JP2005128953A - 情報交換方法とこの方法を実現するための通信装置及びプログラム - Google Patents

情報交換方法とこの方法を実現するための通信装置及びプログラム Download PDF

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貴広 濱田
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Abstract

【課題】利用者が多くの手間と時間を費やすことなく、最少の個人情報の提供により所望の情報を取得できるようにする。
【解決手段】利用者端末USaにおいて利用者が取得を希望する情報を所有する情報提供者を探索し、この探索により複数の情報提供者が見つかった場合に、これらの情報提供者が提示する個人情報の要求条件を利用者が設定した許可条件と比較する。そして、要求条件と許可条件との差が所定範囲内の情報提供者を選択し、かつこの選択された情報提供者に対し上記要求条件と許可条件との差が少ない順に優先順位を付けたリストを作成して、表示部17に表示するようにしたものである。
【選択図】 図4

Description

この発明は、例えばインターネットなどの通信ネットワークを利用して、利用者が自身の個人情報の提供と引き替えに情報提供者から所望の情報を取得するための情報交換方法と、この方法を実現するために使用される通信装置及びそのプログラムに関する。
従来、例えばインターネット上で、ウエブサイトの運営者と当該サイトの訪問者との間で個人情報をやり取りするための技術としては、World Wide Web Consortiumで策定されたPlatform for Privacy Preferences Project (P3P)(非特許文献1を参照)が知られている。しかし、この技術は利用者と情報提供者とが一対一の関係の場合を前提としており、かつ個人情報に関して情報提供者が提示した要求条件と利用者が提示した許可条件とが合致したときのみ情報の交換が行われる。このため、利用者が希望する情報を取得するためには情報提供者が要求する個人情報の提供が必要不可欠となる。
一方、個人情報を交換する他の技術として、情報交換要求先の利用者と情報交換要求元の利用者との間で条件が適合するまで再要求することを可能にした技術が知られている(例えば特許文献1を参照。)。しかし、この技術も予め決められた二者間の情報交換に限定したものである。
http://www.w3.org/P3P/ (World Wide Web Consortium (W3C):WWWで利用される技術の標準化をすすめる国際団体。http://www.w3.org/)
特開2002−183015号公報。
一般に、利用者はできる限り個人情報を提供したくないものである。そのためには、例えばインターネット上に利用者が取得を希望する情報を所有するサイトが複数あり、かつそれぞれのサイトが要求してくる個人情報の内容が異なる場合に、利用者自身が直接各サイトの要求条件を比較し、利用者が譲歩できる個人情報の要求条件を提示している提供者を判別する必要がある。したがって、最小限の個人情報の提供により所望の情報を取得するには手間と時間が必要であり、特に取得を希望する情報を所有するサイト数が膨大な場合には利用者の負担はきわめて大きくなる。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、利用者が多くの手間と時間を費やすことなく、最少の個人情報の提供により所望の情報を取得できるようにした情報交換方法とこの方法を実現するための通信装置及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために第1の発明は、利用者が使用する第1の通信装置と、情報提供者が運用する複数の第2の通信装置とを通信ネットワークを介して接続可能としたシステムを利用して、利用者が取得を希望する提供情報と情報提供者が要求する利用者の個人情報とを交換する際に、先ず上記情報提供者が要求する個人情報の要求条件を設定すると共に、上記利用者が提供を許可する個人情報の許可条件を設定する。そして、利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索し、探索により複数の情報提供者が探索された場合に、当該複数の情報提供者により設定された上記個人情報の要求条件と上記利用者により設定された個人情報の許容条件その比較結果に基づいて、上記探索された複数の情報提供者の中から、上記要求条件が許容条件に最も近い情報提供者を情報交換相手として選択するようにしたものである。
したがって第1の発明によれば、利用者が取得を希望する情報を所有する複数の情報提供者が探索され、探索された複数の情報提供者の中から、当該情報提供者により提示された個人情報の要求条件が利用者により提示された許可条件に最も近い情報提供者が情報交換相手として選択される。すなわち、利用者が希望する情報を所有する情報提供者の探索と、探索された情報提供者の中から個人情報に対する要求条件が利用者が提示する許可条件に最も近い情報提供者の選択が、それぞれ自動的に行われる。このため、利用者は事前に個人情報の許可条件を設定しておくだけで、簡単かつ短時間に自身にとって最適な情報提供者を特定することが可能となり、これにより多くの手間と時間を費やすことなく、最少の個人情報の提供により所望の情報を取得することができる。
上記目的を達成するために第2の発明は、利用者が取得を希望する提供情報を所有する複数の情報提供者を探索する。そして、この探索された複数の情報提供者により設定された個人情報の要求条件と、上記利用者により設定された個人情報の許容条件その比較結果に基づいて、上記探索された複数の情報提供者の中から、上記要求条件が許容条件に対し近い順に複数の情報提供者を選択し、この選択された複数の情報提供者のリストを情報交換相手の候補として利用者に通知するようにしたものである。
したがって第2の発明によれば、利用者が希望する情報を所有する複数の情報提供者が探索されたのち、この探索された複数の情報提供者の中から利用者が提示した個人情報の許可条件に近い順に複数の情報提供者が情報交換相手の候補として選択される。すなわち、利用者が希望する情報を所有する情報提供者の探索と、探索された情報提供者の中から個人情報に対する要求条件が利用者が提示する許可条件に近い情報提供者を絞り込む処理が、それぞれ自動的に行われる。このため利用者は、簡単かつ短時間に情報交換相手の候補を知ることができる。
しかも、選択された情報交換相手の候補を利用者に通知することにより、利用者自身の判断により情報提供者を任意に選択する機会や、情報提供者との会話等による交渉の機会を利用者に提供することが可能となり、これにより柔軟性に富んだ情報提供者の選択が可能となる。
上記目的を達成するために第3の発明は、利用者が取得を希望する提供情報を所有する複数の情報提供者を探索したのち、この探索された複数の情報提供者により提示された個人情報の要求条件と上記利用者により提示された個人情報の許容条件その比較結果に基づいて、上記探索された複数の情報提供者の中から上記要求条件が許容条件に対し近い順に複数の情報提供者を選択する。そして、この選択された複数の情報提供者の中から交渉相手を選択し、この選択された交渉相手の情報提供者が設定した個人情報の要求条件と利用者が設定した許可条件とを相互に近づけるための交渉演算を実行し、この交渉演算の結果を利用者及び情報提供者に通知するようにしたものである。
したがって第3の発明によれば、利用者が希望する情報を所有する複数の情報提供者が探索されたのち、この探索された複数の情報提供者の中から利用者が提示した個人情報の許可条件に近い順に複数の情報提供者が情報交換相手の候補として選択され、さらにこの選択された情報提供者が提示する個人情報の要求条件と利用者が提示する個人情報の許可条件とを近づけるための交渉演算処理が行われる。すなわち、利用者が希望する情報を所有する情報提供者の探索と、探索された情報提供者の中から個人情報に対する要求条件が利用者が提示する許可条件に近い情報提供者を絞り込む処理と、情報提供者が提示する要求条件と利用者が提示する許可条件とを摺り合わせる交渉演算処理が、それぞれ自動的に行われる。このため利用者は、自ら情報提供者を選択するための処理を何ら行うことなく、簡単かつ短時間に条件が最も好ましい情報提供者を選択し情報交換を行うことが可能となる。
しかも、交渉演算の結果を利用者及び情報提供者に通知するようにしたことにより、利用者自身の判断により情報提供者を任意に選択する機会や、会話等による交渉の機会を利用者及び情報提供者に提供することが可能となり、これにより柔軟性に富んだ情報提供者の選択が可能となる。
以上述べた各発明には次のような各種形態が考えられる。
第1の形態は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し、当該項目の必要度を設定してこの設定された必要度を情報提供者の要求条件とすると共に、上記項目の提供に対する利用者の許容度を設定してこの設定された許容度を利用者の許可条件とする。そして、探索された複数の情報提供者の中から情報提供者を絞り込む際に、個人情報の各項目を次元と見なした空間の距離及び類似度の少なくとも一方を算出し、この算出された空間の距離及び類似度の少なくとも一方をもとに、上記探索された複数の情報提供者の中から上記許容度に対する要求度の差が小さい順に情報交換相手の候補となる複数の情報提供者を選択するようにしたものである。
この形態によれば、個人情報に対する情報提供者の要求条件と利用者の許可条件との間の類似度が個人情報の項目ごとに算出され、この算出値をもとに情報提供者の選択が行われる。このため、情報提供者の絞り込みを正確に行うことができる。
第2の形態は、探索された複数の情報提供者の中から情報提供者を絞り込む際に、個人情報の項目ごとに上記必要度と前記許容度との割合を算出し、この算出された割合の合計値が小さい順に情報交換相手の候補となる複数の情報提供者を選択するようにしたものである。
この形態によれば、個人情報に対する情報提供者の要求条件と利用者の許可条件との間の割合が個人情報の項目ごとに算出され、この算出値をもとに情報提供者の選択が行われる。このため、情報提供者の絞り込みを正確に行うことができる。
第3の形態は、探索された複数の情報提供者の中から情報提供者を絞り込む際に、個人情報の項目ごとに、上記必要度及び許容度をもとに当該項目の情報を提供する確率を算出すると共に、上記許容度をもとに利用者から見た当該項目の情報価値を算出し、この算出された確率及び情報価値をもとに当該項目の情報価値の期待値を表す情報を算出する。そして、この算出された情報価値の期待値が小さい順に情報交換相手の候補となる複数の情報提供者を選択するようにしたものである。
この形態によれば、個人情報の項目ごとに、当該項目の情報を提供する確率と当該項目の情報の価値とからその期待値が求められ、この期待値の合計値が小さい情報提供者が順に選択される。すなわち、情報提供者の要求を考慮した上で利用者が提供する個人情報の量が最も少ない情報提供者を選択することができる。
第4の形態では、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し、当該項目の必要度とその妥協度を設定してこの設定された必要度及び妥協度を情報提供者の要求条件とすると共に、上記項目の提供に対する利用者の許容度とその妥協度を設定してこの設定された許容度及び妥協度を利用者の許可条件とする。そして、交渉演算を実行する際に、個人情報の項目ごとに、当該項目に対し情報提供者により設定された上記必要度の値、及び利用者により設定された上記許容度の値をそれぞれその妥協度により表される値の範囲内で段階的に緩和する演算を行い、この演算後の必要度と許容度とを比較してその差が所定範囲内であるか否かを判定するようにしたものである。
