JP2005125775A - 成形用積層シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 表層側から、透明又は半透明の熱可塑性フィルム層、鏡面状金属光沢層、および支持基材層がこの順に積層された成形用積層シートであって、該支持基材層が平均粒径4μm以下の無機フィラーを含有する熱可塑性樹脂である成形用積層シートを提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明に用いる透明または半透明熱可塑性フィルムとしては、透明又は半透明の単層又は多層フィルムであって、着色剤を含有してもよい、加熱により展延性を有するフィルムが用いられる。
本発明の鮮映性に優れた成形用積層シートの鏡面状金属光沢層は、金属薄膜細片を含有し鏡面状金属光沢を有するインキ層とすることができる。該インキ層は、真空成形時の展延性がよいことから金属薄膜細片を結着樹脂中に分散した、鏡面状金属光沢を有するインキ(以下、高輝性インキと言う。)により形成される。インキ中の不揮発分に対する金属薄膜細片の含有量は3〜60質量%の範囲であることが好ましい。金属薄膜細片を使用した高輝性インキは、該インキを印刷又は塗布した際に金属薄膜細片が被塗物表面に対して平行方向に配向する結果、従来の金属粉を使用したメタリックインキでは得られない高輝度の鏡面状金属光沢が得られる。
また、成形時に必要な展延性、すなわち、加熱真空成形法等による200%展延に対し、成形体の変形が無くかつ良好な鮮映性のある鏡面状金属光沢の意匠性を与える成形用積層シートを提供することができる。
インキ層に使用する高輝性インキに用いられる金属薄膜細片の金属としては、アルミニウム、金、銀、銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等を使用することができる。金属を薄膜にする方法としては、アルミニウムのように融点の低い金属の場合は蒸着、アルミニウム、金、銀、銅など展性を有する場合は箔、融点が高く展性も持たない金属の場合は、スパッタリング等を挙げることができる。これらの中でも、蒸着金属薄膜から得た金属薄膜細片が好ましく用いられる。金属薄膜の厚さは、0.01〜0.1μmが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.08μmである。インキ中に分散させる金属薄膜細片の面方向の大きさは、5〜25μmが好ましく、さらに好ましくは10〜15μmである。大きさが5μm未満の場合は、塗膜の輝度が不十分となり、25μmを超えると金属薄膜細片が配向しにくくなるので輝度が低下するほか、インキをグラビア方式あるいはスクリーン印刷方式で印刷又は塗布する場合に、版の目詰まりの原因となる。
結着樹脂は、従来のグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、あるいは塗料等に通常使われているものを用いることができる。具体的にはたとえば、塗料用アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢ビ樹脂、エチレン−酢ビ樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、エチレン−アクリル樹脂などの重合系樹脂、あるいは塗料用ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、石油系樹脂、セルロース誘導体樹脂等が好ましく用いられる。また、これらの樹脂にカルボン酸基、燐酸基、スルホン酸基、アミノ基、四級アンモニウム塩基などの極性基を化学的に結合させたものを使用、または併用してもよい。
インキ層に使用する高輝性インキには、必要に応じて、意匠性、展延性を阻害しない限り、インキ中に消泡、沈降防止、顔料分散、流動性改質、ブロッキング防止、帯電防止、酸化防止、光安定性、紫外線吸収、内部架橋等を目的として、従来のグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、あるいは塗料等に使用されている各種添加剤を使用することができる。このような添加剤としては、着色用顔料、染料、ワックス、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、分散剤、消泡剤、キレート化剤、ポリイソシアネート等を挙げることができる。
