JP2005128209A - 電子楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】アコースティック楽器の常時ダンプされていない弦の共鳴音を模擬することのできる電子楽器を提供すること。
【解決手段】押鍵により、ストリング音とサンプ音が立ち上がり、これに共鳴して、フリーストリングとアリコートがつづいて発生される。サンプ音は、離鍵を待たずに、減衰する。ストリング音は、立ち上がり後少しレベルを下げたあとは、ほぼ同じレベルを保ち、離鍵されると(ダンパーペダルが踏まれていない場合)急速に減衰される。
一方、フリーストリング音とアリコート音も同様に、ストリング音に追従して立ち上がり、その後少しレベルを下げた後は、ほぼ一定のレベルを保ち、離鍵された後は、ストリング音が急速に減衰するのに比べ、非常に緩やかに減衰する。
【選択図】 図7

Description

本発明は電子楽器に関し、特に、アコースティックピアノのように常時ダンプされていない弦が、ハンマーの打撃により発生される楽音などに共鳴して豊かな倍音を形成することを模擬することができる電子楽器に関する。
従来の電子楽器では、特にアコースティックピアノの音色を模擬するために、アコースティックピアノの鍵を押下して発生される楽音を録音し、その波形をメモリに記憶しておいて、電子楽器の鍵が押下された場合に、そのメモリから波形を読み出すことにより楽音を形成していた。
特公平6−93190号公報(特許文献1)には、指定された音高に対応してその音高
の楽音を発生すると共に、その音高に共鳴して発音される共鳴音の音高情報を発生し、そ
の音高情報に応じて共鳴音を発生することのできる電子楽器が記載されている。
また、特開平11−246号公報(特許文献2)には、アコースティックピアノの本来
の発音を行う基本弦に対して、フォアストリングスやバックストリングスに金属製のベア
リングや弦押さえを配置して、基本弦の長さに対して、単純な比率の弦を配置することに
より、発生される楽音の倍音構成を豊かにしようとする機構であるアリコート装置が開示
されている。
特公平6−93190号公報 特開平11−246号公報
しかしながら、アコースティックピアノでは、常時ダンプ(ミュートともいう)されていない弦(特許文献2に開示されているアリコート装置や、高音部(例えば音名G6より高い音域)に形成されいている弦(以下、フリーストリングという))が設けられ、ハンマーの打撃により発生される楽音やその楽音が弦を収納する箱や共鳴板が共鳴して発生される共鳴音に共鳴して豊かな倍音を形成するが、特許文献1に記載されている電子楽器では、これらの共鳴音が模擬されていないという問題点があった。
すなわち、従来の電子楽器では、アコースティックピアノのハンマーの打撃により弦が振動し、その弦の振動により発生される楽音も、その楽音に共鳴するアリコートやフリーストリングの振動による楽音も一つの波形として記憶されていたため、それぞれの楽音を独立して制御することができなかった。
また、特許文献1に記載されている電子楽器では、豊かな共鳴音を得るために、一つの音高の楽音について複数の共鳴音の音高情報を発生し、それぞれの音高情報が楽音発生チャネルを使用するため多数の楽音発生チャネルが使用されている。したがって、この電子楽器では、全体で多数の楽音発生チャネルを必要とし、電子楽器の規模が大きくなったり、楽音発音チャネルが限られた数である場合には、同時発音数が少なくなるという問題点もあった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、アコースティック楽器の常時ダンプされていない弦の共鳴音を模擬することのできる電子楽器を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の電子楽器は、楽音の音高を指定する音高情報を含み、その楽音の発生開始を指示する押鍵情報を入力する押鍵情報入力手段と、その押鍵情報入力手段に入力された押鍵情報に含まれる音高情報に応じた音高の楽音を発生する楽音信号発生手段と、アコースティック楽器の常時ダンプされていない弦の共鳴音の波形を記憶する記憶手段と、前記押鍵情報入力手段に入力された押鍵情報に含まれる音高情報に応じて前記記憶手段に記憶された共鳴音の波形に基づいて共鳴音を発生する共鳴音発生手段とを備え、音高情報が入力されると、その音高情報によって指定されたアコースティック楽器の常時ダンプされていない弦の共鳴音が発生される。
