JP2005125775A - 成形用積層シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、成形時に必要な展延性を有し、かつ成形後の成形品の変形が少なく、成形後も鮮映性の高い鏡面状金属光沢を保つ成形用積層シートを提供することにある。
【解決手段】 表層側から、透明又は半透明の熱可塑性フィルム層、鏡面状金属光沢層、および支持基材層がこの順に積層された成形用積層シートであって、該支持基材層が平均粒径4μm以下の無機フィラーを含有する熱可塑性樹脂である成形用積層シートを提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、鮮映性の高い鏡面状金属光沢を有する積層シート、特に自動車関連部材、建材部材、家電品等の外装塗装不要のシートとして有用な成形用積層シートに関する。
一般に着色された樹脂成形部材を製造する場合、樹脂自体に顔料を練り込み、着色して射出成形等する方法のほか、成形した後、スプレー塗装等を施す方法がある。特に金属調の意匠を要求される場合は、顔料の練り込みの困難さ、顔料流れ跡が目立ちやすいなどの理由で、着色法より塗装法が採用されることが多い。塗装法の場合、塗膜を焼付け、架橋させれば、表面保護の効果も期待できる。しかしながら、現在の塗料は揮発性有機溶剤を用いるものが主流であるため、揮発性有機溶剤の排出に対する作業環境保護、外部環境保護の観点から、水系塗料あるいは粉体塗料を使用する等の無溶剤化が図られているが、金属調の意匠の表現は現状では困難である。これに対し、塗料を使用する代りに成形性支持樹脂層を積層した着色シートを、射出成形時に一体化して成形する方法が紹介されている。この方法によれば、金属調意匠の樹脂成形部材を無溶剤で製造することが可能である。
鮮映性の高い金属調の意匠性を有するシートとしては、アルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルムやポリプロピレンフィルム等をドライラミネートした積層シートが知られている。また、鱗片状でかつ表面が平滑なアルミニウム粒子を含有するアクリレート系エマルジョン層を有する積層シートが記載されている(例えば特許文献1参照)。
また、金属薄膜細片を結着樹脂ワニス中に分散したインキ皮膜を有する積層シートを用いることが提案されている(例えば特許文献2参照)。これらの方法によって作られたシートは、真空成形等の熱成形により、金属光沢を保ったままある程度以上の展延が可能となった。
しかしながら、いずれの場合も、熱可塑性フィルム層と支持基材層との熱収縮率の違いにより、熱成形後の変形が大きく良好な形状の成形品を得ることが出来ないこと、及び支持基材層の熱収縮率を調整するために、支持基材層に無機物を添加した場合、鮮映性が著しく低下することが問題であった。
特開平5−111991号公報 特開2002−46230号公報
本発明の課題は、成形時に必要な展延性を有し、かつ成形後の成形品の変形が少なく、成形後も鮮映性の高い鏡面状金属光沢を保つ成形用積層シートを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、表層側から、少なくとも、透明又は半透明の成形用熱可塑性フィルム層、鏡面状金属光沢層、および支持基材層がこの順に積層された成形用積層シートであって、該支持基材層が特定の無機フィラーを含有することにより、成形前後の変形が小さく、成形後も鮮映性の高い鏡面状金属光沢を有することを見いだし本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、表層側から、透明又は半透明の熱可塑性フィルム層、鏡面状金属光沢層、および支持基材層がこの順に積層された成形用積層シートであって、該支持基材層が平均粒径4μm以下の無機フィラーを含有する熱可塑性樹脂である成形用積層シートを提供する。
支持基材層に、平均粒径4μm以下の無機フィラーを添加することで、良好な成形性を維持したまま支持基材層の成形収縮率を減少させることが可能となった。熱成形後の変形を抑えられることに加え、熱成形後も鏡面状金属光沢層の鮮映性を低下させることなく、美しい鏡面性を維持したままの成形体を供することができる。
以下に本発明の成形用積層シートの実施の形態について詳述する。
(透明または半透明熱可塑性フィルム)
本発明に用いる透明または半透明熱可塑性フィルムとしては、透明又は半透明の単層又は多層フィルムであって、着色剤を含有してもよい、加熱により展延性を有するフィルムが用いられる。
真空成形等の熱による成形工程を行うため、軟化点が30〜300℃の範囲である熱可塑性樹脂を主体とするフィルムが好ましく、例を挙げれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリル樹脂、シリコン−アクリル樹脂、アイオノマー、ポリスチレン、ポリウレタン、ナイロン、エチレン−ビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリビニルフルオネート、ポリビニリデンジフルオネート等の熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。これらの中でも、一体成形可能性、耐候性の点から、ポリビニリデンジフルオネート、またはアクリル系樹脂から成るシートが好ましい。厚みは特に制限しないが、インキ保護層の塗工性が良好なことから、30〜2000μmの範囲が好ましく、より好ましくは50〜500μmである。