インキ層に使用する高輝性インキに用いられる溶剤は、従来のグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、あるいは塗料等に使われている公知慣用の溶剤を使用することができる。具体的にはたとえば、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル等を挙げることができる。
一般にインキの配合原料を安定して分散させるには、ロールミル、ボールミル、ビーズミル、あるいはサンドミル等を使用して練肉することにより、顔料その他添加剤をサブミクロンまで微粒子化する。しかし、本発明の鮮映性に優れた成形用積層シートのインキ層に使用する高輝性インキに、金属光沢を発現させるために配合する金属薄膜細片は5〜25μmの大きさが好ましい。上記練肉を行った場合は金属薄膜細片が微粒子化してしまい、金属光沢が極端に低下する。したがって、本発明においては練肉は行わず、単に上記配合原料を混合してインキとすることが望ましい。そのためには、分散性を向上させる目的で、前記したように金属薄膜細片を表面処理しておくことが好ましい。
本発明の成形用積層シートのインキ層、該インキ層にさらに積層してもよいインキ、および接着剤の印刷又は塗工方式は、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の印刷方式、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、フレキソコーター、ブランケットコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、キスタッチコーター、キスタッチリバースコーター及びコンマコーター、コンマリバースコーター、マイクログラビアコーター等の塗工方式を用いることが出来る。インキの膜厚は薄すぎると隠蔽性に劣り意匠性が損なわれる傾向があり、厚すぎると金属薄膜細片の配向が非均一に成りやすい。このため、インキ層の膜厚としては、5μm以下が好ましく、0.05〜5μmがより好ましく、特に好ましくは0.5〜3μmである。
本発明の鮮映性に優れた成形用積層シートの鏡面状金属光沢層は、金属蒸着層とすることができる。金属蒸着層は加飾層として金属光沢を表現するためのものであり、真空蒸着法で形成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、または亜鉛などの金属、またはこれらの合金若しくは化合物を使用する。膜厚は、0.01〜1.0μmの範囲が好ましい。膜厚が0.01μmより小さいと必要な金属光沢が得られにくく、膜厚が1.0μmより大きいと硬くなりすぎ立体形状に変形しにくいからである。さらには0.03〜0.6μmの範囲がさらに好ましい。膜厚が0.03μmより小さいと立体形状に変形したときに透けが発生する場合があり、膜厚が0.6μm以下であればより成形しやすくなるからである。
本発明の基材層を構成する熱可塑性樹脂は、未延伸でも十分な強度が得られかつ、真空成形、圧空成形などの熱成形性に優れたポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂ものが好ましい。特にポリエチレン系樹脂やゴム状樹脂をブレンドすることで、自動車外装部品を代表とする複雑な形状を有する成形品などの賦形性が向上すると共に、優れた衝撃強度を発現させることができる。ここでポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂とは、支持基材層を構成する樹脂の内50質量%以上がポリプロピレン樹脂であり、基材層の構成材料全体に対しても30質量%以上であるものを言う。支持基材層の厚みは10μm〜2000μmが好ましい。
本発明の成形用積層シートは熱成形され三次元形状の成形体となる。このとき支持基材層とその上に積層された熱可塑性フィルム層に使用される熱可塑性樹脂の成形収縮率が異なるため、成形体に変形が起こり良好な形状を保つことが出来ない。支持基材層の樹脂に無機フィラーを添加すると、成形収縮率を小さく制御することができ、支持基材層と透明又は半透明の熱可塑性フィルム層との成形収縮率の差を小さくすることができるため、成形及び成形後の変形を防ぐことができる。
インキ層に含有されている金属薄膜細片が基材層に略平行に配向することが困難になり、配向に乱れが生じる。このため金属薄膜細片による金属光沢の鮮映性が損ねられる。
また、鏡面状金属光沢層が金属蒸着層である場合には、蒸着層に凹凸が発生し金属光沢の鮮映性が損ねられる。
