JP2005126703A - オレフィン重合粒子 - Google Patents

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Kazuhisa Matsunaga
和久 松永
Toshiyuki Tsutsui
俊之 筒井
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Abstract


【課題】微粉発生の少ないオレフィンを重合させて得られる粒子を提供すること。微粉発生を抑制することにより、オレフィン重合製造工程に於いて、配管詰まりの防止や、粒子のハンドリング性を向上できることが期待される。
【解決手段】圧縮弾性率が特定の範囲を満たす高い値を示すオレフィン重合粒子とすること。この粒子は、例えば、特定の固体状チタン触媒成分を含むオレフィン重合触媒を用いてオレフィンの重合を行うことによって得る事が出来る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オレフィンの単独重合体あるいはこれらの共重合体の粒子に関する。
従来から、エチレン、α-オレフィンの単独重合体あるいはエチレン・α-オレフィン共重合体などのオレフィン重合体を製造するために用いられる触媒として、活性状態のハロゲン化マグネシウムに担持されたチタン化合物を含む触媒が知られている。
このようなオレフィン重合用触媒(以下、重合用触媒とは共重合用触媒を包含して用いることがある)としては、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体からなる固体状チタン触媒成分と有機金属化合物からなる触媒が知られている。
この触媒は、エチレンの重合と同様に、プロピレン、ブテン-1などのα-オレフィンの重合または共重合(以下、重合とは共重合を包含して用いることがある)においても高い活性を有し、また重合体(以下、重合体とは共重合体を包含して用いることがある)の立体規則性も高い。
これらの触媒の中で特に、フタル酸エステルを典型的な例とするカルボン酸エステルから選択される電子供与体が担持された固体状チタン触媒成分と、助触媒成分としてアルミニウム-アルキル化合物と、少なくとも一つのSi-OR(式中、Rは炭化水素基である)を有するケイ素化合物とを用いた場合に優れた性能を発現することが特開昭57−63310号公報(特許文献1)等で報告されている。
しかしながら、このような触媒を用いて得られた重合体は、製造時に微粉が発生しやすいことがある。そのため、重合体製造時に例えば配管詰まり等のトラブルなどの問題が発生することが有った。
特開昭57−63310号公報
従って、本発明の課題は、粒子として安定で、微粉の発生が少ないオレフィン重合粒子を得ることを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために検討した。その結果、驚くべきことに圧縮弾性率の高い重合体粒子が微粉の発生が少ない事を見出した。また、この様なオレフィン重合体粒子は例えば、マグネシウム、ハロゲン、チタンおよび電子供与体からなる特定の固体状チタン触媒成分と、有機金属化合物と、必要に応じてアルコキシシランなどの電子供与体とを用いた触媒を用いてオレフィンを重合させることにより得られることも突き止めた。これらの結果から上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。即ち本発明は、
圧縮弾性率(Ec)が(1)式で表されるオレフィン重合粒子であることを特徴としている。
Ec(d)>54−9×d・・・(1)
(Ec(d)の単位はメガパスカル(MPa))、
dは、重合体の平均粒子径(ミリメートル)を表す)
また 本発明に係るオレフィン重合粒子は、好ましくは粒子径が1〜4ミリメートルであることを特徴としている。
また、本発明に係るオレフィン重合粒子は、粒径180μm未満の粒子の含有率が1.0質量%以下であることを特徴としている。
本発明によれば微粉の発生が少なく、オレフィン重合粒子運搬時の輸送ハンドリング、あるいは製造時、配管内でのスムーズな配管輸送が可能となる等の効果が期待できる。
本願発明に係るオレフィン重合体粒子は、下記(1)式の範囲を満たす高い圧縮弾性率を有する。
Ec(d)>54−9×d・・・(1)
(Ec(d)の単位はMPa)、
dは、重合体の平均粒子径(ミリメートル)を表す)
本発明のオレフィン重合体粒子は、上記の様な高い圧縮弾性率を有するので、例えば、重合時や搬送時などの粒子同士や粒子と反応器、配管との接触、衝突の他、回分式の重合反応装置での重合時での攪拌羽根との接触、衝突などが起こっても微粉の発生が少ない。このため、重合体製造時の配管詰まりや、粒子のハンドリング性の低下等を回避出来ることが期待される。尚、本発明において、微粉とは特に断らない限り、粒径が180μm未満の粒子のことを指す。
上記式(1)は本発明者らの検討により設定されたものである。一般的に、オレフィン重合粒子は、その粒子径が大きくなるほど強度が低くなる傾向があると言われている。一方、上記式(1)は、平均粒子径が大きくなるほど圧縮弾性率は低い範囲でも許容されることを示している。これは、粒子が大きくなるほど粒子同士の衝突や攪拌羽根などとの接触、衝突が起こる部分が少なくなるため、圧縮弾性率が低くても微粉の発生が少なくなることに対応したものである。
本発明のオレフィン重合粒子の圧縮弾性率として好ましくは、下記式(2)、
Ec(d)>60−9×d・・・(2)
より好ましくは、下記式(3)
Ec(d)>65−9×d・・・(3)
を満たすことが好ましい。
本発明のオレフィン重合粒子の好ましい微粉含有率は、1.0質量%以下、より好ましくは、0.8質量%以下、特に好ましくは、0.6質量%以下である。微粉含有率が1.0質量%を超えると上記の配管詰まりやハンドリング性の低下が顕著になることがある。
