化させ、クリック可能であることを表示等するようにしてもよい。
また、ホームページタイトル、ホームページのURLをURLが変更される都度抽出する。そして、ファイルF1の内容の中に自動抽出されたホームページタイトル、ホームページのURLが存在するか否かを監視する。そして、その存在を確認したとき、自動にてユーザーI.D.、パスワードを抽出して、パスワード入力欄等に投与、送信するようにしてもよい。
また、登録申請ボタン11によりパスワード登録申請済若しくは登録ボタンによりパスワード登録済のホームページタイトル、ホームページのURLをツリー表示部41に羅列してもよい。そして、このツリー表示部41よりホームページタイトル、ホームページのURLを選択し、起動用アイコン表示部43からインターネット接続の起動用アイコン83aを起動する。このことにより、当該ホームページをインターネット接続と同時に開き、ユーザーI.D.やパスワードを速やかに自動投与できる。
図7では、ステップ111で著作権保護ソフト91を起動する。ステップ119等で不一致の場合には、ステップ115でホームページ入場許可符号を削除する。ステップ121では、ボタン部45よりパスワード投与キーをクリックした後の処理が可能となる。登録申請ボタン11によりパスワード登録申請済若しくは登録ボタンによりパスワード登録済のホームページタイトル、ホームページのURL、ユーザーI.D.、パスワード等は共に移動可能である。図8では、ステップ201でツリー表示部41よりホームページタイトル、ホームページのURLを選択する。ステップ203では、ボタン部45より移動申請ボタンをクリックする。
図9のステップ209では、著作権保護ソフト91を起動する。図11のステップ237では、移動元のパソコンのホームページ入場許可符号を削除する。図12、図14のステップ251は、移動先のパソコンで著作権保護ソフト91を起動する。ステップ273でファイルF1が更新される結果、ホームページタイトル、ホームページのURL毎のホームページ入場許可符号等も更新される。図20のステップ321以降の処理で、すべてのホームページタイトル、ホームページのURL、パスワード等をグループ単位に移動することも可能である。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
本発明の第7実施形態は、機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61単位ではなく、例えばディジタル放送等のように、放送局単位に著作権を保護し、この放送局から録画や録音等により取得したデータを保護しようとするものである。
視聴者は、放送局単位に視聴のための登録申請を行う。登録申請の際には、図2のファイルF1が作製される。但し、OS情報やディレクトリ情報は各情報処理機器を特定するに足りるものでなければ不要である。インストール実行日時分秒等のインストール情報に代えて、例えば登録申請時の実行日時分秒とする。また、各情報処理機器を特定する情報として、特定の操作スイッチの使用を実行日時分秒と共に記録した情報を用いる等してもよい。また、ソフト名に代えて放送局を特定する符号を記録する。
図5のステップ59で、ファイルF1の内容と制限解除ファイル8の情報FBの内容が一致したときには、ステップ61で登録者本人の登録申請時の情報処理機器と判断する。制限解除ファイル8は、インターネット等によって入手されるようにしてもよい。そして、ステップ63で番組の視聴を可能とする。この番組の視聴を他の情報処理機器で行いたい場合には、本発明の第1実施形態の図8以降で述べた移動方法に従い行う。この際には、ステップ201、ステップ209、ステップ251、ステップ111の処理は各情報処理機器の起動である。ステップ121の処理は番組の視聴を可能とするものである。
また、各番組を録画等する場合には、その番組に付随して受信した番組名、移動許可符号、放送局を特定する符号等をファイルF1に追加記録する。番組に対応させた移動許可符号は、映像等の搬送帯域と異なる文字等の搬送帯域を利用して送信されたものを用いるようにしてもよい。この移動許可符号は、ディジタル信号として番組に付加されるものであり、録画等される著作物を各情報処理機器間で移動可能とするか否かの許可を指定する符号である。
図7において、ステップ119でファイルF1の内容を各情報処理機器固有の情報及びOS情報に代えて登録申請時の実行日時分秒と比較されることで、登録申請時の情報処理機器か否か判断する。登録申請時の情報処理機器と判断された場合にはステップ121で録画等された番組の視聴を可能とするものである。
番組に移動許可符号が存在する場合には、図8及び図9に従い移動申請された情報処理機器に移動して図16の処理により視聴可能である。このとき、図11のステップ237で移動元の情報処理機器では視聴ができなくなる。この際に保存される移動履歴は、フレキシブルディスク等の媒体ではなく、ビデオデッキにより、ビデオテープに録画する著作物に付随させて保存するようにしてもよい。この場合には、図11、図12、図14のステップ253、ステップ255でデータの存在場所を選択する必要は無くなる。
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
本発明の第8実施形態は、機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61又は著作権保護ソフト51、71、81、91等が不正に改ざんされたり、コピーされた場合に、自動検出した上で、その内容や改ざんされたソフトの一部又はすべてを著作権管理者側のサイトに送信したり、警告を発することで、不正が行われた事実の把握等を可能とするものである。また、このように改ざん等されたソフトに対し機能制限を強制的にかけるものである。
著作権保護ソフト101には、改ざんされた不正を検出したり、不正の行われたソフトの回収、不正の行われたソフトに対し機能制限を強制的にかける等の処理を行う不正検出ソフト103が組み込まれている。そして、この不正検出ソフト103により情報FBの制限解除命令やパスワードが、機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61に対応されたものでないと判断されたとき、ファイルF1の機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61の欄に不正検出符号が記録される。また、例えば、起動用アイコン43a、著作権保護ソフト51、機能制限付きソフトウェア1の起動用実行ファイル間の関連付け等が、他の起動用実行ファイルを起動するものとなっている等予め想定されたものと異なったとき、同様にファイルF1の機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61の欄に不正検出符号が記録される。
更に、機能制限付きソフトウェア1から抽出したソフト名称と情報FB中に存在するソフト名称とは一致しているが、このソフト名称が予め登録されたものと異なっているときも同様である。更に、ファイル名称、起動用実行ファイル等の容量や更新日時、キーとなるデータが著作権保護ソフト51等に予め登録されたものと異なっているときも同様である。更に、著作権保護ソフト51等が識別処理等を行った後に起動する機能制限付きソフトウェア1等が予め著作権保護ソフト51等に登録されたものと異なっているときも同様である。
更に、機能制限付きソフトウェア1等が起動された場合には、タイトルバーや常駐タスクにアイコンやタイトルが表示される。これらのアイコンやタイトル、又は本機能制限付きソフトウェア1等に特有の特徴のある画面表示部分について、著作権保護ソフト51等は各画素毎に色のディジタルデータ値を抽出する。但し、これらのアイコンやタイトル、又は本機能制限付きソフトウェア1等に特有の特徴のある画面表示部分についての色のディジタルデータ値は、予め著作権保護ソフト51等に登録されている。
各画素については、すべての画素についてではなく、サンプリングされたデータであってもよい。色のディジタルデータ値の抽出は、起動直後のCPUの負荷率を検出し、その負荷率が設定値以下になったときに行うと起動初期画面についての色のディジタルデータ値が抽出可能である。但し、これに限定されるものではなく、任意のタイミングであってもよい。そして、抽出された色のディジタルデータ値は、予め著作権保護ソフト51等に登録されたディジタルデータ値と比較される。比較されるディジタルデータ値は、機能制限付きソフトウェア1等の特色に応じて起動初期画面等が毎回常に一様の場合には、1種類だけ登録され、起動初期画面等が複数種類存在する場合等には複数種類登録される。複数種類登録されている場合には、比較の結果が一致するものがないかどうかこの複数種類のディジタルデータ値について比較される。また、画面の解像度に応じた形で複数種類のディジタルデータ値を登録するようにしてもよいし、画面の解像度をシステムより読み、その解像度に応じたディジタルデータ値を選択したり、画面の解像度から演算によりディジタルデータ値を求めるようにしてもよい。
比較の結果、一致するものが存在しない場合には、ファイルF1の機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61の欄に不正検出符号が記録される。また、これらの不正検出符号が記録された場合には、著作権保護ソフト51等は、ファイルF1の機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61に対する制限解除キーを削除する。従って、機能制限無しソフトウェア9等は再び機能制限が継続されることになる。不正の内容により不正検出符号は異ならされており、ファイルF1には、この不正検出符号、不正の検出された時間、機能制限付きソフトウェア1等の存在するドライブ及びディレクトリ情報、ソフト名称等が記録される。これらの情報は履歴として残されるのが望ましい。
そして、不正検出符号が記録されている場合には、インターネットに接続された際にファイルF1の内容や機能制限付きソフトウェア1等の一部又はすべてが著作権管理者側のサイトにバックグラウンドにて自動的にアップロードされるのが望ましい。インターネットに接続された際等とは、例えば機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61等がダウンロードされる際、問い合わせの電子メールを送信する際等である。ファイルは、機能制限付きソフトウェア1等のすべてであってもよいし、不正の検出された該当部分であってもよい。著作権管理者側では、アップロードされたファイルF1の内容や機能制限付きソフトウェア1等を検証することで不正の事実を確認できる。または、不正のおそれのあった事実や修理の必要がある旨をユーザーに対し画面にて知らせ、機能制限付きソフトウェア1等を電子メールに添付して著作権管理者側のサイトに送信するように警告を発してもよい。このような電子メールに添付して送信したり、アップロード、若しくは記憶媒体に保存されて郵送するまでの処理が自動にて行えるボタンを、著作権保護ソフト51等の表示画面に配設してもよい。
なお、著作権管理者側のサイトには複数の機能制限付きソフトウェア1及び著作権保護ソフト51等のセットや、予め著作権保護ソフト51に関連付けされた機能制限付きソフトウェア1等がダウンロードにて提供可能なように提示されている。そして、ユーザーがこの中から、新しい機能制限付きソフトウェア1及び著作権保護ソフト51等のセット等を購入したり、バージョンアップされた機能制限付きソフトウェア1及び著作権保護ソフト51等を購入することが可能である。かかる場合に、新しくダウンロードされた著作権保護ソフト51等により、他の既にダウンロード済の著作権保護ソフト51、機能制限付きソフトウェア1等について上述のような不正の検出も可能である。
新しくダウンロードされた著作権保護ソフト51、機能制限付きソフトウェア1等が起動若しくはインストールされるとき不正の検出処理を行う。そして、まず、著作権保護ソフト51等は、図2に示すファイルF1の内容を読むことで、他の既にダウンロード済の著作権保護ソフト51、機能制限付きソフトウェア1等の存在やディレクトリ等を確認する。その後、確認された著作権保護ソフト51、機能制限付きソフトウェア1等について、上述のような不正の検出処理を同様に行うことが可能である。
この際には、最新のデータに基づき不正の検出処理を行う必要から、機能制限付きソフトウェア1等のインストール実行日時が最新である著作権保護ソフト51のみが不正の検出処理を可能としてもよい。または、起動された各著作権保護ソフト51は、機能制限付きソフトウェア1等のインストール実行日時が最新である著作権保護ソフト51の存在するディレクトリに行って、最新のデータを読みそのデータに基づいて不正の検出処理を行うようにしてもよい。ファイルF1には、前回不正の検出処理を行った時間を記録しておき、この時間より一定時間経過しているときのみ不正の検出処理を行うようにしてもよい。更に、著作権保護ソフト51の最新のものがインストールされる度に、不正の検出の際に参照されるデータは最新のものになるように上書き更新し、常に所定のディレクトリに保存する。そして、各著作権保護ソフト51が起動の際には、この最新のデータに基づき不正の検出処理を行うようにしてもよい。
