JP2005123706A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005123706A
JP2005123706A JP2003353619A JP2003353619A JP2005123706A JP 2005123706 A JP2005123706 A JP 2005123706A JP 2003353619 A JP2003353619 A JP 2003353619A JP 2003353619 A JP2003353619 A JP 2003353619A JP 2005123706 A JP2005123706 A JP 2005123706A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color gain
gain
white balance
color
correction value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003353619A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4159965B2 (ja
Inventor
Madoka Shiraishi
円 白石
Atsushi Okada
厚志 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2003353619A priority Critical patent/JP4159965B2/ja
Publication of JP2005123706A publication Critical patent/JP2005123706A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4159965B2 publication Critical patent/JP4159965B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 色の制限性を良好に維持しつつ、ホワイトバランス処理の誤動作を防止する。
【解決手段】 画像処理装置の信号処理回路がホワイトバランス処理を制御するために実行する処理は、色ゲインの変化量を算出するステップ(S1021)と、Rゲインの現在値を取得するステップ(S104)と、変化量に基づきホワイトバランス処理を実行すると判断した場合に(S1022にてYES)、色ゲインの補正値を算出するステップ(S108)と、黒体放射特性に基づいて、色ゲイン(R'ゲイン)の補正値を算出するステップ(S110)と、RゲインとR'ゲインとの差が所定の範囲に含まれる場合に(S112にてYES)、補正値を使用するホワイトバランス処理を実行するステップ(S114)とを含む。
【選択図】 図3

Description

本発明は画像処理装置に関し、特に、ホワイトバランス処理を実行する画像処理装置に関する。
CCD(Charge Coupled Device)などの固体撮像素子を含む撮影装置のホワイトバランス処理では、被写体の撮影により得られた、色の信号と輝度信号との差である色差信号(R−Y、B−Y信号)を画面全体で平均化した値と、一般被写体の無彩色部分から得られる値と近似した信号が出力される。この色差信号を画面全体で平均化した値はホワイトバランスが合っていれば零であり、被写体の照明が変化すれば色温度の変化に対応して平均値が変化するということに基づいて、この変化量が検出される。RゲインおよびBゲインは、その変化量から、黒体放射特性に基づいて算出される。これらのゲインを利用して、ホワイトバランスを調整することができる。
ところで、撮影画面が緑一色(単一色)であるとき、上記の平均化された色差信号を無彩色にする必要があると判断され、誤った制御信号が出力される場合がある。その結果、緑色の再現性の低下という現象(いわゆる、「色の引き込み」)が発生することになる。
そこで、たとえば特開2000−78605号公報(特許文献1)は、入力された画像信号にホワイトバランス用ゲインを乗算してホワイトバランス制御を実行するホワイトバランス制御装置を開示する。この装置は、画像を構成する画素ごとに画像信号から輝度信号と色差信号とを算出する信号処理回路と、そのベクトルの方向および長さが色相および彩度を表わすカラーベクトル座標の原点を通過する黒体放射軌跡を、原点を境とした2つの領域に分割し、その分割した領域ごとに求めた近似直線を結合したものである近似線に基づいて、各画素の色差信号から近似線の近傍にある色差信号を選択し、その選択された色差信号を積分した結果と近似線とに基づいてホワイトバランス用ゲインを算出するホワイトバランス制御回路と、各画素の色差信号にホワイトバランス用ゲインを乗算する乗算回路を含む。
このホワイトバランス制御装置によると、乗算回路は、ホワイトバランス用ゲインと色差信号とから、色差信号の補正値を算出する。ホワイトバランス制御は、この補正値に基づいて、補正する色差信号が黒体放射軌跡から乖離しないように実行される。
また、色の「引き込み」を防止する方法として、たとえば、特開平9−307923号公報(特許文献2)は、「ずれ量」を求める基準となる色差データの積算枠を制御する色信号処理方法を開示する。この方法は、ホワイトバランスをとる範囲を制限する引き込み制限枠を設定するステップと、その引き込み制限枠の大きさを光源の色温度変化に対応して変化させるステップとを含む。
さらに、特開2001−8225号公報(特許文献3)は、無彩色とするためのRゲインおよびBゲインを「ずれ量」から直接算出し、それらのゲインが黒体放射曲線に基づいて設定されたゲインの組み合わせであるか否かを判定する技術を開示する。
特開2000−78605号公報 特開平9−307923号公報 特開2001−8225号公報
しかしながら、積算枠を制御する方法によると、以下の問題点が生じる。第1に、積算枠を小さくすると、単一色の引き込みを抑制することができるが、適応できる色温度の範囲が狭くなる場合がある。あるいは、ホワイトバランスが崩れた状態で停止するロックと呼ばれる誤動作を引き起こしやすくなり、積算枠を極端に小さくすることはできなくなることがある。
第2に、カラーベクトル上で非対称な形とした場合、ホワイトバランスの収束点が原点よりずれるといった現象を引き起こしやすくなる。そのため、現実には、カラーベクトル上で黒体放射曲線をカバーする対称的な長方形とすることになる。この結果、単一色の引き込みに対しては必ずしも十分な対応とは言えないのが現実である。さらに、色のずれ量は、蛍光灯等のような照明の下では頻繁に変化するため、無彩色となるゲインを直接算出すると、色が変動する場合がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ホワイトバランス処理における誤動作を軽減し、色を安定してかつ良好に再現し、ハードウェアおよびソフトウェアへの負荷を軽減することができる画像処理装置を提供することである。
