JP2005134345A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスセンサ素子にクラックが生じるのを抑制し、しかもセラミックホルダにチッピングが生じるのを抑制することができるガスセンサを提供することである。
【解決手段】凹部11と該凹部11の底部11aに形成された貫通孔12とを有するセラミックホルダ14と、貫通孔12に挿入された板状のガスセンサ素子15とを備え、このガスセンサ素子15と凹部11との隙間に封止材16が充填され、セラミックホルダ14は、凹部11の底部11aと貫通孔12の壁面で構成される角部が面取されており、この面取部20aの貫通孔側が平面であり、該平面と貫通孔の壁面とのなす角θが135°≦θ<180°の範囲にあるガスセンサである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ガスセンサに関し、詳しくは自動車の排ガス中の酸素濃度を検出するための酸素センサ素子に代表される板状のガスセンサに関する。
近年、環境問題がクローズアップされ、各業界にて地球環境を最優先とする取り組みがなされている。とりわけ、自動車業界においては、アメリカのカルフォルニア州の排ガス規制に代表されるように、排気ガス中のCO2、CO、HC、NOx量を年々低減していくことが世の中の流れになってきている。その中で、更なる排ガス中の上記ガスを低減するためには、如何に効率よく燃料を燃焼させるかが重要であり、そのためにも排ガス中の残存酸素量を瞬時に測定し、その情報を燃焼系に速くフィードバックすることができる酸素センサの要望が高まりつつある。
酸素センサはこれまで、排気ガスの熱を利用して、一端が封止された円筒状のセンサを昇温し、センサ機能を発現させてきた。しかし、センサ機能が発現するまでの間、排ガスは垂れ流しの状態にあり、昨今の厳しい排ガス規制には対応しきれなくなってきた。そこで、円筒状のセンサを積極的にヒータで加熱する酸素センサが開発された。このような酸素センサを用いることで、センサ機能を速く発現できるようになり、よりレスポンス良く情報をフィードバックできるようになった。
しかしながら、円筒状のセンサでは、どうしてもサイズが大きくなり、しかもヒータとセンサ部との間隔が大きくなるために、センサ機能の発現速度には限界があった。そこで、最近では、センサ部を板状にして小さくし、更にセンサ部とヒータとを一体成形することで昇温スピードを高め、より速くセンサ機能を発現できるようにした板状の酸素センサ素子が開発されつつある。
図5は上記のような酸素センサ素子を備えた酸素センサの一例を示す断面図である。図5に示すように、この酸素センサは、凹部51と該凹部51の底部に形成された貫通孔52とを有するセラミックホルダ54と、凹部51および貫通孔52に挿入された板状の酸素センサ素子55とを備え、この酸素センサ素子55と凹部51との隙間に封止ガラス等の封止材56を充填して気密状態にシールしたものである(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記隙間に封止材56を充填し、該封止材56を加熱溶融させ、冷却固化させる封止工程を行うと、酸素センサ素子55を構成する薄肉のセラミック層、特に該セラミック層のうち角部53に近接する部分にクラックが発生することがあった。また、セラミックホルダ54の作製時に、角部53付近にチッピングが発生することがあった。このようなクラックやチッピングが発生すると、歩留まりが低下するという問題がある。
特開2000−146901号公報