この形態によれば、個人情報の項目ごとにその必要度及び許容度に対しそれぞれ情報提供者及び利用者が予め妥協度を設定しておくことにより、情報提供者と利用者が共に譲歩可能な範囲内で必要度と許容度とを近づけるための摺り合わせが自動的に行われる。すなわち、個人情報の項目単位で、当該項目に対する情報提供者及び利用者それぞれの妥協度を考慮して、適切な交渉処理が可能となる。
第5の形態は、上記緩和演算に先立ち、要求条件及び許可条件に含まれる妥協度をもとに当該要求条件及び許可条件の緩和が可能か否かを判定し、緩和が可能と判定された場合に上記緩和演算を実行させ、一方緩和が不可能と判定された場合には上記緩和演算を実行させないようにするものである。
この形態によれば、必要度及び許容度の緩和が不可能な場合に、当該必要度及び許容度に対する緩和演算が実行されないようにすることができ、これにより不必要な演算処理の実行を防止して交渉演算処理に要する時間を短縮することができる。
第6の形態は、情報提供者が要求する個人情報の要求条件を設定し、利用者が取得を希望する提供情報を所有する複数の情報提供者が探索された場合に、当該複数の情報提供者により設定された前記個人情報の要求条件を相互に比較し、この比較結果に基づいて、上記探索された複数の情報提供者の中から前記要求条件が最も緩い情報提供者を情報交換相手として選択するようにしたものである。
この形態によれば、常に最も緩い要求条件を提示した情報提供者が選択される。また、上記情報提供者の選択に際し、探索された複数の情報提供者の中から、要求条件が予め利用者により設定された個人情報の許可条件より緩い情報提供者を選択し、かつこの選択された情報提供者の中から要求条件が最も緩い情報提供者を情報交換相手として選択するようにすれば、利用者が設定した許可条件を満たして上で、かつ最も緩い要求条件を提示した情報提供者が選択される。
要するにこの発明によれば、利用者が希望する情報を所有する情報提供者の探索と、探索された情報提供者の中から個人情報に対する要求条件が利用者が提示する許可条件に近い情報提供者を絞り込む処理と、情報提供者が提示する要求条件と利用者が提示する許可条件とを摺り合わせる交渉演算処理とのうちの少なくとも1つが、自動的に実行される。したがって、多くの手間と時間を費やすことなく、最少の個人情報の提供により所望の情報を取得できるようにした情報交換方法とこの方法を実現するための通信装置及びプログラムを提供することができる。
(第1の実施形態)
この発明の第1の実施形態は、利用者端末から通信ネットワークを介して情報提供者装置に対しアクセスすることにより、利用者が取得を希望する情報を所有する複数の情報提供者を探索する。そして、探索された複数の情報提供者が提示した個人情報の要求条件と利用者が提示した個人情報の許可条件との差をそれぞれ求め、この差が小さい順に情報提供者のリストを作成して利用者に提示するようにしたものである。
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる情報交換システムの概略構成図である。このシステムは、利用者が使用する利用者端末USaを、通信ネットワークNWを介して複数の情報提供者装置CSa1〜CSanに対しアクセス可能としたものである。
通信ネットワークNWは、例えば有線通信ネットワークと無線通信ネットワークを含む。有線通信ネットワークは、インターネットに代表されるコンピュータ・ネットワークと、このコンピュータ・ネットワークとユーザ端末との間を接続するための加入者網とから構成される。加入者網には、PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Service Digital Network)に加え、有線LAN(Local Area Network)等の企業内通信ネットワーク、CATV(Cable Television)ネットワーク、さらにはラジオ放送やテレビジョン放送、データ放送等を地上波又は衛星を使用して放送するシステムを含む。また移動通信ネットワークは、例えば携帯電話通信ネットワーク、PHS(Personal Handyphone System)、無線LAN等を含む。
ところで利用者端末USaは、例えばパーソナル・コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)或いは携帯電話機等のようにインターネットアクセス機能を備えたパーソナル端末からなり、以下のように構成される。図2はその機能構成を示すブロック図である。
すなわち、利用者端末USaは中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)10を備える。このCPU10には、バス11を介してプログラムメモリ12及びデータメモリ13が接続され、さらに通信インタフェース14及び入出力インタフェース15がそれぞれ接続されている。
通信インタフェース(通信I/F)14は、CPU10の制御の下、情報提供者装置CSa1〜CSanとの間で通信ネットワークNWを介して通信を行うもので、通信プロトコルとしては、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が使用される。
入出力インタフェース(入出力I/F)15には、入力部16及び表示部17が接続される。入力部16は、キーボードやメモリドライバを備える。メモリドライバは、外部メモリから記憶データを読み込む。表示部17は、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)からなり、CPU10の制御の下、上記入力部16において入力された各種情報、CPU10により作成された情報、情報提供者装置CSa1〜CSanから受信した情報等を表示する。
データメモリ13は、記憶媒体として例えば磁気ディスク、フラッシュメモリ又はRAMを使用したもので、CPU10の制御の下、上記入力部16において入力された利用者の個人情報及び当該個人情報を提供する際の許可条件、作成された情報提供者のリスト情報、情報提供者装置CSa1〜CSanから受信した取得情報等を記憶する。
プログラムメモリ12には、個人情報入力制御プログラム121と、許可条件入力制御プログラム122と、探索制御プログラム123と、リスト作成プログラム124と、情報受信制御プログラム125が格納される。
個人情報入力制御プログラム121は、利用者が入力部16を使用して自身の個人情報の入力操作を行ったときに、当該入力操作により入力された個人情報を受け付けてデータメモリ13に格納する処理を行う。許可条件入力制御プログラム122は、利用者が入力部16を使用して、上記入力された個人情報を情報提供者に提供する際の許可条件を入力したときに、この入力操作により入力された許可条件を表す情報を受け付けてデータメモリ13に格納する処理を行う。
探索制御プログラム123は、例えば利用者が取得を希望する情報の名称又はキーワードを入力した上で探索指示を入力したときに、通信ネットワークNWを介して情報提供者装置CSa1〜CSanに対しアクセスし、これにより上記取得を希望する情報を所有する情報提供者を探索する処理を行う。
リスト作成プログラム124は、上記探索制御プログラム123により複数の情報提供者が探索された場合に、これらの情報提供者が提示する個人情報の要求条件を該当する情報提供者装置からそれぞれ取得し、取得された各要求条件を上記データメモリ13に記憶されている利用者の許可条件と個人情報の項目ごとに比較してその類似度を算出する。そして、上記探索された各情報提供者に対し、上記算出された類似度が高い順に優先順位を付け、この優先順位が付けられた情報提供者のリストを情報取得先候補リストとして表示部17に表示させる。
情報受信制御プログラム125は、利用者が上記表示部17に表示されたリスト中の一つの情報提供者を選択する操作を行ったときに、当該情報提供者装置に対し情報のダウンロード要求を送信し、これによりダウンロードされる情報を受信する。またそれと共に、情報提供者から要求された自身の個人情報を情報提供者装置へ送信する。
一方、情報提供者装置CSa1〜CSanは、例えばパーソナル・コンピュータやワークステーション、サーバ装置からなり、次のように構成される。図3は、その機能構成を示すブロック図である。なお、情報提供者装置CSa1〜CSanは基本的に同一構成なので、ここでは代表して情報提供者装置CSa1を示す。
情報提供者装置CSa1も先に述べた利用者端末USaと同様に、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)20を備え、このCPU20にバス21を介してプログラムメモリ22、データメモリ23、通信インタフェース24及び入出力インタフェース25をそれぞれ接続したものとなっている。
通信インタフェース(通信I/F)24は、CPU20の制御の下、利用者端末USaとの間で通信ネットワークNWを介して通信を行うもので、通信プロトコルとしては例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が使用される。
入出力インタフェース(入出力I/F)25には、入力部26及び表示部27が接続される。入力部26は、キーボードやメモリドライバを備える。メモリドライバは、外部メモリから記憶データを読み込む。表示部27は、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)からなり、CPU20の制御の下、上記入力部26において入力された各種情報や利用者端末USaから到来した情報を表示する。
データメモリ23は、記憶媒体として例えば磁気ディスク、フラッシュメモリ又はRAMを使用したもので、CPU20の制御の下、上記入力部26において入力された提供情報や利用者に対し提示する個人情報の要求条件、利用者端末USaから受信した個人情報等を記憶する。
プログラムメモリ22には、提供情報入力制御プログラム221と、要求条件入力制御プログラム222と、情報送信制御プログラム223が格納される。
提供情報入力制御プログラム221は、入力部26において入力又は読み込まれた情報をもとに利用者に提供すべき提供情報を作成し、この作成された提供情報をデータメモリ23に格納する処理を実行する。要求条件入力制御プログラム222は、情報提供者が入力部26により、提供情報をダウンロードする見返りに利用者に提示する個人情報の要求条件を入力したときに、この入力操作により入力された要求条件を表す情報を受け付けてデータメモリ23に格納する制御を実行する。
情報送信制御プログラム223は、利用者端末USaから個人情報の要求条件の取得要求が到来した場合に、データメモリ23から個人情報の要求条件を読み出して要求元の利用者端末USaに送信する。またそれと共に、利用者端末USaから提供情報のダウンロード要求が到来した場合に、該当する提供情報をデータメモリ23から読み出して要求元の利用者端末USaに送信すると共に、その見返りに利用者端末USaから送られる個人情報を受信してデータメモリ23に格納する。
次に、以上のように構成されたシステムにおいて実施される情報交換動作を説明する。図4は、利用者端末USaの情報交換制御の手順と内容を示すフローチャート、図5は情報提供者装置CSa1〜CSanにおける情報交換制御の手順と内容を示すフローチャートである。
情報提供に先立ち、情報提供者装置CSa1〜CSanでは提供すべき情報の作成と個人情報の要求条件の入力が行われる。すなわち、情報提供者装置CSa1〜CSanはステップ5aにおいて入力操作の有無を監視する。そして、この状態で入力操作が行われると、キー入力されるか又は外部メモリから読み込まれた情報をステップ5bにより取り込み、この取り込まれた情報をもとに提供情報を作成してデータメモリ23に格納する。またそれと共に、上記提供情報をダウンロードする見返りに利用者に対し提示する個人情報の要求条件の入力をステップ5cにより受け付け、この受け付けた要求条件をデータメモリ23に格納する。
