JP4030398B2 - 画像処理装置、画像処理方法、画像処理方法を実現するためのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、画像処理方法を実現するためのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子が取得した画像信号を処理する技術に関し、特にホワイトバランスを調整する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CCD(Charge Coupled Device)などの固体撮像素子を含む撮影装置(たとえば、デジタルビデオカメラ)を使用して被写体を撮影すると、その被写体から撮影装置に入射される映像光の色温度が変化するにもかかわらず、白い被写体は白く再現されるように制御される。この制御は、ホワイトバランス処理と呼ばれる。
【0003】
このホワイトバランス処理は、「各色が画面に一応に分散しているとき、画面の色をすべて加算すると無彩色となる。」という性質を利用している。すなわち、この処理は、被写体の撮影により得られた、色の信号と輝度信号との差である色差信号(R−Y、B−Y信号)を画面全体で平均化した値と、一般被写体の無彩色部分から得られる値と近似した信号を出力する。この色差信号を画面全体で平均化した値はホワイトバランスが合っていれば零であり、被写体の照明が変化すれば色温度の変化に対応して平均値が変化するということに基づいて、この変化量が検出される。RゲインおよびBゲインは、その変化量から、黒体放射特性に基づいて算出される。これらのゲインを利用して、ホワイトバランスを調整することができる。
【0004】
ところで、白色以外の色は、ホワイトバランス処理の対象にはならないが、単一色が画面の一部の領域を占めた場合、本来白色でない色がホワイトバランス処理の対象となることがある。たとえば、芝生や山などのように撮影画面が緑一色(単一色)であるとき、上記の平均化された色差信号を無彩色にする必要があると判断され、誤った制御信号が出力される場合がある。その結果、緑色の再現性の低下という現象(いわゆる、「色の引き込み」)が発生することになる。したがって、このような、不要なホワイトバランス処理を回避するための制御が必要になる。
【0005】
特開2000−78605号公報(特許文献1)は、入力された画像信号にホワイトバランス用ゲインを乗算してホワイトバランス制御を実行するホワイトバランス制御装置を開示する。
【0006】
この装置は、画像を構成する画素ごとに画像信号から輝度信号と色差信号とを算出する信号処理回路と、そのベクトルの方向および長さが色相および彩度を表わすカラーベクトル座標の原点を通過する黒体放射軌跡を、原点を境とした2つの領域に分割し、その分割した領域ごとに求めた近似直線を結合したものである近似線に基づいて、各画素ごとの色差信号から近似線の近傍にある色差信号を選択し、その選択された色差信号を積分した結果と近似線とに基づいてホワイトバランス用ゲインを算出するホワイトバランス制御回路と、各画素ごとの色差信号にホワイトバランス用ゲインを乗算する乗算回路とを含む。
【0007】
この装置によると、信号処理回路は、画素ごとに画像信号から輝度信号と色差信号とを算出する。ホワイトバランス制御回路は、カラーベクトル座標の原点を通過する黒体放射軌跡を、原点を境に2つに分割する。また、ホワイトバランス制御回路は、各画素ごとの色差信号から近似線の近傍にある色差信号を選択する。ホワイトバランス制御回路は、さらに、その色差信号を積分し、その結果と近似線とに基づいてホワイトバランス用ゲインを算出する。乗算回路は、ホワイトバランス用ゲインと色差信号とから、色差信号の補正値を算出する。これにより、補正する色差信号が黒体放射軌跡から乖離しないようにホワイトバランス制御を実行することができる。
【0008】
また、特開平11-136696号公報(特許文献2)は、白色以外の色を白色に引き込むことを回避するための色信号処理回路を開示する。この公報に開示された処理回路は、画像信号を色分離して得られた赤(R)、緑(G)、青(G)の色信号を増幅する増幅回路と、二次元座標によって色を規定する二次元座標系における色信号の二次元座標が、色調整を行なう範囲を示す第1の引き込み制限枠と第1の引き込み制限枠内に規定され二次元座標系の原点を含む第2の引き込み制限枠内との双方の内側に位置するか否かを判定し、双方の内側に位置する場合に、色信号が示す色を、二次元座標系の原点に規定された白色に引き込むことを決定する引き込み判定回路と、引き込むことが決定された色信号が示す色が、二次元座標系の原点に引き込まれるように、増幅回路の増幅率(ゲイン)を調整するゲイン調整回路とを含む。
【0009】
この色信号処理回路によると、増幅回路は、R信号、G信号およびB信号のゲインを調整する。引き込み判定回路は、二次元座標によって色を規定する二次元座標系、たとえば(R+B−2G、R−B)座標系における色信号の二次元座標(すなわち、(R+B−2G,R−B))が、色調整を行なう範囲を示す第1の引き込み制限枠と第1の引き込み制限枠内に規定され二次元座標系の原点を含む第2の引き込み制限枠内との双方の内側に位置するか否かを判定し、双方の内側に位置する場合に、色信号が示す色を、二次元座標系の原点に規定された白色に引き込むことを決定する。ゲイン調整回路は、引き込むことが決定された色信号が示す色が、二次元座標系の原点に引き込まれるように、増幅回路の増幅率(ゲイン)を調整する。たとえば、Rゲイン、BゲインおよびGゲインのそれぞれを調整するRゲイン信号、Bゲイン信号およびGゲイン信号が生成される。このようにして、近似的に四角形の引き込み制限枠を用い、対象となる色がその制限枠の内側にある場合には無条件にその色に対してホワイトバランス処理を実行することにより、ホワイトバランス処理を効率よく実行することができる。また第2の引き込み制限枠として直線を用いることにより、プログラムを小型化することができる。
【0010】
さらに、特開平11-41619号公報(特許文献3)は、ホワイトバランス処理の誤動作を防ぐ色信号処理回路を開示する。この公報に開示された処理回路は、フィードバック制御によって、自動的にホワイトバランスをとる処理を行なう。
【0011】
この色信号処理回路は、R(赤)、G(緑)、B(青)の原色信号の相互間のゲイン調整を行なうホワイトバランスアンプと、色差信号のフィールドごとの積分値を得る積分回路と、所定の色温度下における基準点をもとにホワイトバランスをとる範囲を制限する引き込み制限枠を設定するとともに、積分回路で得られた積分値の基準点からの移動量を常時監視し、移動後の積分値が引き込み制限枠内に存在するときその積分値に応じてホワイトバランスアンプのゲインをコントロールするコントローラとを含む。コントローラは、高輝度部の積分値データと通常輝度部の積分値データとを比較し、0に近いほうの積分値データを出力する比較回路と、比較回路により選択された、R−GおよびB−Gの各積分値データを加算してR+B−2Gのデータを出力する加算器と、R−Gの積分値データからB−Gの積分値データを減算して、R−Bのデータを出力する減算器と、引き込み判定回路と、引き込み判定時に、R+B−2GおよびR−Bの各データに基づいて、R信号、G信号およびB信号の各ゲインを設定するゲイン設定回路とを含む。
【0012】
この信号処理回路によると、コントローラは、所定の色温度における基準点をもとにホワイトバランスをとる範囲を制限する引き込み制限枠を設定する。コントローラは、積分値の基準点からの移動量が監視され、移動後の積分値が引き込み制限枠内に存在するとき、その積分値に応じてホワイトバランスアンプのゲインをコントロールする。このようにすると、引き込みの判定基準が一致になるため、基準の移動により不要なホワイトバランス処理が実行されなくなる。これにより、誤動作のないホワイトバランス処理を実行できる色信号処理回路を提供することができる。
【0013】
さらに、色の「引き込み」を防止する方法として、たとえば、「ずれ量」を求める基準となる色差データの積算枠を制御する方法、あるいは、無彩色とするためのRゲインおよびBゲインを「ずれ量」から直接算出し、それらのゲインが黒体放射曲線に基づいて設定されたゲインの組み合わせであるか否かを判定する方法がある。
【0014】
【特許文献1】
特開2000−78605号公報
【0015】
【特許文献2】
特開平11-136696号公報
【0016】
【特許文献3】
特開平11-41619号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、積算枠を制御する方法によると、以下の問題点が生じる。第1に、積算枠を小さくすると、単一色の引き込みを抑制することができるが、適応できる色温度の範囲が狭くなる場合がある。あるいは、ホワイトバランスが崩れた状態で停止するロックと呼ばれる誤動作を引き起こしやすくなり、積算枠を極端に小さくすることはできなくなることがある。
【0018】
第2に、IQベクトル上で非対称な形とした場合、ホワイトバランスの収束点が原点よりずれるといった現象を引き起こしやすくなる。そのため、現実には、IQベクトル上で黒体放射曲線をカバーする対称的な長方形とすることになる。この結果、単一色の引き込みに対しては必ずしも十分な対応とは言えないのが現実である。さらに、色のずれ量は、蛍光灯等のような照明の下では頻繁に変化するため、無彩色となるゲインを直接算出すると、色が変動する場合がある。
【0019】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、ホワイトバランス処理における誤動作を軽減し、色を安定してかつ良好に再現し、ハードウェアおよびソフトウェアへの負荷を軽減することができる画像処理装置、画像処理方法、画像処理方法を実現するためのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る画像処理装置は、信号から第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を算出するための現在値算出手段と、現在値算出手段に接続され、第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を記憶するための記憶手段と、現在値算出手段に接続され、予め定められた第1の設定値に基づいて、第1の色ゲインの現在値から第1の色ゲインの補正値を算出するための第1の補正値算出手段と、記憶手段および第1の補正値算出手段に接続され、第1の色ゲインと第2の色ゲインとを関連付ける黒体放射特性に基づいて、第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出するための第2の補正値算出手段と、記憶手段および第2の補正値算出手段に接続され、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値とに基づいて、ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断するための判断手段と、判断手段に接続され、ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断されると、ホワイトバランス処理を実行するための実行手段とを含む。
