JP2005133984A - 蓄熱システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の用途の熱媒体の熱量を蓄熱槽を大型化することなく賄う。
【解決手段】 暖房用蓄熱槽1と熱源2とを循環回路6を介して接続し、熱源2からの暖房用温水を暖房用蓄熱槽1に貯める。循環回路6に、放熱器7を介装した暖房用回路10を接続し、暖房用蓄熱槽1からの暖房用温水により暖房を行う。循環回路6に、給湯用熱交換器11を介装した給湯用熱交換回路13と、浴槽用熱交換器14aを介装した浴槽用熱交換回路15とを接続し、給湯用熱交換器11に、給湯用蓄熱槽16を介装した給湯用循環回路19を接続し、給湯用温水を給湯用蓄熱槽16に貯める。給湯用循環回路19に給湯回路21を接続し、給湯を行う。浴槽用熱交換器14aに浴槽用回路26を接続し、浴槽24内の湯を沸かす。また、給湯用蓄熱槽16の給湯用温水を消費した場合の不足分を暖房用蓄熱槽1からの暖房用温水の熱でバックアップする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、機器から得られる熱や燃焼熱や燃料電池の冷却熱、内燃機関の廃熱などといった熱源によって得られる熱を給湯や暖房などに利用するに際して、複数の蓄熱槽を用いて熱の需給を調整する蓄熱システムに関する。
従来の蓄熱システムとしては、次のような従来例が知られている。
A.第1従来例
省スペースで大容量の温水を維持できるようにするために、2台の温水器ユニットを直列接続して連結式温水器を構成し、一方を給水側ユニット、他方を給湯側ユニットとしてそれぞれに貯湯タンクを備え、給水側ユニットの貯湯タンクに給水口を設けるとともに、給湯側ユニットの貯湯タンクに給湯口を設け、給湯側ユニットからの湯を給湯に利用できるように構成している(特許文献1参照)。
B.第2従来例
設置の自由度を高めるために、直列接続した2本の貯湯タンクを備えた2台のユニットを直列接続して連結タンク方式の温水器を構成し、一方のユニットの貯湯タンクに給水口を設けるとともに、その貯湯タンクから最も下流となるように連結された貯湯タンクに給湯口を設け、最下流の貯湯タンクからの湯を給湯に利用できるように構成している(特許文献2参照)。
特開平9−126549号公報(図1) 特開平9−170814号公報(図1)
ところが、第1および第2従来例のいずれにおいても、貯湯タンクには給湯のための湯を貯めるだけであり、しかも、複数の貯湯タンクが直列接続されて、給湯を1箇所の蓄熱槽(貯湯タンク)から行うものであり、例えば、給湯用と、暖房用といった蓄える熱媒体が異なるような用途には適用できなかった。
このような、熱媒体の用途が異なる場合、通常、各熱媒体ごとに蓄熱槽を備えるとともに、各蓄熱槽それぞれに対応させて熱源を備えさせている。
しかしながら、熱源が内燃機関などの廃熱である場合には、発生する廃熱量は内燃機関の稼動状態に委ねられ、廃熱の出力のみを大きくすることはできないし、深夜電力等を用いる場合には、受電容量に制限が生じるなど、熱出力を大きく取ることのできない場合も多く、一部の熱媒体で蓄熱量が不足する場合に、熱源の能力以上に加熱する手段がないため、熱不足を生じる欠点があった。
また、上述のような熱出力を大きく取ることができない場合に熱量不足を生じないようにするためには、蓄熱槽を大型化すれば良いが、蓄熱槽の大型化は、蓄熱槽自体のイニシャルコストが増大するとともにその設置面積が大きくなる問題があって大型化できないのが実情であり、ある蓄熱槽の熱媒体では熱量に余裕があるにもかかわらず、別の蓄熱槽の熱媒体に熱量不足を引き起こすという欠点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明は、複数の用途の熱媒体の熱量を蓄熱槽を大型化することなく賄えるようにすることを目的とし、請求項4に係る発明は、互いに混入できない熱媒体を蓄熱する場合に良好に対応できるようにすることを目的とする。