本発明のオレフィン重合粒子は、その平均粒子径が、好ましくは1〜4mm、より好ましくは、1〜3mmである。上記平均粒子径が4mmを超えると、粒子強度が低下し、微粉が発生し易くなることがある。
また本発明のオレフィン重合粒子は、その真円度が、1.1以下であることが好ましい。真円度が1.1を超えると、粒子に歪みがかかり易く、微粉が発生し易くなることがある。また、粒子の平均粒子径が1mm未満では、真円度が1.1を超える粒子が発生し易くなることがある。
本発明のオレフィン重合粒子は、その圧壊強度が高いことが好ましい。圧壊強度の好ましい範囲は、下記式(2)で表される。
F(d)≧31×d−2 ・・・(4)
(F(d)の単位はMPa、dは、重合体の粒子径(ミリメートル)を表す。)
上記の圧壊強度が上記式(4)の範囲外の低い値だと、微粉が発生しやすくなることがある。
上記式(4)の圧壊強度の範囲が好ましい理由は、上記の好ましい圧縮弾性率の範囲の理由と同様である。
次に、この様な重合体粒子を得る好ましい方法を詳述する。
本発明に係るオレフィン重合体粒子は、通常オレフィン重合用固体状チタン触媒成分[S]有機アルミニウム化合物[M]、必要に応じて電子供与体の存在下にオレフィンを重合させることによって得られる。更に、酸化防止剤、帯電防止剤、塩化水素吸収剤、耐熱安定剤などの公知の添加剤を含浸などの方法で導入した物であっても良い。
通常、オレフィン重合粒子は、酸化等による変質を受ける事があり、また微粉によるハンドリング性低下を避けるため、上記の添加剤と共に溶融混練され、ペレットの形状で市
場に供給されることが多い。この溶融混練プロセスは、相当量のエネルギー消費と一部の廃ポリマーの発生を伴う。一方で、近年の地球温暖化、地球環境問題の観点から、省エネルギー、廃棄物削減を重要視する傾向がある。この溶融混練に係る問題点を解決するため、オレフィン重合体粒子形状のまま添加剤等を含有させて市場にデリバリーすることが、樹脂供給の次世代モデルとして注目されている。本願発明の微粉発生の少ないオレフィン重合粒子は、この次世代モデルを実現するための重要な手段の一つであると考えられる。
上記の固体状チタン触媒成分[S]としては、マグネシウム化合物および電子供与体(a)とからなる固体状付加物と、電子供与体(b)と、液状状態のチタン化合物とを、 (A) 不活性炭化水素溶媒共存下、懸濁状態で接触させる方法、および(B) 複数回に分けて接触させる方法、から選ばれる少なくても一つの方法で接触させることにより得られるものを好ましい例として挙げることが出来る。
上記のオレフィン重合用固体状チタン触媒成分[S]として、特にプロピレンやブテン、4-メチル-1-ペンテンなどのαオレフィン用固体状チタン触媒成分として好ましいものとして、電子供与体(b)と液状状態のチタン化合物とを接触方法、(P-1)〜(P-3)で得られる、各々固体状チタン触媒成分(S1)〜(S3)を挙げることが出来る。
(P-1) マグネシウム化合物および電子供与体(a)とからなる固体状付加物と、電子供与体(b)と、液状状態のチタン化合物とを、 (A) 不活性炭化水素溶媒共存下、懸濁状態で接触させる方法によって得られる固体状チタン触媒成分[S1]。
(P-2) マグネシウム化合物および電子供与体(a)とからなる固体状付加物と、電子供与体(b)と、液状状態のチタン化合物とを、 (B) 複数回に分けて接触させる方法によって得られる固体状チタン触媒成分[S2]。
(P-3) マグネシウム化合物および電子供与体(a)とからなる固体状付加物と、電子供与体(b)と、液状状態のチタン化合物とを、 (A) 不活性炭化水素溶媒共存下、懸濁状態で接触させ、且つ(B) 複数回に分けて接触させる方法により得られる固体状チタン触媒成分[S3]。
本発明で好ましく用いられるオレフィン重合用触媒は、このような固体状チタン触媒成分[S]を含んでいる。
以下、上記の触媒成分およびその原料となる物質について説明する。
〔マグネシウム化合物〕
上記の固体状チタン触媒成分[S]の調製に用いられる固体状付加物は、マグネシウム化合物と電子供与体(a)とから形成され、このようなマグネシウム化合物としては、具体的には、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、フェノキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、2-エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム、などのアリーロキシマグネシウム;ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩などの公知のマグネシウム化合物を挙げることができる。
これらのマグネシウム化合物は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。またこれらのマグネシウム化合物は他の金属との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合物であってもよい。
これらの中ではハロゲン化マグネシウム、特に塩化マグネシウムが好ましく用いられる。また、該マグネシウム化合物は、他の物質から誘導されたものであってもよい。
〔電子供与体(a)〕
また、電子供与体(a)としては、マグネシウム化合物可溶化能を有する化合物が用いられる。このようなマグネシウム化合物可溶化能を有する化合物としては、例えばアルコール、アルデヒド、アミン、カルボン酸およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。
