JP2005127428A - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両への組付け性が良く、また、組み付け後の隙間調整が容易にでき、しかも、オーバーアジャストの発生を防止することもできるドラムブレーキ装置を得る。
【解決手段】 一対のブレーキシュー3,4の位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置10は、ブレーキシュー3,4間の離間距離を確保するストラット27の一端側に介在して回転によりブレーキシュー3,4間の離間距離を調整するアジャスタギヤ23と、ホイールシリンダ6の操作力が所定以上になるとき、前記アジャスタギヤ23の回転を規制するアジャスタ規制レバー33とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ブレーキシューの位置を摩耗に応じて調整する自動隙間調整装置を有したドラムブレーキ装置に関するもので、特に、車両への組付け作業を容易にできると同時に、車両への組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にできるようにするための改良に関する。
従来、車両の走行を制動するために種々の形式のドラムブレーキ装置が用いられているが、これらのドラムブレーキ装置は、略円筒状のドラムの内周面に押圧されるブレーキシューの配置によって、リーディングトレーリング式やツーリーディング式、若しくはデュオサーボ式等に分類される。
自動車に搭載されるドラムブレーキ装置の場合は、上記のいずれの形式にせよ、通常、ドラム内空間に対向配置された一対のブレーキシューの非制動時におけるドラムとの間の隙間が各ブレーキシューの摩耗によって増大しないように、各ブレーキシューの位置を各ブレーキシューの摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置が組み込まれる。
従来の自動隙間調整装置は、一度の制動動作時に調整できるブレーキシューの送り量を微量に制限したマイクロアジャスタ方式のもの(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)と、一度の制動動作でブレーキシューとドラムの間の隙間を基準値に一気に調整するワンショットアジャスタ方式のもの(例えば、特許文献3、又は特許文献4、又は特許文献5参照)とに、大別することができる。
特公昭56−34733号公報 特公昭63−33567号公報 特公昭43−21822号公報 特公昭51−12782号公報 特公平2−21456号公報
ところが、従来のマイクロアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置は、車両への組み付け作業を容易にするために、車両組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していると、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、多数回の制動操作を繰り返す必要が生じ、車両組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整に手間がかかるという問題があった。
また、この問題を解消するため、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を小さくすると、車両への組付け作業が困難になるという問題が生じた。
一方、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置の場合は、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していても、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、1回または少数回の制動操作を繰り返すだけで良い。従って、車両への組付け性を向上させると同時に、組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にすることができる。
ところが、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置の場合は、例えば、過大なブレーキ力によってドラムが変形し、そのドラムの変形によってブレーキシューの可動域が一時的に増大したような場合でも、その可動域を含めて一気にブレーキシューの位置調整が実施されてしまうため、非制動時に確保すべきドラムとブレーキシューとの間の隙間が適正隙間以下となるオーバーアジャストが発生し、ブレーキシューの引き摺りを招く虞があった。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的は、車両への組付け作業を容易にできると同時に、車両への組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にでき、且つ、ブレーキシューの引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することもできるドラムブレーキ装置を提供することである。