(高輝性インキ)
本発明の鮮映性に優れた成形用積層シートの鏡面状金属光沢層は、金属薄膜細片を含有し鏡面状金属光沢を有するインキ層とすることができる。該インキ層は、真空成形時の展延性がよいことから金属薄膜細片を結着樹脂中に分散した、鏡面状金属光沢を有するインキ(以下、高輝性インキと言う。)により形成される。インキ中の不揮発分に対する金属薄膜細片の含有量は3〜60質量%の範囲であることが好ましい。金属薄膜細片を使用した高輝性インキは、該インキを印刷又は塗布した際に金属薄膜細片が被塗物表面に対して平行方向に配向する結果、従来の金属粉を使用したメタリックインキでは得られない高輝度の鏡面状金属光沢が得られる。
また、成形時に必要な展延性、すなわち、加熱真空成形法等による200%展延に対し、成形体の変形が無くかつ良好な鮮映性のある鏡面状金属光沢の意匠性を与える成形用積層シートを提供することができる。
(金属薄膜細片)
インキ層に使用する高輝性インキに用いられる金属薄膜細片の金属としては、アルミニウム、金、銀、銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等を使用することができる。金属を薄膜にする方法としては、アルミニウムのように融点の低い金属の場合は蒸着、アルミニウム、金、銀、銅など展性を有する場合は箔、融点が高く展性も持たない金属の場合は、スパッタリング等を挙げることができる。これらの中でも、蒸着金属薄膜から得た金属薄膜細片が好ましく用いられる。金属薄膜の厚さは、0.01〜0.1μmが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.08μmである。インキ中に分散させる金属薄膜細片の面方向の大きさは、5〜25μmが好ましく、さらに好ましくは10〜15μmである。大きさが5μm未満の場合は、塗膜の輝度が不十分となり、25μmを超えると金属薄膜細片が配向しにくくなるので輝度が低下するほか、インキをグラビア方式あるいはスクリーン印刷方式で印刷又は塗布する場合に、版の目詰まりの原因となる。
以下に金属薄膜細片の作製方法を、特に好ましい蒸着法を例として説明する。金属を蒸着する支持体フィルムには、ポリオレフィンフィルムやポリエステルフィルムなどを使用することができる。まず支持体フィルム上に塗布によって剥離層を設けた後、剥離層上に所定の厚さになるよう金属を蒸着する。蒸着膜面には、酸化を防ぐためトップコート層を塗布する。剥離層およびトップコート層形成用のコーティング剤は同一のものを使用することができる。
剥離層、あるいはトップコート層に使用する樹脂は、特に限定されない。具体的にはたとえば、セルロース誘導体、アクリル樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、EVA樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化EVA樹脂、石油系樹脂等を挙げることができる。また溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル等を使用することができる。
上記金属蒸着フィルムを、剥離層およびトップコート層を溶解する溶剤中に浸積して撹拌し、金属蒸着膜を支持体フィルムから剥離した後、さらに撹拌して金属薄膜細片の大きさを約5〜25μmとし、濾別、乾燥する。溶剤は、剥離層あるいはトップコート層に使用する樹脂を溶解するものであること以外に、特に限定はない。金属薄膜をスパッタリングで作成した場合も、上記と同様の方法で金属薄膜細片とすることができる。金属箔を用いる場合は、溶剤中でそのまま攪拌機により所定の大きさに粉砕すればよい。
金属薄膜細片は、インキ中における分散性を高めるために表面処理するのが好ましい。表面処理剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられ、公知慣用の方法で金属薄膜細片表面に吸着させる。
(結着樹脂)
結着樹脂は、従来のグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、あるいは塗料等に通常使われているものを用いることができる。具体的にはたとえば、塗料用アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢ビ樹脂、エチレン−酢ビ樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、エチレン−アクリル樹脂などの重合系樹脂、あるいは塗料用ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、石油系樹脂、セルロース誘導体樹脂等が好ましく用いられる。また、これらの樹脂にカルボン酸基、燐酸基、スルホン酸基、アミノ基、四級アンモニウム塩基などの極性基を化学的に結合させたものを使用、または併用してもよい。
