JP2005131669A - スポット溶接機の上部電極の支持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は下部電極の板状電極の上で上部電極の溶接ガンにより、上下から被溶接物をはさんで溶接するスポット溶接機で、板状電極上で溶接ガンを自由かつ容易に支持する上部電極の支持装置を提案する。
【解決手段】下部電極10としての板状電極11と上部電極20としての溶接ガン21との間で被溶接物Wをはさんで溶接するスポット溶接機の溶接ガンの支持装置であって、板状電極11上に伸びる支持ア−ム30の先端で溶接ガン21を支持し、支持ア−ム30を複数個の分割ア−ム31、32、33を連結し、分割ア−ム31、32、33のうちの少なくとも一組の隣接分割ア−ム31、32の間の一方の分割ア−ム32の対向端部から側方に突出する上下一対の固定プレ−ト45、46を設け、固定プレ−ト45、46の間に固定軸42を設け、固定軸42を中心として一方の分割ア−ム32に対し他方の分割ア−ム31が旋回するよう構成する。
【選択図】図1
【解決手段】下部電極10としての板状電極11と上部電極20としての溶接ガン21との間で被溶接物Wをはさんで溶接するスポット溶接機の溶接ガンの支持装置であって、板状電極11上に伸びる支持ア−ム30の先端で溶接ガン21を支持し、支持ア−ム30を複数個の分割ア−ム31、32、33を連結し、分割ア−ム31、32、33のうちの少なくとも一組の隣接分割ア−ム31、32の間の一方の分割ア−ム32の対向端部から側方に突出する上下一対の固定プレ−ト45、46を設け、固定プレ−ト45、46の間に固定軸42を設け、固定軸42を中心として一方の分割ア−ム32に対し他方の分割ア−ム31が旋回するよう構成する。
【選択図】図1
Description
この発明はスポット溶接機の上部電極の支持装置に係り、なかでも、下部電極としての板状電極の上で上部電極としての溶接ガンにより、上下から被溶接物をはさんでスポット溶接するスポット溶接機における溶接ガンを自由かつ容易に移動できるよう支持する上部電極の支持装置に係るものである。
一般に、金属板などの溶接において、溶接すべき金属板や金属箱又は金属枠など(以下、被溶接材又は被溶接物という)を重ね合わせ、この部分を加圧通電して接合する溶接が抵抗溶接であって、抵抗溶接の中で最っとも広く用いられているのがスポット溶接である。また、抵抗溶接の熱源は重ね合わせ部分の通電によって生じる抵抗熱であることから、被溶接材を加圧接合する溶接熱源として利用するには、熱源温度が不安定なため必ずしも好ましくない面があり、被溶接物をはさんで加圧することから打こんが残るという面もあるが、自動車ボディの製造や板金加工の分野には、スポット溶接やシ−ム溶接として実用化されている。この主たる理由は、ア−ク溶接法などに較べると、抵抗溶接は溶接棒やフラックスなどの添加剤を必要としないからであって、現在最っとも利用されている溶接法の一つである。このため、現在では、その用途は多方向にわたり、自動車ボディの組立や金属函、枠組物などの組立てのほかに、広く板金加工一般に広く用いられている。
すなわち、広く普及かつ利用されているスポット溶接などの抵抗溶接は先にのべたとおり、溶接熱源は被溶接物間に発生するジュ−ル熱である。このジュ−ル熱は被溶接物の物性に左右される欠点をもっているが被溶接物をとかす融接法でなく圧接法であり、溶接条件を左右するのは溶接電流や溶接時間、さらに溶接時の加圧力であって、これらを制御調和させると、熱源温度も制御でき、きわめて有益な溶接法である。
このようなところから、スポット溶接は自動車ボディを含めて数多くの分野で利用され、その用途に応じて種々の型式の溶接機が実用化されている。また、いずれの用途に適用されるものでも、スポット溶接機は被溶接物に強大な電流と加圧力を与えることが必要で、この溶接条件を調和させる構造になっており、スポット溶接機はほとんど直上型の定置型といわれる加圧方式がとられ、プレス機器と同様な構造のものである。
