JP2005132796A - 肉芽組織形成性疾患の治療のための医薬組成物および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 肉芽組織形成に代表される組織のリモデリングの制御により、慢性肉芽腫形成性の炎症、臓器移植拒絶時の炎症性症状等の予防および/または治療方法、およびそのための医薬組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 マクロファージ上のマクロファージガラクトース型C型レクチン(MGL)の機能を特異的に阻害することを含む、肉芽組織形成性疾患の予防および/または治療方法、および肉芽組織形成性疾患の予防および/または治療用の医薬組成物を提供する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ヒトを含む哺乳動物における肉芽組織形成性疾患の治療方法および当該治療のための医薬組成物に関する。特に、組織修復時および遅延型過敏症組織障害等の肉芽腫性炎の発生を伴う疾患の治療方法および当該治療のための医薬組成物に関する。
肉芽組織形成性疾患
肉芽組織は、典型的には、創傷治癒、ある種の組織の再生、種々の器質化、遅延型過敏症組織障害、増殖性炎、特異性炎等に際して形成される特徴的な組織である。該組織は、増殖の盛んな若い結合組織であって、組織が損傷を受けたとき等において該組織の防御・修復等において重要な役割を有しており、例えば、損傷を受けた組織の再生能が十分でない場合に、その組織に代わって増殖力の旺盛な肉芽組織がこれを代償し、増殖補充すると考えられている。通常、肉芽組織は、毛細血管に富み、これにより増殖力の旺盛な肉芽組織に対する栄養補給に当たるほか、該部位の病的産物の除去や遊走細胞の運搬を行う。更に、線維芽細胞や平滑筋細胞、中間的性状を示す筋線維芽細胞(myofibroblast)に加えて、好中球、好酸球、肥満細胞、リンパ球、形質細胞、単球、組織球、そしてマクロファージ等の遊走細胞等、多種の細胞が肉芽組織内に混在する。
このような肉芽組織の構成は、時経時的に変化することが知られており、典型的には、新鮮な肉芽組織には細胞成分や毛細血管が多く、次第に遊走細胞や血管が減少或いは消失して線維化が進行し、最後には瘢痕組織になる場合が多い。つまり、肉芽組織は、必ずしも瘢痕組織に移行するとは限らないが、組織の欠損が甚大な場合や壊死組織・炎症性滲出物等の除去を必要とする場合等では、肉芽組織が多量形成されて瘢痕組織を残す(二次治癒secondary healing)ことが多く、一方、組織の欠損が小さいような場合では瘢痕を残すことがない(一次治癒primary healing)。
ここで、上記において、肉芽組織が瘢痕組織に向かって線維化せずに、遊走細胞の浸潤も消退しない場合は悪性の肉芽であるとされ、これは、浮腫状で出血しやすい。炎症の結果として肉芽組織が形成される場合には、炎症性肉芽組織(inflammatory granulation tissue)と称され、通常、これは悪性の肉芽である。この場合、肉芽組織が慢性に経過し、炎症像に加えて肉芽組織の増殖をみることから肉芽〔腫〕性炎(granulomatous inflammation)と呼ばれ、増殖性炎症の一つに数えられる。例えば、結核結節、ゴム腫、らい結節等は典型的な例としてあげられる。
更には、肉芽組織が限局した塊として増殖する場合を肉芽腫ともいうが、これには普通の肉芽組織が形成する腫瘤と、マクロファージないし類上皮細胞が結節状に増殖するものとがあり、後者では更に、サルコイドーシス型、結核型、偽結核型および異物型の肉芽腫とアショフ(Aschoff)結節やリウマトイド結節の6種に分類される。それぞれ特徴的形態を示すが多核巨細胞が出現する点で共通する。この6種の肉芽腫のうち、結核型と偽結核型肉芽腫およびリウマトイド結節はそれぞれ病巣の中心に壊死を形成し、結核型は乾酪化といい、偽結核型では膿瘍化を示し、リウマトイド結節ではフィブリノイド壊死(フィブリノイド変性)を特徴とする。
このように、肉芽組織が慢性に経過し炎症像を呈するような肉芽腫性炎症、遅延型過敏症組織障害、遅延型喘息反応、或いは創傷治癒、組織の再生、種々の器質化過程での肉芽腫形成や、各種の増殖性炎、サルコイドーシス、ひいては臓器移植の拒絶反応時の炎症性応答においても、該肉芽組織の形成過程をコントロールすることは重要であると思われてきたが、そのような肉芽組織形成の分子生物学的な基礎には不明な点が多く、特に、細胞性免疫応答が関与する組織のリモデリングに関する知見は、殆ど、集積されていない。
MGL