請求項2記載の電子楽器は、請求項1記載の電子楽器において、発生している楽音の停止を指示する離鍵情報を入力する離鍵情報入力手段を備え、その離鍵情報入力手段に離鍵情報を入力したときは、前記楽音信号発生手段は、楽音の発生を急速に停止するように制御し、前記共鳴音発生手段は、共鳴音のレベルが徐々に減衰するように制御するものであり、離鍵情報が入力されると楽音は急速に停止されるが、共鳴音は、徐々に減衰される。 請求項3記載の電子楽器は、請求項1又は2記載の電子楽器において、アコースティック楽器の常時ダンプされていない弦は、アリコートであり、アリコートによる共鳴音が発生される。
請求項4記載の電子楽器は、請求項1から3のいずれかに記載の電子楽器において、前記アコースティック楽器の常時ダンプされていない弦は、フリーストリングであり、フリーストリングによる共鳴音が発生される。
請求項5記載の電子楽器は、請求項1から4のいずれかに記載の電子楽器であって、前記記憶手段は、複数の鍵に対して共通の共鳴音の波形を記憶するものである。
請求項6記載の電子楽器は、請求項1から5のいずれかに記載の電子楽器であって、前記共鳴音発生手段は、前記記憶手段に記憶された共鳴音の波形のピッチを変換して発生するものである。
請求項7記載の電子楽器は、請求項1から6のいずれかに記載の電子楽器であって、前記記憶手段が記憶する共鳴音は、押鍵情報に応じて発生される楽音に含まれる複数の倍音のそれぞれに対応した常時ダンプされていない弦の共鳴音を合成したものである。
請求項8記載の電子楽器は、請求項1から7のいずれかに記載の電子楽器において、前記記憶手段に記憶される共鳴音の波形は、アコースティックピアノの常時ダンプされていない弦の共鳴音の波形である。
本発明の電子楽器によれば、記憶手段にアコースティック楽器の常時ダンプされていない弦の共鳴音を記憶し、所望の音高の楽音が発生されるときには、その音高に応じた共鳴音が、この記憶手段に記憶された共鳴音に基づいて発生されるので、自然な倍音の豊かな共鳴音を発生することができるとともに、共鳴音を所望の音高の楽音とは独立して制御することができる。
また、本発明の電子楽器の好適な態様によれば、離鍵が指示されたとき、その楽音は急速に減衰されるが、共鳴音は徐々に減衰されるので、アコースティック楽器の常時ダンプされていない弦の共鳴音を忠実に模擬することができる。
また、本発明の電子楽器の好適な態様によれば、共鳴音は、複数の押鍵情報に含まれる音高情報に対して共通であるため、記憶手段の規模を小さくすることができるとともに、共鳴音は、倍音構成に応じて複数の弦による共鳴音を合成しているため、多数の楽音発生チャネルを必要としないので、電子楽器の規模を小さくすることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明による電子楽器の電気的構成を示すブロック図である。同図において、CPU10と、ROM20と、RAM30と、ユーザ入力される演奏データや設定データなどを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ40と、鍵盤50と、この電子楽器を動作させるために操作される操作子60と、電子楽器1の動作に関する各種情報を視覚的に表示するためにLCDやLEDなどで構成される表示器70と、音源80と、MIDIインターフェイス90とを主に搭載し、これらの構成間はバスライン100で相互に接続されている。
CPU10は、中央演算処理装置であり、ROM20は、このCPU10により実行される各種の制御プログラムや、そのプログラムを実行する際に参照される固定値データが格納されている。後述する図5及び図6に示すフローチャートを実行するプログラムや、音色テーブルなどの各種テーブルは、このROM20に記憶されている。RAM30は、CPU10が制御プログラムを実行する際に必要な各種レジスタ群などが設定されたワーキングエリアや、処理中のデータを一時的に格納するテンポラリエリア等を有しランダムにアクセスできる書き換え可能なメモリである。
フラッシュメモリ40は、音色パラメータや自動演奏データを記憶する着脱可能なメモリであり、電源が切られても記憶内容は保持される。
鍵盤50は、複数の鍵から構成され、楽音の発音又は消音を指示するものであり、電子楽器の本体に内蔵されている。鍵盤50の鍵が操作(押鍵又は離鍵)されると、その鍵に対応する(その鍵により指定された)音高情報および速度情報を含む押鍵又は離鍵情報が入力される。
