JP2005125081A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生体内の臓器や骨等の組織に特有の情報を取得することにより、SN比を改善したり、特徴的な組織を強調して表示することが可能な超音波診断装置を提供する。
【解決手段】 この超音波診断装置は、複数の周波数成分を有する超音波を送受信することによって得られる検出信号の強度に基づいて第1の画像データを生成するBモード画像データ生成部26と、検出信号から少なくとも1つの周波数成分を抽出する周波数成分抽出部27〜29と、抽出された少なくとも1つの周波数成分の強度に基づいて第2の画像データを生成する周波数画像データ生成部30と、第1の画像データと第2の画像データとの内の少なくとも一方を選択する画像選択部31とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波を送受信することにより生体内の臓器や骨等の撮像を行って、診断のために用いられる超音波画像を生成する超音波診断装置に関する。
医療用に用いられる超音波撮像装置においては、通常、超音波の送受信機能を有する複数の超音波トランスデューサを含む超音波用探触子(プローブ)が用いられる。このような超音波用探触子を用いて、複数の超音波を合波することにより形成される超音波ビームによって被検体を走査し、被検体内部において反射された超音波エコーを受信することにより、超音波エコーの強度に基づいて被検体に関する画像情報が得られる。さらに、この画像情報に基づいて、被検体に関する2次元又は3次元画像が再現される。
ところで、人体に超音波用探触子から超音波ビームを送信すると、筋肉等の軟部組織と骨等の硬部組織との境界において反射される超音波エコーの振幅が大きくなるので、超音波画像においては、これらの境界が高輝度で表示される。一方、硬部組織の内部や後方からの超音波エコーは弱いので、骨、腱、髄核等の硬部組織の画像を筋肉等の軟部組織と分離して視認することが極めて困難である。
関連する技術として、下記の特許文献1には、測定対象によることなく、正確な診断をなし得るようにした生体組織性状診断装置が開示されている。この生体組織性状診断装置においては、信号解析手段が、受信した超音波パルスから得られた電気信号の信号パルス幅を設定するパルス幅設定手段と、設定された信号パルス幅内から、少なくとも領域の一部が異なる複数の信号領域を抽出する領域抽出手段と、抽出領域のそれぞれにおいて、所定の波形特徴値を計算する波形特徴値計算手段と、計算された波形特徴値間の差異を演算する差異演算手段と、差異演算の結果とその超音波パルスの受信時刻とを関連付けることにより差異演算の結果とその超音波パルスを発生させた生体組織の位置とを対応させる対応時刻決定手段とを含んでいる。波形特徴値としては、ピーク周波数、中心周波数、比帯域幅、6dB低下周波数、1次モーメント、2次モーメント等が用いられる。しかしながら、設定された信号パルス幅内から少なくとも領域の一部が異なる複数の信号領域を抽出するということは、被検体内の深さ方向の情報の差を利用することに相当するので、距離分解能が悪化してしまう。即ち、深さ方向の差分特性が求められることになり、1つの点における特徴を表す特性とはならない。
また、下記の特許文献2には、測定対象物の音響インピーダンスを高い分解能で高速に画像表示できる、実現性のある音響インピーダンス測定装置が開示されている。この音響インピーダンス測定装置においては、超音波応答信号の周波数特性を求める周波数変換手段と、周波数特性から所定のパラメータを抽出するパラメータ抽出手段と、抽出されたパラメータを用いて測定対象物の音響インピーダンスを計算する音響インピーダンス計算手段とを具備している。この音響インピーダンス測定装置においては、測定対象物の音響インピーダンスを測定するために、台形パルスや矩形パルスのような広帯域のパルス信号が用いられている。このようなパルス信号は、広帯域であっても、波形によって定まる固有の周波数成分しか含んでおらず、それらの成分の比率も限定される。
さらに、下記の特許文献3には、生体内の結石破砕治療において、破砕状況を画像情報として観測しながら衝撃波による治療を行うための結石破砕度計測装置が開示されている。この結石破砕度計測装置は、受信した反射波を電気信号に変換して振幅値を求める手段と、前記電気信号の振幅値から最大振幅値を出力する手段と、前記電気信号の周波数解析を行うことにより周波数信号に変換する手段と、前記最大振幅値と予め設定された振幅値とを比較する手段と、前記比較する手段により前記最大振幅値が前記予め設定された振幅値よりも大と判定された場合に前記周波数信号から所定の特性値を算出する手段とを備えている。しかしながら、これによって得られる情報は結石破砕度のみであり、生体内の組織に関する情報は得ることができない。
また、下記の特許文献4には、組織又は体液から戻る、発信周波数と異なる応答周波数、特に発信基本周波数の高調波エコーから、組織及び体液の画像処理をする超音波画像処理方法及び装置が開示されている。しかしながら、このような高調波エコーがどの組織からも十分なレベルで発生するとは限らず、また、組織において発生する高調波エコーを受信しても、その組織が有する周波数応答特性が得られる訳ではない。
特開2001−170046号公報(第1、2、5頁、図4) 特開2000−5180号公報(第2、5、6頁、図1) 特開平5−42147号公報(第2頁、図1) 特開平10−179589号公報(第2頁、図1)
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、生体内の臓器や骨等の組織に特有の情報を取得することにより、SN比を改善したり、特徴的な組織を強調して表示することが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る超音波診断装置は、被検体に複数の周波数成分を有する超音波を送信して被検体から反射され又は被検体を透過した超音波を受信することによって得られる検出信号の強度に基づいて、被検体に関する第1の画像データを生成する第1の画像データ生成手段と、検出信号から少なくとも1つの周波数成分を抽出する周波数成分抽出手段と、周波数成分抽出手段によって抽出された少なくとも1つの周波数成分の強度に基づいて、被検体に関する第2の画像データを生成する第2の画像データ生成手段と、第1の画像データ生成手段によって生成された第1の画像データと、第2の画像データ生成手段によって生成された第2の画像データとの内の少なくとも一方を選択する画像選択手段とを具備する。
また、本発明の第2の観点に係る超音波診断装置は、被検体に複数の周波数成分を有する超音波を送信して被検体から反射され又は被検体を透過した超音波を受信することによって得られる検出信号から複数の周波数成分を抽出する周波数成分抽出手段と、周波数成分抽出手段によって抽出された複数の周波数成分の強度の相対関係を算出する演算手段と、演算手段によって算出された複数の周波数成分の強度の相対関係に基づいて、被検体に関する画像データを生成する画像データ生成手段とを具備する。
本発明によれば、周波数成分抽出手段によって抽出された少なくとも1つの周波数成分の強度に基づいて、生体内の臓器や骨等の組織に特有の情報を取得することにより、SN比を改善したり、特徴的な組織を強調して表示することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波用探触子10と、走査制御部11と、送信遅延パターン記憶部12と、送信制御部13と、駆動信号発生部14とを含んでいる。
被検体に当接させて用いられる超音波用探触子10は、トランスデューサアレイを構成する1次元又は2次元状に配列された複数の超音波トランスデューサ10aを備えている。これらの超音波トランスデューサ10aは、印加される駆動信号に基づいて超音波ビームを送信すると共に、伝搬する超音波エコーを受信して検出信号を出力する。
各々の超音波トランスデューサは、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン:polyvinylidene difluoride)に代表される高分子圧電素子等の圧電性を有する材料(圧電体)の両端に電極を形成した振動子によって構成される。このような振動子の電極に、パルス状の電気信号又は連続波の電気信号を送って電圧を印加すると、圧電体は伸縮する。この伸縮により、それぞれの振動子からパルス状の超音波又は連続波の超音波が発生し、これらの超音波の合成によって超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することによって伸縮し、電気信号を発生する。これらの電気信号は、超音波の検出信号として出力される。
或いは、超音波トランスデューサとして、変換方式の異なる複数種類の素子を用いても良い。例えば、超音波を送信する素子として上記の振動子を用い、超音波を受信する素子として光検出方式の超音波トランスデューサを用いるようにする。光検出方式の超音波トランスデューサとは、超音波信号を光信号に変換して検出するものであり、例えば、ファブリーペロー共振器やファイバブラッググレーティングによって構成される。