上記目的は下記構成により達成される。
(1) ドラム内空間に配置された一対のブレーキシューの位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置を備えるドラムブレーキ装置であって、
前記自動隙間調整装置が、ホイールシリンダに押圧される一方のブレーキシュー上に回転自在に支持されると共に、回転中心からの離間距離が徐々に増大する外周面にラチェット歯が形成されたアジャスタギヤと、前記ホイールシリンダの操作力作用点よりも外側となる位置で前記一方のブレーキシューに基端が回転自在に支持されると共に、中間部には前記ホイールシリンダからの操作力を受ける操作力受け部が設けられ、且つ、先端には前記ラチェット歯に噛合可能なラチェット爪が設けられたアジャスタ規制レバーと、このアジャスタ規制レバーに一端を当接すると共に他端を他方のブレーキシューに当接して前記アジャスタ規制レバー及び前記アジャスタギヤを介して一対のブレーキシューの離間距離を維持するストラットと、前記ホイールシリンダからの操作力が所定以下の時に前記アジャスタ規制レバーを前記ストラット側に付勢して前記ラチェット歯との噛合を解除させるレバー規制スプリングと、前記ラチェット爪との噛合が外れた時に前記アジャスタギヤを所定の回転方向に付勢するアジャスタスプリングとを備え、
前記ホイールシリンダからの操作力が所定以上となると、前記レバー規制スプリングの付勢力に抗して前記アジャスタ規制レバーをアジャスタギヤ側に回動させ、前記ラチェット歯と前記ラチェット爪とを噛合状態にすることを特徴とするドラムブレーキ装置。
(2) 上記(1)において、前記アジャスタ規制レバーは、前記操作力受け部の僅かな変位で前記ラチェット爪を有した先端が大きく変位するように、基端の回転中心から前記ラチェット歯に噛合する前記ラチェット爪までの距離と、基端の回転中心から前記操作力受け部までの距離とによるレバー比を設定したことを特徴とするドラムブレーキ装置。
上記(1)に記載のドラムブレーキ装置では、ブレーキ操作がなされて、ホイールシリンダが一方のブレーキシューの一端を押圧して、ブレーキシュー相互の拡開が始まっても、ブレーキシューがドラムの内周面に接触するまでの間は、ホイールシリンダによる操作力が所定以下になる。この間、アジャスタ規制レバーは、レバー規制スプリングの付勢力によってアジャスタギヤ側への回動が阻止され、先端がストラットの一端に当接された状態に維持される。そのため、ブレーキシューのドラム内周面側への拡開変位に伴ってアジャスタギヤがストラットから離れる方向に移動すると、アジャスタ規制レバーのラチェット爪が、アジャスタギヤのラチェット歯から外れる。すると、アジャスタギヤは、回転中心からの離間距離が大きなラチェット歯がラチェット爪との噛合位置に進むように、アジャスタスプリングの付勢力によって回動させられ、ラチェット歯がラチェット爪に噛合する噛合位置に到達するまで、一気に回動する。
そして、アジャスタギヤが回動して、ラチェット爪に噛合するラチェット歯の噛合位置が代わると、ラチェット爪とラチェット歯との噛合位置からアジャスタギヤの回転中心までの半径が増大し、結局、ストラットと、アジャスタ規制レバーと、アジャスタギヤとを介在させた一対のブレーキシュー間の離間距離が拡張される。
このようなストラット、アジャスタ規制レバー、アジャスタギヤを介した一対のブレーキシュー間の離間距離の調整は、ブレーキシューがドラムの内周面に接触するまでの移動動作に連動して一気に行われるため、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置の場合と同様に、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していても、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、1回の制動操作を実行するだけで良い。従って、車両への組み付け時の初期隙間を大きく設定しておいて、車両への組付け性を向上させることができ、且つ、車両への組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にすることができる。
そして、ブレーキシューがドラムの内周面に接触した後は、ブレーキシューとドラムの摺接によって制動力が発生する状態となり、その時を境に、ホイールシリンダのピストンには、ドラムに接触したブレーキシューからの抗力が作用するため、発生する制動力に応じて、ホイールシリンダからブレーキシューに伝達される操作力も増大していく。
ホイールシリンダの操作力は、一旦、アジャスタ規制レバーの操作力受け部に入力され、アジャスタ規制レバーを介して一方のブレーキシューに伝達されるようになっている。そして、制動力が増大し、アジャスタ規制レバーに入力されるホイールシリンダの操作力が所定以上に達すると、ホイールシリンダの操作力によってアジャスタ規制レバーに作用するアジャスタギヤ側への回動力が、レバー規制スプリングの付勢力よりも大きくなって、アジャスタ規制レバーの先端をアジャスタギヤ側に変位させる回動動作が発生し、アジャスタギヤのラチェット歯にアジャスタ規制レバーのラチェット爪を強制的に噛合させる状態になり、アジャスタギヤの回動が阻止される。
