JP2005126283A - 単結晶の育成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 FZ法による単結晶育成方法では、溶融帯の形状に起因して溶融帯を長くする必要があり、溶融した原料が垂れてしまうため、大口径の単結晶の育成が困難であり、また、任意の形状の単結晶が得られなかった。
【解決手段】 誘導加熱コイル4で原料棒6を部分的に誘導加熱して溶融帯7を形成し、この溶融帯7を移動させながら、溶融帯7の上下の端部においてそれぞれ溶融および凝固を順次行なうことにより単結晶8を成長させるFZ法による単結晶の育成方法において、原料棒6の形状が筒状であることを特徴とする単結晶の育成方法である。溶融帯7を短くすることができるので、大口径の単結晶8を育成することができ、また、原料棒6の形状に応じて任意の形状の単結晶8が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、FZ法(フローティング・ゾーン法;浮遊帯域溶融法)を用いて大口径の単結晶を安定して得られ、しかも任意の形状の単結晶を得ることができる単結晶の製造方法に関するものである。
従来、金属や半導体の単結晶を育成する際に、高純度を要求される場合には、または、育成する単結晶が高融点のため、結晶融液と反応しない材質から成る適当な坩堝が無い場合には、誘導加熱コイルを用いるFZ法が用いられている。
FZ法においては、まず、単結晶を得ようとする材料から成る多結晶の円柱状の原料棒を下部シャフトに固定し、種結晶を上部シャフトに固定する。そして、誘導加熱コイルにより原料棒の上端を加熱溶融してから上部および下部シャフトを動かして原料棒の溶融した上端を種結晶と接合させ、原料棒の上端部に適当な長さの溶融帯が形成された後、上部および下部シャフトを互いに反対方向に回転させながら上方に移動させる。これにより、溶融帯を原料棒の上端部から下端に向けて移動させて、溶融帯の移動につれて単結晶を成長させる。
導電性の結晶材料を高周波加熱で引き上げるFZ法では、電磁誘導による浮揚力が溶融帯において原料の融液を誘導加熱コイルの中央に押しやるように働くため、溶融帯の維持が表面張力にだけ依存している場合よりは、比較的結晶径を大きくすることができる。
特開2002−249393号公報
しかしながら、誘導加熱コイルによる誘導加熱では、多くの場合、誘導磁場が原料棒,溶融帯および単結晶に浸透する深さ、つまり表皮厚が、それぞれの径に比較して極端に薄いため、原料棒,溶融帯および単結晶の表面近傍のみが加熱されることとなり、原料棒および単結晶は表面から溶解することとなる。そのため、図6に従来の単結晶の育成方法における溶融帯近傍の様子を断面図で示すように、原料棒36と溶融帯37との界面46および単結晶38と溶融帯37との界面45の形状は、溶融帯37に対して中央で溶融帯37側に凸となった凸型の形状となる。
したがって、溶融帯37の内部で単結晶38の先端(単結晶38の下端)と原料棒36の先端(原料棒36の上端)とが接触しないためには、両者がいずれも凸型の形状であることから溶融帯37を長くとる必要があり、これにより、溶融帯37において下方の静水圧が増加し、ついには溶融帯37が原料棒36から垂れ落ちてしまうため、単結晶の育成の続行が困難になり、大型の単結晶が育成できないという致命的な問題点があった。
また、従来のFZ法による単結晶の育成では、原料棒36の形状が円柱状であるため、溶融帯37の形状も概略円柱状になり、引き上がる単結晶38も必然的に円柱状になるため、それ以外の所望の形状の単結晶が製造できないという致命的な問題点があった。
本発明は以上のような従来の技術の問題点を解決するために案出されたものであり、その目的は、大口径の単結晶を容易にかつ安定して提供でき、しかも、任意の形状の単結晶を得ることのできる単結晶の育成方法を提供することにある。
本発明の単結晶の第1の育成方法は、誘導加熱コイルで原料棒を誘導加熱して溶融帯を形成し、この溶融帯を移動させながら、溶融帯の上下の端部においてそれぞれ溶融および凝固を順次行なうことにより単結晶を成長させるFZ法による単結晶の育成方法において、前記原料棒の形状が筒状であることを特徴とするものである。