また、超音波を送信する超音波用探触子と超音波を受信する超音波用探触子とを対向して配置することにより、被検体を透過する超音波を受信するようにしても良い。その場合には、送信用探触子と受信用探触子との間の距離を調節可能とし、それらの探触子を被検体に押し付けて使用する。
走査制御部11は、超音波ビームの送信方向及び超音波エコーの受信方向を順次設定する。送信遅延パターン記憶部12は、超音波ビームを形成する際に用いられる複数の送信遅延パターンを記憶している。送信制御部13は、走査制御部11において設定された送信方向に応じて、送信遅延パターン記憶部12に記憶されている複数の遅延パターンの中から1つのパターンを選択し、そのパターンに基づいて、複数の超音波トランスデューサ10aの各々に与えられる遅延時間を設定する。
駆動信号発生部14は、広帯域信号を発生する広帯域信号発生回路と、広帯域信号発生回路が発生する広帯域信号に所望の遅延を与え、複数の超音波トランスデューサ10aに供給される複数の駆動信号をそれぞれ発生する複数の駆動回路とによって構成されている。これらの駆動回路は、送信制御部13において設定された遅延時間に基づいて、広帯域信号を遅延させる。本実施形態においては、広帯域信号として、例えば、0.5MHz〜3.5MHzの周波数成分を有するチャープ信号や広帯域バースト信号等が用いられ、超音波の送受信において、少なくとも0.5MHz〜3.5MHzの広帯域の応答特性が要求される。ただし、被検体を透過した超音波を受信する場合には、0.5MHz〜2MHzの周波数成分を有する広帯域信号を用いることが望ましい。なお、チャープ信号とは、周波数を時間的に変化させる信号化技術を用いて、エネルギーを時間軸方向に分散させた信号のことをいう。
また、本実施形態に係る超音波診断装置は、操作卓15と、CPUによって構成された制御部16と、ハードディスク等の記録部17とを含んでいる。制御部16は、操作卓15を用いたオペレータの操作に基づいて、走査制御部11、駆動信号発生部14、抽出周波数演算部29、及び、画像選択部31を制御する。記録部17には、制御部16を構成するCPUに各種の動作を実行させるプログラムや、超音波トランスデューサの送受信における周波数特性が記録される。
さらに、本実施形態に係る超音波診断装置は、信号処理部21と、1次記憶部22と、受信遅延パターン記憶部23と、受信制御部24と、チャープ圧縮部25と、Bモード画像データ生成部26と、周波数解析部27と、注目周波数自動決定部28と、抽出周波数演算部29と、周波数画像データ生成部30と、画像選択部31と、2次記憶部32と、画像処理部33と、表示部34とを含んでいる。
信号処理部21において、複数の超音波トランスデューサ10aの各々から出力される検出信号が増幅され、STC(sensitivity time control:センシティビティ・タイム・コントロール)増幅器を用いて距離による減衰の補正が施され、A/D変換器によってディジタル信号に変換される。なお、A/D変換器のサンプリング周波数としては、少なくとも超音波の周波数の10倍程度の周波数が必要であり、超音波の周波数の16倍以上の周波数が望ましい。また、A/D変換器の分解能としては、10ビット以上が望ましい。
1次記憶部22は、信号処理部21のA/D変換器においてディジタル信号に変換されたそれぞれの検出信号を、超音波トランスデューサごとに時系列に記憶する。受信遅延パターン記憶部23は、複数の超音波トランスデューサ10aから出力された複数の検出信号に対して受信フォーカス処理を行う際に用いられる複数の受信遅延パターンを記憶している。
受信制御部24は、走査制御部11において設定された受信方向に基づいて、受信遅延パターン記憶部23に記憶されている複数の受信遅延パターンの中から所定のパターンを選択し、そのパターンに基づいて複数の検出信号に遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が絞り込まれた音線データが形成される。なお、受信フォーカス処理は、A/D変換の前、又は、STC増幅器による補正の前に行うようにしても良い。
チャープ圧縮部25は、送信波としてチャープ信号が用いられる場合に、受信制御部24から出力される音線データに対して、送信波のエンコードに用いられたのと同じチャープコードでデコードすることにより、広帯域の検出信号に含まれている複数の周波数成分が有する情報を圧縮する処理を施すものである。従って、送信波としてバースト信号が用いられる場合には、チャープ圧縮部25は不要となる。Bモード画像データ生成部26は、チャープ圧縮部25から出力されるデコードされた音線データに対して、包絡線検波処理を施し、Bモード画像データを生成する。