第1の発明に係る画像処理装置は、ホワイトバランス処理の制御に使用されるデータを記憶するための記憶手段と、撮像素子からの信号に基づいて、第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を算出するための現在値算出手段と、記憶手段に予め記憶された設定値と、算出された第1の色ゲインの現在値とに基づいて、第1の色ゲインの補正値を算出するための第1の補正値算出手段と、第1の色ゲインと第2の色ゲインとを関係付ける黒体放射特性に基づいて、第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出するための第2の補正値算出手段と、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値とに基づいて、第2の色ゲインの補正値に応じたホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断するための適切性判断手段と、ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断されると、第2の色ゲインの補正値に応じたホワイトバランス処理を実行するための実行手段とを含む。
第1の発明によると、画像処理装置は、予め定められた領域(たとえば、IQ積算枠)に対して、撮像素子からの信号に基づくホワイトバランス処理を制御する。現在値算出手段が、撮像素子からの信号に基づいて、第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を算出すると、第1の補正値算出手段は、予め記憶された設定値と、算出された第1の色ゲインの現在値とに基づいて、第1の色ゲインの補正値を算出する。たとえば、その設定値が第1の色ゲインの現在値に加算されると、第1の色ゲインの補正値が算出される。第2の補正値算出手段は、第1の色ゲインと第2の色ゲインとを関係付ける黒体放射特性に基づいて、第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出する。適切性判断手段は、そのようにして算出された第2の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの補正値に基づいて、第2の色ゲインの補正値を使用するホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断する。ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断されると、実行手段は、第2の色ゲインの補正値を使用するホワイトバランス処理を実行する。このようにすると、第2の色ゲインの補正値が黒体放射特性の関係から逸脱する場合には、ホワイトバランス処理は実行されない。これにより、不必要なホワイトバランス処理の実行による色の再現性の低下を防止することができる画像処理装置を提供することができる。
第2の発明に係る画像処理装置は、第1の発明の構成に加えて、記憶手段は、予め算出された黒体放射特性を表わす特性データを記憶する。第2の補正値算出手段は、特性データおよび第1の色ゲインの補正値から、第2の色ゲインの補正値を算出する。
第2の発明によると、黒体放射特性を表わす特性データを、たとえばマップ形式のデータとして、あるいは関数式として、記憶手段に予め記憶させておくことにより、画像処理装置は、ホワイトバランス処理の制御を実行することができる。
第3の発明に係る画像処理装置は、第1または第2の発明の構成に加えて、適切性判断手段は、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値との差が予め定められた差を下回る場合には、第2の色ゲインの補正値に応じたホワイトバランス処理の実行は適切であると判断する。適切性判断手段は、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値との差が予め定められた差を上回る場合には、第2の色ゲインの補正値に応じたホワイトバランス処理の実行は不適切であると判断する。
第3の発明によると、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値との差が予め定められた差を下回る場合に、第2の色ゲインの補正値を使用するホワイトバランス処理が実行される。一方、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値との差が予め定められた差を上回る場合には、第2の色ゲインの補正値を使用するホワイトバランス処理は実行されない。すなわち、第2の色ゲインの補正値が第1の色ゲインの補正値との黒体放射特性を維持するような場合にのみ、ホワイトバランス処理が実行されるため、画像処理装置は、ホワイトバランス処理の実行時における誤動作の発生を防止しつつ、色を安定して良好に再現することができる。
第4の発明に係る画像処理装置は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、撮像素子の各画素について、色の信号と輝度信号との差である色差信号を算出するための信号算出手段と、予め定められた領域であって、ホワイトバランス処理の対象となる領域における各色差信号の平均値を算出するための平均値算出手段と、平均値およびホワイトバランスが整合しているときの色差信号との差である変化量を算出するための変化量算出手段と、変化量に基づいて、ホワイトバランス処理を実行するか否かを判断するための判断手段とを含む。第2の補正値算出手段は、判断手段がホワイトバランス処理を実行すると判断すると、第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出する。
第4の発明によると、ホワイトバランス処理の対象となる領域における各色差信号の平均値と、ホワイトバランスが整合しているときの色差信号との差である変化量に基づいて、ホワイトバランス処理を実行するか否かが判断される。この判断は、第2の補正値算出手段が第2の色ゲインの補正値を算出する前に行なわれる。このようにすると、ホワイトバランス処理が不要である場合には、第2の色ゲインの補正値の算出等の処理を実行させる必要がなくなるため、ハードウェアあるいはソフトウェアに対する負荷を軽減することができる。
第5の発明に係る画像処理装置は、第4の発明の構成に加えて、判断手段は、変化量が予め定められた範囲内である場合には、ホワイトバランス処理を実行すると判断する。
第5の発明によると、変化量が予め定められた範囲内である場合にのみ、第2の色ゲインの補正値が算出されるため、黒体放射特性から乖離するような場合における第2の色ゲインの補正値および第1の色ゲインの補正値は算出されない。その結果、ホワイトバランス処理も実行されなくなるため、誤動作の発生を防止することができる。
第6の発明に係る画像処理装置は、第4または第5の発明の構成に加えて、さらに、第1の色ゲインの変化量と第2の色ゲインの変化量との比率を算出するための手段と、第1の色ゲインの現在値および黒体放射特性から算出される値と、第1の色ゲインの現在値との基準比率を算出するための手段とを含む。判断手段は、比率および基準比率に基づいて、ホワイトバランス処理を実行すると判断するための比率判断手段を含む。
第6の発明によると、第1の色ゲインの変化量と第2の色ゲインの変化量との比率と、第1の色ゲインの現在値および黒体放射特性から算出される値と、第1の色ゲインの現在値との基準比率とに基づいて、ホワイトバランス処理の実行を制御することができる。これにより、ホワイトバランス処理を実行するか否かを早期に判断することができる。
第7の発明に係る画像処理装置は、第6の発明の構成に加えて、比率判断手段は、比率と基準比率との差に基づいて、ホワイトバランス処理を実行すると判断する。