すなわち、スポット溶接の原理は、重ね合わされた2枚の被溶接物を上下の電極の間ではさみ、各電極の先端に取付けた溶接チップによってはさみ込んだ領域、つまり、スポット又は点の被溶接部を加圧通電して溶接するものである。
この接合原理からして、直上加圧式のスポット溶接機は、上下の電極で対向する端部には溶接チップが設けられ、上部電極を下部電極に下降させて被溶接物の被溶接部を局部的に加圧して溶接するという、プレス機器と同様な構造をとるものである。下部電極は上部電極による加圧力を直接受けることになるため、強固に支持装置で支持される。上部電極は下部電極の上に設けられ、下部電極に向って下降し、高い加圧力が加えられるよう構成される。このため、通常、上下の電極はプレス機器のように加圧装置や支持装置と一体に構成され、この一体化されたスポット溶接機が一定の場所に据付けられて使用される。
溶接のときには、被溶接物を据付けられた溶接機のところまで移動させて保持し、そこで溶接すべきところ、すなわち、被溶接点を順次に溶接する。平たくいうと、被溶接物を溶接機の設置場所まで移動させ、そのところで被溶接物を作業員などが保持しながら被溶接点のところを順次に送って溶接する。このため、大型の被溶接物、例えば自動車ボディや大型金属箱であると、その運搬や被溶接点の順次の送りおよび移動位置での保持は大変な重筋作業となる。とくに、組立作業や治具設備が合理化されている自動車ボディの組立作業を除くと、このところがほとんどの板金加工で共通する問題点になっている。
この点を改善するものとして、定置型スポット溶接機に代ってポ−タブル型のスポット溶接機も提案されている。すなわち、ポ−タブル型は上下の電極を溶接電源その他の溶接機本体から分離して持ち運びできるように構成し、この間をフレキシブルな導電ケ−ブルで接続している。この溶接機は、上下の電極を自由に移動できるが、これら電極がプレス機器のような加圧機構によって加圧できるよう構成されていないため、大きな加圧力が加えることができない。このため、圧接としての特徴が十分にいかせないところが弱点であって、強固な溶接継手の形成には不適当である。
要するに、可搬式として構成した上部電極には一体として機械的な加圧機構を設けることができないため、溶接時の加圧力が制限され所定の強度の溶接継手が得られない。
このようなところから、本発明者らは、先に、特願平5−139543号(特許第3445636号)明細書に示す構造のスポット溶接機を提案した。
このスポット溶接機は、上下から被溶接物をはさんで加圧通電してスポット溶接する上下一対の電極において上部電極は先端に溶接チップを具える棒状の溶接ガンとして構成する一方、下部電極は従来例の如く棒状に構成することなく板状の導電性材料から成る板状電極から構成する溶接機である。この溶接機は下部電極として働く板状電極の表面のいずれのところでも電極として働くことができるため、上部電極として働く溶接ガン先端の溶接チップによって加圧されるところが下部の点弧電極となり、このところの局部的な通電によってスポット溶接が達成できる。このところは板状電極のいずれのところも電極として働くことができるため、板状電極の上で置いたままで被溶接物は移動させることなく溶接できることになる。
また、板状電極の下部電極に対し、上部電極として働く溶接ガンは板状電極上で自由に移動できる構造をとっている。横向き姿勢で用いる溶接ガンは、その中間点で支持ポストを介して回転自在に支持され、てこ方式によって後端に加えた上向きの引張り力によって先端の溶接チップが下向きに旋回され、被溶接物に高い加圧力を加えることができる構造に構成され、溶接ガンは支持ポストとともに板状電極の全面にわたって自由に平面移動できる構造に構成されている。このため、板状電極上に置いたままの被溶接物上の各被溶接点のところに上部電極として働く溶接ガンを順次に移動させて被溶接点のところに位置決めすると、連続的に溶接できる。
また、この溶接機であると、支持ポストには横向き姿勢の溶接ガンの後端に上向きの引張り力を加えるためにエア−シリンダなどの加圧機構を支持ポストに塔載すると、プレス機器と同様な方式をとって加圧させることもでき、先端の溶接チップによって加えられる加圧力はてこの倍力機構の原理を利用して高めることもでき、電流を通し易いアルミニウム合金材なども溶接できる。