また、不正の内容如何によっては、対応する著作権保護ソフト51等が存在せずに、ファイルFβと機能制限付きソフトウェア1が存在する場合が考えられる。この場合には、別途ユーザーが著作権管理者のサイトやCD−ROM等の記録媒体から新しい機能制限付きソフトウェア1等を購入等した際に、このファイルFβが所定時間以上存在することを確認することで不正の検出が可能である。機能制限付きソフトウェア1の存在を確認した上で、この機能制限付きソフトウェア1に対応する著作権保護ソフト51等が存在しないことによっても不正の検出が可能である。不正が検出された場合には、著作権保護ソフト51等は、ファイルFβを削除する。そして、ユーザーに対し不正の旨を警告したり、インターネットに接続された際に著作権管理者のサイトに対し内容を通知するようにしてもよい。
または、既に存在している著作権保護ソフト51のファイル容量や更新日時、キーとなるデータ、その著作権保護ソフト51が起動すべき機能制限付きソフトウェア1等が新しくダウンロードされた著作権保護ソフト51に登録されているデータ値と異なっている場合も同様である。
更に、著作権保護ソフト51は、ファイルF1等を参照することで不正検出符号を確認した場合には、不正の検出された当該機能制限付きソフトウェア1等については制限解除キーを削除する等により機能制限を継続する一方で、不正の検出されなかった他のすべての機能制限付きソフトウェア1等が起動する際に、一定時間警告メッセージを表示するようにしてもよい。
この警告メッセージは、例えば「ソフトウェアが一部壊れてしまっているか、著作権者の了解なく改ざんされているおそれがあります。著作権管理者にて警告解除若しくは修繕等の処理をさせて頂きますので、インターネットに接続後、ボタン部45にある指定の修繕ボタンを押して下さい。」と記載する。ユーザーが、インターネットに接続後、この修繕ボタンを押すと、ブラウザに予め設定された著作権管理者のサイトのURLが投入される。その後、ファイルF1の内容や不正の検出された当該機能制限付きソフトウェア1等の一部又はすべてのファイル等が著作権管理者側に自動送信される。
著作権管理者側では、この送信が的確になされ、かつ必要なデータが送信されたか否か判断する。送信が的確であると判断した場合には、著作権管理者のサーバより著作権保護ソフト51に対し特定の受信確認信号が送信される。この受信確認信号が受信されたとき、著作権保護ソフト51では警告メッセージは表示されないようにする。なお、長期間にわたり、著作権保護ソフト51でこの特定の受信確認信号を確認しない場合には、警告後、不正の検出されなかった他のすべての機能制限付きソフトウェア1等に対しても機能制限をかけるようにしてもよい。この際には、一時、これら機能制限付きソフトウェア1等の制限解除キーを削除するという簡単な処理で可能である。
なお、この修繕ボタンは、ユーザーのパソコンでソフトウェア同士の相性が悪いか、ソフトウェアを一部壊した可能性がある等で原因不明の不具合が生じており、著作権管理者にて診断を受けたいような場合にも利用可能である。この場合には、起動用アイコン表示部43にて診断を依頼したいソフトウェア等の起動用アイコン43aを少なくとも一つ選択した後、修繕ボタンを押す。ファイルF1及び選択されたソフトウェア等のファイルが著作権管理者側に送信される。
このことにより、著作権保護ソフト51による自己診断に基づく著作権保護ソフト51及びこの著作権保護ソフト51に関連付けされた機能制限付きソフトウェア1(又は試用制限付きファイル61)等の不正の検出等が可能なだけでなく、新しく著作権保護ソフト51及びこの著作権保護ソフト51に関連付けされた機能制限付きソフトウェア1(又は試用制限付きファイル61)等がダウンロードされて実行されると、この実行された著作権保護ソフト51により、以前にインストールされた著作権保護ソフト51及びこの著作権保護ソフト51に関連付けされた機能制限付きソフトウェア1(又は試用制限付きファイル61)等について行われていた不正の状態も検出される。
著作権保護ソフト51自体が改ざんされた場合には、この著作権保護ソフト51に関連付けされた機能制限付きソフトウェア1(又は試用制限付きファイル61)等の自己診断による不正の検出等はできなくなるおそれがあるが、別にインストールされたりバージョンアップされた他の機能制限付きソフトウェア1(又は試用制限付きファイル61)に関連された著作権保護ソフト51により不正検出可能である。ソフトウェア等は日々進歩し、新しいものやバージョンアップ品が次々に市場に出されている。これらの新製品をユーザーは少なからず購入すると考えられる。従って、以前にインストールされた著作権保護ソフト51及びこの著作権保護ソフト51に関連付けされた機能制限付きソフトウェア1(又は試用制限付きファイル61)等でも半永久的に保護可能である。
この際には、ファイルF1の履歴を順次たどることで、インストール済のすべての著作権保護ソフト51及びこの著作権保護ソフト51に関連付けされた機能制限付きソフトウェア1(又は試用制限付きファイル61)等について不正検出が可能である。不正の検出がされた場合には、不正とは無関係の機能制限付きソフトウェア1(又は試用制限付きファイル61)等が使用される場合でも警告される。仮に、ユーザーにより機能制限付きソフトウェア1(又は試用制限付きファイル61)等がパソコンから削除されてもファイルF1には、その機能制限付きソフトウェア1等の名称やディレクテリ、不正検出の内容等が記録されているので警告は継続される。この警告は、著作権管理者への連絡を行わなければ警告の状態が解除されない。連絡の際には、著作権管理者にて不正の状態が認識できる。従って、改ざん等された機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61等が、他人に譲渡等されても譲渡先のいずれかで不正の状態を検出することが可能となる。
なお、上述した不正の検出は、一例を示したものであり、改ざん等についても今後、種々の新種の手口が施されることも考えられる。かかる場合でも、著作権管理者側では、この新種の手口の不正をフィードバックによりデータ取得し、解析可能である。このため、新しくダウンロードやCD−ROM等によりユーザーに対し提供するソフトウェア等の著作物やバージョンアップする著作物に対し、この新種の手口に対する不正を検出したり規制する方法を予め組み込むことが短時間の内に可能となり、被害を最小限に抑えることができる。著作権保護ソフト51、機能制限付きソフトウェア1等は予め登録申請されているので、不正使用しているユーザーを特定することも可能である。本人認証された上で使用権が付与されているので、立証も容易である。
次に、本発明の第9実施形態について説明する。
本発明の第9実施形態は、電子掲示板やチャット等に他人の誹謗、中傷事項等の適当でない書き込みがされた場合に、それらの書き込み者に対し、電子メールにより警告を発したり、書き込み者を特定できるようにし、被害者を迅速に救済可能とするものである。
上述した各実施形態において、機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61等の登録申請や、WWWホームページの使用許可、電子決済等に必要な登録申請等のため、サーバのデータベースには登録申請者の情報や電子メール番号等が記録されている。サーバ側では、書き込み者から記載事項が送信された場合に書き込み時間を記録する。そして、この記載事項に関連してサーバ側で受信されたユーザーI.D.、パスワードに基づき、データベースから当該記載事項の書き込み者を抽出できる。このユーザーI.D.、パスワードは、書き込み時間と共に履歴が取られて別途サーバ側にて保存される。本発明の第6実施形態で説明したように、ユーザーI.D.、パスワードを、本人のみが使用可能とされている場合には、精度よく書き込み者を特定できる。
また、登録申請事項には、著作権保護ソフト91等により自動取得されるIPアドレスやcookie情報等を加えるのが望ましい。この際には、上述のようなユーザーI.D.、パスワードがサーバ側にて要求されない場合等であっても、記載事項が書き込みされた時間との関係より、この時間にサーバ側にて受信したIPアドレスやcookie情報に基づき、データベースから当該記載事項の書き込み者を抽出できる。更に、書き込み者に対しては、警告の電子メールを直ちに送信できる。警告によっても改心の姿勢の見られない場合には、被害者等に氏名や住所等を知らせることも可能である。このため、被害者の迅速な救済をすることができる。
次に、本発明の第10実施形態について説明する。
本発明の第10実施形態は、本人認証のために指紋、筆跡、声紋、網膜(眼底の毛細血管の模様を用いる)、虹彩、手の大きさや形、手のひらの紋様、手の甲の血管、顔の形(2次元位置データとして照合、3次元計測による照合)、キーストローク、マウス操作の癖、遺伝子情報等によるバイオメトリクス情報を用いるものである。また、バイオメトリクス情報を用いる以外にも、本人確認データとしてスマートメディア、メモリスティック、SDカード等のように、個別認証の可能なID付記録媒体等を用るようにしてもよい。これらのID付記録媒体には、予め各記録媒体を識別するための認証符号IDが付与された形で記録媒体内に記憶されている。
これらのバイオメトリクス情報等は、著作権保護ソフト51、71、81、91、101等(以下、著作権保護ソフト51等と略す)が指紋認証装置やID付記録媒体等のドライバ等の存在を自動検出した後、この指紋認証装置等あるいは著作権保護ソフト51等より取得されたバイオメトリクス情報や認証符号ID等をOS情報との関連のもとにファイルF1に自動保存したり、指紋認証装置等により認証された結果の本人確認データをファイルF1に記録することで取得される。但し、バイオメトリクス情報や本人確認データを予め使用者本人が著作権保護ソフト51等に対し独自に登録することでファイルF1に記録されるようにしてもよい。
また、バイオメトリクス情報等は、次のように機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61を登録申請する際に利用するようにしてもよい。図31に本人認証による登録申請方法を示す。
図31において、ステップ601では、ユーザーのパソコンに対し指紋等のバイオメトリクス情報や認証符号ID等が指紋認証装置等を介して本人データと共に登録される。ステップ603で、著作権保護ソフト51等において機能制限付きソフトウェア1等の購入のため登録申請ボタン11が押されると、ステップ605でバイオメトリクス情報等が指紋認証装置等(あるいは著作権保護ソフト51等)により検出される。
ステップ607で登録されたバイオメトリクス情報等と検出されたバイオメトリクス情報等との間でバイオメトリクス情報等の一致が確認された場合には、ステップ609でこのバイオメトリクス情報又は指紋認証装置等より出力された本人確認データ等を、インストール情報やOS情報、パソコン固有の情報等と共にファイルFNに保存する。但し、この際には、各機能制限付きソフトウェア1等毎に異なるバイオメトリクス情報やID付記録媒体が適用されるようにしてもよい。ステップ607で不一致の場合には、ステップ601に戻りバイオメトリクス情報等の登録データを修正してもらう。
その後、ステップ611でクレジットカード番号を入力させる。ステップ613では、バイオメトリクス情報又は本人確認データを含むファイルFNデータをクレジットカード番号と共に著作権管理者の提供するインターネット上のサイトに送信する。サイトのサーバコンピュータでは、ステップ615で受信したクレジットカード番号をバイオメトリクス情報又は本人確認データ等を含むファイルFNデータと関連付けしてデータベースに保存する。その他、制限解除ファイル8の送信等については本発明の第1実施形態と同様であるので省略する。制限解除ファイル8のデータは、例えば図32のようである。そして、ステップ616で機能制限付きソフトウェア1等が購入可能となる。但し、登録申請の際、指紋認証装置やID付記録媒体等のドライバ等が存在していることが確認された場合には、指紋を要求したり、ID付記録媒体等を要求したりしてこれらの情報の登録を義務付けるようにしてもよい。
次に、ステップ617でユーザーが再び機能制限付きソフトウェア1等を購入しようと登録申請ボタン11を押した場合には、ステップ619でバイオメトリクス情報等が指紋認証装置等により検出される。
ステップ621で、ファイルFNに登録されているバイオメトリクス情報等と検出されたバイオメトリクス情報等との間でバイオメトリクス情報等の一致が確認された場合には、ステップ623でこのバイオメトリクス情報又は指紋認証装置等より出力された本人確認データを含むファイルFNデータと共に著作権管理者の提供するインターネット上のサイトに送信する。ステップ621で不一致の場合には、ステップ622で新規に登録処理を行うべくステップ601に戻りバイオメトリクス情報等の登録データを修正してもらう。
サイトのサーバコンピュータでは、ステップ625で、ファイルFNデータから一致する本人データを特定し、この本人データに関連付けされたクレジットカード番号を抽出する。そして、ステップ616で、このクレジットカード番号により機能制限付きソフトウェア1等が購入可能となる。
以上により、クレジットカード番号は最初の入力だけで、その後は、本人認証の上で処理されるので、入力作業は不要となる。本人認証は高精度に行われるので、クレジットカード番号が本人以外の人に用いられることは無くなる。また、ファイルFNにはバイオメトリクス情報等が登録されるので、後述する各処理フローにおいて本人認証に利用することでできる。
次に、本発明の第11実施形態について説明する。
本発明の第11実施形態は、ファイルFNに登録されたバイオメトリクス情報等を登録者本人の認証に利用することで、より一層精度の高い登録者本人の判定を行うことを可能としたものである。例えば、図5のステップ73とステップ75の間には、バイオメトリクス情報等をまず検出し、その後、制限解除ファイル8の情報FBに登録されたバイオメトリクス情報等と比較し、一致していたならばステップ75に進み、一致していなかったならばステップ69に進む処理を挿入する。