本発明の課題は、ガスセンサ素子にクラックが生じるのを抑制し、しかもセラミックホルダにチッピングが生じるのを抑制することができるガスセンサを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、図5に示すような従来のガスセンサでは、凹部の底部と貫通孔の壁面で構成される角部の角度が概して直角であるため、封止工程においてガスセンサ素子がセラミックホルダの前記角部から局部的に集中した外力を受け、この外力に起因してガスセンサ素子のセラミックスに応力集中が生じてクラックが発生するという知見を得た。また、セラミックホルダの作製時には、前記角部の角度が概して直角であることに起因して、この尖った角部の先端付近が欠けるチッピングが生じやすい。
これらの知見に基づき、本発明者らは、セラミックホルダにおける凹部の底部と貫通孔の壁面で構成される角部を所定の形状に面取することにより、封止工程においてガスセンサ素子のセラミックスにクラックが発生するのを抑制し、しかもセラミックホルダ作製時に、角部にチッピングが生じるのを抑制することができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決するための本発明のガスセンサは、以下の構成からなる。
(1) 凹部と該凹部の底部に形成された貫通孔とを有するセラミックホルダと、前記凹部および貫通孔に挿入された板状のガスセンサ素子とを備え、このガスセンサ素子と前記凹部との隙間に封止材が充填されたガスセンサであって、前記セラミックホルダは、前記凹部の底部と前記貫通孔の壁面で構成される角部が面取されており、この面取部のうち少なくとも貫通孔側が平面であり、該平面と貫通孔の壁面とのなす角θが135°≦θ<180°の範囲にあることを特徴とするガスセンサ。
(2) 凹部と該凹部の底部に形成された貫通孔とを有するセラミックホルダと、前記凹部および貫通孔に挿入された板状のガスセンサ素子とを備え、このガスセンサ素子と前記凹部との隙間に封止材が充填されたガスセンサであって、前記セラミックホルダは、前記凹部の底部と前記貫通孔の壁面で構成される角部が面取されており、この面取部のうち少なくとも貫通孔側が曲面であり、該曲面の貫通孔側端部における接平面と貫通孔の壁面とのなす角θが135°≦θ≦180°の範囲にあることを特徴とするガスセンサ。
(3) 前記曲面の曲率半径が0.5mm以上である(2)記載のガスセンサ。
(4) 前記セラミックホルダを構成するセラミックスの熱膨張係数が、前記ガスセンサ素子を構成するセラミックスとほぼ同等である(1)〜(3)のいずれかに記載のガスセンサ。
(5) 前記セラミックホルダが1軸プレス成形により形成されたものである(1)〜(4)のいずれかに記載のガスセンサ。
前記(1)記載のガスセンサによれば、面取部のうち少なくとも貫通孔側の面取形状が平面であり、該平面と貫通孔の壁面とのなす角θを所定範囲の鈍角としているため、封止工程においてガスセンサ素子がセラミックホルダの角部から受ける外力を従来のように集中させずに分散させることができるので、ガスセンサ素子のセラミックスにクラックが生じるのを抑制することができる。また、角θが所定範囲の鈍角であるので、角部の先端付近が欠けにくくなり、セラミックホルダの作製時において角部にチッピングが生じるのを抑制することができる。これにより、ガスセンサを製造する際の歩留まりを向上させることができる。
また、本発明のガスセンサは、前記(2)記載のように、面取部のうち少なくとも貫通孔側の面取形状が曲面であり、該曲面の貫通孔側端部における接平面と貫通孔の壁面とのなす角θを所定範囲の鈍角としてもよい。このような曲面にすることで、前記(1)と同様に、封止工程においてガスセンサ素子がセラミックホルダの角部から受ける外力を従来のように集中させずに分散させることができるので、ガスセンサ素子のセラミックスにクラックが生じるのを抑制することができる。また、上記のような曲面にすることでチッピングの発生をも抑制できる。特に、曲面の曲率半径は、前記(3)記載のように、0.5mm以上であるのがよい。これにより、クラックやチッピングの発生をより低減させることができる。
前記(4)記載のガスセンサによれば、セラミックホルダを構成するセラミックスとガスセンサ素子を構成するセラミックスの熱膨張係数がほぼ同等であるときには、ガスセンサ素子のクラックの発生を低減させる効果をより向上させることができる。