マグネシウム化合物可溶化能を有するアルコールとしては、具体的に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、2-メチル
ペンタノール、2-エチルブタノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノールのような脂肪族アルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールのような脂環族アルコール、ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコールなどの芳香族アルコール、n-ブチルセルソルブなどのアルコキシ基を含んだ脂肪族アルコールなどを挙げることができる。
カルボン酸としては、カプリル酸、2-エチルヘキサノイック酸などの炭素数7以上の有機カルボン酸類を挙げることができる。アルデヒドとしては、カプリックアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒドなどの炭素数7以上のアルデヒド類を挙げることができる。
アミンとしては、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、ラウリルアミン、2-エチルヘキシルアミンなどの炭素数6以上のアミン類を挙げることができる。
上記の電子供与体(a)の中で、アルコール類が好ましく、特にエタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノールが好ましい。
〔固体状付加物の調製法〕
固体状チタン触媒成分[S]を調製するために用いられる固体状付加物は、上記したようなマグネシウム化合物と電子供与体(a)とを接触させることによって形成することができる。特に、塩化マグネシウムとアルコールとを接触させた錯体である固体状付加物が好ましい。
固体状付加物を製造する際、マグネシウム化合物および電子供与体(a)の使用量については、その種類、接触条件などによっても異なるが、マグネシウム化合物は、該電子供与体(a)の単位容積あたり、0.1〜20モル/リットル、好ましくは、0.5〜5モル/リットルの量で用いられる。また、必要に応じて上記固体状付加物に対して不活性な媒体を併用することも出来る。上記の媒体としては、ヘキサン、オクタン、デカンなどの公知の炭化水素化合物が好ましい例として挙げられる。
得られる固体状付加物のマグネシウム化合物と電子供与体(a)との組成比は、用いる化合物の種類によって異なるので一概には規定できないが、マグネシウム化合物のマグネシウム1モルに対して電子供与体(a)は、好ましくは2.6モル以上、より好ましくは2.7モル以上、5モル以下の範囲である。
〔チタン化合物〕
本発明に係る固体状チタン触媒成分[S]の調製に用いられる液体状態のチタン化合物としては、たとえば一般式、
Ti(OR)g4-g
(Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、0≦g≦4である)
で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。より具体的には、TiCl4、TiBr4などのテトラハロゲン化チタン;Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC25)Cl3、Ti(On-C49)Cl3、Ti(OC25)Br3、Ti(O-isoC49)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC25)2Cl2などのジハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCH3)3Cl、Ti(O-n-C49)3Cl、Ti(OC25)3Brなどのモノハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCH3)4、Ti(OC25)4、Ti(OC49)4、Ti(O-2- エチルヘキシル)4などのテトラアルコキシチタンなどを挙げることができる。
これらの中で好ましいものは、テトラハロゲン化チタンであり、特に四塩化チタンが好ましい。これらのチタン化合物は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔電子供与体(b)〕
本発明に係る固体状チタン触媒成分[S]では、上記したような化合物に加えて、電子供与体(b)が用いられる。本発明において用いることができる電子供与体(b)としては、複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する電子供与体 (b1)やこれ以外の電子供与体(b2)が挙げられるが、本発明では、電子供与体 (b1)を用いた方が重合活性を発現しやすく好ましい。以下、電子供与体(b1)および電子供与体(b2)について説明する。
〔電子供与体(b1)〕
複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する電子供与体(b1)とは、少なくとも2個のエーテル結合(C-O-C)との間(C-O-CとC-O-CのOとOとの間)に複数の原子が存在している化合物のことを指す。(以下、ポリエーテルと記することがある。)具体的には、少なくとも2個のエーテル結合(C-O-C)がその間をエーテル結合の炭素も含めて複数の原子を介在して繋がれており、この複数の原子が、炭素、ケイ素、酸素、イオウ、リン、ホウ素、あるいはこれらから選択される2種以上である化合物などを挙げることができる。
