JP2005132172A - 走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 最短距離で効率的に障害物を回避するように車両の走行を制御する。
【解決手段】 レーダ装置11は、車両と障害物の相対距離を検出する。ECU20の微分器21は、相対距離を時間微分して相対速度を検出する。最適制御入力演算器22は、レーダ装置11で検出された相対距離が閾値Th以下になって制御範囲に入ったことを検出すると、最適制御入力テーブルを参照して、相対速度v0に対応する最適制御入力(力F及び向きθ)を単位ステップ毎に演算する。配分演算器23は、相対距離が閾値Th以下になって制御範囲に入ったことを検出すると、車両運動状態量が最適制御入力演算器22で演算された最適制御入力に一致するように、操舵角及び制動力の制御配分を演算する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、走行制御装置に係り、特に車両の前方に存在する障害物を最短距離で回避するように車両の走行を制御する走行制御装置に関する。
従来、歩行者や他の車両などの障害物を回避するように車両の走行を制御する様々な走行制御装置が提案されている。
特許文献1には、安定して事故回避動作を確保するように、走行状況に応じた適切な車両制御を行う発明が提案されている。具体的には、特許文献1の走行制御装置は、走行状況に応じて最も操作負担量が小さくなる制御プログラムを選択し、選択した制御プログラムに基づいて制動・操舵制御を行うことができる。
また、特許文献2及び特許文献3では、不必要に制動力を発生させることなく、的確なタイミングで制動力を発生させる発明が提案されている。
具体的には、特許文献2の車両用制動制御装置は、制動によっても操舵によっても先行車両との接触回避が不可能であると判断したとき、すなわち運転者による操作によっては接触を回避することができないと判断したときに、制動力FLよりも大きい制動力FHを強制的に発生させることによって、先行車両との接触を回避するものである。
特許文献3の車両用制動力制御装置は、横移動量算出、回避領域検出、横移動量選択、操舵回避可否判定、制動回避可否判定の各々の処理を行い、これらの処理結果に基づいて、ブレーキ圧を徐々に増圧する制御を行ったり、又はブレーキ圧を最大まで増圧する制御を行っている。
特開平5−113822号公報 特開2003−175809号公報(図2、図9) 特開2003−182544号公報(図3、図18、図20)
特許文献1の走行制御装置は、衝突事故回避をしつつ操作負担量が最小になるように走行制御しても、必ずしも回避性能が最大になる、すなわち回避距離が最短になるとは限らない問題があった。また、走行制御装置は、操作負担を考慮するためのパラメータとしてコスト関数COST(t)を用いている。しかし、特許文献1では、コスト関数COST(t)が具体的にどのような関数であるか明確に記載されていなかった。すなわち、特許文献1には、制動・操舵制御の具体的な内容については記載されていなかった。
一方、特許文献2の制動制御装置及び特許文献3の制動力制御装置は、単にブレーキ圧しか制御していないため、操舵によって効率的に障害物を回避できる場合でも操舵することができない問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、最短距離で効率的に障害物を回避するように車両の走行を制御する走行制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る走行制御装置は、車両と障害物の相対距離を検出する相対距離検出手段と、前記車両と前記障害物の相対速度を検出する相対速度検出手段と、前記相対距離検出手段により検出された相対距離と、前記相対速度検出手段により検出された相対速度とに基づいて、障害物回避のために前記車両に対して与えるべき最適運動状態量を演算する最適運動状態量演算手段と、前記車両に作用する運動状態量が前記最適運動状態量演算手段により演算された最適運動状態量に一致する又は近づくように、前記車両の制動力及び操舵角の少なくとも1つを制御する走行制御手段と、を備えている。
「車両の制動力」とは各輪の力の合力として車両重心に加わる減速力であり、ヨーモーメントを発生するために、各輪単位では駆動力を発生することもある。
相対距離検出手段は、車両と障害物の相対距離を検出する。ここで、障害物は、人、他の車両、建物などの車両の走行の妨げとなる物体であれば特に限定されない。また、相対距離検出手段は、障害物が静止状態であれば、車両と障害物の絶対距離を検出してもよい。
相対速度検出手段は、車両と障害物の相対速度を検出できれば特に限定されず、相対時間に基づいて相対速度を検出してもよいし、直接相対速度を検出してもよい。また、相対距離検出手段は、障害物が静止状態であれば、車速を検出してもよい。
最適運動状態量演算手段は、障害物回避のために車両に対して与えるべき最適運動状態量を演算する。つまり、車両が障害物を回避するために、車両に必要な最適運動状態量を演算する。