【0021】
第1の発明によると、画像処理装置は、撮像素子が取得した信号に対して実行されるホワイトバランス処理を制御する。この画像処理装置の受信手段が、信号を受信すると、現在値算出手段が、その信号から第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を算出する。記憶手段は、第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を記憶する。第1の補正値算出手段が、予め定められた第1の設定値に基づいて、第1の色ゲインの現在値から第1の色ゲインの補正値を算出すると、第2の補正値算出手段は、第1の色ゲインと第2の色ゲインとを関連付ける黒体放射特性に基づいて、第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出する。黒体放射特性は、光子の統計的性質に基づくものであり、このような特性に関連付けられる第1の色ゲインおよび第2の色ゲインの補正値は、それぞれ実際の色を反映した値となる。したがって、このようにして算出された第1の色ゲインの補正値および第2の色ゲインの補正値に基づいてホワイトバランス処理を実行すると、自然の色に近い色を再現することができる。判断手段は、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値とに基づいて(たとえば、大小関係、現在値と補正値との差などに基づいて)、ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断する。判断手段が、ホワイトバランス処理の実行は適切であると判断すると、実行手段は、ホワイトバランス処理を実行する。したがって、ホワイトバランス処理のために算出された第1の色ゲインの補正値および第2の色ゲインの補正値の関係が黒体放射特性から乖離しないとき、それらの補正値に基づいて、ホワイトバランス処理が実行される。この場合、自然の色に近い値から逸脱することはないので、色再現性が低下することはない。また、ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断されない場合、第1の色ゲインの補正値と、黒体放射特性に基づいて算出された第2の色ゲインの補正値とは、ホワイトバランス処理に使用されず、記憶手段に記憶された第1の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの現在値とが、その処理に使用される。たとえば、信号が芝生や山など単一色となるような場合であり、この場合は、補正値に基づくホワイトバランス処理が実行されず、誤動作も発生しない。その結果、ホワイトバランス処理における誤動作を軽減し、色を安定してかつ良好に再現することができる画像処理装置を提供することができる。
【0022】
第2の発明に係る画像処理装置は、第1の発明の構成に加えて、判断手段は、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値との差に基づいて、ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断するためのホワイトバランス判断手段を含む。
【0023】
第2の発明によると、ホワイトバランス判断手段は、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値との差に基づいて、ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断する。たとえば、その差が予め定められた範囲の中に含まれる場合、ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断される。このとき、第1の補正値と、黒体放射特性に基づいて算出された第2の補正値とに基づいて、ホワイトバランス処理が実行される。一方、その差が予め定められた範囲から逸脱する場合、ホワイトバランス処理の実行は不適切であると判断される。この場合、第1の色ゲインの補正値と、黒体放射特性に基づいて算出された第2の色ゲインの補正値とは、ホワイトバランス処理に使用されず、記憶手段に記憶された第1の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの現在値とが、その処理に使用される。したがって、色ゲインの補正値に基づくホワイトバランス処理が必要である場合のみ、その処理が実行される。その結果、ホワイトバランス処理の精度を向上させることができる。
【0024】
第3の発明に係る画像処理装置は、第2の発明の構成に加えて、ホワイトバランス判断手段は、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値との差が予め定められた第1の範囲に含まれると、ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断するための手段を含む。
【0025】
第3の発明によると、ホワイトバランス判断手段は、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値との差が予め定められた第1の範囲から逸脱すると、ホワイトバランス処理の実行が不適切であると判断する。したがって、第1の色ゲインの補正値と、黒体放射特性に基づいて算出された第2の色ゲインの補正値とはホワイトバランス処理に使用されず、記憶手段に記憶された第1の色ゲインおよび第2の色ゲインの現在値が使用される。その結果、補正値に基づくホワイトバランス処理を実行することによる誤動作を防止することができる。
【0026】
第4の発明に係る画像処理装置は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、受信手段に接続され、信号に含まれる色の信号と輝度信号との差である色差信号を算出するための信号算出手段と、信号算出手段に接続され、領域における色差信号の平均値を算出するための平均値算出手段と、平均値算出手段に接続され、平均値と、予め算出された値であってホワイトバランスが整合しているときの色差信号との差である変化量を算出するための変化量算出手段とをさらに含む。実行手段は、変化量に基づいて、第1の処理と第2の処理とのいずれかを選択的に実行するための選択実行手段を含む。第1の処理は、第1の色ゲインの補正値および第2の色ゲインの補正値に基づいて実行されるホワイトバランス処理である。第2の処理は、第1の色ゲインの調整値と第2の色ゲインの調整値とに基づいて実行されるホワイトバランス処理である。
【0027】
第4の発明によると、ホワイトバランス処理の対象となる領域は、予め定められた領域(たとえば、IQ積算枠)である。信号算出手段は、信号に含まれる色の信号と輝度信号との差である色差信号を算出する。平均値算出手段は、その領域における色差信号の平均値を算出する。変化量算出手段は、その平均値と、予め算出された値であってホワイトバランスが整合しているときの色差信号との差である変化量を算出する。なお、ホワイトバランスが整合している場合、処理の対象とする領域に対して色差信号を平均化すると、その平均値は0となる。一方、ホワイトバランスが整合していない場合(たとえば、被写体の照明が変化した場合)、その色温度の変化に対応して、その平均値は変化する。選択実行手段は、変化量に基づいて、第1の処理と第2の処理とのいずれかを選択的に実行する。たとえば、変化量が予め定められた基準の変化量よりも大きいことに基づいて、選択実行手段が第1の処理を実行すると、ホワイトバランス処理は、第1の色ゲインの補正値および第2の色ゲインの補正値に基づいて実行される。一方、変化量が予め定められた基準の変化量よりも小さいことに基づいて、選択実行手段が第2の処理を実行すると、ホワイトバランス処理は、第1の色ゲインの調整値と第2の色ゲインの調整値とに基づいて実行される。すなわち、変化量が大きい場合に対応したホワイトバランス処理を実行すると、色の再現性が大きく向上する。一方、変化量が小さい場合に対応したホワイトバランス処理を実行すると、第1の色ゲインの調整値と第2の色ゲインの調整値に基づいて、色の再現性を微調整することができる。このようにして、画像処理装置は、色を安定してかつ良好に再現することができる。
【0028】
第5の発明に係る画像処理装置は、第4の発明の構成に加えて、信号算出手段は、信号に含まれる第1の色の信号と輝度信号との差である第1の色差信号と、信号に含まれる第2の色の信号と輝度信号との差である第2の色差信号とのいずれかを算出するための手段を含む。平均値算出手段は、領域における第1の色差信号の平均値と、領域における第2の色差信号の平均値とのいずれかを算出するための手段を含む。変化量算出手段は、第1の色差信号と、ホワイトバランスが整合しているときの第1の色差信号との差である第1の変化量と、第2の色差信号と、ホワイトバランスが整合しているときの第2の色差信号との差である第2の変化量とのいずれかを算出するための手段を含む。選択実行手段は、第1の変化量および第2の変化量のいずれかが予め定められた第2の範囲から逸脱すると、第1の処理を実行するための手段を含む。
【0029】
第5の発明によると、信号算出手段は、第1の色差信号と第2の色差信号とのいずれかを算出する。第1の色差信号とは、信号に含まれる第1の色の信号と輝度信号との差である。第2の色差信号とは、信号に含まれる第2の色の信号と輝度信号との差である。平均値算出手段が、第1の色差信号の平均値と、第2の色差信号の平均値とのいずれかを算出すると、変化量算出手段は、第1の変化量と第2の変化量とのいずれかの変化量を算出する。第1の変化量とは、第1の色差信号の平均値と、ホワイトバランスが整合しているときの第1の色差信号(すなわち、0)との差である。第2の変化量とは、第2の色差信号の平均値と、ホワイトバランスが整合しているときの第2の色差信号(すなわち、0)との差である。選択実行手段は、第1の変化量および第2の変化量のいずれかが予め定められた第2の範囲から逸脱すると、第1の処理を実行する。すなわち、色差信号の変化量が基準として設定された第2の範囲を越えると、ホワイトバランス処理が実行される。これにより、色を安定してかつ良好に再現することができる。
【0030】
第6の発明に係る画像処理装置は、第4または第5の発明の構成に加えて、第1の色ゲインの調整値および第2の色ゲインの調整値のいずれかの範囲を制限することができる。
【0031】
第6の発明によると、第1の色ゲインの調整値および第2の色ゲインの調整値のいずれかの範囲は制限される。したがって、たとえば、単一色が徐々に映像に現れた場合など、第2の処理が無制限に追従していく場合に、色の再現性を低下させないように、第1の色ゲインおよび第2の色ゲインの調整値を制限するように、それらの調整値の範囲を設定することができる。
【0032】
