JP2005124867A - シートクッションパッド - Google Patents

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Abstract

【課題】2〜4Hzでの共振倍率を低下させながら6Hz付近での振動伝達率を従来と同等またはそれ以下に低下させ得る高い減衰性を有し、走行時に搭乗者の体が左右に揺れる「グラグラ感」をも低減したシートクッションパッドを提供する。
【解決手段】座面部が1層構造であり、2〜4Hzにおける共振倍率が4以下でかつコア層の反発弾性率が45〜75%であり、ポリオール化合物が水酸基価Hが40<H1≦70mgKOH/g、ポリエーテルポリオール20〜60重量部と水酸基価H2が18≦H2≦40mgKOH/gのポリマーポリオール80〜40重量部とからなり、シリコン整泡剤、発泡剤とを含むポリオール成分と、MDI又はMDIとTDIとの混合物をポリイソシアネート成分とを使用した、スキン層とコア層を有するポリウレタンフォームからなるクッションパッドとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリウレタンフォームからなるシートクッションパッドに関する。特に本発明のシートクッションパッドは、その使用に際して振動を伴う車両、特に自動車用のシートクッションパッドに適する。
一般的に、振動工学的には、縦軸を振動伝達率、横軸を振動数とする振動伝達率特性曲線においては、振動伝達率特性の2〜4Hzでの共振倍率を下げると、クッション性に関連する比較的高振動数(たとえば、6Hz)での振動伝達率が上昇して、振動伝達率特性曲線が全体的にブロードな曲線になる。すなわち、振動伝達率特性曲線において、振動伝達率の低下と共振倍率の低下とは二律背反する関係にある。
従来より、自動車シートクッションの乗り心地性を向上させるためには、JASOB−407規定の振動伝達率特性に関して、人が不快と感じる振動数領域(4〜10Hz:評価値としては6Hzの振動伝達率が通常採用される)を大きく減衰させることが有効であるといわれている。特に6Hz前後の振動は、車酔いを起こす原因となる振動数といわれているため、ウレタンフォームからなる自動車用シートクッションパッドにおいても、前記振動伝達率を低く抑えるための開発が行われてきた。
しかるに6Hzでの振動伝達率を低く抑えた従来のシートクッションパッドは、振動伝達率特性における、2〜4Hzに現れる共振倍率(共振ピーク)が大きいため、乗員が自動車シートクッションに着座して走行する際に、車体の振動によって身体の安定感がなくなり、身体が上下に振れる感覚(いわゆるヒョコヒョコ感)を十分に防止することができなかった。
かかる問題を解決するために、2〜4Hzでの共振倍率を低下させながら、しかも6Hz付近での振動伝達率を従来と同等またはそれ以下に低下させうる、高い減衰性を有するシートクッションパッドであって、ポリオール化合物が水酸基価Hが20〜40mgKOH/g、末端がエチレンオキサイド単位であるポリエーテルポリオール20〜60重量部と水酸基価が15〜40mgKOH/gのポリマーポリオール80〜40重量部を使用し、シリコン整泡剤、発泡剤とを含むポリオール成分と、ポリイソシアネート成分とを発泡体原料として使用したシートクッションパッドが公知である(特許文献1)。
特許第3181279号公報
しかし、特許文献1に記載のシートクッションパッドを実際にシートクッションとして自動車に装着すると、走行時に運転者や乗客の体が左右に揺れる、いわゆる「グラグラ感」の防止が十分でなく、乗り心地として満足できない場合があるものであった。このため、より一層乗り心地に優れた製品が要求される自動車用のシートクッションパッドの分野においては、さらなる改善が求められている。
本発明の目的は、2〜4Hzでの共振倍率を低下させながら、しかも6Hz付近での振動伝達率を従来と同等またはそれ以下に低下させ得る高い減衰性を有し、さらに走行時に搭乗者の体が左右に揺れる「グラグラ感」をも低減したシートクッションパッドを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、シートクッションパッドを構成する軟質ポリウレタンフォームの配合組成について鋭意研究したところ、ポリオール成分を構成するポリオール化合物として特定の組成を採用することにより、2〜4Hzでの共振倍率を低下させながら、しかも6Hz付近での振動伝達率を従来と同等またはそれ以下に低下させ得る高い減衰性を有し、さらに走行時に搭乗者の体が左右に揺れる「グラグラ感」をも低減したシートクッションパッドを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記目的は、下記の本発明により達成できる。