なお、最適運動状態量としては、力の大きさ及びその向きを表すベクトル、ヨーモーメントなど特に限定されるものではない。すなわち、最適運動状態量演算手段は、摩擦円に応じた大きさの力及びその向きを最適運動状態量として演算してもよい。また、最適運動状態量演算手段は、単位ステップ毎に、車両前後方向の力及び横方向の力を合成した力を最適運動状態量として演算してもよい。なお、前後方向とは車両の直進方向に対する前後方向をいい、横方向とはその前後方向に直交する方向をいう。
また、相対距離が長かったり相対速度が遅い場合には障害物を回避する余裕があるが、相対距離が短かったり相対速度が速い場合には障害物を回避する余裕がない。そのため、最適運動状態量演算手段は、相対距離及び相対速度に基づいて、最短距離で障害物を回避するように最適運動状態量を演算する。
そして、走行制御手段は、車両に作用する運動状態量が最適運動状態量演算手段により演算された最適運動状態量に一致するように車両の走行を制御する。なお、車両の走行状態によっては、車両に作用する運動状態量を最適運動状態量に一致させることが困難なことがある。その場合、走行制御手段は、車両に作用する運動状態量が最適運動状態量にできるだけ近づくように、車両の走行を制御する。なお、走行制御手段は、車両の走行制御として、車両の制動力及び操舵角の少なくとも1つを制御する。
したがって、本発明によれば、短い距離で確実に障害物を回避することできる。
ここで、障害物を最短移動距離で回避するためには、ある時刻では最適な運動状態量でなくても、全体を通して最適運動状態量であればよい。このために、最適運動状態量演算手段は、例えば次のような最適運動状態量を演算すればよい。
前記最適運動状態量演算手段は、障害物回避行動開始時又はその近傍の所定ステップでは、車両前後方向の力及び横方向の力を含んだ最適運動状態量を演算すればよい。
前記最適運動状態量演算手段は、障害物回避行動終了直前又はその近傍の所定ステップでは、車両前後方向の力に比べて横方向の力の割合が高い最適運動状態量を演算すればよい。
前記最適運動状態量演算手段は、障害物回避行動中間時又は前記車両の横速度が大きくなっている時の所定ステップでは、横方向の力に比べて車両前後方向の力の割合が高い最適運動状態量をすればよい。
前記最適運動状態量演算手段は、障害物回避行動開始時の相対速度が高くなるに従って車両前後方向の力に比べて横方向の力の割合が高くなる特性を有する最適運動状態量を演算すればよい。
本発明に係る走行制御装置は、ドライバの走行制御の操作を検出する操作検出手段を更に備え、前記走行制御手段は、前記操作検出手段により検出された操作によって既に車両に与えられている運動状態量に応じて、制動力及び操舵角の少なくとも一方を制御してもよい。これにより、ドライバの操舵によって車両に生じている運動状態量を考慮して、短い距離で障害物を回避することができる。
このとき、前記走行制御手段は、前記操作検出手段により検出された操作の内容に応じて、制動力又は操舵角のいずれか一方を他方に比べて優先的に制御してもよい。ドライバの操作内容によっては、走行制御手段が制動力や操舵角を制御するのを制限した方が、ドライバの意思に沿って障害物を回避できる場合があるからである。
前記走行制御手段は、前記相対距離検出手段により検出された相対距離が、相対速度に応じて設定された閾値未満になったときに、走行制御を開始してもよい。これにより、障害物を回避できなくなる状態になる前に、確実に障害物を回避することができる。
本発明に係る走行制御装置は、車両と障害物の相対距離及び相対速度に基づいて、障害物回避のために車両に対して与えるべき最適運動状態量を演算し、車両に作用する運動状態量が最適運動状態量に一致する又は近づくように、車両の制動力及び操舵角の少なくとも1つを制御することにより、短い距離で障害物を確実に回避することができる。
以下、最初に本発明の原理について説明し、次に好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[原理]
1.緊急回避問題の定式化
本発明では、車両が緊急時に障害物を回避する問題(緊急回避問題)を以下のように定義する。
(1)車両は質量mを持つ質点とする。
(2)質点は初速v0で、縦(x軸)方向に運動しているとする。
(3)質点を横(y軸)方向にYe移動させて、横速度0で障害物を回避する。
(4)このとき質点が縦方向に進む距離(緊急回避距離)Xeを最小にしたい。
(5)質点には大きさFの力を加えることが可能でその向きθは任意に制御可能とする。
図1は、上記の緊急回避問題を定式化した状態を示す図である。ここでは、質点は進行方向右側(y軸正方向)に障害物を回避するものとする。なお、向きθは、y軸正方向を基準に左回りに0から2πまでの値をとる。そして、ある時間間隔を考慮して、たとえある一点の時刻では最適な状態でなくても、時間区間を通してみれば最適となるような解(最適解)を求めることとする。
最初に、緊急回避問題は、式(1)のように定式化できる。
Figure 2005132172
ただし、初期条件は式(2)、終端条件は式(3)、距離Xeは式(4)である。
Figure 2005132172
