JP2005126433A - ビナフチル誘導体の還元方法及びこの還元のための触媒の使用 - Google Patents

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Abstract

【課題】H−1,1′−ビ−2−ナフチル誘導体を高い選択性で製造するにあたり、所望の生成物を所望の収率で得る。
【解決手段】固体担体上に施与された少なくとも1種の第8副族からの金属を含有する触媒を使用してビナフチレンを水素で触媒的還元する。
【選択図】なし

Description

本発明はビナフチル誘導体の水素による選択的還元のための新規の方法に関する。
2,2′−官能化された1,1′−ビ−2−ナフチル誘導体、例えばBINOL(1,1′−ビ−2−ナフトール)又はBINAM(1,1′−ビ−2−ナフチルアミン)は不斉触媒反応において有効であると実証されているキラル配位子である。特にそこから誘導されるH−ビナフチル骨格を基礎とする配位子は更なる開発の注目を浴びている。それというのもこれらの配位子は比較的頻繁により高い不斉誘導を示すからである。従って、例えばエナンチオマー純粋なH−1,1′−ビ−2−ナフトール又はH−1,1′−ビ−2−ナフチルアミンそれ自体はその誘導体化のために所望される配位子もしくは出発化合物である。
−1,1′−ビ−2−ナフチル誘導体は、相応の2,2′−官能化された1,1′−ビ−2−ナフチル誘導体の還元によって得られる。一般にこのためにCram他(Angew.Chem.2001, 113, Nr.8, 1500-1504)により開発された、還元をPtO触媒を用いて酢酸の存在下に実施する方法が用いられる。該方法の実施のために比較的多くの触媒量が必要である。更に該反応は低い温度でのみエナンチオ選択的に実施できるにすぎず、従って長い還元時間となる。
更なる還元法はHui Guo他のTetrahedron Letters 41, (2000), 10061-10064に記載され、その際、触媒としてラネーNi/Al化合物をイソプロパノールのアルカリ性水溶液中で使用する。そこに記載される方法では、同様に比較的低い収率を得るためだけに長い反応時間が必要である。
Angew.Chem.2001, 113, Nr.8, 1500-1504 Tetrahedron Letters 41, (2000), 10061-10064
本発明の課題は、H−1,1′−ビ−2−ナフチル誘導体を高い選択性で製造するにあたり、所望の生成物を所望の収率で得ることができる方法を提供することである。
前記課題は、固体担体上に施与された少なくとも1種の第8副族からの金属を含有する触媒を使用してビナフチレンを水素で触媒的還元することによって解決される。
従って本発明の対象は、式(I)
Figure 2005126433
のビナフチル誘導体を、式(II)
Figure 2005126433
のH−1,1′−ビ−2−ナフチル誘導体(5,5′,6,6′,7,7′,8,8′−オクタヒドロ−1,1′−ジナフチル誘導体)[式中、
X及びYは互いに無関係に、OH、OR′、O−((C2n)−O−)R′、NH、NHR′、NR′R′′、SH及びSR′(式中、R′及びR′′は互いに無関係に水素基、C〜C24−アルキル基、C〜C12−シクロアルキル基、C〜C24−アルケニル基、C〜C24−シクロアルケニル基又はC〜C20−アリール基を表し、また基R′及びR′′は他の置換基を有してもよく、そしてnは1〜24の整数、有利には1〜6の整数を表し、かつmは1〜12の整数、有利には1〜3の整数を表す)の群から選択される1つの基を表し、かつ
基R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12は互いに無関係に、水素、C〜C24−アルキル、C〜C12−シクロアルキル、C〜C24−アルケニル、C〜C24−シクロアルケニル、C〜C20−アリール、Si(C〜C24−アルキル)、Si(C〜C24−アルキル)(C−アリール)、Si(C〜C24−アルキル)(C−アリール)、Si(C−アリール)、S(C〜C24−アルキル)、S(C〜C20−アリール)、F、Cl、Br又はIの群から選択される1つの基を表し、その際、基RとR及びRとRは互いに無関係に結合されていてよく、かつ