また、図22のステップ73とステップ75の間には、バイオメトリクス情報等をまず検出し、その後、制限解除ファイル8の情報FBに登録されたバイオメトリクス情報等と比較し、一致していたならばステップ75に進み、一致していなかったならばステップ415に進む処理を挿入する。
次に、本発明の第12実施形態について説明する。
本発明の第12実施形態は、パソコン単位の使用権の移動を可能とした上で、使用権のあるパソコンでは、バイオメトリクス情報等の本人認証を利用して機能制限付きソフトウェア1等を登録申請者や使用可能設定した人のみに対し使用可能とするものである。使用に際しプライバシーを保護するためである。
また、登録申請した本人のみが当該機能制限付きソフトウェア1等を使用する場合には、移動処理により現在は当該機能制限付きソフトウェア1等を使用規制中のパソコンであっても使用可能とするものである。購入した本人であるならば、いずれのパソコンでも自由にそのソフトを使用することができるのが望ましいからである。
更に、かかる処理方法の選択を自動的に判別して行えるようにするものである。また、インターネットの接続の有無にかかわらず、いずれのパソコンでもかかる処理の適用を可能とするものである。
以下、図33を用いて本発明の第12実施形態の作用を説明する。
ステップ651では、著作権保護ソフト51等は、指紋認証装置やID付記録媒体等のドライバ等の存在を自動検出する。存在が検出されなかった場合には、ステップ652で本発明の第9実施形態までに述べたバイオメトリクス情報等による本人認証を利用しない規制処理による。従って、指紋認証装置やID付記録媒体が存在しない場合でも使用可能な一方で、指紋認証装置やID付記録媒体等が存在する場合には、以下のように、より多面的な著作権保護が可能となる。
指紋認証装置やID付記録媒体等のドライバ等の存在が検出された場合には、ステップ653で機能制限付きソフトウェア1等の登録申請者のバイオメトリクス情報又は本人確認データがファイルFNに登録されているか否か判断される。登録されていない場合には、ステップ652でバイオメトリクス情報等による本人認証を利用しない規制処理による。
登録されている場合には、ステップ655で各機能制限付きソフトウェア1等の単位で登録申請者以外の人に対し必要ならば使用可能設定を行う。この際には、登録申請者の管理の下に、登録申請者以外の者の使用可能設定を行うのが望ましい。例えば、登録申請者がまず図示しない第3者使用可能設定画面を開く。但し、この第3者使用可能設定画面は、検出されたバイオメトリクス情報等が登録申請者のバイオメトリクス情報等と一致する場合にのみ開かれる。その後、この第3者使用可能設定画面で登録申請者以外の人の追加登録が行われる。但し、任意に登録申請者以外の者の使用可能設定を行うようにしてもよい。そして、使用可能とされた人のバイオメトリクス情報又は本人確認データはステップ657でファイルFNに保存される。
ステップ111で機能制限付きソフトウェア1が起動されると、ステップ113でファイルFNが存在するか否か判断される。そして、存在する場合にはステップ663で使用者のバイオメトリクス情報やID付記録媒体等よりID等の本人確認データが検出される。この際には、著作権保護ソフト51等によりID付記録媒体等が要求される。一方、ファイルFNが存在しない場合には、ステップ115で機能制限が続行される。ステップ667では、ファイルFNより登録済のバイオメトリクス情報又は本人確認データが読み出される。
ステップ669で、ファイルFNに登録されているバイオメトリクス情報等と検出されたバイオメトリクス情報等との間でバイオメトリクス情報等の一致が判断される。そして、一致が確認された場合には、ステップ671で「登録申請者のみが使用」に設定されているか否か判断される。「登録申請者のみが使用」の設定は、例えばボタンにて設定可能である。ステップ669で一致が確認されない場合には、ステップ115で機能制限が続行される。
「登録申請者のみが使用」に設定されている場合には、ステップ673でファイルFNのデータを元に検出されたバイオメトリクス情報等が登録申請者のものか否か判断される。ファイルFNのデータとして、ID付記録媒体の認証符号IDが登録され、保存されている場合には、この認証符号IDが登録申請者のものか否か判断される。登録申請者のものならば、図7のステップ117〜ステップ123の処理が行われ、ステップ121で機能制限無しソフトウェアとして起動する。従って、予め「登録申請者のみが使用」に設定され、かつ登録申請者本人が当該機能制限付きソフトウェア1等を使用している場合には、移動処理とは無関係に移動可能なすべてのパソコンで当該機能制限付きソフトウェア1等を使用可能である。
ステップ673で検出されたバイオメトリクス情報等が登録申請者のものでないときにはステップ115で機能制限が続行される。
一方、ステップ671で「登録申請者のみが使用」に設定されていない場合には、ステップ675で移動処理により機能制限の解除されたパソコンか否かが判断される。そして、機能制限の解除されたパソコンであるならば、ステップ117〜ステップ123の処理が行われ、ステップ121で機能制限無しソフトウェアとして起動する。従って、予めステップ655で使用可能とされた人は、機能制限の解除されたパソコンであるならば、当該機能制限付きソフトウェア1等を使用可能となる。逆に、指紋認証装置やID付記録媒体等のドライバ等が存在する場合には、機能制限の解除されたパソコンであっても、バイオメトリクス情報やID等の本人確認データ等の一致が無ければ機能制限付きソフトウェア1等は使用可能とならない。
一方、機能制限の解除されていないパソコンであるならば、ステップ677で「本ソフトを本パソコンで使用できるように移動処理を行って下さい。」等の旨の警告を行い、ステップ115で機能制限を続行する。ユーザーは、移動処理を行うことで、当該機能制限付きソフトウェア1等を当該パソコンで使用可能となる。
次に、パソコン間で機能制限解除を移動させることを考慮したときの機能制限無しソフトウェア9の起動方法を図34に示す。なお、図7、図33と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。図34は、図16に対応したものである。バイオメトリクス情報やID等の本人確認データ等は、参照ファイルQ1を介して移動元のパソコンから移動先のパソコンにデータ移動されている。
図34において、ステップ652では、指紋認証装置やID付記録媒体等のドライバ等が検出されなかった場合には、機能制限付きソフトウェア1等の単位で使用をできなくするように設定可能とされてもよい。図34に示すように、移動先のパソコンであっても図33の移動元パソコンと同一の機能を確保できる。
以上により、パソコン単位での使用権の移動処理を可能としつつ、かつバイオメトリクス情報等の利用可能な場合には、自動認識の下に登録申請者であればいずれのパソコンでも自由に使用可能にできる。機能制限付きソフトウェア1等の単位に使用可能な人の設定も可能であり、著作権を保護しつつ多種多様の用途に対応可能である。かかるすべての処理は、インターネットの接続の有無にかかわらず、いずれのパソコンでも適用可能である。
次に、「登録申請者のみが使用」を設定する手順について説明する。
図35において、ステップ701で著作権保護ソフト51等は、指紋認証装置やID付記録媒体等のドライバ等の存在を自動検出する。存在が検出されなかった場合には、ステップ703で「登録申請者のみが使用」に設定することはできない。検出された場合には、ステップ705で機能制限付きソフトウェア1等の登録申請者のバイオメトリクス情報又は本人確認データがファイルFNに登録されているか否か判断される。登録されていない場合には、ステップ703で「登録申請者のみが使用」に設定することはできない。
登録されている場合には、ステップ707で「登録申請者のみが使用」の設定ボタンが押されているか否かが判断される。設定ボタンが押されている場合には、ステップ709でパソコン単位での移動処理はできない。一方、設定ボタンが押されていない場合には、ステップ711でパソコン単位での移動処理が行われる。ステップ713では、PCNのファイルFNの内容が読まれる。そして、ステップ715で、機能制限付きソフトウェア1等毎に機能制限の解除されているパソコンか否か判断される。機能制限の解除されているパソコンの場合には、ステップ717で当該機能制限付きソフトウェア1等を登録申請者本人のみが使用可能に設定する。
その後、ステップ719で本人のみ使用符号Hを設定時間T1と共にファイルFNに保存する。ここに、本人のみ使用可能符号の設定状況を図36に簡略して例示する。図36において、PC1が現在機能制限の解除されているパソコンであり、PC2、PC3が移動処理可能で、かつ現在機能制限のされている他のパソコンである。なお、PC2、PC3が移動処理のため移動申請ボタン31を押すことで事前登録される際には、本人のみ使用解除符号Kが設定時間T01、T02にそれぞれ初期値として作成されるようになっている。
ステップ721では、フレキシブルディスク等の挿入が要求される。そして、ステップ723でファイルFNの内容がフレキシブルディスク等に保存される。しかしながら、フレキシブルディスク等の挿入に代えて、インターネット上のサイトに接続し、このサイトのデータベースにデータを保存するようにしてもよい。ステップ725では、当該機能制限付きソフトウェア1等の使用が本人のみに制限される。
一方、ステップ715で、機能制限の解除されていないパソコン(PCM)の場合には、ステップ727でフレキシブルディスク等の挿入が要求される。ステップ729でフレキシブルディスク等の挿入が確認されたならば、ステップ731で保存されているファイルの内容が読み込まれる。ステップ729でフレキシブルディスク等の挿入が確認されない場合にはステップ711に進む。但し、フレキシブルディスク等の挿入に代えて、インターネット上のサイトに接続し、このサイトのデータベースよりデータを読み取るようにしてもよい。
ステップ733では、ファイルFMのデータが、読み込まれたファイルの内容と包含関係にあるか否か判断される。ここで、相互のパソコンが移動処理の可能な関係にあるか否か判断される。移動処理の可能な関係にない場合にはステップ735でエラー表示がされる。移動処理の可能な関係にある場合には、ステップ737で現在機能制限の解除されているパソコン(PCN)から取得されたデータに本人のみ使用符号Hが存在するか否か判断される。
本人のみ使用符号Hが存在していない場合には、ステップ739で「現在機能制限の解除されているパソコン(PCN)側を先に設定して下さい。」との警告を行い、その後ステップ711に進む。現在機能制限の解除されているパソコン(PCN)側を先に「登録申請者のみが使用」に設定せずに、機能制限の解除されていないパソコン(PCM)側を先に「登録申請者のみが使用」に設定した場合には、機能制限の解除されていないパソコン(PCM)における本人の使用が可能となる一方で、機能制限の解除されているパソコン(PCN)では使用許可された他人が使用可能となるので、実質的に著作権が保護されなくなるためである。
ステップ737で、本人のみ使用符号Hが存在している場合には、ステップ741で、この本人のみ使用符号Hの付された時刻が本パソコン(PCM)のデータより新しいか否か判断される。そして、新しいデータである場合には、ステップ743で本パソコン(PCM)を「登録申請者のみが使用」に設定する。そして、ステップ745で本人のみ使用符号Hを設定時間と共にファイルFMに保存し、かつステップ747でこのファイルFMの内容をフレキシブルディスク等に保存する。図36の例では、PC1Hの設定時間T1はPC2Kの設定時間T02より新しいので、設定時間T2でPC2KがPC2Hに変えられる。
ステップ749で当該機能制限付きソフトウェア1等の使用が本人のみに制限される。一方、ステップ741で古いデータである場合には、実質的に著作権が保護されなくなるおそれが生ずるためステップ751でエラー表示する。
ステップ753では、本人は、当該機能制限付きソフトウェア1等をパソコン(PCM)とパソコン(PCN)の間で移動処理することなく自由に使用可能となる。
なお、「登録申請者のみが使用」の設定は、グループ一括にて行われるようにしてもよい。また、図36の例において、PC3は、指紋認証装置やID付記録媒体等のドライバ等が存在しないパソコンであってもよい。このように、指紋認証装置やID付記録媒体等のドライバ等が存在しないパソコンが含まれていても適用可能である。
次に、「登録申請者のみが使用」の設定を解除する手順について説明する。
図37において、ステップ771で「登録申請者のみが使用」の設定解除ボタンが押されているか否か判断される。押されている場合にはステップ773でファイルFNの内容を読む。そして、ステップ775で移動処理において機能制限の解除されているパソコンか否か判断される。機能制限の解除されていないパソコン(PCM)の場合には、ステップ777でファイルFM中に本人のみ使用符号Hが存在しているか否か判断される。存在している場合には、ステップ779で本人のみ使用符号Hを本人のみ使用解除符号Kに更新する。但し、履歴として保存されるのが望ましい。
そして、ステップ781で本人のみ使用解除符号Kを解除時間と共にファイルFMに保存し、ステップ783では、フレキシブルディスク等の挿入が要求される。そして、ステップ785でフレキシブルディスク等が挿入されている場合には、ステップ787でファイルFMの内容がフレキシブルディスク等に保存される。しかしながら、フレキシブルディスク等の挿入に代えて、インターネット上のサイトに接続し、このサイトのデータベースにデータを保存するようにしてもよい。ステップ789では、当該機能制限付きソフトウェア1等の使用が制限される。図36の例では、PC2Hは解除時間T3でPC2HがPC2Kに変えられる。