本発明のシートクッションパッドは、金型内部にポリウレタンフォーム原料を注入して成型されたスキン層とコア層を有するポリウレタンフォームからなり、
座面部が1層構造であり、
50kgの鉄研形加圧板を負荷して振幅±2.5mmにて行った強制振動試験により測定した2〜4Hzにおける共振倍率が4以下でかつコア層の反発弾性率が45〜75%であり、
前記ポリウレタンフォーム原料は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合したものであり、
前記ポリオール成分は、ポリオール化合物が水酸基価H1が40<H1≦70mgKOH/g、末端がエチレンオキサイド単位であるポリエーテルポリオール20〜60重量部と水酸基価H2が18≦H2≦40mgKOH/gのポリマーポリオール80〜40重量部とからなり、シリコン整泡剤、発泡剤とを含み、
前記ポリイソシアネート成分は、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はジフェニルメタンジイソシアネートとトルエンジイソシアネート(TDI)との混合物を使用したものであることを特徴とする。
上述のシートクッションパッドにおいては、前記MDIとTDIとの混合物は、MDIとして粗製MDI(c−MDI)を使用したものであり、c−MDI/TDI=10/90〜30/70(重量比)の混合物であることが好ましい。
係るイソシアネート化合物の使用は、シートクッションパッドの製造において、発泡効率と反応硬化性が優れており、生産効率が高く、好ましい。
上述のシートクッションパッドにおいては、前記ポリイソシアネート化合物は、さらにイソシアネート基末端プレポリマーを含有するものであることが好ましい。
シートクッションパッドの原料であるポリイソシアネート化合物としてイソシアネート基末端プレポリマーを含有する成分を使用することにより、より確実に高い減衰性を有し、かつ「グラグラ感」をも低減したシートクッションパッドを得ることができる。
上述のポリエーテルポリオールの水酸基価H1は、45≦H1≦70であることがより好ましく、50≦H1≦60であることがさらに好ましい。また上述のポリマーポリオールの水酸基価H2は18≦H2≦36であることがより好ましい。
また上述のシートクッションパッドにおいては、前記ポリオール成分は、さらに、少なくとも1個の第2級水酸基を有する3又は4官能の低分子量多価アルコールを少なくとも1種含有することが好ましい。
少なくとも1個の第2級水酸基を有する3又は4官能の低分子量多価アルコールも、高い減衰性を有し、かつ「グラグラ感」をも低減したシートクッションパッドの形成に有効な作用を有する。
本発明のシートクッションパッドを構成するポリウレタンフォームは、ポリオール化合物、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒および整泡剤を含有するポリウレタンフォーム原料から成形される軟質ポリウレタンフォームであり、好ましくは少なくとも1個の第2級水酸基を有する3又は4官能の低分子量多価アルコールを少なくとも1種含有する。シートクッションパッドの振動伝達特性等はポリマー材料に因るところが大きいため、ポリウレタンフォーム原料を適宜に選択することによりシートクッションパッドの振動伝達特性、反発弾性率等を調整できる。ポリウレタンにおいてはポリオール化合物の構成割合が大きいことから、シートクッションパッドの振動伝達特性や反発弾性率は、ポリオール成分の種類や分子量等を適宜に選択することによりある程度調整可能である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームに使用されるポリオール化合物は、得られるシートクッションパッドの共振倍率が4以下、反発弾性率が45〜75%で、グラグラ感が改善されるものであれば、その種類等は特に制限されないが、本発明のポリオール化合物としては、ポリオキシアルキレングリコールが、かかる特性を備えたシートクッションパッドを容易に製造でき、好ましい。
ポリオキシアルキレングリコールとしては、通常、多官能性アルコール系化合物を開始剤に、これにアルキレンオキサイドを付加させたいわゆるポリエーテルポリオールが用いられる。