請求項1に係る発明の蓄熱システムは、上述のような目的を達成するために、
熱源により加熱された熱媒体を用途に応じて蓄える複数の蓄熱槽と、
前記複数の蓄熱槽間で熱の授受を行う熱交換手段とを備えて構成する。
ここで、「熱の授受を行う熱交換手段」とは、熱交換器を用いて間接的に熱のみの授受を行う構成に加え、混合器を用いるとか、あるいは、蓄熱槽の切り替えで、系全体で結果として二液が混合するように構成するなど、直接的に熱の授受を行う構成をも含む。
液体が相互に混合しても良い場合は、熱の授受は混合にて行うことが簡便である。
熱交換する液の循環は配置を工夫すれば自然対流を用いて行うこともできるが、一般にはポンプを用いて行う。
(作用・効果)
請求項1に係る発明の蓄熱システムによれば、一方の蓄熱槽の熱媒体の熱量不足が生じても、熱交換手段を介して他方の蓄熱槽の熱媒体の熱量により補って賄うことができる。
したがって、個々の蓄熱槽が大型化することを回避して蓄熱槽の容量を可及的に小型化できる。
また、個々の蓄熱槽が小さいから、狭い箇所にも設置しやすく、蓄熱槽を設置する上での自由度を高くできて設計面で有利にできるとともに全体としての設置面積を小さくでき、イニシャルコストを低減できる。
請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の蓄熱システムにおいて、
蓄熱される熱媒体として、給湯用温水、暖房用温水、浴槽用温水のうちの少なくとも二種類を含むように構成する。
(作用・効果)
例えば、家庭用を主とした給湯暖房システムでは、扱う熱媒体は、飲用可能で湯(水と熱の両方)を使用する給湯用温水、暖房、乾燥その他の熱媒体として熱のみが用いられる暖房用温水、及び浴槽内に貯留する浴槽内温水の三種の水が主なものである。
このような場合に、給湯用温水と暖房用温水の2者を選択して蓄熱槽にて蓄熱し、浴槽水は、暖房用温水で加熱・追焚きする(放熱器の一種として扱う。)ような構成を採用できる。
熱源の出力が小さい場合には、蓄熱槽を用いて蓄熱しておくことで、短時間の大きな負荷を賄うことが可能になるが、従来は、一般に、単一の大きな蓄熱槽を用いてこれを行っており、また、複数の蓄熱槽を用いる場合でも、用途ごとの複数の熱媒体を蓄熱槽に貯めるものではなかった。
蓄熱槽を給湯用温水槽と暖房用温水槽の二槽に分離し、それぞれの熱媒体としての水を貯蔵しておけば、蓄熱槽の特徴である、瞬時の大負荷に対応することが、給湯、暖房いずれの用途にも可能になる。また、給湯用温水は、暖房用温水より温度が低くても問題がないため、給湯用温水が不足して暖房用温水に余裕がある場合には、暖房用温水の熱を熱交換手段により給湯用温水に与えることが可能になる。つまり、両者間で熱の授受を可能とすることで、二槽に蓄熱槽を分離していても熱的には一槽の場合と同等の容量に蓄熱することが可能になるわけである。これにより、各槽の容量を必要最小限に抑えることが可能になり、設置面積とコストを削減することができる。なお、暖房用温水が不足し、給湯用温水で不足熱を補う場合には、熱交換に要する温度差から、暖房に必要な温水温度が得られない可能性が生じる。しかしながら、一般的に暖房用温水の流量は給湯用温水よりも小さいので、熱交換手段として同じ熱交換器を用いる場合には、より高い温度まで昇温でき、また、定常運転時の負荷は立上がり時の半分程度であるため、直ちに暖房能力の不足に繋がるわけではなく、実用上支障をきたすことが無くて良好に対応できる。