第7の発明によると、第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値により、ホワイトバランス処理を実行するか否かを早期に判断することができる。
第8の発明に係る画像処理装置は、第6の発明の構成に加えて、比率判断手段は、比率と基準比率との差が予め定められた範囲に含まれる場合には、ホワイトバランス処理を実行すると判断する。
第8の発明によると、第1の色ゲインの現在値および黒体放射特性から算出される値と、第1の色ゲインの現在値との基準比率と、第1の色ゲインの変化量と第2の色ゲインの変化量との比率との差が予め定められた範囲に含まれる場合にのみ、ホワイトバランス処理を実行させることができる。したがって、黒体放射特性から逸脱するような補正値に基づくホワイトバランス処理が実行されなくなるため、色の再現性の低下を防止しつつ、誤動作を防ぐことができる。
第9の発明に係る画像処理装置は、第4の発明の構成に加えて、記憶手段は、第1の色ゲインの変化量の符号および第2の色ゲインの変化量の符号の組み合わせに応じて予め設定される基準比率をそれぞれ記憶する。画像処理装置はさらに、第1の色ゲインの変化量および第2の色ゲインの変化量に基づいて、第1の色ゲインの変化量の符号および第2の色ゲインの変化量の符号を確認するための符号確認手段と、確認された第1の色ゲインの変化量の符号および第2の色ゲインの変化量の符号に基づいて、基準比率を決定するための決定手段とを含む。判断手段は、比率および基準比率に基づいて、ホワイトバランス処理を実行すると判断するための比率判断手段を含む。
第9の発明によると、符号確認手段が第1の色ゲインの変化量および第2の色ゲインの変化量の符号(すなわち、正負)を確認すると、決定手段は、その符号に応じて予め設定されている基準比率を決定する。比率判断手段は、第1の色ゲインの変化量と第2の色現の変化量との比率と、決定された基準比率とに基づいて、ホワイトバランス処理を実行するか否かを判断する。このようにすると、たとえば、現在の収束点を原点とした場合に、符号を確認することにより、変化の方向(たとえば、色ゲインの変化量の座標平面における象限)を確認することができる。また、基準比率が容易に決定される。したがって、その基準比率に基づいてホワイトバランス処理を実行するか否かを判断することにより、誤動作を簡潔に防止することができる。
第10の発明に係る画像処理装置は、第9の発明の構成に加えて、記憶手段は、第1の色ゲインの変化量および第2の色ゲインの変化量をそれぞれ記憶する。符号確認手段は、記憶された各第1の色ゲインの変化量および各第2の色ゲインの変化量を表わす符号を読み出すことにより、第1の色ゲインの変化量の符号および第2の色ゲインの変化量の符号を確認する。
第10の発明によると、第1の色ゲインの変化量および第2の色ゲインの変化量が算出されて記憶手段に記憶されると、符号確認手段は、各第1の色ゲインの変化量および各第2の色ゲインの変化量を表わす符号を読み出して、第1の色ゲインの変化量の符号および第2の色ゲインの変化量の符号を確認する。したがって、画像処理装置は、ホワイトバランス処理を実行するか否かの判断を逐次実行することができるため、撮像素子から入力される信号の変化に応じて、色の再現性を良好に保ちつつ、誤動作の発生を防止することができる。
第11の発明に係る画像処理装置は、第9または第10の発明の構成に加えて、比率判断手段は、比率と基準比率との差に基づいて、ホワイトバランス処理を実行すると判断する。
第11の発明によると、第1の色ゲインの変化量と第2の色ゲインの変化量との比率が、たとえば予め定められた範囲に含まれる場合にのみホワイトバランス処理の実行を可能にすることができるため、その比率が所定の範囲から逸脱する場合におけるホワイトバランス処理は確実に実行されない。これにより、ホワイトバランス処理の誤動作を防止することができる。
第12の発明に係る画像処理装置は、第11の発明の構成に加えて、比率判断手段は、比率と基準比率との差が予め定められた範囲に含まれる場合には、ホワイトバランス処理を実行すると判断する。
第12の発明によると、比率と基準比率との差が予め定められた範囲に含まれる場合には、判断手段は、ホワイトバランス処理を実行すると判断する。このようにすると、ホワイトバランス処理を十国するための条件を最小限にすることができるため、ホワイトバランス処理の誤動作を簡潔に防止することができる。
本発明によると、画像処理装置は、ホワイトバランス処理における誤動作を軽減し、色を安定してかつ良好に再現し、ハードウェアおよびソフトウェアへの負荷を軽減することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る画像処理装置1000の構成について説明する。図1は、画像処理装置1000の機能の構成を概念的に表わすブロック図である。
図1に示すように、画像処理装置1000は、信号入力部1140と、信号処理回路100と、メモリ116と、信号出力部1180とを含む。信号処理回路100は、色差信号値算出部150と、平均値算出部152と、現在値算出部154と、変化量算出部156と、補正値算出部158と、判断部160と、ホワイトバランス実行部162とを含む。画像処理装置1000は、固体撮像素子112と画像表示装置120とに接続される。固体撮像素子112には、レンズ110からの光が入力される。
信号入力部1140には、固体撮像素子112からの信号が入力される。この信号は、所定の処理(たとえばデジタル変換)が実行された後、信号処理回路100に入力される。信号処理回路100は、入力された信号およびメモリ116に記憶されているデータに基づいて所定の処理を実行する。この処理については後述する。信号出力部1180は、信号処理回路100からの信号に所定の処理を行なった後、画像表示装置120に出力する。
色差信号算出部150は、固体撮像素子112の各画素について、色の信号と輝度信号との差である色差信号値を算出する。平均値算出部152は、ホワイトバランス処理の対象となる領域における各色差信号値の平均値を算出する。この領域は予め設定された領域である。現在値算出部154は、各画素からの信号に基づいて、色ゲイン(たとえば、Rゲイン、Bゲインなど)の現在値を算出する。変化量算出部156は、ホワイトバランスがその領域において整合しているときの色差信号値と平均値との差を変化量として算出する。
補正値算出部158は、色ゲインの現在値から補正値を算出する。この算出は、たとえば予め記憶された調整値を色ゲインの現在値に加算することにより行なわれる。また、補正値算出部158は、黒体放射特性の関係を有する2つの色ゲインについて、第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出する。
判断部160は、色ゲインの現在値あるいは補正値に基づいて、色ゲインの補正値を使用するホワイトバランス処理を実行するか否か、あるいは、ホワイトバランス処理そのものを実行するか否かを判断する。
ホワイトバランス制御部162は、色ゲインの補正値あるいは現在値を使用して、ホワイトバランス処理を実行するための色ゲインを算出して出力する。