一方、ステップ775で機能制限の解除されているパソコン(PCN)の場合には、ステップ791でフレキシブルディスク等の挿入が要求される。そして、ステップ793でフレキシブルディスク等の挿入が確認されたならば、ステップ795で保存されているファイルの内容が読み込まれる。ステップ793でフレキシブルディスク等の挿入が確認されない場合にはステップ797に進み、「登録申請者のみが使用」の設定が継続される。但し、フレキシブルディスク等の挿入に代えて、インターネット上のサイトに接続し、このサイトのデータベースよりデータを読み取るようにしてもよい。
ステップ801では、ファイルFNのデータが、読み込まれたファイルの内容と包含関係にあるか否か判断される。ここで、相互のパソコンが移動処理の可能な関係にあるか否か判断される。移動処理の可能な関係にない場合にはステップ803でエラー表示がされる。移動処理の可能な関係にある場合には、ステップ805で移動による登録申請のされたすべてのパソコンについてのデータが揃っているか否か判断される。すべてのパソコンについてのデータが揃っていない場合には、ステップ807で他のパソコンについてのデータの要求がされ、ステップ797に進む。他のパソコンの一つでも「登録申請者のみが使用」に設定され、かつ機能制限の解除されているパソコン(PCN)で「登録申請者のみが使用」の設定が解除されると、機能制限の解除されていないパソコン(PCM)における本人の使用が依然可能な一方で、機能制限の解除されているパソコン(PCN)では使用許可された他人が使用可能となるので、実質的に著作権が保護されなくなるためである。
ステップ805ですべてのパソコンについてのデータが揃っている場合には、ステップ809で機能制限の解除されていないパソコン(PCM)のファイルFMから取得されたデータ中に本人のみ使用解除符号Kが存在しているか否か判断される。機能制限の解除されていないパソコン(PCM)のデータ中に本人のみ使用符号Hが存在していたならば、ステップ811で、「機能制限の解除されていないパソコン(PCM)側を先に「登録申請者のみが使用」の設定を解除して下さい。」との警告を発し、ステップ797に進む。
機能制限の解除されていないパソコン(PCM)のデータに本人のみ使用解除符号Kが存在している場合には、ステップ813で、この本人のみ使用解除符号Kの付された時刻が本パソコン(PCN)のデータより新しいか否か判断される。古いデータである場合には、実質的に著作権が保護されなくなるおそれが生ずるためステップ817でエラー表示する。そして、新しいデータである場合には、ステップ815で機能制限の解除されていない他のパソコン(PCM)がまだ残っているか否か判断される。残っている場合にはステップ809からの処理を繰り返す。
機能制限の解除されていないすべてのパソコン(PCM)について本人のみ使用解除符号Kが存在すること等を確認した後、ステップ821で、本パソコン
(PCN)の「登録申請者のみが使用」の設定を解除し、ステップ823で本人のみ使用解除符号Kを解除時間と共にファイルFNに保存する。また、ステップ825でこのファイルFNの内容をフレキシブルディスク等に保存する。図36の例では、PC1Hは解除時間T4でPC1HがPC1Kに変えられる。
以上により、ステップ827で、以降の処理は、通常の移動処理によるパソコン単位の移動にて行われることになる。このように、著作権を保護しつつ、登録申請者のみの自由使用を確保する一方で、パソコン単位の使用権の移動も可能である。機能制限付きソフトウェア1等単位での使用可能な人の設定も可能であり、使用に際しての自由度が増し、プライバシーをも保護することが可能である。 また、移動元及び移動先の情報処理装置で、共に機能制限付きソフトウェア1等の使用に際し、同一のID付記録媒体の適用や同一人による使用を義務付けることが可能である。更に、移動元の情報処理装置では使用に際し、ID付記録媒体等の適用が義務付けられる一方で、移動先の情報処理装置がID付記録媒体用のドライバ等が存在しない場合であっても使用権の移動及び使用が適切に行える。このように、ID付記録媒体用のドライバ等が共に存在する情報処理装置間のみならず、ID付記録媒体用のドライバ等が存在する情報処理装置と存在しない情報処理装置間での移動も可能となり自由度が増す。かかる様々な移動の形態に対しても、自動にて適切な移動処理方法を選択可能である。
なお、図10〜図12には、移動データを履歴として累積するとして説明した。この点、本実施形態では、移動元及び移動先の情報処理装置で、原則として同一のID付記録媒体の適用や同一人による使用を義務付けて、機能制限付きソフトウェア1等の使用に際し、認証符号ID等の一致を見ることとした。このため、ID付記録媒体の適用等を義務付けた情報処理装置間でのみ移動を行う場合には、かかる履歴としての移動データ累積を行わないようにすることも可能である。しかしながら、かかる累積をID付記録媒体の適用等を義務付けた情報処理装置の間でも行うことで、上述のようにID付記録媒体用のドライバ等が存在する情報処理装置と存在しない情報処理装置間での移動をも著作権を保護しつつ可能とすることができる。
なお、図34のステップ651及びステップ652では、指紋認証装置やID付記録媒体等のドライバ等が検出されなかった場合には、機能制限付きソフトウェア1等の単位で使用をできなくするように設定可能とされてもよいとして説明したが、以下の図54及び図55に述べるように移動処理自体をできなくするようにすることも可能である。なお、図54は、図8に、図55は、図9にそれぞれ対応したものである。図8、図9と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図54において、ステップ1601では、著作権保護ソフト51等は、指紋認証装置やID付記録媒体の適用が移動に際して義務付けされているか否か判断する。但し、この義務付けは、各機能制限付きソフトウェア1等毎に予め選択することが可能である。ステップ1601で義務付けがないと判断された場合にはステップ205に進む。一方、義務付けされていると判断されたときステップ1603に進み、当該移動申請のされた情報処理装置中に指紋認証装置やID付記録媒体用のドライバが存在するか否かが判断される。ドライバが存在する場合にはステップ205に進む。ドライバが存在しない場合にはステップ1605で、当該機能制限付きソフトウェア1等の移動に際しては、ID付記録媒体等の利用が必要である旨のメッセージが表示される。そして、ステップ1607で移動はできずにステップ1609で移動処理を終了する。
図55に示すように、移動の受付を行う際も同様であり、指紋認証装置やID付記録媒体の適用が移動に際して義務付けされている機能制限付きソフトウェア1等の場合には、当該移動受付のされた情報処理装置中にID付記録媒体ドライバ等が存在するとき以外移動処理ができない。なお、各機能制限付きソフトウェア1等に対し、ID付記録媒体等の適用の義務付けが選択されている場合には、この義務付け情報が制限解除ファイル8を介してファイルF1に保存されるようにしてもよい。この場合には、図54における移動申請の際に行うステップ1601、ステップ1605〜ステップ1609の処理を省略し、ステップ1603では、移動申請のされた情報処理装置中にID付記録媒体ドライバ等が存在することを確認した上で、この旨の確認符号をステップ207でデータ保存する。そして、移動の受付時には、この旨の確認符号の存在を判断した上で、図55に基づき移動の可否を判断することも可能である。
また、図12のステップ273では、参照ファイルQ1中に認証符号ID等が含まれた状態でファイルFNに更新される。更に、この際にID付記録媒体等の適用の義務付けの判断を行うようにしてもよい。
次に、本発明の第13実施形態について説明する。
本発明の第13実施形態は、インターネットを介してパソコン単位の使用権の移動を行うものである。
図38に移動元のパソコンについての操作フローを示す。ステップ847ではインターネットを介してパソコン単位の使用権の移動を可能とする設定が行われているか否か判断される。インターネットを介してパソコン単位の使用権の移動が欲せられる場合には、予めユーザーにより設定が行われているものとする。設定が行われていない場合には、ステップ849でインターネットを介さずにパソコン単位の移動が行われる。かかる移動処理は、図8〜図21の処理による。
設定が行われている場合には、ステップ851以降の処理が行われる。ステップ851では機能制限の解除されている移動元のパソコンの著作権保護ソフト51等で移動申請ボタンをクリックする。但し、著作権保護ソフト51等の内、パソコン単位の使用権の移動処理の部分のみを独立したソフトとしてもよい。この場合には、この独立された移動処理ソフトを起動した上で移動申請ボタンをクリックする。
ステップ853では、機能制限付きソフトウェア1等の登録者本人による申請か否かが判断される。この本人認証の判断は、登録申請者のバイオメトリクス情報又は本人確認データ(以下、ID付記録媒体の認証符号ID等も含む)と、ファイルFNに保存されたデータとの間で比較される。一致しなければ、ステップ855でエラー表示され、移動処理はされない。一致したならば、ステップ857でファイルFNのデータが、読み込まれる。その後、ステップ859でインターネットに接続され、ステップ861でファイルFNのデータがインターネット上のサイトに送信される。ファイルFNのデータには、図39に示すように機能制限付きソフトウェア1等の使用権が含まれている。
ステップ863でサイトにて本人認証が行われる。この本人認証は、I.D.やパスワード又は登録申請者のバイオメトリクス情報や本人確認データが一致することで本人の確認が行われる。しかしながら、cookieデータ等により本人の確認が行われてもよい。ステップ865では、受信された移動申請のデータがサイトのデータベースに保存される。インターネット上のサイトからは、ステップ867で移動元のパソコンPCNに対し機能制限命令を送信する。そして、ステップ869では、パソコンPCNでこの機能制限命令を受信する。ステップ871では、機能制限付きソフトウェア1等の機能を制限する。
かかる移動処理は、インターネットを介して行われるため、フレキシブルディスク等による場合とは異なり、破壊されたり、以前のデータが流用されるおそれはない。このため、データは累積されていなくてもよい。また、グループ一括にて移動としてもよい。但し、データを累積で行った場合には、インターネットを介しての本処理と、インターネットを介さずに行われる図8〜図21の処理と、移動データに共通性を有しているので、この2通りの移動処理方法をユーザーは適宜混在させた形で使用することも可能である。例えば、他に保存したいデータファイル等の存在する場合には、フレキシブルディスク等により一緒に移動データを持ち運び、一方、フレキシブルディスク等を持ち運びたくない場合はインターネットを介しての処理を選択する等、自由にそのときの気分次第で選択可能である。
更に、本人認証は、登録申請者のバイオメトリクス情報や本人確認データ等によらず、パソコン固有の情報やOS情報にて処理するようにしてもよい。双方を組み合わせて用いるようにしてもよい。
図40に移動先のパソコンについての操作フローを示す。ステップ877ではインターネットを介してパソコン単位の使用権の移動を可能とする設定が行われているか否か判断される。インターネットを介してパソコン単位の使用権の移動が欲せられる場合には、予めユーザーにより設定が行われているものとする。設定が行われていない場合には、ステップ879でインターネットを介さずにパソコン単位の移動が行われる。かかる移動処理は、図8〜図21の処理による。
設定が行われている場合には、ステップ881以降の処理が行われる。ステップ881で機能制限の解除されていない移動先のパソコンの著作権保護ソフト51等で移動受付ボタンをクリックする。ステップ883では、機能制限付きソフトウェア1等の登録者本人による申請か否かが判断される。この本人認証の判断は、検出されたバイオメトリクス情報又は本人確認データと、ファイルFMに保存された登録申請者のバイオメトリクス情報又は本人確認データとの間で比較される。
一致しなければ、ステップ885でエラー表示され、移動処理はされない。一致したならば、ステップ887でファイルFMのデータが、読み込まれる。その後、ステップ889でインターネットに接続され、ステップ891でファイルFMのデータがインターネット上のサイトに送信される。
ステップ893でサイトにて本人認証が行われる。この本人認証は、I.D.やパスワード又は登録申請者のバイオメトリクス情報や本人確認データが一致することで本人の確認が行われる。しかしながら、cookieデータ等により本人の確認が行われてもよい。ステップ895では、移動受付された後、サイトのデータベースに保存されている機能制限付きソフトウェア1等の使用権を含むファイルFNのデータが移動先のパソコンに対して送信される。ステップ897では、このデータが移動先のパソコンで受信される。その後、ステップ899では、移動先のパソコンで、機能制限付きソフトウェア1等の使用権に基づき機能制限付きソフトウェア1等の機能制限が解除される。
以上により、移動元のパソコンでは機能制限付きソフトウェア1等の機能制限が行われる一方で、移動先のパソコンでは機能制限が解除される。
次に、本発明の第14実施形態について説明する。