一方、周波数解析部27は、被検体の深さ方向の各々の領域について、受信制御部24から出力される音線データから、広帯域の検出信号に含まれている複数の周波数成分をFFT(高速フーリエ変換)によって算出する。注目周波数自動決定部28は、それらの周波数成分の中から、少なくとも1つの注目すべき周波数成分を自動的に決定する。例えば、注目周波数自動決定部28は、予め定められている周波数を有する成分を注目すべき周波数成分として決定しても良いし、強度の大きい周波数成分を注目すべき周波数成分として決定しても良いし、被検体の深さ方向の全部又は一部の領域において大きなピーク又はディップを有する周波数成分を注目すべき周波数成分として決定しても良い。
図2〜図4に、被検体内の組織の違いによる超音波の相対透過率の違いを示す。図2は背骨A部、図3は背骨B部、図4は背骨C部における相対透過率の周波数特性を示している。駆動信号としては、中心周波数1MHzのチャープ信号と、中心周波数2.25MHzのチャープ信号とを用いている。ここで、背骨A部及び背骨B部は、比較的軟らかい組織であり、背骨C部は、比較的硬い組織である。図2〜図4に示すように、各部における相対透過率の周波数特性は、大きく異なっている。
超音波エコー強度の大きい部分における特定の組織の周波数特性に関する特徴に基づいて周波数成分を決定することにより、その特定の組織をより強調して表示することができる。一方、超音波エコー強度の小さい部分に着目して周波数成分を決定することにより、多数の弱いエコーが加算され干渉した結果として生じるスペックル成分を低減することも可能である。いずれにしても、SN比を改善することができる。また、複数の周波数成分の相対値を算出する場合には、その相対値に基づいて、特定の組織の2次元的な分布を正確に求めることができる。
抽出周波数演算部29は、注目周波数自動決定部28によって決定された少なくとも1つの注目すべき周波数成分を周波数解析部27から入力し、超音波トランスデューサの送受信における周波数特性の補正等を行う。ここで、超音波トランスデューサの送受信における周波数特性を記録部17に記録しておき、制御部16の制御の下で、抽出周波数演算部29が、記録されている超音波トランスデューサの周波数特性に基づいて、周波数解析部27から入力された少なくとも1つの周波数成分の強度を補正するようにすれば、より正確な強度を求めることができる。
さらに、抽出周波数演算部29は、周波数解析部27から複数の周波数成分が入力された場合には、複数の周波数成分の強度の相対関係、例えば、差や比を算出しても良い。また、検出信号の周波数成分のみならず、位相成分も抽出して超音波画像の生成に利用すれば、さらに多くの情報を得ることができる。周波数画像データ生成部30は、抽出周波数演算部29から出力されるデータに基づいて、周波数画像データを生成する。
画像選択部31は、Bモード画像データ生成部26によって生成されたBモード画像データと、周波数画像データ生成部30によって生成された周波数画像データとの内の一方を選択し、或いは、それらの周波数画像データに基づいて両者の画像を合成する。例えば、画像選択部31は、Bモード画像データ生成部26によって生成されたBモード画像データに基づいて輝度信号(又は色度信号)を出力し、周波数画像データ生成部30によって生成された周波数画像データに基づいて色度信号(又は輝度信号)を出力するようにしても良い。
2次記憶部32は、画像選択部31から出力される画像データを記憶する。画像処理部33は、2次記憶部32に記憶されている画像データに、各種の画像処理を施す。表示部34は、CRTやLCD等のディスプレイ装置を含んでおり、画像処理部33によって画像処理が施された画像データに基づいて超音波画像を表示する。
図5に、本実施形態に係る超音波診断装置において表示される超音波画像の例を模式的に示す。図5の(a)は、Bモード画像を示す図であり、硬部組織(骨)の内部はほとんど不明であるが、硬部組織(骨)の外側に存在する軟部組織(筋)が表された超音波画像が生成される。一方、図5の(b)は、周波数画像を示す図であり、適切な周波数成分を抽出することにより、硬部組織(骨)の内部を強調して表示することができる。また、硬部組織(骨)と軟部組織(筋)との分離もはっきりと表されており、骨から表皮までを撮像することが可能である。なお、図5の(c)に示すように、Bモード画像と周波数画像とを合成して表示するようにしても良い。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。本実施形態においては、注目周波数自動決定部28が、周波数解析部27によって算出された周波数成分の中から複数の注目すべき周波数成分を自動的に決定し、抽出周波数演算部29が、それらの周波数成分の強度の相対関係を求め、周波数画像データ生成部30が、抽出周波数演算部29によって求められた複数の周波数成分の強度の相対関係に基づいて画像データを生成する。また、第1の実施形態における画像選択部31(図1)の替わりに、画像合成部35が設けられている。その他の点に関しては、第1の実施形態と同様である。