このように、信号処理回路100は、上記したように複数の機能を実現するように構成された回路である。すなわち、色差信号算出部150と、平均値算出部152と、現在値算出部154と、変化量算出部156と、補正値算出部158とは、たとえば、色差データ積算回路104により実現される。判断部106と、ホワイトバランス実行部162とは、ホワイトバランス制御回路106により実現される。
そこで、図2を参照して、画像処理装置1000の具体的構成の一態様について説明する。図2は、画像処理装置1000の構成を表わすブロック図である。
図2に示すように、画像処理装置1000は、固体撮像素子112に接続されるA/D(Analog to Digital)変換回路114と、A/D変換回路114に接続される信号処理回路100と、信号処理回路100による処理に使用されるデータあるいは算出されたデータを格納するためのメモリ116と、信号処理回路100に接続される信号出力IF(Interface)118とを含む。信号処理回路100は、色差データ積算回路104とホワイトバランス制御回路106とを含む。信号出力IF118は、画像表示装置120に接続される。
A/D変換回路114は、図1に示した信号入力部1140の一態様である。色差データ積算回路104は、図1における色差信号算出部150と、平均値算出部152と、現在値算出部154と、変化量算出部156と、補正値算出部158とを実現するために構成される回路である。
ホワイトバランス制御回路106は、図1におけるホワイトバランス実行部162の一態様である。演算回路108は、図1における判断部106と、ホワイトバランス実行部162とを実現するために構成される回路である。
なお、これらの回路構成は、図2に示したものに限られるものではなく、図1に示した機能を実現することができるような構成であればよい。また、図1に示した機能を実現する処理を予めプログラムとして構成して、メモリ116に予め記憶しておき、CPU(Central Processing Unit)その他の演算処理装置により、一連の動作をコンピュータにおいて実行させるようにしてもよい。
図2において、レンズ110にて集光された被写体の像は、1つの固体撮像素子112にて電気信号に変換される。その電気信号はA/D変換回路114に入力され、アナログ信号からデジタル信号に変換される。このデジタル信号が信号処理回路100に入力されると、色差データ積算回路104が所定の演算処理を実行し、ホワイトバランス制御回路106がその演算結果に基づいて、ホワイトバランス処理を実行する。これらの処理については後述する。処理後の信号は、信号出力IF118を介して画像表示装置120に出力される。
図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置1000の制御構造をフローチャートに基づいて説明する。図3は、画像処理装置1000の信号処理回路100が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
S102にて、信号処理回路100は、A/D変換回路114を介して信号を受信する。
S1021にて、信号処理回路100は、受信した信号に含まれる色の信号(R,B)と輝度信号(Y)との差である色差信号(R−Y,B−Y)から、ホワイトバランスが整合しているときの色差信号と算出された色差信号との差を変化量として算出する。このようにして、Bゲインの変化量とRゲインの変化量とが算出される。
S1022にて、信号処理回路100は、色ゲインの変化量の比率を確認することにより、黒体放射特性から大幅に色ずれが生じるような許容範囲を越えるか否かを判断する。たとえば変化量の比率が所定の変化率を下回るか否かの確認が行なわれる。色ゲインの変化量が許容範囲を越えると判断すると(S1022にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでないと(S1022にてNO)、処理はS118に移される。
S104にて、信号処理回路100は、受信した信号からRゲインの現在値およびBゲインの現在値を取得する。
S106にて、信号処理回路100は、Rゲイン、Bゲインの現在値を一時的にメモリ116の所定の領域(たとえばワークメモリ領域)に保存する。
S108にて、信号処理回路100は、予め定められた設定値β(色差データの値から算出された調整値β)をBゲインの現在値に加算することにより、Bゲインの補正値を算出する。
S110にて、信号処理回路100は、黒体放射特性に基づいてBゲインの補正値からRゲインの補正値を算出する。この算出では、たとえば黒体放射特性の関係を有するRゲインとBゲインとの関数式、マップデータ等が使用される。この関数式、マップデータ等は、メモリ116に予め記憶されている。
S112にて、信号処理回路100は、Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差が予め定められた範囲σの中に含まれるか否かを判断する。Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差が予め定められた範囲σの中に含まれると判断すると(S112にてYES)、処理はS114に移される。もしそうでないと(S112にてNO)、処理はS116に移される。
S114にて、ホワイトバランス制御回路106は、補正値に基づいてホワイトバランス処理を実行する。この処理が実行されると、S108にて算出されたBゲインの補正値(B+β)がBゲインとして設定される。また、S110にて算出された黒体放射特性に基づく補正値がRゲインの補正値として設定される。
S116にて、ホワイトバランス制御回路106は、色ゲインの現在値に基づいてホワイトバランス処理を実行する。この処理が実行されると、メモリ116に記憶されているBゲインの現在値およびRゲインの現在値が、それぞれBゲインおよびRゲインとして設定される。すなわち、Rゲインの補正値およびBゲインの補正値を使用することなくホワイトバランス処理が実行される。
S118にて、信号処理回路100は、設定BゲインおよびRゲインの信号を画像表示装置120に出力する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像処理装置1000の動作について、補正値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合と現在値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合とについて説明する。
[補正値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合]
固体撮像素子112により取得された被写体の信号が画像処理装置に入力される(S102)と、色ゲインの変化量が算出される(S1021)。色ゲインの変化量の比率が黒体放射特性から定められる比率の許容範囲を越える場合には(S1022にてYES)、Rゲインの現在値とBゲインの現在値とが取得され(S104)、各現在値はメモリ116に一時的に記憶される(S106)。
Bゲインの補正値がBゲインの現在値と予め定められた設定値βとから算出され(S108)、Rゲインの補正値がBゲインの補正値および黒体放射特性に基づいて算出される(S110)。
Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差が予め定められた範囲の中に含まれる場合には(S112にてYES)、信号処理回路100は、色ゲインの補正値に基づくホワイトバランス処理の実行が適切であると判断する。信号処理回路100がRゲインの補正値およびBゲインの補正値をRゲインおよびBゲインとして設定すると(S114)、画像処理装置1000は、そのRゲインおよびBゲインを画像表示装置120に出力する(S118)。
[現在値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合]
Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差が予め定められた範囲の中に含まれない場合には(S112にてNO)、信号処理回路100は、色ゲインの補正値に基づくホワイトバランス処理の実行が不適切であると判断する。信号処理回路100がRゲインの現在値およびBゲインの現在値をRゲインおよびBゲインとして設定すると(S116)、画像処理装置1000は、そのRゲインおよびBゲインを画像表示装置120に出力する(S118)。
以上のようにして、本実施の形態に係る画像処理装置1000は、Rゲインの補正値とBゲインの補正値との間に黒体放射特性に基づく関係が認められる場合(すなわち、Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差が予め定められた範囲内である場合)に、補正値に基づくホワイトバランス処理を実行する。また、Rゲインの補正値とBゲインの補正値との間に黒体放射特性に基づく関係が認められない場合には、画像処理装置1000は、現在値に基づくホワイトバランス処理を実行する。このようにすると、色の再現性の低下を防止することができる。また、色ゲインの変化量が所定の値よりも大きい場合には、画像処理装置1000はホワイトバランス処理を実行しない。そのため、色の制限性を良好に維持しつつ、色の引き込みなどの誤動作の発生を防止することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置1000について説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理装置1000は、前述の第1の実施の形態に係る画像処理装置1000と同じハードウェア構成を有する。その作用も同じである。したがって、それらについての説明は繰り返さない。
図4を参照して、本実施の形態に係る画像処理装置1000の制御構造について説明する。図4は、画像処理装置1000の信号処理部100が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。なお、図4のフローチャートにおいて、前述の図3に示したフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付してある。それらの処理も同じである。したがって、それらの説明はここでは繰り返さない。
S201にて、信号処理回路100は、S1021にて算出した色ゲインの変化量から、Bゲイン変化量とRゲイン変化量との比率を算出する。
S202にて、信号処理回路100は、Bゲインに関して黒体放射曲線から予め設定される比率(ε)と上記求められた変化量の比率との差が予め定められた許容差κの範囲内であるか否かを判断する。その差が許容差κの範囲内であると判断すると(S202にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでないと(S202にてNO)、処理はS118に移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像処理装置1000の動作について説明する。なお、前述の第1の実施の形態の動作と同じ動作の説明は、繰り返さない。
画像処理装置1000は、固体撮像素子112からの信号に基づいて色ゲインの変化量を算出し(S1021)、さらにRゲインとBゲインとの比率を算出する(S201)。その比率と予め設定された比率εとの差が許容差κの範囲内である場合には、画像処理装置1000は、Bゲインの補正値およびRゲインの補正値を算出する(S108、S110)。その後、Bゲインの補正値とRゲインの補正値との差が算出され、Bゲインの補正値とRゲインの補正値との差が所定の範囲内である場合には(S112にてYES)、画像処理装置1000は補正値を使用するホワイトバランス処理を実行する(S114)。
以上のようにして、本実施の形態に係る画像処理装置1000は、色ゲインの変化量の比率と所定の比率との差が許容差であるか否かを判断する。その差が許容差の範囲内である場合には、画像処理装置1000はホワイトバランス処理を実行する。このようにすると、色ゲインの比率に基づいてホワイトバランス処理を実行したり中止したりすることができるため、色の再現性の低下を防止しつつ、誤動作を防ぐことができる。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置2000について説明する。本実施の形態は、画像処理装置2000の利用者が誤差κあるいはεを任意に設定することができる点で、前述の各実施の形態と異なる。
図5を参照して、画像処理装置2000の構成について説明する。図5は、画像処理装置2000の具体的構成の一態様を表わすブロック図である。
図5に示すように、この画像処理装置2000は画像処理装置1000の構成に加えて、設定ボタン130を含む。この設定ボタン130は信号処理回路100に接続され、入力された設定値はメモリ116に記憶される。この設定値には、ホワイトバランス処理を実行するか否かを判断するための基準値が含まれる。
図6を参照して、本実施の形態に係る画像処理装置2000の制御構造について説明する。図6は、画像処理装置2000の信号処理回路100が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。なお、図6に示すフローチャートにおいて、前述の各実施の形態のけるフローチャートの処理と同じ処理には、同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
S301にて、画像処理装置2000の信号処理回路100は、メモリ116から許容誤差κを読み出す。この許容誤差κは、画像処理装置2000の利用者が、設定ボタン130を介して予め任意に設定した値である。
S202にて、信号処理回路100は、Bゲインに関して黒体放射曲線から予め設定される比率(ε)と上記求められた変化量の比率との差が、利用者により設定された許容誤差κの範囲内であるか否かを判断する。その差が許容誤差κの範囲内であると判断すると(S202にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでないと(S202にてNO)、処理はS118に移される。
以上の構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像処理装置2000の動作について説明する。なお、前述の各実施の形態における動作と同じ動作は、繰り返さない。
画像処理装置2000の利用者が、設定ボタン130を介してホワイトバランス処理を実行するか否かを制御するための許容誤差κを入力すると、その値はメモリ116に記憶される。画像処理装置2000が固体撮像素子112からの信号を受信すると(S102)、信号処理回路100は、色ゲインの変化量および変化量の比率を算出し(S1021、S201)、さらに、メモリ116から許容誤差κを読み出す(S301)。BゲインとRゲインとの比率と所定の比率εとの差が許容誤差κの範囲内である場合には(S202にてYES)、画像処理装置2000は、所定のホワイトバランス処理を実行する(S114またはS116)。