本発明の第14実施形態は、パソコンの買い換えや故障に際して、古いパソコンを廃棄処分等した上で新規にパソコンを購入したような場合についてである。かかる場合に、登録申請者のバイオメトリクス情報や本人確認データにより本人認証をすることで、使用権の新規パソコンへの移動をより適正に可能とするものである。
図41において、ステップ901で購入前の古いパソコン(PCN)と新規の購入パソコン(PCM)が共に存在する場合には、ステップ903で先述した使用権の移動処理にて対応可能である。一方、古いパソコン(PCN)を廃棄処分等する場合には、ステップ905で、まず古いパソコン(PCN)にて新規購入ボタンをクリックする。そして、ステップ907でバイオメトリクス情報や本人確認データ等を検出する。ステップ909で検出されたバイオメトリクス情報又は本人確認データと、ファイルFNに保存された登録申請者のバイオメトリクス情報又は本人確認データとの間で本人認証の判断が行われる。
一致しなければ、ステップ911でエラー表示され、移動処理はされない。一致したならば、ステップ913でインターネットに接続された後、ステップ915でファイルFNのデータがインターネット上のサイトに送信される。ステップ917では、サイトにてデータを受信し、ステップ919でデータをサイトのデータベースに保存する。そして、ステップ920で古いパソコン(PCN)のファイルFNのデータは削除される。ステップ921でサイトは使い捨てのパスワードを古いパソコン(PCN)に対し発行する。ユーザーは、この使い捨てのパスワードを記録しておく。
ステップ923では、新規に購入したパソコン(PCM)にて新規購入ボタンをクリックする。そして、ステップ925でバイオメトリクス情報や本人確認データ等を検出する。ステップ927で検出されたバイオメトリクス情報又は本人確認データと、ファイルFMに保存された登録申請者のバイオメトリクス情報又は本人確認データとの間で本人認証の判断が行われる。
一致しなければ、ステップ911でエラー表示され、移動処理はされない。一致したならば、ステップ929でインターネットに接続された後、ステップ931で使い捨てのパスワードをパスワード入力欄に入力する。その後、ステップ933でファイルFMのデータがインターネット上のサイトに送信される。そして、ステップ935では、ファイルFMのデータとファイルFNのデータである登録申請者のバイオメトリクス情報又は本人確認データが一致しているか否か判断される。
一致しなければ、ステップ911で移動処理は中止される。一致したならば、ステップ937で、サイトにてファイルFNのデータ中に移動先のパソコンとして新規に購入したパソコン(PCM)の情報を追加記入して移動符号を完成させる。その結果、移動データとしては、例えばPCMS、TSの事前登録情報及びPCN−PCMで時刻Tのように移動処理されたとの最新符号が追加され、完成される。そして、この完成された移動データは、ステップ939でパソコン(PCM)に送信され、ステップ941でファイルFMのデータはこの送信されたデータに上書きされる。
以上により、パソコンの買い換えや故障の際に古いパソコンを事前に廃棄処分したような場合にも対処可能である。
なお、上記は、移動データをサイト側にて完成し、新規に購入したパソコンのファイルFMのデータ情報を更新するとして説明した。しかしながら、新規に購入したパソコンのファイルFMのデータ情報及び制限解除ファイル8のデータ情報を、本人認証のもとに、共に新規に購入したパソコンのものに変更するようにしてもよい。この場合のフローチャートを図42に示す。
図42において、ステップ951でバイオメトリクス情報や本人確認データ等を検出する。ステップ953で検出されたバイオメトリクス情報又は本人確認データと、制限解除ファイル8に保存された登録申請者のバイオメトリクス情報又は本人確認データとの間で本人認証の判断が行われる。
一致しなければ、ステップ955で登録申請者とは異なる旨の警告がされ、処理は中止される。一致したならば、ステップ957で制限解除ファイル8及び新規に購入したパソコンのファイルFMのデータをインターネット上のサイトに送信する。但し、古いパソコンとサイトとがインターネット接続可能であった場合には、古いパソコンのファイルFNのデータの削除が行われていることを前提としてサイトに送信可能としてもよい。そして、ステップ959で、この制限解除ファイル8のデータ等をサイトにて受け付ける。サイトでは、ステップ961で、制限解除ファイル8のデータと予め保存してあるファイルFNのデータである登録申請者のバイオメトリクス情報又は本人確認データが一致しているか否か判断される。
一致しなければ、ステップ955で処理は中止される。一致したならば、ステップ963で、制限解除ファイル8のデータと予め保存してあるファイルFNのデータを新規購入のパソコンに沿ったものに変更する。変更されるデータは、例えば、パソコン固有の情報、OS情報、インストール情報等である。但し、後述する不正検出のため、変更前のデータは保存されるのが望ましい。ステップ965では、変更されたデータが新規に購入したパソコンに受信され、データ更新される。
次に、本発明の第15実施形態について説明する。
本発明の第15実施形態では、不正により複数のパソコンでの機能制限付きソフトウェア1等の使用が可能となっている場合の対処について説明する。
図43において、まずステップ981で、パソコンPCNからのアプリケーションの登録申請時に、著作権管理者側のサイトでは、登録情報等と同時にファイルFNのデータを受信する。但し、登録申請時に限るものではなく、移動申請時、移動受付時等でも受信されるのが望ましい。ステップ983でデータの受信時刻を記録する。そして、ステップ985で、この受信時刻と共にファイルFNのデータをサイトのデータベースに保存する。なお、データの送信時刻をも記録したり、著作権管理者側のサイトとパソコンPCNとの間での時間差が測定されるようにしてもよい。ファイルFNのデータが郵送にて送られる場合であっても受付時刻を記録可能である。
一方、移動可能な他のパソコンPCMについても同様である。このパソコンPCMからのアプリケーションの登録申請時に、著作権管理者側のサイトでは、ステップ987で登録情報等と同時にファイルFMのデータを受信する。かかるデータは、パソコンPCMが移動処理の行われていない場合であっても、様々なアプリケーションを登録申請する際に受信可能となる。但し、登録申請時に限るものではなく、移動申請時、移動受付時等でも受信されるのが望ましい。ステップ989でデータの受信時刻を記録する。そして、ステップ991で、この受信時刻と共にファイルFMのデータをサイトのデータベースに保存する。
その後、cookie情報やユーザーI.D.、パスワード等(又はパソコン固有の情報及びOS情報の一致)を基に本人認証を行い、ステップ993でファイルFNより履歴情報等を抽出する。また、ステップ995でファイルFMより履歴情報等を抽出する。そして、ステップ996では、ファイルFMの履歴情報等とファイルFNの履歴情報等を比較する。ステップ997では、一つの機能制限付きソフトウェア1等であっても登録データ情報に一致があるか否か判断される。一致した機能制限付きソフトウェア1等の存在する場合には、ステップ998に進み、使用制限の解除されていないパソコン(PCM)について「登録申請者のみが使用」に設定され、かつ機能制限の解除されているパソコン(PCN)で「登録申請者のみが使用」の設定が解除されているか否か判断される。また、過去の履歴の中で、このような状態が双方のパソコンの間で生じていなかったか否かについても判断されるのが望ましい。かかる場合には、機能制限の解除されていないパソコン(PCM)における本人の使用が依然可能な一方で、機能制限の解除されているパソコン(PCN)では使用許可された他人が使用可能となるので、実質的に著作権が保護されなくなるためである。
判断の結果、YESの場合には、ステップ999でユーザーに対し警告のメッセージが送信され、ステップ1001で当該パソコンの著作権保護ソフト51等の管理下にあるすべてのアプリケーションの使用が停止される。なお、ステップ1003で、この使用停止解除を行うに際し、サイト側に必要なファイルを自動転送するようにしてもよい。サイト側では、このファイルの解析を行うことで、不正の方法を解読し、かかる不正に対応可能な著作権保護ソフト51等のバージョンアップに役立てることができる。
判断の結果、NOの場合には、ステップ1005で使用権を移動可能なパソコン同士の間でのファイルFNの履歴情報等とファイルFMの履歴情報等とが包含関係にあるか否か判断される。そして、包含関係にない場合には、ステップ999に進む。一方、包含関係にある場合には、ステップ1007でパソコンが共に使用可状態にあるか否か判断される。複数のパソコンが共に使用可状態にある場合は、実質的に著作権が保護されていない状態であると考えられるためである。共に使用可状態にあるか否かは、例えばパソコン(PCM)について、使用可とされていたすべての時間帯(当該機能制限付きソフトウェア1等が使用可能とされた日時から使用制限された日時まで)をファイルFMの履歴情報からまず算出する。続いて、パソコン(PCN)についても同様に、使用可とされていたすべての時間帯をファイルFNの履歴情報から算出する。その後、これらの時間帯の間に重複した部分はないか判断する。重複した部分が存在すれば、この重複した時間帯では共に双方のパソコンが使用可状態にあったと判断可能である。この際にはステップ999に進む。一方、双方のパソコンの時間帯に重複した部分が存在しなかった場合には、ステップ1009に進む。ステップ1009では、共にバイオメトリクス情報又は本人確認データが存在するか否か判断される。そして、存在する場合にはステップ1011でバイオメトリクス情報等が一致するか否か判断される。一致していたならばステップ1013で登録申請処理(又は移動処理)が継続される。ステップ1009で、共にバイオメトリクス情報又は本人確認データが存在しなかった場合には、ステップ1013で登録申請処理(又は移動処理)が継続される。また、ステップ1011でバイオメトリクス情報等が一致しなかった場合にはステップ999に進む。
以上により、様々な不正により複数のパソコンでの機能制限付きソフトウェア1等の使用が可能となっている場合を検出し、対処可能である。なお、ファイルFN等で履歴が取られずに使用権を移動する移動方法を採用している場合であっても、同様の処理により双方のパソコンのデータを対比することで不正を検出可能である。なお、以上の処理は、移動処理がインターネットを介して行われている場合には移動申請時等でも検出可能であるが、インターネットを介して行われていない場合でも、新たな機能制限付きソフトウェア1等の登録申請時にデータを検出することで対処可能である。
また、不正の方法如何によっては、以下に述べるように、1台のパソコンのみにおいてのファイルFN等の履歴の対比によっても不正の検出が可能である。なお、この対処方法は、移動処理がインターネットを介して行われている場合には一層有効である。
図44のステップ1051で、新たな機能制限付きソフトウェア1等の登録申請時(移動申請時)にファイルFNのデータを著作権管理者側のサイトに送信する。ステップ1053では、このデータを受信する。ステップ1055で受信の時刻を記録し、ステップ1057でファイルFNのデータをサイトのデータベースに保存する。なお、データの送信時刻をも記録したり、著作権管理者側のサイトとパソコンPCNとの間での時間差が測定されるようにしてもよい。ファイルFNのデータが郵送にて送られる場合であっても受付時刻を記録可能である。
その後、ステップ1058で、この受信したファイルFNのデータを以前に受信し保存しておいたファイルFNのデータと比較する。そして、ステップ1059で、新データと旧データの内、一つの機能制限付きソフトウェア1等であっても登録データ情報に一致があるか否か判断される。一致した機能制限付きソフトウェア1等の存在する場合には、ステップ1060に進み、新データが旧データを包含しているか否か判断される。新データが旧データを包含している場合には、ステップ1061で登録申請処理(移動申請処理)が継続される。
一方、新データが旧データを包含していない場合には、ステップ1063でユーザーに対して警告のメッセージが送られた後、ステップ1065で当該パソコンの著作権保護ソフト51等の管理下にあるすべてのアプリケーションの使用が停止される。この際には、修繕ボタンにて著作権管理者側のサイトに不正検出されている必要ファイルが送信されるのが望ましい。著作権管理者側では、この送信されたファイル等を調査することでいかなる不正が行われたのかを調査可能である。そして、妥当であれば、ユーザーに対し解除キーを送信する。ユーザー側では、この解除キーの受信があった場合には警告等を解除する。
なお、ステップ1060で包含関係による対比によらず、図43のステップ1007のように、受信したファイルFNのデータを以前に受信し保存しておいたファイルFNのデータとの間で、異なったデータが存在していて、かつ使用可状態の期間に重複した部分が存在しないか判断するようにしてもよい。
次に、本発明の第16実施形態について説明する。
本発明の第16実施形態では、不正の行われたような場合に対し、以下に述べるように、必ず一定期間の後に移動先のパソコンから移動元のパソコンに使用権を戻すように義務付けることで不正に対処するものである。
図45のステップ1101で、機能制限付きソフトウェア1等毎にインストール後の経過時間をカウントする。そして、経過時間のデータはステップ1103でファイルFNに保存される。ステップ1105では、移動がされたか否か判断され、されている場合にはステップ1107で移動処理時に経過時間データも移動される。そして、ステップ1109で移動先のパソコンでも経過時間を継続して累積する。ステップ1111では、経過時間が設定値以上か否か判断される。設定値未満の場合には、引き続きステップ1109に戻り経過時間が継続して計算される。
ステップ1111で経過時間が設定値以上と判断された場合には、ステップ1113で当該機能制限付きソフトウェア1等の登録されたパソコンが表示され、一旦このパソコンに向けて移動処理を行うように指示がされる。ステップ1115で指示に従い登録されたパソコンに移動処理が行われ、正常に完了した場合には、ステップ1117で経過時間がリセットされ、ステップ1101に戻る。OSのバックアップ等の処理による不正が行われた場合には移動処理は正常に完了しないので、ステップ1119で警告の後、当該機能制限付きソフトウェア1等の使用が中止される。
なお、ステップ1105で移動処理が行われていない場合には、ステップ1119で経過時間が設定値以上か否か判断される。設定値未満の場合には、引き続きステップ1101に戻り経過時間が継続して計算される。
ステップ1119で経過時間が設定値以上と判断された場合には、ステップ1117で経過時間がリセットされ、ステップ1101に戻る。
以上のように、必ず一定期間の後に移動先のパソコンから移動元のパソコンに使用権を戻すように義務付けたことで、移動処理が適正に行われているか否かのチェックが可能となる。
次に、本発明の第17実施形態について説明する。
本発明の第17実施形態では、移動申請ボタンや移動受付ボタンを押すことなく、移動処理を自動で行えるようにするものである。
図46において、移動元のパソコンの著作権保護ソフト51等にて「移動処理を自動で行う」に予め設定し、移動先を登録しておく。著作権保護ソフト51等はパソコンに常駐されているか、若しくは著作権保護ソフト51等が一旦起動された後には機能制限付きソフトウェア1等の使用が終了した後でも、著作権保護ソフト51等の終了操作がされない限り、パソコンに常駐するものとする。ステップ1151では、この設定がされているか否か判断する。設定がされていない場合には、ステップ1153で従来通りの手動による移動処理がされる。一方、設定がされている場合には、ステップ1155でOSの終了操作が行われたか否か判断する。終了操作が行われた場合には、ステップ1157で移動データが作成される。グループ一括移動が設定されている場合には一括移動のデータが作成される。
ステップ1159でフレキシブルディスク等がフレキシブルドライブ等の指定場所に存在するか否か判断される。存在していなければステップ1161でフレキシブルディスク等が要求される。ステップ1163ではデータの保存がされ、ステップ1165でOSが終了する。
その後、移動先のパソコンにフレキシブルディスク等を移動する。移動先のパソコンでも著作権保護ソフト51等にて「移動処理を自動で行う」に予め設定されているものとする。図47のフローチャートに基づき移動先のパソコンの処理を説明する。なお、フレキシブルディスク等を移動せずに、そのまま移動元のパソコンとしての著作権保護ソフト51等にて図47のフローチャートに基づく移動処理を行ってもよい。この場合には、移動元のパソコンが移動先のパソコンとなる。
図47において、ステップ1201でOSが起動される。ステップ1203で「移動処理を自動で行う」に設定がされているか否か判断する。設定がされていない場合には、ステップ1205で従来通りの手動による移動処理がされる。一方、設定がされている場合には、ステップ1207で機能制限付きソフトウェア1等の起動がされた際若しくはOSの起動の際、ステップ1209に進む。ステップ1209ではフレキシブルディスク等が指定場所に存在するか否か判断される。存在していなければステップ1211でフレキシブルディスク等が要求される。ステップ1213ではフレキシブルディスク等に保存されたデータが読まれ、ステップ1215で移動処理が自動的に行われる。
以上により、ユーザーは、移動処理を意識することなく、例えばファイルの移動等と共に移動が楽に行える。なお、フレキシブルディスク等によらずインターネット上のサイトを介して移動処理を行う場合でも同様に適用可能である。
次に、本発明の第18実施形態について説明する。
本発明の第18実施形態では、機能制限付きソフトウェア1、使用制限付きファイル61等を著作権管理者側で特定のキー情報に基づき暗号化又は圧縮化した形でダウンロード可能とするものである。特定のキー情報は、パソコン固有の情報、OS情報、インストール情報等や登録申請者のバイオメトリクス情報又は本人確認データの制限解除ファイル8の内容と同一の情報あるいはこれらの内の一部の情報を用いる。
図48において、機能制限付きソフトウェア1、使用制限付きファイル61等の登録申請時には、まずステップ1251で登録申請者のバイオメトリクス情報又は本人確認データが検出される。そして、この検出されたバイオメトリクス情報等は、ファイルF1の予め登録されたデータと一致するか否か判断される。一致した場合には、ステップ1253でインターネット上のサイトに対し、このバイオメトリクス情報等がファイルF1の情報と共に送信される。そして、ステップ1255で、送信されたバイオメトリクス情報等を基に暗号化キー(若しくは圧縮化キー)が生成される。ステップ1257では、この生成された暗号化キーをキーとして機能制限付きソフトウェア1、使用制限付きファイル61等が暗号化(若しくは圧縮化)される。但し、関連付けのされている著作権保護ソフト51等は暗号化等されなくてもよい。
ステップ1259では、暗号化(若しくは圧縮化)された機能制限付きソフトウェア1、使用制限付きファイル61等が、ユーザーのパソコンにダウンロードされ保存される。この際には、制限解除ファイル8も同時にダウンロードされ保存される。制限解除ファイル8にはパスワードが含まれている。一方、機能制限付きソフトウェア1、使用制限付きファイル61等を使用するに際しては、ステップ1251で同様に登録申請者のバイオメトリクス情報又は本人確認データが検出される。そして、この検出されたバイオメトリクス情報等は、ファイルF1の予め登録されたデータと一致するか否か判断される。一致した場合には、ステップ1261で、このバイオメトリクス情報等を基に復号化キー(若しくは解凍化キー)が生成される。一致していない場合には復号化キーは生成されない。使用の際には、一致が判断されることによりその都度復号化キーが生成されるため、より一層確実に著作権を保護できる。
暗号化(若しくは圧縮化)された機能制限付きソフトウェア1、使用制限付きファイル61等は、復号化キー(若しくは解凍化キー)に基づき復号化(若しくは解凍化)され、ステップ1263で主記憶に展開され使用、再生等される。主記憶への展開は、実行形式のファイルのみについて行うようにすることが望ましい。そして、この実行形式のファイルは、実行時のみに主記憶上に存在するのみで、補助記憶装置には、暗号化(若しくは圧縮化)された形式で存在させるのが望ましい。
使用、再生等の際には、ファイルF1が存在するか否か判断し、存在していると判断された場合にはファイルF1に制限解除キーが存在するか否か判断される。制限解除キーが存在する場合には、図33のステップ671に進む。従って、使用権を有するものが判断され、かつパソコン固有の情報やOS情報との一致が判断される。但し、暗号化キー、復号化キーは、共に共通のデータであるバイオメトリクス情報等を基に生成しているので、制限解除キーは不要とすることもできる。機能制限を解除する方法は、例えば図29の処理により行う。図29のステップ355でパスワードが一致しなければ機能制限は続行される。
以上により、解凍や復号化という処理を用いることで始めて使用が可能となるため、不正が行われ難い。
特定のキー情報は、その都度バイオメトリクス情報等が改めて検出された上で、解凍キーや復号化キーが生成される。このため、解凍等が成功した場合には、登録申請者自身の使用であること、又は登録申請時に使用されたパソコン等であること等が精度よく判断可能である。従って、図5のステップ59のような制限解除ファイル8の内容とファイルF1の内容の双方を対比する工程は省略されてもよい。
また、特定のキー情報を基に暗号化、復号化等するため、実質的に制限解除ファイル8の内容、ファイルF1の内容及び機能制限付きソフトウェア1等の3者間の関連を判定可能である。そして、この判定の上で機能制限付きソフトウェア1等を機能制限無しソフトウェア9等としたり、この機能制限無しソフトウェア9等の使用を許可することで、より一層高度に著作権を保護可能である。
更に、機能制限付きソフトウェア1等の使用の際にはパスワードを基に機能制限したり解除したりできる。
次に、本発明の第19実施形態について説明する。
本発明の第19実施形態では、パソコン等の情報処理装置により再生出力された音楽ソフト等の著作物がディジタルデータとして取得され、再び音楽ソフト等の形に処理され当該情報処理装置又は他の情報処理装置に保存されている場合等の対策についてである。
著作権保護ソフト71等は当該情報処理装置に常駐されている。再生ソフトであるプレーヤー65は、著作権保護ソフト71等とは独立されており、何らの関連付けもされていないものが存在したとして以下に説明する。しかしながら、著作権保護ソフト71等をプレーヤー65と関連付けしたものであっても同様の処理が可能である。
図49のステップ1301において、再生ソフトであるプレーヤー65を起動する。ステップ1303では、音楽配信ソフトや動画等のファイルを選択することで特定する。そして、ステップ1305で再生する。このとき、同時に著作権保護ソフト71等はステップ1307で再生出力されたディジタルデータを取得する。取得したディジタルデータはステップ1309で演算する。この演算は、例えば取得したディジタルデータを積算(あるいは積分)し、開始時間から終了時間までの時間をカウントしたり、積算値を時間で除して平均値を算出したりするものである。また、ディジタルデータのイントロ部分(あるいは終了部分等)の複数のサンプリングデータを抽出して予め保存しておいたデータと比較してもよい。ステップ1311で、予め著作権管理者側のサイトからダウンロードされたデータとこれらの演算結果のデータとが比較される。著作権管理者側のサイトには、音楽配信ソフトや動画等のファイル毎に予め同様に演算された結果のデータが用意され、ユーザーによるファイルの登録申請時等にユーザーに対し送信される。
比較の結果、一致若しくは所定の誤差範囲内の場合には、不正にコピー等されたファイルであると推定される。そして、ステップ1313に進みこのファイルが正規に著作権を有するものか否か判断される。正規のものか否かは、ファイル形式、ファイル名称、ファイル容量、ヘッダ情報や透かし情報等が正規のものか否か判断することで可能である。ステップ1311の比較の結果、不一致若しくは所定の誤差範囲を超えている場合には、不正にコピー等されたファイルでないと判断され、ステップ1303に戻り、次のファイルの再生等がされる。ステップ1313でこのファイルが正規に著作権を有すると判断された場合には、ステップ1303に戻る。
一方、ステップ1313でこのファイルが正規に著作権を有しないと判断された場合には、ステップ1315で著作権保護ソフト71等は、この選択されたファイルを不正にコピー等されたファイルであるとして記憶する。そして、ステップ1317で、著作権保護ソフト71等がプレーヤー65と関連付けされている場合には、次の再生は行えないようにする。ステップ1319では、著作権保護ソフト71等の管理下の機能制限付きソフトウェア1等の使用を停止する。即ち、著作権保護ソフト71等が音楽配信ソフトを管轄する以外に、他の機能制限付きソフトウェア1等も管轄する場合には、音楽配信ソフト側に不正の検出があった場合でも機能制限付きソフトウェア1側も使用停止とすることで、ユーザーに対する警告の程度を強めることが可能である。
ユーザーは、これに対し、ステップ1321で修繕ボタンを押すと、ステップ1323で不正検出されているファイル等が著作権管理者側のサイトに送信される。著作権管理者側では、この送信されたファイル等を調査することでいかなる不正が行われたのかを調査可能である。そして、妥当であれば、ユーザーに対し解除キーを送信する。ユーザー側では、ステップ1325でこの解除キーの受信があった場合にはステップ1327で警告等を解除する。
以上により、不正にコピー等されたファイルが情報処理装置に存在する場合であっても、その存在を検出し、警告等することが可能である。ファイルの形式如何によらず不正の検出が可能である。
次に、本発明の第19実施形態の別方法について説明する。
著作権保護ソフト71等がプレーヤー65と関連付けされている場合に、図49の再生は、現実に音として再生するのではなく、例えば、他のプレーヤー65にて他の曲を演奏中に、このプレーヤー65では、バックにて別の音楽配信ソフトを順次当該情報処理装置から自動抽出して再生する。自動抽出は、ファイル形式にて判断する。再生は早送りにて処理されるのが望ましい。そして、再生出力されたディジタルデータを取得し、この取得したディジタルデータをステップ1309で演算するようにしてもよい。この場合の再生は、音として聞くためのものではなく、不正の検出のためのみに行われる。不正の検出は、当該情報処理装置に音楽配信ソフトが残っている限り継続される。
次に、本発明の第20実施形態について説明する。
本発明の第20実施形態は、1台の情報処理装置に保存された著作権保護ソフト51等及び機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61が複数台の情報処理装置で使用可能とされている場合についてである。かかる場合は、例えば学校等において、教師のパソコンに保存された機能制限付きソフトウェア1等を複数人の学生が他のパソコンから使用するような場合に生ずる。