前記(5)記載のように、セラミックホルダを1軸プレス成形により形成することにより、量産性を向上させ、コストダウンを図ることができる。
以下、本発明のガスセンサについて、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる酸素センサを示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の酸素センサは、凹部11と該凹部11の底部11aに形成された貫通孔12とを有するセラミックホルダ14と、凹部11および貫通孔12に挿入された板状の酸素センサ素子15とを備えている。
酸素センサ素子15は、ジルコニア層17、セラミック層18、基準大気と接するように中空にした空洞部19等によって構成されており、先端部付近には検知電極37と基準電極38がジルコニア層17の両面にそれぞれ形成されている。これらの電極37,38とジルコニア層17によりセンサ部が構成されている。また、空洞部19の開口部19a側と、検知電極37側とは一点鎖線で示す仕切板21で仕切られている。なお、公知の金属ハウジングに収容されて、測定ガス側と基準大気(O2)と仕切られていても何ら問題ない。酸素センサ素子15と凹部11との隙間には封止材16が充填され気密状態にシールされている。なお、図1では、後述する図4に記載のヒータ39、電極パッド42は図示していない。
本実施形態の酸素センサは、セラミック層18内に内在されたヒータを加熱してジルコニア層17を400〜1000℃程度に加熱した状態で、空洞部19に基準大気(酸素)が導入され、検知電極37が排ガス等の測定雰囲気中に配置される。そして、検知電極37と基準電極38との間で発生する起電力を測定して、排気ガス中の酸素濃度を測定する。
<I.面取部が平面からなる場合>
図2(a)は、図1に示す酸素センサにおける凹部11の底部11aと貫通孔12の壁面で構成される角部付近を示す拡大断面図である。図2(a)に示すように、セラミックホルダ14は、凹部11の底部11aと貫通孔12の壁面で構成される角部が面取されており、この面取部20aが平面(C面)であり、該平面と貫通孔12の壁面とのなす角θaが135°≦θa<180°、好ましくは135°≦θa≦165°の範囲にある。
これにより、後述する封止工程において、酸素センサ素子15がセラミックホルダ14の面取部20aから受ける外力が分散し、酸素センサ素子15のセラミックスにクラックが生じるのを抑制することができる。また、角θaが上記範囲の鈍角であるので、角部が欠けにくくなり、セラミックホルダ14の作製時において角部にチッピングが生じるのを抑制することができる。この形態の場合、平面(C面)の長さLaは0.5mm以上であるのが好ましい。
<II.面取部が平面と曲面とからなる場合>
図2(b)は角部付近の他の実施形態を示す拡大断面図である。図2(b)に示すように、セラミックホルダ14は、凹部11の底部11aと貫通孔12の壁面で構成される角部が面取されており、この面取部20bの貫通孔側が平面でかつ面取部20bの凹部側が曲面であり、前記平面と貫通孔12の壁面とのなす角θbが135°≦θb<180°、好ましくは135°≦θb≦165°の範囲にある。これにより、前記Iの場合と同様に、クラックおよびチッピングが生じるのを抑制することができる。この形態の場合、曲面の曲率半径rbは特に限定されない。また、平面(C面)の長さLbは0.5mm以上であるのが好ましい。
<III.面取部が曲面からなる場合>
図2(c)は角部付近のさらに他の実施形態を示す拡大断面図である。図2(c)に示すように、セラミックホルダ14は、凹部11の底部11aと貫通孔12の壁面で構成される角部が面取されており、この面取部20cが曲面(R面)であり、該曲面の貫通孔側端部における接平面Pcと貫通孔12の壁面とのなす角θcが135°≦θc≦180°、好ましくは135°≦θc≦165°の範囲にある。これにより、前記Iの場合と同様に、クラックおよびチッピングが生じるのを抑制することができる。この形態の場合、曲面の曲率半径rcは0.5mm以上であるのが好ましい。