また、溶接ガンやその加圧機構の一部を成すエア−シリンダとともに支持ポストを介して片持ちはりに近い型式の支持ア−ムにより支持される構造から成っている。この支持ア−ムが少なくとも2つの分割ア−ムから構成され、各分割ア−ムは回転軸により旋回自在に連結されて構成されている。このため、少なくとも1つの分割ア−ムを作業者が旋回させると、それに伴って他の分割ア−ムも旋回して支持ポストの長さは全体として伸縮し、板状電極の上で溶接ガンが移動でき、板状電極上の所望のところの被溶接点に位置決めでき、溶接できる。
しかし、このような構造であると、位置決めのときに旋回させた分割ア−ムが隣接する分割ア−ムとの間で一つの直線上に揃ってしまうこともあり、分割ア−ム全体が一直線に揃うこともあり、分割ア−ムが隣接する分割ア−ムの側面に接触するまで旋回してしまうこともある。このような事が起ると、板状電極の外から作業者が力を加えることのできる分割ア−ムの範囲が限られるため、作業者が力を加えることができないところで分割ア−ムが一直線上に揃ったときには、その分割ア−ムの一直線上の揃い状態は解消できず、そのところには回転力や旋回力が伝達できないことが起る。
なかでも、板状電極の略々中央部のところの分割ア−ムが一直線上に揃うと、板状電極は全面にわたって通電されているため、一旦溶接を中断し電源を切ってから揃っている分割ア−ムを手動で旋回させることとなり、好ましくない。
また、少なくとも2つの分割ア−ムを旋回自在に連結して成る支持ア−ムには、溶接時にくり返して高い加圧力、例えば500kg/cm2程度がかかり、エア−シリンダその他の重い支持荷重がかかり、これら加圧力や支持荷重が分割ア−ム間を連結する回転軸に集中的にかかり、使用を重ねると回転軸がゆるみ又は変形し、分割ア−ムが円滑に旋回しなくなる。
さらに、分割ア−ムはそれぞれの回転軸のところで折れ曲り、支持荷重などによって曲げのほかに捩りなどの荷重がかかるようになって、回転軸のところにはこれら曲げおよび捩り荷重が結合か相乗してかかるため、回転軸は曲がり、変形し、上部電極の溶接ガンの移動が円滑に行なわれにくくなる。
すなわち、溶接ガン先端の溶接チップが位置決めされたときは、支持ア−ムは回転軸のところで折れ横に拡がったジグザグ形状になる。この形状の支持ア−ムの先端に曲げや捩りの外力がかかった状態で使用され、その使用頻度が重なると、回転軸の位置づれ、変形が起こり、仲々所定の位置に位置決めできない。
特願平5−139543号(特許第3445636号)明細書
本発明は上記欠点を解決することを目的とし、具体的には、下部電極として働く板状電極上において、上部電極として働く溶接ガンなどを支持する支持装置であって、この支持装置を互いに旋回自在に連結される少なくとも2つの分割ア−ムから構成し、この分割ア−ムの旋回によって溶接ガンを板状電極上で移動できるように構成するものであって、この支持ア−ムにおける分割ア−ムを個々に円滑かつ容易に旋回できる支持装置を提案する。
すなわち、本発明に係るスポット溶接機の上部電極の支持装置は、下部電極としての板状電極と上部電極としての溶接ガンとの間で被溶接物をはさんでスポット溶接するスポット溶接機における溶接ガンの支持装置であって、この板状電極上に伸びる支持ア−ムの先端で溶接ガンを支持し、この支持ア−ムを複数個の分割ア−ムを棒状に連結して構成し、これら分割ア−ムのうちの少なくとも一組の隣接する分割ア−ムの間における一方の分割ア−ムの対向端部から側方に突出する上下一対の固定プレ−トを設けるとともに、固定プレ−トの間に固定軸を設け、この固定軸を中心として一方の分割ア−ムに対し他方の分割ア−ムが旋回するよう構成して成ることを特徴とする。
このように本発明は、被溶接物をはさんでスポット溶接する2つの電極のうちで下部電極を銅板などの導電性板状材から成る板状電極を具えるものとして構成する一方、上部電極を板状電極上で移動できる溶接ガンとして構成するスポット溶接機に係るものであって、この溶接機の上部電極を支持ア−ムによって支持する支持装置である。
したがって、この溶接機は板状電極上のいずれのところに、例えば、金属箱や金属枠などの被溶接物を載せたままでも被溶接点のところに溶接ガンを移動させて位置決めすると、被溶接点を溶接ガンと板状電極の間ではさみスポット溶接できる。
また、上部電極を支持する支持ア−ムは少なくとも2つの分割ア−ムから構成され、しかも、隣接する分割ア−ムのうち一方の分割ア−ムの対向端部に設けられた固定軸を中心として他方の分割ア−ムの対向端部が旋回できるように構成され、しかも、この固定軸は一方の分割ア−ムの側方に突出する固定プレ−トの間に固定されるため、各分割ア−ムには円滑に旋回力(あるいは旋回モ−メント)が作用するため、円滑に位置決めのために適格かつ高い精度で分割ア−ムを旋回できる。
また、一方又は他方の分割ア−ムの側面にはストッパ部材を設けられ、このストッパ部材によって隣接する2つの分割ア−ムの間の旋回が制限されるように構成されている。このため、一つの分割ア−ムの軸線方向に作動力を加えてもその分力として作動力が与えられ、分割ア−ムは円滑に旋回できる。
そこで、上記のところの手段たる構成ならびにその作用について図面に示すところを通じてさらに具体的に示すと、つぎのとおりである。
なお、図1は本発明の一つの実施例に係る支持装置の平面図である。
図2は図1に示す支持装置の一つの作動態様の説明図である。
図3は図1の一部の拡大図である。
図4は図1および図2に示す支持装置が取付けたスポット溶接機の側面図である。
図5は図1および図2に示す支持装置の一部を破断して示す側面図である。
図6は図1および図2に示す支持装置における旋回機構の組立図である。
まず、図1、図2、図3、図4、図5および図6において、符号10は下部電極、20は上部電極、30は支持ア−ム、40は支持装置、50はストッパ部材、60はエア−シリンダ、70は支柱、80は支持ポスト、100はスポット溶接機を示す。本発明の一つの実施例に係る支持装置40は図1、図2および図3に詳細に示され、支持装置40は図4に示すようにスポット溶接機100に取付けられる。この支持装置40によって支持される上部電極20は下部電極10との間で被溶接物Wをはさんでスポット溶接するものである。これら上下の電極10、20のうち、上部電極20は溶接ガン21、溶接チップ22、エア−シリンダ60およびこれらを支持する支持ポスト80から成って、溶接のときに上部の電極として働く棒状の溶接ガン21が横向き姿勢に保持されるが、図示は省略するが、棒状の溶接ガンを縦向き姿勢で保持することもできる。下部電極10として働く電極は板状電極11であって、板状電極11は表面に設けられ、板状電極11上で溶接ガン21が平面方向に移動自在できるよう、支持装置40によって支持されている。
図4に示すように、下部電極10は板状の電極11として働き、この板状電極11は平坦な導電性板状材から成って、この板状材が表面に設けられ、全体にわたって電極として用いられるよう構成されている。このため、溶接のときには板状電極11上に被溶接物Wは置かれると、板状電極11は全面にわたって通電されている。このため、被溶接物Wはそのまま移動させることなく、所望の被溶接点のところを溶接ガン21の先端の溶接チップ22と板状電極11との間ではさむと、所望の被溶接点は点弧状にスポット溶接できる。このような溶接機であるから、上部電極20の溶接ガン21を所望の被溶接点まで移動させて位置決めするだけで被溶接物Wを移動させることなく溶接できる。
更にくわしくのべると、板状電極11の全面は、例えば電源、変圧器(図示せず)を介して通電され、表面のいずれのところでも下部電極10として働かすことができる。このため、溶接のときには板状電極11の上に工作物や加工物などの被溶接物Wがおかれ、上部電極20として働く溶接ガン21により上からはさまれて加圧されると、板状電極11上の加圧区域が下部電極10として働く。要するに、下部電極10を板状電極11として構成する溶接機であるから、被溶接物Wは移動させることはなく板状電極11上で所望の被溶接点を順次に溶接できる。
上部電極20として働く溶接ガン21はどのような加圧方式をとることもできるが、図4に示すように溶接ガン21を支持ポスト80によって横向き姿勢に支持し、てこ方式によって加圧することができる。
すなわち、支持ポスト80は図4に示すように下端部を折り曲げて折り曲げ部81を構成し、その先端の回転ピン82によって溶接ガン21を中間点で回転自在に支承する。このため、溶接ガン21の後端を例えばエア−シリンダ60によって引張ると(なお、手動のときは手動ハンドル25によって上向きに引張ることもできる)、先端の溶接チップ22は回転ピン82を中心として下向きに旋回して下降することになり、溶接チップ22により板状電極11上の被溶接物Wの被溶接点を局部的に加圧できスポット溶接できる。
また、下部電極10として働く板状電極11に対応する溶接ガン21も変圧器を経て溶接電源に接続され、溶接電源からの電流はサイリスタ−などの電子的開閉器によって整流され、この電流によって板状電極11と溶接ガン21との間にはさまれる被溶接点部は点溶接あるいはスポット溶接される。
先に説明したとおり、板状電極11は表面が平坦で銅板や銅合金板などの導電性板状材から成って、全面にわたって通電でき、いずれのところでも下部電極10として働かすことができる。このため、板状電極11上において上部電極20として働く溶接ガン21を移動させると、所望の被溶接点を選択できる。このところが本発明の特徴の一つでもある。つまり、板状電極11上の被溶接物Wに対し所望の被溶接点のところに移動させるのみで溶接すべき溶接点が選択でき、選択されたところで下部電極10と上部電極20との間に被溶接物Wがはさまれて加圧通電されてスポット溶接される。
次に、上部電極20として働く溶接ガン21を水平又は水面方向に移動するよう支持するために、その支持装置40として、溶接ガン21を支持する支持ア−ム30を少なくとも2つの分割ア−ム31、32、33から構成し、さらに、この支持ア−ム30において各分割ア−ムの対向端部の間では、図5および図6に示すように、後記の固定軸42が固定された一方の分割ア−ム32に対し、支持ポスト80などを支持する他方の分割ア−ム31が旋回できるよう構成するとともに、いずれか1つの分割ア−ム(図1および図2の例では一方の分割ア−ム32)の側面にストッパ部材50を取付けて構成する。
また、固定軸42は、例えば分割ア−ム32や33に直接固定し、棒状に連結することなく、図1および図2に示すように、上下から固定プレ−ト45、46を用いて固定し、その固定プレ−トの間に固定軸42を固定し、固定プレ−ト45、46は一方の分割ア−ム32の側方に突出するように設ける。
すなわち、各分割ア−ム31、32、33において、固定軸42を側方に突出する固定プレ−ト45、46を介して固定する。このように構成すると、分割ア−ムは個々に隣接する分割ア−ムに干渉されることなく旋回できる。
一方、固定軸42を固定プレ−ト45、46を介して固定すると、固定プレ−ト45、46が側方に突出するだけ固定軸42は変位する。このため、一つの分割ア−ムに軸方向の力が加わったときでも、その力は固定プレ−トを介して旋回力として固定プレ−トを取付けた分割ア−ムに作用する。つまり、固定プレ−トの突出長さを腕とした旋回モ−メントにより固定プレ−トを取付けた分割ア−ムを旋回させることになり、わずかな力を一つの分割ア−ムに加えただけでも各分割ア−ムは固定軸を中心として順次に旋回する。このように固定軸を側方に変位させて固定すると、支持ア−ム30において各分割ア−ムが旋回し、上部電極として働く溶接ガンの移動がきわめて円滑になり、容易にかつ確実に位置決めが達成できる。
このように構成する場合、一対の固定プレ−ト45、46をあまり長く突出させると、旋回は円滑になるが分割ア−ムを連結した支持ア−ム30の形状は棒状から遠ざかり、固定プレ−ト45、46の突出長さをスパ−ンとした捩り荷重が大きくなる。
このところから本発明においては固定プレ−ト45、46の突出長さは隣接する分割ア−ムに干渉されずに旋回できる程度にとどめて構成する。
すなわち、支持ア−ム30の先端で瞬間的な荷重を含めて大きな荷重を支持するときには捩り荷重が曲げ荷重と複合してかかる。とくに、固定軸42を取付ける固定プレ−トを側方に突出させると、捩り荷重が複合してかかる割合が多くなる。このため、本発明で後にのべるとおり、固定軸やそれを支承する支持機構は図5ならびに図6のように構成し、曲げと捩りの複合荷重を支持できるように構成する。
また、分割ア−ムの側面にストッパ部材50を取付ける場合、図1に示すように、旋回する他方の分割ア−ム31にもストッパ部材50を設け、突出する固定プレ−ト45、46に当接させて旋回範囲を調整することができる。
一方の分割ア−ム32の側面にストッパ部材50を設けると、このストッパ部材50によって隣接する2つの分割ア−ム31、32の間の旋回が制限される。これにより、旋回させるべき他方の分割ア−ム31に軸線の作動力を加えてもその作動力によって一方の分割ア−ム32は隣接する分割ア−ム33の固定軸42を中心として旋回し、支持ア−ム30全体としては伸縮し、溶接ガン21は板状電極11上で円滑に移動し位置決めできる。
すなわち、支持ア−ム30は、ちなみに図4に示すとおり、先端で支持ポスト80を介して上部電極20やエア−シリンダ60を支持する。また、支持ア−ム30には溶接にかける加圧力がかかる。一方、支持ア−ム30の各分割ア−ム31、32、33が側方に突出する固定プレ−ト45、46を介して連結されると、これらの外力や荷重による曲げのほか捩りがかかり、例えば、先端で荷重を支持する分割ア−ム31の隣接する分割ア−ム32に対する旋回位置がずれるようになる。このため、支持ア−ム30において分割ア−ム31、32は図5に示すように連結して構成する。
すなわち、先端で荷重や加圧力を支持する分割ア−ム31とそれに隣接する分割ア−ム32との間において、分割ア−ム31の対向端部に設けた円筒状支承体41(図5ならびに図6参照)とそれに対応する分割ア−ム32の対向端部に設けた固定軸42(図6参照)とから構成し、この固定軸42を円筒状支承体41内に挿入する一方、固定軸42の周りに円錐コロ軸受43を配設して構成する。この円錐コロ軸受43においてそのインナ−レ−ス面431は固定軸42に固定し、アウタ−レ−ス面432は円筒状支承体41の内面に固定する。
また、固定軸42は一体物として構成することができるが、支持ア−ム30で各分割ア−ム31、32、33を張り出した固定プレ−ト45、46を介して連結する場合には、図5および図6に示すように、固定軸42、カラ−部材44と組み合わせて分離型に構成し、分離して構成することによって、固定軸42やカラ−部材44にかかる捩りや曲げの複合力を緩和できる。
これらの組み合わせは例えばキ−等48を軸方向に差込んで行ない、軸方向に大きな外力又は荷重が瞬間的にかかっても、カラ−部材44が僅かに上下にスライドして吸収できるように構成する。また、固定軸42とカラ−部材44とは組合わせて旋回の中心軸を成し、これは上下に分けた円錐コロ軸受43により個別的に支承する。この場合、カラ−部材44は固定軸42の肩部421に接触させることなく僅かな間隙Gを残すように構成する。この間隔Gは、カラ−部材44の上下のスライドによって円錐コロ軸受43との接触抵抗を適度に調整するものであって、溶接中瞬間的にかかる荷重に対しカラ−部材44の上下のスライドにより吸収できるため、溶接チップは一旦平面的に位置決めした位置はずれることがなく、適格に溶接できる。
更に説明すると、支持ア−ム30にはせん断、曲げ、捩り、引張り、圧縮などの応力がくり返しかかる。構造的にみても、エア−シリンダ60その他の荷重が下向きにかかる。さらに、溶接時には高い加圧力の反力が上向きにかかる。一方、支持ア−ム30は分割ア−ム31、32、33はそれに隣接する分割ア−ムに固定された各固定軸42を中心として旋回し、ちなみに、隣り合う分割ア−ム31、32の間では先端で荷重などを支持する分割ア−ム31は隣接する分割ア−ム32に固定された固定軸42を中心として旋回し、更に、この分割ア−ム32はこれに隣接する分割ア−ム33の固定軸を中心として旋回する。つまり、各分割ア−ム31、32、33の旋回度合が組み合わされて支持ア−ム30の移動態様が決まる。