そして、上記の式(1)〜(3)の下で、式(4)を最小化するようなθ(t)を求める。ただし、Tは、t>0であり、かつ最初に式(3)を満たした時刻とする。また、
Figure 2005132172
とし、質点は後退しないとする。
2.ダイナミックプログラミング(DP)
ダイナミックプログラミングは、ある段階(部分問題)で得られた最適解をもとに次の段階(より大きなサイズの部分問題)の最適解を求めるという操作を繰り返すことによって、最終的に全体の最適解を得るものである。
ここで、ダイナミックプログラミングは、多段決定問題を解く有力な手法の一つと考えられる。一方で、最適制御問題は、モデルの運動方程式と評価関数とで構成される多段決定問題と考えられることが多い。
通常、ダイナミックプログラミングでは、多段決定問題を終端条件から始めて再帰的に解くことによって、最適解を得る。すなわち、終端条件から始めて、前段で取り得る状態をすべて検索する形で最適解を求める。このために、ある初期条件に対する最適解が得られた時点で、終端条件を達成しうるすべての初期条件に対しての最適解が得られることになる。これが後ろ向き帰納法による求解の利点の1つである。
3.緊急回避問題へのダイナミックプログラミングの適用
3.1 離散化
状態量、制御入力を離散値化し、Δt毎の離散時間での振る舞いについて考える。なお、制御入力とは、質点に加わる大きさFの力及びその向きθをいう。最初に、状態量
Figure 2005132172
と制御入力(u)をそれぞれ
Figure 2005132172
によって離散化する。この離散化によって、
Figure 2005132172
は、それぞれ
Figure 2005132172
個の値をもち、次の式(5)を満たす。
Figure 2005132172
時刻(t=kΔt)のある状態vi(k)を式(6)のようにとる。
Figure 2005132172
式(6)の集合を式(7)とする。
Figure 2005132172
離散化した制御入力の集合を式(8)とする。
Figure 2005132172
評価関数は、回避完了までにX方向に進む距離Xeとし、これを最小化する制御入力の履歴を求める。ここで、時刻kにおける状態vi(k)がこれまでに進んだ距離をJi(k)、これまでの制御入力の履歴をpi(k)とし、同様にそれらの集合を式(9)、(10)とする。
Figure 2005132172
時刻kの状態vi(k)に入力ujを施した結果得られる時刻(k+1)の状態vij(k)と、その状態に対応する評価関数Jij(k)は、それぞれ式(11)〜(14)のように与えられる。
Figure 2005132172
3.2 状態、制御入力に関する制約条件
ダイナミックプログラミングでは、問題の事前情報を用いて、状態や制御入力に対する制約条件を設定することによって、最適化の探索範囲を効率よく絞り込むことができる。ここでは、状態、制御入力に対して、以下の制約条件を考える。
Figure 2005132172
は単調減少である。よって、式(15)の制約条件が得られる。
Figure 2005132172
yは単調増加である。よって、式(16)の制約条件が得られる。
Figure 2005132172
y≦Yeより、
Figure 2005132172
が最大値
Figure 2005132172
をとるのは、y≦Ye/2でy方向に最大加速し、y>Ye/2でy方向に最大減速する場合である。すなわち、式(17)
Figure 2005132172
となる制御入力によって、y=Ye/2となったときである(このときの時刻tYe2とする。)。そして、式(18)
Figure 2005132172
より、次の式(19)となる。
Figure 2005132172
よって、式(16)とあわせて、式(20)を満たすと考えてよい。
Figure 2005132172
3.3 ダイナミックプログラミングによる解法
一般にダイナミックプログラミングは、終端条件から開始して、後ろ向き帰納法によって最適解を探索する。しかしながら、本問題の場合、式(3)に示したように、終端条件において状態の1つ
Figure 2005132172
の値が不定である。このため、終端条件から探索を開始すると、いきなり探索の候補が爆発的に増えてしまう。そのため、すべての状態の値が式(2)のように決まっている初期条件から開始する。なお、これは本問題の初期条件と終端条件を入れ替えて、任意の速度から加速・横移動して最短距離である車速に達する問題と考えれば、一般的な後ろ向き帰納法で解くのと等価である。後ろ向き帰納法ですべての初期値に対する最適解が同時に求められるという利点は、終端条件として取り得るすべての
Figure 2005132172
に対して同時に最適解が得られることに対応する。
4.最適解
上述した条件の下でダイナミックプログラミングによって求めた最適解について説明する。
表1は、最適解を求めるに当たって使用したパラメータを示している。
Figure 2005132172
なお、各状態量のLSB(Least Significant Bit)の
Figure 2005132172
は、サンプリング時間Δtを0.1[s]、制御入力のLSBΔuをπ/18[rad]として、サンプル間の状態量変化が量子化に埋もれないように、式(21)、(22)により決定した。