図2(d)は、図2(c)の場合と同様に面取部20dが曲面からなり、該曲面の貫通孔側端部における接平面Pdと貫通孔12の壁面とのなす角θdがθd=180°の場合を示す拡大断面図である。上記と同様に、この曲面の曲率半径rdは0.5mm以上であるのが好ましい。
<IV.面取部が曲面と平面とからなる場合>
図2(e)は角部付近のさらに他の実施形態を示す拡大断面図である。図2(e)に示すように、セラミックホルダ14は、凹部11の底部11aと貫通孔12の壁面で構成される角部が面取されており、この面取部20eの貫通孔側が曲面でかつ面取部20eの凹部側が平面であり、前記曲面の貫通孔側端部における接平面Peと貫通孔12の壁面とのなす角θeが135°≦θe≦180°、好ましくは135°≦θe≦165°の範囲にある。これにより、前記Iの場合と同様に、クラックおよびチッピングが生じるのを抑制することができる。この形態の場合、曲面の曲率半径reは0.5mm以上であるのが好ましい。また、平面の長さLeは特に限定されない。
上記I〜IVの各実施形態において、角θa〜θeが135°未満になると、封止工程において酸素センサ素子15のセラミックスに生じる応力集中を緩和する効果が低下して該セラミックスにクラックが生じるおそれがあり、またセラミックホルダ14にチッピングが生じるおそれがある。
面取部の形状は、上記I〜IVの実施形態に限定されるものではなく、例えば複数の平面と複数の曲面がランダムに組み合わされたような形態であってもよい。なお、本発明では、面取部の形状は、好ましくはR面、より好ましくは曲率半径が0.5mm以上のR面であるのがよい。
図3は、本発明の他の実施形態にかかる酸素センサを示す断面図である。図3に示すように、本実施形態の酸素センサにおけるセラミックホルダ14’は、凹部11’と該凹部11’の底部11a’に形成された貫通孔12とを有している。この酸素センサのように、本発明では、凹部11’の内側面および底部11a’をすべて曲面で形成してもよい。この酸素センサにおいても、セラミックホルダ14’は、凹部11’の底部11a’と貫通孔12の壁面で構成される角部が前記した条件で面取されていることが重要である。なお、他の部位については、図1と同じ符号を付して説明を省略する。
以下、酸素センサ素子15を製造する方法の一例について、図4の分解斜視図をもとに説明する。なお、図4では電極接続用のスルーホール等は省略してある。
<酸素センサ素子の作製>
まず、グリーンシート30〜36を、例えばドクターブレード法を用いたテープ成形等の公知の成形方法によって作製する。ついで、電極用金属材料と共材を混合してヒータ電極用の印刷ペーストを作製する。混合方法は、特に限定されるものではなく、例えば3本ロール等のロール混合、ミルを用いたミル混合等を用いることができる。同様に、検知電極用の印刷ペースト、基準電極用の印刷ペースト、絶縁層用の印刷ペースト、ヒータ電極用の印刷ペーストおよび電極パッド用の印刷ペーストを、ロール混合等を用いて作製する。電極材料としては、例えば白金、あるいは白金とロジウム、パラジウム、ルテチウムおよび金からなる群より選ばれる1種との合金などが使用可能である。
ついで、グリーンシート30、31にスクリーン印刷等により電極ペーストを塗布し、検知電極37および基準電極38の電極パターンを形成する。これらの電極パターンは、1枚のグリーンシートの両面に印刷してもよい。グリーンシート30、31はセル部を構成するものであるため、材料としてジルコニア等の固体電解質からなるセラミックス材料が用いられる。また、固体電解質としては、安定化剤としてY23、Yb23、Sc23、Sm23、Nd23、Dy23などの希土類酸化物を酸化物換算で3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2または安定化ZrO2、アルカリ土類元素を固溶させたZrO2などを用いてもよい。その他のグリーンシート32〜36の材料としては、特に限定されるものではなく、グリーンシート30,31と同じ固体電解質を用いてもよく、アルミナ含有材料等の種々のセラミック材料を用いることもできる。