多官能性アルコール系化合物としては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュークロース、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンやこれらに少量のアルキレンオキサイドが付加した化合物を例示できる。
多官能性アルコール系化合物に付加重合するアルキレンオキサイドとしては炭素数2以上のものがあげられ、たとえば、エチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドなどを例示できる。これらアルキレンオキサイドのなかでも、プロピレンオキサイドおよび/またはブチレンオキサイドとエチレンオキサイドを併用したものが、低コストであること、得られるシートクッションパッドの特性が良好であること等から好ましい。特にエチレンオキサイドが開環単位したエチレンオキサイド単位を3〜50重量%、さらには3〜25重量%の付加割合で含んでいるものが好ましい。
また、ポリオキシアルキレングリコールは前記アルキレンオキサイドのランダム重合体、ブロック重合体のいずれでもよいが、末端にオキシエチレン単位を含むものがイソシアネート基との反応性が良好であり、好ましい。末端の1級化率(末端エチレンオキサイド単位化率)は、ポリオキシアルキレングリコールのオキシアルキレン単位の3重量%以上含むものが好ましく、5重量%以上含むものがより好ましく、特に好ましくは5〜20重量%である。
このようなポリオキシアルキレンポリオールの架橋間分子量(水酸基当たりの分子量)は通常1000〜4000程度のものが好ましい。特に、架橋間分子量が500〜2500のものが好ましい。
また、本発明においては、ポリオール化合物中にポリマー粒子を微粒子状にて分散させたポリマーポリオールを使用する。
上記のポリマー粒子としては、たとえば、アクリロニトリル、スチレン、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート等のビニルモノマーのホモポリマーまたはコポリマー等の付加重合系ポリマーや、ポリエステル、ポリウレア、メラミン樹脂等の縮重合系ポリマー等の粒子があげられる。これらのなかでも、アクリロニトリル、スチレンのホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。特にアクリロニトリルのホモポリマーが好ましい。なお、ポリマー粒子としては、アクリロニトリル重合体微粒子の含有系が、シートクッションパッドの成形性が良好であり、好ましい。
ポリオール成分全体における、上記ポリマー粒子の割合は、その割合が多すぎると経済的に不都合が生じるため、40重量%以下、さらには20重量%以下とするのが好ましい。また、シートクッションパッドの硬度や耐久性などの物性を有効に向上させるには、ポリオール成分全体における、ポリマー粒子の割合を1重量%以上、さらには2重量%以上存在するのが好ましい。
かかるポリマー粒子のポリオール化合物中への導入方法は特に制限されないが、たとえば、ポリマー粒子が付加重合系ポリマーの場合には、ポリオキシアルキレンポリオール等のポリオール中で、ラジカル重合開始剤の存在下に、スチレン、アクリロニトリル等のビニル系モノマーを重合させることにより、ポリオール化合物に安定に分散させることができる。ポリマーポリオール(POP)は三井武田ケミカル製、旭硝子製等が市販されており、好適に使用可能である。
上記のポリエーテルポリオール、ポリマーポリオールを構成するポリオキシアルキレンポリオールも共に末端の不飽和基濃度は低い方が好ましく、具体的には、末端の不飽和基濃度は0.1meq/g以下であることが好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、シートクッションパッドの製造に通常使用される、イソシアネート基を2個以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系の各種のポリイソシアネート化合物、さらにはこれらポリイソシアネート化合物を変性して得られる変性ポリイソシアネート化合物を使用できる。また、ポリイソシアネート化合物は2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート化合物の具体例としては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(精製ジフェニルメタンジイソシアネート(p−MDI)やクルードMDI(c−MDI)がある)、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートがあげられ、その変性物としては、ポリイソシアネート化合物のプレポリマー型変性体、イソシアヌレート型変性体、ウレア型変性体、カルボジイミド型変性体などがあげられる。