以上のようにして、本実施の形態に係る画像処理装置2000は、利用者が予め任意に設定した誤差κ、εに基づいて、ホワイトバランス処理を実行することが適切であるか否かを判断する。したがって、画像処理装置2000は、利用者の嗜好に対応したホワイトバランス処理を制御することができる。
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態に係る画像処理装置について説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理装置は、前述の第3の実施の形態に係る画像処理装置2000と同じハードウェア構成を有する。それらの作用も同じである。したがって、それらの説明は繰り返さない。
図7を参照して、画像処理装置2000のメモリ116が記憶するデータについて説明する。図7は、Rゲインの変化量および変化方向(符号)と、Bゲインの変化量および変化方向との位置関係を表わす図である。たとえば、変化方向がともに正の場合は、色ゲインは、第1象限にずれたことを意味する。Rゲインの変化方向が正でBゲインの変化方向がマイナスの場合は、色ゲインは第2象限にずれたことを意味する。そのRゲイン、Bゲインの変化方向から黒体放射曲線に沿って、原点に収束するための基準比率εをホワイトバランス処理の判断に適用することができる。
図8を参照して、画像処理装置2000の制御構造について説明する。図8は、画像処理装置2000の信号処理回路100が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。なお、図8に示すフローチャートにおいて、前述の各実施の形態におけるフローチャートの処理と同じ処理には、同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらの説明は繰り返さない。
S401にて、信号処理回路100は、メモリ116に予め記憶されているデータに基づいて、色ゲインの変化量の符号(「+」または「−」)を確認する。この確認は、メモリ116に記憶されているデータと色ゲインの変化量とを比較して、色ゲインの変化量が存在する領域を特定することにより行なわれる。このようにRゲインおよびBゲインの変化量の符号を確認することによって、色のずれがベクトル平面上の象限として確認される。その象限が確認されると、各象限に対応して設定されている比率ψが決定される。
S202にて、信号処理回路100は、S201にて算出した変化量の比率と各象限ごとに設定されている比率ψとの差がγの範囲内であるか否かを判断する。算出した比率と設定されている比率ψとの差がγの範囲内であると判断すると(S202にてYES)、処理はS104に移される。そうでないと(S202にてNO)、処理はS118に移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る画像処理装置2000の動作について説明する。なお、前述の各実施の形態における動作と同じ動作の説明は繰り返さない。
画像処理装置2000が固体撮像素子112からの信号を受信すると(S102)、Rゲインの変化量およびBゲインの変化量を算出して、さらに、それらの変化量の比率を算出する(S201)。画像処理装置2000はその変化量について符号を確認すると(S401)、その符号に対応する比率と変化量の比率との差が所定の範囲内であるか否かを判断する(S202)。その差が所定の範囲内である場合には、画像処理装置2000は所定の条件にしたがってホワイトバランス処理を実行する(S114またはS116)。
以上のようにして、本実施の形態に係る画像処理装置2000は、信号から算出した色ゲインの変化量と、予め記憶された黒体放射特性に関連付けられた変化量のデータとに基づいて、色ゲインの変化の方向(すなわち正負のいずれかの方向)を確認する。この方向が確認されると、その方向に対応して記憶されている比率が読み出される。画像処理装置2000は、この比率に基づいて、ホワイトバランス処理を実行するか否かを判断する。このようにすると、色ゲインの変化量が黒体放射特性から乖離している場合にホワイトバランス処理が実行されることを防止することができるため、色再現性の低下あるいは画像処理装置2000の誤動作を防止することができる。
<第5の実施の形態>
以下、本発明の第5の実施の形態に係る画像処理装置2000について説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理装置2000は、前述の第1の実施の形態と同じハードウェア構成を有する。それらの作用も同じである。したがって、それらについての説明は繰り返さない。
図9を参照して、本実施の形態に係る画像処理装置2000の制御構造について説明する。図9は、画像処理装置2000の信号処理回路100が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートにおいて、前述の各実施の形態に係るフローチャートの処理と同じ処理には、同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらの処理の説明は繰り返さない。
S501にて、信号処理回路100は、画像処理装置2000の利用者により予め設定された値γをメモリ116から読み出す。この値は、画像処理装置2000が信号処理を実行していない場合でも任意に設定することができる。
S202にて、信号処理回路100は、Rゲインの変化量とBゲインの変化量との比率と、色ずれのベクトル平面上の象限に基づいて設定される比率ψとの差が設定値γの範囲内であるか否かを判断する。その差が設定値γの範囲内であると判断すると(S202にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでないと(S202にてNO)、処理はS118に移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る画像処理装置2000の動作について説明する。なお、前述の各実施の形態に係る動作と同じ動作の説明は、繰り返さない。
画像処理装置2000が固体撮像素子112からの信号を受信すると(S102)、信号処理回路100はRゲインの変化量およびBゲインの変化量を算出し、さらに、それらの変化量の比率を算出する(S201)。予め設定された許容範囲γがメモリ116から読み出され(S501)、さらに色ゲインの変化量について符号が確認される(S401)。その符号に対応する比率と変化量の比率との差が許容範囲γに含まれる場合には(S202にてYES)、画像処理装置2000は、所定の条件にしたがってホワイトバランス処理を実行する(S114またはS116)。
以上のようにして、本実施の形態に係る画像処理装置2000は、信号から算出した色ゲインの変化量と、予め記憶された黒体放射特性に関連付けられた変化量のデータとに基づいて、色ゲインの変化の方向(すなわち正負のいずれかの方向)を確認する。この方向が確認されると、その方向に対応して記憶されている比率が読み出される。画像処理装置2000は、利用者が任意に設定した許容誤差範囲γとその比率とに基づいて、ホワイトバランス処理を実行するか否かを判断する。このようにすると、利用者の嗜好に対応したホワイトバランス処理を実行することができる。