次に、グリーンシート34に印刷等により絶縁層用の印刷ペースト40を塗布、乾燥し、ついで印刷ペースト40にスクリーン印刷等によりヒータ電極用の印刷ペーストを塗布し、ヒータ39のパターンを形成し、さらに絶縁層用の印刷ペースト41をヒータ39のパターン上に塗布、乾燥する。これにより、絶縁層用の印刷ペースト40,41に内在されたヒータ39のパターンを、グリーンシート34上に形成することができる。絶縁層としては、例えばアルミナ含有材料などの絶縁材料を用いることができる。
また、グリーンシート36に印刷等により電極パッド用の印刷ペーストを塗布し、ヒータの取り出し電極パッド42のパターンを形成する。ついで、各種電極、絶縁層、ヒータパターン等が形成された各グリーンシート、基準大気と接するようにコ字形状に金型で打ち抜いたグリーンシート32、厚み調整用のグリーンシート33、35等を、位置決めして密着積層し、グリーン体(グリーンシートの積層体)を得ることができる。なお、酸素センサ素子の厚み調整のために、各種パターンが印刷されていない他のグリーンシートを上記グリーンシート間にさらに介在させても何ら問題なく、図4に限定されるものではない。また、上記のように絶縁層用の印刷ペースト41を用いずに、絶縁性材料からなるグリーンシート内にヒータ39のを内在させてもよい。
次に、各種電極、絶縁層、ヒータパターン等を有するグリーン体を同時焼成する。焼成温度は、セラミック材料及び電極材料等との関係に応じて適宜選択することができる。同時焼成によって、焼成工程を一回にすることができ、コストダウンを図ることができる。
<セラミックホルダの作製>
セラミックホルダは、例えばプレス成形によって作製することができる。セラミックホルダを構成するセラミックスは、特に限定されず、ジルコニア、アルミナ等の種々のセラミックスを使用できるが、好ましくはその熱膨張係数がガスセンサ素子を構成する主のセラミックスの熱膨張係数とほぼ同等であるのがよく、より好ましくはガスセンサ素子を構成する主のセラミックスと同じ材料であるのがよい。セラミックホルダを構成するセラミックスの熱膨張係数がガスセンサ素子を構成する主のセラミックスと異なると、クラックの発生を抑制する効果が低減するおそれがある。
プレス成形としては、1軸プレス、CIP(冷間静水圧加圧)等を用いることができる。1軸プレスでは、セラミックホルダにおける凹部の底部と貫通孔の壁面とのなす角θが、上記I〜IVで示した所定の範囲になるような金型を使用する。また、CIPでは、CIP後のブロックを加工することにより、セラミックホルダにおける凹部の底部と貫通孔の壁面とのなす角θを、上記I〜IVで示した所定の範囲にすることができる。必要に応じて、セラミックホルダの外周の角部にC面やR面を形成することもできる。プレス成形のなかでも、特に量産性を考慮すると1軸プレスが好適である。
<封止工程>
次に、セラミックホルダの凹部および貫通孔に酸素センサ素子を挿入し、位置決めした後、封止ガラス粉をセラミックホルダの凹部と酸素センサ素子との隙間に充填する。その後、封止ガラスが溶融する温度に加熱し、その後冷却して、気密化された酸素センサを得ることができる。封止ガラスの材質としては、Li―Al−ケイ酸塩ガラス、Li―Ba−Al−ケイ酸塩ガラス等を挙げることができる。