図50にフローチャートを示す。なお、図24と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
複数台の情報処理装置での使用が可能となるように、ユーザーは、予め当該機能制限付きソフトウェア1等を並行して使用可能な台数分について使用権を購入しているものとする。その並行使用可能台数は予めファイルF1に保存されている。
図50において、ステップ1351では、この並行使用可能台数が読み込まれる。ステップ1353では、この並行使用可能台数から台数1台分引かれる。ステップ1355では、残った台数が1台以上であれば、ステップ351に進み、以降の機能制限付きソフトウェア1等の起動が実施される。しかしながら、残った台数が0台となった場合には、ステップ356で機能制限が継続される。但し、例えば機能制限付きソフトウェア1等の使用が1台分終了した際には、残りの台数に1台を加算するようにしてもよい。この場合には、別の1台で機能制限付きソフトウェア1等の使用が可能となる。
以上により、予め使用権の購入された台数分だけの情報処理装置で機能制限付きソフトウェア1等の使用が可能となる。
次に、本発明の第21実施形態について説明する。
本発明の第21実施形態は、1台の情報処理装置に対し、1本の機能制限付きソフトウェア1等が登録申請され、かつこの機能制限付きソフトウェア1等に対するバージョンアップで複数本分の登録申請がされた場合についてである。
不正の態様によっては、かかる場合が想定される。図51に対策としてのフローチャートを示す。
ステップ1401では、機能制限付きソフトウェア1等の登録申請がサイトに対して行われる。ステップ1403では、サイトにおいて、各ユーザー毎にこの機能制限付きソフトウェア1等の販売個数Xが管理される。
次に、当該機能制限付きソフトウェア1等のバージョンアップ製品を同じユーザーが購入したい場合についてである。かかる場合には、ステップ1405で、インターネットに接続された後サイトにて本人認証が行われる。本人認証は、例えばcookie情報やユーザーI.D.、パスワード等(又はパソコン固有の情報及びOS情報の一致)を基に行われる。本人情報が一致している場合には、ステップ1407で当該機能制限付きソフトウェア1等のバージョンアップ製品について登録申請がサイトに対して行われる。今、ユーザーがこの機能制限付きソフトウェア1等のバージョンアップ製品について個数Y本分登録申請したいものとする。
ステップ1409では、サイトに対し個数Y本分の登録申請が行われ、サイトにおいて、ユーザー毎にこの機能制限付きソフトウェア1等のバージョンアップ製品について販売個数Yが管理される。ステップ1411で機能制限付きソフトウェア1等の販売個数Xがバージョンアップ製品の販売個数Yより小さいと判断されたとき、ステップ1413でX本分の登録のみが行われ、Y−X本分の登録は行われない。等しいか大きいと判断されたとき、ステップ1415で登録申請された全本数分Yについて登録が行われる。
次に、本発明の第22実施形態について説明する。
本発明の第22実施形態は、機能制限付きソフトウェア1や試用制限付きファイル61等の使用を使用期間(例えば20日)経過後に機能制限(若しくは停止
)する場合についてである。かかる使用期間は、例えば登録申請を迅速に行ってもらうために設けられている。機能制限付きソフトウェア1等は、コンパクトディスク等で提供されたり、インターネット上でダウンロードされる。機能制限付きソフトウェア1等は既に店頭やネット上でユーザーにより購入(但し未登録の状態)されたものであってもよい。
そして、この機能制限付きソフトウェア1等には、シリアル番号が付けられている。シリアル番号は、重複してユーザー登録されるのを防止するために設けられている。このシリアル番号は、ファイルに保存され、又は紙媒体に印字された形でシールとして添付されている。シリアル番号は暗号化されるのが望ましい。
ユーザーの情報処理装置であるパソコンには、機能制限付きソフトウェア1等及び著作権保護ソフト51等(及びプレーヤー65)がインストールされている。機能制限付きソフトウェア1等は、著作権保護ソフト51等と一体若しくは別体であってもよい。図52において、ステップ1431でインストーラが起動される。ステップ1433でパソコンの現在時刻T1が抽出される。そして、ステップ1435で、この機能制限付きソフトウェア1等に別途終了期限が設けられているか否か判断される。この終了期限は、例えば機能制限付きソフトウェア1等の用途等如何によっては、1年毎に新しいソフトウェアにバージョンアップされたり、1年で保守サービス期間が終了される場合等があるために設けられている。
終了期限が設けられている場合には、ステップ1437で既に抽出されている現在時刻T1を基に終了期限が演算され設定される。ステップ1435で終了期限が設けられていない場合には、ステップ1439に進む。ステップ1439では、パスワードが生成される。但し、パスワードは、著作権保護ソフト51等に予め保存されているものを用いてもよい。そして、ステップ1441では、シリアル番号が、保存されているファイルから読み込まれる。または、シールに印字されたシリアル番号の数字、文字列をユーザーが手入力する。読み込み又は入力されたシリアル番号やパスワードはステップ1443でファイルF1に保存される。なお、シリアル番号は読み込み又は入力の際に、そのシリアル番号が正常に入力等されたか否か判断可能とされるのが望ましい。このため、シリアル番号には、その番号の中に機能制限付きソフトウェア1等を個別に識別する識別番号部分以外にチェックのための数値を含むこととする。このチェック用数値は、例えばシリアル番号の各桁に対し加算や減算、乗算等の適当な演算処理を施したときの結果の数値である。著作権保護ソフト51等は、このチェック用数値を基に識別番号部分をチェックし、一致しなければユーザーに対し再入力を促すものとする。ステップ1445でインストーラによる処理が終了する。
次に、図53のフローチャートに基づき、機能制限付きソフトウェア1等の使用に使用期間(例えば20日)を設定した場合の運用方法について説明する。
ステップ1451で機能制限付きソフトウェア1等の起動用アイコンが起動される。この起動用アイコンにより、まず著作権保護ソフト51等が動作する。ステップ1501でパソコンの現在時刻T2が抽出される。そして、ステップ1505で登録作業が完了しているか判断される。ファイルF1に制限解除キーが保存されていない場合には、登録完了されていないのでステップ1461に進む。ステップ1461では、著作権保護ソフト51等により登録申請画面が出される。
ステップ1463では、この登録申請画面で登録ボタンが押された場合、ステップ1465に進む。ステップ1465では、所定の画面に登録申請に必要な事項が記入される。記入された事項は、ステップ1467でファイルF1と共にインターネット又はフレキシブルディスク等に入れられて郵送により著作権管理者のサイト等に送られる。著作権管理者のサイト等では、ステップ1469でこれらのデータを受付した後、ステップ1471でシリアル番号を確認する。そして、ステップ1473では、このシリアル番号での登録が既にされているか否か判断される。登録済のものが無ければステップ1475に進み、制限解除ファイル8がユーザーに送信又はフレキシブルディスク等に入れられて郵送される。制限解除ファイル8には、シリアル番号も含まれるのが望ましい。ステップ59のファイルF1と制限解除ファイル8との対比により、ステップ61で登録者本人と判定された場合には、ステップ1477で制限解除キー(又は復号化キーや解凍化キー)が制限解除ファイル8よりファイルF1に保存される。ステップ1479では、この制限解除キーが参照されることで、機能制限付きソフトウェア1等の使用が可能となる。この使用は、例えば図7、図24、図28、図29等の処理による。
一方、ステップ1473の判断の結果、シリアル番号での登録が既にされている場合には、ステップ1481に進み、その旨の通知がされる。そして、ステップ1483でソフト購入画面が表示される。ステップ1485でソフト購入ボタンが押された場合には、ステップ1487で購入のための必要事項の記入等の購入処理が所定の画面にて行われる。記入された事項は、ステップ1489でインターネット又はフレキシブルディスク等に入れられて郵送により著作権管理者のサイト等に送られる。ステップ1491では、著作権管理者のサイト等より新規のシリアル番号が付与される。このシリアル番号は、制限解除ファイル8に入れられてユーザーに送られる。ユーザー側では、別途このシリアル番号をフレキシブルディスク等にバックアップすることが望ましい。
次に、ステップ1505で、ファイルF1に制限解除キーが保存されている場合には、登録完了されているのでステップ1507に進む。そして、このステップ1507では、設定された終了期限(例えば1年)以内かどうか判断される。終了期限以内ならばステップ1479に進む。一方、終了期限を超えている場合にはステップ1513に進む。このとき、機能制限付きソフトウェア1等は停止若しくは機能制限される。
一方、ステップ1461で登録申請画面が出され、ステップ1463でキャンセルボタンが押された場合には、ステップ1464に進む。ステップ1464では、ステップ1433で既にファイルF1に保存されている時刻T1との間でT2−T1が演算され、かつこの演算結果が0日以上20日以下か否か判断される。0日以上20日以下の場合には、使用期間であるのでステップ1479に進む。従って、機能制限付きソフトウェア1等をインストール後20日の間は正式使用が可能であるが、起動の都度登録申請画面が表示される。ユーザーは、この20日の間に登録を完了させることが望まれる。
一方、ステップ1464で演算結果が0日未満又は20日を超えている場合には、使用期間外であるのでステップ1513に進む。
次に本発明の第23実施形態について説明する。
本発明の第23実施形態は、著作権保護の多重化についてである。著作権保護は、本発明の第3実施形態の図24に示すように各機能制限付きソフトウェア1の側に著作権保護ソフト51等側よりパスワードを渡し、パスワードの一致を判断することで行ってもよいが、本発明の第23実施形態では、かかる手法に加え、各機能制限付きソフトウェア1(試用制限付きファイル61)を構成するファイル(ファイルF10)を一部暗号化(又は圧縮化等)しておき、パスワードの一致及びパソコン固有情報やOS情報、システム情報等の固有情報一致が判断されたときにこのファイルを復号化(又は解凍化等)して利用するものである。但し、本発明の第23実施形態で追加されるファイルの暗号化、復号化処理部分は図24に示すパスワードの一致判断とは独立して利用されることも可能である。
なお、以下、各機能制限付きソフトウェア1等のプログラムの一部に著作権保護ソフト51等を起動させる命令を組み込んだ場合を例に説明する。
次に、本発明の第23実施形態の動作を図56のフローチャートに基づき説明する。
図56は、ユーザのパソコン10にてインストーラによりインストール時にファイルF10を暗号化する方法である。ファイルF10は、予めプログラムの一部を抽出したものであってもよいし、もともと各機能制限付きソフトウェア1等に存在し、使用時に機能制限付きソフトウェア1等に読まれるテキストデータファイル等であってもよい。テキストデータファイルは、例えばプログラム処理に関係する条件データ等のデータであることが望ましい。ファイルF10は実行速度を早くできるため、容量の小さいことが望ましい。また、このプログラムの一部は、機能制限のかけられた部分から抽出され、かつ各機能制限付きソフトウェア1等のプログラムの処理動作中のメインルーチンに位置することが望ましい。機能制限のかけられた部分以外にファイルF10を設定すると、機能制限モード中に機能制限のかけられていない本来使用可の部分で動作しない部分を生じてしまうからである。また、メインルーチン以外では著作権保護の効果が薄れるからである。
図56において、ステップ2001で、ユーザのパソコンには、機能制限付きソフトウェア1がインストーラによりインストールされる。著作権保護ソフト51等は、機能制限付きソフトウェア1と同時にインストールされてもよいし、別途機能制限付きソフトウェア1とは独立した形でインストールされてもよい。
ステップ2003で、ファイルF1が存在するか否か判断される。存在しない場合には、ステップ2005において、パソコン固有情報やOS情報、システム情報等がパソコンから抽出される。そして、ステップ2007でファイルF1が生成され、このパソコンから抽出されたパソコン固有情報等が保存された後次のステップ2009に進む。パソコン固有情報等は、図57に示すように複数存在するが、データはハッシュ値化される等されてもよい。一方、ステップ2003で、ファイルF1が既に存在すると判断されたとき、ステップ2009でインストール条件設定ファイルが読み込まれる。
インストール条件設定ファイルには、機能制限付きソフトウェア1の製品番号であるプロダクトIDやソフト名称等のソフト情報の他、ファイルF10が存在するか否か、存在する場合にファイルF10を指定しておく。また、この際には、ファイル暗号化設定符号が設定される。更に、暗号化及び復号化のためのキー(以下、固有情報キーという)生成の論理値を示すキー生成論理値aが定義されている。キー生成論理値aには、固有情報キー生成のための論理手順が示されている。例えば、このキー生成論理値aには、固有情報データの内の先頭から第何桁目と第何桁目を抽出し、どのような演算を施すか、あるいは、この抽出したデータをどのように配列してキーを生成するか等の論理手順データが示されている。論理手順は変数化され、キー生成論理値には、この変数への指令データが記録されてもよい。