(添加剤)
インキ層に使用する高輝性インキには、必要に応じて、意匠性、展延性を阻害しない限り、インキ中に消泡、沈降防止、顔料分散、流動性改質、ブロッキング防止、帯電防止、酸化防止、光安定性、紫外線吸収、内部架橋等を目的として、従来のグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、あるいは塗料等に使用されている各種添加剤を使用することができる。このような添加剤としては、着色用顔料、染料、ワックス、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、分散剤、消泡剤、キレート化剤、ポリイソシアネート等を挙げることができる。
(溶剤)
インキ層に使用する高輝性インキに用いられる溶剤は、従来のグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、あるいは塗料等に使われている公知慣用の溶剤を使用することができる。具体的にはたとえば、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル等を挙げることができる。
(高輝性インキの調製方法)
一般にインキの配合原料を安定して分散させるには、ロールミル、ボールミル、ビーズミル、あるいはサンドミル等を使用して練肉することにより、顔料その他添加剤をサブミクロンまで微粒子化する。しかし、本発明の鮮映性に優れた成形用積層シートのインキ層に使用する高輝性インキに、金属光沢を発現させるために配合する金属薄膜細片は5〜25μmの大きさが好ましい。上記練肉を行った場合は金属薄膜細片が微粒子化してしまい、金属光沢が極端に低下する。したがって、本発明においては練肉は行わず、単に上記配合原料を混合してインキとすることが望ましい。そのためには、分散性を向上させる目的で、前記したように金属薄膜細片を表面処理しておくことが好ましい。
(印刷または塗工方法)
本発明の成形用積層シートのインキ層、該インキ層にさらに積層してもよいインキ、および接着剤の印刷又は塗工方式は、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の印刷方式、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、フレキソコーター、ブランケットコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、キスタッチコーター、キスタッチリバースコーター及びコンマコーター、コンマリバースコーター、マイクログラビアコーター等の塗工方式を用いることが出来る。インキの膜厚は薄すぎると隠蔽性に劣り意匠性が損なわれる傾向があり、厚すぎると金属薄膜細片の配向が非均一に成りやすい。このため、インキ層の膜厚としては、5μm以下が好ましく、0.05〜5μmがより好ましく、特に好ましくは0.5〜3μmである。
(金属蒸着層)
本発明の鮮映性に優れた成形用積層シートの鏡面状金属光沢層は、金属蒸着層とすることができる。金属蒸着層は加飾層として金属光沢を表現するためのものであり、真空蒸着法で形成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、または亜鉛などの金属、またはこれらの合金若しくは化合物を使用する。膜厚は、0.01〜1.0μmの範囲が好ましい。膜厚が0.01μmより小さいと必要な金属光沢が得られにくく、膜厚が1.0μmより大きいと硬くなりすぎ立体形状に変形しにくいからである。さらには0.03〜0.6μmの範囲がさらに好ましい。膜厚が0.03μmより小さいと立体形状に変形したときに透けが発生する場合があり、膜厚が0.6μm以下であればより成形しやすくなるからである。
(支持基材層)
本発明の基材層を構成する熱可塑性樹脂は、未延伸でも十分な強度が得られかつ、真空成形、圧空成形などの熱成形性に優れたポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂ものが好ましい。特にポリエチレン系樹脂やゴム状樹脂をブレンドすることで、自動車外装部品を代表とする複雑な形状を有する成形品などの賦形性が向上すると共に、優れた衝撃強度を発現させることができる。ここでポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂とは、支持基材層を構成する樹脂の内50質量%以上がポリプロピレン樹脂であり、基材層の構成材料全体に対しても30質量%以上であるものを言う。支持基材層の厚みは10μm〜2000μmが好ましい。
(無機フィラー)