また、本発明の第1の単結晶の育成方法は、上記構成において、前記原料棒の形状が多重の筒状であることを特徴とするものである。
また、本発明の第2の単結晶の育成方法は、誘導加熱コイルで原料棒を誘導加熱して溶融帯を形成し、この溶融帯を移動させながら、溶融帯の上下の端部においてそれぞれ溶融および凝固を順次行なうことにより単結晶を成長させるFZ法による単結晶の育成方法において、前記原料棒の形状が角柱状であることを特徴とするものである。
本発明の第1の単結晶の育成方法によれば、原料棒の形状を筒状にしたことから、この原料棒に形成される溶融帯の下方の中央部が中空となりその内面が自由表面となって、表面張力が働くこととなるので、溶融帯の下方に静水圧が働いても、その表面張力によって溶融帯を形成する溶融した原料が原料棒から垂れ落ちることを防止することができる。また、原料棒の形状を筒状にしたことにより、溶融帯の下方の原料棒との界面の中央部が下側すなわち原料棒側に凸になり、これにより溶融帯の内部で上方の単結晶の先端と下方の原料棒の先端とが接触しないようにするために設定される溶融帯の長さを短くすることができ、その結果、溶融帯の下方にはたらく静水圧を低くすることができるので、これによっても溶融した原料が原料棒から垂れ落ちることを防止することができる。これらの結果、本発明の単結晶の育成方法によれば、引き上げる単結晶の寸法を大きくして溶融帯が大きくなっても、溶融帯から溶融した原料が垂れ落ちることがなくなるので、大型の単結晶を安定して引き上げることができる。
また、本発明の第1の単結晶の育成方法によれば、原料棒の形状を筒状としたことから、種結晶の形状を原料棒の形状に合わせた筒状にすることによって、筒状の単結晶を得ることもできる。
さらに、本発明の第1の単結晶の育成方法によれば、原料棒を多重の筒状にしたときには、溶融帯の下部に複数の小さな自由表面を設けることができ、その結果、溶融帯の下方により強い表面張力が働き、溶融帯の下方に静水圧が働いても、その表面張力によって、溶融した原料が原料棒から垂れ落ちることをより強力に防止することができる。
本発明の第2の単結晶の育成方法によれば、原料棒の形状を角柱状にしたことから、種結晶の形状を原料棒の形状に合わせた角柱状にすることによって、角柱状の単結晶を得ることができる。
以下、本発明の単結晶の育成方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の第1の単結晶の育成方法の実施の形態の一例を示す断面図である。
図1には本発明の単結晶の育成方法を実施する育成装置の例についてその断面図を示しているが、これによると、本発明の単結晶の育成方法に用いる育成装置では、密閉可能な耐圧容器12中にて単結晶の育成を行なう。耐圧容器12は、耐圧容器12内の空間13にて数気圧の不活性ガス雰囲気において単結晶の育成が可能なように設計されている。6は原料棒であり、その誘導加熱には誘導加熱コイル4が使用される。この例の誘導加熱コイル4は、水冷銅管が水平面に渦巻き状に捲回されて構成され、その誘導加熱コイル4の中心部が、原料棒6が挿通される貫通穴を形成し、耐圧容器12内に配置されている。
誘導加熱コイル4の上下には、耐圧容器12外に配置された昇降可能な上軸駆動部1および下軸駆動部9と、それぞれの駆動部1および9から伸びて耐圧容器12を気密にかつ回転および上下移動可能に貫通する上軸2および下軸10と、これら上軸2および下軸10にそれぞれ固定された上ホルダー3および下ホルダー11とが配置され、上ホルダー3と下ホルダー11との間で、誘導加熱コイル4の中心部を貫通する原料棒6の端部が握持される。そして、上軸駆動部1と下軸駆動部9とは、個別に上下移動可能に制御される。
溶融帯7の操作については、下ホルダー11に原料棒6の下端側を握持させ、その上端(図1中では既に単結晶8になった部分を図示している。)を上ホルダー3に握持された種結晶5の下端に接触させて、かつその接触部を誘導加熱コイル4の中心にある貫通穴の中央に位置させた後、誘導加熱コイル4に高周波電力を印加して誘導磁場を生じさせ、それによって発生するジュール熱により、種結晶5と接触させた原料棒6の上端部を局部的に加熱溶融して溶融帯7を形成する。このようにして形成された溶融帯7に下方より原料棒6を順次送り込み、溶融帯7の上方に単結晶8を順次成長させる。