しかしながら、キー生成論理値aが番号等で指定されることで、固有情報キー生成の論理手順が一つ決定されるようにされてもよい。この場合、固有情報キー生成のための論理手順は複数用意され、予め各キー生成論理値毎に対応されてそれぞれの論理手順がプログラミング化されている。固有情報キー生成の論理手順の詳細については後述する。
次に、ステップ2011では、この読まれたデータがファイルF1に保存される。そして、ステップ2013では、図57に示すように、ファイルF1より当該機能制限付きソフトウェア1に属するキー生成論理値aが読まれる。その後、ステップ2015で、ファイルF1に保存されているパソコン固有情報等が読まれる。なお、パソコン固有情報等は、先述の通り著作権管理者側で登録された後、制限解除ファイル8として返信され、固有情報等の一致が確認されるものである。また、キー生成論理値aは、センターである著作権管理者側より制限解除ファイル8に含まれて送信されてもよい。
ステップ2017では、キー生成論理値aで示す理論に従い、パソコン固有情報等を基に固有情報キーが生成される。又は、キー生成論理値aに関連付けされた論理手順が複数の中から一つ選択され、この理論に従い、パソコン固有情報等を基に固有情報キーが生成されるようにしてもよい。キー生成論理値aの値は、各機能制限付きソフトウェア1毎に異ならせられている。また、固有情報キーは、パソコン固有情報等以外に、時刻データ及び/又は乱数を加味した上で生成されるようにしてもよい。この場合には、生成される固有情報キーはパソコンのみに依存しない変動値となる。このとき取得された時刻データや乱数は、ファイルF1に保存され、復号化の際に再び用いられる。
なお、この固有情報キーの生成に際しては、各固有情報1〜Nを所定の順番に並べ替えたり、固有情報1〜Nを所定の関数を通して演算した結果を用いて、固有情報キーを生成しても良い。また、固有情報1〜Nのデータの一部を指定して(例えば各固有情報の先頭から第何文字目に相当する文字かを指定)抜き取ったり、あるいは一部を重複させて混在させる等して、固有情報キーを生成しても良い。固有情報キーは、その都度生成され、保存される必要がないので安全である。キー生成論理値aの値も各機能制限付きソフトウェア1毎に異なっているので、不当に第3者により解析されるのを難しくできる。仮に第3者による解析を想定すると、機能制限付きソフトウェア1毎にキー生成論理値aのアルゴリズムを解析しなければならない。
ステップ2019では、ファイルF10を、生成した固有情報キーを用いて暗号化する。但し、暗号化処理は、圧縮化等の処理とされてもよい。固有情報キーは、圧縮化等の処理のためのパスワードとして用いられてもよい。また、暗号化処理に代えてファイルF10を例えば複数に分割しておく。そして、使用に際しては順序通り結合再生することで使用可としてもよい。更に、ファイルF10の機械語データが、足し算(その他の引き算等の演算であってもよい)されることで元のデータに再生可能なように複数のファイルに分離されてもよい。
次に、各機能制限付きソフトウェア1の動作について説明する。
図58のフローチャートにおいて、ステップ2051で機能制限付きソフトウェア1のアイコンを選択し、ステップ2053でダブルクリック等により起動する。起動後、処理が進行し、ステップ2055で予めプログラムの適所に埋設された関数が呼び出されると、著作権保護ソフト51等が動作する。但し、著作権保護ソフト51等は、パソコンの起動時に起動され、常駐されるようにしてもよい。そして、ステップ2057で、著作権保護ソフト51等に対し機能制限付きソフトウェア1側よりプロダクトIDが渡される。ステップ2059では、このプロダクトIDを基にファイルF1の中が検索される。そして、ステップ2061では、このプロダクトID下にファイル暗号化設定符号が設定されているか否かが読まれる。ファイル暗号化設定符号が設定されている場合にはステップ2063以降のファイルF10の復号化処理が行われる。一方、ファイル暗号化設定符号が設定されていない場合には、ステップ2063からステップ2087までのファイルF10の復号化処理は行われずにステップ2089までパスされる。
ステップ2063では、当該機能制限付きソフトウェア1が著作権管理者側に既に登録済か否か判断される。当該機能制限付きソフトウェア1が登録済でない場合には、ステップ2064でファイルF10の復号化処理及び機能制限の解除は行われずに機能制限の維持又は停止処理が行われる。また、この際には、当該機能制限付きソフトウェア1の登録申請が促される。
当該機能制限付きソフトウェア1が既に登録済の場合には、ステップ2065で機能制限付きソフトウェア1よりパスワードを取得する。このパスワードは、予め機能制限付きソフトウェア1側に組み込まれていたものである。そして、ステップ2067では、ファイルF1より当該機能制限付きソフトウェア1のパスワードが抽出される。ステップ2069では、ステップ2065で取得されたパスワードとステップ2067で抽出されたパスワードとが対比され、一致するか否か判断される。パスワードが一致しなかった場合には、ステップ2064でファイルF10の復号化処理及び機能制限の解除は行われずに機能制限の維持又は停止処理が行われる。
パスワードが一致した場合には、ステップ2071でパソコンよりパソコン固有情報等が検出され、ステップ2073でファイルF1保存の固有情報と対比される。ステップ2075で、これらの固有情報の一致している個数が例えば50パーセント以上存在しているか否か判断される。但し、固有情報には優先順位を定め、この優先順位の高い固有情報に不一致がないか判断されるようにしてもよい。また、固有情報1〜Nに対し優先順位等に基づいた重み付けを有する点数を与え、そのうち一致した固有情報の合計点が、全部一致した場合の全得点に対して所定割合以上になるか否かにより判断しても良い。優先順位の重み付けは、例えば、固定的に用いられる確率の高い情報や、シリアル番号等を有する情報が高く設定される等されても良い。更に、これらの方法を組み合わせてもよい。
このように、所定割合以上になるか否かの判断としたことで、パソコンの一部の部品が変更とされた場合であっても同一性の判断が可能となる。
ステップ2075で、固有情報の一致している個数が50パーセント未満のときステップ2077でエラーとなる。但し、エラーとせずに、新規の固有情報を著作権管理者側に再登録するようにしてもよい。再登録された場合には、新規の固有情報は、ファイルF1に保存される。
ステップ2075で、固有情報の一致している個数が50パーセント以上のとき、ステップ2079に進み、ファイルF1より当該機能制限付きソフトウェア1に属するキー生成論理値aが読まれる。その後、ステップ2081で、ファイルF1に保存されているパソコン固有情報等が読み込まれる。このように、パソコン固有情報等はファイルF1に保存されている情報を読み込むこととしたので、部品等の変更により実際のパソコン固有情報等が変更されている場合であっても復号化が可能となる。なお、固有情報キーが、パソコン固有情報等以外に、時刻データや乱数を加味した上で生成される場合には、時刻データや乱数もファイルF1より読み込まれる。
ステップ2083では、キー生成論理値aで示す理論に従い、パソコン固有情報等を基に固有情報キーが生成される。固有情報キーは保存される必要はない。 そして、ステップ2085では、予め指定されたファイルF10を、生成した固有情報キーを用いて復号化する。但し、ファイルF10に圧縮化等の処理が施されている場合には、解凍化等される。また、ファイルF10は、特定の画像ファイルとし、ファイルF10の内容は、すかし情報としてこの画像ファイルの中に埋設されてもよい。固有情報キーは、解凍化等の処理のためのパスワードとして用いられる。ステップ2087で復号化処理が終了したことを確認する。
その後、ステップ2089でプログラム処理が所定の関数に至ると、ステップ2091で著作権保護ソフト51等に対し機能制限付きソフトウェア1側よりプロダクトIDが渡される。ステップ2093では、ファイルF1において、このプロダクトIDが検索される。但し、ステップ2091及びステップ2093は、ステップ2057及びステップ2059と同一なので省略されてもよい。そして、ステップ2095では、このプロダクトIDに属するパスワードが抽出される。ステップ2097では、著作権保護ソフト51等側より機能制限付きソフトウェア1側にこのパスワードが渡される。機能制限付きソフトウェア1側では、ステップ2099において、予め機能制限付きソフトウェア1側で保有するパスワードとの対比が行われる。そして、一致していれば、ステップ2101で機能制限付きソフトウェア1の機能制限が解除され、ステップ2103以降の処理へ進む。この際の機能制限の解除ルーチンは、予め機能制限付きソフトウェア1に組まれたプログラムに従って処理される。
ステップ2103以降、ステップ2105に示す所定の箇所でファイルF10が呼ばれ、ステップ2107でファイルF10の処理が行われる。ファイルF10がテキストデータファイルの場合には、ここで、このテキストデータファイルが利用される。その後、所定の処理が行われた後、ステップ2109でユーザの操作により機能制限付きソフトウェア1の動作が終了する。
一方、ステップ2099でパスワードが一致していなければ、ステップ2064に進み機能制限の維持又は停止処理が行われる。
本実施形態では、暗号化されたファイルF10は、機能制限のかけられた部分に属されている。従って、ステップ2101での機能制限の解除が行われた後にステップ2107でファイルF10の処理が行われている。
以上のように、予め復号化処理を行い、その後、この復号化されたプログラム若しくはファイルを利用する。このため、暗号化による分解析はされにくい。ファイルは一部なので、復号化の実行速度も早い。暗号化は、パソコン固有の情報や乱数等を基にユニークなキーとして暗号化されており、復号化は困難である。パソコン固有の情報の一致判断が行われるため他のパソコンでは復号化されない。また、キー生成論理値aを各プロダクトID毎に変化させることで、解析され難くすることができる。キー生成論理値aは、その都度生成され、保存されないので安全である。パソコンの部品の変更が所定割合以下であれば、同一のパソコンの使用と判断され、復号化可能なので、ユーザにとっては安心である。更に、復号化のためのパスワードは外部に露出されておらず、安全である。パスワードはパソコン固有の情報等や本人認証の判断の下に付与されたものなので、厳重な管理が可能である。
更に、複数の機能制限付きソフトウェア1が纏めてファイルF1で管理されているので、著作権違反を監視し易く、著作権違反の生じた際に一括した対応が可能である。
更に、機能制限付きソフトウェア1側におけるパスワードの一致判断に加え、ファイルの一部又は全部の暗号化を図ることで、異なる方式による著作権の多重保護が可能となり一層保護が厳重となる。
なお、図58のフローチャートでは、復号化のルーチンを機能制限付きソフトウェア1の内部に埋設したが、本発明の第3実施形態で説明したように、アイコンの起動と共に著作権保護ソフトを起動させる。この際に、ステップ2055からステップ2087までのファイルF10の復号化処理をまず行ってから、ステップ2053における機能制限付きソフトウェア1の起動を行うようにしてもよい。また、著作権保護ソフトを常駐化させ、ファイルF10の復号化のルーチンをパソコンの起動時に行うようにしてもよい。複数のファイルF10を同時に復号化してもよい。
次に、ファイルF10の暗号化の別形態について説明する。
前述では、ファイルF10は、インストール時に暗号化するとして説明したが、センター側にてファイルF10の暗号化が行われてもよい。以下、図59を基に説明する。
図59において、各機能制限付きソフトウェア1のインストールが行われた後、ユーザがこの機能制限付きソフトウェア1の購入や登録を希望する場合には、ステップ2151でユーザのパソコンにおいて、各機能制限付きソフトウェア1の登録申請が行われる。ステップ2153で、ファイルF1がユーザのパソコンよりセンターに向けて送信される。ステップ2155では、このファイルF1がセンターにおいて受信される。そして、ステップ2157では、当該機能制限付きソフトウェア1に属するキー生成論理値aが指定される。このときの指定は、手動若しくは自動にて複数のキー生成論理値の中から任意に選択される。あるいは、aの値を数字若しくは文字入力として設定するようにしてもよい。
ステップ2159では、ファイルF1からパソコン固有の情報等が読まれる。その後、ステップ2161では、このキー生成論理値aで指定された論理手順に従い、パソコン固有情報等を基に暗号化キーが生成される。そして、ステップ2163では、ファイルF10がこの暗号化キーを基に暗号化される。
ステップ2165では、キー生成論理値aを含むファイルF8がセンター側よりユーザのパソコンに送信される。これと共に、ファイルF10もユーザのパソコンに送信される。ファイルF10は、ステップ2167で所定のディレクトリ下に保存される。但し、ファイルF10は、暗号化処理されていない機能制限付きソフトウェア1の他のファイルと共に一緒に送信され、上書き等されるようにされてもよい。
以下、図58のように復号化処理等が行われるのは同様である。
なお、機能制限付きソフトウェア1は音楽等の試用制限付きファイル61等でも同様に適用可能である。暗号化を試用制限付きファイル61等の一部に対して施せば、その部分だけを視聴できなくできる。また、固有情報は、固有情報に代えて、若しくは固有情報に加えてバイオメトリクス情報又は本人確認データであってもよい。更に、暗号化、復号化部分は、共通キー方式による他、公開キー及び秘密キーの組み合わせによる方式によることも可能である。