したがって、鏡面状金属光沢層の下地である支持基材層は平滑性が要求される。本発明の成形用積層シートは、平均粒径4μm以下の無機フィラーを含有する支持基材層を有するため、金属光沢の鮮映性を有することができる。無機フィラーの平均粒径は、好ましくは2μm以下である。なお粒子径が小さくなっても特に不都合は無いので、特に用いる粒子径の下限を設ける必要はない。
支持基材層に着色剤を含有させると、成形品の下地色の隠蔽性が良好となるので好ましい。用いる着色剤は、特に限定されず、目的とする意匠に合わせて、一般の熱可塑性樹脂の着色に使用される慣用の無機顔料、有機顔料および染料などが使用できる。例えば、酸化チタン、チタンイエロー、酸化鉄、複合酸化物系顔料、群青、コバルトブルー、酸化クロム、バナジウム酸ビスマス、カーボンブラック、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク等の無機顔料;アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、アンスラキノン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、チオインジゴ系顔料及びジケトピロロピロール系顔料等の有機顔料;金属錯体顔料などが挙げられる。また染料としては主として油溶性染料のグループから選ばれる1種または2種を使用することが好ましい。
本発明の鮮映性に優れた成形用積層シートの透明または半透明熱可塑性フィルムと鏡面状金属光沢層との間に耐熱性、耐溶剤性、意匠性、耐候性等を向上させる目的で保護層を一層以上設けても良い。保護層に使用できる樹脂の種類については、展延性を阻害しない限り特に制限はないが、架橋密度の調整の容易さ、耐候性、透明熱可塑性フィルムとの接着性などの点から、アクリル系樹脂が好ましい。 架橋機構についても特に制限はなく、アクリル系樹脂の場合、UV硬化、EB硬化、水酸基含有共重合体/イソシアネート硬化、シラノール/水硬化、エポキシ/アミン硬化などが使用できるが、架橋密度の調整の容易さ、耐候性、反応速度、反応副生物の有無、製造コストなどの点から、水酸基含有共重合体/イソシアネート硬化が好ましい。
また、保護層は、意匠性を付与するために着色層とすることもできる。その場合の着色剤の添加量は、着色剤の種類及び目的とする色調や保護層の厚みにより異なるが、鏡面状金属光沢層を隠蔽しないように保護層の全光線透過率は20%以上であることが好ましく、特に全光線透過率が40%以上であることがより好ましい。
鏡面状金属光沢層と支持基材層は、接着剤層を介して積層することができる。接着方法としては慣用の溶剤型接着剤を用いたドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、ホットメルトラミネーション法等で積層シートにすることが出来る。
2g/m2より少なすぎると接着力が弱くなり、10g/m2より多すぎると乾燥性が低下する。接着剤層の厚さとしては、0.1〜30μmの範囲が好ましく、より好ましくは、1〜20μm、特に好ましくは、2〜10μmである。
また、接着剤層に代えて、粘着剤層を設けることも出来る。粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、ポリアルキルシリコン系、ウレタン系、ポリエステル系等が好ましく用いられる。
本発明の成形用積層シートでは、成形の際の表面層側に、意匠性、耐摩擦性、耐擦傷性、耐候性、耐汚染性、耐水性、耐薬品性及び耐熱性等の性能を付与するために、透明、半透明若しくは着色クリアのトップコート層を1層以上設けることができる。トップコート剤としては成形用積層シートの展延性を阻害しない限り、ラッカータイプ、イソシアネート又はエポキシ等による架橋タイプ、UV架橋タイプ又はEB架橋タイプが好ましく用いられる。
本発明の鮮映性に優れた成形用積層シートは各種成形法の表面層として用いることが出来る。例を挙げると、透明又は半透明の熱可塑性フィルムを金型と反対面に配置し、熱成形により三次元形状を有する予備成形体とした後、射出成形金型内の雌型側にインサートし、射出樹脂と一体化するインサート射出成形法で成形することが出来る。
本鮮映性に優れた成形用積層シートをインサート射出成形に供するためには、予め真空成形、圧空成形、真空圧空成形等による熱成形で賦形して予備成形体にする必要がある。
なかでも真空成形が簡便で好ましい。