本発明の第1の単結晶の育成方法において用いる原料棒6としては、図1にその縦断面を示すように、その形状を筒状にすることが重要である。この原料棒6を用いた場合の溶融帯7の近傍の様子を、図2に要部拡大断面図で示す。本発明の第1の単結晶の育成方法においては、図2に示すように、原料棒6の形状を中空の棒状(筒状)にしたことにより、誘導加熱コイル4により溶融した原料が原料棒6の内側に垂れ込むこととなるので、穴のない円柱状の種結晶5をこの溶融部に接続することで、図2に示すように溶融帯7の中央部の下部で原料棒6との界面16の形状が下に凸の形状となった溶融帯7が形成される。この溶融帯7は、側面に加え、筒状の原料棒6を用いていることから中央部の下部にも溶融した原料に対して表面張力が働き、その原料棒6との界面16の形状を下に凸の状態で安定に保つことができる。さらに、この溶融帯7の下部における界面16の形状が下に凸であるため、単結晶8の下部と原料棒6の上部とが当らないように設けた溶融帯7の高さ方向の寸法(長さ)を小さくでき、従来の育成方法に比べて溶融帯7の長さを格段に短くすることが可能となり、その結果、溶融帯7の下部における静水圧を格段に低減することができるため、溶融帯7を形成する溶融した原料を原料棒6から垂れにくくすることが可能となるので、大口径の単結晶8を安定して育成することができるものとなる。
次に、本発明の第2の単結晶の育成方法の実施の形態の他の例を図3に図2と同様の要部拡大断面図で示す。図3に示す例においては、原料棒6’の形状を多重の筒状、ここでは二重の筒状としている。このように、用いる原料棒6’の形状を多重の筒状にすることにより、誘導加熱コイル4により溶融した原料が原料棒6’の内側すなわち多重の筒状とされた各筒状部の間および中央部により効果的に垂れ込むようになり、穴のない円柱状の種結晶5をこの溶融部に接続することで、図3に示すように溶融帯7’の中央部の下部で原料棒6’との界面16’が下に複数の凸状となった形状の溶融帯7’が形成される。この溶融帯7’の下部の自由表面の高さ方向の寸法(長さ)および水平方向の寸法(幅)は、原料棒6’との界面16’が多重の小さな凸状の部分で形成されることとなるので、いずれも一重の筒状の場合よりもより小さくすることができ、その結果、溶融帯7’の下部での溶融した原料による表面張力の大きさを飛躍的に大きくすることができ、大型の単結晶8を育成しても、溶融帯7’から溶融した原料が垂れ落ちることなくその形状を安定に保つことができるので、大口径の単結晶8を安定して育成することができるものとなる。
さらに、本発明の第1の単結晶の育成方法によれば、図4に実施の形態のさらに他の例を図2,図3と同様の要部拡大断面図で示すように、種結晶の形状を原料棒6と同じ筒状にし、筒状の原料棒6の先端がリング状に溶融した際に、筒状の種結晶を接続し、リング状の溶融帯7”を形成して、このリング状の溶融帯7”に下方より原料棒6を順次送り込み、溶融帯7”の上方に単結晶8’を順次成長させる結晶成長を行なうことにより、筒状の単結晶8’を得ることができる。
以上のような本発明の第1の単結晶の育成方法における筒状の原料棒6,6’の形状は、円筒状の他にも、横断面の形状が三角形,四角形等の多角形のいずれかであってもよく、その形状は所望の単結晶の形状に応じて選定することが可能である。例えば、原料棒6’の形状が横断面の形状が四角形の筒状で、種結晶にも横断面の形状が四角形の筒状のものを用いれば、横断面の形状が四角形の筒状の単結晶8’を育成することができる。
なお、原料棒6’の形状が円筒形状で、これにより円筒形状の単結晶8’を育成する場合には、単結晶8’を回転しながら引き上げることができるため、より高品質な円筒形状の単結晶8’が得られる。
次に、本発明の第2の単結晶の育成方法の実施の形態の一例を図5に溶融帯近傍の様子を示す要部斜視図で示す。なお、本発明の第2の単結晶の育成方法においても、第1の単結晶の育成方法と同様に、その育成装置には図1に示した構成と同様の耐圧容器を用いたものが用いられる。