これらのなかでも、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードMDIが、反応性が高いこと、シートクッションパッドの特性が良好であること、低コストであること等の理由で好ましい。トルエンジイソシアネートは、2,4−置換体と2,6−置換体とがあるが、これらの混合物の使用が好ましく、2,4−置換体/2,6−置換体混合比が90/10〜60/40の混合物の使用が好適である。さらにトルエンジイソシアネート:クルードMDIを70:30〜90:10、特に好ましくは80:20の重量比でブレンドしたものの使用が、コア層の反発弾性率が45〜75%のフォームが確実に得られ、しかも発泡効率と反応硬化性が良好で全体としての生産効率が高く、より好ましい。
本発明においてイソシアネート成分に含有させて使用することが好ましいイソシアネート基末端プレポリマーは、2ないし3官能で、分子量が500〜5000のポリオール化合物とジイソシアネート化合物とを、NCO/OH当量比が1.5〜2.5にて加熱反応させて得られる。
イソシアネート基末端プレポリマーを含有するイソシアネート化合物は、イソシアネート基末端プレポリマーを合成して使用して市販のイソシアネート化合物と混合して製造してもよく、市販のイソシアネート基末端プレポリマーを市販のイソシアネート化合物と混合して製造してもよく、また、市販のイソシアネート基末端プレポリマーを含有するイソシアネート化合物を使用してもよい。市販のイソシアネート基末端プレポリマーを含有するイソシアネート化合物としては、例えばMC−73(三井武田ケミカル)、J−243(住化バイエルウレタン)が入手、使用可能である。
発泡剤としては水、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−245fa、HFC−365mfc等のハロゲン化炭化水素、シクロペンタンやn−ペンタン等の低沸点脂肪族ないし脂環式炭化水素、液化炭酸ガス等があげられる。これらの発泡剤のなかでも、液化炭酸ガスと水を併用することが好ましく、水を単独で使用することが特に好ましい。発泡剤は、コア密度が50〜65kg/m3 となるように添加される。
ウレタン化触媒としては、トリエチレンジアミン(TEDA)、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル(TOYOCAT−ET;東ソー製)等のアミン系触媒や、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸金属塩、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属化合物等があげられる。これらのなかでも水発泡系ポリウレタンフォームの製造に適している点でアミン系触媒の使用が好ましい。
本発明のシートクッションパッドの製造においては、必要に応じて低分子量多価アルコールを使用することも好適な態様であり、シートクッションパッドを構成するポリウレタン重合体の各種の特性、とりわけシートクッションパッドの剛性を調整することが容易となる。このような低分子量多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、ジメチルペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタンテトロール等の多価アルコール類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類等が例示される。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上述の低分子量多価アルコールの中でも、少なくとも1個の第2級水酸基を有する3又は4官能の低分子量多価アルコールの使用がより好ましく、係る少なくとも1個の第2級水酸基を有する3又は4官能の低分子量多価アルコールとしては、グリセリン、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、ジメチルペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタンテトロールから選択される少なくとも1種の化合物の使用が特に好ましい。