本発明の成形用積層シートは熱成形され三次元形状の成形体となる。このとき支持基材層とその上に積層された熱可塑性フィルム層に使用される熱可塑性樹脂の成形収縮率が異なるため、成形体に変形が起こり良好な形状を保つことが出来ない。支持基材層の樹脂に無機フィラーを添加すると、成形収縮率を小さく制御することができ、支持基材層と透明又は半透明の熱可塑性フィルム層との成形収縮率の差を小さくすることができるため、成形及び成形後の変形を防ぐことができる。
しかし、無機フィラーの粒径が大きいと、支持基材層の表面に凹凸が生じ、その上に積層されている鏡面状金属光沢層にも凹凸が影響する。支持基材層に凹凸があると、鏡面状金属光沢層が金属薄膜細片を含有し鏡面状金属光沢を有するインキ層である場合には
インキ層に含有されている金属薄膜細片が基材層に略平行に配向することが困難になり、配向に乱れが生じる。このため金属薄膜細片による金属光沢の鮮映性が損ねられる。
また、鏡面状金属光沢層が金属蒸着層である場合には、蒸着層に凹凸が発生し金属光沢の鮮映性が損ねられる。
したがって、鏡面状金属光沢層の下地である支持基材層は平滑性が要求される。本発明の成形用積層シートは、平均粒径4μm以下の無機フィラーを含有する支持基材層を有するため、金属光沢の鮮映性を有することができる。無機フィラーの平均粒径は、好ましくは2μm以下である。なお粒子径が小さくなっても特に不都合は無いので、特に用いる粒子径の下限を設ける必要はない。
尚、ここで言う鮮映性とは、対象物に蛍光灯を写し、その像の写り具合を評価する指標であり、良好なものは蛍光灯が鮮明に見えるものであり、凹凸等が認められ像が歪んで見えるものを鮮映性が悪いと判断するものである。
無機フィラーの支持基材層の樹脂への添加量については、透明または半透明成形用熱可塑性フィルム層に使用される熱可塑性樹脂の成形収縮率に近づくように十分な量を添加する必要がある。一方、成形体として十分な衝撃強度を得るためには、無機フィラーの添加量は支持基層を構成する樹脂に対して5〜60質量%が好ましく、良好な真空成形性を得るためには10〜40質量%が好ましく、10〜30質量%にすることが更に好ましい。
インサート成形用成形体を作製するための支持基材層として好ましく用いられるポリプロピレン樹脂及びプロピレン樹脂を主成分とする樹脂は、透明又は半透明の熱可塑性フィルム層との成形収縮率差が大きい。支持基材層への無機フィラーの添加により、支持基材層の成形収縮率を小さくして熱可塑性フィルムとの成形収縮率差を小さくし、成形用積層シートのカール変形を抑えることができる。支持体層の成形収縮率は成形用積層シートの変形が起こらなければよいため特に限定はしないが、支持基材層と熱可塑性フィルム層の成形収縮率の差は0.7%以下が好ましく、より好ましくは0.4%以下である。
本発明で使用する無機フィラーの種類は特に限定はされないが、タルク、炭酸カルシウム、クレー、珪藻土、マイカ、珪酸マグネシウム、シリカ等が上げられる。
(支持基材層中の着色剤)
支持基材層に着色剤を含有させると、成形品の下地色の隠蔽性が良好となるので好ましい。用いる着色剤は、特に限定されず、目的とする意匠に合わせて、一般の熱可塑性樹脂の着色に使用される慣用の無機顔料、有機顔料および染料などが使用できる。例えば、酸化チタン、チタンイエロー、酸化鉄、複合酸化物系顔料、群青、コバルトブルー、酸化クロム、バナジウム酸ビスマス、カーボンブラック、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク等の無機顔料;アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、アンスラキノン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、チオインジゴ系顔料及びジケトピロロピロール系顔料等の有機顔料;金属錯体顔料などが挙げられる。また染料としては主として油溶性染料のグループから選ばれる1種または2種を使用することが好ましい。
基材層に配合される着色剤の添加量は、着色剤の種類や目的とするシートの厚みや色調により異なるが、色相や下地色の隠蔽性を確保し、かつ衝撃強度を維持するために、着色層を構成する樹脂に対して0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%の範囲である。20質量%を超えて着色剤を添加すると、衝撃強度が低下し、着色剤の添加量が0.1%未満であると色相や下地色の隠蔽性が十分でない傾向にある。
(保護層)
本発明の鮮映性に優れた成形用積層シートの透明または半透明熱可塑性フィルムと鏡面状金属光沢層との間に耐熱性、耐溶剤性、意匠性、耐候性等を向上させる目的で保護層を一層以上設けても良い。保護層に使用できる樹脂の種類については、展延性を阻害しない限り特に制限はないが、架橋密度の調整の容易さ、耐候性、透明熱可塑性フィルムとの接着性などの点から、アクリル系樹脂が好ましい。 架橋機構についても特に制限はなく、アクリル系樹脂の場合、UV硬化、EB硬化、水酸基含有共重合体/イソシアネート硬化、シラノール/水硬化、エポキシ/アミン硬化などが使用できるが、架橋密度の調整の容易さ、耐候性、反応速度、反応副生物の有無、製造コストなどの点から、水酸基含有共重合体/イソシアネート硬化が好ましい。