また、請求項3に係る発明は、
請求項1または2に記載の蓄熱システムにおいて、
熱源で加える熱として、熱需要の瞬時最大負荷に満たない熱出力である燃焼機器の熱出力、吸収式冷温水機の温水熱出力、ヒートポンプ凝縮器の凝縮熱、内燃機関の廃熱、燃料電池の冷却熱もしくは電気ヒーター熱出力のうちの少なくともひとつを含むように構成する。
(作用・効果)
蓄熱槽は、熱負荷に需要変動があることを前提に、熱出力の時間遷移と、瞬時能力の増減を可能とすることを、その主要な機能としている。従って、最大熱出力が、機器能力やエネルギー供給能力で制限される燃焼機器、吸収式冷温水器、ヒートポンプ、電気ヒーター等と組合せると瞬時能力を増大させることができる。逆に言えば、蓄熱槽を利用することで、瞬時の大負荷に対応する特性を有効利用できるために、機器の設備容量を減少させることができ、高価な機器の場合、設備費を低減することができる。また、コージェネレーションに途いられる内燃機関や燃料電池においては、原動機が電気需要によって制御され(電主熱従運転)、熱出力を瞬時的に十分得られるように制御できない場合があり、このような場合に対しても、蓄熱槽を用いることにより、熱出力の増減制御を良好に行うことができる。
更には、エネルギー供給企業にとっては、蓄熱槽の利用は、ピーク負荷を抑える負荷の平準化に繋がり、設備容量を増大させない効用があり、ひいては、エネルギーコストの低減によって需要家のエネルギーコストを低減させる効用に繋がる。
また、請求項4に係る発明は、上述のような目的を達成するために、
請求項1、2、3のいずれかに記載の蓄熱システムにおいて、
熱交換手段を液―液熱交換器を用いて構成する。
液―液熱交換器としては、二重管熱交換器、プレート型熱交換器、シェルアンドチューブ型熱交換器など各種のものがあるが、使用液の物性、圧力、温度、寸法、質量、コスト等を総合して選定すればよい。水を熱媒体として冷暖房を行うシステムでは、プレート型熱交換器が好適である。
なお、熱交換手段としては、液―液熱交換器以外にも液の循環を行うためのポンプ類やその制御を行う電気回路が含まれる。さらに、液―液熱交換器の出口温度を制御する場合には、温度センサー等を液―液熱交換器の出口に取付け、温度センサー出力を設定値に保つように循環液の流量を調節する制御が含まれる。液流量の制御は、バルブの開閉制御やインバーターを用いたポンプの回転数制御にて行うことができる。
(作用・効果)
請求項4に係る発明の蓄熱システムの構成によれば、例えば、家庭用を主とした給湯暖房システムでは、扱う熱媒体が、飲用可能で湯(水と熱の両方)を使用する給湯用温水と、暖房、乾燥その他の熱媒体として熱のみが用いられる暖房用温水と、浴槽内に貯留する浴槽内温水の三種の水が主なものであり、また、暖房用温水は、ブライン、防腐剤、防錆剤、スケール除去などのための薬剤が混入することが好ましく、少なくとも、衛生上や夾雑物の対策上、給湯用温水と暖房用温水との混合は避けなければならない用途であり、このような場合に、複数の蓄熱槽を有効に利用できる。
すなわち、熱媒体が一種の場合には、蓄熱槽を多槽に分割する理由は、設置上やレイアウト上の理由に限定されるのに対し、熱媒体が多種の場合には、各熱媒体ごとに蓄熱槽を置くことが各熱媒体ごとの熱需要に即応する一般的な手段となるからである。
従って、液―液熱交換器を用いることにより、複数の熱媒体の混合を避けながら熱の授受を簡単な構成で良好に行うことができる。
請求項1に係る発明の蓄熱システムによれば、一方の蓄熱槽の熱媒体の熱量不足が生じても、熱交換手段を介して他方の蓄熱槽の熱媒体の熱量により補うことができるから、個々の蓄熱槽が大型化することを回避して蓄熱槽の容量を可及的に小型化できる。