前記ポリオール化合物、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒および整泡剤を含有してなるポリウレタンフォーム原料における各成分の使用量は、通常、以下の通りであるが、シートクッションパッドの通気度を調整するため、その使用量を適宜に変更できることはいうまでもない。
ポリオール化合物を含むポリオール成分の水酸基の当量とポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(イソシアネートインデックス[NCOindex])は0.85〜1.15(指数表示では85〜115)となる範囲であることが好ましく、0.9〜1.0(指数表示では90〜100)であることがより好ましい。発泡剤として水を使用する場合、水の使用量は通常ポリオール化合物100重量部に対して、0.1〜8重量部、好ましくは2〜4重量部である。触媒の使用量は、通常ポリオール化合物100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは0.05〜1.0重量部である。整泡剤の使用量は、通常ポリオール化合物100重量部に対して、0.01〜5重量部(可塑剤等で希釈した整泡剤の場合には有効成分を基準とする)、好ましくは0.1〜2重量部である。
本発明においては、整泡剤としては、活性の高いシリコーン系整泡剤の使用が好ましい。かかる高活性の整泡剤としては、ポリジメチルシロキサンやその誘導体である公知の整泡剤は限定なく使用可能であるが、(化1)にて示される化合物の使用が好適である。
Figure 2005124867
(化1)においてEOはエチレンオキサイド単位、POはプロピレンオキサイド単位であり、aは1〜4、x,y,m,nはそれぞれ独立に1〜30であり、x/yが0.75/0.25〜0.99/0.01、RはH又は炭素数1〜4のアルキル基である。
上記化学式(化1)にて示される活性の高いシリコーン系整泡剤としては市販品の使用が好適であり、具体的には、SF2965,SF2962,SF2904,SF2908,SRX294A,(東レダウコーニングシリコン製)、L−5366,L−5309(日本ユニカー製)、B8680(ゴールドシュミット社製)等が市販されている。これらのなかでSF2965,SF2962、L−5366,L−5309が前記(化1)にて示される化合物であって、かつx/y比、m/n比が好適な範囲に属するものとして例示される。特に表面張力低下能(ポリオール成分に添加前と添加後の表面張力の差)が1(dyne/cm)程度の整泡剤の使用が有効であり、上記のなかでもSF2965,SF2962、B8680、L−5366,L−5309の使用が特に好適である。ただし、単独の整泡剤ではなく、複数の整泡剤を併用して表面張力や表面張力低下能を調整することも可能である。他の整泡剤を併用する場合は、SF2965,SF2962、B8680、L−5366,L−5309から選択される整泡剤は、全整泡剤の10重量%以上を使用することが好ましい。
かかる整泡剤の使用により通気度が調整される理由は、ポリウレタンフォームの気泡(セル)径が調整されることによるものであると考えられる。セル径を小さくすると通気度を低下させることができる。
また、ポリウレタンフォーム原料には、前記成分の他に、乳化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、充填剤、難燃剤、可塑剤、着色剤、防黴・防菌剤等の各種添加剤を、必要応じて添加することもできる。
前記各種成分を含んでなるポリウレタンフォーム原料は、シートクッションパッドが適用される用途に応じて、各種形状に応じた所定の金型内で、シートクッションパッドに成形される。成形方法は、通常の手段を採用できる。たとえば、ポリオール化合物、発泡剤、触媒、整泡剤、架橋剤および必要により添加剤を所定量予備的に混合してポリオール成分とした後、さらにこの混合物であるポリオール成分にポリイソシアネート成分をポリウレタン発泡機または撹拌機等を使用して急速混合して得られたポリウレタンフォーム原料を、金型内に注入し、所定時間後に脱型することにより、シートクッションパッドとしての軟質ポリウレタンフォームが得られる。
一般的なシートクッションパッドの成形条件であるパック率1.1〜1.3程度、また金型温度50〜70℃では、得られるシートクッションパッドのスキン層の厚さ、性質は大きくは変わらない。一般的に使用されるシートクッションパッドではスキン層の厚さは10mm程度であり、フォームのコア密度は、スキン層を含む全密度の80〜90%、多くは85%程度となる。