また、保護層は、意匠性を付与するために着色層とすることもできる。その場合の着色剤の添加量は、着色剤の種類及び目的とする色調や保護層の厚みにより異なるが、鏡面状金属光沢層を隠蔽しないように保護層の全光線透過率は20%以上であることが好ましく、特に全光線透過率が40%以上であることがより好ましい。
該着色剤としては、顔料が好ましい。用いる顔料は特に限定されず、着色顔料、メタリック顔料、干渉色顔料、蛍光顔料、体質顔料および防錆顔料などの公知慣用の顔料を使用することができる。
着色顔料としては、例えば、キナクリドンレッド等のキナクリドン系、ピグメントレッド等のアゾ系、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンおよびペリレンレッド等のフタロシアニン系等の有機顔料;酸化チタンやカーボンブラック等の無機顔料が挙げられ、メタリック顔料としては、例えば、アルミニウム粉、ニッケル粉、銅粉、真鍮粉およびクロム粉等が挙げられる。
干渉色顔料としては、真珠光沢状のパールマイカ粉や真珠光沢状の着色パールマイカ粉等を挙げられ、蛍光顔料としては、キナクリドン系、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、不溶性アゾ系、ナフトール系、フラバンスロン系、アンスラピリミジン系、キノフタロン系、ピランスロン系、ピラゾロン系、チオインジゴ系、アンスアンスロン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系およびインダンスロン系等の有機顔料や、ニッケルジオキシンイエローや銅アゾメチンイエロー等の金属錯体や、酸化チタン、酸化鉄および酸化亜鉛等の金属酸化物や、硫酸バリウムや炭酸カルシウム等の金属塩や、カーボンブラック、アルミニウムおよび雲母等の無機顔料が挙げられる。
また着色剤を含む保護層には、その衝撃強度や成形性が損なわれない範囲で、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、難燃剤および滑剤等の添加剤を配合してもよく、これらの添加剤は単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
(積層)
鏡面状金属光沢層と支持基材層は、接着剤層を介して積層することができる。接着方法としては慣用の溶剤型接着剤を用いたドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、ホットメルトラミネーション法等で積層シートにすることが出来る。
接着剤を構成する成分は、慣用のフェノール樹脂系接着剤、レゾルシノール樹脂系接着剤、フェノール−レゾルシノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、ポリウレタン系接着剤およびポリアロマチック系接着剤等の熱硬化性樹脂接着剤やエチレン不飽和カルボン酸等を用いた反応型接着剤、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、塩化ビニル、ナイロン及びシアノアクリレート樹脂等の熱可塑性樹脂系接着剤やクロロプレン系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、SBR系接着剤及び天然ゴム系接着剤等のゴム系接着剤等が挙げられる。特にアクリル樹脂とポリプロピレン系樹脂の接着性が良好でありかつ真空成形時の伸びの追随性が良好なことから、アクリルウレタン系の接着剤が好ましい。
これら接着剤の塗工方式は、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、フレキソコーター、ブランケットコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、キスタッチコーター、コンマコーター等を用いることが出来る。
接着剤の塗布量は、接着力が十分で、乾燥性も良好なためには、0.1〜30g/mの範囲が好ましく、特に好ましくは2〜10g/mである。
2g/mより少なすぎると接着力が弱くなり、10g/mより多すぎると乾燥性が低下する。接着剤層の厚さとしては、0.1〜30μmの範囲が好ましく、より好ましくは、1〜20μm、特に好ましくは、2〜10μmである。
また、支持基材層の接着面は、接着材との親和性を向上させる目的で、プラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理、電子線照射処理、粗面化処理、オゾン処理、等の表面処理、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のドライプレーティング処理が施されても良い。
(粘着剤)