本発明の第2の単結晶の育成方法においては、図5に示すように、角柱状の形状の原料棒26を用いることが重要である。このように原料棒26の形状を角柱状とし、それを取り囲むように設けられた誘導加熱コイル24で加熱して、原料棒26の上端を溶融し、原料棒26と同じ形状の角柱状の種結晶を接続して溶融帯27を形成する。このとき溶融帯27の形状は、溶融体27の表面に働く表面張力と、溶融帯27と原料棒26、および溶融帯27と種結晶との濡れ性等の作用により、その角柱状の形状で安定する。このようにして角柱状に形成された溶融帯27から引き上げて単結晶化させるため、図5に示すように原料棒26とほぼ同形状の角柱状の単結晶28を得ることができる。このように、本発明の第2の単結晶の育成方法によれば、角柱状の原料棒26の形状と種結晶の形状とを最適に選定することで、所望の角柱状の形状の単結晶28を育成することができる。本発明の第2の単結晶の育成方法における原料棒26の形状は、角柱状であれば、三角柱状や四角柱状、その他の横断面が多角形の柱状のものであっても、横断面が多角形の板状のものであってもよく、いずれであっても、溶融帯27を所望の単結晶28の形状に合うように形成できるものであればよく、特にその形状に制約があるものではない。
以上のような本発明の第1または第2の単結晶の育成方法に用いる原料棒6,6’,26を得るには、原料粉末に結合材として例えば少量の樟脳を加え、ラバープレス等により加圧して、筒状または角柱状の圧粉体棒を作製する。好ましくは、この圧粉棒を真空中あるいは不活性ガス中で千数百度に加熱して焼結させて、所望の濃度分布で不純物が配合された原料棒6,6’,26を作製する。
このようにして作製した原料棒6,6’,26を用いて、図1に示すように育成装置内に、前述のように、原料棒6,6’,26の下端を下軸10に下ホルダー11を介して固定し、その上端を上軸2にホルダー3を介してセットされた種結晶5に接触させて配置する。
次に、種結晶5に接触させた原料棒6,6’,26の上端を誘導加熱コイル4,24の誘導加熱により溶融させて溶融帯7,7’,7”,27を形成し、上軸2と下軸10とを、単結晶8,8’,28の育成速度および原料棒6,6’,26の溶解速度に応じて、ゆっくり上方に移動させて、溶融帯7,7’,7”,27の下部で原料棒6,6’,26を順次溶融させ、上部で順次凝固させて、溶融帯7,7’,7”,27の上方に単結晶8,8’,28を継続的に育成する。
このとき、原料棒6,6’,26と種結晶5との形状により、溶融帯7,7’,7”,27の形状が決定される。つまり、原料棒6の形状が筒状で、種結晶5の形状が円柱形の場合には、溶融帯7の形状は図2に示すような形状になり、引き上がった単結晶8の形状は円柱形となる。また、原料棒6’の形状が多重の筒状で、種結晶の形状が円柱形の場合には、溶融帯7’の形状は図3に示すような形状となり、引きあがった単結晶8’の形状は円柱形となる。このとき、いずれの場合も、溶融帯7,7’の下部において筒状の原料棒6,6’の内側に自由表面が生成されることとなり、これによって溶融帯7,7’の形状を安定に保つことができ、さらに、原料棒6,6’の上端において溶融帯7,7’との界面16,16’が従来の育成方法におけるように上方に凸状に尖らないため、これが単結晶8の下端と当ることはないので、溶融帯7,7’の高さ方向の寸法(長さ)を小さくすることができ、溶融帯7,7’の下部における静水圧を低くして溶融した原料が原料棒6,6’から垂れ落ちることを防止することができるので、大型の単結晶8を安定して製造することができる単結晶の育成方法となる。
また、本発明の第1の単結晶の育成方法においては、原料棒6,6’および種結晶5の形状は、筒状であれば、その形状に特に制約はない。つまり、円筒状の単結晶を得たい場合には、図4に示すように円筒形の原料棒6”の上部を溶融してリング状の融解部を作製し、この融解部に円筒状の種結晶を接合することで、円筒状の溶融帯7”を介して円筒形の単結晶8’を得ることができる。
また、図5に示すように、原料棒26の形状を角柱状とし、種結晶の形状も角柱状とすれば、このときの溶融帯27を介して引き上がった単結晶28の形状は角柱状となるので、本発明の第2の単結晶の育成方法によれば、従来のように円柱形の形状に限定されず、多角柱形の任意の形状の単結晶28を製造することができる。