なお、上記実施形態では、本発明を酸素センサに適用した場合について説明したが、本発明は、図1〜4に示した酸素センサのみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲において、NOxセンサ、CO2センサ等の類似した構造のガスセンサにも適用可能である。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<酸素センサの作製(図2(d)の形態)>
まず、平均粒径0.8μmのジルコニア粉末に、ブチラール系バインダー、溶剤およびメディアを混合し、48時間撹拌してスラリーを得た。その後、ドクターブレード成形にて上記スラリーを成形、乾燥させて、厚さ200μmのグリーンシートを作製した。
次に、平均粒径1μmの白金粉末に、共材比が40vol%となるようにジルコニア粉末を混合し、さらにブチラール系バインダーおよびテルピネオールを調合し、3本ロールにて10回パス混合した後、テルピネオールにて希釈し、粘度調整してヒータ用の印刷ペーストを得た。
また、平均粒径1μmの白金粉末に、ブチラール系バインダーおよびテルピネオールを調合し、3本ロールにて10回パス混合した後、テルピネオールにて希釈し、粘度調整した検知電極用の印刷ペーストおよび基準電極用の印刷ペーストを得た。
得られた各印刷ペーストを用いて、前記グリーンシートに各種電極パターンをスクリーン印刷にて形成し、その後、乾燥させて、電極が形成されたグリーンシートをそれぞれ得た。
一方、平均粒径0.5μmのアルミナ粉末に、ブチラール系バインダーおよびテルピネオールを調合し、3本ロールにて10回パス混合した後、テルピネオールにて希釈し、粘度調整した絶縁層用の印刷ペーストを得た。
得られた絶縁層用の印刷ペーストを用いて、前記グリーンシートに絶縁層パターンをスクリーン印刷にて形成し、乾燥させた後、ヒータ用の印刷ペーストをスクリーン印刷にて形成し、乾燥させた後、更にその上に絶縁層用の印刷ペーストを用いて絶縁層パターンをスクリーン印刷にて形成し、乾燥させて、ヒータパターンが絶縁層に内在されたグリーンシートを得た。
一方、基準大気と接する空洞部に位置する各グリーンシートは、金型を用いて、検知部分となる幅1.6mmの空洞部を有するコ字形状に打ち抜き、空洞部を有するグリーンシートを得た。
その後、上記で得られた各グリーンシートを位置決めして積層し、加圧プレスして全積層層数10層のグリーン体(酸素センサ素子成形体)を得た。ついで、所定の寸法にホットナイフでカットし、グリーン体を1450℃にて2時間焼成して、酸素センサ素子を作製した。
一方、平均粒径1μmのジルコニア粉末または平均粒径2μmのアルミナ粉末に、アクリル系バインダー、溶剤およびメディアを混合し、48時間撹拌して、スプレードライ用のスラリーを得、ついでスプレードライを行って、ジルコニア顆粒およびアルミナ顆粒をそれぞれ作製した。また、セラミックホルダにおける凹部の底部と貫通孔の壁面とで構成される角部(面取部)が表1に記載の曲率半径となる金型を準備した。そして、該金型に前記ジルコニア顆粒またはアルミナ顆粒を充填し、150MPaにて1軸プレスを行った。その後、ジルコニアプレス体を1400℃で、アルミナプレス体を1550℃で焼成してセラミックホルダを得た。
次に、セラミックホルダの貫通孔に酸素センサ素子を挿入し、治具にて位置決めした後、Li―Ba−Al−ケイ酸塩ガラスからなる封止ガラス粉を前記セラミックホルダの凹部と酸素センサ素子との隙間に充填した。その後、1100℃で10分間加熱して、封止ガラスにて気密化されたセラミックホルダと一体化した試料No.2〜5の酸素センサを各20個ずつ得た。
得られた各酸素センサについて、図1、図4に示すような前記酸素センサ素子の長手方向にジルコニア層を含む断面になるようにカットした。そして、セラミックホルダにおける凹部の底部と貫通孔の壁面で構成される角部に対峙する酸素センサ素子のジルコニア層に発生したクラックの有無により、クラック発生率を求めた。クラック発生率はクラックが発生した個数を全数で除し、その100分率で算出した。また、セラミックホルダを100個作製し、角部のチッピングの有無により、チッピング率を求めた。チッピング率はチッピングが発生した個数を全数で除し、その100分率で算出した。結果を表1に示す。
Figure 2005134345
<酸素センサの作製(図2(a)の形態)>
セラミックホルダにおける凹部の底部と貫通孔の壁面とで構成される角部をC面形状に面取し、この面取部を表1に示す寸法および角度とした他は、実施例1と同様にして試料No.6〜8、No.10〜13、No.15〜18、No.20の酸素センサを各20個ずつ作製した。
<酸素センサの作製(図2(e)の形態)>
セラミックホルダにおける凹部の底部と貫通孔の壁面とで構成される角部を、貫通孔側が曲面で凹部側が平面になるように面取し、前記曲面の曲率半径および前記平面の長さ,角度を表1に示す値とした他は、実施例1と同様にして試料No.21の酸素センサを20個作製した。
[比較例1]
セラミックホルダにおける凹部の底部と貫通孔の壁面とで構成される角部を面取していない他は、実施例1と同様にして試料No.1の酸素センサを20個作製した。
[比較例2]
セラミックホルダにおける凹部の底部と貫通孔の壁面とで構成される角部をC面形状に面取し、この面取部を表1に示す寸法および角度とした他は、実施例1と同様にして試料No.9,14,19の酸素センサを各20個ずつ作製した。
表1から、角部を面取していない試料No.1およびC面の角度が120°の試料No.9,14,19は、クラック発生率およびチッピング発生率がともに高いことがわかる。一方、本発明の範囲内である試料No.2〜8、No.10〜13、No.15〜18、No.20,21は、クラック発生率およびチッピング発生率がともに低く、良好な結果が得られた。
本発明の一実施形態にかかる酸素センサを示す断面図である。 (a)〜(e)は、本発明の酸素センサにおける凹部の底部と貫通孔の壁面で構成される角部付近をそれぞれ示す拡大断面図である。 本発明の他の実施形態にかかる酸素センサを示す断面図である。 本発明における酸素センサ素子の製造方法を説明するための分解斜視図である。 従来の酸素センサを示す断面図である。
符号の説明
11 凹部
11a 凹部の底部
12 貫通孔
14 セラミックホルダ
15 酸素センサ素子
16 封止材
17 ジルコニア層
20a〜20e 面取部

Claims (5)

  1. 凹部と該凹部の底部に形成された貫通孔とを有するセラミックホルダと、前記凹部および貫通孔に挿入された板状のガスセンサ素子とを備え、このガスセンサ素子と前記凹部との隙間に封止材が充填されたガスセンサであって、
    前記セラミックホルダは、前記凹部の底部と前記貫通孔の壁面で構成される角部が面取されており、この面取部のうち少なくとも貫通孔側が平面であり、該平面と貫通孔の壁面とのなす角θが135°≦θ<180°の範囲にあることを特徴とするガスセンサ。
  2. 凹部と該凹部の底部に形成された貫通孔とを有するセラミックホルダと、前記凹部および貫通孔に挿入された板状のガスセンサ素子とを備え、このガスセンサ素子と前記凹部との隙間に封止材が充填されたガスセンサであって、
    前記セラミックホルダは、前記凹部の底部と前記貫通孔の壁面で構成される角部が面取されており、この面取部のうち少なくとも貫通孔側が曲面であり、該曲面の貫通孔側端部における接平面と貫通孔の壁面とのなす角θが135°≦θ≦180°の範囲にあることを特徴とするガスセンサ。
  3. 前記曲面の曲率半径が0.5mm以上である請求項2記載のガスセンサ。
  4. 前記セラミックホルダを構成するセラミックスの熱膨張係数が、前記ガスセンサ素子を構成するセラミックスとほぼ同等である請求項1〜3のいずれかに記載のガスセンサ。
  5. 前記セラミックホルダが1軸プレス成形により形成されたものである請求項1〜4のいずれかに記載のガスセンサ。
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