第7の発明に係る画像処理装置は、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、選択実行手段に接続され、第2の処理から第1の処理へホワイトバランス処理を切り換えるか否かを判断するための切換判断手段と、切換判断手段に接続され、第2の処理から第1の処理に切り換えると判断すると、第2の処理により算出された、第1の色ゲインの補正値および第2の色ゲインの補正値を第1の処理に反映させるための反映手段と、反映手段に接続され、第2の処理により算出された、第1の色ゲインの補正値および第2の色ゲインの補正値を初期化するための初期化手段とをさらに含む。
【0033】
第7の発明によると、画像処理装置は、撮像素子が取得した信号の入力に応答して、ホワイトバランス処理を継続して実行する。画像処理装置の切換判断手段が、第2の処理から第1の処理へホワイトバランス処理を切り換えるか否かを判断する。ホワイトバランス処理を切り換えると判断すると、反映手段は、第2の処理により算出された第1の色ゲインの補正値および第2の色ゲインの補正値を第1の処理に反映させる。初期化手段は、それらの調整値を初期化する。したがって、画像処理装置が第1の調整値および第2の調整値を使用するホワイトバランス処理(すなわち、第2の処理)を実行しているときに、ホワイトバランスが不均衡の状態になると、黒体放射特性に基づく補正値を使用するホワイトバランス処理(すなわち、第1の処理)を実行する。したがって、画像処理の途中にホワイトバランスが不均衡の状態になった場合(たとえば、被写体に対する照明の変化により、色の信号が大きく変化した場合など)、黒体放射特性に基づくホワイトバランス処理が実行される。これにより、ホワイトバランスを整合させることができる。
【0034】
第8の発明に係る画像処理装置は、第1〜7のいずれかの発明の構成に加えて、記憶手段に接続され、第1の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの現在値との比率を算出するための比率算出手段と、比率算出手段に接続され、比率と予め定められた基準の比率との差が予め定められた第2の範囲から逸脱するか否かを確認するための比率確認手段と、比率確認手段に接続され、比率と基準の比率との差が第2の範囲から逸脱することを確認すると、ホワイトバランス処理を中止するための第1の中止手段とをさらに含む。
【0035】
第8の発明によると、比率算出手段が第1の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの現在値との比率を算出すると、比率確認手段は、その比率と予め定められた基準の比率との差が予め定められた第2の範囲から逸脱するか否かを確認する。その差が第2の範囲から逸脱することが確認されると、第1の中止手段は、ホワイトバランス処理を中止する。したがって、第1の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの現在値との比率と、予め定められた基準の比率との差が予め定められた第2の範囲に含まれるとき、ホワイトバランス処理が実行される。このようにして、ホワイトバランス処理を実行するための条件に制限を加えることにより、ホワイトバランス処理の誤動作を防止することができる。
【0036】
第9の発明に係る画像処理装置は、第1〜8のいずれかの発明の構成に加えて、記憶手段に接続され、第1の変化量および第2の変化量のいずれか予め設定された第3の範囲から逸脱するか否かを確認するための変化量確認手段と、変化量確認手段に接続され、第1の変化量および第2の変化量のいずれかが第3の範囲から逸脱することを確認すると、第1の処理の実行を中止するための第2の中止手段とをさらに含む。
【0037】
第9の発明によると、変化量確認手段は、第1の変化量および第2の変化量のいずれかの変化量が予め設定された第3の範囲から逸脱するか否かを確認する。そのいずれかの変化量が第3の範囲から逸脱することが確認されると、第2の中止手段は、第1の処理の実行を中止する。したがって、第1の変化量および第2の変化量のいずれかが基準の変化量から乖離すると、補正値に基づくホワイトバランス処理は、実行されない。
【0038】
第10の発明に係る画像処理方法は、信号から第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を算出する現在値算出ステップと、第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を記憶する記憶ステップと、予め定められた第1の設定値に基づいて、第1の色ゲインの現在値から第1の色ゲインの補正値を算出する第1の補正値算出ステップと、第1の色ゲインと第2の色ゲインとを関連付ける黒体放射特性に基づいて、第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出する第2の補正値算出ステップと、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値とに基づいて、ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断する判断ステップと、ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断されると、ホワイトバランス処理を実行する実行ステップとを含む。
【0039】
第10の発明によると、画像処理方法は、撮像素子が取得した信号に対して実行されるホワイトバランス処理を制御する。この画像処理方法の算出ステップは、その信号から第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を算出する。記憶ステップは、第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を記憶する。第1の補正値算出ステップが、予め定められた第1の設定値に基づいて、第1の色ゲインの現在値から第1の色ゲインの補正値を算出すると、第2の補正値算出ステップは、第1の色ゲインと第2の色ゲインとを関連付ける黒体放射特性に基づいて、第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出する。黒体放射特性は、光子の統計的性質に基づくものであり、このような特性に関連付けられる第1の色ゲインおよび第2の色ゲインの補正値は、それぞれ実際の色を反映した値となる。したがって、このようにして算出された第1の色ゲインの補正値および第2の色ゲインの補正値に基づいてホワイトバランス処理を実行すると、自然の色に近い色を再現することができる。判断ステップは、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値に基づいて(たとえば、大小関係、現在値と補正値との差などに基づいて)、ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断する。判断ステップが、ホワイトバランス処理の実行は適切であると判断すると、実行ステップは、ホワイトバランス処理を実行する。すなわち、ホワイトバランス処理のために算出された第1の色ゲインの補正値および第2の色ゲインの補正値の関係が黒体放射の特性から乖離しないとき、それらの補正値に基づいて、ホワイトバランス処理が実行される。この場合、色の再現性は低下しない。これにより、画像処理方法は、ホワイトバランス処理における誤動作を軽減し、色を安定してかつ良好に再現することができる。その結果、ホワイトバランス処理における誤動作を軽減し、色を安定してかつ良好に再現することができる画像処理方法を提供することができる。
【0040】
第11の発明に係るプログラムは、コンピュータに、信号から第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を算出する現在値算出ステップと、第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を記憶する記憶ステップと、予め定められた第1の設定値に基づいて、第1の色ゲインの現在値から第1の色ゲインの補正値を算出する第1の補正値算出ステップと、第1の色ゲインと第2の色ゲインとを関連付ける黒体放射特性に基づいて、第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出する第2の補正値算出ステップと、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値との関係に基づいて、ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断する判断ステップと、ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断されると、ホワイトバランス処理を実行する実行ステップとを実現させる。
【0041】
第11の発明によると、プログラムは、撮像素子が取得した信号に対して実行されるホワイトバランス処理を制御する画像処理方法をコンピュータに実現させる。この画像処理方法の現在値算出ステップは、その信号から第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を算出する。記憶ステップは、第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を記憶する。第1の補正値算出ステップが、予め定められた第1の設定値に基づいて、第1の色ゲインの現在値から第1の色ゲインの補正値を算出すると、第2の補正値算出ステップは、第1の色ゲインと第2の色ゲインとを関連付ける黒体放射特性に基づいて、第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出する。黒体放射特性は、光子の統計的性質に基づくものであり、このような特性に関連付けられる第1の色ゲインおよび第2の色ゲインの補正値は、それぞれ実際の色を反映した値となる。したがって、このようにして算出された第1の色ゲインの補正値および第2の色ゲインの補正値に基づいてホワイトバランス処理を実行すると、自然の色に近い色を再現することができる。判断ステップは、第2の色ゲインの現在値と第2の色ゲインの補正値との関係に基づいて(たとえば、大小関係、現在値と補正値との差などに基づいて)、ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断する。判断ステップが、ホワイトバランス処理の実行は適切であると判断すると、実行ステップは、ホワイトバランス処理を実行する。すなわち、ホワイトバランス処理のために算出された第1の色ゲインの補正値および第2の色ゲインの補正値の関係が黒体放射の特性から乖離しないとき、それらの補正値に基づいて、ホワイトバランス処理が実行される。この場合、色の再現性は低下しない。そうでないとき、ホワイトバランス処理は実行されず、したがって誤動作も発生しない。これにより、画像処理方法は、ホワイトバランス処理における誤動作を軽減し、色を安定してかつ良好に再現することができる。その結果、ホワイトバランス処理における誤動作を軽減し、色を安定してかつ良好に再現することができる画像処理方法をコンピュータに実現させるプログラムを提供することができる。