上記個人情報の要求条件は、例えば個人情報を構成する複数の項目の各々に対して設定されるU段階の数値により表される。このUの値は、0のときに情報提供者が当該項目の個人情報を必要としないことを意味し、U−1のときに情報提供者が当該項目の個人情報の要求を必須とすることを意味する。ここでは、個人情報に対する入力の項目数をN、各項目に対する要求の意思の強さを示す値、つまり要求度をb(i) (0≦i<N)とする。
これに対し利用者端末USaは、ステップ4aにより利用者による情報取得操作の有無を監視している。この状態で、利用者が所望の情報を取得するべく情報取得操作を行ったとする。そうすると利用者端末USaは、先ずステップ4bにより、利用者が取得しようとする提供情報を限定する情報の入力を受け付けてデータメモリ13に格納する。提供情報を限定する情報としては、例えば提供情報の名称やキーワードがあるが、他にセマンティックWebの技術で解釈可能な意味情報でもよい。
利用者端末USaは、次にステップ4cにより、利用者自身の個人情報の入力を受け付け、さらにステップ4dで上記個人情報を提供する際の許可条件の入力を受け付けて、それぞれデータメモリ13に格納する。なお、取得対象の提供情報が変わっても個人情報及びその許可条件が変化しない場合には、上記個人情報及びその許可条件を事前に入力し記憶しておいくようにしてもよい。
上記個人情報の許可条件は、例えば個人情報を構成する複数の項目の各々に対して設定されるT段階の数値により表される。このTの値は、0のときに利用者が当該項目の個人情報を提供しないことを意味し、T−1のときに利用者が当該項目の個人情報を提供することに差支えないことを意味する。ここでは、個人情報に対する入力の項目数をN、各項目に対する許容の意思の強さを示す値、つまり許容度をa(i) (0≦i<N)とする。なお、利用者と情報提供者との間で個人情報についての許可条件と要求条件のテンプレートが異なる場合には、オントロジーによりこれを解決する。
さて、この状態で利用者が、取得希望の情報を所有する情報提供者の探索操作を行ったとする。そうすると利用者端末USaは、ステップ4eからステップ4fに移行してここで情報提供者の探索処理を実行する。この探索処理は、利用者端末USaと情報提供者装置CSa1〜CSanとの間の共通プロトコルに準拠したソフトウェアエージェントを利用するか、又はセマンティックWebの技術を利用することにより行われる。また、通信ネットワークNW上の検索エンジン等の機能により利用することも可能である。
上記探索処理により取得希望の情報を所有する情報提供者が見つかると、利用者端末USaはステップ4gにおいて、探索された情報提供者が単数であるか複数であるかを判定する。この判定の結果、探索された情報提供者が単数であれば、ステップ4mにより当該情報提供者から個人情報の要求条件を取得して表示部17に表示する。そして、利用者がこの表示された個人情報の要求条件に対し承認すると、ステップ4nからステップ4kに移行して情報提供者装置に対し情報のダウンロード要求を送信し、これにより情報提供者装置からダウンロードされる提供情報を受信する。またこの提供情報の取得の見返りに、データメモリ13に記憶されている自身の個人情報を上記情報提供者装置へ送信する。
これに対し、上記表示された個人情報の要求条件に対し利用者が承認しなかった場合には、情報取得処理を行わずにそのまま処理を終了する。なお、この場合利用者は、上記表示された個人情報の要求条件をもとに、情報提供者との間で通話や電子メールの送受信、掲示板等により条件の交渉を行うことが可能である。
なお、上記利用者端末USaから探索要求が到来したとき、情報提供者装置はステップ5dからステップ5eに移行し、ここでデータメモリ23に記憶されている個人情報の要求条件を読み出して利用者端末USaへ送信する。また、情報のダウンロード要求が到来した場合には、ステップ5fからステップ5gに移行し、ここでデータメモリ23から該当する提供情報を読み出して利用者端末USaへ送信すると共に、利用者端末USaから到来する個人情報を受信してデータメモリ23に格納する。
一方、上記ステップ4gによる判定の結果、探索された情報提供者が複数だったとする。この場合利用者端末USaは、ステップ4hに移行してここで情報取得先候補のリストを作成するための処理を以下のように実行する。すなわち、上記探索された複数の情報提供者から個人情報の要求条件をそれぞれ取得し、この取得された各要求条件を利用者が提示する個人情報の許可条件と比較する。そしてこの比較結果をもとに、上記各情報提供者に対し利用者が提示する許可条件に近い順に優先順位をつけ、優先順位の高い情報提供者から順にその要求条件が予め設定した許容範囲内か否かを判断する。
上記情報提供者が提示した要求条件と利用者が提示した許可条件との比較処理は、例えば次のように行われる。すなわち、個人情報の各項目に対し利用者が設定した許容度a(i) と、情報提供者が設定した要求度b(i) との差、つまりa(i) とb(i) (0≦i<N)の間の類似度指数又はユークリッド距離を用いて正規化した値を算出する。類似度指数の算出方法については、例えばMorisita, M, Measuring of interspecific association and similarity between communities. Memorise of the Faculty of Kyushu University, Series E. Biology 3:65-80 (1959). に詳しく述べられている。そして、各情報提供者に対しては、上記算出された類似度指数の値が大きい順に高い優先順位が与えられる。
上記情報取得先候補のリストが作成されると、利用者端末USaはステップ4iにより上記作成されたリストを表示部17に表示する。そして、利用者がこの表示されたリストの中から所望の情報提供者を選択すると、ステップ4jからステップ4kに移行してここで情報の交換処理を次のように実行する。
すなわち、選択された情報提供者が運用する装置に対しダウンロード要求を送信し、これにより情報提供者装置からダウンロードされる提供情報を受信する。またこの提供情報の取得の見返りに、データメモリ13に記憶されている自身の個人情報のうち、情報提供者が要求条件により要求した項目の情報を選択的に上記情報提供者装置へ送信する。これに対し、上記表示されたリストの中に利用者の条件に適う情報提供者が存在せず、利用者が情報提供者の選択操作を行わなかった場合には、情報交換処理を行わずにそのまま処理を終了する。
なお、利用者は、上記表示されたリストをもとに、その中の所望の情報提供者との間で通話や電子メールの送受信、掲示板等により条件の交渉を行うことも可能である。
以上述べたように第1の実施形態では、利用者端末USaにおいて利用者が取得を希望する情報を所有する情報提供者を探索し、この探索により複数の情報提供者が見つかった場合に、これらの情報提供者が提示する個人情報の要求条件を利用者が設定した許可条件と比較する。そして、要求条件と許可条件との差が所定範囲内の情報提供者を選択し、かつこの選択された情報提供者に対し上記要求条件と許可条件との差が少ない順に優先順位を付けたリストを作成して、表示部17に表示するようにしている。
したがって、利用者が取得を希望する情報を所有する情報提供者の探索と、探索された情報提供者に対し情報提供者による個人情報の要求条件が利用者の許可条件に近い順に優先順位を付けて利用者に提示する処理とが、それぞれ自動的に行われる。このため、利用者は事前に個人情報の許可条件を設定しておくだけで、簡単かつ短時間に自身にとって最適な情報提供者を特定することが可能となり、これにより多くの手間と時間を費やすことなく、最少の個人情報の提供により所望の情報を取得することができる。また、優先順位が付けられた情報提供者のリストが利用者に提示されるので、利用者は自身の判断により情報提供者を任意に選択する機会や、情報提供者との通話や電子メールの送受信等による交渉の機会を得ることができ、これにより柔軟性に富んだ選択が可能となる。
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、利用者端末から通信ネットワーク上に設けられたデータベースサーバに対しアクセスすることにより、利用者が取得を希望する情報を所有する複数の情報提供者を探索する。そして、探索された複数の情報提供者が提示した個人情報の要求条件と利用者が提示した個人情報の許可条件との割合を個人情報の項目ごとに求め、この求められた割合の合計値が小さい順に情報提供者に優先順位を付ける。さらに、この優先順位に従い情報提供者を選択して、選択された情報提供者が提示した要求条件と利用者が提示した許可条件との間の差を近づけるための交渉演算を行い、この交渉演算の結果を利用者及び情報提供者に通知するようにしたものである。
図6は、この発明の第2の実施形態に係わる情報交換システムの概略構成図である。このシステムは、通信ネットワークNW上にデータベースサーバSVを設け、利用者が使用する利用者端末USb及び情報提供者が運用する複数の情報提供者装置CSb1〜CSbnを、通信ネットワークNWを介して上記データベースサーバSVにアクセス可能としたものである。
データベースサーバSVは、例えばWWW(World Wide Web)サーバからなり、上記情報提供者装置CSb1〜CSbnにおいて作成又は入力された提供情報、及び個人情報の要求条件を、通信ネットワークNWを介してそれぞれ収集しデータベースに記憶する機能を有する。
利用者端末USbは、例えばパーソナル・コンピュータ、PDA或いは携帯電話機等のようにインターネットアクセス機能を備えたパーソナル端末からなり、以下のように構成される。図7はその機能構成を示すブロック図である。なお、同図において前記図2と同一部分には同一符号を詳しい説明は省略する。
プログラムメモリ120には、個人情報入力制御プログラム121と、許可条件入力制御プログラム122と、探索制御プログラム126と、リスト作成プログラム127と、交渉制御プログラム128と、情報受信制御プログラム129が格納されている。
このうち探索制御プログラム126は、利用者が取得を希望する情報の名称又はキーワードを入力した上で探索指示を入力したときに、通信ネットワークNW上のデータベースサーバSVに対しアクセスし、これにより上記取得を希望する情報を所有する情報提供者を探索する処理を行う。
リスト作成プログラム127は、上記探索制御プログラム126により複数の情報提供者が探索された場合に、これらの情報提供者が提示する個人情報の要求条件をデータベースサーバSVから取得し、取得された各要求条件とデータメモリ13に記憶されている利用者の許可条件との割合を個人情報の項目ごとに算出する。そして、上記探索された各情報提供者に対し、上記算出された割合の合計値が小さい順に優先順位を付ける。
交渉制御プログラム128は、上記優先順位に従い情報提供者を選択し、この選択された情報提供者が提示した要求条件の要求度と利用者が設定した許可条件の許容度とを、情報提供者及び利用者がそれぞれ設定した譲歩値の範囲で近づける、いわゆる条件の摺り合わせ演算を行う。そして、この交渉演算の結果を情報取得先候補リストとして表示部17に表示させる。
情報受信制御プログラム129は、利用者が上記表示部17に表示された交渉演算後の情報取得先候補リスト中から情報提供者を選択する操作を行ったときに、当該情報提供者装置に対し情報のダウンロード要求を送信し、これによりダウンロードされる情報を受信する。またそれと共に、情報提供者から要求された自身の個人情報を情報提供者装置へ送信する。