従って、その後、更にブレーキ力が増大して、過大なブレーキ力によってドラムが変形するような事態が生じても、ドラムの変形にブレーキシューが追従するようなアジャスト動作は生じない。従って、ブレーキシューの引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することができる。
上記(2)に記載のドラムブレーキ装置では、アジャスタ規制レバーは、レバー比となる各距離の設定によって、操作力受け部の僅かな変位で先端側のラチェット爪が大きく変位するため、制動力が所定倍率を越えるときに、瞬時にラチェット爪をラチェット歯に噛合させた状態にすることができる。
以下、本発明に係るドラムブレーキ装置の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施の形態の正面図である。
この一実施の形態のドラムブレーキ装置100は、図示せぬ略円筒形のドラム内の空間に対向配備されるリーディングシュー3とトレーリングシュー4との一対のブレーキシュー3,4と、一対のブレーキシュー3,4の一方の対向端側に配設されて各ブレーキシュー3,4をドラムに押圧するシュー操作力を発生するホイールシリンダ6と、一対のブレーキシュー3,4の他方の対向端側に配設されて各ブレーキシュー3,4のブレーキ力を受けるアンカー部材7と、これらの構成部材を支持するバッキングプレート9と、一対のブレーキシュー3,4の非制動時におけるドラムとの間の隙間が各ブレーキシュー3,4の摩耗によって増大しないように、各ブレーキシュー3,4の位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置10と、ブレーキシュー4にピン11aを介して回動自在に結合されて駐車時に回動操作により一対のブレーキシュー3,4を拡開して制動力を発生させるパーキングレバー11とを備えている。
なお、図示せぬドラムは、バッキングプレート9と同心で、車両の前進時には図1の矢印R方向に回転する。
以上のブレーキシュー3,4は、ドラムの内周に向かって移動可能に、シュー支持軸14によりバッキングプレート9に取り付けられている。
各ブレーキシュー3,4のホイールシリンダ6側の端部は、シュートゥシュースプリング15によってそれぞれのシューの端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて、それぞれのシューの端部がホイールシリンダ6のピストンに当接した状態に維持されている。
また、各ブレーキシュー3,4のアンカー部材7側の端部は、アンカースプリング16によってそれぞれのシューの端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて、それぞれのシューの端部がアンカー部材7に当接した状態に維持されている。
本実施の形態の自動隙間調整装置10は、図4にも示すように、一方のブレーキシュー3のホイールシリンダ6側でウェブ3a上に立設されたギヤ支持ピン21と、このギヤ支持ピン21を介してウェブ3aに回転自在に支持されると共に、回転中心からの離間距離が徐々に増大する外周面23aにラチェット歯23bが形成されたアジャスタギヤ23と、このラチェット歯23bに噛合するラチェット爪33aを先端の一側に有したアジャスタ規制レバー33と、一端がアジャスタ規制レバー33及びアジャスタギヤ23を介して一方のブレーキシュー3に当接すると共に他端が他方のブレーキシュー4に当接して一対のブレーキシュー3,4間の離隔距離を維持する板状のストラット27とを有している。
アジャスタギヤ23は、ギヤ支持ピン21の軸端に係合するクリップ25によってギヤ支持ピン21に抜け止めされると共に、ギヤ支持ピン21に巻装されたアジャスタスプリング29により回転方向が規制されている。
アジャスタスプリング29は、ラチェット歯23bとラチェット爪33aとの噛合が外れた時にギヤ支持ピン21による回転中心からの離間距離がより大きな個所でラチェット爪33aとの噛合位置に進むように、アジャスタギヤ23を図4の矢印Aに示す回転方向に付勢している。
なお、アジャスタギヤ23には常時アジャスタスプリング29の付勢力が作用しているが、ブレーキ操作がなされていない状態ではラチェット歯23bとラチェット爪33aとの噛合部にはシュートゥシュースプリング15のばね力が作用しているため、噛合位置が変わることはない。
アジャスタ規制レバー33は、基端が、ウェブ3aに立設されたレバー支持ピン31によって回転自在に支持されると共に、レバー支持ピン31の軸端に係合するクリップ35によって抜け止めされている。
レバー支持ピン31は、ホイールシリンダ6からブレーキシュー3への操作力作用点よりも外側となる一方のブレーキシュー3のウェブ3a上に立設されている。