また、接着剤層に代えて、粘着剤層を設けることも出来る。粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、ポリアルキルシリコン系、ウレタン系、ポリエステル系等が好ましく用いられる。
(表面保護層)
本発明の成形用積層シートでは、成形の際の表面層側に、意匠性、耐摩擦性、耐擦傷性、耐候性、耐汚染性、耐水性、耐薬品性及び耐熱性等の性能を付与するために、透明、半透明若しくは着色クリアのトップコート層を1層以上設けることができる。トップコート剤としては成形用積層シートの展延性を阻害しない限り、ラッカータイプ、イソシアネート又はエポキシ等による架橋タイプ、UV架橋タイプ又はEB架橋タイプが好ましく用いられる。
(シートの加工)
本発明の鮮映性に優れた成形用積層シートは各種成形法の表面層として用いることが出来る。例を挙げると、透明又は半透明の熱可塑性フィルムを金型と反対面に配置し、熱成形により三次元形状を有する予備成形体とした後、射出成形金型内の雌型側にインサートし、射出樹脂と一体化するインサート射出成形法で成形することが出来る。
(熱成形)
本鮮映性に優れた成形用積層シートをインサート射出成形に供するためには、予め真空成形、圧空成形、真空圧空成形等による熱成形で賦形して予備成形体にする必要がある。
なかでも真空成形が簡便で好ましい。
真空成形の設定条件は、特に制限されるものでは無いが遠赤外線ヒーターを用いた場合、ヒーター温度で200〜500℃、間接加熱時間5〜30秒程度とし加熱を行う、金型温度は成形品の外観や収縮度合いを確認しながら決める必要があるが20〜80℃、金型による冷却時間は5〜30秒が好ましい。
熱板圧空成形を行う場合その熱板温度は、成形するシートが賦形可能になる温度、例えばJIS K7244−1法で求められる動的粘弾性測定の貯蔵弾性率(E’)の値が100MPa〜0.1Mpaとなる様な温度が好ましい。熱板による加熱時間はシートの厚みにより異なるが1〜20秒、成形圧力は0.1〜1Mpaがよい。
次に、得られた予備成形体をその高輝性層が雌金型に接するように金型内に配置し、前記予備成形体の裏面に基材層と同様のポリプロピレン系の熱可塑性樹脂を射出成形することにより一体成形する。射出樹脂の樹脂温度は特に制限されるものではないが、通常ポリプロピレン系樹脂が射出可能な180〜250℃程度が好ましい。金型温度は雄型、雌型共に20〜80℃程度が好ましいが、射出成形品に反り等が発生する場合は雄型及び雌型に温度勾配を付け、修正をすることが必要となる。
以下に具体例をもって本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例における物性評価は下記の測定法または試験法にて行った。また、実施例中の「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。
(鮮映性評価法)
本発明の成形用積層シートの鮮映性は、加熱真空成形法による金型底部の250%展延部に蛍光灯を写し鮮映性を以下の基準で評価した。この際使用した金型1は間口156×127mm、底部100×85mm、深さ60mmであり、本発明の成形用積層シートを成形したところ底面中央の面倍率が250%程度であった。なお、ここでいう面倍率は、元の面積に比して全体の面積が2.5倍になった場合を250%として表す。また、一体射出後の鮮映性も上記の成形体をインサート射出成形に供した後に、同様の評価を行った。但し、蒸着法を用いて作製したシートは展延性低いため鮮映性の評価は、金型底部の展延率が170%の間口156×127mm、底部100×85mm、深さ60mmの金型4で行った。
◎:像が鮮明に映るもの。
○:像がややぼやけて映るが充分な鮮映性があるもの。
×:凹凸が認められ、像が完全に歪んで見えるもの。
(成形体の変形性評価法)
底面120×90mm、上面40×70mm、高さ25mmの台形金型2を、長さ170×幅140×高さ30mmの型枠の中心に設置後、加熱真空成形法で成形し、金型で賦形された成形体部分を挟みで抜き取り変形性を以下の基準で評価した。
○:変形が無く、金型と同様の形状を維持しているもの。
△:局部的な変形はあるが、インサート成形には問題が無い程度のもの。
×:変形が大きく、明らかに金型の形状とは異なっているもの。
(成形収縮率の測定法)
長さ500mm×幅150mm×高さ30mmの金属第の中央部に長さ400mm×幅30mm×高さ5mmの雄型が配された凸型金型3を用いて、評価用シートを真空成形法で成形し、得られた成形体の金型側部の長さ方向の距離Tを測定し、下記の式より成形収縮率(%)を測定した。
成形収縮率(%)= (400−T)/400 × 100
(積層シートの作製)
(1)アルミニウム薄膜細片
ニトロセルロース(HIG7)を、酢酸エチル:イソプロピルアルコール=6:4の混合溶剤に溶解して6%溶液とした。該溶液を、スクリーン線数175線/インチ、セル深度25μmのグラビア版でポリエステルフィルム上に塗布して剥離層を形成した。十分乾燥した後、剥離層上に厚さが0.04μmとなるようにアルミニウムを蒸着し、蒸着膜面に、剥離層に使用したものと同じニトロセルロース溶液を、剥離層の場合と同じ条件で塗布し、トップコート層を形成した。