本発明の成形用積層シートの鮮映性は、加熱真空成形法による金型底部の250%展延部に蛍光灯を写し鮮映性を以下の基準で評価した。この際使用した金型1は間口156×127mm、底部100×85mm、深さ60mmであり、本発明の成形用積層シートを成形したところ底面中央の面倍率が250%程度であった。なお、ここでいう面倍率は、元の面積に比して全体の面積が2.5倍になった場合を250%として表す。また、一体射出後の鮮映性も上記の成形体をインサート射出成形に供した後に、同様の評価を行った。但し、蒸着法を用いて作製したシートは展延性低いため鮮映性の評価は、金型底部の展延率が170%の間口156×127mm、底部100×85mm、深さ60mmの金型4で行った。
◎:像が鮮明に映るもの。
○:像がややぼやけて映るが充分な鮮映性があるもの。
×:凹凸が認められ、像が完全に歪んで見えるもの。
底面120×90mm、上面40×70mm、高さ25mmの台形金型2を、長さ170×幅140×高さ30mmの型枠の中心に設置後、加熱真空成形法で成形し、金型で賦形された成形体部分を挟みで抜き取り変形性を以下の基準で評価した。
○:変形が無く、金型と同様の形状を維持しているもの。
△:局部的な変形はあるが、インサート成形には問題が無い程度のもの。
×:変形が大きく、明らかに金型の形状とは異なっているもの。
長さ500mm×幅150mm×高さ30mmの金属第の中央部に長さ400mm×幅30mm×高さ5mmの雄型が配された凸型金型3を用いて、評価用シートを真空成形法で成形し、得られた成形体の金型側部の長さ方向の距離Tを測定し、下記の式より成形収縮率(%)を測定した。
成形収縮率(%)= (400−T)/400 × 100
(1)アルミニウム薄膜細片
ニトロセルロース(HIG7)を、酢酸エチル:イソプロピルアルコール=6:4の混合溶剤に溶解して6%溶液とした。該溶液を、スクリーン線数175線/インチ、セル深度25μmのグラビア版でポリエステルフィルム上に塗布して剥離層を形成した。十分乾燥した後、剥離層上に厚さが0.04μmとなるようにアルミニウムを蒸着し、蒸着膜面に、剥離層に使用したものと同じニトロセルロース溶液を、剥離層の場合と同じ条件で塗布し、トップコート層を形成した。
上記蒸着フィルムを、酢酸エチル:イソプロピルアルコール=6:4の混合溶剤中に浸積してポリエステルフィルムからアルミニウム蒸着膜を剥離したのち、大きさが約150μmとなるよう攪拌機でアルミニウム蒸着膜を粉砕し、アルミニウム薄膜細片を調製した。
アルミニウム薄膜細片 10部
酢酸エチル 35部
メチルエチルケトン 30部
イソプロピルアルコール 30部
上記を混合し、撹拌しながら、下記組成のニトロセルロース溶液5部を加えた。
ニトロセルロース(HIG1/4) 25%
酢酸エチル:イソプロピルアルコール=6:4混合溶剤 75%
上記混合物を、温度を35℃以下に保ちながら、ターボミキサーを使用して、アルミニウム薄膜細片の大きさが5〜25μmになるまで攪拌し、アルミニウム薄膜細片スラリー(不揮発分10%)を調製した。
重量平均分子量:GPC測定結果のポリスチレン換算値を示す。
固形分:アルミ皿に試料1gを採り、トルエンにて薄く均一に拡げた後風乾し、更に108℃の熱風乾燥機中で1時間乾燥し、乾燥後の重量より算出した。
水酸基価は、モノマー仕込み組成よりKOH中和量として算出し、ポリマーTgはDSCにより、酸価は0.05mol・dm−3水酸化カリウム−トルエン溶液滴定法により測定した。
(水酸基含有共重合体)
「BURNOCK DN−981」(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製、イソシアヌレート環含有ポリイソシアネート、数平均分子量約1000、不揮発分75%(溶剤:酢酸エチル)、官能基数3、NCO濃度13〜14%)をポリイソシアネート化合物とする。
(表面保護層及び保護層)
上記水酸基含有共重合体と、ポリイソシアネート化合物を1:1の割合で配合、混合し、表面保護層及び保護層用溶液を調製した。
(インキ調製)
アルミニウム薄膜細片スラリー(不揮発分10%) 30部
結着樹脂 カルボン酸含有塩ビ−酢ビ樹脂 3部
(UCC社製「ビニライト VMCH」)
ウレタン樹脂
(荒川化学製「ポリウレタン2593」不揮発分32%)8部
酢酸エチル 23部
メチルエチルケトン 26部
イソプロパノール 10部
上記を混合し、不揮発分中のアルミニウム薄膜細片濃度35質量%であるインキを調製した。
二液型のポリエステルウレタン系接着剤(大日本インキ化学工業株式会社製「ELX−1004」と「KR−90」の二液混合型接着剤)を8:2の割合で混合し接着剤を調整した。