Figure 2005132172
図2は、ダイナミックプログラミングで求めた最短回避距離Xe(図中の「DP」)を示す図である。なお、比較のために、x方向で直進制動することによって速度が0になるまでに進む距離(図中の「直進制動」)と、減速せずにy方向のみに力を発生してYeだけ横移動したときにx方向に進む距離(図中の「横移動」)とを重ねて示している。
同図から分かるように、初速v0が低い領域では、DPで求めた最適解は、直進制動の距離と一致した。これは初速v0が低いときは、障害物を避けるより停止した方が短い距離で回避できることを示している。ある初速(本検討ではv0=18.8[m/s])以上になると、制動制御と横移動を組み合わせた方が、最短回避距離Xeは短くなった。その後、初速v0が高くなるにしたがって、最短回避距離Xeは、横移動だけで障害物を回避したときの距離に漸近した値となった。
図3は、最適回避運動の軌跡と制御入力とを示す図であり、(A)v0=18[m/s]、(B)v0=19[m/s]、(C)v0=20[m/s]、(D)v0=40[m/s]の場合である。丸印は直進制動で停止するのに必要な距離、バツ印は横運動のみで障害物終了までに進む距離、星印はDPで得られた最適制動に従って障害物回避終了までに進む距離である。また、矢印は、ステップ毎の制御入力を示している。
初速v0≦18.7[m/s]のときでは、図3(A)に示すように、直進制動が最適解になった。図3(A)では、矢印に重なってしまっているが、直進制動で停止した後に真横に移動して障害物を回避している。なお、DPによる最適解の距離(星印)は直進制動距離(丸印)と一致するはずであるが、DPによる最適解の距離が直進制動距離よりも小さな値になったのは、量子化誤差の影響のためである。
図4は、図3に表された制御入力及びその向きのみを示す図であり、(A)v0=18[m/s]、(B)v0=19[m/s]、(C)v0=20[m/s]、(D)v0=40[m/s]の場合である。
直進制動が最適解となる同図(A)の場合を除けば、障害物回避行動の開始後と終了前における比較的横速度dy/dtが小さい領域では、制御入力の横力が大きくなった。横速度dy/dtが大きな領域では、制御入力の前後力(制動力)が大きくなった。また、初速v0が高くなるほど、制動力は小さくなり、横運動を重視するようになった。
図5は、横速度dy/dtの変化を示す図である。初速v0が高くなるにしたがって、障害物回避行動の開始直後では横速度の変化量(傾き)が増加した。一方で、障害物回避行動終了付近では、横速度の変化量は、初速v0が変わってもあまり変化していない。このことから、制動力を使うのは、主に障害物回避行動の前半部分、及び横方向に加速する部分であることが分かった。
なお、初速v0=18[m/s]のとき、20ステップ付近で一旦横速度は減少してから再び増加した。このケースの場合、18ステップで車速dx/dtが0になっており、この後評価関数が増加しないため、この時点で残っているすべての候補が最適解となり得る。DPへの定式化の都合でこのような解が得られるが、(dx/dt)≧0となる初速の場合は、直進制動が最短回避となることは自明である。その中で、探索の順序によって最初に選び出されたのが、図5に示した例である。本来所望の最適解を得るためには、Xe最小という条件のほかに、終端条件を満たす時間(T)を最小化するような条件を加えておく必要がある。
5.まとめ
以上のように、車両を質点とした簡単なモデルに対して、最短距離で障害物回避行動を完了するための、前後力(制動力)・横力の発生方法を求めた。DPによって得られた最適解は、図2から図4に示すように、日常の運転の中でドライバが経験的に得ていること、すなわち「車速が遅いときは制動して障害物を避け、車速が早いときは操舵で障害物を避ける」という指針に一致した。さらに、定量的にも「どの車速から操舵を含めた回避行動をするのが良いのか」、「制動と操舵をどのように使い分けたらよいのか」といった疑問に対する最適方策が得られた。
以下、上記の緊急回避問題を適用した走行制御装置の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図6は、本発明の第1の実施形態に係る走行制御装置の構成を示すブロック図である。走行制御装置は、車両に搭載され、静止中又は移動中の障害物に衝突するのを回避するように車両を制御する。なお、障害物は、例えば、車両前方に存在する歩行者、車両、建物など、車両の走行を妨害する物体であれば特に限定されない。また、以下で用いるv0は、緊急回避行動開始時の相対速度(初速)とする。
走行制御装置は、車両と前方障害物との相対距離を検出するレーダ装置11と、レーダ装置11で検出された相対距離を用いて演算処理を行う電子制御ユニット(以下「ECU」という。)20と、ECU20の演算結果に従って制動力を制御する制動制御装置31と、ECU20の演算結果に従って操舵角を制御する舵角制御装置32と、を備えている。
レーダ装置11は、車両の車幅方向中央部であって、車両前方の障害物を検知することの可能な位置に設けられている。レーダ装置11は、一定角度ずつ水平方向にずれながら周期的に車両の前方に光パルスを照射し、前方障害物から反射して戻ってくる反射光を受光する。そして、レーダ装置11は、出射タイミングから反射光の受光タイミングまでの時間差に基づいて、各角度における前方障害物までの相対距離を検出する。
このため、レーダ装置11は、車両前方で停止している障害物だけでなく、急に動き出した障害物、車両前方に突然現れた障害物(例えば、横側から飛び出してきた歩行者や他の車両)までの相対距離も検出することができる。
ECU20は、レーダ装置11で検出された相対距離を時間微分する微分器21と、相対速度と相対距離とに基づいて最適制御入力を演算する最適制御入力演算器22と、最適制御入力に基づいて制御配分を演算する配分演算器23とを備えている。
微分器21は、レーダ装置11で検出された相対距離を時間微分することで相対速度を演算する。そして、微分器21は、相対速度を最適制御入力演算器22に供給する。
最適制御入力演算器22は、微分器21で演算された相対速度と、レーダ装置11で検出された相対距離と、に基づいて所定サンプリング時間(所定ステップ)毎に最適制御入力を演算する。ここで、最適制御入力とは、車体に加えるべき力F及びその向きθをいう。なお、本実施の形態では、車体に加えるべき力Fは一定値とするが、所定ステップ毎に異なる値であってもよい。また、最適制御入力として、車両前後力方向の力及びその方向に直交する横力を用いてもよい。
最適制御入力演算器22は、緊急回避行動の制御範囲を表す制御範囲テーブルと、相対速度毎に所定ステップ毎の最適制御入力を表す最適制御入力テーブルと、を記憶している。
図7は、制御範囲テーブルを示す図である。図中の斜線部は、緊急回避行動を行う制御範囲を示している。横軸は相対速度v0、縦軸は相対距離である。制御範囲の境界線(閾値Th)は、図2に示した「DP」の値と同一である。すなわち、最適制御入力演算器22は、制御範囲テーブルを参照して、障害物に対する相対距離が現在の相対速度に対応する閾値Thに応じた値以下になったとき(相対距離及び相対速度の関係が図7の境界線を超えて制御範囲に入ったとき)、緊急回避行動を開始するために、次に説明するように最適制御入力を演算する。
図8は、最適制御入力テーブルを示す図である。最適制御入力テーブルは、緊急回避行動開始時の相対速度と横方向の相対距離毎に、ステップ毎の時系列の最適制御入力を表したテーブルである。最適制御入力テーブルは、図3に示したような最適制御入力の大きさ及びその向きを表している。
最適制御入力テーブルによると、緊急回避行動の開始時では、横方向の移動距離に応じたv0以下の時を除き、制動制御及び操舵制御が行われる(制動及び横移動)。このとき、相対速度v0が高くなるに従って、制動制御に比べて操舵制御を行う割合が大きくなる(横移動重視)。緊急回避行動の中期では、車両に生じる横速度が大きくなるに従って、操舵制御に比べて制動制御を行う割合が大きくなる(制動重視)。そして、緊急回避行動の終期に近くなると、制動制御に比べて操舵制御を行う割合が大きくなる(横移動重視)。
そして、最適制御入力演算器22は、相対距離が閾値Thに応じた値以下になって制御範囲に入ったことを検出すると、最適制御入力テーブルを参照して、相対速度v0に対応する最適制御入力(力F及び向きθ)を単位ステップ毎に演算する。
配分演算器23は、相対距離が閾値Thに応じた値以下になって制御範囲に入ったことを検出すると、車両に生じる運動状態量(車両運動状態量)が最適制御入力演算器22で演算された最適制御入力に一致するように、操舵角及び制動力の制御配分を演算する。ここでいう車両運動状態量とは、制動力と操舵によって生じる横力との合成力をいい、実際に車両(質点)に作用する力をいう。
なお、配分演算器23は、制動や操舵に所定の制限があるときは、車両に実際に生じる車両運動状態量が最適制御入力にできる限り近づくように、操舵角及び制動力の制御配分を演算することもできる。また、操舵角及び制動力の制御配分は、単位ステップ毎に行われる。
図9は、最適制御入力と制動方向及び横移動方向の関係を示す図である。ここで、最適制御入力は、摩擦円の中心(始点)から摩擦円の円周上のいずれかの点(終点)までの大きさをもつベクトルで表される。
そして、配分演算器23は、車両運動状態量が最適制御入力に一致する又は近づくように制動力及び横力(操舵角)を演算し、演算された制動力の値を制動制御装置31に、演算された操舵角の値を舵角制御装置32に供給する。
制動制御装置31は、配分演算器23で演算された制動力を得るように車両の各車輪マスタシリンダ圧を制御する。また、舵角制御装置32は、配分演算器23で演算された操舵角になるように操舵角を制御する。これにより、車両には、最適制御入力に対応する制動力及び横力が発生する。
この結果、上記の走行制御装置が搭載された車両は、例えば図3に示すような軌跡に沿って障害物を回避することができる。図3によると、車両には、回避行動開始時では制動力及び横力が発生し、回避行動中間時(横速度が大きい時)では制動力の割合が大きくなり、回避行動終了時では横力の割合が大きくなった。
以上のように、第1の実施形態に係る走行制御装置は、障害物に対する相対距離及び相対速度の関係が図7に示した制御範囲テーブルの制御範囲に入ったときに、障害物の緊急回避行動を開始する。そして、走行制御装置は、図8に示した最適制御入力テーブルの中から相対速度v0に対応する時系列の最適制御入力を演算し、その最適制御入力に車両運動状態量が一致するように制動力及び操舵角を制御することにより、障害物への衝突を回避するとともに、回避距離を短くすることができる。
また、走行制御装置は、歩行者の飛び出しなどのように障害物が突然出現した場合でも、レーダ装置11によりその障害物の相対距離を検出することができるので、障害物の行動変化にも対応して、その障害物を回避することができる。
なお、走行制御装置は、ABS制御中である場合や制動力の制限がある場合では、舵角のみを制御してもよい。また、走行制御装置は、直進制動のみの方がよい場合など、状況に応じて制動制御のみを行ってもよい。
[第2の実施形態]
つぎに、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る走行制御装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る走行制御装置は、ドライバのブレーキ操作や操舵を考慮して、障害物を回避するように車両の走行を制御する。
走行制御装置は、車両に搭載されており、車両と前方障害物との相対距離を検出するレーダ装置11と、操舵角を検出する操舵角センサ12と、制動するためのブレーキ油圧であるマスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサ13と、検出された相対距離、操舵角及びマスタシリンダ圧を用いて演算処理を行うECU20Aと、ECU20Aの演算結果に従って制動力を制御する制動制御装置31と、ECU20Aの演算結果に従って操舵角を制御する舵角制御装置32と、を備えている。
ECU20Aは、レーダ装置11で検出された相対距離を時間微分する微分器21と、相対速度と相対距離とに基づいて最適なベクトルを演算する最適制御入力演算器22と、ドライバの操作を検出する操作検出器24と、最適制御入力及びドライバの操作内容に応じて制御配分を演算する配分演算器23Aと、を備えている。
操作検出器24は、操舵角センサ12で検出される操舵角が閾値を超えたとき、又はマスタシリンダ圧センサ13で検出されるマスタシリンダ圧が閾値を超えたときに、ドライバの操作を検出し、この検出結果を配分演算器23Aに供給する。
配分演算器23Aは、操作検出器24がドライバの操作を検出していないときは、第1の実施形態の配分演算器23と同様にして、車両運動状態量が最適制御入力演算器22で演算された最適制御入力に一致する又は近づくように制動力及び横力(操舵角)を演算する。
配分演算器23Aは、操作検出器24がドライバの操作を検出したときは、操舵角センサ12で検出された操舵角及びマスタシリンダ圧センサ13で検出されたマスタシリンダ圧に応じて、車両運動状態量が最適制御入力に一致する又は近づくように、制動力及び横力(操舵角)を演算する。
具体的には、配分演算器23Aは、操舵角センサ12で検出された操舵角、マスタシリンダ圧センサ13で検出されたマスタシリンダ圧を用いて、既に車両に与えられている車両運動状態量を推定する。そして、推定された車両運動状態量と最適制御入力演算器22で演算された最適制御入力とを比較して、最適制御入力に対して不足している分の車両運動状態量が生じるように制動力及び横力(操舵角)を演算する。これにより、配分演算器23Aは、車両運動状態量を最適制御入力に一致する又は近づけることができる。
そして、制動制御装置31は、配分演算器23Aで演算された制動力を得るように車両の各車輪マスタシリンダ圧を制御する。また、舵角制御装置32は、配分演算器23Aで演算された操舵角になるように操舵角を制御する。
以上のように、第2の実施形態に係る走行制御装置は、ドライバが制動操作又は操舵を行った場合であっても、その操作量を考慮して、車両運動状態量が最適制御入力に一致する又は近づくように、制動力や操舵を制御することができる。
これにより、走行制御装置は、ドライバが緊急回避行動のため操作を行っている場合には、その操作をアシストするように又はその操作の妨げにならないように車両の走行を制御して、確実に障害物を回避することができる。
(第2の実施形態における他の態様)
なお、本実施形態では、上述した例に限定されず、例えば次のような態様をとることもできる。
配分演算器23Aは、レーダ装置11で検出された相対距離、微分器21で求められた相対速度に基づいて、制動制御、操舵制御のいずれかを優先してもよい。このとき、配分演算器23Aは、制動制御を優先する場合は制動力が大きくなるように、操舵制御を優先する場合は横力が大きくなるように、制動力及び横力(操舵角)を演算する。制動制御、操舵制御のいずれを優先するかについては、以下のようにすればよい。
(ドライバが過大に制動操作や操舵を行った場合)
配分演算器23Aは、操舵角及びマスタシリンダ圧が共に過大な値であった場合(上限閾値を超えた場合)、レーダ装置11で検出された相対距離、微分器21で求められた相対速度に基づいて、制動制御、操舵制御のいずれかを優先する。
配分演算器23Aは、障害物まで例えば相対距離L1である場合、相対速度が相対距離L1に対応する所定の閾値以下であった場合は制動制御を優先し、相対速度がその閾値を超えた場合は操舵制御を優先すればよい。また、配分演算器23Aは、相対距離が大きく横速度が小さい場合、または相対距離が小さく横速度が大きい場合は、操舵制御を優先してもよい。
(ドライバが操舵を行った場合)
配分演算器23Aは、検出された操舵角が大きくなっているとき(ステアリングの切り増し時)では、操舵制御を優先する。また、検出された操舵角が増加から減少又は減少から増加に変化したとき(ステアリングの切り返し時)では、制動制御を優先する。
(操舵が制限され制動力のみ制御できる場合)
図11は、ドライバが操舵して車両に横力が発生している状態を示す図であり、(A)は最適制御入力と車両運動状態量とが異なる場合、(B)は最適制御入力と車両運動状態量とが一致する場合である。
例えば、配分演算器23Aは、図11(B)に示すように、ドライバの操作によって車両に発生した横力が最適制御入力で与えられる横力よりも十分大きい場合、第1の実施形態と同様にして、制動力及び操舵角を制御して、車両運動状態量を最適制御入力に一致させることができる。一方、配分演算器23Aは、図11(A)に示すように、ドライバの操作によって車両に発生した横力が最適制御入力で与えられる横力よりも小さい場合、車両運動状態量の大きさが摩擦円(最適制御入力の大きさ)に達するまで制動力を大きくすればよい。
また、配分演算器23Aは、車両運動状態量の横力をドライバが与えた横力に応じた値にすることにより、ドライバの意思を反映させることができる。このとき、配分演算器23Aは、上記と同様に、車両運動状態量の大きさが摩擦円に達するまで制動力を大きくすればよい。
[第3の実施形態]
つぎに、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
第3の実施形態に係る走行制御装置は、図10に示すように構成されている。ここで、第3の実施形態に係る制御範囲テーブルは、図7に示したように、制動制御及び操舵制御で障害物を回避できる閾値Thに加えて、制動制御のみで障害物を回避できる閾値Th1、操舵制御(横移動)のみで障害物を回避できる閾値Th2を有している。なお、閾値Th1は図2の「直進制動」、閾値Th2は図2の「横移動」の値に対応している。
そして、配分演算器23Aは、この制御範囲テーブルを用いて、次のように制動力及び横力(操舵角)を演算する。
配分演算器23Aは、操作検出器24によってドライバの急制動操作が検出された場合、直進制動だけで障害物を回避できるか(すなわちレーダ装置11で検出された相対距離が閾値Th1以上であるか)否かを判定する。
そして、配分演算器23Aは、直進制動だけで障害物を回避できると判定したときは、ドライバの制動操作に応じた制動力を演算する。一方、直進制動だけで障害物を回避できないと判定したときは、ドライバの制動操作による制動力に加えて、障害物を回避できるように横力(操舵角)も演算する。これにより、走行制御装置は、ドライバが急制動操作を行ったとき、制動のみで障害物を回避できない場合は、制動及び横移動によって障害物を確実に回避することができる。
また、配分演算器23Aは、ドライバの操舵中に、障害物までの相対距離がドライバの操舵だけで障害物を回避できない距離になった場合(すなわちレーダ装置11で検出された相対距離がTh2未満になった場合)、相対距離及び相対速度に応じて障害物を回避できるように制動力を演算してもよい。これにより、走行制御装置は、ドライバの操舵のみで障害物を回避できない場合は、自動的に制動力をかけることにより、障害物を確実に回避することができる。
また、配分演算器23Aは、ドライバが操舵していなくても、障害物までの相対距離がドライバの操舵だけで障害物を回避できない距離になった場合は、操舵をすれば障害物を回避できるまでの相対速度になるように、制動力を演算してもよい。これにより、走行制御装置は、ドライバが操舵すれば即座に障害物を回避できるように車両の走行状態を維持することができる。
また、配分演算器23Aは、上記のいずれの場合でも障害物を回避できないときは、フル制動を行うように最大制動力を演算してもよい。
なお、本発明は、上述した第1乃至第3の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内であれば設計上変更されたものであっても適用可能であるのは勿論である。
例えば、上述した実施形態では、レーダ装置11を用いた例を説明したが、相対距離を検出することができればこれに限定されるものではない。また、制御範囲テーブル及び最適制御入力テーブルは、最適制御入力演算器22以外の演算器や、RAMやROM等の記憶媒体に記憶されてもよい。
また、上述した走行制御装置は、相対距離が相対速度に応じて設定された閾値Th,Th1,Th2未満になったときに所定の制御を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、これらの閾値Th,Th1,Th2にそれぞれ所定のオフセットを設けた値をそれぞれの閾値とし、少し余裕をもって所定の制御を行うようにしてもよい。
緊急回避問題を定式化した状態を示す図である。 ダイナミックプログラミングで求めた最短回避距離Xeを示す図である。 (A)v0=18[m/s]、(B)v0=19[m/s]、(C)v0=20[m/s]、(D)v0=40[m/s]の場合における最適回避運動の軌跡と制御入力とを示す図である。 (A)v0=18[m/s]、(B)v0=19[m/s]、(C)v0=20[m/s]、(D)v0=40[m/s]の場合における図3に表された制御入力及びその向きのみを示す図である。 横速度dy/dtの変化を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る走行制御装置の構成を示すブロック図である。 制御範囲テーブルを示す図である。 最適制御入力テーブルを示す図である。 最適制御入力と制動方向及び横移動方向の関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る走行制御装置の構成を示すブロック図である。 ドライバが操舵して車両に横力が発生している状態を示す図であり、(A)は最適制御入力と車両運動状態量とが異なる場合、(B)は最適制御入力と車両運動状態量とが一致する場合を示す図である。
符号の説明
11 レーダ装置
12 操舵角センサ
13 マスタシリンダ圧センサ
20 ECU
21 微分器
22 最適制御入力演算器
23、23A 配分演算器
24 操作検出器
31 制動制御装置
32 舵角制御装置

Claims (11)

  1. 車両と障害物の相対距離を検出する相対距離検出手段と、
    前記車両と前記障害物の相対速度を検出する相対速度検出手段と、
    前記相対距離検出手段により検出された相対距離と、前記相対速度検出手段により検出された相対速度とに基づいて、障害物回避のために前記車両に対して与えるべき最適運動状態量を演算する最適運動状態量演算手段と、
    前記車両に作用する運動状態量が前記最適運動状態量演算手段により演算された最適運動状態量に一致する又は近づくように、前記車両の制動力及び操舵角の少なくとも1つを制御する走行制御手段と、
    を備えた走行制御装置。
  2. 前記最適運動状態量演算手段は、前記最適運動状態量として、前後方向及び横方向の少なくとも1つの運動状態量を演算する
    請求項1に記載の走行制御装置。
  3. 前記最適運動状態量演算手段は、摩擦円に応じた大きさの力及びその向きを前記最適運動状態量として演算する
    請求項1に記載の走行制御装置。
  4. 前記最適運動状態量演算手段は、単位ステップ毎に、車両前後方向の力及び横方向の力を合成した力を前記最適運動状態量として演算する
    請求項1に記載の走行制御装置。
  5. 前記最適運動状態量演算手段は、障害物回避行動開始時又はその近傍の所定ステップでは、車両前後方向の力及び横方向の力を含んだ最適運動状態量を演算する
    請求項4に記載の走行制御装置。
  6. 前記最適制御量は、障害物回避行動開始時の相対速度が高くなるに従って車両前後方向の力に比べて横方向の力の割合が高くなる特性を有する最適運動状態量を演算する
    請求項4または請求項5に記載の走行制御装置。
  7. 前記最適運動状態量演算手段は、障害物回避行動終了直前又はその近傍の所定ステップでは、車両前後方向の力に比べて横方向の力の割合が高い最適運動状態量を演算する
    請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の走行制御装置。
  8. 前記最適運動状態量演算手段は、障害物回避行動中間時又は前記車両の横速度が大きくなっている時の所定ステップでは、横方向の力に比べて車両前後方向の力の割合が高い最適運動状態量を演算する
    請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の走行制御装置。
  9. ドライバの走行制御の操作を検出する操作検出手段を更に備え、
    前記走行制御手段は、前記操作検出手段により検出された操作によって既に車両に与えられている運動状態量に応じて、制動力及び操舵角の少なくとも一方を制御する
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の走行制御装置。
  10. 前記走行制御手段は、前記操作検出手段により検出された操作の内容に応じて、制動力又は操舵角のいずれか一方を他方に比べて優先的に制御する
    請求項9に記載の走行制御装置。
  11. 前記走行制御手段は、前記相対距離検出手段により検出された相対距離が、相対速度に応じて設定された閾値未満になったときに、走行制御を開始する
    請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の走行制御装置。
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