【0042】
第12の発明係る記録媒体は、第11の発明に係るプログラムを記録した記録媒体である。
【0043】
第12の発明によると、記録媒体には、撮像素子が取得した信号に基づいてホワイトバランス処理を制御する画像処理方法を実現するプログラムが記録される。これらのプログラムを用いてコンピュータに画像処理方法を実現させることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0045】
<第1の実施の形態>
図1に、本発明の実施の形態に係る画像処理装置1000を含む画像処理システムを示す。画像処理装置1000は、固体撮像素子112に接続されたA/D変換回路114と、CPU(Central Processing Unit)100と、メモリ116と、モニタ120に接続された信号出力IF(Interface)118とを含む。レンズ110にて集光された被写体からの像は、1つの固体撮像素子112にて電気信号に変換され、その信号は、A/D変換回路114に送信される。その信号がA/D変換回路114に入力されると、デジタル信号の画像データに変換された後、CPU100に送信される。そのデジタル信号に基づく積算データは、CPU100の色差データ積算部104にて算出される。その積算データに基づいて、CPU100のホワイトバランス制御部106がホワイトバランス処理を実行すると、処理後の画像信号は信号出力IF118に出力される。
【0046】
図2に、本発明の実施の形態に係る画像処理システムの一例であるコンピュータシステム2000の制御ブロック図を示す。
【0047】
図2を参照して、このコンピュータシステム2000は、FD(Flexible Disk)駆動装置218およびCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)駆動装置220を備えた画像処理装置1000と、モニタ120と、キーボード214と、マウス212とを含む。
【0048】
さらに、この画像処理装置1000は、上記したFD駆動装置218およびCD−ROM駆動装置220に加えて、相互にバスで接続されたCPU100と、メモリ116と、固定ディスク204と、A/D変換回路114と、信号出力IF118とを含む。FD駆動装置218にはFD222が装着される。CD−ROM駆動装置220にはCD−ROM224が装着される。
【0049】
この画像処理装置1000における処理は、コンピュータハードウェアおよびCPU100に実行されるソフトウェアによって実現される。一般的にこのようなソフトウェアは、FD222、CD−ROM224などの記録媒体に格納されて流通し、FD駆動装置218またはCD−ROM駆動装置220などにより記録媒体から読取られて固定ディスク204に一旦格納される。そのソフトウェアは、固定ディスク204からメモリ116に読出されて、CPU100によって実行される。なお、このCPU100は、ソフトウェアにより実現される、色差データ積算部104とホワイトバランス制御部106とを含む。
【0050】
図2に示したコンピュータのハードウェア自体は一般的なものである。したがって、本発明の最も本質的な部分は、FD222、CD−ROM224、固定ディスク204などの記録媒体に記録されたソフトウェアである。
【0051】
なお、FD駆動装置218あるいはCD−ROM駆動装置220の代わりに、たとえば、メモリ・カードのような記憶媒体読取装置でもよい。また、このような画像処理システムは、たとえば、デジタルビデオカメラ、プロジェクタなどを含むものであってもよい。
【0052】
CPU100は、A/D変換回路114を介して、固体撮像素子112の画面におけるデジタル信号を受信する。このとき、CPU100は、メモリ116に、Rゲインの現在値とBゲインの現在値とを一時的に保存する。
【0053】
CPU100は、ホワイトバランス制御部106において、色差データ積算部104による演算結果に基づいて、Bゲインの現在値に予め定められた調整値(色差データの値から算出された調整値でもよい)を加えたBゲインの補正値を算出する。CPU100は、Bゲインの補正値に基づいて、黒体放射特性に基づく関係からRゲイン補正値を算出する。
【0054】
CPU100は、ホワイトバランス制御部106にて、Rゲインの現在値とRゲインの補正値との差を算出し、その差が予め定められた許容範囲であるか否かを判断する。なおこの許容範囲は利用者が任意に設定するようにしてもよい。
【0055】
CPU100は、色差データ積算部104において、受信した信号に含まれる色の信号(R,B)と輝度信号(Y)との差である色差信号(R−Y,B−Y)を算出する。CPU100は、ホワイトバランスが整合しているときの色差信号と算出された色差信号との差を変化量として算出する。このようにして、Bゲインの変化量とRゲインの変化量とが算出される。
【0056】
CPU100は、Rゲインの変化量と第1の基準変化量Rκとの大小関係と、Bゲインの変化量と第1の基準変化量Bκとの大小関係とを算出する。なお、この基準変化量(Rκ、Bκ)は、任意に設定するようにしてもよい。
【0057】
CPU100は、これらの大小関係に基づいて、ホワイトバランス処理を実行することが適切であるか否かを判断する。たとえば、Rゲインの変化量およびBゲインの変化量のいずれかがそれぞれの第1の基準変化量よりも大きい場合、補正値を使用するホワイトバランス処理の実行は不適切であると判断する。すなわち、このような場合、RゲインおよびBゲインの補正値を使用するホワイトバランス処理は実行されず、RゲインおよびBゲインの現在値がその処理に使用される。
【0058】
なお、CPU100による判断処理は、上述の2つの大小関係がともに成立(すなわち、論理積(AND)が成立)する条件に加えて、いずれか1つの大小関係が成立(すなわち、論理和(OR)が成立)する条件に基づいてもよい。この条件は、任意に設定することができる。これにより、判断する条件を柔軟に設定することができる。
【0059】
CPU100は、Bゲインの補正値と、黒体放射特性に基づいてその補正値から算出されたRゲインの補正値とを用いて、ホワイトバランス処理(以下、この処理を「一軸補正処理」という。)を実行する。なお、このときの補正値を、一軸補正値という。
【0060】
CPU100は、RゲインおよびRゲインの一軸補正値に調整値を加え、追加のホワイトバランス処理を実行する(以下、この処理を「二軸補正処理」という。)。このときの調整値を、二軸補正値という。すなわち、二軸補正処理は、RゲインおよびBゲインを微調整する処理である。
【0061】
なお、RゲインおよびBゲインの現在値が一定の条件を満足するとき(たとえば、必要な補正が一軸補正処理を実行するまでもないとき)、CPU100は、二軸補正処理を直接実行する。このときの二軸補正値は、RゲインおよびBゲインの補正値に基づいて算出される。また、一軸補正処理を実行しない場合の二軸補正値を予め設定するようにしてもよい。このようにすることにより、補正処理の時間を短縮することができる。
【0062】
CPU100は、予め設定された値に基づいて、二軸補正処理に使用する調整値を制限することができる。すなわち、調整値の制限値を、固定ディスク204等に予め記憶しておき、算出された調整値がその制限値を越えた場合、その制限値を調整値として使用することができる。このようにすると、調整値が発散することを防止することができる。
【0063】
CPU100は、ホワイトバランスの状態を検出する。すなわち、CPU100は、RゲインおよびBゲインの変化量に基づいて、その状態を検出する。CPU100は、その状態に基づいて、一軸補正処理および二軸補正処理を実行していた状態から、一軸補正処理のみを実行する制御に切り換える。CPU100は、このとき、二軸補正処理におけるRゲインとBゲインとを一軸補正値に反映させる。CPU100は、さらに二軸補正処理におけるRゲインとBゲインとの値を初期化する。
【0064】
CPU100は、Rゲインの現在値とBゲインの現在値との比率を算出する。CPU100は、その比率と予め定められた基準比率εの差と許容範囲αの大小関係に基づいて、ホワイトバランス処理を実行することが適切であるか否かを判断する。
【0065】
なお、この基準比率εや許容範囲αは、利用者が任意に設定するようにしてもよい。
【0066】
CPU100は、Rゲインの変化量(色差データの積算値)と第1の基準変化量Rκとの大小関係と、Bゲインの変化量(色差データの積算値)と第1の基準変化量Bκとの大小関係とを算出する。なおこれらの基準変化量(Rκ,Bκ)は、利用者が任意に設定するようにしてもよい。
【0067】
CPU100は、これらの大小関係に基づいて、第1の処理と第2の処理とのいずれかの処理を選択する。たとえば、Rゲインの変化量およびBゲインの変化量のいずれかがそれぞれの基準変化量(すなわち、Rκ,Bκ)よりも大きい場合、一軸補正を行なうホワイトバランス処理が選択される。一方、それらの変化量が基準変化量よりも小さい場合、少なくとも、二軸補正処理が選択される。このとき、RゲインおよびBゲインは、それぞれの調整値に基づいて微調整される。
【0068】
なお、CPU100による判断処理は、上述の2つの大小関係がともに成立(すなわち、論理積(AND)が成立)する条件に加えて、いずれか1つの大小関係が成立(すなわち、論理和(OR)が成立)する条件に基づいてもよい。この条件は、任意に設定することができる。これにより、判断する条件を柔軟に設定することができる。
【0069】
CPU100は、Rゲインの変化量と第2の基準変化量Rγとの大小関係(以下、第1の大小関係という。)と、Bゲインの変化量と第2の基準変化量Bγとの大小関係(以下、第2の大小関係)とを算出する。なお、これらの基準変化量(すなわち、RγおよびBγ)は、任意に設定するようにしてもよい。
【0070】
CPU100は、これらの大小関係に基づいて、ホワイトバランス処理を実行することが適切であるか否かを判断する。たとえば、Rゲインの変化量およびBゲインの変化量のいずれかがそれぞれの第2の基準変化量よりも大きい場合、ホワイトバランス処理の実行は不適切であると判断する。すなわち、このような場合、補正値に基づくホワイトバランス処理は中止され、RゲインおよびBゲインの現在値が使用される。
【0071】
なお、CPU100による判断処理は、第1の大小関係および第2の大小関係が成立(すなわち、論理積(AND)が成立)する条件に加えて、第1の大小関係および第2の大小関係のいずれかが成立(すなわち、論理和(OR)が成立)する条件に基づいてもよい。この条件は、任意に設定することができる。
【0072】