前記の基R〜R12は他の置換基を有してもよい]に、水素により、Pt、Ir、Os、Pd、Rh、Ru、Ni、Co及びFeの群から選択される少なくとも1種の金属を含有し、その際、その1種以上の金属が固体担体上に施与されている触媒の存在下に還元するための方法である。
触媒として特に第8副族の金属が有効であることが実証されており、該金属は、例えば粉末又は顆粒形で存在してよく、かつ有利には比表面積0.1m/g〜5000m/g、有利には1m/g〜2500m/gを有してよい多孔質担体上に施与されている。還元の実施においてはパラジウム、ロジウム及び/又はルテニウムを含有する触媒が特に有利である。有利な多孔質担体は、特に炭素担体、例えば活性炭又は酸化アルミニウム担体、例えばAlであり、その際、活性炭担体は有利な充填密度100〜450g/l、特に有利には200〜400g/lを有し、かつ/又は比表面積700〜2000mg、特に有利には900〜1800m/gを有し、そしてAl担体は有利な充填密度200〜800g/l、特に有利には250〜750g/lを有し、かつ/又は比表面積2〜300m/g、特に有利には5〜250m/gを有する。特に有利な触媒は従って担体が前記の仕様に相当するPd/C、Ru/C、Pd/Al又はRu/Alである。
更に触媒は比較的少量で使用するだけで十分である。有利には該触媒は、金属が基質量に対して0.01モル%〜15モル%、特に有利には0.1モル%〜10モル%、特に0.5モル%〜5モル%の範囲で存在する量で使用される。
提供された方法によって、式(II)の所望の生成物が高い収率で得られ、その際、高い収率は比較的緩慢な還元条件でも、例えば120℃未満の温度及び80バール未満の初期水素圧においても可能である。これは、式(II)のH−1,1′−ビ−2−ナフチル誘導体への反応の非常に良好な選択性を理由とするものと考えられ、製造の間の生成物のラセミ化は十分に又は全く完全に回避できる。記載される方法の更なる利点は触媒の良好な再利用可能性である。このように、例えば実施例で使用される触媒は複数回、回収され、そして確認できる活性損失なく再度使用することが可能である。従って前記の方法は、特に式(II)の化合物の工業的製造のために関心が持たれている。活性損失を伴わない触媒の回収可能性は、反応条件、例えば金属/担体の構成、緩慢な反応条件又は触媒を害する添加剤、例えば酸の排除によるものである。きれいな反応の実施によって、得られた生成物の後処理も非常に容易である。
有利には本発明に係る還元法は30℃〜100℃、特に有利には40〜70℃の温度で実施される。最初に施される水素圧は、有利には1バール〜70バール、特に有利には10バール〜50バールである。
本発明にかかる還元のための有利な出発物質は、式中の基X及びYが互いに無関係にOH、OR′、OCHOCH、OCHOCHCH、OCHOCHOCH、SH、SR′、NH、NHR′及びNR′R′′[式中、R′及びR′′は互いに無関係にC〜C12−アルキル基又はC−アリール基を表す]の群から選択される式(I)のビナフチル誘導体である。有利な基R〜R12は互いに無関係に、水素、C〜C12−アルキル、C〜C−シクロアルキル及びC−アリールの群から選択される。有利には基R、R、R及びRは水素とは異なる置換基である。特に有利な出発化合物は、式中の基R〜R12が水素である式(I)のビナフチル誘導体である。
個々の基R′、R′′及びR〜R12はそれぞれ互いに無関係に更なる置換基を有してよく、該置換基は有利にはH、OH、OR′、O−((C2n)−O−)R′′′、NH、NHR′′′、NR′′′R′′′′、SH、SR′′′、C〜C24−アルキル、C〜C12−シクロアルキル、C〜C24−アルケニル、C〜C24−シクロアルケニル、C〜C20−アリール、Si(C〜C24−アルキル)、Si(C〜C24−アルキル)(C−アリール)、Si(C〜C24−アルキル)(C−アリール)、Si(C−アリール)、S(C〜C24−アルキル)、S(C〜C20−アリール)、F、Cl、Br又はIの群から選択され、その際、基R′′′及びR′′′′はR′及びR′′について挙げた意味を有し、かつ係数n及びmは前記の意味を有する。