以上により、詳述した第1〜5の実施の形態に係る各画像処理装置は、固体撮像素子112が取得した信号に対して、色を良好に再現し、誤動作を生じることのないホワイトバランス処理を実行することができる。
この場合、色ゲインの補正値は黒体放射特性に基づいて算出されるため、単一色の引き込み等の現象を軽減することができる。また、Rゲインの変化量およびBゲインの変化量から理想の補正値をIQ積算枠に基づいて直接算出しないため、ハードウェアの構成による制限を回避することができる。さらに、IQ積算枠を使用する処理に必要なソフトウェアが不要になるため、その分、画像処理方法を実現するためのソフトウェアに対する負荷を軽減することができる。その結果、色を良好に再現し、ホワイトバランス処理の誤動作を抑制できる画像処理装置を提供することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の機能の構成を表わすブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の構成を表わすブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置の構成を表わすブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係る画像処理装置が使用する色ゲインの変化量を説明するための図である。 本発明の第4の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
符号の説明
100 信号処理回路、104 色差データ積算回路、106 ホワイトバランス制御回路、110 レンズ、112 固体撮像素子、114 A/D変換回路、116 メモリ、118 信号出力IF、120 映像表示装置、130 設定ボタン、150 色差信号算出部、152 平均値算出部、154 現在値算出部、156 変化量算出部、158 補正値算出部、160 判断部、162 ホワイトバランス実行部、1000,2000 画像処理装置。

Claims (12)

  1. 撮像素子からの信号に基づいてホワイトバランス処理の実行を制御するための画像処理装置であって、
    前記ホワイトバランス処理の制御に使用されるデータを記憶するための記憶手段と、
    前記撮像素子からの信号に基づいて、第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を算出するための現在値算出手段と、
    前記記憶手段に予め記憶された設定値と、算出された前記第1の色ゲインの現在値とに基づいて、前記第1の色ゲインの補正値を算出するための第1の補正値算出手段と、
    前記第1の色ゲインと前記第2の色ゲインとを関係付ける黒体放射特性に基づいて、前記第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出するための第2の補正値算出手段と、
    前記第2の色ゲインの現在値と前記第2の色ゲインの補正値とに基づいて、前記第2の色ゲインの補正値に応じた前記ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断するための適切性判断手段と、
    前記ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断されると、前記第2の色ゲインの補正値に応じた前記ホワイトバランス処理を実行するための実行手段とを含む、画像処理装置。
  2. 前記記憶手段は、予め算出された前記黒体放射特性を表わす特性データを記憶し、
    前記第2の補正値算出手段は、前記特性データおよび前記第1の色ゲインの補正値から、前記第2の色ゲインの補正値を算出する、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記適切性判断手段は、
    前記第2の色ゲインの現在値と前記第2の色ゲインの補正値との差が予め定められた差を下回る場合には、前記第2の色ゲインの補正値に応じた前記ホワイトバランス処理の実行は適切であると判断し、
    前記第2の色ゲインの現在値と前記第2の色ゲインの補正値との差が予め定められた差を上回る場合には、前記第2の色ゲインの補正値に応じた前記ホワイトバランス処理の実行は不適切であると判断する、請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像処理装置はさらに、
    前記撮像素子の各画素について、色の信号と輝度信号との差である色差信号を算出するための信号算出手段と、
    予め定められた領域であって、前記ホワイトバランス処理の対象となる領域における各前記色差信号の平均値を算出するための平均値算出手段と、
    前記平均値およびホワイトバランスが整合しているときの色差信号との差である変化量を算出するための変化量算出手段と、
    前記変化量に基づいて、前記ホワイトバランス処理を実行するか否かを判断するための判断手段とを含み、
    前記第2の補正値算出手段は、前記判断手段が前記ホワイトバランス処理を実行すると判断すると、前記第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出する、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 前記判断手段は、前記変化量が予め定められた範囲内である場合には、前記ホワイトバランス処理を実行すると判断する、請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記画像処理装置はさらに、
    前記第1の色ゲインの変化量と前記第2の色ゲインの変化量との比率を算出するための手段と、
    前記第1の色ゲインの現在値および前記黒体放射特性から算出される値と、前記第1の色ゲインの現在値との基準比率を算出するための手段とを含み、
    前記判断手段は、前記比率および前記基準比率に基づいて、前記ホワイトバランス処理を実行すると判断するための比率判断手段を含む、請求項4または5に記載の画像処理装置。
  7. 前記比率判断手段は、前記比率と前記基準比率との差に基づいて、前記ホワイトバランス処理を実行すると判断する、請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記比率判断手段は、前記比率と前記基準比率との差が予め定められた範囲に含まれる場合には、前記ホワイトバランス処理を実行すると判断する、請求項6に記載の画像処理装置。
  9. 前記記憶手段は、前記第1の色ゲインの変化量の符号および前記第2の色ゲインの変化量の符号の組合せに応じて予め設定される基準比率をそれぞれ記憶し、
    前記画像処理装置はさらに、
    前記第1の色ゲインの変化量および前記第2の色ゲインの変化量に基づいて、前記第1の色ゲインの変化量の符号および前記第2の色ゲインの変化量の符号を確認するための符号確認手段と、
    確認された前記第1の色ゲインの変化量の符号および前記第2の色ゲインの変化量の符号に基づいて、前記基準比率を決定するための決定手段とを含み、