一方、情報提供者装置CSb1〜CSbnは、例えばパーソナル・コンピュータやワークステーション、サーバ装置からなり、以下のように構成される。図8は、その機能構成を示すブロック図である。なお、情報提供者装置CSb1〜CSbnは基本的に同一構成なので、ここでは代表して情報提供者装置CSb1を示す。また、図8において前記図3と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
プログラムメモリ220には、提供情報登録制御プログラム224と、要求条件登録制御プログラム225と、交渉制御プログラム226と、情報送信制御プログラム227が格納されている。
提供情報登録制御プログラム224は、入力部26において入力又は読み込まれた情報をもとに利用者に提供すべき提供情報を作成し、この作成された提供情報をデータメモリ23に記憶すると共に、データベースサーバSVに送信して登録させる処理を実行する。要求条件登録制御プログラム225は、入力部26により入力された個人情報の要求条件を、データメモリ23に記憶すると共にデータベースサーバSVに送信して登録させる処理を実行する。
交渉制御プログラム226は、利用者端末USbから送られる交渉結果を表す情報を表示部27に表示する。また、この表示された交渉結果を表す情報に対する情報提供者の承認/非承認を受け付け、その結果を利用者端末USbに送信する処理を実行する。
情報送信制御プログラム227は、利用者端末USbから提供情報のダウンロード要求が到来した場合に、該当する提供情報をデータメモリ23から読み出して要求元の利用者端末USbに送信すると共に、その見返りに利用者端末USbから送られる個人情報を受信してデータメモリ23に格納する処理を実行する。
次に、以上のように構成されたシステムにおいて実施される情報交換動作を説明する。図9は、利用者端末USbの情報交換制御の手順と内容を示すフローチャート、図10は情報提供者装置CSb1〜CSbnにおける情報交換制御の手順と内容を示すフローチャートである。
情報提供に先立ち、情報提供者装置CSb1〜CSbnでは提供すべき情報の作成と個人情報の要求条件の入力が行われ、さらにこれら提供情報及び要求条件をデータベースサーバSVに登録する処理が行われる。すなわち、情報提供者装置CSb1〜CSbnはステップ10aにおいて入力・登録操作の有無を監視する。そして、この状態で入力・登録操作が行われると、キー入力されるか又は外部メモリから読み込まれた情報をステップ10bにより取り込み、この取り込まれた情報をもとに提供情報を作成してデータメモリ23に格納する。またそれと共に、上記提供情報をダウンロードする見返りに利用者に対し提示する個人情報の要求条件の入力をステップ10cにより受け付け、この受け付けた要求条件をデータメモリ23に格納する。そして、上記データメモリ23に格納された提供情報及び個人情報の要求条件をデータベースサーバSVへ送信し、このデータベースサーバSV内のデータベースに登録する。この登録処理は、新たな提供情報及び個人情報の要求条件が作成されるごとに、また変更されるごとに行われる。
上記個人情報の要求条件は、要求度と、その妥協度とを含む。このうち要求度は、例えば個人情報を構成する複数の項目の各々に対して設定されるU段階の数値により表される。このUの値は、0のときに情報提供者が当該項目の個人情報を必要としないことを意味し、U−1のときに情報提供者が当該項目の個人情報の要求を必須とすることを意味する。ここでは、個人情報に対する入力の項目数をNとし、各項目に対する要求の意思の強さを示す値b(i) (0≦i<N)を上記要求度とする。また妥協度B(i) は、上記要求度b(i) の値に対し情報提供者がどの程度譲歩できるかを表す値であり、この値も個人情報の項目ごとに設定される。
一方利用者端末USbは、ステップ9aにより利用者による情報取得操作の有無を監視している。この状態で、利用者が所望の情報を取得するべく情報取得操作を行ったとする。そうすると利用者端末USbは、先ずステップ9bにより、利用者が取得しようとする提供情報を限定する情報の入力を受け付けてデータメモリ13に格納する。提供情報を限定する情報としては、例えば提供情報の名称やキーワードがあるが、他にセマンティックWebの技術で解釈可能な意味情報でもよい。
利用者端末USbは、次にステップ9cにより、利用者自身の個人情報の入力を受け付け、さらにステップ9dで上記個人情報を提供する際の許可条件の入力を受け付けて、それぞれデータメモリ13に格納する。なお、取得対象の提供情報が変わっても個人情報及びその許可条件が変化しない場合には、上記個人情報及びその許可条件を事前に入力し記憶しておいくようにしてもよい。
上記個人情報の許可条件は、許容度と、その妥協度とから構成される。このうち許容度は、例えば個人情報を構成する複数の項目の各々に対して設定されるT段階の数値により表される。このTの値は、0のときに利用者が当該項目の個人情報を提供しないことを意味し、T−1のときに利用者が当該項目の個人情報を提供することに差支えないことを意味する。ここでは、個人情報に対する入力の項目数をNとし、各項目に対する許容の意思の強さを示す値a(i) (0≦i<N)を上記許容度とする。また、妥協度A(i) は、上記許容度a(i) の値に対し情報提供者がどの程度譲歩できるかを表す値であり、この値も個人情報の項目ごとに設定される。
さて、この状態で利用者が、取得希望の情報を所有する情報提供者の探索操作を行ったとする。そうすると利用者端末USbは、ステップ9eからステップ9fに移行してここで情報提供者の探索処理を実行する。この探索処理は、利用者端末USbからデータベースサーバSVに対しアクセスし、そのデータベース内に登録されている提供情報の中から該当するものを検索する。そして、該当する提供情報の提供元である情報提供者を表す情報を取得する。またこのとき、当該情報提供者が個人情報に対し設定した要求条件を同時に取得するようにしてもよい。
上記探索処理により取得希望の情報を所有する情報提供者が見つかると、利用者端末USbはステップ9gにおいて、探索された情報提供者が単数であるか複数であるかを判定する。この判定の結果、探索された情報提供者が単数であれば、前記第1の実施形態(図4)と同様に、ステップ9mにより当該情報提供者から個人情報の要求条件を取得して表示部17に表示する。そして、利用者がこの表示された個人情報の要求条件に対し承認すると、ステップ9nからステップ9lに移行してデータベースサーバSVから該当する提供情報を受信する。またこの提供情報の取得の見返りに、データメモリ13に記憶されている自身の個人情報を上記データベースサーバSVへ送信する。データベースサーバSVは、上記利用者端末USbから送られた利用者の個人情報を、例えば情報提供者からの要求に応じ情報提供者端末へ送信する。
これに対し、上記表示された個人情報の要求条件に対し利用者が承認しなかった場合には、情報取得処理を行わずにそのまま処理を終了する。なお、この場合利用者は、上記表示された個人情報の要求条件をもとに、情報提供者との間で通話や電子メールの送受信、掲示板等により条件の交渉を行うことが可能である。
一方、上記ステップ9gによる判定の結果、探索された情報提供者が複数だったとする。この場合利用者端末USbは、ステップ9hに移行してここで情報取得先候補のリストを作成するための処理を以下のように実行する。すなわち、上記探索された複数の情報提供者が設定した個人情報の要求条件をデータベースサーバSVから取得し、この取得された各要求条件を利用者が設定した個人情報の許可条件と比較する。そしてこの比較結果をもとに、上記各情報提供者に対し利用者が提示する許可条件に近い順に優先順位をつけ、優先順位の高い情報提供者から順にその要求条件が予め設定した許容範囲内か否かを判断する。
より具体的には、上記情報取得先候補リストの作成は次のように行われる。図11はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
すなわち、先ずステップ11aにより、上記探索された複数の情報提供者の中から一つを選択し、さらにステップ11bにより個人情報の複数の項目i(0≦i<N)の中から一つを選択する。続いてステップ11cにより、個人情報の各項目iに対し利用者が設定した許容度a(i) と、情報提供者が設定した要求度b(i) との割合c(i) =b(i) /a(i) を計算する。ただし、a(i) =b(i) =0のときにはc(i) =0、a(i) =0でかつb(i) ≠0のときにはc(i) =T*b(i) とする(ステップ11d)。この割合c(i) =b(i) /a(i) の計算は、すべての項目iについて繰り返し行われる。
そうしてすべての項目i(0≦i<N)について割合c(i) が算出されると、次にステップ11fにより上記算出されたすべての項目i(0≦i<N)の割合c(i) の合計値fを、
f=Σi=1 N-1c(i)
により算出する。かくして、一つの情報提供者についての要求度b(i) と許容度a(i) との比較結果fが求められる。以下同様に、上記探索されたすべての情報提供者についての要求度b(i) と許容度a(i) との比較結果fが算出される。
そして、すべての情報提供者についての比較結果fが算出されると、ステップ11hにおいて、上記算出されたすべての情報提供者についての比較結果fの値を比較し、fの値が小さい順に情報提供者をリスト化する。
ここで、上記割合c(i) は、許容度a(i) =0の場合を除いて、情報提供者が項目iの情報を必要としかつ利用者が項目iの情報を与えたくないほど大きな値をとる。反対に、情報提供者が項目iの情報を不要としかつ利用者が項目iの情報を与えることに抵抗がないほど小さな値をとる。ただし、各項目iにおいてc(i) =T*b(i) のときには、別途定義する交渉値d(j) の値、つまり利用者から見た情報提供者の番号を1ずつ加算(インクリメント)する。つまり、利用者が提供したくない項目に対して情報提供者が要求しているときに、交渉値d(j) は加算される。かくして、利用者にとって好条件を提示する情報提供者の順にリスト化される。
上記情報取得先候補のリストが作成されると、利用者端末USbは続いてステップ9iにより、要求条件と許可条件とを近づけるための交渉演算処理を以下のように実行する。図12はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
すなわち、利用者端末USbは先ずステップ12aにおいて、上記情報取得先候補のリストをもとに交渉対象の情報提供者を一つ選択する。このとき、リスト上の各情報提供者のうち交渉値がd(j) >0の情報提供者については、特に交渉の余地が薄いので選択順位を下位にする。つまり、d(j) が小さい順に選択順位を設定する。そして、この条件の下にfの値が小さい条件を提示している情報提供者から順に交渉相手を選択する。
上記交渉相手の情報提供者を一つ選択すると利用者端末USbは、上記情報提供者について先ず交渉の前提条件を満足しているか否かをステップ12bにより判定する。交渉の前提条件とは、利用者と情報提供者の両者が互いに妥協可能な項目が存在するとき、つまりfの値がΣi=1 N-1A(i) *B(i) >0を満足するときである。
上記交渉の前提条件を満足することが確認されると、利用者端末USbはステップ12cで項目iを選択し、この選択された項目iに対し利用者が設定した妥協度A(i) がA(i) >0であるか否か、つまり妥協の余地があるか否かをステップ12dで判定する。そして、A(i) >0であれば、ステップ12eにおいて設定順位の高い項目からa(i) に1を加えて許容度を緩めると共に、妥協度A(i) をA(i) =A(i) −1とする。そして、この緩和された許容度a(i) と情報提供者の要求度b(i) とをステップ12fで比較する。
この比較の結果、上記許容度a(i) と要求度b(i) との関係が予め設定された条件、例えばU−b(i) ≦a(i) を満足したとする。この場合には、すべての項目iの選択を終了したか否かをステップ12jにより判定し、未選択の項目iが残っていればステップ12cに戻り、次の項目を選択して上記ステップ12dからステップ12fによる許容度a(i) の緩和処理と緩和後の比較判定処理を実行する。
これに対し上記ステップ12fによる判定の結果、上記許容度a(i) と要求度b(i) との関係がU−b(i) ≦a(i) を満足しなかったとする。この場合には、選択中の項目iに対し情報提供者が設定した妥協度B(i) がB(i) >0であるか否か、つまり妥協の余地があるか否かをステップ12gで判定する。そして、B(i) >0であれば、ステップ12hにおいて要求度b(i) から1を引いて許容度を緩めると共に、妥協度B(i) をB(i) =B(i) −1とする。そして、この緩和された要求度b(i) と上記緩和された要求度a(i) とをステップ12iで比較する。
この比較の結果、上記緩和された許容度a(i) と要求度b(i) との関係が上記条件(U−b(i) ≦a(i) )を満足すれば、先に述べたようにステップ12jですべての項目iの選択を終了したか否かを判定し、未選択の項目iが残っていればステップ12cに戻る。そして、次の項目iを選択して上記ステップ12dからステップ12iによる許容度a(i) 及び要求度b(i) の緩和処理と緩和後の比較判定処理を実行する。
一方、上記ステップ12iによる判定の結果、上記許容度a(i) と要求度b(i) との関係がU−b(i) ≦a(i) を満足しなかったとすれば、ステップ12dに戻って同じ項目iの許容度a(i) 及び要求度b(i) に対しさらなる緩和処理と比較判定処理を繰り返し実行する。この同一の項目iについての許容度a(i) 及び要求度b(i) の緩和処理は、妥協度A(i) 及びB(i) の両方がともに0になった時点、つまりそれ以上の妥協が不可能になった時点で終了し、次の項目iに対する処理に移行する。
なお、すべての項目i(0≦i<N)に対する上記緩和処理とその後の比較判定処理が終了すると、続いてすべての情報提供者の選択が終了したか否かをステップ12kで判定する。そして、未選択の情報提供者が残っていれば、ステップ12aに戻って優先順位が次に高い情報提供者を選択し、以後この選択された情報提供者に対する交渉演算処理を実行する。
さて、そうしてすべての情報提供者が提示した要求条件との交渉演算処理が終了すると、利用者端末USbは図9に示すようにステップ9jにより利用者端末USbの表示部17に上記交渉演算処理の結果を表示する。そして、この表示された交渉演算処理の結果をもとに、利用者が所望の情報提供者を選択指定すると、利用者端末USbはステップ9kからステップ9lに移行して上記交渉演算結果を該当する情報提供者装置へ送信する。
これに対し情報提供者装置CSb1〜CSbnは、利用者端末USbから交渉演算結果が到来すると、ステップ10dからステップ10eに移行してここで上記交渉結果を受信して表示部27に表示する。そして、この交渉演算結果に対し情報提供者が承認すると、ステップ10fからステップ10gに移行して承認通知を利用者端末USbへ返送する。一方、上記交渉演算結果に対し情報提供者が承認しなかった場合には、ステップ10fからステップ10hに移行して非承認通知を利用者端末USbへ返送する。
利用者端末USbは、情報提供者から上記承認通知が返送され、これに対し利用者が確認操作を行うと、ステップ9lに移行してデータベースサーバSVから該当する提供情報を受信する。またこの提供情報の取得の見返りに、データメモリ13に記憶されている自身の個人情報を上記データベースサーバSVへ送信する。データベースサーバSVは、上記利用者端末USbから送られた利用者の個人情報を、例えば情報提供者からの要求に応じ情報提供者端末へ送信する。
これに対し、上記表示された交渉演算処理の結果に対し利用者が情報提供者を選択しなかった場合や、情報提供者から非承認通知を受信した場合には、情報取得処理を行わずにそのまま処理を終了する。なお、この場合利用者は、上記表示された交渉演算処理の結果をもとに、所望の情報提供者との間で通話や電子メールの送受信、掲示板等により条件の再交渉を行うことが可能である。
以上述べたように第2の実施形態によれば、利用者が取得を希望する情報を所有する情報提供者の探索と、探索された情報提供者に対し情報提供者による個人情報の要求条件が利用者の許可条件に近い順に優先順位を付けて利用者に提示する処理と、この優先順位に従い要求条件と許可条件との間の交渉演算処理を行ってその結果を提示する処理とが、それぞれ自動的に行われる。このため、利用者は自身が設定した許可条件に最も近い情報提供者を簡単かつ短時間に把握することが可能となり、これにより多くの手間と時間を費やすことなく、最少の個人情報の提供により所望の情報を取得することができる。
また、交渉演算結果が利用者に提示されるので、利用者はこの交渉演算結果に自身の判断を加えて情報提供者を選択することが可能となり、これによりさらに柔軟性に富んだ選択が可能となる。さらに、各情報提供者装置CSb1〜CSbnにおいて作成された提供情報及び個人情報の要求条件を、データベースサーバSVに登録するようにしたことにより、利用者は情報提供者の探索及び個人情報の要求条件の取得を効率良く行うことができる。
(第3の実施形態)
この発明の第3の実施形態は、情報取得先候補リストを作成する際に、個人情報の項目iの情報を提供する確率と当該項目iの情報の価値とにより、提供する項目iの情報価値の期待値を算出して、この期待値をもとに要求条件と許可条件との比較結果を求め、この比較結果をもとに情報取得先候補リストを作成するようにしたものである。
一般に、利用者にとっては、自分の個人情報を一切提供しないで希望する情報を入手できることが最善である。してみると、利用者がある項目iの情報を提供すると決めたとき、T−a(i) の総和が最小な情報提供者を選択するのがよい。
ここで、利用者及び情報提供者それぞれが設定した個人情報の各項目に対する要求度及び許可度を考慮すると、
(1)a(i) とb(i) との和が非常に大きい場合、つまりa(i) +b(i) =U+Tの場合には、利用者は個人情報の提供が可能であり、また情報提供者は当該個人情報を要求しているのだから、個人情報を提供する可能性が高い。
(2)a(i) とb(i) の和が中間値の場合には、利用者及び情報提供者の個人情報に対する立場が微妙であることを示す。
(3)a(i) とb(i) の和が非常に小さい場合には、利用者は個人情報を提供する意思は低く、提供者は不要と考えられるから、個人情報を提供しなくて済む可能性が高い。
つまり、個人情報のある項目iを情報提供する可能性は、
p(i) =(a(i) +b(i) )/(T+U)
と表すことができる。また、項目iの情報価値は、利用者からみればv(i) =T−a(i) となるから、
g=Σi=0 N-1p(i) *v(i)
が小さいほど、利用者にとっては情報提供者の要求を考慮した上で提供する個人情報が少ない条件を提示した情報提供者と考えることができる。
この実施形態では、以上のような考えに基づいて情報取得先候補リストを作成する。図13はこの発明の第3の実施形態に係わる情報取得先候補リスト作成処理手順とその処理内容を示すフローチャートである。なお、リスト作成以前に処理については、前記第2の実施形態と同様であるのでその説明は省略する。
すなわち、利用者端末USbは、先ずステップ13aにより、探索された複数の情報提供者の中から一つを選択し、さらにステップ13bにより個人情報の複数の項目i(0≦i<N)の中から一つを選択する。続いてステップ13cにより、上記選択された項目iに対し利用者が設定した許容度a(i) と、情報提供者が設定した要求度b(i) とをもとに、上記選択された項目iを情報提供する可能性p(i) を、上記p(i) =(a(i) +b(i) )/(T+U)により計算する。次にステップ13dにより、上記選択された項目iの情報価値を上記v(i) =T−a(i) として計算する。上記情報提供の可能性p(i) 及び情報価値v(i) の計算は、個人情報のすべての項目i(0≦i<N)について行われる。
そして、すべての項目i(0≦i<N)について、情報提供の可能性p(i) 及び情報価値v(i) が算出されると、利用者端末USbはステップ13eからステップ132fに移行し、ここで上記g=Σi=0 N-1p(i) *v(i) を算出する。このgの計算は、探索されたすべての情報提供者について行われる。
そうして探索されたすべての情報提供者についてgの値が算出されると、利用者端末USbはステップ13gからステップ13hに移行して、上記算出されたgの値が小さい順に上記情報提供者を並べ、この配列された情報提供者のリストを情報取得先候補リストとする。
上記情報取得先候補リストが作成されると、利用者端末USbは次に当該リストをもとに要求条件と許可条件とを近づけるための交渉演算処理を以下のように実行する。図14はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
すなわち、利用者端末USbは先ずステップ14aにおいて、上記作成された情報取得先候補のリストをもとに交渉相手の情報提供者を一つ選択する。この選択は、リスト上の情報提供者の中からgの値が小さい順に行う。
上記交渉相手の情報提供者を一つ選択すると利用者端末USbは、上記選択された情報提供者について先ず交渉の前提条件を満足しているか否かをステップ14bにより判定する。交渉の前提条件とは、しきい値をe(i) としたとき、
e(i) >b(i) −a(i) >0∧(A(i) >0∨B(i) >0)
を満足する項目が存在するときである。
上記交渉の前提条件を満足することが確認されると、利用者端末USbはステップ14cで項目iを選択し、この選択された項目iに対し利用者が設定した妥協度A(i) がA(i) >0であるか否か、つまり妥協の余地があるか否かをステップ14dで判定する。そして、A(i) >0であれば、ステップ14eにおいて設定順位の高い項目からa(i) に1を加えて許容度を緩めると共に、妥協度A(i) をA(i) =A(i) −1とする。そして、この緩和された許容度a(i) と情報提供者の要求度b(i) とをステップ14fで比較する。
この比較の結果、上記許容度a(i) と要求度b(i) との関係が予め設定された条件、例えばU−b(i) ≦a(i) を満足したとする。この場合には、すべての項目iの選択を終了したか否かをステップ14jにより判定し、未選択の項目iが残っていればステップ14cに戻り、次の項目を選択して上記ステップ14dからステップ14fによる許容度a(i) の緩和処理と緩和後の比較判定処理を実行する。
これに対し上記ステップ14fによる判定の結果、上記許容度a(i) と要求度b(i) との関係がU−b(i) ≦a(i) を満足しなかったとする。この場合には、選択中の項目iに対し情報提供者が設定した妥協度B(i) がB(i) >0であるか否か、つまり妥協の余地があるか否かをステップ14gで判定する。そして、B(i) >0であれば、ステップ14hにおいて要求度b(i) から1を引いて許容度を緩めると共に、妥協度B(i) をB(i) =B(i) −1とする。そして、この緩和された要求度b(i) と上記緩和された要求度a(i) とをステップ14iで比較する。
この比較の結果、上記緩和された許容度a(i) と要求度b(i) との関係が上記条件(U−b(i) <a(i) )を満足すれば、先に述べたようにステップ14jですべての項目iの選択を終了したか否かを判定し、未選択の項目iが残っていればステップ14cに戻る。そして、次の項目iを選択して上記ステップ14dからステップ14iによる許容度a(i) 及び要求度b(i) の緩和処理と緩和後の比較判定処理を実行する。
一方、上記ステップ14iによる判定の結果、上記許容度a(i) と要求度b(i) との関係がU−b(i) <a(i) を満足しなかったとすれば、ステップ14dに戻って同じ項目iの許容度a(i) 及び要求度b(i) に対しさらなる緩和処理と比較判定処理を繰り返し実行する。この同一の項目iについての許容度a(i) 及び要求度b(i) の緩和処理は、妥協度A(i) 及びB(i) の両方がともに0になった時点、つまりそれ以上の妥協が不可能になった時点で終了し、次の項目iに対する処理に移行する。
なお、すべての項目i(0≦i<N)に対する上記緩和処理とその後の比較判定処理が終了すると、続いてすべての情報提供者の選択が終了したか否かをステップ14kで判定する。そして、未選択の情報提供者が残っていれば、ステップ14aに戻って優先順位が次に高い情報提供者を選択し、以後この選択された情報提供者に対する交渉演算処理を実行する。
以上述べたように第3の実施形態によれば、個人情報の項目iごとにその情報を提供する可能性p(i) と当該項目iの情報の価値v(i) とがそれぞれ算出され、その算出値からg=Σi=0 N-1p(i) *v(i) が算出される。そして、このgの値が小さい順に優先順位が付けられた情報取得先候補リストが作成される。したがって、利用者及び情報提供者それぞれの要求に応じたより一層効果的な情報取得先候補リストを作成することができる。
また、前記第2の実施形態と同様に、利用者が要求する情報を持つ任意の提供者をそれぞれ選別して、交渉を行うには大きなコストがかかるので、まず各個人情報の項目に対する要求度及び許容度の初期値により利用者にとって好条件の情報提供者群をリスト化し、続いて可能ならば交渉を行うといった二段構えの選別により、効率良く好条件の情報提供者を選定することができる。
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、探索された複数の情報提供者に対し、情報提供者が提示した個人情報の要求条件が利用者が設定した個人情報の許可条件に近い順に優先順位を付け、この優先順位が付された情報提供者のリストを情報取得先候補リストとして利用者に提示するようにした。しかしそれに限らず、上記探索された複数の情報提供者の中から、情報提供者が提示した個人情報の要求条件が利用者が設定した個人情報の許可条件に最も近い情報提供者を選択し、この選択された情報提供者を利用者に提示するようにしてもよい。またこの場合、利用者の承認を待たずに、上記選択された情報提供者に対し自動的にアクセスして取得情報と個人情報の交換を行うようにしてもよい。
また前記各実施形態では、探索された複数の情報提供者に対し、情報提供者が提示した個人情報の要求条件が利用者が設定した個人情報の許可条件に近い順に優先順位を付けてリスト化するようにした。しかしそれに限らず、探索された複数の情報提供者がそれぞれ提示した個人情報の要求条件を相互に比較し、この比較結果をもとに要求条件が最も緩い(つまり要求する個人情報の項目数またはその情報量が最も少ない)情報提供者を一つ選択するようにしてもよい。
さらにその際、探索された複数の情報提供者がそれぞれ提示した個人情報の要求条件を利用者が設定した個人情報の許可条件と先ず比較して、要求条件が許可条件より緩い情報提供者を選択する。そして、要求条件が許可条件より緩い情報提供者が複数存在した場合に、これらの情報提供者に対し要求条件が緩い順に優先順位を付けるか、またはその中から要求条件が最も緩い情報提供者を一つ選択するようにしてもよい。
さらに前記実施形態では、情報取得先候補リストの作成処理とその通知処理、上記リストに基づく交渉演算処理とその結果の通知処理を、利用者端末において実行する場合を例にとって説明した。しかしそれに限らず、上記各処理を特定または不特定の情報提供者装置または通信ネットワーク上に設けられたサーバ装置において実行するようにしてもよい。
その他、システムの構成、通信ネットワークの種類とその構成、利用者端末及び情報提供者装置の構成、制御手順及びその内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
この発明の第1の実施形態に係わる情報交換方法を実施するためのシステムの概略構成図。 図1に示したシステムで使用される利用者端末の構成を示す機能ブロック図。 図1に示したシステムで使用される情報提供者装置の構成を示す機能ブロック図。 図2に示した利用者端末による情報交換制御手順と制御内容を示すフローチャート。 図3に示した情報提供者装置による情報交換制御手順と制御内容を示すフローチャート。 この発明の第2の実施形態に係わる情報交換方法を実施するためのシステムの概略構成図。 図6に示したシステムで使用される利用者端末の構成を示す機能ブロック図。 図6に示したシステムで使用される情報提供者装置の構成を示す機能ブロック図。 図7に示した利用者端末による情報交換制御手順と制御内容を示すフローチャート。 図8に示した情報提供者装置による情報交換制御手順と制御内容を示すフローチャート。 図9に示した利用者端末による情報交換制御手順中のリスト作成処理手順とその内容を示すフローチャート。 図9に示した利用者端末による情報交換制御手順中の交渉処理手順とその内容を示すフローチャート。 この発明の第3の実施形態に係わる利用者端末によるリスト作成処理手順とその内容を示すフローチャート。 この発明の第3の実施形態に係わる利用者端末による交渉処理手順とその内容を示すフローチャート。
符号の説明
NW…通信ネットワーク、USa,USb…利用者端末、CSa1〜CSan,CSb1〜CSbn…情報提供者装置、SV…データベースサーバ、10,20…CPU、11,21…バス、12,120,22,220…プログラムメモリ、13,23…データメモリ、14,24…通信インタフェース、15,25…入力インタフェース、16,26…入力部、17,27…表示部、121…個人情報入力制御プログラム、122…許可条件入力制御プログラム、123,126…探索制御プログラム、124,127…リスト作成プログラム、125,129…情報受信制御プログラム、128…交渉制御プログラム、221…提供情報入力制御プログラム、222…要求条件入力制御プログラム、223…情報送信制御プログラム、224…提供情報登録制御プログラム、225…要求条件登録制御プログラム、226…交渉制御プログラム、227…情報送信制御プログラム。

Claims (30)

  1. 利用者が使用する第1の通信装置と、情報提供者が運用する複数の第2の通信装置とを通信ネットワークを介して接続可能としたシステムを利用して、前記利用者が取得を希望する提供情報と前記情報提供者が要求する前記利用者の個人情報とを交換する方法であって、
    前記情報提供者が要求する個人情報の要求条件を設定する過程と、
    前記利用者が提供を許可する個人情報の許可条件を設定する過程と、
    前記利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索する過程と、
    前記探索過程により複数の情報提供者が探索された場合に、当該複数の情報提供者により設定された前記個人情報の要求条件と、前記利用者により設定された前記個人情報の許容条件との比較結果に基づいて、前記探索された複数の情報提供者の中から、前記要求条件が許容条件に最も近い情報提供者を前記情報交換相手として選択する過程と
    を、前記第1の通信装置、第2の通信装置及び通信ネットワーク間で通信を行うことにより実現することを特徴とする情報交換方法。
  2. 利用者が使用する第1の通信装置と、情報提供者が運用する複数の第2の通信装置とを通信ネットワークを介して接続可能としたシステムを利用して、前記利用者が取得を希望する提供情報と前記情報提供者が要求する前記利用者の個人情報とを交換する方法であって、
    前記情報提供者が要求する個人情報の要求条件を設定する過程と、
    前記利用者が提供を許可する個人情報の許可条件を設定する過程と、
    前記利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索する過程と、
    前記探索過程により複数の情報提供者が探索された場合に、当該複数の情報提供者により設定された前記個人情報の要求条件と、前記利用者により設定された前記個人情報の許容条件との比較結果に基づいて、前記探索された複数の情報提供者の中から、前記要求条件が許容条件に対し近い順に複数の情報提供者を選択する過程と、
    前記選択された複数の情報提供者のリストを、前記情報交換相手の候補として前記利用者に通知する過程と
    を、前記第1の通信装置、第2の通信装置及び通信ネットワーク間で通信を行うことにより実現することを特徴とする情報交換方法。
  3. 利用者が使用する第1の通信装置と、情報提供者が運用する複数の第2の通信装置とを通信ネットワークを介して接続可能としたシステムを利用して、前記利用者が取得を希望する提供情報と前記情報提供者が要求する前記利用者の個人情報とを交換する方法であって、
    前記情報提供者が要求する個人情報の要求条件を設定する過程と、
    前記利用者が提供を許可する個人情報の許可条件を設定する過程と、
    前記利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索する過程と、
    前記探索過程により複数の情報提供者が探索された場合に、当該複数の情報提供者により設定された前記個人情報の要求条件と、前記利用者により設定された前記個人情報の許容条件との比較結果に基づいて、前記探索された複数の情報提供者の中から、前記要求条件が許容条件に対し近い順に複数の情報提供者を選択する過程と、
    前記選択された複数の情報提供者の中から交渉相手を選択し、この選択された交渉相手の情報提供者により設定された個人情報の要求条件と利用者により設定された許可条件とを相互に近づけるための交渉演算を実行する過程と、
    前記交渉演算の結果を前記利用者及び情報提供者に通知する過程と
    を、前記第1の通信装置、第2の通信装置及び通信ネットワーク間で通信を行うことにより実現することを特徴とする情報交換方法。
  4. 前記個人情報の要求条件を設定する過程は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し当該項目の必要度を設定してこの設定された必要度を要求条件とし、
    前記個人情報の許可条件を設定する過程は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し当該項目の提供に対する利用者の許容度を設定してこの設定された許容度を許可条件とし、
    前記複数の情報提供者を選択する過程は、
    前記個人情報の各項目を次元と見なした空間の距離及び類似度の少なくとも一方を算出する過程と、
    前記探索された複数の情報提供者の中から、前記算出された空間の距離及び類似度の少なくとも一方をもとに、前記許容度に対する要求度の差が小さい順に情報交換相手の候補となる複数の情報提供者を選択する過程と
    を備えることを特徴とする請求項2又は3記載の情報交換方法。
  5. 前記個人情報の要求条件を設定する過程は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し当該項目の必要度を設定してこの設定された必要度を要求条件とし、
    前記個人情報の許可条件を設定する過程は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し当該項目の提供に対する利用者の許容度を設定してこの設定された許容度を許可条件とし、
    前記複数の情報提供者を選択する過程は、
    前記個人情報の項目ごとに、前記必要度と前記許容度との割合を算出する過程と、
    前記探索された複数の情報提供者の中から、前記算出された必要度と許容度との割合が小さい順に情報交換相手の候補となる複数の情報提供者を選択する過程と
    を備えることを特徴とする請求項2又は3記載の情報交換方法。
  6. 前記個人情報の要求条件を設定する過程は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し当該項目の必要度を設定してこの設定された必要度を要求条件とし、
    前記個人情報の許可条件を設定する過程は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し当該項目の提供に対する利用者の許容度を設定してこの設定された許容度を許可条件とし、
    前記複数の情報提供者を選択する過程は、
    前記個人情報の項目ごとに、前記必要度及び許容度をもとに当該項目の情報を提供する確率を算出する過程と、
    前記個人情報の項目ごとに、前記許容度をもとに利用者から見た当該項目の情報価値を算出する過程と、
    前記個人情報の項目ごとに、前記算出された確率及び情報価値をもとに当該項目の情報価値の期待値を表す情報を算出する過程と、
    前記探索された複数の情報提供者の中から、前記算出された情報価値の期待値をもとに情報交換相手の候補となる複数の情報提供者を選択する過程と
    を備えることを特徴とする請求項2又は3記載の情報交換方法。
  7. 前記個人情報の要求条件を設定する過程は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し当該項目の必要度とその妥協度を設定して、この設定された必要度と妥協度を要求条件に含め、
    前記個人情報の許可条件を設定する過程は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し当該項目の提供に対する利用者の許容度とその妥協度を設定して、この設定された許容度とその妥協度を許可条件に含め、
    前記交渉演算を実行する過程は、
    前記個人情報の項目ごとに、当該項目に対し情報提供者により設定された前記必要度の値、及び前記利用者により設定された前記許容度の値を、それぞれその妥協度により表される値の範囲内で段階的に緩和する演算を行う過程と、
    前記段階的な緩和演算が行われるごとに、緩和された必要度と許容度とを比較してその差が所定範囲内であるか否かを判定する過程と
    を備えることを特徴とする請求項3記載の情報交換方法。
  8. 前記交渉演算を実行する過程は、
    前記緩和演算を行う過程に先立ち、前記要求条件及び許可条件に含まれる妥協度をもとに当該要求条件及び許可条件の緩和が可能か否かを判定する過程と、
    前記判定結果に基づいて、緩和が可能と判定された場合に前記緩和演算を実行させ、緩和が不可能と判定された場合には前記緩和演算を実行させないように制御する過程と
    を、さらに備えることを特徴とする請求項7記載の情報交換方法。
  9. 利用者が使用する第1の装置と、情報提供者が運用する複数の第2の装置とを、サーバ装置を含む通信ネットワークを介して接続可能とし、前記第1及び第2の装置間で利用者が取得を希望する提供情報と前記情報提供者が要求する前記利用者の個人情報とを前記通信ネットワークを介して交換するシステムで、前記第1の装置、第2の装置及びサーバ装置のいずれかとして使用される通信装置であって、
    前記情報提供者が前記利用者に対し提示する個人情報の要求条件を記憶する手段と、
    前記利用者が前記情報提供者に対し提示する個人情報の許可条件を記憶する手段と、
    前記利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索する手段と、
    前記探索手段により複数の情報提供者が探索された場合に、当該情報提供者が提示した前記要求条件と前記利用者が提示した前記許容条件その比較結果に基づいて、前記探索された複数の情報提供者の中から、前記要求条件が許容条件に最も近い情報提供者を前記情報交換相手として選択する手段と
    を具備することを特徴とする通信装置。
  10. 利用者が使用する第1の装置と、情報提供者が運用する複数の第2の装置とを、サーバ装置を含む通信ネットワークを介して接続可能とし、前記第1及び第2の装置間で利用者が取得を希望する提供情報と前記情報提供者が要求する前記利用者の個人情報とを前記通信ネットワークを介して交換するシステムで、前記第1の装置、第2の装置及びサーバ装置のいずれかとして使用される通信装置であって、
    前記情報提供者が前記利用者に対し提示する個人情報の要求条件を記憶する手段と、
    前記利用者が前記情報提供者に対し提示する個人情報の許可条件を記憶する手段と、
    前記利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索する手段と、
    前記探索手段により複数の情報提供者が探索された場合に、当該情報提供者が提示した前記要求条件と前記利用者が提示した前記許容条件その比較結果に基づいて、前記探索された複数の情報提供者の中から、前記要求条件が許容条件に対し近い順に複数の情報提供者を選択する手段と、
    前記選択された複数の情報提供者のリストを、前記情報交換相手の候補として前記利用者に通知する手段と
    を具備することを特徴とする通信装置。
  11. 利用者が使用する第1の装置と、情報提供者が運用する複数の第2の装置とを、サーバ装置を含む通信ネットワークを介して接続可能とし、前記第1及び第2の装置間で利用者が取得を希望する提供情報と前記情報提供者が要求する前記利用者の個人情報とを前記通信ネットワークを介して交換するシステムで、前記第1の装置、第2の装置及びサーバ装置のいずれかとして使用される通信装置であって、
    前記情報提供者が前記利用者に対し提示する個人情報の要求条件を記憶する手段と、
    前記利用者が前記情報提供者に対し提示する個人情報の許可条件を記憶する手段と、
    前記利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索する手段と、
    前記探索手段により複数の情報提供者が探索された場合に、当該情報提供者が提示した前記要求条件と前記利用者が提示した前記許容条件その比較結果に基づいて、前記探索された複数の情報提供者の中から、前記要求条件が許容条件に対し近い順に複数の情報提供者を選択する手段と、
    前記選択された複数の情報提供者の中から交渉相手を選択し、この選択された交渉相手の情報提供者が提示した前記要求条件と利用者が提示した前記許可条件とを相互に近づけるための交渉処理を実行する手段と、
    前記交渉処理の結果を該当する前記利用者及び情報提供者に通知する手段と
    を具備することを特徴とする通信装置。
  12. 前記個人情報の要求条件を記憶する手段は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の必要度を要求条件として記憶し、
    前記個人情報の許可条件を記憶する手段は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の提供に対する利用者の許容度を許可条件として記憶し、
    前記複数の情報提供者を選択する手段は、
    前記個人情報の各項目を次元と見なした空間の距離及び類似度の少なくとも一方を算出する手段と、
    前記探索された複数の情報提供者の中から、前記算出された空間の距離及び類似度の少なくとも一方をもとに、前記許容度に対する要求度の差が小さい順に情報交換相手の候補となる複数の情報提供者を選択する手段と
    を備えることを特徴とする請求項10又は11記載の通信装置。
  13. 前記個人情報の要求条件を記憶する手段は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の必要度を要求条件として記憶し、
    前記個人情報の許可条件を記憶する手段は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の提供に対する利用者の許容度を許可条件として記憶し、
    前記複数の情報提供者を選択する手段は、
    前記個人情報の項目ごとに、前記必要度と前記許容度との割合を算出する手段と、
    前記探索された複数の情報提供者の中から、前記算出された必要度と許容度との割合が小さい順に情報交換相手の候補となる複数の情報提供者を選択する手段と
    を備えることを特徴とする請求項10又は11記載の通信装置。
  14. 前記個人情報の要求条件を記憶する手段は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の必要度を要求条件として記憶し、
    前記個人情報の許可条件を記憶する手段は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の提供に対する利用者の許容度を許可条件として記憶し、
    前記複数の情報提供者を選択する手段は、
    前記個人情報の項目ごとに、前記必要度及び許容度をもとに当該項目の情報を提供する確率を算出する手段と、
    前記個人情報の項目ごとに、前記許容度をもとに利用者から見た当該項目の情報価値を算出する手段と、
    前記探索された複数の情報提供者の中から、前記算出された情報価値の期待値をもとに情報交換相手の候補となる複数の情報提供者を選択する手段と
    を備えることを特徴とする請求項10又は11記載の通信装置。
  15. 前記個人情報の要求条件を記憶する手段は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の必要度とその妥協度を要求条件として記憶し、
    前記個人情報の許可条件を記憶する手段は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の提供に対する利用者の許容度とその妥協度を許可条件として記憶し、
    前記交渉処理を実行する手段は、
    前記個人情報の項目ごとに、当該項目に対し情報提供者により設定された前記必要度の値、及び前記利用者により設定された前記許容度の値を、それぞれの妥協度により表される値の範囲内で段階的に緩和する演算を行う手段と、
    前記段階的な緩和演算が行われるごとに、緩和された必要度と許容度とを比較してその差が所定範囲内であるか否かを判定する手段と
    を備えることを特徴とする請求項11記載の通信装置。
  16. 前記交渉処理を実行する手段は、
    前記緩和演算に先立ち、前記要求条件及び許可条件に含まれる妥協度をもとに前記必要度及び許容度の緩和が可能か否かを判定する手段と、
    前記判定結果に基づいて、緩和が可能と判定された場合に前記緩和演算を実行させ、緩和が不可能と判定された場合には前記緩和演算を実行させないように制御する手段と
    を、さらに備えることを特徴とする請求項15記載の通信装置。
  17. 利用者が使用する第1の通信装置と、情報提供者が運用する複数の第2の通信装置とをサーバ装置を含む通信ネットワークを介して接続可能とし、前記第1及び第2の通信装置間で利用者が取得を希望する提供情報と前記情報提供者が要求する前記利用者の個人情報とを前記通信ネットワークを介して交換するシステムで、前記第1の通信装置、第2の通信装置及びサーバ装置のいずれかに使用されるプログラムであって、
    前記情報提供者が前記利用者に対し提示する個人情報の要求条件を記憶する処理と、
    前記利用者が前記情報提供者に対し提示する個人情報の許可条件を記憶する処理と、
    前記利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索する処理と、
    前記探索処理により複数の情報提供者が探索された場合に、当該探索された情報提供者が提示した前記要求条件と前記利用者が提示した前記許容条件その比較結果に基づいて、前記探索された複数の情報提供者の中から前記要求条件が許容条件に最も近い情報提供者を前記情報交換相手として選択する処理と