上記蒸着フィルムを、酢酸エチル:イソプロピルアルコール=6:4の混合溶剤中に浸積してポリエステルフィルムからアルミニウム蒸着膜を剥離したのち、大きさが約150μmとなるよう攪拌機でアルミニウム蒸着膜を粉砕し、アルミニウム薄膜細片を調製した。
(2)アルミニウム薄膜細片スラリー
アルミニウム薄膜細片 10部
酢酸エチル 35部
メチルエチルケトン 30部
イソプロピルアルコール 30部
上記を混合し、撹拌しながら、下記組成のニトロセルロース溶液5部を加えた。
ニトロセルロース(HIG1/4) 25%
酢酸エチル:イソプロピルアルコール=6:4混合溶剤 75%
上記混合物を、温度を35℃以下に保ちながら、ターボミキサーを使用して、アルミニウム薄膜細片の大きさが5〜25μmになるまで攪拌し、アルミニウム薄膜細片スラリー(不揮発分10%)を調製した。
(3)表面保護層及び保護層
重量平均分子量:GPC測定結果のポリスチレン換算値を示す。
固形分:アルミ皿に試料1gを採り、トルエンにて薄く均一に拡げた後風乾し、更に108℃の熱風乾燥機中で1時間乾燥し、乾燥後の重量より算出した。
水酸基価は、モノマー仕込み組成よりKOH中和量として算出し、ポリマーTgはDSCにより、酸価は0.05mol・dm−3水酸化カリウム−トルエン溶液滴定法により測定した。
(水酸基含有共重合体)
温度調節器、窒素導入管、滴下装置(2基)、撹拌装置を備え付けた反応容器に酢酸ブチル850部、パーブチルZ(商品名、日本油脂株式会社製、t−ブチルパーオキシベンゾエート)1部を仕込み、窒素置換後、110℃まで1.5時間かけて昇温した。
別途、メチルメタクリレート660部、t−ブチルメタクリレート150部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート190部をよく混合した溶液(以下モノマー溶液と表記)と酢酸イソブチル200部、パーブチルO(商品名、日本油脂株式会社製、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)9部、パーブチルZ(商品名、日本油脂株式会社製、t−ブチルパーオキシベンゾエート)2部をよく混合した溶液(以下、触媒溶液と表記する。)、それぞれを滴下装置に仕込み、直ちに窒素置換した。
窒素雰囲気下で反応容器内に前述のモノマー溶液と触媒溶液を反応温度の急激な上昇がないように監視しつつ、5時間かけて滴下した。滴下終了後、約15時間攪拌を続けた結果、固形分含有率60%の樹脂組成物(O−1)を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は100,000、固形分の水酸基価は79KOHmg/g、Tgは95℃であった。
(ポリイソシアネート化合物)
「BURNOCK DN−981」(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製、イソシアヌレート環含有ポリイソシアネート、数平均分子量約1000、不揮発分75%(溶剤:酢酸エチル)、官能基数3、NCO濃度13〜14%)をポリイソシアネート化合物とする。
(表面保護層及び保護層)
上記水酸基含有共重合体と、ポリイソシアネート化合物を1:1の割合で配合、混合し、表面保護層及び保護層用溶液を調製した。
(4)インキ
(インキ調製)
アルミニウム薄膜細片スラリー(不揮発分10%) 30部
結着樹脂 カルボン酸含有塩ビ−酢ビ樹脂 3部
(UCC社製「ビニライト VMCH」)
ウレタン樹脂
(荒川化学製「ポリウレタン2593」不揮発分32%)8部
酢酸エチル 23部
メチルエチルケトン 26部
イソプロパノール 10部
上記を混合し、不揮発分中のアルミニウム薄膜細片濃度35質量%であるインキを調製した。
(5)接着剤
二液型のポリエステルウレタン系接着剤(大日本インキ化学工業株式会社製「ELX−1004」と「KR−90」の二液混合型接着剤)を8:2の割合で混合し接着剤を調整した。
(6)支持基材層
支持基材層として住友化学社製ポリプロピレン樹脂(商品名「AD571」)60部と住友化学社製低密度ポリエチレン15部(商品名「F101−1」)、熱風乾燥機により600PPM以下まで乾燥させた松村産業社製タルクマスターバッチ(平均粒径1.8μm、4.0μm又は8.0μmのタルクを60質量%含有。)25部とをドラムタンブラーを用いて攪拌した後、押出機ホッパーより投入し、加工温度230℃にてTダイから押出成形し、40℃に加熱されたキャストロールを通した後、巻き取り、表1に示す所定の平均粒径、添加量のタルクを含んだ300μmの無延伸原反シートを製造した。
(7)透明または半透明熱可塑性フィルム層
透明または半透明熱可塑性フィルム層として透明で表面光沢値が150(60°/60°)、成形収縮率0.6%、厚さ100μmのゴム変性PMMAフィルムを使用した。
(8)金属蒸着層を有するフィルム