アジャスタ規制レバー33の中間部には、ホイールシリンダ6からの操作力を受ける円弧状の操作力受け部33bが設けられている。また、アジャスタ規制レバー33の先端の他側には、ストラット27の一端が当接される当接面33cが設けられている。
ラチェット爪33aと当接面33cとは、ストラット27の中心軸線の延長線28で対向している。即ち、ラチェット歯23bとラチェット爪33aとの噛合位置は、ストラット27の中心軸線の延長線28上に位置している。
また、本実施の形態の場合、アジャスタ規制レバー33は、操作力受け部33bの僅かな変位でラチェット爪33aを有した先端が大きく変位するように、基端の回転中心からラチェット歯23bに噛合するラチェット爪33aまでの距離Lと、基端の回転中心から操作力受け部33bまでの距離Sとによるレバー比L:Sが設定されている。
ストラット27は、一端側がレバー規制スプリング37によってアジャスタ規制レバー33に連結され、また、他端側が連結スプリング39によってブレーキシュー4に連結されている。
レバー規制スプリング37は、ホイールシリンダ6からの操作力が所定以下の時にホイールシリンダ6からの操作力によるアジャスタ規制レバー33のアジャスタギヤ23側への回動を阻止するように、アジャスタ規制レバー33をストラット27側に付勢する。
従って、ホイールシリンダ6からの操作力が所定以下の時には、レバー規制スプリング37の付勢力によって、アジャスタ規制レバー33の当接面33cがストラット27の一端に当接した状態が維持される。
連結スプリング39は、ストラット27の他端を、ブレーキシュー4のウェブ4aに当接した状態に維持する。
なお、パーキングレバー11は、回動によりストラット27を一方のブレーキシュー3側に押圧変位させることで、一対のブレーキシュー3,4を拡開させて、制動力を発生させる。
以上の自動隙間調整装置10は、ホイールシリンダ6からの操作力Wが所定以上となる制動動作状態では、ホイールシリンダ6からの操作力Wがレバー規制スプリング37の付勢力に抗してアジャスタ規制レバー33の先端をアジャスタギヤ23側に回動させて、ラチェット歯23bとラチェット爪33aとの噛合状態を維持することで、アジャスタギヤ23の回動による隙間調整を規制する。
以上に説明したドラムブレーキ装置100では、ブレーキ操作がなされてホイールシリンダ6がブレーキシュー3の一端をアジャスタ規制レバー33を介して押圧することで、ブレーキシュー3,4の拡開が始まる。しかし、ブレーキシュー3,4相互の拡開が始まっても、各ブレーキシュー3,4がドラムの内周面に接触するまでの間は、ホイールシリンダ6による操作力Wが所定以下になる。したがって、この間は、アジャスタ規制レバー33は、レバー規制スプリング37の付勢力によってアジャスタギヤ23側への回動が阻止され、先端に設けられた当接面33cがストラット27の一端に当接した状態に維持される。そのため、一方のブレーキシュー3のドラム内周面側への拡開変位に伴ってアジャスタギヤ23がストラット27から離れる方向に移動すると、アジャスタ規制レバー33のラチェット爪33aが、アジャスタギヤ23のラチェット歯23bから外れる。すると、アジャスタギヤ23は、回転中心からの離間距離が大きなラチェット歯23bがラチェット爪33aとの噛合位置に進むように、アジャスタスプリング29の付勢力によって回動させられ、ラチェット歯23bが、アジャスタ規制レバー33上のラチェット爪33aに噛合する噛合位置に到達するまで、一気に回動する。
そして、アジャスタギヤ23が回動して、ラチェット爪33aに噛合するラチェット歯23bの噛合位置が代わると、この噛合位置からアジャスタギヤ23の回転中心までの半径が増大し、結局、ストラット27と、アジャスタ規制レバー33と、アジャスタギヤ23とを介在させたブレーキシュー3,4間の離間距離が拡張される。
このようなストラット27、アジャスタ規制レバー33、アジャスタギヤ23を介したブレーキシュー3,4間の離間距離の調整は、各ブレーキシュー3,4がドラムの内周面に接触するまでの移動動作に連動して一気に行われるため、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置の場合と同様に、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシュー3,4との間の初期隙間を大きく設定していても、組み付け後に、ドラムとブレーキシュー3,4との間の隙間を適正隙間に調整するのに、1回の制動操作を実行するだけで良い。従って、車両への組み付け時の初期隙間を大きく設定しておいて、車両への組付け性を向上させることができ、且つ、車両への組み付け後のドラムとブレーキシュー3,4との間の隙間調整を簡単にすることができる。
そして、ブレーキシュー3,4がドラムの内周面に接触した後は、各ブレーキシュー3,4とドラムの摺接によって制動力が発生する状態となり、その時を境に、ホイールシリンダ6のピストンには、ドラムに接触したブレーキシュー3,4からの抗力が作用するため、発生する制動力に応じて、ホイールシリンダ6からブレーキシュー3に伝達される操作力Wも増大していく。