    を、前記第1の通信装置、第2の通信装置及びサーバ装置のいずれかに実行させるプログラム。
  18. 利用者が使用する第1の通信装置と、情報提供者が運用する複数の第2の通信装置とをサーバ装置を含む通信ネットワークを介して接続可能とし、前記第1及び第2の通信装置間で利用者が取得を希望する提供情報と前記情報提供者が要求する前記利用者の個人情報とを前記通信ネットワークを介して交換するシステムで、前記第1の通信装置、第2の通信装置及びサーバ装置のいずれかに使用されるプログラムであって、
    前記情報提供者が前記利用者に対し提示する個人情報の要求条件を記憶する処理と、
    前記利用者が前記情報提供者に対し提示する個人情報の許可条件を記憶する処理と、
    前記利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索する処理と、
    前記探索処理により複数の情報提供者が探索された場合に、当該探索された情報提供者が提示した前記要求条件と前記利用者が提示した前記許容条件その比較結果に基づいて、前記探索された複数の情報提供者の中から前記要求条件が許容条件に近い順に複数の情報提供者を選択する処理と、
    前記選択された複数の情報提供者のリストを前記情報交換相手の候補として前記利用者に通知する処理と
    を、前記第1の通信装置、第2の通信装置及びサーバ装置のいずれかに実行させるプログラム。
  19. 利用者が使用する第1の通信装置と、情報提供者が運用する複数の第2の通信装置とをサーバ装置を含む通信ネットワークを介して接続可能とし、前記第1及び第2の通信装置間で利用者が取得を希望する提供情報と前記情報提供者が要求する前記利用者の個人情報とを前記通信ネットワークを介して交換するシステムで、前記第1の通信装置、第2の通信装置及びサーバ装置のいずれかに使用されるプログラムであって、
    前記情報提供者が前記利用者に対し提示する個人情報の要求条件を記憶する処理と、
    前記利用者が前記情報提供者に対し提示する個人情報の許可条件を記憶する処理と、
    前記利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索する処理と、
    前記探索処理により複数の情報提供者が探索された場合に、当該探索された情報提供者が提示した前記要求条件と前記利用者が提示した前記許容条件その比較結果に基づいて、前記探索された複数の情報提供者の中から前記要求条件が許容条件に近い順に複数の情報提供者を選択する処理と、
    前記選択された複数の情報提供者の中から交渉相手を選択し、この選択された交渉相手の情報提供者が提示した前記要求条件と利用者が提示した前記許可条件とを相互に近づけるための交渉演算を行う処理と、
    前記交渉演算の結果を該当する前記利用者及び情報提供者に通知する処理と
    を、前記第1の通信装置、第2の通信装置及び通信ネットワークのいずれかに実行させるプログラム。
  20. 前記個人情報の要求条件を記憶する処理は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の必要度を要求条件として記憶し、
    前記個人情報の許可条件を記憶する処理は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の提供に対する利用者の許容度を許可条件として記憶し、
    前記複数の情報提供者を選択する処理は、
    前記個人情報の各項目を次元と見なした空間の距離及び類似度の少なくとも一方を算出する過程と、
    前記探索された複数の情報提供者の中から、前記算出された空間の距離及び類似度の少なくとも一方をもとに、前記許容度に対する要求度の差が小さい順に情報交換相手の候補となる複数の情報提供者を選択する過程と
    を備えることを特徴とする請求項18又は19記載のプログラム。
  21. 前記個人情報の要求条件を記憶する処理は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の必要度を要求条件として記憶し、
    前記個人情報の許可条件を記憶する処理は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の提供に対する利用者の許容度を許可条件として記憶し、
    前記複数の情報提供者を選択する処理は、
    前記個人情報の項目ごとに、前記必要度と前記許容度との割合を算出する処理と、
    前記探索された複数の情報提供者の中から、前記算出された必要度と許容度との割合が小さい順に情報交換相手の候補となる複数の情報提供者を選択する処理と
    を備えることを特徴とする請求項18又は19記載のプログラム。
  22. 前記個人情報の要求条件を記憶する処理は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の必要度を要求条件として記憶し、
    前記個人情報の許可条件を記憶する処理は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の提供に対する利用者の許容度を許可条件として記憶し、
    前記複数の情報提供者を選択する処理は、
    前記個人情報の項目ごとに、前記必要度及び許容度をもとに当該項目の情報を提供する確率を算出する処理と、
    前記個人情報の項目ごとに、前記許容度をもとに利用者から見た当該項目の情報価値を算出する処理と、
    前記探索された複数の情報提供者の中から、前記算出された情報価値の期待値をもとに情報交換相手の候補となる複数の情報提供者を選択する処理と
    を備えることを特徴とする請求項18又は19記載のプログラム。
  23. 前記個人情報の要求条件を記憶する処理は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の必要度とその妥協度を要求条件として記憶し、
    前記個人情報の許可条件を記憶する処理は、個人情報を構成する複数の項目の各々に対し設定された、当該項目の提供に対する利用者の許容度とその妥協度を許可条件として記憶し、
    前記交渉演算を実行する処理は、
    前記個人情報の項目ごとに、当該項目に対し情報提供者により設定された前記必要度の値、及び前記利用者により設定された前記許容度の値を、それぞれの妥協度により表される値の範囲内で段階的に緩和する演算を行う処理と、
    前記段階的な緩和演算が行われるごとに、緩和された必要度と許容度とを比較してその差が所定範囲内であるか否かを判定する処理と
    を備えることを特徴とする請求項19記載のプログラム。
  24. 前記交渉演算を実行する処理は、
    前記緩和演算に先立ち、前記要求条件及び許可条件に含まれる妥協度をもとに前記必要度及び許容度の緩和が可能か否かを判定する処理と、
    前記判定結果に基づいて、緩和が可能と判定された場合に前記緩和演算を実行させ、緩和が不可能と判定された場合には前記緩和演算を実行させないように制御する処理と
    を、さらに備えることを特徴とする請求項23記載のプログラム。
  25. 利用者が使用する第1の通信装置と、情報提供者が運用する複数の第2の通信装置とを通信ネットワークを介して接続可能としたシステムを利用して、前記利用者が取得を希望する提供情報と前記情報提供者が要求する前記利用者の個人情報とを交換する方法であって、
    前記情報提供者が要求する個人情報の要求条件を設定する過程と、
    前記利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索する過程と、
    前記探索過程により複数の情報提供者が探索された場合に、当該複数の情報提供者により設定された前記個人情報の要求条件を相互に比較する過程と、
    前記比較結果に基づいて、前記探索された複数の情報提供者の中から前記要求条件が最も緩い情報提供者を前記情報交換相手として選択する過程と
    を、前記第1の通信装置、第2の通信装置及び通信ネットワーク間で通信を行うことにより実現することを特徴とする情報交換方法。
  26. 前記利用者が提供を許可する個人情報の許可条件を設定する過程を、さらに備え、
    前記情報提供者を選択する過程は、前記探索された複数の情報提供者の中から、要求条件が前記設定された許可条件より緩い情報提供者を選択し、かつこの選択された情報提供者の中から要求条件が最も緩い情報提供者を前記情報交換相手として選択することを特徴とする請求項25記載の情報交換方法。
  27. 利用者が使用する第1の装置と、情報提供者が運用する複数の第2の装置とを、サーバ装置を含む通信ネットワークを介して接続可能とし、前記第1及び第2の装置間で利用者が取得を希望する提供情報と前記情報提供者が要求する前記利用者の個人情報とを前記通信ネットワークを介して交換するシステムで、前記第1の装置、第2の装置及びサーバ装置のいずれかとして使用される通信装置であって、
    前記情報提供者が前記利用者に対し提示する個人情報の要求条件を記憶する手段と、
    前記利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索する手段と、
    前記探索手段により複数の情報提供者が探索された場合に、当該情報提供者が提示した前記要求条件を相互に比較する手段と、
    前記比較結果に基づいて、前記探索された複数の情報提供者の中から前記要求条件が最も緩い情報提供者を前記情報交換相手として選択する手段と
    を具備することを特徴とする通信装置。
  28. 前記利用者が前記情報提供者に対し提示する個人情報の許可条件を記憶する手段と、
    前記情報提供者を選択する手段は、前記探索された複数の情報提供者の中から、要求条件が前記設定された許可条件より緩い情報提供者を選択し、かつこの選択された情報提供者の中から要求条件が最も緩い情報提供者を前記情報交換相手として選択することを特徴とする請求項27記載の通信装置。
  29. 利用者が使用する第1の通信装置と、情報提供者が運用する複数の第2の通信装置とをサーバ装置を含む通信ネットワークを介して接続可能とし、前記第1及び第2の通信装置間で利用者が取得を希望する提供情報と前記情報提供者が要求する前記利用者の個人情報とを前記通信ネットワークを介して交換するシステムで、前記第1の通信装置、第2の通信装置及びサーバ装置のいずれかに使用されるプログラムであって、
    前記情報提供者が前記利用者に対し提示する個人情報の要求条件を記憶する処理と、
    前記利用者が前記情報提供者に対し提示する個人情報の許可条件を記憶する処理と、
    前記利用者が取得を希望する提供情報を所有する情報提供者を探索する処理と、
    前記探索処理により複数の情報提供者が探索された場合に、当該探索された情報提供者が提示した前記要求条件を相互に比較する処理と、
    前記比較結果に基づいて、前記探索された複数の情報提供者の中から前記要求条件が最も緩い情報提供者を前記情報交換相手として選択する処理と
    を、前記第1の通信装置、第2の通信装置及びサーバ装置のいずれかに実行させるプログラム。
  30. 前記利用者が前記情報提供者に対し提示する個人情報の許可条件を記憶する処理と、
    前記情報提供者を選択する処理は、前記探索された複数の情報提供者の中から、要求条件が前記設定された許可条件より緩い情報提供者を選択し、かつこの選択された情報提供者の中から要求条件が最も緩い情報提供者を前記情報交換相手として選択することを特徴とする請求項29記載のプログラム。
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