CPU100は、予め記憶されたRゲインの範囲(たとえば、Rゲインの上限値と下限値)に、算出したRゲインの補正値が含まれるか否かを判断する。算出した補正値が予め記憶された範囲に含まれない場合(たとえば、上限値を上回る補正値が算出された場合、あるいは、下限値をしたまわる補正値が算出された場合)、算出された補正値に代えて、記憶された範囲の制限値(すなわち、上限値あるいは下限値)を補正値として設定する。これにより、Rゲインの補正値の発散を防止することができる。なお、これらの処理は、Bゲインについても同様である。また、このようなRゲインあるいはBゲインの範囲は、任意に設定することができる。
【0073】
CPU100は、算出したRゲインの現在値およびBゲインの現在値をメモリ116に一時的に保存する。CPU100は、Rゲインの補正値およびBゲインの補正値がホワイトバランス処理を実行するために利用できないと判断すると、Rゲインの実際値およびBゲインの実際値をメモリ116から読出して、信号出力IF118を介してモニタ120に出力する。
【0074】
図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置1000における処理を、フローチャートに基づいて説明する。
【0075】
ステップ102にて(以下、ステップをSと略す。)、画像処理装置1000のCPU100は、A/D変換回路114を介して信号を受信する。S1021にて、CPU100は、受信した信号に基づいて、色ゲインの変化量を算出する。
【0076】
S1022にて、CPU100は、色ゲインの変化量が許容範囲を越えるか否かを判断する。色ゲインの変化量が許容範囲を越えると判断すると(S1022にてYES)、処理はS104に移される。そうでないと(S1022にてNO)、処理はS118に移される。
【0077】
S104にて、CPU100は、受信した信号からRゲインの現在値およびBゲインの現在値を取得する。S106にて、CPU100は、Rゲインの現在値およびBゲインの現在値をメモリ116に一時的に保存する。
【0078】
S108にて、CPU100は、Bゲインの現在値に予め定められた調整値β(色差データの値から算出された調整値β)を加算することにより、Bゲインの補正値を算出する。S110にて、CPU100は、黒体放射特性の関係を使用して、Bゲインの補正値からRゲインの補正値を算出する。
【0079】
S112にて、CPU100は、Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差が予め定められた範囲σの中に含まれるか否かを判断する。Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差が予め定められた範囲σの中に含まれると判断すると(S112にてYES)、処理は、S114に移される。そうでないと(S112にてNO)、処理はS116に移される。
【0080】
S114にて、CPU100は、ホワイトバランス処理を実行する。すなわち、CPU100は、予め定められた調整値β(色差データの値から算出された調整値β)に基づいて算出されたBゲインの補正値(B+β)をBゲインとして設定する。CPU100は、黒体放射特性に基づいて、Bゲインの補正値から算出されたRゲインの補正値を、Rゲインとして設定する。
【0081】
S116にて、CPU100は、メモリ116から、Bゲインの現在値およびRゲインの現在値を読出し、それぞれ、BゲインおよびRゲインとして設定する。したがって、BゲインおよびRゲインの現在値に基づくホワイトバランス処理が実行される。
【0082】
S118にて、CPU100は、設定されたBゲインおよびRゲインの信号を出力する。その後、処理は終了する。
【0083】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像処理システムの動作について、補正値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合と現在値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合とを説明する。
【0084】
[色ゲインの補正値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合]
固体撮像素子112により取得された被写体の信号が画像処理装置1000に入力される(S102)。色ゲインの変化量が算出され(S1021)、色ゲインの変化量が許容範囲を越えるとき(S1022)、Rゲインの現在値とBゲインの現在値とが取得される(S104)。それらの現在値はメモリ116に一時的に保存される(S106)。
【0085】
Bゲインの補正値が、Bゲインの現在値と予め定められた調整値β(色差データの値から算出された調整値β)とから算出されると(S108)、Rゲインの補正値が、黒体放射特性に基づいて、Bゲインの補正値から算出される(S110)。
【0086】
Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差が予め定められた範囲の中に含まれるとき(S112にてYES)、ホワイトバランス処理の実行は適切であると判断される。Rゲインの補正値およびBゲインの補正値がそれぞれ、RゲインおよびBゲインとして設定されると(S114)、そのRゲインおよびBゲインが出力される(S118)。
【0087】
[色ゲインの現在値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合]
Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差が予め定められた範囲の中に含まれないとき(S112にてNO)、ホワイトバランス処理を実行することが不適切であると判断される。Rゲインの現在値およびBゲインの現在値がそれぞれ、RゲインおよびBゲインとして設定されると(S116)、そのRゲインおよびBゲインが出力される(S118)。
【0088】
これにより、Rゲインの補正値とBゲインの補正値との間に黒体放射特性に基づく関係が認められる場合(すなわち、Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差が予め定められた範囲内である場合)、ホワイトバランス処理を実行すると、色の再現性の低下を防止することができる。一方、Rゲインの補正値とBゲインの補正値との間に黒体放射特性に基づく関係が認められない場合(すなわち、Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差が予め定められた範囲を越える場合)、補正値に基づくホワイトバランス処理は実行されない。したがって、この場合、色の引き込みなどの誤動作の発生を防止することができる。
【0089】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る画像処理システムについて説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理システムは、前述の第1の実施の形態に係る画像処理システムと同じハードウェア構成を有する。そのため、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0090】
図4を参照して、本実施の形態に係る画像処理装置1000において実行されるプログラムは、以下のような制御構造を有する。なお、図4に示すフローチャートの中で、前述の図3に示したフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0091】
S210にて、CPU100は、固定ディスク204から予め設定された範囲σ(1)を読出す。
【0092】
S212にて、CPU100は、Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差がσ(1)の範囲内であるか否かを判断する。Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差がσ(1)の範囲内であると判断すると(S212にてYES)、処理は、S114に移される。そうでないと(S212にてNO)、処理はS116に移される。
【0093】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像処理システムの動作について、補正値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合と現在値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合とを説明する。なお、前述の実施の形態における動作と同じ動作は、繰り返さない。
【0094】
なお、この場合の画像処理システムにおいて、ホワイトバランス処理を実行するか否かを判断するための基準は、予め任意に設定することができる。たとえば、デジタルビデオカメラの場合、ホワイトバランス処理の設定ボタンを押下することにより、ホワイトバランス処理を実行する基準を設定することができる。
【0095】
[色ゲインの補正値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合]
予め任意に設定された誤差σ(1)が固定ディスク204から読み出される(S210)。Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差がσ(1)の範囲内に含まれると(S212にてYES)、ホワイトバランス処理を実行することが適切であると判断される。Rゲインの補正値およびBゲインの補正値が、それぞれRゲインおよびBゲインとして設定され、ホワイトバランス処理が実行される(S114)と、信号がモニタ120に出力される(S118)。
【0096】
[色ゲインの現在値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合]
Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差がσ(1)の範囲内に含まれないと(S212にてNO)、ホワイトバランス処理を実行することが不適切であると判断される。Rゲインの現在値およびBゲインの現在値がそれぞれ、RゲインおよびBゲインとして設定され(S116)、信号が出力される(S118)。
【0097】
これにより、予め任意に設定した誤差σ(1)に基づいて、ホワイトバランス処理を実行することが適切であるか否かを判断させることができる。その結果、利用者の嗜好に対応したホワイトバランス処理を実行することができる。
【0098】
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係る画像処理システムについて説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理システムは、前述の第1の実施の形態に係る画像処理システムと同じハードウェア構成を有する。そのため、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0099】