アクリル系樹脂層、ウレタン系樹脂からなる保護層、厚さ0.1μmのインジウム蒸着層からなる金属薄膜層及びビニル系樹脂からなる接着層で構成される光沢値1300%の金属蒸着層を有するフィルムを使用した。
(9)シートの積層方法
ゴム変性PMMAフィルムに保護層及び表面保護層用に調整した溶液をマイクログラビアコーターを使用し乾燥膜厚2.0μm及び10μmとなるよう塗工後40℃3日間エージング処理を行った。次にインキ層を保護層にグラビアコーターを使用して乾燥膜厚2.0μmに塗工した。これとは別に支持基材層の接着面にコロナ処理を行い、上記の接着剤を#20番のバーコーターを用いて塗布を行った。40℃に設定したラミ装置を用いて上記インキ層と基材支持層との張り合わせを行った後、40℃3日間のエージング処理を行った。
(10)真空成形
得られた光輝性シートを株式会社ハーミス社製FE38PHの小型真空成形機を用いて、表面保護層側から間接加熱し、ヒーター退避後、反対側から金型を上昇させ真空成形体を作製した。加熱時間は3秒間、シート温度は163℃±3℃、ヒーター温度は370℃、シート・ヒーター間距離は130mm、金型温度は40±3℃、真空・冷却時間は8秒間とした。
(11)一体射出成形
金型1で得られた成形体の底部を、インキ層を有するシートの表面保護層が射出成形用金型の雌型に接触するように密着させ金型温度40℃で加熱後、200℃に加熱したノバテック社製PP樹脂(商品名「TX1868H5」)からなる溶融樹脂を金型内に射出して一体成形し、鮮映性に優れた積層シートを有する射出成形品を作成した。なお、射出成形機は住友重機械工業株式会社の住友ネスタール射出成形機プロマット80/40、金型は2段プレート成形品が取れる65mm×40mm×厚さ3mmと1.5mm(厚さが3mmと1.5mmの2段の階段状プレート)のものを用いた。
(実施例1〜3、比較例1〜2)
層構成を、表面保護層/ゴム変性PMMAフィルム層/保護層/インキ層/接着剤層/支持基材層とし、支持基材層には無機フィラーとしてタルクを表1に示した粒子径及び割合で配合し、300μmのシートとした。得られた積層シートは金型1、金型2及び金型3を用いて上記の条件で真空成形法にて成形体とし鮮映性及び成形体の変形性の評価を行った。また金型1で得られた成形体の底部を切り出し一体射出後の鮮映性も同様に評価した。尚、支持基材層及びゴム変性PMMAフィルム層単体の成形収縮率は積層前に評価を行った。
評価結果を表1に示す。
Figure 2005125775

(実施例4、比較例3)
層構成を、アクリル系フィルム層/金属蒸着層/接着剤層/支持基材層とし、支持基材層には無機フィラーとしてタルクを表2に示した粒子径及び割合で配合し、300μmのシートとした。得られた積層シートは金型4金型2及び金型3を用いて上記の条件で真空成形法にて成形体とし鮮映性及び成形体の変形性の評価を行った。また金型4で得られた成形体の底部を切り出し一体射出後の鮮映性も同様に評価した。尚、支持基材層及び蒸着フィルム層単体の成形収縮率は積層前に評価を行った。
評価結果を表2に示す。
Figure 2005125775


実施例1〜4に示すように、支持基材層に無機フィラーであるタルクを含む成形用積層シートでは、成形収縮率が低く、成形体の変形が起こりにくい。また射出成形前、射出成形後のいずれも良好な鮮映性を有することがわかる。
一方、比較例2のように支持基材層に無機フィラーを入れない成形用積層シートでは、成形体の変形が起こった。また、平均粒径が8μmの無機フィラー(タルク)を入れた成形用積層シートでは、成形体の変形は抑制できたが、鮮映性が低下した。
本発明の成形用積層シートは、自動車関連部材、建材部材、家電品等の用途に使用される外装塗装不要の鮮映性の高い鏡面状金属光沢を有する積層シートして有用である。

Claims (8)

  1. 表層側から、透明又は半透明の熱可塑性フィルム層、鏡面状金属光沢層、および支持基材層がこの順に積層された成形用積層シートであって、該支持基材層が平均粒径4μm以下の無機フィラーを含有する熱可塑性樹脂であることを特徴とする成形用積層シート。
  2. 前記支持基材層がポリプロピレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂である請求項1記載の成形用積層シート。
  3. 前記鏡面状金属光沢層が金属薄膜細片を含有するインキ層である請求項1または2記載の成形用積層シート。
  4. 前記鏡面状金属光沢層が金属蒸着層である請求項1または2記載の成形用積層シート。
  5. 前記支持基材層中の前記無機フィラーの含有量が5質量%〜60質量%である請求項1〜4のいずれかの請求項に記載の成形用積層シート。
  6. 前記無機フィラーがタルクである請求項1〜5のいずれかの請求項に記載の成形用積層シート。
  7. 前記支持基材層がゴム状樹脂を含有する請求項1〜6のいずれかの請求項に記載の成形用積層シート。
  8. 前記鏡面状金属光沢層の膜厚が5μm以下である請求項1の請求項に記載の成形用積層シート。
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