この意味では固定軸42は、対応する分割ア−ム32や33に直接固定することもできるが、必ずしも上下の固定プレ−ト45、46を用いて固定する必要がない。しかしながら、固定軸42を直接対応する分割ア−ムに固定すると、先にのべたとおり、隣接する分割ア−ム31、32間では分割ア−ム31を分割ア−ム32に直接固定した固定軸42にそって旋回すると、隣接する分割ア−ム31、32の軸線が一つの直線上に揃うことがある。また、分割ア−ム31が隣接する分割ア−ム32の側面に接触し、その間の挾角が零に接近し、近くなることが起こる。前者の場合は、先端で支持ポスト80を介して溶接ガン21を支持する分割ア−ム31に対し作業者が支持ポスト80をつかんで軸方向などの力を加えても、分割ア−ム31は分割ア−ム32に対し全く回転できない。一方、後者の場合は、板状電極11上にのって作業者が分割ア−ム31を逆転させないと、旋回できない。しかし、板状電極11は全面にわたって通電しており、その上に作業者がのることはできない。
このようなところから、支持ア−ム30は、図1および図2に示すように、各分割ア−ム、なかでも、分割ア−ム32、33に幅方向に突出する固定プレ−ト45、46を介して固定軸42を取付ける。しかし、このようにすると、上記のところは解決できるが、支持ア−ム30そのものが固定プレ−ト45、46によって段階的に突出した構造となり、突出部分を腕又はスパ−ンとする捩り荷重がかかる。このところを解決するために支持ア−ム30における分割ア−ム間の支持装置として上記のとおり構成する。
また、このように固定プレ−ト45、46を介して固定軸42を取付ける場合、念のために、図1および図2に示すとおり、固定軸42を具える分割ア−ム32や旋回する分割ア−ム31の側面にストッパ部材50を設けることもできる。
さらに、旋回する分割ア−ム31に設けることもできる。この場合には、図3に示すとおり、分割ア−ム32の一部を突出させ、ストッパ部材50を旋回する分割ア−ム31の上面に設けることもできる。
このようにストッパ部材50を設けると、隣り合う分割ア−ム31、32の間において、それぞれの分割ア−ム31、32、33の軸線は挾角θは容易に大きく維持できる。
また、固定軸42をカラ−部材44と間隙Gを残して組み合わせて構成すると、カラ−部材44を締め付ける例えばロックナット47によって間隙Gを調整でき、この調整によって分割ア−ムを円滑に旋回できる。
以上のとおり、一方が板状電極、他方が棒状溶接ガンから成って、この他方の溶接ガンが上部電極として移動するスポット溶接機において、上部電極を移動自在に支持する支持装置である。
この支持装置によって先端に溶接チップを具える棒状溶接ガンが円滑かつ適格に位置決めでき、溶接時に高い加圧力をかけても上部電極の位置は移動することなく維持でき、とくに、高い加圧力を必要とするアルミニウム材やステンレス鋼材でも強固に溶接できる。
10 下部電極
11 板状電極
20 上部電極
21 溶接ガン
22 溶接チップ
30 支持ア−ム
31 分割ア−ム
32 分割ア−ム
33 分割ア−ム
40 支持装置
42 固定軸
45 固定プレ−ト
46 固定プレ−ト
50 ストッパ部材
60 エア−シリンダ
70 支柱
80 支持ポスト
82 回転ピン
100 スポット溶接機
W 被溶接物
11 板状電極
20 上部電極
21 溶接ガン
22 溶接チップ
30 支持ア−ム
31 分割ア−ム
32 分割ア−ム
33 分割ア−ム
40 支持装置
42 固定軸
45 固定プレ−ト
46 固定プレ−ト
50 ストッパ部材
60 エア−シリンダ
70 支柱
80 支持ポスト
82 回転ピン
100 スポット溶接機
W 被溶接物
Claims (6)