図5を参照して、本実施の形態に係る画像処理装置1000において実行されるプログラムは、以下のような制御構造を有する。なお、図5に示すフローチャートの中で、前述の図3および図4に示したフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0100】
S304にて、CPU100は、固定ディスク204から予め設定された基準変化量(Rκ、Bκ)とを読出す。
【0101】
S306にて、CPU100は、Rゲインの変化量がRκから逸脱しているか否かと、Bゲインの変化量がBκから逸脱しているか否かとを判断する。Rゲインの変化量がRκから逸脱し、かつ、Bゲインの変化量がBκから逸脱していると判断すると(S306にてYES)、処理はS108に移される。そうでないと(S306にてNO)、処理はS108に移される。
【0102】
S310にて、CPU100は、Rゲインに対して、黒体放射特性に基づいて算出された補正値(一軸補正値)にRゲインの二軸補正値を加えて、Rゲインの補正値を設定する。CPU100は、Bゲインに対しても同様に、Bゲインの一軸補正値に二軸補正値を加えて、Bゲインの補正値を設定する。
【0103】
なお、S306における判断処理は、Rゲインの変化量がRκから逸脱し、かつ、Bゲインの変化量がBκから逸脱しているという条件(いわゆる、「AND」条件)に基づいたが、いずれかが逸脱しているという条件(いわゆる、「OR」条件)に基づいて判断してもよい。このようにすると、RゲインおよびBゲインに二軸補正値を加算する処理を実行する場合の条件を限定することができる。
【0104】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像処理システムの動作を説明する。なお、前述の実施の形態における動作と同じ動作はここでは繰り返さない。
【0105】
なお、この場合の画像処理システムにおいて、Rゲインの変化量およびBゲインの変化量が基準変化量よりも大きいか否かを判断するための基準は、予め任意に設定することができる。たとえば、デジタルビデオカメラの場合、ホワイトバランス処理の微調整の設定ボタンを押下することにより、ホワイトバランス処理の微調整を実行する基準を設定することができる。
【0106】
予め設定された基準変化量(Rκ、Bκ)が固定ディスク204から読み出される(S304)。Rゲインの変化量およびBゲインの変化量のいずれかが、それぞれの基準変化量RκおよびBκよりも大きくないとき(S306にてNO)、Bゲインの補正値およびBゲインの補正値が算出される(S108、S110)。Rゲインの補正値とRゲインの現在値との差が予め設定された誤差σ(1)の範囲内であるとき(S212にてYES)、それらの補正値(一軸補正値)がRゲインおよびBゲインとして設定される(S114)。さらに、Rゲインの二軸補正値(WB2R)をRゲインに加算し、一軸補正値に加算され、Bゲインの二軸補正値(WB2B)をBゲインに加算する処理である二軸補正処理が実行される(S310)。
【0107】
このように、予め設定した基準変化量(Rκ、Bκ)に基づいて、黒体放射特性に基づいて算出された補正値をさらに補正する処理を実行するか否かを判断することにより、RゲインおよびBゲインを微調整することができる。その結果、ホワイトバランス処理の精度を向上することができる。
【0108】
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態に係る画像処理システムについて説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理システムは、前述の第1の実施の形態に係る画像処理システムと同じハードウェア構成を有する。そのため、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0109】
図6を参照して、本実施の形態に係る画像処理装置1000において実行されるプログラムは、以下のような制御構造を有する。なお、図6に示すフローチャートの中で、前述の図3および図5に示したフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0110】
S410にて、CPU100は、一軸補正処理により算出されたRゲインの補正値と、二軸補正処理により算出されたRゲインの補正値とを使用してRゲインの補正値とする。同様に、CPU100は、一軸補正処理により算出されたBゲインの補正値と二軸補正処理により算出されたBゲインの補正値とを使用して、Bゲイン補正値とする。CPU100は、さらに二軸補正処理により算出されたRゲインの補正値およびBゲインの補正値を初期化する。
【0111】
S414にて、CPU100は、一軸補正値と二軸補正処理とを加算して、Rゲインの補正値を算出する。同様に、CPU100は、一軸補正値と二軸補正処理とを加算して、Bゲインの補正値を算出する。
【0112】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像処理システムの動作を説明する。なお、前述までの実施の形態における動作と同じ動作は、ここでは繰り返さない。
【0113】
[一軸補正処理が実行される場合]
Rゲインの変化量が基準の変化量よりも大きく、かつ、Bゲインの変化量が基準の変化量よりも大きいとき(S306にてYES)、RゲインおよびBゲインの一軸補正値と二軸補正値との和は、それぞれRゲインおよびBゲインの補正値として反映され、それぞれの二軸補正値(WB2R、WB2B)が初期化される(S410)。
【0114】
[二軸補正処理が実行される場合]
Rゲインの変化量が基準の変化量よりも小さいとき、あるいはBゲインの変化量が基準の変化量よりも小さいとき(S306にてNO)、RゲインおよびBゲインの一軸補正が実行され(S412)、さらに、二軸補正が実行される(S310)。その後、RゲインおよびBゲインの一軸補正値と二軸補正値との和は、それぞれRゲインおよびBゲインの補正値として反映され(S414)、補正後の信号が出力される(S118)。
【0115】
その結果、ホワイトバランス処理の途中に色ゲインが変化することにより(たとえば被写体に対する照明の明るさが変化することにより)、ホワイトバランス処理が二軸補正まで実行する処理から一軸補正のみの処理に切り換わると、既に算出された一軸補正値および二軸補正値は、一軸補正によるRゲインおよびBゲインに反映される。さらに、その二軸補正値は初期化される。したがって、二軸補正処理から一軸補正処理に切り換わることによる色の変化を抑制することができる。これにより、ホワイトバランス処理による色の再現において、不自然さを取り除くことができる。
【0116】
<第5の実施の形態>
以下、本発明の第5の実施の形態に係る画像処理システムについて説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理システムは、前述の第1の実施の形態に係る画像処理システムと同じハードウェア構成を有する。そのため、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0117】
図7を参照して、本実施の形態に係る画像処理装置1000において実行されるプログラムは、以下のような制御構造を有する。なお、図7に示すフローチャートの中で、前述の図3、図5および図6に示したフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0118】
S510にて、CPU100は、固定ディスク204から基準比率(ε)を読み出す。S512にて、CPU100は、RゲインとBゲインとの比率と、基準比率εとの差が許容範囲αより大きいか否かを判断する。RゲインとBゲインとの比率と、基準比率εとの差が許容範囲αよりも大きいと判断すると(S512にてYES)、処理はS116に移される。そうでないと(S512にてNO)、処理はS304に移される。
【0119】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像処理システムの動作を説明する。なお、前述までの実施の形態における動作と同じ動作は、ここでは繰り返さない。
【0120】
なお、この場合の画像処理システムにおいて、RゲインとBゲインとの比率が基準比率よりも大きいか否かを判断するための基準(すなわち、許容範囲α)は、予め任意に設定することができる。
【0121】
予め設定された基準比率εが固定ディスク204から読み出される(S510)。RゲインとBゲインとの比率と、基準比率εとの差が許容範囲αよりも大きいとき(S512にてYES)、RゲインおよびBゲインの現在値に基づくホワイトバランス処理が実行される(S116)。
【0122】
このようにすると、RゲインとBゲインとの比率と、基準比率との差に基づいて、補正値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合を制限することができる。その結果、ホワイトバランス処理の精度を向上することができる。
【0123】
<第6の実施の形態>
以下、本発明の第6の実施の形態に係る画像処理システムについて説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理システムは、前述の第1の実施の形態に係る画像処理システムと同じハードウェア構成を有する。そのため、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0124】
図8を参照して、本実施の形態に係る画像処理装置1000において実行されるプログラムは、以下のような制御構造を有する。なお、図8に示すフローチャートの中で、前述の図3および図5〜図7に示したフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0125】
S610にて、CPU100は、固定ディスク204からRゲインおよびBゲインのそれぞれの第2の基準変化量(Rγ、Bγ)を読出す。
【0126】
S612にて、CPU100は、Rゲインの変化量がRγよりも大きいか否かおよびBゲインの変化量がBγよりも大きいか否かを判断する。Rゲインの変化量がRγよりも大きく、かつ、Bゲインの変化量がBγよりも大きいと判断すると(S612にてYES)、処理はS116に移される。そうでないと(S612にてNO)、処理はS510に移される。
【0127】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像処理システムの動作について、色ゲインの補正値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合と、色ゲインの現在値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合とを説明する。なお、固体撮像素子が取得した信号の画像処理システムへの入力(S102)からRゲインおよびBゲインの現在値の記憶(S106)までの動作と、基準比率εの読出(S510)から信号の出力(S118)までの動作とは、前述の第5の実施の形態における動作と同じであるので、ここでは繰り返さない。
【0128】