芳香族置換基は還元の間に一般に同様に水素添加されるので、不飽和置換基もしくはアリール置換基を有する出発物質を相応のアルキル化合物又はシクロアルキル化合物の製造のために使用してよい。反対に、還元されやすい不飽和又は芳香族の置換基を還元の直後に挿入する必要があることがある。特に、互いに無関係に基R′、R′′、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12を還元の実施後に挿入してよい。このために、一連の公知の誘導体化法、例えばCox,J.P.他のTetrahedron Letters, Vol.33, No.17, 2253-2256, 1992;Simonsen,K.B.他のJ.Org.Chem., 1998, 63, 7536-7538又はWO02/40491号に記載されるような方法が用意されている。
本発明にかかる方法を用いて、エナンチオ選択的に濃縮された式(II)の生成物が得られ、有利には所望の生成物は80%を上回る、特に有利には90%を上回る、特に95%を上回るエナンチオ選択性(ee)で得られる。多くの場合に、それどころか99%を上回るエナンチオマー純度を有する実質的にエナンチオマー純粋な化合物を得ることができる。
本発明にかかる方法によって得られる式(II)の化合物は、例えば配位子として、触媒的不斉反応又は重合において、特に不斉水素添加において、アルデヒドの不斉アルキル化において又はヘテロ−ディールス−アルダー反応において使用できる。更に該化合物は更なる誘導体化のための出発物質として使用でき、かかる不斉触媒反応のための最適な配位子として提供される。
一般事項:
全ての使用される出発化合物は、特に記載がない限り市販されており、そして更なる精製を行わずに使用できる。生成物の特徴付けのために採用されたNMRスペクトルはTMSをスタンダードとして用いて400.13(H)MHz及び100.63(13C)MHzで記録された。報告される値JはHzで、δはppmで示される。
キラルHPLCはキラルセルカラムを用いてヘキサン/EtOH=90/10で(オクタヒドロビナフトール)もしくはキラルセルカラムを用いてヘキサン/EtOH=99.5/0.5で(3,3′−ジメチル−オクタヒドロビナフトール)又は(R,R)−Whelk−01カラムを用いてヘキサン/EtOH=99.95/0.05で(3,3′−ジシクロヘキシル−オクタヒドロビナフトール)で実施する。
例1〜12:ビナフトールの水素添加
Figure 2005126433
a)出発物質(1b)及び(1c)の合成
BINOLから出発して、化合物1b及び1cをArnold,L.A.他のTetrahedron Letters, 2000, 56, 2865-2878の指示に従って製造した。
b)基質1cの還元:
0.438g(1ミリモル)の基質を0.3gの5%Pd/C(50%湿分)及び10mlのエタノールを35mlのオートクレーブ中に装入し、そして50バールの水素圧下に70℃で7時間撹拌した。7時間後に水素の消費はもはや観察されなかった。反応混合物を室温に冷却した。触媒を引き続き濾過分離し、そしてCHClで複数回(3×10ml)洗浄した。得られた濾液を合し、そして真空中で濃縮させた。分析的に純粋な還元生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、CHCl)により得ることができた。生成物2cのNMR分析は、生成物又は生成物/出発物質混合物が存在しないことを示している。収率100%、>99%ee
(+)−(R)−3,3′−ジシクロヘキシル−5,5′,6,6′,7,7′,8,8′−オクタヒドロ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ジナフチル(2c)の分析データ:
[α] 25 +41.7(c=1,CHCl);EI−MS m/z 458(M,100);
H NMR(400MHz、CDCl
δ6.89(s,2H)、4.55(s,2H)、2.80(m,2H)、2.65(m,4H)、2.00−2.19(m,4H)、1.71−1.89(m,8H)、1.53−1.70(m,10H)、1.34(m,8H)、1.18(m,2H);
13C NMR(100MHz、CDCl