また、これらエーテル結合間を繋いでいる原子は、炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する置換基を有することができる。このうちエーテル結合間に存在する原子に比較的嵩高い置換基が結合しており、エーテル結合間を繋ぐ原子に複数の炭素原子が含まれる化合物が好ましい。
このような2個以上のエーテル結合を有する化合物としては、たとえば、下記一般式(5)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2005126703
なお、上記式(5)において、nは2≦n≦10の整数、より好ましくは3≦n≦10の整数であり、R1〜R26は炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する置換基であり、任意のR1〜R26、好ましくはR1〜R2nは共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれていてもよい。
上記のような2個以上のエーテル結合を有する化合物としては、オレフィン用固体触媒成分に用いられる公知のポリエーテルを挙げることが出来る。一部の具体例としては、
2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-クミル-1,3-ジメトキシプロパン、等の1置換ジアルコキシプロパン類、
2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジエトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジブトキシプロパン、
2,2-ジ-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジネオペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-シクロヘキシルメチル-1,3-ジメトキシプロパン等の2置換ジアルコキシプロパン類
2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、
2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、
2,3-ジイソプロピル-1,4-ジエトキシブタン
2,4-ジフェニル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,5-ジフェニル-1,5-ジメトキシヘキサン、
2,4-ジイソプロピル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,4-ジイソブチル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,4-ジイソアミル-1,5-ジメトキシペンタン等のジアルコキシアルカン類、
2-メチル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン等のトリアルコキシア
ルカン類、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-イソアミル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソブチル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン等のジアルコキシシクロアルカン
等を例示することができる。
これらのうち、1,3-ジエーテル類が好ましく、特に、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)1,3-ジメトキシプロパンが好ましい。
〔電子供与体(b2)〕
本発明に係るオレフィン重合触媒に含まれる固体状チタン触媒成分[S]は、上記2個以上のエーテル結合を有する化合物(b1)の代わりに、電子供与体(b2)を用いて調製されてもよい。このような電子供与体(b2)としては、例えば本出願人によって公開されたEP585869A1に記載された有機酸エステル類や有機酸無水物などを例示することができる。
電子供与体(b2)の中では、カルボン酸エステルを用いることが好ましく、特に多価カルボン酸エステル、とりわけフタル酸エステル類を用いることが好ましい。
また、電子供与体(b1)と電子供与体(b2)を組み合わせて使用することも可能である。
〔固体状チタン触媒成分[S1]の調製〕
本発明に係る固体状チタン触媒成分[S1]は、不活性炭化水素溶媒共存下、前記の固体状付加物と、電子供与体(b)および液状状態のチタン化合物とを接触させることによって調製される。各成分の比率や接触温度などの種々の条件は、前記EP585869A1等の公知の文献に記載された条件を採用することが可能である。
このようにして得られる固体状チタン触媒成分[S1]は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンと、電子供与体(b)とを含有している。
〔固体状チタン触媒成分[S2]の調製〕
本発明に係る固体状チタン触媒成分[S2]は、上記の固体状付加物、電子供与体(b)および液状状態のチタン化合物とを複数回に分けて接触させることによって調製される。電子供与体(b)としては、前記の電子供与体(b1)および電子供与体(b2)が制限なく使用可能であるが、高い重合活性が得られることから、電子供与体(b)としては、電子供与体(b1)、すなわち複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物を用いることが好ましい。