ZrBとCrBとの混合粉を圧縮し、外径50mm,内径20mm,長さ2000mmの中空円筒形の粉末棒に圧縮し、1400℃で焼結して、中空円筒形の原料棒とした。その際、比較例として、ZrBとCrBとの混合粉を圧縮し、外径50mm,長さ2000mmの円柱形の粉末棒に圧縮し、1400℃で焼結して、内部に中空部のない円柱形の原料棒としたものも作製した。
この中空円筒形の原料棒を用いて、誘導加熱型のFZ装置で、入力40kWの高周波電力を投入して原料棒を溶融し、円柱形の種結晶を接続して溶融帯を形成した。その溶融帯は、垂れ落ちることなく、安定していた。その後、溶融帯を20mm/hの速度で移動させて、口径40mmの円柱形の単結晶を作製したところ、溶融帯から原料が垂れることはなく、最後まで良好な円柱状の単結晶を育成することができた。この育成された単結晶を観察した結果、双晶や多結晶がなく、全体にわたって単結晶が生成された良好な特性であった。
一方、比較例として円柱状の原料棒を用いて、同様に、誘導加熱型のFZ装置で、入力40kWの高周波電力を投入して形成した溶融帯を20mm/hの速度で移動させて、口径40mmの単結晶を作製しようとしたところ、溶融帯の下部から溶融した原料が垂れ落ちてしまい、単結晶を引き上げることができなかった。
ZrBとCrBとの混合粉を圧縮し、外径60mm,内径40mm,長さ2000mmの中空円筒形の粉末棒に圧縮し、1400℃で焼結して、大型の中空円筒形の原料棒を作製した。また、ZrBとCrBとの混合粉を圧縮し、外径30mm,内径10mm,長さ2000mmの中空円筒形の粉末棒に圧縮し、1400℃で焼結して、小型の中空円筒形の原料棒を作製した。この大型の中空円筒形の原料棒の中空部に、小型の中空円筒形の原料棒を同心円状にはめ合わせ、2重筒状の原料棒を得た。なお、外側の大型の原料棒と内側の小型の原料棒との間には、スペーサーを用いて5mmの隙間を保って、小型の原料棒が保持されるようにした。
一方、比較例として、ZrBとCrBとの混合粉を圧縮し、外径60mm,長さ2000mmの円柱形の粉末棒に圧縮し、1400℃で焼結して、円柱形の原料棒としたものも作製した。
この2重筒状の原料棒を用いて、誘導加熱型のFZ装置で、入力60kWの高周波電力を投入して2重筒状の原料棒の先端部を溶融し、この溶融部に円柱形の種結晶を接続して溶融帯を形成した。その溶融帯は、垂れ落ちることなく、安定していた。その後、溶融帯を20mm/hの速度で移動させて、口径50mmの円筒形の単結晶を作製したところ、溶融帯から原料が垂れることはなく、最後まで良好な円柱状の単結晶を育成することができた。この育成された単結晶を観察した結果、双晶や多結晶がなく、全体にわたって単結晶が生成された良好な特性であった。
一方、比較例として円柱状の原料棒を用いて、同様に、誘導加熱型のFZ装置で、入力60kWの高周波電力を投入して形成した溶融帯を20mm/hの速度で移動させて、口径50mmの単結晶を作製しようとしたところ、溶融帯の下部から溶融した原料が垂れ落ちてしまい、単結晶を引き上げることができなかった。
ZrBとCrBとの混合粉を圧縮し、外径50mm,内径20mm,長さ2000mmの中空円筒形の粉末棒に圧縮し、1400℃で焼結して、中空円筒形の原料棒とした。その際、比較例として、ZrBとCrBとの混合粉を圧縮し、外径50mm,長さ2000mmの円柱形の粉末棒に圧縮し、1400℃で焼結して、内部に中空部のない円柱形の原料棒としたものも作製した。
この円筒形の原料棒を用いて、誘導加熱型のFZ装置で、入力40kWの高周波電力を投入して原料棒の先端部をリング状に溶融し、円筒形の種結晶を接続してリング状の溶融帯を形成した。その溶融帯は、垂れ落ちることなく、安定していた。その後、溶融帯を20mm/hの速度で移動させて、単結晶を引き上げた。溶融帯は最後まで垂れ落ちることはなく、最後まで単結晶を引き上げることができた。引き上がった単結晶は、外形47mm,内径24mmの円筒形の単結晶であった。この育成された単結晶を観察した結果、双晶や多結晶がなく、全体にわたって単結晶が生成された良好な特性であった。
一方、比較例として円柱状の原料棒を用いて、同様に、誘導加熱型のFZ装置で、入力40kWの高周波電力を投入して原料棒を溶融し、その溶融部に同一の円筒形の種結晶を接続して溶融帯を20mm/hの速度で移動させて、外形40mm,内径30mmの単結晶を作製しようとしたところ、溶融帯の下部から溶融した原料が垂れ落ちてしまい、単結晶を引き上げることができなかった。