なお、この場合の画像処理システムにおいて、RゲインおよびBゲインの変化量の大きさを判断する基準である第2の基準変化量γは、予め設定することができる。
【0129】
[色ゲインの補正値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合]
予め設定された第2の基準変化量(Rγ、Bγ)が固定ディスク204から読み出される(S610)。Rゲインの変化量またはBゲインの変化量がそれぞれの第2の基準変化量(Rγ、Bγ)以下であるとき(S612にてNO)、基準比率εが読み出される(S510)。Rゲインの変化量とBゲインの変化量との比率と基準比率εとの差が許容範囲内であるとき(S512にてNO)、第1の基準変化量(Rκ、Bκ)が読み出される(S304)。RゲインおよびBゲインの変化量とそれぞれの第1の基準変化量との大小関係に基づいて、一軸補正が実行され(S412)、あるいは、一軸補正および二軸補正が実行されると(S310)、それらの補正値に基づくホワイトバランス処理が実行される(S414)。
【0130】
[色ゲインの現在値に基づくホワイトバランス処理を実行する場合]
予め設定された第2の基準変化量(Rγ、Bγ)が固定ディスク204から読み出される(S610)。Rゲインの変化量およびBゲインの変化量がそれぞれ第2の基準変化量(Rγ、Bγ)よりも大きいとき(S612にてYES)、Rゲインの現在値およびBゲインの現在値に基づくホワイトバランス処理が実行される(S116)。
【0131】
これにより、Rゲインの変化量とBゲインの変化量との比率に基づいて、ホワイトバランス処理を実行することが適切であるか否かを判断することができる。その結果、単一色の引き込みの防止と、ホワイトバランスが収束しない現象の防止とを両立させるための設定を最適な状態にすることができる。
【0132】
<第7の実施の形態>
以下、本発明の第7の実施の形態に係る画像処理システムについて説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理システムは、前述の第1の実施の形態に係る画像処理システムと同じハードウェア構成を有する。そのため、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0133】
図9を参照して、本実施の形態に係る画像処理装置1000において実行されるプログラムは、以下のような制御構造を有する。なお、図9に示すフローチャートの中で、前述の図3、図5および図6に示したフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0134】
S306にて、CPU100は、Rゲインの変化量がRκから逸脱しているか否かおよびBゲインの変化量がBκから逸脱しているか否かを判断する。Rゲインの変化量がRκから逸脱し、かつ、Bゲインの変化量がBκから逸脱していると判断すると(S306にてYES)、処理はS410に移される。そうでないと(S306にてNO)、処理はS412に移される。
【0135】
S702にて、CPU100は、Rゲインの補正値をさらに補正するための二軸補正値(WB2R)の大きさが予め定められた限界値(2RMAX)より小さいか否かを判断する。二軸補正値が予め定められた限界値より小さいと判断すると(S702にてYES)、処理はS706に移される。そうでないと(S702にてNO)、処理はS704に移される。
【0136】
S704にて、CPU100は、予め定められた限界値(2RMAX)をRゲインの二軸補正値として設定する。
【0137】
S706にて、CPU100は、Bゲインの補正値をさらに補正するための二軸補正値(WB2B)の大きさが予め定められた限界値(2BMAX)より小さいか否かを判断する。二軸補正値が予め定められた限界値より小さいと判断すると(S706にてYES)、処理はS414に移される。そうでないと(S706にてNO)、処理はS708に移される。
【0138】
S708にて、CPU100は、予め定められた限界値(2BMAX)をBゲインの二軸補正値として設定する。
【0139】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像処理システムの動作を説明する。なお、固体撮像素子が取得した信号の画像処理システムへの入力(S102)からRゲインおよびBゲインの変化量の大小関係の判断(S306)までの動作は、前述の第4の実施の形態における動作(図6に示されたフローチャート)と同じであるので、ここでは繰り返さない。
【0140】
なお、この場合の画像処理システムにおいて、RゲインおよびBゲインの変化量の大きさを判断する基準である第2の基準変化量γは、予め設定することができる。
【0141】
Rゲインの変化量およびBゲインの変化量のいずれかが、それぞれの基準変化量RκおよびBκよりも大きくないとき(S306にてNO)、一軸補正が実行され(S412)、さらに、二軸補正値が算出される(S310)。算出されたRゲインの二軸補正値が予め定められた上限値よりも大きいと(S702にてNO)、その上限値がRゲインの二軸補正値として設定される(S704)。
【0142】
同様に、Bゲインの二軸補正値が予め定められた上限値よりも大きいと(S706にてNO)、その上限値がBゲインの二軸補正値として設定される(S708)。
【0143】
その後、算出された一軸補正値と、設定された二軸補正値とに基づいて、ホワイトバランス処理が実行され(S414)、処理後の信号が出力される(S118)。
【0144】
このように、二軸補正値を制限することにより、たとえば、単一色が映像に現れた場合、ホワイトバランス処理の実行による単一色への「引き込み」を防止することができる。
【0145】
<第8の実施の形態>
以下、本発明の第8の実施の形態に係る画像処理システムについて説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理システムは、前述の第1の実施の形態に係る画像処理システムと同じハードウェア構成を有する。そのため、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0146】
図10を参照して、本実施の形態に係る画像処理装置1000において実行されるプログラムは、以下のような制御構造を有する。なお、図10に示すフローチャートの中で、前述の図3および図5〜図7に示したフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0147】
S810にて、CPU100は、予め定められたRゲインの最大値および最小値と、Bゲインの最大値および最小値とを読出す。
【0148】
S812にて、CPU100は、Rゲインについて、一軸補正により算出された補正値と二軸補正により算出された補正値との和が予め定められたRゲインの最小値よりも小さいか否かを判断する。Rゲインの補正値が予め定められたRゲインの最小値よりも小さいと判断すると(S812にてYES)、処理はS814に移される。そうでないと(S812にてNO)、処理はS816に移される。
【0149】
S814にて、CPU100は、予め定められたRゲインの最小値をRゲインの補正値として設定する。
【0150】
S816にて、CPU100は、Rゲインの補正値が予め定められたRゲインの最大値よりも大きいか否かを判断する。Rゲインの補正値が予め定められたRゲインの最大値よりも大きいと判断すると(S816にてYES)、処理はS818に移される。そうでないと(S816にてNO)、処理はS820に移される。
【0151】
S818にて、CPU100は、予め定められたRゲインの最大値をRゲインの補正値として設定する。
【0152】
S820にて、CPU100は、Bゲインの一軸補正値と二軸補正値との和が予め定められたBゲインの最小値よりも小さいか否かを判断する。Bゲインの一軸補正値と二軸補正値との和が予め定められたBゲインの最小値よりも小さいと判断すると(S820にてYES)、処理はS822に移される。そうでないと(S820にてNO)、処理はS824に移される。
【0153】
S822にて、CPU100は、予め定められたBゲインの最小値をBゲインの補正値として設定する。
【0154】
S824にて、CPU100は、Bゲインの一軸補正値と二軸補正値との和が予め定められたBゲインの最大値よりも大きいか否かを判断する。Bゲインの一軸補正値と二軸補正値との和が予め定められたBゲインの最大値よりも大きいと判断すると(S824にてYES)、処理はS826に移される。そうでないと(S824にてNO)、処理はS118に移される。
【0155】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像処理システムの動作を説明する。なお、前述までの実施の形態における動作と同じ動作は、ここでは繰り返さない。
【0156】
RゲインおよびBゲインのそれぞれの最大値および最小値が固定ディスク204から読み出される(S810)。算出されたRゲインの補正値(すなわち、一軸補正値と二軸補正値との和)が、予め設定された最小値よりも小さいと(S812にてYES)、その最小値がRゲインとして設定される(S814)。
【0157】
算出されたBゲインの補正値(すなわち、一軸補正値と二軸補正値との和)が、予め設定された最小値よりも小さいと(S820にてYES)、その最小値がBゲインとして設定される(S822)。その後、設定されたRゲインの補正値およびBゲインの補正値に基づくホワイトバランス処理が実行される(S414)。
【0158】
図11に、本実施の形態に係る画像処理装置1000において、BゲインおよびRゲインのとり得る範囲を示す。図11に示すように、それぞれのゲインは、その値が発散しないように、最小値および最大値により範囲が限定される。このようにして、ホワイトバランス処理によるゲインの無制限な追従を防止し、それに伴う単一色への引き込みを抑制することができる。
【0159】
以上により、詳述した第1〜8の実施の形態に係る画像処理装置は、固体撮像素子が取得した信号に対して、色を良好に再現し、誤動作を生じることのないホワイトバランス処理を実行することができる。
【0160】
この場合、色ゲインの補正値は黒体放射特性に基づいて算出されるため、単一色の引き込み等の現象を軽減することができる。また、Rゲインの変化量およびBゲインの変化量から理想の補正値をIQ積算枠に基づいて直接算出しないため、ハードウェアの構成による制限を回避することができる。さらに、IQ積算枠を使用する処理に必要なソフトウェアが不要になるため、その分、画像処理方法を実現するためのソフトウェアに対する負荷を軽減することができる。その結果、色を良好に再現し、ホワイトバランス処理の誤動作を抑制できる画像処理装置を提供することができる。
【0161】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る画像処理装置を含む画像処理システムを表わす図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る画像処理システムの制御ブロック図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