また、個々の蓄熱槽が小さいから、狭い箇所にも設置しやすく、蓄熱槽を設置する上での自由度を高くできて設計面で有利にできるとともに全体としての設置面積を小さくでき、イニシャルコストを低減できる。
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の蓄熱システムに係る実施例1を示す全体概略構成図(蓄熱運転状態)であり、暖房用蓄熱槽1と熱源2とが、電磁操作型の第1の流量調整弁3と第1の循環ポンプ4と定流量弁5とを介装した循環回路6を介して接続されている。これにより、暖房用蓄熱槽1の下部から取り出される熱媒体としての低温の水を熱源2に定流量弁5を介して定量供給し、暖房用蓄熱槽1の温度成層が乱れない流量で、かつ、熱源2を出た熱媒体としての暖房用温水が暖房に適した温度(例えば80℃程度)になるように暖房用蓄熱槽1に供給して貯めることができるようになっている。
上記熱源2で加える熱としては、熱需要の瞬時最大負荷に満たない熱出力である燃焼機器の熱出力、吸収式冷温水機の温水熱出力、ヒートポンプ凝縮器の凝縮熱、内燃機関の廃熱、燃料電池の冷却熱もしくは電気ヒーター熱出力などが適用できる。
循環回路6には、暖房用蓄熱槽1および第1の流量調整弁3と並列に、かつ、暖房用蓄熱槽1からの暖房用温水を供給可能に、放熱器7と電磁操作型の第2の流量調整弁8と第2の循環ポンプ9とを介装した暖房用回路10が接続されている。
また、同様に、循環回路6には、暖房用蓄熱槽1および第1の流量調整弁3、ならびに、暖房用回路10それぞれと並列に、かつ、暖房用蓄熱槽1からの暖房用温水を供給可能に、熱交換手段としての給湯用熱交換器11と第3の流量調整弁12とを介装した給湯用熱交換回路13、ならびに、浴槽用熱交換器14aおよび電磁操作型の第4の流量調整弁14bを介装した浴槽用熱交換回路15それぞれが接続されている。
給湯用熱交換器11には、給湯用蓄熱槽16と電磁操作型の三方弁17と給湯ポンプ18とを介装した給湯用循環回路19が接続され、給湯ポンプ18の流量制御により、給湯用蓄熱槽16の温度成層が乱れない流量で、かつ、給湯用熱交換器11の加熱によって得られる温水の温度が適温(例えば、60℃)になるように温水を給湯用蓄熱槽16に供給して貯めることができるようになっている。
給湯用循環回路19に、給湯用蓄熱槽16と並列に、サーモミキシングバルブ20を介装した給湯回路21が接続され、給湯回路21には給水管22が接続され、ミキシングバルブ20には給湯管23が接続されている。
浴槽用熱交換器14aには、浴槽24および浴槽用ポンプ25を介装した浴槽用回路26が接続されている。
以上の構成により、暖房用蓄熱槽1および給湯用蓄熱槽16に蓄熱する蓄熱運転状態、暖房用蓄熱槽1からの暖房用温水および給湯用蓄熱槽16からの給湯用温水の需要がある暖房・給湯運転状態、給湯用蓄熱槽16の給湯用温水を消費して不足分を暖房用蓄熱槽1からの暖房用温水の熱でバックアップするバックアップ運転状態、ならびに、浴槽24内の湯を沸かす風呂焚き運転状態それぞれが得られるようになっており、以下に説明する。
(1)蓄熱運転状態
図1に矢印で示すように、第1の流量調整弁3を開くとともに、第1の循環ポンプ4を駆動し、暖房用温水を暖房用蓄熱槽1→第1の流量調整弁3→第1の循環ポンプ4→熱源2→暖房用蓄熱槽1と流し、暖房用蓄熱槽1内に所定温度の暖房用温水を貯める。図示しないが、この蓄熱は、暖房用蓄熱槽1の下端、あるいは、第1の流量調整弁3の近くで循環される温水の温度を測定し、その温度が設定温度(例えば、80℃)になったときに第1の循環ポンプ4の駆動を停止することによって行うようになっている。あるいは、熱源2の出口での温度が設定温度を上回るときに、第1の循環ポンプ4の駆動を停止するようにしても良い。
また、第3の流量調整弁12を開くとともに、第2の循環ポンプ9を駆動し、かつ、三方弁17を、給湯用蓄熱槽16に給湯用温水を流動する状態に切り替えるとともに、給湯用ポンプ18を駆動し、暖房用温水を熱源2→給湯用熱交換器11→第3の流量調整弁12→第2の循環ポンプ9→第1の循環ポンプ4→熱源2と流すとともに、給湯用温水を給湯用蓄熱槽16→三方弁17→給湯用ポンプ18→給湯用熱交換器11→給湯用蓄熱槽16と循環流動し、給湯用蓄熱槽16内に所定温度の給湯用温水を貯める。図示しないが、この蓄熱も、給湯用蓄熱槽16の下端、あるいは、三方弁17の近くで循環される温水の温度を測定し、その温度が設定温度(例えば、60℃)になったときに第2の循環ポンプ9および給湯用ポンプ18の駆動を停止することによって行うようになっている。
上述蓄熱においては、例えば、給湯のように使用時間帯のピークが夕刻と予想される場合には、例えば、午後から蓄熱を開始し、深夜に終わるような時間帯制御を加えることも可能である。暖房においても、深夜に使用しない場合には、その前に、蓄熱を停止することも可能である。これらの時間帯制御を加えれば、蓄熱槽からの放熱損失を極力少なくすることが可能になり、省エネルギーに資することができる。
(2)暖房・給湯運転状態
図2の暖房・給湯運転状態の全体概略構成図に矢印で示すように、暖房用温水と給湯用温水に需要がある場合には、第1および第2の流量調整弁3,8を開くとともに、第3の流量調整弁12を閉じ、その状態で、第1および第2の循環ポンプ4,9を駆動し、暖房用温水を暖房用蓄熱槽1→放熱器7→第2の循環ポンプ9→第1の流量調整弁3→暖房用蓄熱槽1と流すとともに、熱源2→放熱器7→第2の循環ポンプ9→第1の循環ポンプ4→熱源2と流し、 暖房用温水を、第2の循環ポンプ9によって加圧し、暖房用蓄熱槽1と放熱器7との間で暖房用温水を循環流動して、放熱器7で必要な熱量を輸送・消費する。さらに、熱源2からの熱出力も暖房用温水に混入して、出力増強を図っている。この出力増強が不要な場合には、熱源2の運転と第1の循環ポンプ4の駆動を停止しておけば良い。
給湯は、給湯栓が開けられることにより、給湯用蓄熱槽16の下部に接続された給水管22からの給水の圧力により給湯用蓄熱槽16に蓄えられた温水が押し出され、サーモミキシングバルブ20で水と混合されて適温にされた状態で送出される。
なお、第3の流量調整弁12を開き、給湯用ポンプ18を駆動すれば、熱源2もしくは暖房用蓄熱槽1からの暖房用温水の熱を利用して、給湯しながら蓄熱(あるいは給湯の補足)を行うことも可能である。
当然ながら、給湯、暖房のいずれか一つに需要がある場合には、その回路のみを運転すればよい。その場合に、熱源2の熱に余裕がある場合には、暖房用蓄熱槽1もしくは給湯用蓄熱槽16に蓄熱運転することも可能である。
(3)バックアップ運転状態
給湯用蓄熱槽16の保有熱を消費し尽くした場合には、図3のバックアップ運転状態の全体概略構成図に矢印で示すように、第1および第3の流量調整弁3,12を開くとともに、三方弁17を給水管22側にのみ接続する状態に切り替え、その状態で、第1および第2のポンプ4,9ならびに給湯用ポンプ18を駆動し、暖房用温水を暖房用蓄熱槽1→給湯用熱交換器11→第3の流量調整弁12→第2の循環ポンプ9→第1の流量調整弁3→暖房用蓄熱槽1と流すとともに、熱源2→給湯用熱交換器11→第3の流量調整弁12→第2の循環ポンプ9→第1の循環ポンプ4→熱源2と流し、一方、給湯用温水を給水管22→三方弁17→給湯用ポンプ18→給湯用熱交換器11→サーモミキシングバルブ20と循環流動し、暖房用蓄熱槽1の熱ならびに熱源2からの熱でバックアップして給湯を行えるようになっている。熱源2からの熱によるバックアップを行わない場合は、第1の循環ポンプ4の駆動を停止しておけば良い。
熱源2からの熱と暖房用蓄熱槽1とによって給湯のバックアップを行うようにする場合には、給湯用熱交換器11として、瞬時大容量の給湯特性に合わせた能力に設計する必要がある。熱源2からは蓄熱のみを行うようにする場合であれば、熱源2の出力相当の容量に設計しておけば良い。
(4)風呂焚き運転状態
浴槽24内の湯を沸かす場合には、図4の風呂焚き運転状態の全体概略構成図に矢印で示すように、第1および第4の流量調整弁3,14bを開くとともに、第3の流量調整弁12を閉じ、その状態で、第1および第2の循環ポンプ4,9を駆動するとともに浴槽用ポンプ25を駆動し、暖房用温水を浴槽用温水として暖房用蓄熱槽1→浴槽用熱交換器14a→第4の流量調整弁14b→第2の循環ポンプ9→第1の流量調整弁3→暖房用蓄熱槽1と流すとともに、熱源2→浴槽用熱交換器14a→第4の流量調整弁14b→第2の循環ポンプ9→第1の循環ポンプ4→熱源2と流し、 浴槽用温水を、第2の循環ポンプ9によって加圧し、暖房用蓄熱槽1と浴槽用熱交換器14aとの間で浴槽用温水を循環流動して、浴槽用熱交換器14aで必要な熱量を輸送・消費する。一方、浴槽用ポンプ25によって浴槽用熱交換器14aで得た熱で浴槽24内の湯を加熱するようになっている。さらに、熱源2からの熱出力も浴槽用温水に混入して、出力増強を図っている。この出力増強が不要な場合には、熱源2の運転と第1の循環ポンプ4の駆動を停止しておけば良い。
上述実施例1において、暖房用温水が不足する場合には、給湯用蓄熱槽16に蓄えられた熱で暖房をバックアップすることも可能である。ただし、給湯用蓄熱槽16内の湯温は暖房用温水の温度より低いため、給湯用熱交換器11を介して利用すれば、さらに温度が低下して、暖房用温水の温度が不足する弊害が生じる可能性があるが、暖房負荷の小さい定常運転時や、負荷が低温水を使用する床暖房などである場合には、特に支障無く暖房運転を継続することも可能であり、これらの場合には有効なバックアップ策になる。
図5は、本発明の蓄熱システムに係る実施例2を示す全体概略構成図であり、実施例1と異なるところは、次の通りである。実施例1と同じ構成のものについては、同一番号を付し、機能が異なる構成のみについて別の番号を付すこととする。
すなわち、実施例1とは逆に、循環回路6に給湯用蓄熱槽16と電磁操作型の第4の流量調整弁41とが接続され、その循環回路6に、給湯用蓄熱槽16および第4の流量調整弁41と並列に、かつ、給湯用蓄熱槽16からの給湯用温水を供給可能に、サーモミキシングバルブ20を介装した給湯回路21が接続され、給湯回路21には給水管22が接続され、ミキシングバルブ20には給湯管23が接続されている。
また、同様に、循環回路6に、給湯用蓄熱槽16および第4の流量調整弁41と並列に、かつ、給湯用蓄熱槽16からの給湯用温水を供給可能に、熱交換手段としての暖房用熱交換器42、第4の流量調整弁43および第3の循環ポンプ44を介装した暖房用熱交換回路45が接続されている。
暖房用熱交換器42に、暖房用蓄熱槽1と電磁操作型の三方弁46と第4の循環ポンプ47とを介装した暖房用循環回路48が接続されている。
暖房用循環回路48に、暖房用蓄熱槽1と並列に、かつ、暖房用蓄熱槽1からの暖房用温水を供給可能に、放熱器7と第2の流量調整弁8とを介装した暖房用回路10、ならびに、浴槽用熱交換器14aおよび電磁操作型の第4の流量調整弁14bを介装した浴槽用熱交換回路15それぞれが接続されている。