ホイールシリンダ6の操作力Wは、一旦、アジャスタ規制レバー33の操作力受け部33bに入力され、アジャスタ規制レバー33を介して一方のブレーキシュー3に伝達されるようになっている。そして、制動力が所定倍率になって、アジャスタ規制レバー33の操作力受け部33bに入力されるホイールシリンダ6の操作力Wが所定以上に達すると、アジャスタ規制レバー33に作用するアジャスタギヤ23側への回動力が、レバー規制スプリング37の付勢力よりも大きくなって、アジャスタ規制レバー33の先端をアジャスタギヤ23側に変位させる回動動作が発生し、アジャスタギヤ23のラチェット歯23bにアジャスタ規制レバー33のラチェット爪33aが強制的に噛合させられた状態になり、アジャスタギヤ23の回動が阻止される。
従って、その後、更にブレーキ力が増大して、過大なブレーキ力によってドラムが変形するような事態が生じても、ドラムの変形にブレーキシューが追従するようなアジャスト動作は生じない。従って、ブレーキシューの引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することができる。
また、本実施の形態では、アジャスタ規制レバー33は、その基端の回転支点となるレバー支持ピン31の装備位置を、ホイールシリンダ6の操作力Wの作用位置より僅かに外側にオフセットすることで、操作力受け部33bの僅かな変位でラチェット爪33aを有した先端が大きく変位するように、レバー比となる距離L,Sを設定している。このようなレバー比の設定では、操作力受け部33bの僅かな変位で先端側のラチェット爪33aが大きく変位するため、制動力が所定倍率を越えるときに、瞬時にラチェット爪33aをラチェット歯23bに噛合させた状態にすることができ、アジャスタ規制レバーの動作の緩慢に起因するオーバーアジャストの発生を防止することができる。
なお、本発明に係る自動隙間調整装置を装備するドラムブレーキ装置におけるブレーキシューの配置形式は、上記した実施の形態に限らない。リーディングトレーリング式、ツーリーディング式、若しくはデュオサーボ式等のいずれの形式のドラムブレーキ装置にも、本発明に係る自動隙間調整装置は搭載可能である。
本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施の形態の正面図である。 図1に示した一対のブレーキシューと自動隙間調整装置との結合関係の説明図である。 図2の斜視図である。 図1に示した自動隙間調整装置のアジャスタギヤ及びアジャスタ規制レバーと、ストラットとの位置関係を示す拡大図である。
符号の説明
3,4 ブレーキシュー
3a,4a ウェブ
6 ホイールシリンダ
7 アンカー部材
9 バッキングプレート
10 自動隙間調整装置
11 パーキングレバー
15 シュートゥシュースプリング
23 アジャスタギヤ
23a 外周面
23b ラチェット歯
27 ストラット
29 アジャスタスプリング
33 アジャスタ規制レバー
33a ラチェット爪
33b 操作力受け部
33c 当接面
37 レバー規制スプリング
100 ドラムブレーキ装置

Claims (2)

  1. ドラム内空間に配置された一対のブレーキシューの位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置を備えるドラムブレーキ装置であって、
    前記自動隙間調整装置が、ホイールシリンダに押圧される一方のブレーキシュー上に回転自在に支持されると共に、回転中心からの離間距離が徐々に増大する外周面にラチェット歯が形成されたアジャスタギヤと、前記ホイールシリンダの操作力作用点よりも外側となる位置で前記一方のブレーキシューに基端が回転自在に支持されると共に、中間部には前記ホイールシリンダからの操作力を受ける操作力受け部が設けられ、且つ、先端には前記ラチェット歯に噛合可能なラチェット爪が設けられたアジャスタ規制レバーと、このアジャスタ規制レバーに一端を当接すると共に他端を他方のブレーキシューに当接して前記アジャスタ規制レバー及び前記アジャスタギヤを介して一対のブレーキシューの離間距離を維持するストラットと、前記ホイールシリンダからの操作力が所定以下の時に前記アジャスタ規制レバーを前記ストラット側に付勢して前記ラチェット歯との噛合を解除させるレバー規制スプリングと、前記ラチェット爪との噛合が外れた時に前記アジャスタギヤを所定の回転方向に付勢するアジャスタスプリングとを備え、
    前記ホイールシリンダからの操作力が所定以上となると、前記レバー規制スプリングの付勢力に抗して前記アジャスタ規制レバーをアジャスタギヤ側に回動させ、前記ラチェット歯と前記ラチェット爪とを噛合状態にすることを特徴とするドラムブレーキ装置。
  2. 前記アジャスタ規制レバーは、前記操作力受け部の僅かな変位で前記ラチェット爪を有した先端が大きく変位するように、基端の回転中心から前記ラチェット歯に噛合する前記ラチェット爪までの距離と、基端の回転中心から前記操作力受け部までの距離とによるレバー比を設定したことを特徴とする請求項1に記載のドラムブレーキ装置。

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