なお、こうしてシートクッションパッドである所定形状に成形されたポリウレタンフォームが得られるが、シートクッションパッドの裏面には、例えばポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンまたはその発泡体からなる樹脂のサポーターやPPクロス、粗毛布、不織布等のサポーター(補強材)を、成形時に予め金型にインサートする一体成形法ないしフォーム成形後の接着により積層することもできる。
実際に車両に装着される座席シート等は、本発明のシートクッションパッドに本皮、モケット、トリコット、ジャージ、織物等の外層を被覆し、さらに金具を取り付けて車両の組み立てに供される。外層をシートクッションパッドに被覆する際には、シートクッションパッドに面ファスナーの1部材を接着等により取り付けることも好適である。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における物性等の評価方法は次の通りである。
〔シートクッションパッドの物理物性〕
a)反発弾性 JIS K 6400に準拠して測定した。
b)耐久性 耐久性は硬度変化率にて評価した。硬度変化率の測定方法は次のとおりである。
1)縦400mm,横400mm、厚さ100mmのテストピースの中央部から縦250mm,横250mm,厚さ50mmのコアフォームを切り出す。
2)切り出したコアフォームの25%硬さをJIS K 6400に準拠して測定する。(圧縮硬さT0)
3)該コアフォームをウレタンフォーム用繰り返し圧縮試験機にセットし、50%圧縮、60回/分の条件で8万回の繰り返し圧縮を行う。
4)繰り返し圧縮試験終了後、コアフォームサンプルを取り出して30分放置した後、25%硬さをJIS K 6400に準拠して測定する。(圧縮硬さT1)
硬度低下率は次式により計算する。
硬度低下率(%)=100(T0−T1)/T0
〔グラグラ感〕
シートクッションパッドをシートクッションに加工し、車両に実際に装着して5人のパネラーが乗車して走行し、実車走行による官能評価を行った。
〔シートクッションパッドの振動伝達率特性〕
JASOB−407に準拠して、50kgの鉄研形加圧板を負荷し振幅±2.5mmで強制振動試験を行うことにより得られた振動伝達率曲線から、共振振動数(Hz)、共振倍率、振動伝達率(6Hz、10Hz)を計測した。振動特性の計測には、シートクッション振動試験機C−1002DL(伊藤精機(株)製)を使用した。
〔シートクッションパッドの作製〕
(実施例1〜8、比較例1〜6)
実施例1〜8及び比較例1〜6に使用したポリオール組成物の配合を表1に示した。イソシアネート成分は、NCO indexが95(指数表示)となるように使用した。
Figure 2005124867
使用した材料のうち、商品名にて表示した成分は、以下の通りである。
1)SF−2962:シリコン系整泡剤(東レダウコーニングシリコン)
(化1)にて示した化学構造を有し、x=0.77,y=0.23,m=0.19,n=0.81である。(x/y比、m/n比は、NMRにより重クロロホルム2重量%溶液として実測した。x/y,m/nはそれぞれ下記式にて求めた。x/y=〔(P3−1.5×P5)/6〕/(P5/2)
m/n=〔(P1−P2−P5)/4〕/(P2/3)
P1,P2,P3,P5は(化1)における下記のHの積分値である。
P1:−OCH2 −基、−OCH−基のH(3.0〜4.0ppm)
P2:C−CH3 基のH(1.1ppm付近)
P3:Si−CH3 基のH(0ppm付近)
P5:X基におけるSi−CH2 −基のH(0.45ppm付近)。
2)TEDA L33:第3級アミン触媒(東ソー)
3)Toyocat−ET:第3級アミン触媒(東ソー)
4)イソシアネート成分:MDI−TM20(TDI/c−MDI=80/20混合イソシアネート;三井武田ケミカル)
ポリマーポリオールの内、OHV=28mgKOH/gのものは、POP36−28(三井武田ケミカル)を使用し、残りは公知の技術により試作した。
ポリエーテルポリオールの内、OHV=56mgKOH/g(3官能)のものは、HF−3014(第一工業製薬)を使用し、残りは常法により試作した。
実施例1〜8及び比較例1〜6に使用したポリオール組成物のポリマーポリオールとポリエーテルポリオールの水酸基価(OHV)は表2、表3の上段にそれぞれ示した。シートクッションパッドは、表1に記載の配合比率(重量部)で常法にて配合し、均一に混合した後、所定量を所定形状の金型に注入し、発泡硬化させてシートクッションパッドを得た。
シートクッションパッドは、座部の厚さが125mmの実車用のシートクッションパッドの座部製作金型を使用して作製した。
(比較例7)