操作子60は、各種電子楽器のパラメータを設定する操作子群であり、音量や音質を調整する操作子や、音色選択スイッチを有している。
MIDIインターフェイス90は、MIDI規格に対応したノートオン、ノートオフなどの演奏情報などの入出力を行うインターフェイスであり、シーケンサやパーソナルコンピュータが接続され、このインターフェイスを介して自動演奏データや音色パラメータの送受が行われる。
音源80は、バスライン100を経由してCPU10から送られてくる演奏データに応じて楽音を同時に形成することができる複数の発音チャネルを有し、それぞれの発音チャネルは押鍵情報に含まれる音高情報および速度情報に応じた楽音を形成し出力するとともに、その音高情報に対応する共鳴音を発生する。これらの楽音および共鳴音は、音源80に備えられた波形メモリ81−85に記憶された波形を読み出し、その波形を処理することにより形成される。
波形メモリ81−84のそれぞれに記憶される4つの波形は、グランドピアノ1の音色を形成するものである。波形メモリ81に記憶される波形は、ストリング音1であり、グランドピアノの主としてハンマーにより打撃されることにより振動する弦が発生する楽音を記憶したもので、サンプ音82は、弦がハンマーで叩かれたハンマー音である。これらの音はフリーストリングやアリコートを、共鳴しないようにフェルトやゴムなどを用いてダンプし、鍵を押下して録音した音である。なお、通常の88鍵のピアノの最低音の音名は、A0であり、最高音の音名は、C8である。このうち、フリーストリングは、G6からC8の音高の弦である。
ストリング音1は、この録音した音の基本音とその倍音を櫛形フィルタなどを用いて抽出した波形であり、波形メモリ82に記憶されるサンプ音は、これらの基本音と倍音以外の波形である。
ストリング音1は、押鍵情報に含まれる音高情報に対応した音高で形成されるが、サンプ音は、音高がほとんど変化しない。また、フリーストリングについては、ダンプしないで、フリーストリングが備えられている鍵を押下し、ハンマーの打撃により発音する楽音が録音され、このストリング1に含まれている。
波形メモリ83に記憶されるフリーストリング音は、共鳴音であって、所定の弦が楽音を形成する際、フリーストリングが共鳴するのを模擬するための波形であって、上記のように鍵を押下した際に発生される楽音波形の、打鍵からしばらく後の、ゆるやかに減衰する波形を組み合わせて作成する。
例えば、音名C3の鍵を押下した場合は、その倍音構成から、G6,A6、A6#、B6の弦が共鳴するので、これらの4つの弦振動波形を所定のレベルで合成する。
同様に、各弦についても作成するが、音高が近い場合には、同じ波形をピッチを変えて読み出すことにより発音することができる。詳細は、図3を参照して後述する。
波形メモリ84に記憶されるアリコート音は、共鳴音であって、フリーストリングを全てフェルトやゴムなどで共振しないようにダンプし、さらにアリコートの1弦以外をダンプした状態でそのダンプしていない弦に対応する鍵を押下し、スピーキングレングスが振動を開始した直後に、その鍵を離してそのスピーキングレングスをダンプし、アリコートが共振している音を録音する。これを、アリコートすべてについて録音する。つぎに、通常の弦が振動したときに発生する倍音を求め、これらの倍音に共鳴するアリコートの組み合わせから、上記のようにして得られたアリコート音を合成して、アリコート音としたものである。フリーストリング音と同様に、所定の音域内では、一つのアリコート音を、ピッチを変えて読み出すことで、発生することができる。なお、アリコートは、フォアストリングに、カポタストバーをあてがったり、バックストリングに弦枕を入れたりすることによって、発音部分であるスピーキングレングスの長さとの比が1:4あるいは2:3のような単純な整数比にして倍音が発生しやすいようにしたものである。
波形メモリ85には、グランドピアノ1以外の音色の波形で、ストリングスやエレピ(エレクトリックピアノ)などの波形を有している。
図2は、ROM20に記憶された音色テーブルを表す図であり、図示しない音色選択スイッチやMIDIメッセージであるプログラムチェンジにより、いずれかの音色が選択され、その音色がどのような波形を使用するかという情報と、その音色の楽音を発生する際の種々のパラメータが記憶されている。
1番目の音色は、グランドピアノ1という音色名で、この音色で使用されるテーブル1は、ストリング音1、テーブル2は、サンプ音、テーブル3は、フリーストリング、テーブル4は、アリコートの4つのテーブルが参照される。ストリング音1のテーブルは、図示しないが、音高に対応して多数の波形のうちのいずれを読み出すかということと、変換するピッチの量などが記憶されている。同様に、サンプ音についても音高に対応して、サンプ音メモリ82に記憶されているサンプ音のうち、いずれのサンプ音が読み出されるのかが記憶されている。
テーブル3のフリーストリングについては、図3に示すように、音高に対応して、30のフリーストリング波形のうち、いずれを読み出すかということと、ピッチ変換量が記憶されている。
同様にテーブル4のアリコートについては、図4に示すように、音高に対応して、30のフリーストリング波形のうち、いずれを読み出すかということと、ピッチ変換量が記憶されている。
2番目の音色は、グランドピアノ2という音色名で、この音色で使用される波形は、ストリング音2とサンプ音である、同様にテーブルを参照する。ストリング音2は、音源80のその他の波形メモリ85に記憶される波形であって、フリーストリングやアリコートをダンプせずに押鍵した時に発生される楽音を収録したものである。したがって、グランドピアノ1の音色のように、弦の振動により発生される楽音とフリーストリング音とアリコート音とをそれぞれ独立して制御することはできないが、発音するときに使用される発音チャネルの数は少ない。
3番目の音色は、ストリングスという音色名で、バイオリンなどの弦楽器のアンサンブル演奏音であって、この音色で使用される波形は、ストリングス1とストリングス2であって、ストリングス1は、弦の振動により発生される楽音であり、ストリングス2は、弓が弦に当てられたときに発生される音であり、音高に対応して読み出す波形のテーブルが記憶されている。
4番目の音色は、エレピという音色名で、いわゆる電気ピアノの音色であり、この音色で使用される波形のエレピ1は、音高に対応して発生される楽音であり、エレピ2は、ハンマーが電気ピアノの振動子を打撃した瞬間に発生される楽音であり、音高に対応して読み出す波形のテーブルが記憶されている。
図3は、フリーストリング音の、詳細を表す図であり、第1列(音高)は、押鍵された音高を表し、第2列(ウエーブ)は、その音高について、複数(ここでは30)のフリーストリング波形のうち、いずれの波形が読み出されるかが記憶され、第3列(ピッチ)は、その波形を変換して読み出すピッチがセントを単位として記憶されている。
すなわち、グランドピアノの88鍵は、音高がA0からC8であるが、このうち音高がA0からG2までの音高については、フリーストリングにより共鳴音は、発生せず、音高G#2については、フリーストリング1の波形を読み出し、ピッチを5セント低く変換して出力する。同様に、音高がA2の場合には、フリーストリング2の波形を、7セントピッチを高く変換して発生する。音高がA#2の場合には、フリーストリング3の波形を3セント低く変換して発生し、音高がB2の場合は、同じくフリーストリング3の波形を読み出すが、ピッチは96セント高く変換する。以下、同様に音高C7までについて記憶されている。
ここで、各フリーストリング波形は、ハンマーの打撃により振動する弦により発生される楽音の倍音に共鳴するフリーストリングの音を合成したものである。例えば、フリーストリング1は、上記の通りG#2の音高に応じて発生される共鳴音であるが、G#2の楽音の15倍音が、フリーストリングであるG6であり、フリーストリング1は、フリーストリングであるG6の共鳴音で構成されている。
また、フリーストリング2は、音高A2の音高に応じて発生される共鳴音であるが、A2の楽音の14倍音が、フリーストリングであるG6であり、A2の楽音の15倍音がフリーストリングであるG#6ので、フリーストリング2は、フリーストリングであるG6とG#6の共鳴音が合成されたものである。
同様に、フリーストリング3は、音高がA#2およびB2である場合に発生される共鳴音であるが、音高がA#2の13倍音が、G6、14倍音がG#6、15倍音がA6に対応するので、フリーストリング3は、これらの3つのフリーストリングの共鳴音を合成したものである。また、音高がG2の13倍音がG#6、14倍音がA6、15倍音がA#6に対応するが、これらを合成した音は、フリーストリング3のピッチを約半音高く読み出したもので代用している。