ZrBとCrBとの混合粉を圧縮し、長辺50mm,短辺10mm,長さ2000mmの角柱状の粉末棒に圧縮し、1400℃で焼結して、角柱状の原料棒とした。その際、比較例として、ZrBとCrBとの混合粉を圧縮し、外径50mm,長さ2000mmの円柱形の粉末棒に圧縮し、1400℃で焼結して、円柱形の原料棒としたものも作製した。
この角柱状の原料棒を用いて、誘導加熱型のFZ装置で、入力45kWの高周波電力を投入して原料棒の先端部を溶融し、角柱状の種結晶を接続して矩形状の溶融帯を形成した。その溶融帯は、垂れ落ちることなく、安定していた。その後、溶融帯を20mm/hの速度で移動させて、単結晶を引き上げた。溶融帯は最後まで垂れ落ちることはなく、最後まで単結晶を引き上げることができた。引き上がった単結晶は、長辺45mm,短辺8mmの角柱状の単結晶であった。この育成された単結晶を観察した結果、双晶や多結晶がなく、全体にわたって単結晶が生成された良好な特性であった。
一方、比較例として円柱状の原料棒を用いて、同様に、誘導加熱型のFZ装置で、入力45kWの高周波電力を投入して原料棒を溶融し、その溶融部に同一の角柱状の種結晶を接続して形成した溶融帯を20mm/hの速度で移動させて、角柱状の単結晶を作製しようとしたところ、溶融帯の下部から溶融した原料が垂れ落ちてしまい、単結晶を引き上げることができなかった。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更を加えることは何ら差し支えない。
例えば、原料棒として形状が三角筒状のものを用い、これに三角筒状の種結晶を用いて単結晶を引き上げることで、三角筒状の形状の単結晶を育成することができる。
本発明の第1の単結晶の育成方法の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の第1の単結晶の育成方法の実施の形態の一例における溶融帯近傍の様子を示す断面図である。 本発明の第1の単結晶の育成方法の実施の形態の他の例における溶融帯近傍の様子を示す断面図である。 本発明の第1の単結晶の育成方法の実施の形態のさらに他の例における溶融帯近傍の様子を示す断面図である。 本発明の第2の単結晶の育成方法の実施の形態の一例における溶融帯近傍の様子を示す斜視図である。 従来の単結晶の育成方法における溶融帯近傍の様子を示す断面図である。
符号の説明
1・・・上軸駆動部
2・・・上軸
3・・・上ホルダー
4・・・誘導加熱コイル
5・・・種結晶
6,6’,6”,26・・・原料棒
7,7’,7”,27・・・溶融帯
8,8’,28・・・単結晶
9・・・下軸駆動部
10・・・下軸
11・・・下ホルダー
12・・・耐圧容器
13・・・容器内空間
15,15’・・・単結晶と溶融帯との界面
16,16’,16”・・・原料棒と溶融帯との界面

Claims (3)

  1. 誘導加熱コイルで原料棒を誘導加熱して溶融帯を形成し、該溶融帯を移動させながら、溶融帯の上下の端部においてそれぞれ溶融および凝固を順次行なうことにより単結晶を成長させるFZ法による単結晶の育成方法において、前記原料棒の形状が筒状であることを特徴とする単結晶の育成方法。
  2. 前記原料棒の形状が多重の筒状であることを特徴とする請求項1記載の単結晶の育成方法。
  3. 誘導加熱コイルで原料棒を誘導加熱して溶融帯を形成し、該溶融帯を移動させながら、溶融帯の上下の端部においてそれぞれ溶融および凝固を順次行なうことにより単結晶を成長させるFZ法による単結晶の育成方法において、前記原料棒の形状が角柱状であることを特徴とする単結晶の育成方法。
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JP2008534427A (ja) * 2005-04-06 2008-08-28 ペーファオ シリコン フォルシュングス− ウント プロドゥクツィオンス アクチエンゲゼルシャフト ほぼ多角形の横断面を有する単結晶性のSiウェーハを製造する方法およびこのような単結晶性のSiウェーハ

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