周波数解析部27は、被検体の深さ方向の各々の領域について、受信制御部24から出力される音線データから、広帯域の検出信号に含まれている複数の周波数成分をFFTによって算出する。注目周波数自動決定部28は、それらの周波数成分の中から、複数の注目すべき周波数成分を自動的に決定する。例えば、注目周波数自動決定部28は、予め定められている複数の周波数をそれぞれ有する複数の成分を注目すべき周波数成分として決定しても良いし、強度の大きい複数の周波数成分を注目すべき周波数成分として決定しても良いし、被検体の深さ方向の全部又は一部の領域において大きなピーク又はディップを有する複数の周波数成分を注目すべき周波数成分として決定しても良い。
抽出周波数演算部29は、注目周波数自動決定部28によって決定された複数の注目すべき周波数成分を周波数解析部27から入力し、超音波トランスデューサの送受信における周波数特性の補正等を行うと共に、複数の周波数成分の強度の相対関係、例えば、差や比を算出して出力する。
具体的には、周波数解析部27によって算出された1.6MHzの周波数成分の強度に対する2MHzの周波数成分の強度の比が、背骨A部において+8dB、背骨B部において+24dB、背骨C部において−14dBである場合において、抽出周波数演算部29は、それらの値に対応するデータを算出して出力する。周波数画像データ生成部30は、抽出周波数演算部29から出力されるデータに基づいて、周波数画像データを生成する。
単に1つの周波数成分に基づいて画像データを生成する場合には、画像データは、その周波数成分の強度変化の影響を強く受けてしまうが、本実施形態におけるように、複数の周波数成分の相対関係に基づいて画像データを生成する場合には、それらの周波数成分の強度変化の影響が軽減され、被検体における組織性状の特徴を表す周波数特性の差を反映した画像データを生成することが可能である。
画像合成部35は、Bモード画像データ生成部26によって生成されたBモード画像データと、周波数画像データ生成部30によって生成された周波数画像データとに基づいて、両者の画像を合成する。例えば、画像合成部35は、Bモード画像データ生成部26によって生成されたBモード画像データに基づいて輝度信号(又は色度信号)を出力し、周波数画像データ生成部30によって生成された周波数画像データに基づいて色度信号(又は輝度信号)を出力するようにしても良い。
2次記憶部32は、画像合成部35から出力される画像データを記憶する。画像処理部33は、2次記憶部32に記憶されている画像データに、各種の画像処理を施す。表示部34は、CRTやLCD等のディスプレイ装置を含んでおり、画像処理部33によって画像処理が施された画像データに基づいて超音波画像を表示する。
本発明は、超音波を送受信することにより生体内の臓器や骨等の撮像を行って、診断のために用いられる超音波画像を生成する超音波診断装置において利用することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。 背骨A部における相対透過率の周波数特性を示す図である。 背骨B部における相対透過率の周波数特性を示す図である。 背骨C部における相対透過率の周波数特性を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置において表示される超音波画像の例を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 超音波用探触子
10a 超音波トランスデューサ
11 走査制御部
12 送信遅延パターン記憶部
13 送信制御部
14 駆動信号発生部
15 操作卓
16 制御部
17 記録部
21 信号処理部
22 1次記憶部
23 受信遅延パターン記憶部
24 受信制御部
25 チャープ圧縮部
26 Bモード画像データ生成部
27 周波数解析部
28 注目周波数自動決定部
29 抽出周波数演算部
30 周波数画像データ生成部
31 画像選択部
32 2次記憶部
33 画像処理部
34 表示部
35 画像合成部

Claims (12)