図4は、アリコート音の詳細を表す図であり、第1列(音高)は、押鍵された音高を表し、第2列(ウエーブ)は、その音高について、複数(ここでは39)のアリコート波形のうち、いずれの波形が読み出されるかが記憶され、第3列(ピッチ)は、その波形を変換して読み出すピッチがセントを単位として記憶されている。
すなわち、音高がA0については、ウエーブとしては、アリコート1と記載されているように波形アリコート1を読み出し、ピッチを4セント低く変換して出力する。同様に、音高がA#0の場合には、アリコート2の波形を、5セントピッチを高く変換して発生する。音高がB0の場合には、アリコート3の波形を6セント低く変換して発生し、音高がC1の場合は、同じくアリコート3の波形を読み出すが、ピッチは95セント高く変換する。以下、同様に音高G6までについては、アリコート音が発生されるが、G#6以上の場合には、アリコート音は発生されない。
次に、図5のフローチャートを参照して、本発明の電子楽器において実行される鍵盤処理について説明する。この鍵盤処理は、非図示のメイン処理から所定時間毎に起動する割り込みルーチンであり、鍵盤60の押鍵又は離鍵に応じた処理を行うものである。
この鍵盤処理が起動されると、先ず、鍵盤60のスキャンを行い(S11)、押鍵があったか否かを確認する(S12)。S12の処理により確認した結果、押鍵されていれば(S12:Yes)、その押鍵された鍵の音高と押下された速度に応じた楽音を発生するよう音源80に指示を送る(S13)。S13の処理後、または、S12の処理により確認した結果、押鍵されていなければ(S12:No)S14の処理へ移行する。
S14の処理では、離鍵があったか否かを確認し、その際、離鍵が確認されれば(S14:Yes)、離鍵された鍵に対応する発音中の楽音を消音するよう音源80に指示を送り(S15)、この鍵盤処理を終了する。
一方、S14の処理により確認した結果、離鍵されていなければ(S14:No)この鍵盤処理を終了する。
図6は、発音処理を表すフローチャートで、まず、音色テーブル(図2)を参照して、選択されている音色から、指定されているテーブルを得る(S21)。次にテーブルを参照し、発音すべき楽音の音高に対応する波形および音色パラメータを得る(S22)。
選択されている音色がグランドピアノ1の場合には、その音高に応じてフリーストリング音を発生するかしないか、発生する場合にはいずれのフリーストリング音を発生するか、また、その音高に応じてアリコート音を発生するか否か、発生する場合にはいずれのアリコート音を発生するかというデータおよび音色パラメータを得る。
次にこれらのデータを音源80に送る(S23)。
図7は、音色としてグランドピアノ1が選択され、フリーストリング音、アリコート音の両方が発音される音域(G#2からG6)でいずれかの鍵が押鍵された後離鍵された場合の、各波形のエンベロープ波形を模式的に表す図であり、横軸が時間を、縦軸はそれぞれの波形のレベルを表す。押鍵により、ストリング音とサンプ音が立ち上がり、これに共鳴して、フリーストリングとアリコートがつづいて発生され、まず、サンプ音は、離鍵を待たずに、減衰する。ストリング音は、立ち上がり後少しレベルを下げたあとは、ほぼ同じレベルを保ち、離鍵されると(ダンパーペダルが踏まれていない場合)急速に減衰される。
一方、フリーストリング音とアリコート音も同様に、ストリング音に追従して立ち上がりのあと、少しレベルを下げた後は、徐々に減衰(ほぼ一定のレベルに近い)し、離鍵された後は、ストリング音が急速に減衰するのに比べ、非常に緩やかに減衰する。
以上説明したように、本実施例の電子楽器1によれば、アコースティック楽器のようにハンマーなどにより弦が振動する際に発生する楽音に共鳴して常時ダンプされていない弦の共鳴を模擬することができるので、より表現力のある電子楽器を提供することができる。
なお、請求項1記載の入力手段としては、鍵盤50やMIDIインターフェイス90が該当し、記憶手段は、波形83のフリーストリング音または波形84のアリコート音が該当し、楽音信号発生手段は、音源80であって、波形81のストリング音1を読み出して楽音を発生する場合が該当し、共鳴音発生手段は、同じく音源80であって、波形83のフリーストリング音または波形84のアリコート音を読み出して発音する場合に該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例では、フリーストリング音とアリコート音をそれぞれ所定の音域毎に記憶したが、所定の音域毎に、フリーストリングとアリコートの音を合成した波形を記憶し、これを読み出すようにしてもよい。
また、上記実施例では、所定の鍵域毎に、フリーストリングまたはアリコートの波形を記憶し、押鍵された鍵の音高に応じてピッチを変換したが、鍵一つ一つに波形を記憶し、ピッチの変換を行わないようにしてもよい。
また、上記実施例では、押鍵速度(ベロシティ)に応じて、異なる波形を読み出したり、どのように波形の振幅が変化するかについては、記載していないが、ストリング音1は、押鍵速度に応じて、異なる波形を読み出すようにし、共鳴音については、押鍵速度に応じてレベルを変化するのが好ましい。
また、同時に多数の鍵が押下された場合には、それに応じて多数の共鳴音が発生し、共鳴音が干渉するので、多数の共鳴音が発音する場合には、新たに発音する共鳴音のレベルを下げる(例えば、単独で発音する場合のレベルを、すでに発音している共鳴音の数で除したレベルとする)のが好ましい。
また、上記実施例では、発生された楽音と共鳴音の音像位置には触れていないが、フリーストリングによる共鳴音は、鍵盤の右の方から発生し、アリコートによる共鳴音は、鍵盤の奥の方から発生するようにすると、よりアコースティックピアノに近い音を模擬することができる。
また、発生された楽音と共鳴音それぞれに、リバーブなどの効果を付加することにより、より豊かな音を形成することができる。
本発明の電子楽器の電気的構成を示したブロック図である。 音色に対応し、参照されるテーブルを表す音色テーブルの図である。 音高に対応するフリーストリング波形とピッチ変換量を表すテーブルの図である。 音高に対応するアリコート波形とピッチ変換量を表すテーブルの図である。 CPUにより実行される定期処理のフローチャートである 発音処理を表すフローチャートである。 各波形の押鍵、離鍵に応じたエンベロープ波形を示す図である。
符号の説明
10 CPU
20 ROM
30 RAM
50 鍵盤
60 操作子
70 表示器
80 音源
81 ストリング音1
83 フリーストリング音
84 アリコート音

Claims (8)

  1. 楽音の音高を指定する音高情報を含み、その楽音の発生開始を指示する押鍵情報およびその楽音の発生停止を指示する離鍵情報を入力する入力手段と、
    その入力手段に入力された押鍵情報に含まれる音高情報に応じた音高の楽音を発生する楽音信号発生手段と、
    アコースティック楽器の常時ダンプされていない弦の共鳴音の波形を記憶する記憶手段と、
    前記押鍵情報入力手段に入力された押鍵情報に含まれる音高情報に応じて前記記憶手段に記憶された共鳴音の波形に基づいて共鳴音を発生する共鳴音発生手段とを備えていることを特徴とする電子楽器。
  2. 前記入力手段に離鍵情報を入力したときは、前記楽音信号発生手段は、楽音の発生を急速に停止するように制御し、前記共鳴音発生手段は、共鳴音のレベルが徐々に減衰するように制御するものであることを特徴とする請求項1記載の電子楽器。
  3. 前記アコースティック楽器の常時ダンプされていない弦は、アリコートであることを特徴とする請求項1又は2記載の電子楽器。
  4. 前記アコースティック楽器の常時ダンプされていない弦は、フリーストリングであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子楽器。
  5. 前記記憶手段は、複数の押鍵情報に含まれる音高に対して共通の共鳴音の波形を記憶するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子楽器。
  6. 前記共鳴音発生手段は、前記記憶手段に記憶された共鳴音の波形のピッチを変換して発生するものであることを特徴とする請求項1から5に記載の電子楽器。
  7. 前記記憶手段が記憶する共鳴音は、押鍵情報に応じて発生される楽音に含まれる複数の倍音のそれぞれに対応した常時ダンプされていない弦の共鳴音を合成したものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電子楽器。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の電子楽器において、前記記憶手段に記憶される共鳴音の波形は、アコースティックピアノの常時ダンプされていない弦の共鳴音の波形であることを特徴とする電子楽器。
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