JP2005127259A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒の劣化判定を、迅速にかつ高精度に行う制御装置を提供する。
【解決手段】第一目標O貯蔵量にする第一目標O貯蔵量設定手段41と、第二目標O貯蔵量にする第二目標O貯蔵量設定手段42と、触媒の実O貯蔵量を推定する実O貯蔵量推定手段43と、目標空燃比を第一目標空燃比にした状態で実O貯蔵量が第一目標O貯蔵量となったとき、目標空燃比を第一目標空燃比から第二目標空燃比に切り換える目標空燃比設定切換手段50と、混合気が目標空燃比設定切換手段により目標空燃比とする空燃比制御手段51と、実O貯蔵量が第一目標O貯蔵量となってから第二目標O貯蔵量となるまでの所要時間(ΔT)を計測するΔT計測手段52と、該ΔT計測手段により計測された所要時間(ΔT)により、触媒の劣化判定する触媒劣化判定手段53を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、排気通路に三元触媒等の排気浄化用触媒を備えるとともに、該触媒の下流側にOセンサが配置されているエンジンの制御装置に係り、特に、前記触媒の劣化判定(診断)を、排気エミッションの悪化を招くことなく、迅速にかつ高精度に行うことができるようにされたエンジンの制御装置に関する。
エンジンから排出される排気(に含まれるHC、CO、NOx等の成分)を浄化するため、排気通路に三元触媒等の排気浄化用触媒を配備するのが一般的である。近年、北米、欧州、日本国内等における規制強化に伴い、排気浄化用触媒の診断精度も高精度化が要望されており、それに応えるべく、触媒の劣化診断装置が幾つか提案されている。
例えば、下記特許文献1には、排気通路に三元触媒を介装するとともに、その下流側にOセンサを配置し、触媒上流側の空燃比をリッチ又はリーンにシフトさせ、三元触媒におけるO貯蔵量を0(枯渇状態)又は最大量(飽和状態)に初期化し、その後、触媒上流の空燃比を反転させて、O貯蔵量が増大又は減少変化するようにし、前記反転後の酸素過剰量又は不足量を算出して時間積分させ、触媒下流側の空燃比が反転すると、それまでに積算された酸素過剰量又は不足量と基準酸素量とを比較し、基準酸素量よりも少ないときに三元触媒が劣化したと判定することが提案されている。
また、下記特許文献2には、触媒の上流側に、空燃比をリニアに検出する空燃比センサを配置するとともに、触媒の下流側に、空燃比が理論空燃比に対してリッチかリーンかを検出するOセンサを配置し、該空燃比センサの出力に基づいて、燃焼に供される混合気の空燃比が目標空燃比となるように空燃比フィードバック制御を行うとともに、該空燃比フィードバック制御の目標空燃比を切り換えるようになし、目標空燃比を切り換えた後、下流側のOセンサの出力が切り換え後の空燃比に向けて変化を開始したときから所定量変化するまでの所要時間に基づいて、触媒が劣化したか否かを診断することが提案されている。
特開平2001−329832号公報(第1〜8頁、図1〜図4) 特開平10−169494号公報(第1〜16頁、図1〜図11)
しかしながら、上記従来提案では、三元触媒の下流側のOセンサがリッチ又はリーン状態から触媒の劣化診断を開始しているが、リッチ又はリーン状態の診断開始時に貯蔵Oが枯渇もしくは飽和状態となっているため、排気エミッションが悪化(HC、CO、NOx等の成分が増加)する虞がある。
また、下流側のOセンサがリーン又はリッチに反転した時点の積算値が基準値以下であるときに、三元触媒の劣化判定をしているが、触媒下流の空燃比がリーン又はリッチに反転した劣化判定時に貯蔵Oが枯渇もしくは飽和状態となっているため、排気エミッションの悪化の虞がある。また、診断終了後の空燃比制御を考慮してないため、貯蔵Oが枯渇もしくは飽和状態となったままとなり、排気エミッションの悪化の虞がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、触媒の劣化診断時及び通常運転時において触媒が貯蔵O枯渇状態及び貯蔵O飽和状態にならないようにして、排気エミッションの悪化を抑制しつつ、触媒の劣化判定(診断)を、迅速にかつ高精度に行うことができるようにされたエンジンの制御装置を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明に係るエンジンの制御装置の第1態様は、排気通路に排気浄化用触媒を備えるとともに、該触媒の下流側にOセンサが配置されているエンジンに適用されるもので、前記触媒における第一目標O貯蔵量を設定する第一目標O貯蔵量設定手段と、前記触媒における第二目標O貯蔵量を設定する第二目標O貯蔵量設定手段と、前記触媒の実O貯蔵量を推定する実O貯蔵量推定手段と、第一目空燃比及び第二目標空燃比を設定するとともに、目標空燃比を前記第一目標空燃比に設定した状態で前記実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量となったとき、目標空燃比を前記第一目標空燃比から前記第二目標空燃比に切り換える目標空燃比設定切換手段と、燃焼に供される混合気の空燃比が前記目標空燃比設定切換手段により設定された目標空燃比となるように制御を行う空燃比制御手段と、前記実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量となってから前記第二目標O貯蔵量となるまでの所要時間(ΔT)を計測するΔT計測手段と、該ΔT計測手段により計測された前記所要時間(ΔT)に基づいて、前記触媒の劣化判定を行う触媒劣化判定手段と、を備える。
好ましい態様では、前記目標空燃比設定切換手段は、前記第一目標空燃比を理論空燃比よりリッチに設定するとともに、前記第二目標空燃比を理論空燃比よりリーンに設定し、前記第一目標O貯蔵量設定手段は、前記第一目標O貯蔵量を0より若干多い量に設定し、前記第二目標O貯蔵量設定手段は、前記第二目標O貯蔵量を前記第一目標O貯蔵量より多い量に設定するようにされる。
このように、第一目標空燃比が理論空燃比よりリッチに設定されると、触媒からOが脱離し、やがて、実O貯蔵量が第一目標O貯蔵量に達する。このとき、目標空燃比が理論空燃比よりリーンの第二目標空燃比に切り換えられる。これにより、触媒にOが貯蔵され、やがて、実O貯蔵量が第二目標O貯蔵量に達する。かかる際の、実O貯蔵量が第一目標O貯蔵量に達した時点から実O貯蔵量が第二目標O貯蔵量に達した時点までの所要時間(Δ)を計測し、この所要時間(ΔT)を触媒の劣化判定(診断)に供する。
一方、他の好ましい態様では、前記目標空燃比設定切換手段は、前記第一目標空燃比を理論空燃比よりリーンに設定するとともに、前記第二目標空燃比を理論空燃比よりリッチに設定し、前記第一目標O貯蔵量設定手段は、前記第一目標O貯蔵量を最大量より若干少ない量に設定し、前記第二目標O貯蔵量設定手段は、前記第二目標O貯蔵量を前記第一目標O貯蔵量より少ない量に設定するようにされる。
このように、第一目標空燃比が理論空燃比よりリーンに設定されると、触媒にOが貯蔵され、やがて、実O貯蔵量が第一目標O貯蔵量に達する。このとき、目標空燃比が理論空燃比よりリッチの第二目標空燃比に切り換えられる。これにより、触媒からOが脱離し、やがて、実O貯蔵量が第二目標O貯蔵量に達する。かかる際の、実O貯蔵量が第一目標O貯蔵量に達した時点から実O貯蔵量が第二目標O貯蔵量に達した時点までの所要時間(Δ)を計測し、この所要時間(ΔT)を触媒の劣化判定(診断)に供する。