この固体状チタン触媒成分[S1]において、ハロゲン/チタン(原子比)は、2〜100、好ましくは4〜90であり、電子供与体(b)として電子供与体(b1)を使用した場合は、前記電子供与体(b1)/チタン(モル比)は、0.01〜100、好ましくは0.2〜10であり、マグネシウム/チタン(原子比)は、2〜100、好ましくは4〜50であることが望ましい。一方、電子供与体(b)として電子供与体(b2)を使用した場合は、前記電子供与体(b2)/チタン(モル比)は、0.01〜100、好ましくは0.2〜10であり、マグネシウム/チタン(原子比)は、2〜100、好ましくは4〜50であることが望ましい。
上記の方法で得られた固体状チタン触媒成分[S1]および[S2]の触媒粒径(μm)は、30〜150、好ましくは30〜100、特に好ましくは、30〜80であることが好ましい。粒径がこの範囲にあると、例えばブロック共重合体を製造する際に重合器内の粒子付着など運転性に支障をもたらす粒子流動性を改善することができることがある。
本発明で使用される固体状チタン触媒成分[S]は、その粒子の圧壊強度(Fc(d))
が、
Fc(dc) ≧ 8000 × dc−2 ・・・ (6)
(Fc(dc)の単位はMPa、
dcは、固体状チタン触媒成分の粒子径(μm))
の範囲であることが好ましい。固体状チタン触媒成分の圧壊強度が上記の範囲を満たすと、そのオレフィン重合粒子の圧縮弾性率を高める上で有利である場合が多い。
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、このようにして得られた固体状チタン触媒成分[S]と、周期律表の第I族〜第III族から選択される金属を含有する有機金属化合物触媒成分[M]とを含んでいる。以下、有機金属化合物触媒成分[M]について詳細に説明する。
〔有機金属化合物触媒成分[M]〕
このような有機金属化合物触媒成分[M]としては、たとえば、有機アルミニウム化合物、第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、第II族金属の有機金属化合物などを用いることができる。これらの中でも有機アルミニウム化合物が好ましい。
有機金属化合物触媒成分[M]としては具体的には、前記EP585869A1等の公知の文献に記載された有機金属化合物触媒成分を好ましい例として挙げることが出来る。
〔電子供与体(c)〕
また、本発明においては、上記の有機金属化合物触媒成分[M]と共に、必要に応じて既述の電子供与体(b)や電子供与体(c)を用いることが出来る。電子供与体(c)として好ましくは、有機ケイ素化合物である。この有機ケイ素化合物は例えば下記一般式で表される様なものを例示できる。
nSi(OR’)4-n
(式中、RおよびR’は炭化水素基であり、0<n<4である)
上記のような一般式で示される有機ケイ素化合物としては、具体的には、ジイソプロピルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジエトキシシラン、t-アミルメチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、2-メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン;トリシクロペンチルメトキシシラン、ジシクロペンチルメチルメトキシシラン、ジシクロペンチルエチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシランが用いられる。
このうちビニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランなどが好ましく用いられる。これらの有機ケイ素化合物は、2種以上混合して用いることもできる。
〔オレフィンの重合方法〕
本発明に係るオレフィン重合方法は、本発明に係わるオレフィン重合用触媒を用いてオレフィン重合を行う。
本発明に係るオレフィンの重合方法では、本発明のオレフィン重合用触媒下にα−オレフィンを予備重合(prepolymerization)させて得られる予備重合触媒の存在下で本重合(polymerization)を行うことも可能である。この予備重合は、オレフィン重合用触媒1g当り0.1〜1000g好ましくは0.3〜500g、特に好ましくは1〜200gの量でα−オレフィンを予備重合させることにより行われる。
予備重合では、本重合における系内の触媒濃度よりも高い濃度の触媒を用いることができる。
予備重合における固体状チタン触媒成分[S]の濃度は、液状媒体1リットル当り、チタン原子換算で、通常約0.001〜200ミリモル、好ましくは約0.01〜50ミリモル、特に好ましくは0.1〜20ミリモルの範囲とすることが望ましい。
予備重合における有機金属化合物触媒成分[M]の量は、固体状チタン触媒成分[S]1g当り0.1〜1000g、好ましくは0.3〜500gの重合体が生成するような量であればよく、固体状チタン触媒成分[S]中のチタン原子1モル当り、通常約0.1〜300モル、好ましくは約0.5〜100モル、特に好ましくは1〜50モルの量であることが望ましい。
予備重合では、必要に応じて電子供与体(b)ないし有機珪素化合物を始めとする前記電子供与体(c)を用いることもでき、この際これらの成分は、固体状チタン触媒成分[S]中のチタン原子1モル当り、0.1〜50モル、好ましくは0.5〜30モル、さらに好ましくは1〜10モルの量で用いられる。
予備重合は、不活性炭化水素媒体にオレフィンおよび上記の触媒成分を加え、温和な条件下に行うことができる。
この場合、用いられる不活性炭化水素媒体としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素; シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
