JP2005134090A - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】 除霜ヒータの暴走を未然に防止する。
【解決手段】 冷蔵室11Aと冷凍室11Bには、個別に冷却ユニット15A,15B、除霜ヒータ30A,30B、並びに庫内温度センサ29A,29B、除霜温度センサ31A,31Bが装着されて、共通の制御基板38に接続され、個々に冷却運転、除霜運転及び除霜ヒータ30を利用した庫内昇温が行われる。庫内温度センサ29A,29Bの接続間違いをした場合、冷蔵室11Aを不必要に昇温するべく、冷蔵室11A側の除霜ヒータ30Aが暴走するおそれがある。そのため運転中に、両庫内温度センサ29A,29Bの検知温度が監視され、いずれか一方が停止温度以上に上昇したら、両除霜ヒータ30A,30Bへの通電が遮断される。これにより除霜ヒータ30A,30Bの暴走が未然に防止され、除霜ヒータ自身が焼損したり、周囲部材が損傷を受けることが防止される。
【選択図】 図5
Description
一方、この種の業務用冷凍冷蔵庫では、ヒータを用いて除霜運転が行われるようになっており、機種によってはさらに、冷凍室または冷蔵室が過剰に冷却された場合に、上記の除霜ヒータを用いて庫内温度を上昇回復させる機能を備えたものもある。
また同じく両室1A,1Bにおいて、庫内温度センサ3A,3Bの検知温度が所定の過冷温度(例えば各設定温度−5K)まで下降したら、過剰な冷却状態にあるとして、対応する除霜ヒータ4A,4Bに通電して庫内温度を上昇させ、過冷状態を脱したら、除霜ヒータ4A,4Bへの通電を停止するようになっている。
一例を挙げると、図7の破線の矢線に示すように、冷蔵室1Aに装備された庫内温度センサ3Aを、制御基板6における冷凍室1B側の庫内温度センサ3Bの入力ポート7Bに、逆に冷凍室1Bに装備された庫内温度センサ3Bを冷蔵室1A側の庫内温度センサ3Aの入力ポート7Aに接続した場合がある。
逆に冷蔵室1A側では、冷凍室1B側の庫内温度が入力され、上記のように同庫内温度は冷却の一途であるため、冷蔵室1A側が過剰な冷却状態にあると見なされ、それを修復するべく冷蔵室1A側の除霜ヒータ4Aに通電される。ところが、検知されているのは冷凍室1Bの庫内温度であって、上記のようにどんどん低下している状態にあるため、冷蔵室1A側が昇温されたとは認められずに、除霜ヒータ4Aへの通電がひたすら継続される、いゆわるヒータが暴走する事態を招く。その結果、ヒータ自身や周辺部材が損傷するおそれがある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、除霜ヒータの暴走を未然に防止するところにある。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記除霜ヒータには周囲温度が所定以上に達すると切断される温度ヒューズが装備されており、前記停止温度は、前記温度ヒューズが切断に至る前の温度値に設定されているところに特徴を有する。
運転中に、全庫内温度センサの検知温度が監視され、いずれか一つの検知温度でも停止温度以上となったら、全除霜ヒータへの通電が遮断される。言い換えると、一つの庫内温度でも、通常取り得るよりも高い停止温度に達したら、センサの誤接続等に起因して除霜ヒータへの通電時間が不必要に長くなっていると見なされて強制的に通電が停止され、除霜ヒータの暴走が未然に防止される。もって除霜ヒータ自身が焼損したり、周囲部材が損傷を受けることが防止される。
運転中に、全除霜温度センサの検知温度が監視され、いずれか一つの検知温度でも停止温度以上となったら、全除霜ヒータへの通電が遮断される。すなわち蒸発器若しくはその近傍の温度が、一つでも通常取り得るよりも高い停止温度に達したら、同様にセンサの誤接続等に起因して除霜ヒータへの通電時間が不必要に長くなっていると見なされて強制的に通電が停止され、除霜ヒータの暴走が未然に防止される。
何らかの事情により、庫内温度センサから正規に検知温度が得られなかったような場合に、除霜ヒータの暴走の防止を保証する上からも有効である。
庫内温度センサに係る停止温度と、除霜温度センサに係る停止温度とを同一温度としたから、制御系統が簡単となる。
<請求項4の発明>
除霜ヒータに温度ヒューズが装備されている場合、それが切断する前に除霜ヒータへの通電が停止される。温度ヒューズを交換することなく再運転できる。
冷凍冷蔵庫は例えば4ドアタイプであって、図1に示すように、前面が開口された断熱箱体からなる本体10を備えており、前面開口が十字形に仕切られて4個の出入口が形成され、正面から見た右上部の出入口と対応した略1/4の内部空間が、断熱性の仕切壁で仕切られて冷凍室11Bとされ、残りの略3/4の領域が冷蔵室11Aとされている(図2参照)。各出入口にはそれぞれ断熱性の扉12が揺動開閉可能に装着されている。
なお以下の説明において、冷蔵室11A側と冷凍室11B側とは共通した構造となる場合が多く、したがって構成部材についても同一機能を有するものが使用されるが、共通した構成部材については同一符号を付し、特に冷蔵室11A側と冷凍室11B側とを区別したい場合には、各符号に添え字「A」または「B」を付すことにする。
一方、冷蔵室11Aと冷凍室11Bの天井部には、冷却ダクトを兼ねたドレンパン23が奥側に向けて下り勾配で張設され、ユニット台21との間に蒸発器室24が形成されている。ドレンパン23の上部側には吸込口25が設けられ、冷却ファン26が装備されているとともに、下部側には吐出口27が形成されている。
また、各蒸発器20の下面側には、蒸発器20を加熱して除霜するための除霜ヒータ30が装着されているとともに、上部側には、蒸発器20の温度を検知して除霜が完了したか否かを判断するための除霜温度センサ31が取り付けられている。
機械室13の前面には、冷蔵室11Aと冷凍室11Bの設定温度等を個別に設定可能な操作盤33が設けられており、またこの操作盤33には表示部が設けられ、冷蔵室11Aと冷凍室11Bの庫内温度や各種警報等が表示できるようになっている。
制御基板38の入力部には、冷蔵室11A側と冷凍室11B側のそれぞれの庫内温度センサ29A,29Bと除霜温度センサ31A,31Bとが接続されている。一方、出力部には、冷蔵室11A側と冷凍室11B側のそれぞれの冷却ユニット15A,15B(圧縮機16A,16B)、冷却ファン26A,26B及び除霜ヒータ30A,30Bが接続されている。
また、制御基板38は操作盤33とも接続されている。
この間、庫内温度センサ29で検知された庫内温度が予め定められた設定温度よりも高いか低いかによって、対応する冷却ユニット15(圧縮機16)と冷却ファン26の運転と停止とが制御され、各室11A,11Bがほぼ設定温度に維持される。
加えて冷蔵室11Aと冷凍室11Bにおいて、庫内温度センサ29の検知温度が所定の過冷温度(例えば各設定温度−5K)まで下降したら、過剰な冷却状態にあるとして、対応する側の除霜ヒータ30に通電して庫内温度を上昇させる(庫内昇温)。過冷状態を脱したら、除霜ヒータ30への通電を停止するようになっている。
そのため、図4に示すようなヒータ制御を行うプログラムが追加されている。端的には、冷凍冷蔵庫が稼働されると、両庫内温度センサ29A,29Bの検知温度、正確には庫内温度センサ29A,29Bの両入力ポート40A,40Bに入力された検知温度が取り込まれ、いずれか一方の検知温度が、予め定められた停止温度以上に上昇したら、両除霜ヒータ30A,30Bへの通電を停止するようになっている。
一方実験において、除霜ヒータ30に連続通電し、焼損するに至った場合の庫内温度を測定したところ、50℃以上であることが確認された。したがって「45℃」は、除霜ヒータ30が焼損するに至る前の庫内温度を意味している。
また、この種の除霜ヒータ30には、周囲温度が所定以上に達すると切断される温度ヒューズが装備され、除霜ヒータ30が焼損することから保護しているが、庫内温度「45℃」は、温度ヒューズが切断する前に留められる温度ともなっている。
例えば、冷凍冷蔵庫についてオーバーホールに近いメンテナンスを行ったり、設置替えを行うとき等には、電気配線を一旦外し、改めて接続し直す場合があり、そのとき接続を誤ることがあり得る。一例を挙げると、図5に示すように、冷蔵室11Aに装備された庫内温度センサ29Aを、制御基板38における冷凍室11B側の庫内温度センサ29Bの入力ポート40Bに、逆に冷凍室11Bに装備された庫内温度センサ29Bを、冷蔵室11A側の庫内温度センサ29Aの入力ポート40Aに接続した場合がある。
逆に冷蔵室11A側では、冷凍室11B側の庫内温度が入力され、上記のように同庫内温度は冷却の一途であるため、冷蔵室11A側が過剰な冷却状態にあると見なされ、それを修復するべく冷蔵室11A側の除霜ヒータ30Aに通電される。ところが、検知されているのは冷凍室11Bの庫内温度であって、上記のようにどんどん低下している状態にあるため、冷蔵室11A側が昇温されたとは認められずに、除霜ヒータ30Aへの通電が継続される。そのまま放置されれば、いゆわる除霜ヒータ30Aの暴走に繋がる。
なお、上記のように除霜ヒータ30を強制的に停止する信号を利用して、誤接続がある旨の警報を直接に出すようにしてもよい。
次に、本発明の実施形態2を図6によって説明する。この実施形態2では、ヒータ制御のプログラムがさらに改良され、冷凍冷蔵庫が稼働されると、両庫内温度センサ29A,29Bの検知温度に加えて、両除霜温度センサ31A,31Bの検知温度が取り込まれ、いずれか一つの検知温度が、予め定められた停止温度(45℃)以上に上昇したら、両除霜ヒータ30A,30Bへの通電を停止するようになっている。
また何らかの事情により、庫内温度センサ29から正規に検知温度が得られなかったような場合に、除霜ヒータ30の暴走の防止を保証する上からも有効である。
なお、除霜温度センサ31に係る停止温度は、庫内温度センサ29に係る停止温度とは別の値に設定して、別々に見るようにしてもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)機種によっては、ダクトを兼用したドレンパンにダクトヒータを備え、除霜運転や庫内昇温時に、ダクトヒータを除霜ヒータと同期して運転するものもあるが、このような形式のものにも本発明は同様に適用できる。
(2)個別の冷却ユニットで互いに異なった冷却温度に冷却される貯蔵室を3室以上備えたものにも、本発明は適用可能である。
(4)除霜終了をタイマによる時間経過で制御する形式のものもあるが、そのようなものにも本発明は適用可能である。
Claims (4)
- 本体内に断熱状態で区画形成された複数の貯蔵室と、
各貯蔵室ごとに装着された冷却装置と、
各貯蔵室の庫内温度を検知する庫内温度センサと、
前記各冷却装置における蒸発器若しくはその近傍に配された除霜ヒータと、
前記各冷却装置、前記各除霜ヒータ及び前記各庫内温度センサと接続された単一の制御装置とを備え、
前記各貯蔵室は、前記庫内温度センサの検知温度に基づいて対応する前記冷却装置の運転と停止とが制御されることで、互いに異なる冷却温度に維持されるとともに、
前記各貯蔵室ごとに、前記冷却装置が停止される一方で前記除霜ヒータに通電されることにより除霜運転がなされ、また前記庫内温度センサの検知温度が所定の過冷温度まで下降したら、過剰な冷却状態にあるとして対応する前記除霜ヒータに通電する機能を備えた冷却貯蔵庫において、
前記全庫内温度センサのうちの一つでも、所定の停止温度以上を検知した場合には、前記全除霜ヒータへの通電を停止させるヒータ制御手段が設けられていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記各蒸発器若しくはその近傍の温度を検知する除霜温度センサが備えられて前記制御装置と接続され、除霜運転中に前記除霜温度センサの検知温度が所定の除霜完了温度まで上昇したら除霜が完了したと見なされて除霜運転が終了される機能を備えたものであって、
前記ヒータ制御手段が、前記全除霜温度センサのうちの一つでも、所定の停止温度以上を検知した場合には、前記全除霜ヒータへの通電を停止させる機能を有していることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。 - 前記庫内温度センサに係る停止温度と、前記除霜温度センサに係る停止温度とが同一温度に設定されていることを特徴とする請求項2記載の冷却貯蔵庫。
- 前記除霜ヒータには周囲温度が所定以上に達すると切断される温度ヒューズが装備されており、前記停止温度は、前記温度ヒューズが切断に至る前の温度値に設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の冷却貯蔵庫。
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