浴槽用熱交換器14aには、浴槽24および浴槽用ポンプ25を介装した浴槽用回路26が接続されている。
上記構成により、暖房用蓄熱槽1および給湯用蓄熱槽16に蓄熱する蓄熱運転状態、暖房用蓄熱槽1からの暖房用温水および給湯用蓄熱槽16からの給湯用温水の需要がある暖房・給湯運転状態、暖房用蓄熱槽1の温水を消費して不足分を給湯用蓄熱槽16からの温水の熱でバックアップするバックアップ運転状態、ならびに、浴槽24内の湯を沸かす風呂焚き運転状態それぞれが得られるようになっている。
この実施例2の構成の場合、給湯用温水を熱源2で直接加熱して給湯用蓄熱槽16に蓄熱し、暖房用温水は暖房用熱交換器42を介して暖房用蓄熱槽1に蓄熱するように構成している。したがって、例えば、病院などのように、暖房の負荷に比べて給湯の負荷が大きいような場合に有効なシステムとなっている。特に、暖房が床暖房のように低温水暖房である場合や、業務用の空調のように60℃温水を循環使用するような場合に有利なシステムである。
上述実施例では、熱媒体として給湯用温水と暖房用温水(浴槽加熱用にも使用)の二種の液体の蓄放熱を行う蓄熱システムを示し、暖房用温水は、停止時の凍結を防止するためのブラインや、防腐剤、防錆剤、スケール除去などのための薬剤を含む場合があり、また、循環使用するために、配管の錆等を含むことのある液で、飲用される可能性のある給湯用温水とは混合できないように構成している。
本発明としては、例えば、暖房負荷が低いような場合に、給湯用温水を暖房用蓄熱槽1内に供給し、給湯用温水で暖房を行い、バックアップ時には、暖房用蓄熱槽1および給湯用蓄熱槽16からの給湯用温水を混合器や蓄熱槽の切り替えなどにより、系全体として互いに混合して熱交換するように構成しても良く、そのような混合による熱交換構成や、上述実施例における給湯用熱交換器11や暖房用熱交換器42などをして熱交換手段と総称する。
上記実施例では、暖房用蓄熱槽1と給湯用蓄熱槽16の2個の蓄熱槽を備える場合を示したが、本発明としては、風呂焚き用の蓄熱槽や、浴室乾燥機などのように負荷の高い暖房を行う高負荷暖房用の蓄熱槽などを組み合わせた、複数個の蓄熱槽を備える場合にも適用できる。
本発明の蓄熱システムに係る実施例1を示す全体概略構成図(蓄熱運転状態)である。 給湯・暖房運転状態の全体概略構成図である。 バックアップ運転状態の全体概略構成図である。 風呂焚き運転状態の全体概略構成図である。 本発明の蓄熱システムに係る実施例2を示す全体概略構成図である。
符号の説明
1…暖房用蓄熱槽
2…熱源
11…給湯用熱交換器(熱交換手段)
16…給湯用蓄熱槽
42…暖房用熱交換器(熱交換手段)

Claims (4)

  1. 熱源により加熱された熱媒体を用途に応じて蓄える複数の蓄熱槽と、
    前記複数の蓄熱槽間で熱の授受を行う熱交換手段と、
    を備えていることを特徴とする蓄熱システム。
  2. 請求項1に記載の蓄熱システムにおいて、
    蓄熱される熱媒体が、給湯用温水、暖房用温水、浴槽用温水のうちの少なくとも二種類を含むものである蓄熱システム。
  3. 請求項1または2に記載の蓄熱システムにおいて、
    熱源で加える熱が、熱需要の瞬時最大負荷に満たない熱出力である燃焼機器の熱出力、吸収式冷温水機の温水熱出力、ヒートポンプ凝縮器の凝縮熱、内燃機関の廃熱、燃料電池の冷却熱もしくは電気ヒーター熱出力のうちの少なくともひとつを含むものである蓄熱システム。
  4. 請求項1、2、3のいずれかに記載の蓄熱システムにおいて、
    熱交換手段が液―液熱交換器を含む構成である蓄熱システム。

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