ポリマーポリオールPOP 3690(OHV=21mgKOH/g;三井武田ケミカル)30重量部、ポリエーテルポリオールEP 901(OHV=24mgKOH/g;三井武田ケミカル)70重量部、架橋剤KL 210(アルキレンオキサイド付加多価アルコール、OHV=820mgKOH/g;三井武田ケミカル)2.5重量部、水2.5重量部、シリコン系整泡剤SF 2969を0.95gとSF2904を0.05g、第3級アミン触媒TEDA L33を0.5gとToyocat−ETを0.1g含有するポリオール成分とイソシアネート成分としてTM−20をNCO indexが1.0となるように使用して実施例1〜3と同様にしてシートクッションパッドを作製した。
得られたシートクッションパッドの評価結果を実施例のシートクッションパッドについては表2に、比較例のシートクッションパッドについては表3に、それぞれ示した。
総合評価は、以下のように行った。
共振倍率 3.0以下:○、3.1以上:×
共振振動数 3.6以下:○、3.7〜3.8:△、3.9以上:×
反発弾性率 65以下:○、66〜68:△、69以上:×
耐久性 12以下:○、13〜13:△、14以上:×
総合評価 各項目が全て○の場合:◎
△が1個で残りが○の場合:○
△が2個以上又は×が1個以上の場合:×
Figure 2005124867
Figure 2005124867
表2に示すように、本発明のシートクッションパッドは、グラグラ感の評価結果が良好、即ちグラグラ感を感じさせないものであった。なお、本発明のシートクッションパッドは、ヒョコヒョコ感の評価結果においても良好であった。
これに対して水酸基価が40未満のポリエーテルポリオールを使用した比較例1、2、7、水酸基価が70を超えるポリエーテルポリオールを使用した比較例5、6、水酸基価が40を超えるポリマーポリオールを使用した比較例6のシートクッションパッドは、いずれも要求を満たさないものであった。また水酸基価が16のポリマーポリオールを使用すると、シートクッションパッドを成形することができなかった。

Claims (5)

  1. 金型内部にポリウレタンフォーム原料を注入して成型されたスキン層とコア層を有するポリウレタンフォームからなるシートクッションパッドであって、
    座面部が1層構造であり、
    50kgの鉄研形加圧板を負荷して振幅±2.5mmにて行った強制振動試験により測定した2〜4Hzにおける共振倍率が4以下でかつコア層の反発弾性率が45〜75%であり、
    前記ポリウレタンフォーム原料は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合したものであり、
    前記ポリオール成分は、ポリオール化合物が水酸基価H1が40<H1≦70mgKOH/g、末端がエチレンオキサイド単位であるポリエーテルポリオール20〜60重量部と水酸基価H2が18≦H2≦40mgKOH/gのポリマーポリオール80〜40重量部とからなり、シリコン整泡剤、発泡剤とを含み、
    前記ポリイソシアネート成分は、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はジフェニルメタンジイソシアネートとトルエンジイソシアネート(TDI)との混合物を使用したものであることを特徴とするシートクッションパッド。
  2. 前記MDIとTDIとの混合物が、MDIとして粗製MDI(c−MDI)を使用したものであり、c−MDI/TDI=10/90〜30/70(重量比)の混合物である請求項1に記載のシートクッションパッド。
  3. 前記ポリイソシアネート化合物は、さらにイソシアネート基末端プレポリマーを含有するものである請求項1又は2に記載のシートクッションパッド。
  4. 前記ポリオール成分は、さらに少なくとも1個の第2級水酸基を有する3又は4官能の低分子量多価アルコールを少なくとも1種含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシートクッションパッド。
  5. 前記低分子量多価アルコールがグリセリン、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、ジメチルペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタンテトロールから選択される少なくとも1種である請求項4に記載のシートクッションパッド。
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