マクロファージおよびミエロイド由来の関連細胞群は、ガレクチン−3(galectin-3)、シアロアドヘシン(sialoadhesin)、マンノース受容体等の細胞表面または可溶性糖タンパク質を認識する多様なレクチン類を発現していることが知られている。マクロファージ上のこれらのレクチンは、細胞間接着、造血新生、エンドサイトーシス、および壊死した細胞や分子の清掃に関与している。マクロファージガラクトース型C型レクチン(MGL)は(非特許文献1)、上記のレクチンの1種であり、マクロファージおよび未成熟樹状細胞上に発現する2型膜貫通型タンパク質である。本発明者等は、先に、該レクチンをクローニングした(非特許文献2、3および4)。その遺伝子産物(スプライシングバリアントを含む)である該レクチンは、in vitroにおいて、ガラクトース末端性糖タンパク質のエンドサイトーシスに関与していることを報告している(非特許文献5および6)。更に、本発明者等は、MGLに特異的な抗体が、皮膚の真皮や皮下組織或いは肺を含む各種の組織・臓器の血管周囲の結合組織中のマクロファージに結合することを示している(非特許文献7〜9)。また、本発明者等は、MGL陽性真皮マクロファージが、接触過敏症における感作段階で移動することも報告しているが、当該感作段階におけるMGL陽性マクロファージの役割については明らかにされていなかった(非特許文献10)。
上記、接触過敏症との関連においては、ハプテンの経皮投与によりMGL陽性細胞が真皮より所属リンパ節に移動し、当該リンパ節へのMGL陽性細胞の集積が感作効率と相関することが認められ、IL−1α、IL−1βやTNF−α等の感作部位で局所的に生成する炎症性サイトカインが、マクロファージの移動を引き起こすことが判明している(非特許文献11および12)。あわせて、抗MGL抗体が、真皮マクロファージ移動の開始を阻止したことも報告されている(非特許文献12)。
しかしながら、接触皮膚炎と肉芽組織形成とは、共に遅延型過敏症において認められるものではあるが、両者は組織学的にも、また病理学的にも完全に異なった事象であり、特にその成因や発生時期、該事象を担う細胞群が相違することから、生化学的にも別個の生体応答と考えられており、従って、遅延型過敏症においてさえも、肉芽組織形成におけるMGL陽性細胞の具体的な関与に関する知見は存在しなかった。
更に、mRNAのデファレンシャル・ディスプレイ実験により、ラット同種心臓移植における慢性拒絶反応時の動脈硬化症において、MGL同属体を含む5種の遺伝子の発現が確認されているが、そのうちの2種類の遺伝子は未知遺伝子であり、他の2種類は、夫々、核p1遺伝子とユビキチン様遺伝子であり、MGL同属体の当該症状への具体的な関与については明らかにされなかった(非特許文献13)。
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従って、本発明は、肉芽組織形成に代表される組織のリモデリングの生化学的基礎を明らかにし、当該リモデリングの制御により、肉芽腫形成やその際の炎症性疾患、臓器移植拒絶時の炎症性症状等の予防および/または治療方法、およびそのための医薬組成物を提供することを目的とする。
今や、創傷治癒、ある種の組織の再生、種々の器質化、遅延型過敏症組織障害、増殖性炎、特異性炎、臓器移植拒絶時の炎症性応答等における、肉芽組織形成に代表される組織リモデリング機構へのMGLの関与が解明された。更に、当該組織リモデリングにおいて、MGLの機能を変調することで、当該リモデリングの過程を制御し得ることが明らかとなった。特に、マクロファージ上のMGL分子の機能の破壊、或いはその阻害により、肉芽組織形成を抑制できることが実証された。
従って、本発明の第1の側面は、肉芽組織形成性疾患の予防および/または治療方法であって、該方法は、そのような処置の必要な患者において、マクロファージ上のマクロファージガラクトース型C型レクチン(MGL)の機能を特異的に阻害することを含む、前記方法を提供する。
該方法は、好ましくは、そのような処置の必要な患者に対して、治療有効量の:
(1)マクロファージガラクトース型C型レクチン(MGL)に対する特異的結合パートナー、または
(2)機能的マクロファージガラクトース型C型レクチンをコードする遺伝子(Mgl)のマクロファージでの発現を阻害する核酸を投与することを含む。
例えば、MGLの機能を阻害する際には、マクロファージ上のMGLをブロックするために、有効量の抗MGL抗体を、患者に対し、全身或いは局所投与することがあげられる。また、機能的MGLの細胞上での発現を阻止する際には、該レクチンをコードする遺伝子(Mgl)に対して不全性の変異を導入する核酸、好ましくは、Mglのエキソン2および3の欠失を誘発する遺伝子をマクロファージ等のレスポンシブルな細胞に導入する遺伝子治療や、Mglに対するアンチセンス核酸を使用し得る。
また、IL−1αの当該肉芽組織形成への関与も明らかにされており、従って、本発明においては、MGLと同時にIL−1αの機能を阻害することが好ましい。例えば、抗IL−1α抗体の同時使用は好ましい態様である。
上記のように、肉芽組織形成に代表される組織のリモデリング、特に細胞性免疫応答が関与する組織のリモデリングの制御により、遅延型過敏症組織障害、或いは創傷治癒、組織の再生、種々の器質化、増殖性炎、サルコイドーシス、ひいては臓器移植の拒絶反応時の炎症性応答等における肉芽腫性炎症の予防/治療が達成される。
従って、本発明のもう1つの側面は、これらの肉芽組織形成性疾患の予防および/または治療用の医薬組成物を提供する。好ましくは、該医薬組成物は、マクロファージガラクトース型C型レクチン(MGL)に対する特異的結合パートナー、または機能的マクロファージガラクトース型C型レクチンをコードする遺伝子(Mgl)のマクロファージでの発現を阻害する核酸の治療有効量を、薬学的に許容できる担体とともに含むものである。
本発明は、MGL、特にマクロファージ上のMGLの発現またはその機能を阻害することにより、肉芽組織形成に代表される組織リモデリングを制御することに関する。従って、ここで用いられる「肉芽組織形成性疾患」の用語は、組織のリモデリングが関与するほぼ全ての生化学的事象を意味し、具体的には、遅延型過敏症組織障害、或いは創傷治癒、組織の再生、種々の器質化、増殖性炎、サルコイドーシス、ひいては臓器移植の拒絶反応時の炎症性応答等をも含み得る。明らかなように、本明細書で用いる限り、「疾患」とは病的症状に限定されない広い症状を指し、例えば、創傷治癒過程での肉芽腫形成(必ずしも個体の安全を脅かすわけではない)を含む。特に細胞性免疫が関与するような組織のリモデリングや、悪性の肉芽腫となり得る炎症性肉芽組織の形成を伴う疾患が興味深いが、これに限定されない。
遅延型過敏症における肉芽腫反応は、本発明の興味深い対象の1つである。該反応は、通常、比較的短期間(数日以内)で自然消退の認められる接触過敏反応やツベルクリン反応とは異なり、時に、数週間程度かけて進行するもので、自然消退し難い。組織学的にもツベルクリン反応等とは相違し、組織球、類上皮細胞、巨細胞等からなるマクロファージが優勢の反応である。肉芽腫反応は、結核菌や真菌感染等に際して認められることが多く、これらの病原体がマクロファージにおいて容易に分解されず、該細胞内に長く残存する場合に認められる反応である。この状況では、活性化されたマクロファージからのIL−12がNK細胞を活性化すると共にCD4T細胞からのIFNγ産生を促し、当該IFNγとマクロファージ由来のTNFαが、マクロファージ上の接着分子の発現増強を維持して、細胞の融合により巨細胞が生成されると考えられている。
また、臓器移植の慢性拒絶も興味深い対象である。典型的に、当該慢性拒絶は、移植した臓器が生着した後、月〜年単位で現れる変化であり、実質や血管の繊維化、間質の増成により特徴付けられる。心臓では、冠静脈の内膜増成のために内腔が狭小化し、再移植を迫られる場合が多い。当該拒絶には、遅延型過敏反応が関与していると考えられており、各種の接着分子やサイトカイン、増殖因子の関与が示唆されている。このような組織リモデリングの制御は、本発明が有用な対象であり得る。
本発明は、上記のような組織リモデリング過程におけるMGLの重大な役割を明らかにしたことを基礎に、当該レクチンの機能を阻止することで、肉芽組織形成性疾患の制御や治療、予防を可能にする。本発明では、そのようなMGLの機能を阻止する際において、当該MGLに対する特異的結合パートナー、例えば抗MGL抗体の使用が効果的であることが実証された。
抗MGL抗体は、MGL全体あるいはその部分ペプチドを抗原として、当業者に公知のいかなる方法によって調製してもよく、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体が含まれる。また、免疫グロブリンの構造、物理化学的性質や免疫学的性質として分類される5つのクラス(IgG,IgA,IgM,IgD,IgE)、あるいはH鎖のタイプによるサブクラスのいずれに属するものであってもよい。典型的には、本発明の抗体をポリクローナル抗体の形態で得る場合、当該ポリクローナル抗体は、MGL若しくはその部分配列(合成ペプチド等)を免疫原として用いて免疫した動物の抗血清より調製する。具体的に、当該免疫動物からの抗血清は、例えば、アジュバントを含む前記免疫原を免疫動物に皮下注射し、当該皮下投与を適当な間隔(例えば1週間)で所定の回数(例えば5回)繰り返し、最終免疫後に全血を採集して、これを分離することで得ることができる。そのような方法は、例えば、CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY、第2.4章(発行元:John Wiley & Sons, Inc., New York)等に記載されている。ついで、前記抗血清からのポリクローナル抗体の精製は、動物の免疫に用いたMGLまたはその部分ペプチドをクロマトグラフィー用の樹脂、例えば、CNBr活性化セファロースやHiTrap NHS−activated(ともにAmersham Pharmacia社製)に共有結合で固相化し、該固相化樹脂に上記抗血清を供して当該抗血清中の抗体を特異的に樹脂上に吸着させ、ついで、該樹脂上に吸着した抗体を適切な緩衝液やカオトロピックイオン等を用いて溶出させて回収することでも達成できるが、これに限定されない。 また、本発明の抗体をモノクローナル抗体として得る場合は、当業者に既知の手法を用いて、MGLで免疫した実験動物、好ましくはマウス・ラット・ハムスターなどのげっ歯類動物の脾細胞とミエローマ細胞株等の細胞融合用のペアレントセルを融合させ、得られたハイブリドーマの中から好適なものを選択してクローン化し、次いで、その融合細胞を生体外または生体内で培養し、この培養混合物より特異性の高いモノクローナル抗体を採取する。
mMGLのcDNAはクローニングされており(Sato, M., et al., J. Biochem., vol. 111, pp. 331-336 (1992)およびTsuiji, M., et al., J. Biol. Chem., vol. 277, pp. 28892-28901 (2002))、また、hMGLのcDNAは、Suzuki, et al., J. Immunol., vol. 156, pp. 128-135 (1996)においてクローニングされている。従って、免疫原としてのMGLは、これらのcDNAに基づき、それ自体当業者に公知の方法により調製することもできる。
特に好ましい抗MGL抗体は、引用することによりここに援用する、Kimura., T., Imai, Y., and Irimura, T., "Calcium-dependent conformation of a mouse macrophage calcium-type lectin. Carbohydrate binding activity is stabilized by an antibody specific for a calcium-dependent epitope.", J. Biol. Chem., vol. 270, pp. 16056-16062 (1995)の記載に基づいて調製可能である。
また、本発明では、上記の抗体を酵素消化処理して得られるような当該抗体の反応性フラグメントを用いてもよい。当該抗体フラグメントの例には、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、F(v)フラグメント、H鎖モノマー又はダイマー、L鎖モノマー又はダイマー、1個のH鎖および1個のL鎖からなるダイマー等が含まれる。該フラグメントは、例えばペプシンやパパイン等のプロテアーゼにより完全な抗体を消化するか、消化後、必要に応じて還元剤で処理することにより得ることができる。H鎖およびL鎖モノマーは、完全な抗体をジチオスレイトール等の還元剤で処理した後、精製した鎖状体を分離することにより得ることもできる。従って、本発明において、「特異的結合パートナー」の用語には、これら、抗体の反応性フラグメントも含まれる。
MGLの機能阻止においては、マクロファージガラクトース型C型レクチンをコードする遺伝子(Mgl)の発現阻害も有効な方策であり、本発明においてもそれが実証された。
すなわち、引用することによりここに援用する、Thandi M. Onami., Meei-Yun Lin, Dawne M. Page, Shirley A. Reynolds, Carol D. Katayama, Jamey D. Marth, Tatsuro Irimura, Ajit Varki, Nissi Varki, and Stephan M. Hedrick, "Generation of mice deficient for macrophage galactose- and N-acetylgalactosamine-specific lectin: Limited role in lymphoid and erythroid homeostasis and evidence for multiple lectins.", Mol. Cell. Biol., vol. 22, 5173-5181 (2002)に記載のMGL欠失マウスが、炎症性の肉芽組織形成の喪失という発現形質を示すことが本発明において示され、従って、当該遺伝子の破壊或いはその発現阻害により、肉芽組織形成性疾患の制御や治療、予防を可能にし得ることが確認された。
上記のMGL欠失マウスは、MGL遺伝子のエクソン2および3の欠失(pPGKneobpAカセットでの置換を含む)により作成されたノックアウトマウスであり、従って、そのような変異をMGL遺伝子に導入可能な核酸分子が本発明において好適に用い得る。すなわち、上記核酸は、インビボ又はエクスビボ遺伝子治療 の一部として、遺伝子治療の適用において細胞を形質転換させるために使用されることができる。
また、Mgl遺伝子の任意の配列に基づいて作製された核酸は、アンチセンス療法において使用することもできる。好ましい配列は、上記のエクソン2乃至3に位置するものから選んでよい。上記方法における核酸の使用も、当業者に知られている(例えば、Stanley T.CrooKeおよびBeRNAld Lebleu編、in Antisense Research and Applications,CRC出版、フロリダ、1993年)。天然のDNAやRNAの形態であれば、化学合成機を使用して合成したり、Mglを鋳型としてPCR法により本発明のアンチセンス核酸を得ることができる。また、メチルフォスフォネート型やフォスフォロチオエート型等、誘導体の中には化学合成機(たとえばパーキンエルマージャパン(株)製、394型)を使用して合成できるものもある。この場合には、化学合成機に添付されたマニュアルに従って操作を行い、得られた合成産物を逆相クロマトグラフィー等を用いたHPLC法により精製することによっても、アンチセンス核酸を得ることができる。
本発明の抗体(その反応性の断片を含む)、核酸を医薬用途に使用する場合には、医薬品として使用するのに適した純度のものを、薬理学的に許容されうる使用方法で使用することが好ましい。
本発明の抗体や核酸等は、それらを直接適当な溶媒に溶解もしくは懸濁して使用してもよいし、核酸の場合には、それをリポソーム中に封入したり、適当なベクターに組み込んだ形にして使用してもよい。また、必要に応じて、薬学的に許容され得る補助成分を添加し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくは坐薬等の固形製剤;又は例えばシロップ剤、エリキシル剤若しくは注射剤等の液体製剤としてもよく、これらは、製剤分野における通常の方法によって調製することができる。なお、液体製剤にあっては、用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させる形であってもよい。又、特に、注射剤の場合、必要に応じて生理食塩水又はブドウ糖液に溶解又は縣濁させてもよく、更に緩衝剤や保存剤を添加してもよい。従って、薬理学的に許容され得る補助成分とは、溶媒、基剤、安定化剤、防腐剤、溶解剤、賦形剤、緩衝剤等を含み、例えば、ゼラチン、乳糖、白糖、酸化チタン、澱粉、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、マイクロクリスタリンワックス、白色ワセリン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水リン酸カルシウム、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、植物油、ベンジルアルコール、アラビアガム、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール、シクロデキストリン又はヒドロキシプロピルシクロデキストリン等が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の抗体や核酸は、上述のような剤型とした場合、患者の年齢や、性別、疾患の種類、程度に応じて、その投与方法、その投与量を設定して使用することができる。すなわち、それらの治療有効量を、経口投与、あるいは、吸入、経皮投与、点眼、膣内投与、関節内投与、直腸投与、静脈内投与、局所投与、筋肉内投与、皮下投与、腹腔内投与等から適当な方法を選んで投与すればよく、そのような投与のための組成物は、本発明の抗体或いは核酸を全組成物の1〜100重量%、好ましくは10〜80重量%の割合で含有することができる。
上記組成物となした抗体或いは核酸の、投与量および投与回数は、患者の性別、年齢、体重、症状の程度および目的とする処置の種類と範囲等により異なるが、一般に経口投与の場合、成人1日あたり1〜50mg/kgを1〜数回に分けて、又、非経口投与の場合は、1〜10mg/kgを1〜数回に分けて投与するのが好ましい。
更に説明せずとも、これまでの説明を与えられた当業者は、本発明を充分に活用し得る。以下、説明のみの目的で実施例を与える。
肉芽組織形成へのMGLの関与(MGL欠失マウスでの肉芽組織形成形質の欠如)
I.方法
(1)マウス
C57BL/6を背景とするMGL欠失マウス(MGL1 −/−)は、Thandi M. Onami., Meei-Yun Lin, Dawne M. Page, Shirley A. Reynolds, Carol D. Katayama, Jamey D. Marth, Tatsuro Irimura, Ajit Varki, Nissi Varki, and Stephan M. Hedrick, "Generation of mice deficient for macrophage galactose- and N-acetylgalactosamine-specific lectin: Limited role in lymphoid and erythroid homeostasis and evidence for multiple lectins.", Mol. Cell. Biol., vol. 22, 5173-5181 (2002)に記載されている。MGL1 −/−およびMGL +/+(野生型)を得るためのヘテロ接合体(MGL1 +/−)は、東京大学大学院薬学系研究科の動物施設において繁殖させた。全ての実験は、東京大学動物実験実施マニュアル東京大学薬学部動物実験指針のガイドラインに従い、東京大学大学院薬学系研究科の動物実験委員会の許可を得て行った。
(2)抗原(Azobenzene arsonate−conjugated acetylated bovine serum albumin; ABA−AcBSA)の作製
牛血清アルブミン(BSA)を飽和酢酸ナトリウム(4.6M)に溶解し、無水酢酸を加えアセチル化した。その後pH4.0(HCl)にした後3300×g、4℃で遠心し、沈殿を回収、蒸留水に再懸濁し、pH8.0(NaOH)に調整して溶解させた。溶解後ろ過し、透析用セロハンチューブ(Viskase sales company: size 27/32, MWCO 12000)を用いて蒸留水に対し24時間透析した。透析終了後凍結乾燥を行い、アセチル化BSA(AcBSA)を得た。AcBSAを0.025Mホウ酸緩衝液に溶解し、ジアゾ化したアルサニル酸をpH9.70乃至9.74の条件下添加し反応させた後、0.1M NaClおよび蒸留水に対して透析した。透析終了後凍結乾燥を行い、凍結乾燥品を抗原ABA−AcBSAとした。
(3)抗原特異的空気嚢型炎症モデルの作製
抗原ABA−AcBSAを4mg/mlで生理食塩液に溶解し、同量のFreund’s complete adjuvant(DIFCO、USA:FCA)と混合して作製したエマルジョンを、マウス一匹あたり100μl(200μg/mouse as ABA−AcBSA)フットパッドに皮下注し、感作とした(「day −10」とする。)。次いで、該感作の9日後に、あらかじめ除毛したマウス背部皮下にエーテル麻酔下で空気2mlを注入して空気嚢を作製した(「day −1」とする。)。
オートクレーブ滅菌した2% sodium carboxylmethylcellurose(Wako Pure Chemicals, Japan:CMC-Na)生理食塩液溶液にABA−AcBSAを0.5mg/mlとなるように溶解し、さらにペニシリンGカリウムと硫酸ストレプトマイシンを各0.1mg/ml添加し、抗原液を作製した。この抗原液1mlを空気嚢作製の翌日に(「day 0」とする。)空気嚢内中に注入し、抗原特異的な炎症を誘発(惹起)した。
炎症誘発後、ABA−AcBSAを生理食塩液に0.5mg/mlとなるように溶解し、1mlを惹起5日後(「day 5」とする)に再び背部皮下に投与し抗原特異的炎症を再惹起した。惹起4日後(すなわち、day 4)および、再惹起後6日目および13日目(すなわち、day 11およびday 18)の空気嚢作製領域の皮膚を採取した。
(4)炎症反応の評価
上記(3)で採取した空気嚢作製領域の皮膚を、O.C.T. compoundを用いて包埋、液体窒素により凍結した。凍結サンプルはCryostat(サクラ精機)にて厚さ10μmの切片を作製し、ヘマトキシリンエオジン(H.E.)染色を行った。H.E.染色した組織切片(5切片/mouse)につき、顕微鏡下で、骨格筋と空気嚢の内表面との間の厚さを測定し(9視野)、その測定値(n=45)を平均してマウス一匹の新生組織の厚さとした。
(5)統計
一元分散分析の後、Dunnet’sの多重比較テストを行って、統計学的有意差を評価した。P<0.05を有意とした。
II.結果
野生型のマウスにおいては、惹起後(day 4)皮下領域の肉芽組織形成が明瞭に認められたのに対し、MGL欠失マウスにおいてはそれが認められなかった。同様の結果は、再惹起後(day 11およびday 18)においても認められた。骨格筋と空気嚢の内表面との間の厚さ(肉芽組織厚)に関する定量的測定の結果を図1に示す。図からもわかるように、Mgl遺伝子を破壊したマウスにおいて、肉芽組織形成が顕著に傷害されることが判明し、肉芽組織形成におけるMGLの関与が実証された。
MGL陽性細胞の動態の免疫組織細胞学的検討と抗MGL抗体の影響
I.方法
(1)マウス
雌性未感染C57BL/6マウスはCharles River Inc. (Yokohama, Japan)またはSLC Japan Inc. (Shizuoka, Japan)から購入し、実験に用いた。
(2)抗原の作製
実施例1に記載した。
(3)抗体
抗MGL抗体として、Kimura., T., Imai, Y., and Irimura, T., "Calcium-dependent conformation of a mouse macrophage calcium-type lectin. Carbohydrate binding activity is stabilized by an antibody specific for a calcium-dependent epitope.", J. Biol. Chem., vol. 270, pp. 16056-16062 (1995)に記載の、ラット抗MGLモノクローナル抗体 LOM−8.7(IgG2a)を用いた。また、抗マウスIL−1αモノクローナル抗体(ハムスターIgG)は、Genzyme (MA, USA)より購入した。
(4)抗原特異的空気嚢型炎症モデルの作製
実施例1に記載した。但し、空気嚢作製領域の皮膚の採取は、再惹起後6日目、13日目、27日目(day 11、18、32)に行った。また、惹起のみ行い、再惹起を行わなかったマウスについても1日目から8日目(day 1乃至8)に皮膚を採取した。
(5)抗体の投与
ラット抗MGLモノクローナル抗体 LOM−8.7(25μg/マウス)および、抗マウスIL−1αモノクローナル抗体(5μg/マウス)は、各々、100μlの溶液として空気嚢内に投与した。対照として生理食塩水を投与した。投与は、再惹起後0、1および2日目に行い、再惹起後6日目、13日目(day 11、18)に皮膚を採取した。
(6)炎症反応の評価
実施例1に記載した。
(7)統計
実施例1に記載した。
II.結果
II−1.抗原特異的炎症の経過
図2に、惹起のみを行い、再惹起を行わなかった際のday1乃至8における肉芽組織厚の測定結果を示す。図から、再惹起を行わない場合は、肉芽組織の厚さが炎症誘発(惹起)後から増加し、day 4で最大となり、以後、消退していくこと認められた。day 8では、当該領域の組織の厚さが惹起前のレベルに戻った。免疫組織学的染色は、当該肉芽組織内のMGL陽性細胞数が、惹起後、3乃至4日目に最大となり、以後、急速に減少したことを示した。
一方、図3の実線で示すとおり、再惹起をday 5に行った場合、肉芽組織は消退せず、慢性の肉芽組織形成が認められた。すなわち、肉芽組織の厚さは増大し、少なくともday 32までそれが消退することはなかった。慢性段階でのMGL陽性細胞の分布は、惹起のみ行い再惹起しない(非慢性)炎症の場合と異なっており、MGL陽性細胞は、空気嚢の内表面から離れた領域、すなわち、炎症応答の前線の背後に存在していた。また、再惹起を行った場合の肉芽組織には血管新生も認められた。
これらの観察は、実施例1および2における抗原特異的空気嚢型炎症モデルが、惹起後直ちに認められる急性炎症反応とは異なる、慢性炎症における肉芽組織形成事象を表しており、これは、急性炎症反応と、慢性炎症の病理学的基礎が異なることを反映している。
II−2.抗MGL抗体および抗IL−1α抗体による慢性炎症反応の抑制
図4に、抗MGL抗体および抗IL−1α抗体の投与による、慢性の肉芽組織形成に対する影響を示した。図4から、対照として生理食塩水を投与した場合に比べて、抗MGL抗体の投与は、肉芽組織形成の著しい抑制を引き起こし、Mgl遺伝子の発現阻止と同様、慢性炎症の治療に有効であることを示した。同様の結果は、抗IL−1α抗体の投与においても観察され、従って、これらの同時投与の有効性を示唆した。
遅延型過敏症組織障害、或いは創傷治癒、組織の再生、種々の器質化、増殖性炎、サルコイドーシス、ひいては臓器移植の拒絶反応時の炎症性応答等を含む肉芽組織形成性疾患への、MGL機能阻害の効果が示された。従って、当該レクチンの機能阻害を含むことを特徴とするこれらの疾患の予防および/または治療方法が提供され、ひいては、そのような阻害を達成し得る抗MGL抗体や遺伝子治療のための核酸の、前記疾患予防/治療用医薬への使用が提供される。
図1は、野生型およびMGL欠失マウスにおける、抗原特異的慢性炎症組織(肉芽組織)の形成を示す。day 4、11および18の肉芽組織の厚さを表す。*は、P<0.05、**は、P<0.001を表す。WT:野生型、KO:ノックアウト。 図2は、惹起後(再惹起は行わず)、1乃至8日目(day 1乃至8)における肉芽組織の厚さの変化を表す。 図3は、再惹起した場合(実線)の、再惹起後0日目、6日目、13日目、27日目(day 5、11、18および32)の肉芽組織の厚さとして定量した、慢性状態における該組織の形成を表す。比較として、再惹起しない場合の肉芽組織の厚さを破線で示している。 図4は、抗MGL抗体および抗IL−1α抗体投与の、慢性段階(day 11、18)の肉芽組織厚を示す(n=4、平均と標準誤差)。*は、対照(生理食塩水)に対してP<0.05、**は、P<0.01を表す。

Claims (15)

  1. 肉芽組織形成性疾患の予防および/または治療のための医薬組成物であって、該組成物は:
    (1)マクロファージガラクトース型C型レクチン(MGL)に対する特異的結合パートナー、または
    (2)機能的マクロファージガラクトース型C型レクチンをコードする遺伝子(Mgl)のマクロファージでの発現を阻害する核酸
    を含有することを特徴とする、前記医薬組成物。
  2. 前記MGLに対する特異的結合パートナーが、抗MGL抗体であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記機能的Mgl発現を阻害する核酸が、該遺伝子に対して不全性の変異を導入する核酸であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 前記不全性の変異が、Mglのエキソン2および3の欠失である、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 前記機能的Mgl発現を阻害する核酸が、該遺伝子に対するアンチセンス核酸であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
  6. 更に、抗IL−1α抗体を含有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 肉芽形成性疾患が、肉芽腫性炎の生成を伴うことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 肉芽組織形成性疾患の予防および/または治療方法であって、該方法は、そのような処置の必要な患者において、マクロファージ上のマクロファージガラクトース型C型レクチン(MGL)の機能を特異的に阻害することを含む、前記方法。
  9. 前記機能の阻害が、そのような処置の必要な患者に対して、治療有効量の:
    (1)マクロファージガラクトース型C型レクチン(MGL)に対する特異的結合パートナー、または
    (2)機能的マクロファージガラクトース型C型レクチンをコードする遺伝子(Mgl)のマクロファージでの発現を阻害する核酸
    を投与することを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記MGLに対する特異的結合パートナーが、抗MGL抗体であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 前記機能的Mgl発現を阻害する核酸が、該遺伝子に対して不全性の変異を導入する核酸であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  12. 前記不全性の変異が、Mglのエキソン2および3の欠失である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記機能的Mgl発現を阻害する核酸が、該遺伝子に対するアンチセンス核酸であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  14. 更に、抗IL−1α抗体を投与することを含む、請求項9乃至13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 肉芽形成性疾患が、肉芽腫性炎の生成を伴うことを特徴とする、請求項8乃至14のいずれか一項に記載の方法。
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