δ149.0、134.3、132.1、129.9(全てC)、128.5(CH)、119.2(C)、37.7(CH)、33.6、29.8、27.5、27.3、26.9、23.6(全てCH)。C3242についての分析計算値:C83.76;H9.23。実測値:C83.08;H9.62。
上記のb)と同様に他の還元反応を種々の基質及び触媒を用いて実施した。結果を第1表にまとめる。
第1表:基質1a、1b、1cの触媒的水素添加の結果
Figure 2005126433
BINOL及びBINOL誘導体の還元では使用される触媒は所望の生成物を高いエナンチオ選択性で高い収率においてもたらすことを示している。Pd及びRuを含有する炭素担体を基礎とする触媒はこの場合に低温での反応を可能にするが、また酸化アルミニウムを基礎とする触媒による反応は非常に良好な結果をもたらし、その際、100℃の反応温度においてもラセミ化は観察されなかった。使用されるパラジウム及びルテニウムの触媒活性に関しては大きな差異は観察されなかった。
Pd/C又はRu/C触媒では、70℃の温度で30分後でさえも、ほぼ定量的な収率が1a及び1bの反応において達成できる。1cの還元ではより長い反応時間が必要であり、これは同様に指示された条件下に還元される付加的なフェニル基によるものである。
キラルHPLCによる生成物の調査は、得られる生成物は還元の間に検出できるラセミ化を受けず、生成物2a、2b、2cが≧99%eeを上回るエナンチオ選択性で得られることを裏付けた。
例13〜19:ジアルコキシビナフチル誘導体の水素添加
3,3′−二置換されたキラルのH−BINOLである2a、2b、2cは同様に相応のビスメチル化された化合物3a、3b、3cの水素添加、引き続きの脱メチル化によって得ることができる。2,2−ジメトキシビナフチル誘導体3a、3b、3cの水素添加は例1b)での指示に従って行われる。次いで以下のように還元により得られる2,2′−ジメトキシ−1,1′−ビナフチル誘導体4a、4b、4cをBBrの添加により脱保護する。
Figure 2005126433
水素添加は、定量的収率であるが、例1より多少長い反応時間で行われる。脱保護後に得られる生成物2a、2b及び2cは小規模にラセミ化されて存在し、該生成物は1〜5%のラセミ化により生成するエナンチオマーを含有する。反応の結果を第2表に示す。
第2表:2,2′−ジメトキシビナフチレン2a、2b、2cの触媒的還元
Figure 2005126433
例20:ジアミノビナフチル誘導体の還元
式5aの(R)−2,2′−ジアミノ−1,1′−ビナフチル誘導体の相応のH−誘導体6aへの水素添加は、100℃でPd/C触媒(基質に対して7モル%のPd)を用いて30分間で行われる。
Figure 2005126433
該反応は定量的(出発物質に対して97%の収率)に進行し、キラルHPLCによって、得られた生成物のラセミ化は確認できなかった(>99%ee)。
例21:調製規模での化合物1aの還元による(R)−H−BINOL(2a)の製造
該プロセスの工業的適性を調査するために、より多量の20gの化合物1aのバッチを100℃及び80バールの初期水素圧においてPd/C触媒の存在下に以下のように反応させた。
20.0g(70ミリモル)の化合物1a、2.97gの5%のPd/C(50%湿分)及び100mlのエタノールを300mlのオートクレーブに装入し、そして80バールの水素圧下に100℃で5.5時間撹拌した。引き続き反応混合物を室温に冷却し、触媒を濾過分離し、そしてエタノールで複数回(3×50ml)洗浄した。得られた濾液を合し、そして真空中で濃縮した。分光学的に純粋な20.1g(98%の収率)の(R)−H−BINOL(2a)(白色固体/99.7%ee)が得られた。
例21:触媒の再利用
触媒の再利用可能性を測定するために、以下の反応を複数回行った。
Figure 2005126433
触媒として活性炭上の5%パラジウム触媒(デグサAG社、E10R型)を使用する。反応及び触媒の回収を例1b)よりの指示と同様に行う。以下の表に反応の結果をまとめる。
Figure 2005126433
5回の反応後(4回の再利用サイクル)でさえも触媒に関して活性損失は確認されなかった。

Claims (13)