支持基材層として住友化学社製ポリプロピレン樹脂(商品名「AD571」)60部と住友化学社製低密度ポリエチレン15部(商品名「F101−1」)、熱風乾燥機により600PPM以下まで乾燥させた松村産業社製タルクマスターバッチ(平均粒径1.8μm、4.0μm又は8.0μmのタルクを60質量%含有。)25部とをドラムタンブラーを用いて攪拌した後、押出機ホッパーより投入し、加工温度230℃にてTダイから押出成形し、40℃に加熱されたキャストロールを通した後、巻き取り、表1に示す所定の平均粒径、添加量のタルクを含んだ300μmの無延伸原反シートを製造した。
透明または半透明熱可塑性フィルム層として透明で表面光沢値が150(60°/60°)、成形収縮率0.6%、厚さ100μmのゴム変性PMMAフィルムを使用した。
アクリル系樹脂層、ウレタン系樹脂からなる保護層、厚さ0.1μmのインジウム蒸着層からなる金属薄膜層及びビニル系樹脂からなる接着層で構成される光沢値1300%の金属蒸着層を有するフィルムを使用した。
(9)シートの積層方法
ゴム変性PMMAフィルムに保護層及び表面保護層用に調整した溶液をマイクログラビアコーターを使用し乾燥膜厚2.0μm及び10μmとなるよう塗工後40℃3日間エージング処理を行った。次にインキ層を保護層にグラビアコーターを使用して乾燥膜厚2.0μmに塗工した。これとは別に支持基材層の接着面にコロナ処理を行い、上記の接着剤を#20番のバーコーターを用いて塗布を行った。40℃に設定したラミ装置を用いて上記インキ層と基材支持層との張り合わせを行った後、40℃3日間のエージング処理を行った。
(10)真空成形
金型1で得られた成形体の底部を、インキ層を有するシートの表面保護層が射出成形用金型の雌型に接触するように密着させ金型温度40℃で加熱後、200℃に加熱したノバテック社製PP樹脂(商品名「TX1868H5」)からなる溶融樹脂を金型内に射出して一体成形し、鮮映性に優れた積層シートを有する射出成形品を作成した。なお、射出成形機は住友重機械工業株式会社の住友ネスタール射出成形機プロマット80/40、金型は2段プレート成形品が取れる65mm×40mm×厚さ3mmと1.5mm(厚さが3mmと1.5mmの2段の階段状プレート)のものを用いた。
層構成を、表面保護層/ゴム変性PMMAフィルム層/保護層/インキ層/接着剤層/支持基材層とし、支持基材層には無機フィラーとしてタルクを表1に示した粒子径及び割合で配合し、300μmのシートとした。得られた積層シートは金型1、金型2及び金型3を用いて上記の条件で真空成形法にて成形体とし鮮映性及び成形体の変形性の評価を行った。また金型1で得られた成形体の底部を切り出し一体射出後の鮮映性も同様に評価した。尚、支持基材層及びゴム変性PMMAフィルム層単体の成形収縮率は積層前に評価を行った。
評価結果を表1に示す。
(実施例4、比較例3)
層構成を、アクリル系フィルム層/金属蒸着層/接着剤層/支持基材層とし、支持基材層には無機フィラーとしてタルクを表2に示した粒子径及び割合で配合し、300μmのシートとした。得られた積層シートは金型4金型2及び金型3を用いて上記の条件で真空成形法にて成形体とし鮮映性及び成形体の変形性の評価を行った。また金型4で得られた成形体の底部を切り出し一体射出後の鮮映性も同様に評価した。尚、支持基材層及び蒸着フィルム層単体の成形収縮率は積層前に評価を行った。
評価結果を表2に示す。
Claims (8)
- 表層側から、透明又は半透明の熱可塑性フィルム層、鏡面状金属光沢層、および支持基材層がこの順に積層された成形用積層シートであって、該支持基材層が平均粒径4μm以下の無機フィラーを含有する熱可塑性樹脂であることを特徴とする成形用積層シート。
- 前記支持基材層がポリプロピレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂である請求項1記載の成形用積層シート。
- 前記鏡面状金属光沢層が金属薄膜細片を含有するインキ層である請求項1または2記載の成形用積層シート。
- 前記鏡面状金属光沢層が金属蒸着層である請求項1または2記載の成形用積層シート。
- 前記支持基材層中の前記無機フィラーの含有量が5質量%〜60質量%である請求項1〜4のいずれかの請求項に記載の成形用積層シート。
- 前記無機フィラーがタルクである請求項1〜5のいずれかの請求項に記載の成形用積層シート。
- 前記支持基材層がゴム状樹脂を含有する請求項1〜6のいずれかの請求項に記載の成形用積層シート。
- 前記鏡面状金属光沢層の膜厚が5μm以下である請求項1の請求項に記載の成形用積層シート。
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