一般に、三元触媒は、O貯蔵能力を有しているため、前記目標空燃比の切り換えによって、前記Oセンサ出力の変化に応答遅れを生じる。触媒が新品であるときに比べ、劣化するにつれて、前記所要時間(ΔT)が短くなるため、この所要時間(ΔT)により触媒の劣化診断を行うことができる。ここで、前記所要時間(ΔT)の計測開始時点を検出するための前記第一目標O貯蔵量を、0(枯渇状態)より若干多い量[又は最大量(飽和状態)より若干少ない量]とし、また、前記所要時間(ΔT)の計測終了時点を検出するための前記第二目標O貯蔵量を、前記第一目標O貯蔵量より多い量[又は第一目標O貯蔵量より少ない量]に設定することにより、排気エミッションの悪化を可及的に抑制しつつ、最大O貯蔵可能量(触媒のO貯蔵能力)と相関のある実O貯蔵量を推定することができ、触媒の診断を高精度にかつ迅速に行うことが可能となる。
前記実O貯蔵量推定手段は、好ましくは、前記Oセンサの出力に基づいて、前記実O貯蔵量を推定するようにされる。
つまり、前記Oセンサの出力を空燃比のデータに変換して実際の空燃比を求め、その実際の空燃比に基づいてO貯蔵量を推定するようにされる。
前記第一目標O貯蔵量設定手段及び前記第二目標O貯蔵量設定手段は、好ましくは、それぞれエンジンの運転状態をあらわすエンジン回転数、エンジン負荷等に基づいて、前記第一目標O貯蔵量及び前記第二目標O貯蔵量を設定するようにされる。
このようにされるのは、エンジン回転数とエンジン負荷が高いときは、酸素の貯蔵速度及び脱離速度が速く、目標O貯蔵量を過度に小さく(枯渇状態に近い量)又は過度に大きく(飽和状態に近い量)に設定すると、排気エミッションの悪化の虞があるためであり、エンジン回転数とエンジン負荷に応じて、目標O貯蔵量を設定することにより、排気エミッションの悪化を抑制できる。
前記第一目標O貯蔵量設定手段及び又は前記第二目標O貯蔵量設定手段は、好ましくは、それぞれ前記Oセンサの出力に基づいて、前記第一目標O貯蔵量及び前記第二目標O貯蔵量を設定するようにされる。
前記目標空燃比設定切換手段及び前記ΔT計測手段は、好ましくは、前記Oセンサの出力又はその変化率が第一しきい値以上となったとき、前記実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量以下になったと判断し、前記Oセンサの出力又はその変化率が第二しきい値以下となったとき、実O貯蔵量が前記第二目標O貯蔵量以上となったと判断するようにされるか、あるいは、前記Oセンサの出力又はその変化率が第一しきい値以下となったとき、前記実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量以下になったと判断し、前記Oセンサの出力又はその変化率が第二しきい値以上となったとき、前記実O貯蔵量が前記第二目標O貯蔵量以上となったと判断するようにされる。
他の好ましい態様では、前記触媒における酸素の脱離速度を算出する脱離速度算出手段、前記触媒における酸素の貯蔵速度を算出する貯蔵速度算出手段、及び、前記酸素の脱離速度と貯蔵速度との差分を積分する差分積分手段からなるO貯蔵量モデルを備える。
前記O貯蔵量モデルは、単位時間当たりの酸素の脱離速度と貯蔵速度の差分を積分することでO貯蔵量を推定する。
このように、前記Oセンサの出力から前記実O貯蔵量を推定するのに加え、前記O貯蔵量モデルからも前記実O貯蔵量を推定することにより、O貯蔵量の推定精度が向上する。
この場合、前記脱離速度算出手段及び前記貯蔵速度算出手段は、前記脱離速度及び前記貯蔵速度を、吸入空気量及び前記触媒上流の空燃比又はそれらの積に基づいて算出するようにされる。
すなわち、吸入空気量と触媒上流の空燃比又はそれらの積に基づいて、触媒へ還元もしくは供給されるO濃度を求めることができる。したがって、Oによる触媒での酸素の離脱・貯蔵量を計算上求めることができる。
また、好ましい態様では、前記O貯蔵量モデルにより推定される実O貯蔵量に基づいて、前記ΔT計測手段により計測された前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量を算出するΔT内貯蔵量算出手段を備え、前記触媒劣化判定手段は、前記ΔT内貯蔵量算出手段により算出された前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量に基づいて、前記触媒の劣化判定を行うようにされる。
前記所要時間ΔT内における実O貯蔵量に基づき、最大O貯蔵可能量が推定され、触媒の劣化により、最大O貯蔵可能量は少なくなることから、前記所要時間(ΔT)と同様に触媒の劣化を判定することができる。
さらに好ましい態様では、前記O貯蔵量モデルにより推定される実O貯蔵量に基づいて、前記ΔT計測手段により計測された前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量を算出するΔT内貯蔵量算出手段と、該ΔT内貯蔵量算出手段により算出される、前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量に基づいて、前記触媒における最大O貯蔵可能量を算出する貯蔵可能量算出手段と、を備え、前記触媒劣化判定手段は、前記貯蔵可能量算出手段により算出された前記最大O貯蔵可能量に基づいて、前記触媒の劣化判定を行うようにされる。
前記のように、所要時間ΔTから触媒劣化を判定することに加えて、O貯蔵量モデルを用いて、ΔTにおける実O貯蔵量や最大O貯蔵可能量からも触媒劣化判定を行うようにすることにより、劣化判定精度が一層向上する。
さらに他の好ましい態様では、前記第1態様において、前記目標空燃比設定切換手段は、第三目空燃比を設定するようにされ、目標空燃比を前記第一目標空燃比から前記第二目標空燃比に切り換えた状態で前記実O貯蔵量が前記第二目標O貯蔵量となったとき、目標空燃比を前記第二目標空燃比から前記第三目標空燃比に切り換えるようにされる。
この場合、前記目標空燃比設定切換手段は、好ましくは、前記第三目標空燃比を、前記第二目標空燃比が理論空燃比よりリーンの場合は、理論空燃比よりリッチに、前記第二目標空燃比が理論空燃比よりリッチの場合は、理論空燃比よりリーンに設定するようにされる。
ここで、前記所要時間(ΔT)の計測終了時点においては、目標空燃比は、理論空燃比よりリーン又はリッチであるため、排気エミッションが悪化する虞がある。そのため、空燃比をストイキに戻すべく、前記のように目標空燃比を第三目標空燃比に切り換えるようにされる。
前記目標空燃比設定切換手段は、好ましくは、前記第一目標空燃比、前記第二目標空燃比、及び/又は前記第三目標空燃比を、エンジンの運転状態に基づいて設定するようにされる。
さらに好ましい態様では、第三目標O貯蔵量を設定する第三目標O貯蔵量設定手段を備え、前記目標空燃比設定切換手段は、目標空燃比を前記第二目標空燃比から前記第三目標空燃比に切り換えた状態で前記実O貯蔵量が前記第三目標O貯蔵量となったとき、目標空燃比を前記第三目標空燃比から理論空燃比に切り換えるようにされる。
これにより、一層迅速に、O貯蔵量を平衡状態に戻すことができる。
また、前記第三目標O貯蔵量設定手段は、好ましくは、エンジンの運転状態をあらわすエンジン回転数及びエンジン負荷、Oセンサの出力、及び/又は、前記O貯蔵量モデルで推定された実O貯蔵量に基づいて、前記第三目標O貯蔵量を設定するようにされる。
すなわち、エンジン回転数とエンジン負荷が高いときは、酸素の貯蔵速度及び脱離速度が速く、目標O貯蔵量を平衡状態から大きく逸脱した量に設定すると、排気エミッションの悪化の虞があるため、エンジン回転数とエンジン負荷に応じて第三目標O貯蔵量を設定する。
また、前記Oセンサの出力から前記第三目標O貯蔵量を推定するのに加え、前記O貯蔵量モデルからも前記第三O貯蔵量を推定することにより、O貯蔵量の推定精度が向上する。
本発明に係る制御装置の好ましい態様では、前記空燃比制御手段は、前記Oセンサの出力に基づく、空燃比フィードバック制御を行うようにされ、かつ、前記第一目標空燃比に設定してから前記第二目標O貯蔵量になるまでは、前記空燃比フィードバック制御を停止するようにされる。
これは、前記所要時間(ΔT)内に触媒下流空燃比フィードバック制御を実行すると、前記所要時間(ΔT)、つまり、触媒劣化診断に影響するため、触媒下流空燃比フィードバック制御を停止する。
他の好ましい態様では、前記実O貯蔵量推定手段として、前記触媒における酸素の脱離速度を算出する脱離速度算出手段、前記触媒における酸素の貯蔵速度を算出する貯蔵速度算出手段、及び、前記酸素の脱離速度と貯蔵速度との差分を積分する差分積分手段からなるO貯蔵量モデルと、該O貯蔵量モデルにより推定される実O貯蔵量に基づいて、前記ΔT計測手段により計測された前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量を算出するΔT内貯蔵量算出手段と、該ΔT内貯蔵量算出手段により算出される、前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量に基づいて、前記触媒における最大O貯蔵可能量を算出する貯蔵可能量算出手段と、を備え、前記空燃比制御手段は、触媒下流の空燃比を前記目標空燃比設定切換手段により設定される目標空燃比とすべく、前記Oセンサ出力に基づく、空燃比フィードバック制御を行うようにされるとともに、前記貯蔵可能量算出手段により算出された最大O貯蔵可能量に基づいて、前記空燃比フィードバック制御における空燃比補正係数を変更するようにされる。
すなわち、触媒の劣化により前記最大O貯蔵量が少ないときは、例えば、空燃比フィードバック制御のフィードバック補正係数を小さくする。これにより、Oの増減が小さくなり、触媒が枯渇状態及び飽和状態になるのを防ぐことができ、排気エミッションの悪化を抑制することができる。
さらに他の好ましい態様では、排気通路における前記触媒の上流側の空燃比をリニアに検出するリニア空燃比センサと、前記実O貯蔵量推定手段として、前記触媒における酸素の脱離速度を算出する脱離速度算出手段、前記触媒における酸素の貯蔵速度を算出する貯蔵速度算出手段、及び、前記酸素の脱離速度と貯蔵速度との差分を積分する差分積分手段からなるO貯蔵量モデルと、を備え、前記空燃比制御手段は、前記O貯蔵量モデルにより推定される実O貯蔵量に基づいて、前記触媒の実O貯蔵量が目標O貯蔵量となるように、前記触媒上流の空燃比を前記目標空燃比設定切換手段により設定される目標空燃比とすべく、前記リニア空燃比センサ出力に基づく、空燃比フィードバック制御を行うようにされる。
すなわち、触媒劣化診断時外の通常運転時も、Oが枯渇及び飽和しないように、前記O貯蔵量モデルに基づいて、前記触媒上流空燃比フィードバック制御を行うことにより、排気エミッションの悪化を抑制することが可能となる。
さらに別の好ましい態様では、排気通路における前記触媒の上流側の空燃比をリニアに検出するリニア空燃比センサと、前記実O貯蔵量推定手段として、前記触媒における酸素の脱離速度を算出する脱離速度算出手段、前記触媒における酸素の貯蔵速度を算出する貯蔵速度算出手段、及び、前記酸素の脱離速度と貯蔵速度との差分を積分する差分積分手段からなるO貯蔵量モデルと、該O貯蔵量モデルにより推定される実O貯蔵量に基づいて、前記ΔT計測手段により計測された前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量を算出するΔT内貯蔵量算出手段と、該ΔT内貯蔵量算出手段により算出される、前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量に基づいて、前記触媒における最大O貯蔵可能量を算出する貯蔵可能量算出手段と、を備え、前記空燃比制御手段は、触媒上流の空燃比を前記目標空燃比設定切換手段により設定される目標空燃比とすべく、前記リニア空燃比センサ出力に基づく、空燃比フィードバック制御を行うようにされるとともに、前記貯蔵可能量算出手段により算出された最大O貯蔵可能量に基づいて、前記空燃比フィードバック制御における空燃比補正係数を変更するようにされる。
すなわち、触媒の劣化により前記最大O貯蔵量が少ないときは、例えば、触媒下流空燃比フィードバック制御のフィードバック補正係数を小さくする。これにより、Oの増減が小さくなり、触媒が枯渇状態及び飽和状態になるのを防ぐことができ、排気エミッションの悪化を抑制することができる。
本発明によれば、触媒の劣化診断時及び通常運転時において、触媒において貯蔵O枯渇状態及び貯蔵O飽和状態にならないようにでき、排気エミッションの悪化を抑制しつつ、触媒の劣化判定(診断)を、迅速にかつ高精度に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る制御装置の一実施形態をそれが適用されたエンジンと共に示すシステム構成図ある。
エンジン1は、シリンダヘッド1A及びシリンダブロック1Bからなる本体部に例えば4つの気筒9が形成されており、各気筒9には、ピストン8が摺動自在に嵌挿され、このピストン8上方に燃焼室1Cが画成されている。各気筒9の燃焼室1Cには、点火コイルに接続された点火プラグ12が臨設されるとともに、吸気通路18(の下流部分を形成する吸気管及び吸気ポートからなる分岐通路部)及び排気通路19(の上流部分を形成する排気ボート及び排気管からなる個別通路部)が吸気弁6及び排気弁7を介してそれぞれ連通せしめられている。
前記吸気通路18には、その上流側から順次、エアクリーナ20、アイドルスピードコントロール(ISC)弁5、スロットル弁3、吸入空気量を検出するエアフローセンサ2、吸気通路18におけるスロットル弁3より下流側(コレクタボックス30)の圧力を検出する圧力センサ31、スワール流を生成するためのスワールコントロール弁27、及び、燃料噴射弁(インジェクタ)11が配在されている。なお、スワールコントロール弁27及び燃料噴射弁11は、吸気通路18の下流部分を形成する分岐通路部に配在されている。
一方、燃料タンク21内の燃料は、燃料ポンプ22によって、吸引・加圧された後、プレッシャーレギュレータ15を備えた燃料通路23を通って前記燃料噴射弁11に導かれ、余分な燃料は、燃料タンク21に戻される。
前記排気通路19には、排気浄化用の三元触媒24が備えられ、この触媒24の上流側に、排ガス中の空燃比をリニアに検出する空燃比センサ16が配置され、前記触媒24の下流側に、触媒診断用のOセンサ17が配置されている。
また、排気通路19に排出された排ガスの一部は、EGR制御弁28が備えられたEGR通路29を通じて吸気通路18(のコレクタボックス30)に導入され、各気筒9の燃焼室1Cに還流せしめられる。
かかる構成を有するエンジン1においては、エアクリーナ20で清浄化されて吸気通路18上流部に吸入された空気は、スロットル弁3で流量を調整された後、燃料噴射弁11から吸気通路18内に噴射供給された燃料(ガソリン)と混合されて各気筒9の燃焼室1Cに吸入され、燃焼室1Cに吸入された混合気は、点火プラグ12により点火されて爆発燃焼せしめられ、その燃焼排ガスは、排気通路19に備えられた触媒24により浄化された後、マフラー25を経由して外部(大気)に排出される。
そして、本実施形態においては、燃料噴射量の制御(燃焼に供される混合気の空燃比の制御)、点火時期の制御、前記触媒24の診断等を行うべく、コントロールユニット10が備えられている。コントロールユニット10は、それ自体はよく知られているもので、MPU、I/O、ROM、RAM、A/D変換、タイマー/カウンタ等からなっている。
コントロールユニット10には、エアフローセンサ2、スロットルセンサ4、圧力センサ31、クランク角センサ13、水温センサ14、空燃比センサ16、Oセンサ17等から、それぞれ吸入空気量、スロットル開度、吸気通路内圧力、エンジン回転数、冷却水温、排ガス中の空燃比、触媒24下流の酸素濃度等に応じた検出信号が供給され、コントロールユニット10は、それらの信号に基づいて、所定の演算処理を行い、空燃比制御、触媒24の診断等を行う。
次に、コントロールユニット10が実行する空燃比制御及び触媒24の診断等の内容を詳細に説明する。
コントロールユニット10は、図2に機能ブロック図で示されているように、クランク角センサ13により検出されるエンジン回転数及びエアフローセンサ2により検出される吸入空気量(エンジン負荷)に基づいて、第一目標O貯蔵量を設定する第一目標O貯蔵量設定手段41と(図3参照)、同様にして第二目標O貯蔵量に近い第二目標O貯蔵量を設定する第二目標O貯蔵量設定手段42と(図4参照)、Oセンサ17の出力(検出信号)に基づいて、前記触媒24に実際に貯蔵されているO量(以下、目標O貯蔵量と区別するために実O貯蔵量と記す)を推定(間接的に検出)する実O貯蔵量推定手段43と、スロットル開度、前記エンジン回転数及びエンジン負荷に基づいて、理論空燃比よりリッチ側の第一目標空燃比及び理論空燃比よりリーン側の第二目標空燃比を設定するとともに、前記実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量になったことが検知されたとき、設定目標空燃比を前記第一目標空燃比から前記第二目標空燃比に切り換える目標空燃比設定切換手段50と、リニア空燃比センサ16の出力に基づいて、燃焼に供される混合気の空燃比を前記目標空燃比設定切換手段50により選択設定された目標空燃比となるように燃料噴射量をフィードバック制御する空燃比制御手段51と、前記実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量になったことが検知されてから前記第二目標O貯蔵量になったことが検知されるまでの所要時間ΔTを計測するΔT計測手段52と、このΔT計測手段により計測された前記所要時間ΔTに基づいて、前記触媒の劣化を判定する触媒劣化判定手段53と、を備える。
なお、前記エンジン負荷としては、吸入空気量だけでなく、スロットルセンサ4により検出されるスロットル開度や圧力センサ31により検出される吸気通路内圧力等を用いることができる。
一方、前記第一目標O貯蔵量設定手段41及び第二目標O貯蔵量設定手段42は、第一目標O貯蔵量及び第二目標O貯蔵量を次のようにして設定する。
すなわち、図3、図4に示される如くに、エンジン回転数とエンジン負荷で定められる運転領域毎に最適な第一目標O貯蔵量及び第二目標O貯蔵量を予めマップにしてROMに格納しておき、それを必要に応じてオンライン参照して、そのときのエンジン回転数とエンジン負荷に対応するそれぞれの目標O貯蔵量を読み出すことにより設定するようにされる。最適な目標O貯蔵量は、低負荷低回転領域では平衡状態(触媒内でOの貯蔵と脱離が均衡している状態)から大きく逸脱しない範囲で平衡状態より若干少ないかもしくは若干多い量に設定し、高負荷高回転領域では、低負荷低回転領域での設定量より平衡状態寄りに設定するのがよい。
ここで、前記触媒24下流に配在されたOセンサ17の出力(電圧)は、図5Aに示される如くに、触媒24下流の空燃比の変化に対して、空燃比がストイキ近傍(理論空燃比近傍)にあるときはその変化率が小さいが、ストイキからリーン側及びリッチ側に離れるに従ってその変化率は大きくなる。また、Oセンサ17の出力は、触媒24における脱離・貯蔵が平衡状態にあるとき、つまり、触媒24下流の空燃比がストイキにあるとき、その変化率は小さくなり、触媒24の実O貯蔵量が最大量(飽和状態)近くにあるときと、最小量(枯渇状態)近くにあるときとでは、電圧差が大きくなるので、該出力に基づいて、飽和側か枯渇側かのいずれの状態(の近く)にあるかを明瞭に識別できる。本実施形態では、かかる観点から、前記第一目標O貯蔵量設定手段41は、前記第一目標O貯蔵量を、排気エミッションがさほど悪化しない範囲内で、平衡状態におけるO貯蔵量より若干少ない量に設定し、前記第二目標O貯蔵量設定手段は、排気エミッションがさほど悪化しない範囲内で、前記第二目標O貯蔵量を、平衡状態におけるO貯蔵量より若干多い量に設定する(前記のようにエンジン運転状態に応じて変更する)。
そして、本実施形態では、触媒24のO貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量以下となると、Oセンサ17の出力が所定値(しきい値Sa)以上となり、また、触媒24のO貯蔵量が前記第二目標O貯蔵量以上となると、Oセンサ17の出力が所定値(しきい値Sb)以下となることを利用して、前記所要時間ΔTを計測するようにされる。
次に、前記ΔT計測手段52によるΔTの計測について、図6を参照しながら説明する。図6において(1)で示される如くに、目標空燃比をストイキ(空気過剰率λ=1)からリッチ側の第一目標空燃比に変更すると(時点A)、(2)のように、触媒24上流の空燃比を検出する空燃比センサ16の出力(検出信号)もストイキからリッチ側に変化する。なお、ここで言う空燃比センサ16の出力とは、空燃比センサ16から得られる検出信号の電圧を空燃比に変換したものと定義する。また、(4)で示されるように、時点A以降は、空燃比がリッチであるので、触媒24からOが脱離し、そのO貯蔵量が減っていく。
そして、触媒24の実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量近くまで減少すると、触媒24からのO脱離量が減少し、図6の(3)で示される如くに、Oセンサ17の出力が、増大に転ずる(ストイキからリッチ側に変化する)。つまり、Oセンサ17の出力は、空燃比センサ16の出力に対し相当の遅れをもち、このOセンサ17のストイキからリッチ側への変化の遅れ、つまり空燃比の応答遅れは、三元触媒においては、O貯蔵能力(=O Storage Capacity、以下、場合によってはOSCと略記することがある)によるもので、三元触媒の診断(劣化判定)はOSCの低下を検出することで実現する。なお、本実施形態では、三元触媒について説明しているが、例えば、HC吸着触媒、NOx触媒等も、OSCに基づいて同様に診断可能である。
ここで、三元触媒のOSCについて図8を参照しながらさらに詳しく説明する。三元触媒のOSCとは、Oを溜め込む能力のことで、図8(1)に示される如くに、触媒入口の空燃比がストイキ(空気過剰率λ=1)のときは、触媒内でOの貯蔵と脱離が平衡状態となり、触媒出口の空燃比はストイキを保持する。図8(2)に示される如くに、触媒入口の空燃比がストイキ(λ=1)よりもリーン側(λ>1)では、Oを貯蔵し、触媒出口空燃比をストイキに保持するが、触媒のO貯蔵能力にも限界があり、その限界に達するとOを貯蔵することができなくなり、空燃比もストイキから外れリーン雰囲気になってしまう。同様に、図8(3)に示される如くに、触媒入口の空燃比がストイキよりもリッチ側(λ<1)では、Oを脱離することで触媒出口の空燃比をストイキに保持するが、貯蔵したOを使い果たし枯渇状態となると、空燃比はストイキから外れリッチ雰囲気となってしまう。前記Oセンサ出力の変化の遅れはこのOSCによるもので、Oセンサ17の出力に基づいて、空燃比の応答遅れ時間を評価することで触媒24の劣化を判定し触媒の診断を行うことが可能となる。
そして、図6において(5)で示されるように、Oセンサ17の出力が、触媒24の実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量以下になったことを示すしきい値Sa以上となった時点Bにおいて、目標空燃比を第一目標空燃比から理論空燃比よりリーン側の第二目標空燃比に切り換える。これにより、空燃比センサ16の出力は、リッチからリーンに変化し、触媒24においては、空燃比がリーンであることからOが次第に貯蔵され、その実O貯蔵量が増えていく。
一方、Oセンサ17の出力は、時点B以後、前記しきい値Sa越えて略一定値を維持する(図6(3)参照)。そして、触媒24の実O貯蔵量が第二目標O貯蔵量近くまで増えると、Oセンサ17の出力も低下し始め、やがて、図6(7)で示されるように、Oセンサ17の出力が前記第二目標O貯蔵量になったことを示すしきい値Sb以下となる。Oセンサ17の出力がしきい値Sb以下となった時点Cにおいて、目標空燃比をストイキに戻す。これにより、時点Cからしばらく遅れて、空燃比センサ16及びOセンサ17の出力もストイキを示す値に戻る。
ここで、Oセンサ17の出力が、触媒24の実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量になったことを示すしきい値Sa以上となる時点Bから、前記第二目標O貯蔵量になったことを示すしきい値Sb以下となる時点Cまでの所要時間ΔTは、触媒24のO貯蔵能力(OSC)に応じたものとなる。つまり、ΔTが短ければ、触媒24のO貯蔵能力(OSC)が低く、ΔTが長ければ、触媒24のO貯蔵能力(OSC)が高いと言える。したがって、時点Bから時点Cまでの所要時間ΔTをΔT計測手段52で計測し、触媒劣化判定手段53が、その計測されたΔTに基づいて触媒24の劣化判定(診断)を行う。具体的には、前記触媒劣化判定手段53は、前記ΔTが所定時間Taより短くなったとき、触媒24が許容できない程度まで劣化した(異常が生じた)と判定し、その旨を警報手段を構成する例えば表示器26(図1参照)に表示する。
ところで、図9(1)、(2)に示すように、前記目標空燃比設定切換手段50においては、目標空燃比を、吸入空気量が大きくなるに従い、つまり、O貯蔵(吸着)速度及びO脱離速度が速くなるにつれ目標空燃比をストイキに近いように設定する。なお、目標空燃比は図9(3)、(4)のように、吸入空気量の一定の領域毎に切り換えても良い。これにより、触媒24内のO貯蔵速度及びO脱離速度を一定に保つことが可能となる。酸素の貯蔵速度と脱離速度を一定に保つことで、触媒24の劣化度を示すΔTは、同劣化度の触媒であれば吸入空気量の変化に影響を受けること無く一定の値を示すこととなる。つまり、触媒劣化の判定値を一本化することができ、診断ロジックの簡易化にも繋がる。
前記した如くの、触媒24の劣化判定(診断)は、コントロールユニット10により行われるが、かかる劣化判定に際してコントロールユニット10が実行するプログラムの一例(ルーチン)を図10にフローチャートで示す。
この触媒劣化判定ルーチンは、例えば、エンジン1がストイキ(理論空燃比)で運転されている際(通常運転状態)に、運転者が触媒劣化判定を行うための操作(ボタン押し操作等)を行ったときにスタートし、判定結果が出たときに終了する。このルーチンでは、まず、ステップS100(以下S100と略記)において、エンジン1の運転状態(エンジン回転数、エンジン負荷等)を読み込み、S101において、触媒24のO貯蔵量を一定の値(第一目標O貯蔵量)とする目的で、前記運転状態に基づいて第一目標空燃比(理論空燃比よりリッチ側)を算出するとともに、設定目標空燃比をストイキから第一目標空燃比に切り換える。これにより、本ルーチンとは別の空燃比制御ルーチンにおいて、燃焼に供される混合気の空燃比がストイキから第一目標空燃比に切り換えられ、空燃比を第一目標空燃比とすべく、空燃比センサ16の出力に基づいて、例えば燃料噴射量のフィードバック制御が行われる。
続くS102では、前記運転状態に基づいて第一目標O貯蔵量を算出し、次のS103において、Oセンサ17の出力を読み込み、続くS104において、Oセンサ17の出力が、触媒24の実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量以下になったことを示すしきい値Sa以上であるか否かを判断し、しきい値Sa以上ではないと判断された場合には、S103、S104を、Oセンサ17の出力がしきい値Sa以上となるまで繰り返して実行する。
S104において、Oセンサ17の出力がしきい値Sa以上となったと判断された場合、すなわち、前記実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量以下となったと判断された場合には、S105において内蔵タイマーをスタートさせてΔTの計測を開始し、続くS106において、エンジン1の運転状態(エンジン回転数、エンジン負荷等)を読み込み、S107において、触媒24のO貯蔵量を測定する目的で、前記運転状態に基づいて第二目標空燃比(理論空燃比よりリーン側)を算出するとともに、設定目標空燃比を第一目標空燃比から第二目標空燃比に切り換える。これにより、本ルーチンとは別の空燃比制御ルーチンにおいて、燃焼に供される混合気の空燃比が第一目標空燃比から第二目標空燃比に切り換えられ、空燃比を第二目標空燃比とすべく、空燃比センサ16の出力に基づいて、例えば燃料噴射量のフィードバック制御が行われる。
続くS108では、前記運転状態に基づいて、第二目標O貯蔵量を算出し、次のS109において、Oセンサ17の出力を読み込み、続くS110において、Oセンサ17の出力が、触媒24の実O貯蔵量が前記第二目標O貯蔵量以上になったことを示すしきい値Sb以下であるか否かを判断し、しきい値Sb以下ではないと判断された場合には、S109、S110を、Oセンサ17の出力がしきい値Sb以下となるまで繰り返して実行する。
S110において、Oセンサ17の出力がしきい値Sb以下となったと判断された場合、すなわち、前記実O貯蔵量が前記第二目標O貯蔵量以上となったと判断された場合には、S111において前記ΔTを求めるべく内蔵タイマーをリセットしてその計測を終了し、続くS112において、S111で求められたΔTが劣化判定用として予め設定されている所定時間Ta以下か否かを判断し、ΔTが所定時間Ta以下ではないと判断された場合には、触媒24はさほど劣化していないと判定して、このルーチンを終了し、ΔTが所定時間Ta以下であると判断された場合には、S113において、触媒24が許容できない程度まで劣化した(異常が生じた)と判定し、その旨を警報手段を構成する例えば表示器26(図1参照)に表示する処理を行って、このルーチンを終了する。
以上は、ΔTの計測にあたって、図6に示される如くに、目標空燃比を、ストイキ(理論空燃比)→時点Aでリッチ側の第一目標空燃比→時点Bでリーン側の第二目標空燃比→時点Cでストイキへと切り換えるようにしているが、それとは逆に、図7に示される如くに、目標空燃比を、ストイキ(理論空燃比)→時点Dでリーン側の第二目標空燃比→時点Eでリッチ側の第一目標空燃比→時点Fでストイキへと切り換えるようにしてもよい。この場合も、Oセンサ17の出力が、触媒24の実O貯蔵量が前記第二目標O貯蔵量になったことを示すしきい値Sb以下となる時点Eから、前記第二目標O貯蔵量になったことを示すしきい値Sb以上となる時点Fまでの所要時間ΔTを計測し、この所要時間ΔTに基づいて触媒24の劣化判定(診断)を行うことができる。
以上に述べたように、本実施形態では、前記所要時間ΔTの計測開始時点及び計測終了時点となる、触媒の実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量となる時点及び前記第二目標O貯蔵量となる時点を精度良く検出するため、前記第一目標O貯蔵量及び前記第二目標O貯蔵量を、平衡状態でのO貯蔵量より排気エミッションが悪化しない程度で若干少ないかもしくは若干多い量に設定しているので、最大O貯蔵可能量(触媒のO貯蔵能力)と相関のあるO貯蔵量を計測することによる診断精度の向上、所要時間ΔTを確保することによる診断精度の向上、触媒の貯蔵Oが常に(診断時及び通常運転時のいずれも)枯渇もしくは飽和状態でないことによる排気エミッションの悪化の抑制、及び、診断の迅速化等を図ることが可能となる。
以上に述べた例では、触媒24の実O貯蔵量を、Oセンサ17の出力に基づいて推定し、推定された実O貯蔵量が第一目標O貯蔵量になった時点から第二目標O貯蔵量になった時点までの所要時間ΔT、あるいは、推定された実O貯蔵量が第二目標O貯蔵量になった時点から第一目標O貯蔵量になった時点までの所要時間ΔTを計測することにより、触媒24の劣化判定(診断)を行うようにされているが、前記所要時間ΔTの長短による劣化判定以外にも、O貯蔵量モデルを用いて触媒24の劣化判定(診断)を行うこともできる。以下、O貯蔵量モデルを用いて触媒24の劣化判定(診断)を行う場合について図11を参照しながら説明する。なお、図11において、前述した図2に示される各手段に対応する部分には同一の符号を付して重複説明を省略する。
貯蔵量モデル60は、図11に示される如くに、吸入空気量と空燃比に基づいて、触媒24における酸素の脱離速度を算出する手段61と、同じく吸入空気量と空燃比に基づいて、触媒24における酸素の貯蔵速度を算出する手段62と、前記脱離速度算出手段61及び貯蔵速度算出手段62により算出された単位時間当たりの酸素脱離速度と酸素貯蔵速度との差分を積分して実O貯蔵量を推定する差分積分手段63と、からなる。
さらに、コントロールユニット10は、ΔT計測手段52により求められた所要時間ΔTとO貯蔵量モデル60の差分積分手段63により推定された実O貯蔵量に基づいて、ΔT内における実O貯蔵量を推定する手段65と、ΔTにおける実O貯蔵量に基づいて最大O貯蔵可能量を推定する手段66と、を備え、触媒劣化判定手段53は、ΔTにおける実O貯蔵量が所定値Ja以下である場合、あるいは、最大O貯蔵可能量が所定値Jb以下である場合に、触媒24が許容できない程度まで劣化した(異常が生じた)と判定し、その旨を警報手段を構成する例えば表示器26(図1参照)に表示する。
前記のように、所要時間ΔTから触媒劣化を判定することに加えて、O貯蔵量モデルを用いて、ΔTにおける実O貯蔵量及び最大O貯蔵可能量からも触媒劣化判定を行うようにすることにより、劣化判定精度が一層向上する。
前記した如くの、O貯蔵量モデル60を用いての触媒24の劣化判定(診断)は、コントロールユニット10により行われるが、かかる劣化判定に際してコントロールユニット10が実行するプログラムの一例(ルーチン)を図12にフローチャートで示す。
この触媒劣化判定ルーチンは、まず、S199において、前述した図10に示される触媒劣化判定ルーチンから得られるΔT計測情報を取得し、S200では吸入空気量を読み込み、S201ではリニア空燃比センサ16の出力、つまり、触媒24上流の空燃比を読み込む。次に、S202では前記吸入空気量と前記空燃比に基づいて酸素の脱離速度を算出し、S203では酸量の貯蔵速度を算出する。S204で前記酸素の脱離速度及び貯蔵速度の差分を積分し、実O貯蔵量を推定する。次にS205で、S199で求められたΔT計測情報と前記のようにして推定された実O貯蔵量に基づいて、ΔT内の実O貯蔵量を算出する。S206では、ΔT内の実O貯蔵量から最大O貯蔵可能量を算出する。S207において、ΔT内の実O貯蔵量が所定値Ja以下もしくは最大O貯蔵可能量が所定値Jb以下であれば、触媒24が許容できない程度まで劣化したと判定し、S208において表示器26にその旨を表示する処理を行ってこのルーチンを終了し、所定値Ja、Jbを越えていれば、元に戻る。
図13は、触媒劣化診断を行う場合の他の例を機能ブロック図で示す。なお、図13において、前述した図2に示される各手段に対応する部分には同一の符号を付して重複説明を省略する。
この例は、図2に示される例と略同じであるが、エンジン回転数とエンジン負荷に基づいて、第三目標O貯蔵量(ストイキでのO貯蔵量と略同じ)を設定する第三目標O貯蔵量設定手段44を備え、目標空燃比設定切換手段50は、前記第一目標空燃比及び前記第二目標空燃比に加えて、理論空燃比よりリッチ側の第三目空燃比及び理論空燃比である第四目標空燃比を設定するようにされる。
そして、図14に示される如くに、図6を用いて説明した場合と同様に、目標空燃比を前記第一目標空燃比から前記第二目標空燃比に切り換えた状態で、(8)のように、実O貯蔵量が第二目標O貯蔵量以上となった時点C、つまり、ΔT計測終了時点Cで、目標空燃比を第二目標空燃比から第三目標空燃比に切り換える。
これにより、時点Cから若干遅れて空燃比センサ16の出力がリッチ側に変化し、O貯蔵量がストイキ(平衡状態)側に向かい、Oセンサの出力もストイキ側に変化する。そして、Oセンサ17の出力がしきい値Sc以上となった時点G、つまり、実O貯蔵量が第三目標O貯蔵量設定手段44により設定された第三目標O貯蔵量に到達したら(以下になったら)、目標空燃比を第四目標空燃比(理論空燃比)に戻すようにされる。
ここで、前記所要時間ΔTの計測終了時点Cでの前記第二目標O貯蔵量は、平衡状態でのO貯蔵量からは、若干ではあるが外れた量であるため、排気エミッションが悪化する虞がある。そのため、速やかにO貯蔵量を平衡状態に戻すべく、前記のように目標空燃比をΔT計測終了時点Cで第三目標空燃比に切り換え、さらに、第三目標O貯蔵量になった時点Gで目標空燃比を理論空燃比とすることで、一層迅速に、O貯蔵量を平衡状態に戻すことができる。
次に、上記の如くのΔT計測終了後処理を行う場合の触媒劣化判定ルーチンを図15に示す。このルーチンでは、S100からS113までは、前述した図10に示される場合と同様な処理を実行し、触媒劣化判定処理S112、S113が終了したら、S300に進み、エンジン運転状態を読み込み、S301において、前記運転状態に基づいて触媒24内のO貯蔵量を速やかに平衡状態にする目的で第三目標空燃比を設定するとともに、目標空燃比を第二目標空燃比から第三目標空燃比に切り換える。
続く、S303では、Oセンサ17の出力を取り込み、S304において、Oセンサ17の出力が、触媒24の実O貯蔵量が前記第三目標O貯蔵量以下になったことを示すしきい値Sc以上であるか否かを判断し、しきい値Sc以上ではないと判断された場合には、S303、304を、Oセンサ17の出力がしきい値Sc以上となるまで繰り返して実行する。
実O貯蔵量が前記第三目標O貯蔵量以下になったと判断された場合に進むS305においては、運転状態を読み込み、続く、S306で運転状態に応じた第四目標空燃比(理論空燃比)を設定するとともに、目標空燃比を第三目標空燃比からに第四目標空燃比を切り換えて、このルーチンを終了する。
なお、本実施形態では、空燃比センサ16の出力に基づいて触媒上流空燃比フィードバック制御を行うようにしているが、前記Oセンサの出力に基づく、触媒下流空燃比フィードバック制御を行うようにしてもよく、この場合は、前記所要時間ΔT内は、前記触媒下流空燃比フィードバック制御を停止するようにされる。
これは、前記所要時間ΔT内に触媒下流空燃比フィードバック制御を実行すると、前記所要時間ΔT、つまり、触媒劣化診断に影響するため、触媒下流空燃比フィードバック制御を停止する。
また、前記Oセンサ出力に基づく、触媒下流空燃比フィードバック制御を行う場合は、前記の如くにして算出された最大O貯蔵可能量に基づいて、前記触媒下流空燃比フィードバック制御における空燃比補正係数を変更するようにされる。
すなわち、触媒の劣化により前記最大O貯蔵量が少ないときは、例えば、触媒下流空燃比フィードバック制御のフィードバック補正係数を小さくする。これにより、Oの増減が小さくなり、触媒が枯渇状態及び飽和状態になるのを防ぐことができ、排気エミッションの悪化を抑制することができる。
一方、空燃比制御に関して、前記O貯蔵量モデルにより推定される実O貯蔵量に基づいて、前記触媒の実O貯蔵量が目標O貯蔵量となるように、前記触媒上流の空燃比を目標空燃比とすべく、前記リニア空燃比センサ出力に基づく、触媒上流空燃比フィードバック制御を行うようにしてもよい。
すなわち、触媒劣化診断時外の通常運転時も、Oが枯渇及び飽和しないように、前記O貯蔵量モデルに基づいて、前記触媒上流空燃比フィードバック制御を行うことにより、排気エミッションの悪化を抑制することが可能となる。
また、前記空燃比センサ出力に基づく、触媒上流空燃比フィードバック制御を行う場合も、前記の如くにして算出された最大O貯蔵可能量に基づいて、前記触媒下流空燃比フィードバック制御における空燃比補正係数を変更するようにされる。
すなわち、触媒の劣化により前記最大O貯蔵量が少ないときは、例えば、触媒下流空燃比フィードバック制御のフィードバック補正係数を小さくする。これにより、Oの増減が小さくなり、触媒が枯渇状態及び飽和状態になるのを防ぐことができ、排気エミッションの悪化を抑制することができる。
本発明に係る制御装置の一実施形態をそれが適用されたエンジンとともに示す図。 コントロールユニットによる処理内容の一例の説明に供される機能ブロック図。 第一目標O貯蔵量設定手段の説明に供される図。 第二目標O貯蔵量設定手段の説明に供される図。 センサ出力とO貯蔵量の関係を示す図。 第一目標空燃比が理論空燃比よりリッチに設定された場合におけるΔT計測の説明に供されるタイムチャート。 第一目標空燃比が理論空燃比よりリーンに設定された場合におけるΔT計測の説明に供されるタイムチャート。 触媒のO貯蔵能力の説明に供される図。 目標空燃比と吸入空気量の関係の説明に供される図。 コントロールユニットが実行する触媒劣化判定ルーチンの一例を示すフローチャート。 コントロールユニットによる処理内容の他の例の説明に供される機能ブロック図。 コントロールユニットが実行する触媒劣化判定ルーチンの他の例を示すフローチャート。 コントロールユニットによる処理内容の他の例の説明に供される機能ブロック図。 第一目標空燃比が理論空燃比よりリッチに設定された場合におけるΔT計測及び計測後の処理を行う場合の説明に供されるタイムチャート。 コントロールユニットが実行する触媒劣化判定ルーチンの他の別の例を示すフローチャート。
符号の説明
1 エンジン
10 コントロールユニット
16 リニア空燃比センサ
17 Oセンサ
24 触媒
41 第一目標O貯蔵量設定手段
42 第二目標O貯蔵量設定手段
43 実O貯蔵量推定手段
50 目標空燃比設定切換手段
52 ΔT計測手段
53 触媒劣化判定手段
60 O貯蔵量モデル

Claims (21)

  1. 排気通路に排気浄化用触媒を備えるとともに、該触媒の下流側にOセンサが配置されているエンジンの制御装置であって、
    前記触媒における第一目標O貯蔵量を設定する第一目標O貯蔵量設定手段と、前記触媒における第二目標O貯蔵量を設定する第二目標O貯蔵量設定手段と、前記触媒の実O貯蔵量を推定する実O貯蔵量推定手段と、第一目標空燃比及び第二目標空燃比を設定するとともに、目標空燃比を前記第一目標空燃比に設定した状態で前記実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量となったとき、目標空燃比を前記第一目標空燃比から前記第二目標空燃比に切り換える目標空燃比設定切換手段と、燃焼に供される混合気の空燃比が前記目標空燃比設定切換手段により設定された目標空燃比となるように制御を行う空燃比制御手段と、前記実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量となってから前記第二目標O貯蔵量となるまでの所要時間(ΔT)を計測するΔT計測手段と、該ΔT計測手段により計測された前記所要時間(ΔT)に基づいて、前記触媒の劣化判定を行う触媒劣化判定手段と、を備えていることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記実O貯蔵量推定手段は、前記Oセンサの出力に基づいて、前記実O貯蔵量を推定することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記第一目標O貯蔵量設定手段及び前記第二目標O貯蔵量設定手段は、それぞれエンジンの運転状態をあらわすエンジン回転数、エンジン負荷等に基づいて、前記第一目標O貯蔵量及び前記第二目標O貯蔵量を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記第一目標O貯蔵量設定手段及び前記第二目標O貯蔵量設定手段は、それぞれ前記Oセンサの出力に基づいて、前記第一目標O貯蔵量及び前記第二目標O貯蔵量を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記目標空燃比設定切換手段及び前記ΔT計測手段は、前記Oセンサの出力又はその変化率が第一しきい値以上となったとき、前記実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量以下になったと判断し、前記Oセンサの出力又はその変化率が第二しきい値以下となったとき、前記実O貯蔵量が前記第二目標O貯蔵量以上となったと判断することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記目標空燃比設定切換手段及び前記ΔT計測手段は、前記Oセンサの出力又はその変化率が第一しきい値以下となったとき、前記実O貯蔵量が前記第一目標O貯蔵量以上になったと判断し、前記Oセンサの出力又はその変化率が第二しきい値以上となったとき、前記実O貯蔵量が前記第二目標O貯蔵量以下となったと判断することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  7. 前記触媒における酸素の脱離速度を算出する脱離速度算出手段、前記触媒における酸素の貯蔵速度を算出する貯蔵速度算出手段、及び、前記酸素の脱離速度と貯蔵速度との差分を積分する差分積分手段からなるO貯蔵量モデルを備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  8. 前記脱離速度算出手段及び前記貯蔵速度算出手段は、前記脱離速度及び前記貯蔵速度を、吸入空気量及び前記触媒上流の空燃比又はそれらの積に基づいて算出することを特徴とする請求項7に記載のエンジンの制御装置。
  9. 前記O貯蔵量モデルにより推定される実O貯蔵量に基づいて、前記ΔT計測手段により計測された前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量を算出するΔT内貯蔵量算出手段を備え、前記触媒劣化判定手段は、前記ΔT内貯蔵量算出手段により算出された前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量に基づいて、前記触媒の劣化判定を行うことを特徴とする請求項7又は8に記載のエンジンの制御装置。
  10. 前記O貯蔵量モデルにより推定される実O貯蔵量に基づいて、前記ΔT計測手段により計測された前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量を算出するΔT内貯蔵量算出手段と、該ΔT内貯蔵量算出手段により算出される、前記計測所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量に基づいて、前記触媒における最大O貯蔵可能量を算出する貯蔵可能量算出手段と、を備え、前記触媒劣化判定手段は、前記貯蔵可能量算出手段により算出された前記最大O貯蔵可能量に基づいて、前記触媒の劣化判定を行うことを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  11. 前記目標空燃比設定切換手段は、第三目標空燃比を設定するようにされ、目標空燃比を前記第一目標空燃比から前記第二目標空燃比に切り換えた状態で前記実O貯蔵量が前記第二目標O貯蔵量となったとき、目標空燃比を前記第二目標空燃比から前記第三目標空燃比に切り換えることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  12. 前記目標空燃比設定切換手段は、前記第一目標空燃比、前記第二目標空燃比、及び/又は前記第三目標空燃比を、エンジンの運転状態に基づいて設定することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  13. 前記第三目標O貯蔵量を設定する第三目標O貯蔵量設定手段を備え、前記目標空燃比設定切換手段は、目標空燃比を前記第二目標空燃比から前記第三目標空燃比に切り換えた状態で前記実O貯蔵量が前記第三目標O貯蔵量となったとき、目標空燃比を前記第三目標空燃比から理論空燃比近傍に切り換えるようにされていることを特徴とする請求項11又は12に記載のエンジンの制御装置。
  14. 前記第三目標O貯蔵量設定手段は、エンジンの運転状態をあらわすエンジン回転数及びエンジン負荷、Oセンサの出力、及び/又は、前記O貯蔵量モデルで推定された実O貯蔵量に基づいて、前記第三目標O貯蔵量を設定することを特徴とする請求項13に記載のエンジンの制御装置。
  15. 前記空燃比制御手段は、前記Oセンサの出力に基づく、空燃比フィードバック制御を行うようにされ、かつ、前記第一目標空燃比に設定してから前記第二目標O貯蔵量になるまでは、前記空燃比フィードバック制御を停止することを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  16. 前記実O貯蔵量推定手段として、前記触媒における酸素の脱離速度を算出する脱離速度算出手段、前記触媒における酸素の貯蔵速度を算出する貯蔵速度算出手段、及び、前記酸素の脱離速度と貯蔵速度との差分を積分する差分積分手段からなるO貯蔵量モデルと、該O貯蔵量モデルにより推定される実O貯蔵量に基づいて、前記ΔT計測手段により計測された前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量を算出するΔT内貯蔵量算出手段と、該ΔT内貯蔵量算出手段により算出される、前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量に基づいて、前記触媒における最大O貯蔵可能量を算出する貯蔵可能量算出手段と、を備え、前記空燃比制御手段は、空燃比を前記目標空燃比設定切換手段により設定される目標空燃比とすべく、前記Oセンサ出力に基づいて、空燃比フィードバック制御を行うようにされるとともに、前記貯蔵可能量算出手段により算出された最大O貯蔵可能量に基づいて、前記空燃比フィードバック制御における空燃比補正係数を変更することを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  17. 排気通路における前記触媒の上流側の空燃比をリニアに検出するリニア空燃比センサと、前記実O貯蔵量推定手段として、前記触媒における酸素の脱離速度を算出する脱離速度算出手段、前記触媒における酸素の貯蔵速度を算出する貯蔵速度算出手段、及び、前記酸素の脱離速度と貯蔵速度との差分を積分する差分積分手段からなるO貯蔵量モデルと、を備え、前記空燃比制御手段は、前記O貯蔵量モデルにより推定される実O貯蔵量に基づいて、前記触媒の実O貯蔵量が目標O貯蔵量となるように、前記触媒上流の空燃比を前記目標空燃比設定切換手段により設定される目標空燃比とすべく、前記リニア空燃比センサ出力に基づく、空燃比フィードバック制御を行うことを特徴とする前記請求項1から16のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  18. 排気通路における前記触媒の上流側の空燃比をリニアに検出するリニア空燃比センサと、前記実O貯蔵量推定手段として、前記触媒における酸素の脱離速度を算出する脱離速度算出手段、前記触媒における酸素の貯蔵速度を算出する貯蔵速度算出手段、及び、前記酸素の脱離速度と貯蔵速度との差分を積分する差分積分手段からなるO貯蔵量モデルと、該O貯蔵量モデルにより推定される実O貯蔵量に基づいて、前記ΔT計測手段により計測された前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量を算出するΔT内貯蔵量算出手段と、該ΔT内貯蔵量算出手段により算出される、前記所要時間(ΔT)内における実O貯蔵量に基づいて、前記触媒における最大O貯蔵可能量を算出する貯蔵可能量算出手段と、を備え、前記空燃比制御手段は、触媒上流の空燃比を前記目標空燃比設定切換手段により設定される目標空燃比とすべく、前記リニア空燃比センサ出力に基づく、空燃比フィードバック制御を行うようにされるとともに、前記貯蔵可能量算出手段により算出された最大O貯蔵可能量に基づいて、前記空燃比フィードバック制御における空燃比補正係数を変更することを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  19. 前記目標空燃比設定切換手段は、前記第一目標空燃比を理論空燃比よりリッチに設定するとともに、前記第二目標空燃比を理論空燃比よりリーンに設定し、前記第一目標O貯蔵量設定手段は、前記第一目標O貯蔵量を0より若干多い量に設定し、前記第二目標O貯蔵量設定手段は、前記第二目標O貯蔵量を前記第一目標O貯蔵量より多い量に設定することを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  20. 前記目標空燃比設定切換手段は、前記第一目標空燃比を理論空燃比よりリーンに設定するとともに、前記第二目標空燃比を理論空燃比よりリッチに設定し、前記第一目標O貯蔵量設定手段は、前記第一目標O貯蔵量を最大量より若干少ない量に設定し、前記第二目標O貯蔵量設定手段は、前記第二目標O貯蔵量を前記第一目標O貯蔵量より少ない量に設定することを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  21. 前記目標空燃比設定切換手段は、前記第三目標空燃比を、前記第二目標空燃比が理論空燃比よりリーンの場合は、理論空燃比よりリッチに、前記第二目標空燃比が理論空燃比よりリッチの場合は、理論空燃比よりリーンに設定することを特徴とする請求項11から20のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
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