これらの不活性炭化水素媒体のうちでは、特に脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。このように、不活性炭化水素媒体を用いる場合、予備重合はバッチ式で行うことが好ましい。
一方、オレフィン自体を溶媒として予備重合を行うこともできるし、また実質的に溶媒のない状態で予備重合することもできる。この場合には、予備重合を連続的に行うのが好ましい。
予備重合で使用されるオレフィンは、後述する本重合で使用されるオレフィンと同一であっても、異なっていてもよく、具体的には、プロピレンであることが好ましい。
予備重合の際の温度は、通常約−20〜+100℃、好ましくは約−20〜+80℃、さらに好ましくは0〜+40℃の範囲であることが望ましい。
次に、前記の予備重合を経由した後に、あるいは予備重合を経由することなく実施される本重合(polymerization)について説明する。
本重合(polymerization)において使用することができるオレフィンとしては、エチレン、および炭素原子数が3〜20のα- オレフィン、たとえば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどを挙げることができるが、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1- ペンテン等が好ましく使用される。これらの他にスチレン、アリルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;ビニルシクロヘキサンなどの脂環族ビニル化合物を用いることも出来る。またこれらの化合物2種以上を併用することも可能である。更に、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、イソプレン、ブタジエンなどのジエン類などの共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和結合を有する化合物をエチレン、α-オレフィンとともに重合原料として用いることもできる。
本発明では、予備重合および本重合は、溶解重合、懸濁重合などの液相重合法あるいは気相重合法のいずれにおいても実施できる。
本重合がスラリー重合の反応形態を採る場合、反応溶媒としては、上述の予備重合時に用いられる不活性炭化水素を用いることもできるし、反応温度において液状のオレフィンを用いることもできる。
本発明の重合方法における本重合については、固体状チタン触媒成分[S]は、重合容積1リットル当りチタン原子に換算して、通常は約0.0001〜0.5ミリモル、好ましくは約0.005〜0.1ミリモルの量で用いられる。また、有機金属化合物触媒成分[M]は、重合系中の予備重合触媒成分中のチタン原子1モルに対し、通常約1〜2000モル、好ましくは約5〜500モルとなるような量で用いられる。電子供与体(c)を使用する場合は、有機金属化合物触媒成分[M]に対して、0.001〜50モル、好ましくは
0.01〜30モル、特に好ましくは0.05〜20モルの量で用いられる。
本重合時に、水素を用いれば、得られる重合体の分子量を調節することができ、メルトフローレートの大きい重合体が得られる。
本発明における本重合において、オレフィンの重合温度は、通常、約20〜100℃、好ましくは約50〜90℃に、圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2、好ましくは約2〜50kg/cm2に設定される。本発明の重合方法においては、重合を、回分式、半連続式、連続式の何れの方法においても行うことができる。さらに重合を、反応条件を変えて二段以上に分けて行うこともできる。
このようにして得られたオレフィンの重合体は、単独重合体、ランダム共重合体およびブロック共重合体などのいずれであってもよい。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンの重合、特にプロピレンの重合を行うと、沸騰ヘプタン抽出残渣で示されるアイソタクチックインデックス(I.I)が70%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは95%以上であるプロピレン系重合体が得られる。
なお、本発明では、オレフィン重合用触媒は、上記のような各成分以外にもオレフィン重合に有用な他の成分を含むことができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、プロピレン重合体の嵩比重、メルトフローレート、固体状チタン触媒成分の平均粒子径、粒子強度、圧縮弾性率、真円度は下記の方法によって測定した。
(1)嵩比重:JIS K-6721で測定
(2)メルトフローレート(MFR):ASTM D1238Eに準拠(190℃)
(3)固体状チタン触媒成分の粒径測定方法:
HORIBA製CAPA-300 PARTICLE ANALYZERを用いた遠心沈降法で分析する。より具体的には溶媒としてデカリンを用い、回転数300rpmで5ミクロン間隔、0〜100ミクロンまでの粒子径を測定する。また、固体状チタン触媒成分の密度値についてはその都度測定を実施し、分析値を使用する。
(4)オレフィン重合粒子の粒度分布 : 株式会社タナカテック製ロータップ型振動機に飯田製作所製ふるい7種(内径:200mm、メッシュ径:2830μm、1700μm、1180μm、850μm、355μm、180μm、100μm、もしくは、メッシュ径2830μm、1680μm、1190μm、840μm、350μm、177μm、105μm)をメッシュ径の大きい物が上となるように順にセットする。次いでオレフィン重合粒子50gもしくはそれ以上を最上段のふるい上に加え、15分間振動させ、分別を行う。振動終了後、各ふるい上に残留したオレフィン重合粒子の重量を測定し、各部の質量%を求める。この結果から常法によりオレフィン重合粒子の平均粒子径を算出する。