- 下部電極としての板状電極と上部電極としての溶接ガンとの間で被溶接物をはさんでスポット溶接するスポット溶接機における前記溶接ガンの支持装置であって、この板状電極上に伸びる支持ア−ムの先端で前記溶接ガンを支持し、この支持ア−ムを複数個の分割ア−ムを棒状に連結して構成し、これら分割ア−ムのうちの少なくとも一組の隣接する分割ア−ムの間における一方の分割ア−ムの対向端部から側方に突出する上下一対の固定プレ−トを設けるとともに、固定プレ−トの間に固定軸を設け、この固定軸を中心として一方の分割ア−ムに対し他方の分割ア−ムが旋回するよう構成して成ることを特徴とするスポット溶接機の上部電極の支持装置。
- 前記固定プレ−トを一方の前記分割ア−ムに直交又はほぼ直交して突出させることを特徴とする請求項1記載のスポット溶接機の上部電極の支持装置。
- 旋回する他方の前記分割ア−ムの側面に前記固定プレ−トに当接してその旋回を停止させるストッパ部材を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2記載のスポット溶接機の上部電極の支持装置。
- 前記固定軸が設けられた一方の分割ア−ムの側面にその旋回を停止させるストッパ部材を設けて成ることを特徴とする請求項1、2又は3記載のスポット溶接機の上部電極の支持装置。
- 旋回する他方の分割ア−ムの端部に円筒状支承体を設け、この円筒状支承体内に前記固定軸を挿入し前記固定軸の周りで円錐コロ軸受を介して前記円筒状支承体を旋回自在に支承して成ることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のスポット溶接機の上部電極の支持装置。
- 前記固定軸を上下に分けてカラ−部材と組合わせて構成するとともに、その間に所定の環状間隙を残して構成することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のスポット溶接機の上部電極の支持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003370516A JP2005131669A (ja) | 2003-10-30 | 2003-10-30 | スポット溶接機の上部電極の支持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003370516A JP2005131669A (ja) | 2003-10-30 | 2003-10-30 | スポット溶接機の上部電極の支持装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005131669A true JP2005131669A (ja) | 2005-05-26 |
Family
ID=34647508
Family Applications (1)
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JP2003370516A Pending JP2005131669A (ja) | 2003-10-30 | 2003-10-30 | スポット溶接機の上部電極の支持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005131669A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013078772A (ja) * | 2011-10-03 | 2013-05-02 | Koyo Giken:Kk | スポット溶接法 |
JP2013078773A (ja) * | 2011-10-03 | 2013-05-02 | Koyo Giken:Kk | スポット溶接機 |
-
2003
- 2003-10-30 JP JP2003370516A patent/JP2005131669A/ja active Pending
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