  1. 式(I)
    Figure 2005126433
    のビナフチル誘導体を、式(II)
    Figure 2005126433
    のH−1,1′−ビ−2−ナフチル誘導体[式中、
    X及びYは互いに無関係に、OH、OR′、O−((C2n)−O−)R′、NH、NHR′、NR′R′′、SH及びSR′(式中、R′及びR′′は互いに無関係に水素基、C〜C24−アルキル基、C〜C12−シクロアルキル基、C〜C24−アルケニル基、C〜C24−シクロアルケニル基又はC〜C20−アリール基を表し、また基R′及びR′′は他の置換基を有してもよく、そしてnは1〜24の整数、有利には1〜6の整数を表し、かつmは1〜12の整数、有利には1〜3の整数を表す)の群から選択される1つの基を表し、かつ
    基R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12は互いに無関係に、水素、C〜C24−アルキル、C〜C12−シクロアルキル、C〜C24−アルケニル、C〜C24−シクロアルケニル、C〜C20−アリール、Si(C〜C24−アルキル)、Si(C〜C24−アルキル)(C−アリール)、Si(C〜C24−アルキル)(C−アリール)、Si(C−アリール)、S(C〜C24−アルキル)、S(C〜C20−アリール)、F、Cl、Br又はIの群から選択される1つの基を表し、その際、基RとR及びRとRは互いに無関係に結合されていてもよく、かつ
    前記の基R〜R12は他の置換基を有してもよい]に、水素により、Pt、Ir、Os、Pd、Rh、Ru、Ni、Co及びFeの群から選択される少なくとも1種の金属を含有し、その際、その1種以上の金属が固体担体上に施与されている触媒の存在下に還元するための方法。
  2. 1種以上の金属が比表面積0.1m/g〜5000m/gを有する多孔質担体上に施与されている、請求項1記載の方法。
  3. 1種以上の金属が活性炭担体又は酸化アルミニウム担体上に施与されている、請求項1又は2記載の方法。
  4. 還元を120℃未満の温度で実施する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 還元を30℃〜100℃の温度で実施する、請求項4記載の方法。
  6. 還元を80バール未満の初期水素圧で実施する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 還元を60バール未満の初期水素圧で実施する、請求項6記載の方法。
  8. 出発物質として、式中の基X及びYが互いに無関係に、OH、OR′、OCHOCH、OCHOCHCH、OCHOCHOCH、SH、SR′、NH、NHR′及びNR′R′′の群から選択され、その際、R′及びR′′は互いに無関係にC〜C12−アルキル基、C〜C−シクロアルキル基又はC−アリール基を表す式(I)のビナフチル誘導体を使用する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 出発物質として、式中の基R〜R12の少なくとも1つが互いに無関係に、水素、C〜C12−アルキル、C〜C−シクロアルキル及びC−アリールの群から選択される式(I)のビナフチル誘導体を使用する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 出発物質として、式中の基R〜R12が水素である式(I)のビナフチル誘導体を使用する、請求項9記載の方法。
  11. ビナフチル誘導体を水素により還元するための、Pt、Ir、Os、Pd、Rh、Ru、Ni、Co及びFeの群からの少なくとも1種の金属を含有し、その際、その1種以上の金属が固体担体上に施与されている触媒の使用。
  12. ビナフチル誘導体を水素により還元するための、Pd、Rh及びRuの群からの少なくとも1種の金属を含有し、その際、その1種以上の金属が固体担体上に施与されている、請求項11記載の触媒の使用。
  13. 固体担体として活性炭担体又は酸化アルミニウム担体を含有する、請求項11又は12記載の触媒の使用。
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