【図4】 本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
【図5】 本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
【図6】 本発明の第4の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
【図7】 本発明の第5の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
【図8】 本発明の第6の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
【図9】 本発明の第7の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
【図10】 本発明の第8の実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
【図11】 本発明の第8の実施の形態に係る画像処理装置に設定された、RゲインおよびBゲインの範囲を表わす図である。
【符号の説明】
100 CPU、104 色差データ積算部、106 ホワイトバランス制御部、110 レンズ、112 固体撮像素子、114 A/D 変換回路、116 メモリ、118 信号出力IF、120 モニタ、204 固定ディスク、1000 画像処理装置、2000 コンピュータシステム。

Claims (12)

  1. 撮像素子が取得した信号に対して実行されるホワイトバランス処理を制御する画像処理装置であって、前記画像処理装置は、
    前記信号から第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を算出するための現在値算出手段と、
    前記現在値算出手段に接続され、前記第1の色ゲインの現在値および前記第2の色ゲインの現在値を記憶するための記憶手段と、
    前記現在値算出手段に接続され、予め定められた第1の設定値に基づいて、前記第1の色ゲインの現在値から前記第1の色ゲインの補正値を算出するための第1の補正値算出手段と、
    前記記憶手段および前記第1の補正値算出手段に接続され、前記第1の色ゲインと前記第2の色ゲインとを関連付ける黒体放射特性に基づいて、前記第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出するための第2の補正値算出手段と、
    前記記憶手段および前記第2の補正値算出手段に接続され、前記第2の色ゲインの現在値と前記第2の色ゲインの補正値とに基づいて、前記ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断するための判断手段と、
    前記判断手段に接続され、前記ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断されると、前記ホワイトバランス処理を実行するための実行手段とを含む、画像処理装置。
  2. 前記判断手段は、前記第2の色ゲインの現在値と前記第2の色ゲインの補正値との差に基づいて、前記ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断するためのホワイトバランス判断手段を含む、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記ホワイトバランス判断手段は、前記第2の色ゲインの現在値と前記第2の色ゲインの補正値との差が予め定められた第1の範囲に含まれると、前記ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断するための手段を含む、請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記ホワイトバランス処理の対象となる領域は、予め定められた領域であって、前記画像処理装置は、
    前記受信手段に接続され、前記信号に含まれる色の信号と輝度信号との差である色差信号を算出するための信号算出手段と、
    前記信号算出手段に接続され、前記領域における前記色差信号の平均値を算出するための平均値算出手段と、
    前記平均値算出手段に接続され、前記平均値と、予め算出された値であって前記ホワイトバランスが整合しているときの色差信号との差である変化量を算出するための変化量算出手段とをさらに含み、
    前記実行手段は、前記変化量に基づいて、第1の処理と第2の処理とのいずれかを選択的に実行するための選択実行手段を含み、
    前記第1の処理は、前記第1の色ゲインの補正値および前記第2の色ゲインの補正値に基づいて実行されるホワイトバランス処理であって、
    前記第2の処理は、前記第1の色ゲインの調整値と前記第2の色ゲインの調整値とに基づいて実行されるホワイトバランス処理である、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 前記信号算出手段は、前記信号に含まれる第1の色の信号と輝度信号との差である第1の色差信号と、前記信号に含まれる第2の色の信号と輝度信号との差である第2の色差信号とのいずれかを算出するための手段を含み、
    前記平均値算出手段は、前記領域における前記第1の色差信号の平均値と、前記領域における前記第2の色差信号の平均値とのいずれかを算出するための手段を含み、
    前記変化量算出手段は、前記第1の色差信号と、前記ホワイトバランスが整合しているときの第1の色差信号との差である第1の変化量と、前記第2の色差信号と、前記ホワイトバランスが整合しているときの第2の色差信号との差である第2の変化量とのいずれかを算出するための手段を含み、
    前記選択実行手段は、前記第1の変化量および前記第2の変化量のいずれかが予め定められた第2の範囲から逸脱すると、前記第1の処理を実行するための手段を含む、請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記第1の色ゲインの調整値および前記第2の色ゲインの調整値のいずれかの範囲を制限することができる、請求項4または5に記載の画像処理装置。
  7. 前記画像処理装置は、前記撮像素子が取得した信号の入力に応答して、前記ホワイトバランス処理を継続して実行する装置であって、前記画像処理装置は、
    前記選択実行手段に接続され、前記第2の処理から前記第1の処理へ前記ホワイトバランス処理を切り換えるか否かを判断するための切換判断手段と、
    前記切換判断手段に接続され、前記第2の処理から前記第1の処理に切り換えると判断すると、前記第2の処理により算出された、前記第1の色ゲインの補正値および前記第2の色ゲインの補正値を前記第1の処理に反映させるための反映手段と、
    前記反映手段に接続され、前記第2の処理により算出された、前記第1の色ゲインの補正値および前記第2の色ゲインの補正値を初期化するための初期化手段とをさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 前記画像処理装置は、
    前記記憶手段に接続され、前記第1の色ゲインの現在値と前記第2の色ゲインの現在値との比率を算出するための比率算出手段と、
    前記比率算出手段に接続され、前記比率と予め定められた基準の比率との差が予め定められた第2の範囲から逸脱するか否かを確認するための比率確認手段と、
    前記比率確認手段に接続され、前記比率と前記基準の比率との差が前記第2の範囲から逸脱することを確認すると、前記ホワイトバランス処理を中止するための第1の中止手段とをさらに含む、請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理装置。
  9. 前記画像処理装置は、
    前記記憶手段に接続され、前記第1の変化量および前記第2の変化量のいずれか予め設定された第3の範囲から逸脱するか否かを確認するための変化量確認手段と、
    前記変化量確認手段に接続され、前記第1の変化量および前記第2の変化量のいずれかが前記第3の範囲から逸脱することを確認すると、前記第1の処理の実行を中止するための第2の中止手段とをさらに含む、請求項1〜8のいずれかに記載の画像処理装置。
  10. 撮像素子が取得した信号に対して実行されるホワイトバランス処理を制御する画像処理方法であって、前記画像処理方法は、
    前記信号から第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を算出する現在値算出ステップと、
    前記第1の色ゲインの現在値および前記第2の色ゲインの現在値を記憶する記憶ステップと、
    予め定められた第1の設定値に基づいて、前記第1の色ゲインの現在値から前記第1の色ゲインの補正値を算出する第1の補正値算出ステップと、
    前記第1の色ゲインと前記第2の色ゲインとを関連付ける黒体放射特性に基づいて、前記第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出する第2の補正値算出ステップと、
    前記第2の色ゲインの現在値と前記第2の色ゲインの補正値とに基づいて、前記ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断する判断ステップと、前記ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断されると、前記ホワイトバランス処理を実行する実行ステップとを含む、画像処理方法。
  11. 撮像素子が取得した信号に基づいてホワイトバランス処理を制御する画像処理方法をコンピュータに実現させるプログラムであって、前記プログラムは前記コンピュータに、
    前記信号から第1の色ゲインの現在値および第2の色ゲインの現在値を算出する現在値算出ステップと、
    前記第1の色ゲインの現在値および前記第2の色ゲインの現在値を記憶する記憶ステップと、
    予め定められた第1の設定値に基づいて、前記第1の色ゲインの現在値から前記第1の色ゲインの補正値を算出する第1の補正値算出ステップと、
    前記第1の色ゲインと前記第2の色ゲインとを関連付ける黒体放射特性に基づいて、前記第1の色ゲインの補正値から第2の色ゲインの補正値を算出する第2の補正値算出ステップと、
    前記第2の色ゲインの現在値と前記第2の色ゲインの補正値とに基づいて、前記ホワイトバランス処理の実行が適切であるか否かを判断する判断ステップと、前記ホワイトバランス処理の実行が適切であると判断されると、前記ホワイトバランス処理を実行する実行ステップとを実現させる、プログラム。
  12. 請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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