(5)圧縮弾性率、圧壊強度:(株)島津製作所製小型卓上試験器EZ-Testシリーズを用いて分析する。試験条件は、試験モードをシングル、試験種を圧縮に設定し、試験速度を1mm/minで実施する。また別途、光学顕微鏡を用いて計測したオレフィン重合粒子の粒子径(d)を測定した。この試験から得られる圧壊試験力(P)とdとから、圧壊強度F(d)は、
F(d)=2.8×P/(π×d×d)
の演算式に従って算出される。
触媒の圧壊強度Fc(dc)も、上記の方法に準じて行う。
一方、粒子が圧壊するまでの変位(a)と、dと、F(d)とから圧縮弾性率Ec(d)は、
Ec(d)=F(d)/(a/d)
の演算式に従って算出される。
尚、測定するオレフィン重合粒子は、(4)項で規定した平均粒子径の±20%の範囲にある粒子径を有する粒子を用いる。
(6)真円度:光学顕微鏡で重合パウダー粒子の写真をとり、画像解析ソフト
(Image-Pro)で解析した。真円度は試験片の写真から周囲長と面積を求めたもので、(真円度)=(周囲長)/(4×π×面積)で定義される。
(固体状チタン触媒成分(A)の調製)
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製)を充分窒素置換した後精製灯油700ml、市販塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよび商品名エマゾール320(花王アトラス(株)製ソルビタンジステアレート)3gをいれ、系を撹拌下に昇温し、120℃にて800rpmで30分撹拌した。高速撹拌下、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め-10℃に冷却された精製灯油1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移液した。精製固体を濾過により精製n-ヘキサンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
デカン30mlで懸濁状にした上記固体状付加物をマグネシウム原子に換算して46.2ミリモルを−20℃に保持した四塩化チタン200ml中に攪拌下、全量導入した。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、80℃に達したところで、ジイソブチルフタレート1.9gを添加し、40分間で120℃まで昇温した。温度を120℃で90分間攪拌しながら保持した。
90分間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を200mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、昇温して130℃に達したところで、45分間撹拌しながら保持した。45分間の反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよびヘキサンで洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。
以上の操作によって調製した固体状チタン触媒成分(A)はデカンスラリ-として保存したが、この内の一部を、触媒組成を調べる目的で乾燥した。
このようにして得られた固体状チタン触媒成分(A)の組成はチタン2.4質量%,マグネシウム19質量%,ジイソブチルフタレート6.8質量%であった。平均粒子径は58μm、触媒成分粒子の圧壊強度は5MPaであった。
(予備重合)
100mlの反応器に、窒素雰囲気下、精製ヘキサン50ml、トリエチルアルミニウム1.5ミリモル、固体状チタン触媒成分をチタン原子に換算して0.5ミリモル添加した後、系内を振とうさせつつ20℃でプロピレンを1.6NL/hの速度で1時間供給した。プロピレンの供給が終了したところで反応器内を窒素置換し、上澄み液の除去および精製ヘキサンの添加からなる洗浄操作を4回行った後、得られた予備重合触媒成分(A1)を精製ヘキサンに再検濁して触媒瓶に全量移液した。
(本重合)
内容積2リットルの重合器に、室温で500gのプロピレンおよび水素1NLを加えた後、トリエチルアルミニウム0.5ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.1ミリモル、および予備重合触媒成分(A1)をチタン原子換算で0.004ミリモルを加え、速やかに重合器内を70℃まで昇温した。70℃で1時間重合した後、少量のメタノールにて反応停止し、プロピレンをパージした。更に得られた重合体粒子を80℃で一晩、減圧乾燥した。
得られたポリマーの収量は318gで、見かけ嵩比重は0.49g/ml、MFRは4.1dg/min、I.I.は、98.1%であり、活性は80kg-PP/ミリモルTiであった。パウダー平均粒径は2.5ミリメートルで、この時の圧縮弾性率は46MPa、真円度は1.1、粒子強度は、9MPaであった。粒子径180μm以下の質量分率は、粒度分布の結果を示す表1から分かるように0.0%であった。
(本重合)
水素4.5NL添加した以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。
得られたポリマ-の収量は354gで、見かけ嵩比重は0.51g/ml、MFRは38dg/min、I.I.は、96.9%であり、活性は89kg-PP/ミリモルTiであった。
パウダー平均粒径は2.5ミリメートルで、この時の圧縮弾性率は47MPa、真円度は1.1、粒子強度は、8MPaであった。粒子径180μm以下の質量分率は、粒度分布の結果を示す表1から分かるように0.0%であった。
(本重合)
水素0.5NL添加した後、トリエチルアルミニウム0.5ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.01ミリモル加えた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。
得られたポリマ-の収量は350gで、見かけ嵩比重は0.49g/ml、MFRは2.8dg/min、I.I.は、95.7%であり、活性は87kg-PP/ミリモルTiであった。
パウダー平均粒径は2.4ミリメートルで、この時の圧縮弾性率は46MPa、真円度は1.1、粒子強度は、10MPaであった。粒子径180μm以下の質量分率は、粒度分布の結果を示す表1から分かるように0.0%であった。
Figure 2005126703
(本重合)
内容積2リットルの重合器に、室温で500gのプロピレンおよび水素1NLを加えた後、トリエチルアルミニウム1.0ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.05ミリモル、固体状チタン触媒成分(A)をチタン原子換算で0.002ミリモルを加え、速やかに重合器内を70℃まで昇温した。70℃で30分重合した後、少量のメタノールにて反応停止し、プロピレンをパージした。更に得られた重合体粒子を80℃で一晩、減圧乾燥した。
得られたポリマーの収量は67.8gで、見かけ嵩比重は0.49g/ml、MFRは6.9dg/min、I.I.は、97.8%であり、活性は34kg-PP/ミリモルTiであった。パウダー平均粒径は1.8ミリメートルで、この時の圧縮弾性率は54MPa、真円度は1.1、粒子強度は、16MPaであった。粒子径180μm以下の質量分率は、粒度分布の結果を示す表1から分かるように0.6%であった。
(本重合)
重合時間を1時間とした以外は実施例4と同様にして、プロピレンの重合を行った。
得られたポリマーの収量は108.3gで、見かけ嵩比重は0.49g/ml、MFRは7.1dg/min、I.I.は、97.6%であり、活性は54kg-PP/ミリモルTiであった。パウダー平均粒径は2.2ミリメートルで、この時の圧縮弾性率は50MPa、真円度は1.1、粒子強度は、12MPaであった。粒子径180μm以下の質量分率は、粒度分布の結果を示す表1から分かるように0.4%であった。
(本重合)
重合時間を2時間とした以外は実施例4と同様にして、プロピレンの重合を行った。
得られたポリマーの収量は191.3gで、見かけ嵩比重は0.51g/ml、MFRは6.8dg/min、I.I.は、97.5%であり、活性は96kg-PP/ミリモルTiであ
った。パウダー平均粒径は2.5ミリメートルで、この時の圧縮弾性率は47MPa、真円度は1.1、粒子強度は、10MPaであった。粒子径180μm以下の質量分率は、粒度分布の結果を示す表1から分かるように0.4%であった。
[比較例1]
(固体状チタン触媒成分の合成)
実施例1に記載の方法に準じて塩化マグネシウムのマグネシウム1モルに対してエタノールが2.2モル配意した固体状付加物を得た。
この固体状付加物を用い、デカンを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして固体状チタン触媒成分(B)を得た。
このようにして得られた固体状チタン触媒成分(B)の組成はチタン3.2質量%,マグネシウム20質量%,ジイソブチルフタレート6.3質量%であった。平均粒子径は48μm、触媒成分粒子の圧壊強度は3MPaであった。
(本重合)
予備重合触媒成分(A1)の代わりに固体状チタン触媒成分(B)を用いた以外は実施例1と同様にしてプロピレンの重合を行った。
得られたポリマーの収量は127.6gで、見かけ嵩比重は0.42g/ml、MFRは6.0dg/min、I.I.は、97.4%であり、活性は32kg-PP/ミリモルTiであった。パウダー平均粒径は1.6ミリメートルで、この時の圧縮弾性率は37MPa、真円度は1.1、粒子強度は、18MPaであった。粒子径180μm以下の質量分率は、粒度分布の結果を示す表2から分かるように1.1%以上であった。
[比較例2]
(本重合)
重合時間を2時間とした以外は比較例1と同様にして、プロピレンの重合を行った。
得られたポリマーの収量は233.2gで、見かけ嵩比重は0.42g/ml、MFRは5.9dg/min、I.I.は、97.1%であり、活性は58kg-PP/ミリモルTiであった。パウダー平均粒径は1.8ミリメートルで、この時の圧縮弾性率は34MPa、真円度は1.1、粒子強度は、15MPaであった。粒子径180μm以下の質量分率は、粒度分布の結果を示す表2から分かるように1.1%以上であった。
Figure 2005126703
以上の結果から、圧縮弾性率が高い本発明のオレフィン重合粒子は微粉の発生が少ないことが分かる。このため、オレフィン重合体製造時に配管詰まり防止、粒子のハンドリング性向上などの効果を期待することが出来る。

Claims (3)

  1. 圧縮弾性率(Ec)が(1)式で表されることを特徴とするオレフィン重合粒子。
    Ec(d)>54−9×d・・・(1)
    (Ec(d)の単位はメガパスカル(MPa))、
    dは、重合体の平均粒子径(ミリメートル)を表す)
  2. 平均粒子径が1〜4ミリメートルであることを特徴とする請求項1記載のオレフィン重合粒子。
  3. 粒径が180μm未満の粒子の含有率が1.0質量%以下であることを特徴とする請求項1記載のオレフィン重合粒子。
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