  1. 被検体に複数の周波数成分を有する超音波を送信して被検体から反射され又は被検体を透過した超音波を受信することによって得られる検出信号の強度に基づいて、被検体に関する第1の画像データを生成する第1の画像データ生成手段と、
    前記検出信号から少なくとも1つの周波数成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
    前記周波数成分抽出手段によって抽出された少なくとも1つの周波数成分の強度に基づいて、被検体に関する第2の画像データを生成する第2の画像データ生成手段と、
    前記第1の画像データ生成手段によって生成された第1の画像データと、前記第2の画像データ生成手段によって生成された第2の画像データとの内の少なくとも一方を選択する画像選択手段と、
    を具備する超音波診断装置。
  2. 少なくとも0.5MHz〜3.5MHzの周波数成分を有する超音波を送信する請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 超音波の送信及び/又は受信に用いられる複数の超音波トランスデューサの周波数特性を記録する記録手段と、
    前記記録手段に記録されている前記複数の超音波トランスデューサの周波数特性に基づいて、前記周波数成分抽出手段によって抽出された少なくとも1つの周波数成分の強度を補正する演算手段と、
    をさらに具備する請求項1又は2記載の超音波診断装置。
  4. 前記周波数成分抽出手段が、
    前記検出信号の各々を高速フーリエ変換することにより複数の周波数成分を求める周波数解析部と、
    前記周波数解析部によって求められた複数の周波数成分の内から、抽出すべき少なくとも1つの周波数成分を決定する周波数決定部と、
    を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の超音波診断装置。
  5. 前記周波数決定部が、前記周波数解析部によって求められた複数の周波数成分の内から、ピーク又はディップを有する少なくとも1つの周波数成分を決定する、請求項4記載の超音波診断装置。
  6. 前記画像選択手段が、前記第1の画像データ生成手段によって生成された第1の画像データと、前記第2の画像データ生成手段によって生成された第2の画像データとを合成して出力する、請求項1〜5のいずれか1項記載の超音波診断装置。
  7. 被検体に複数の周波数成分を有する超音波を送信して被検体から反射され又は被検体を透過した超音波を受信することによって得られる検出信号から複数の周波数成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
    前記周波数成分抽出手段によって抽出された複数の周波数成分の強度の相対関係を算出する演算手段と、
    前記演算手段によって算出された複数の周波数成分の強度の相対関係に基づいて、被検体に関する画像データを生成する画像データ生成手段と、
    を具備する超音波診断装置。
  8. 少なくとも0.5MHz〜3.5MHzの周波数成分を有する超音波を送信する請求項7記載の超音波診断装置。
  9. 超音波の送信及び/又は受信に用いられる複数の超音波トランスデューサの周波数特性を記録する記録手段をさらに具備し、
    前記演算手段が、前記記録手段に記録されている前記複数の超音波トランスデューサの周波数特性に基づいて、前記周波数成分抽出手段によって抽出された複数の周波数成分の強度を補正する、請求項7又は8記載の超音波診断装置。
  10. 前記周波数成分抽出手段が、
    前記検出信号の各々を高速フーリエ変換することにより複数の周波数成分を求める周波数解析部と、
    前記周波数解析部によって求められた複数の周波数成分の内から、抽出すべき複数の周波数成分を決定する周波数決定部と、
    を含む、請求項7〜9のいずれか1項記載の超音波診断装置。
  11. 前記周波数決定部が、前記周波数解析部によって求められた複数の周波数成分の内から、ピーク又はディップを有する複数の周波数成分を決定する、請求項10記載の超音波診断装置。
  12. 前記検出信号の強度に基づいて、被検体に関する第2の画像データを生成する第2の画像データ生成手段と、
    前記画像データ生成手段によって生成された画像データと、前記第2の画像データ生成手段によって生成された第2の画像データとを合成して出力する画像合成手段と、
    をさらに具備する請求項7〜11のいずれか1項記載の超音波診断装置。
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