    前記判断手段は、前記比率および前記基準比率に基づいて、前記ホワイトバランス処理を実行すると判断するための比率判断手段を含む、請求項4に記載の画像処理装置。
  10. 前記記憶手段は、前記第1の色ゲインの変化量および前記第2の色ゲインの変化量をそれぞれ記憶し、
    前記符号確認手段は、記憶された各前記第1の色ゲインの変化量および各前記第2の色ゲインの変化量を表わす符号を読み出すことにより、前記第1の色ゲインの変化量の符号および前記第2の色ゲインの変化量の符号を確認する、請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記比率判断手段は、前記比率と前記基準比率との差に基づいて、前記ホワイトバランス処理を実行すると判断する、請求項9または10に記載の画像処理装置。
  12. 前記比率判断手段は、前記比率と前記基準比率との差が予め定められた範囲に含まれる場合には、前記ホワイトバランス処理を実行すると判断する、請求項11に記載の画像処理装置。
JP2003353619A 2003-10-14 2003-10-14 画像処理装置 Expired - Fee Related JP4159965B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003353619A JP4159965B2 (ja) 2003-10-14 2003-10-14 画像処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003353619A JP4159965B2 (ja) 2003-10-14 2003-10-14 画像処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005123706A true JP2005123706A (ja) 2005-05-12
JP4159965B2 JP4159965B2 (ja) 2008-10-01

Family

ID=34611856

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003353619A Expired - Fee Related JP4159965B2 (ja) 2003-10-14 2003-10-14 画像処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4159965B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007189595A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Hitachi Advanced Digital Inc 車載カメラ装置
JP2020065237A (ja) * 2018-10-19 2020-04-23 キヤノン株式会社 画像符号化装置及びその制御方法及びプログラム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007189595A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Hitachi Advanced Digital Inc 車載カメラ装置
JP2020065237A (ja) * 2018-10-19 2020-04-23 キヤノン株式会社 画像符号化装置及びその制御方法及びプログラム
JP7256629B2 (ja) 2018-10-19 2023-04-12 キヤノン株式会社 画像符号化装置及びその制御方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4159965B2 (ja) 2008-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0863677B1 (en) Surrounding light judging method and video compensation control apparatus using the same
JP4042736B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
US7986833B2 (en) Image processing method and apparatus for color enhancement and correction
US8135213B2 (en) Physical quantity interpolating method, and color signal processing circuit and camera system using the same
US8797427B2 (en) Image processing apparatus
JP2009165036A (ja) 映像処理装置及びコンピュータプログラム
US7289128B2 (en) Image processing device
JP2010183232A (ja) 色域変換装置
JPH1141619A (ja) 色信号処理回路およびその処理方法、並びにこれらを用いたカメラ
US10708562B2 (en) Image signal processing apparatus, image processing circuit, and image processing method
KR100428522B1 (ko) 촬영장치
JP4159965B2 (ja) 画像処理装置
JP5091550B2 (ja) ホワイトバランス調整装置およびホワイトバランス調整方法
JP2007259434A (ja) 画像処理装置及びその方法
JP4145022B2 (ja) 輝度調整装置およびその動作制御方法
EP1687689B1 (en) System and method for effectively performing an image data transformation procedure
JP6413210B2 (ja) 画像処理装置、撮像装置およびプログラム
JP3885066B2 (ja) 色温度補正回路
JP4423226B2 (ja) 色調整方法及び装置
JP2007043329A (ja) 撮像装置及びホワイトバランス調整方法
JP4057392B2 (ja) 撮像装置、ホワイトバランス処理方法、ホワイトバランス制御をコンピュータに実行させるためのプログラム、ホワイトバランス制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体
JPH09284794A (ja) 撮像装置の色ノイズスライス回路及びその方法
JP2009260542A (ja) 色補正装置及び色補正方法
JP6676948B2 (ja) 画像処理装置、撮像装置および画像処理プログラム
JP4030398B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、画像処理方法を実現するためのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080708

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees