JP2005121840A - 光学システム、該光学システムを用いたホログラム形成方法、およびホログラム - Google Patents
光学システム、該光学システムを用いたホログラム形成方法、およびホログラム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 2面以上の回折光学素子を光路に配して、順に、各回折光学素子を通過し、分岐された複数のビームを所定の位置に到達させて、該位置にて干渉効果を得るものである。そして、前記所定の位置において干渉効果を得る分岐された複数のビームの各々については、その光学システムにおける前記所定の位置に到達するまでの光学距離が互いに他のビームと時間的に干渉を持つ範囲になるように、各回折光学素子を設計、配置している。
【選択図】 図1
Description
このため、近年、回折光学素子を使用したレーザ加工法が種々開発されており、このための回折光学素子や、該光学素子を用いた光学系(光学システムとも言う)も開示されている。
例えば、特開2002−228818号公報には、集光のためのレンズ等の光学系を用いずに、1つの回折光学素子のみを用い、レーザビームを分岐し、かつそれぞれ分岐したレーザビームを3次元的に集光させるレーザ加工用光学素子が記載されている。
特開2000−275581号公報には、回折光学素子を用いた二段縮小光学系とこれを用いたレーザ加工システムが記載されている。
これらは、いずれも、光学系を光学素子により簡略化しているものである。
例えば、ホログラムの製造方法および装置が特開2001- 236002号公報に記載されている。
ここでは、超短パルスのレーザ(フェムト秒レーザとも言う)を透明媒質中に集光させ、先頭エネルギーを透明媒質中で閾値を超えることで透明媒質内部に干渉を得るものである。
干渉した部分の強度が100TW/ cm2 にも達すると透明媒質内部に構造変化が起き、感光性のない透明媒質に3次元の加工を可能とするものである。
即ち、感光性のない透明材料の内部に100TW/ cm2 にも達する高密度エネルギーを与えることができ、それにより、多光子吸収などの非線形過程を介して3次元加工することができる。
パルス幅が大きい(1ps以上)と、エネルギーが熱に移行し、透明媒質に変化を与える効果がなくなる。
一方パルス幅が短い(100fs以下)と、媒質内部深く(1μm以上)には構造変化を与える効果がなくなる。
本発明は、これに対応するもので、短パルス、超短パルスのレーザ干渉においても、特に、フェムト秒レーザを用いて、所望の干渉効果を安定的に得ることができる光学システムを提供しようとするものである。
そして、上記の光学システムであって、前記所定の位置において干渉効果を得る分岐された複数のビームの各々については、その光学システムにおける前記所定の位置に到達するまでの光学距離が互いに他のビームと時間的に干渉を持つ範囲になるように、各回折光学素子を設計、配置していることを特徴とするものである。
そしてまた、上記の光学システムであって、レーザ光がフェムト秒レーザであることを特徴とするものであり、前記複数のビームの各々の前記光学距離の差が、300μm以内であることを特徴とするものである。
本発明の光学システムは、上記のような構成にすることにより、短パルス、超短パルスのレーザ干渉においても、特にフェムト秒レーザの干渉において、回折光学素子を用いて、所望の干渉効果を安定的に容易に得ることができる光学システムの提供を可能としている。
このような光学システムを使用することで、レーザ加工等において、大量に所望の干渉効果を安定的に容易に得ることができるものとしている。
具体的には、2面以上の回折光学素子を光路に配して、順に、各回折光学素子を通過し、分岐された複数のビームを所定の位置に到達させて、該位置にて干渉効果を得るものであることにより、これを達成している。
特に、前記分岐された複数のビームの各々について、その光学システムにおける前記所定の位置に到達するまでの光学距離の差が、300μm以内であることにより、フェムト秒レーザを用いた場合においても、所望の干渉効果を安定的に得ることができるもとしている。
結果、本発明の光学システムを用いることにより、レーザ加工等において、大量に所望の干渉効果を安定的に容易に得ることを可能とした。
そして、回折光学素子を用いて、従来の2光束干渉に替わるフェムト秒レーザ干渉システムの実現を可能とした。
本発明のような回折光学素子を用いた光学システムに替えることにより、ホログラムの設計自由度を上げ、且つ、光学計を簡単にすることを可能とした。
図1は本発明の光学システムの実施の形態の第1の例の概略構成図で、図2は本発明の光学システムの実施の形態の第2の例の概略構成図で、図3は本発明の光学システムの実施の形態の第3の例の概略構成図で、図4は比較例の光学システムの概略構成図である。 図1〜図4中、110、115は回折光学素子部材、111、116は回折光学素子、120、121、122はビーム、125、126、127はビーム、130は集光位置、150はレーザ波面、210、215は回折光学素子部材、211、216は回折光学素子、220、221、222はビーム、225、226、226A、227、227Aはビーム、230は集光位置、250はレーザ波面、310は回折光学素子部材、311、312は回折光学素子、320、321、322はビーム、324、325、325A、326、326Aはビーム、327、328、329はビーム、330は集光位置、350はレーザ波面、410は回折光学素子部材、411は回折光学素子、420、421はビーム、422、423はビーム、424、425はビーム、426、427はビーム、430は集光位置、450はレーザ波面である。
第1の例は、フェムト秒レーザを用い、干渉効果を得るための回折光学システムであって、2面の回折光学素子111、116を光路に配して、順に、各回折光学素子111、116を通過し、分岐された複数のビーム122、127を所定の位置(集光位置130)に到達させて、該位置にて干渉効果を得るものである。
ここでは、各回折光学素子部材110、115の一面に、それぞれ、回折格子素子111、116が形成されている。
レーザ波面150は、各回折光学素子111、116に対して平行に配置され、ビーム120とビーム125とは平行で、回折光学素子111の面に直交する。
回折光学素子111上で、ビーム120とビーム125とは時間的に同時である。
回折光学素子111の設計にしたがい、ビーム120、ビーム125は、それぞれ、ビーム121、ビーム126のように進む。
更に、回折光学素子116の設計にしたがい、ビーム121、ビーム126は、それぞれ、ビーム122、ビーム127のように進む。
第1の例では、ビーム122の回折光学素子116と集光位置130間の光学距離は、ビーム127の回折光学素子116と集光位置130間の光学距離より短かく、ビーム121の回折光学素子111と回折光学素子116間の光学距離は、ビーム126の回折光学素子111と回折光学素子116間の光学距離よりも長く設計され、且つ、ビーム122の光学システムにおける集光位置130に到達するまでの光学距離と、ビーム127の光学システムにおける集光位置130に到達するまでの光学距離との差は、ビーム122、127が、それぞれ、集光位置130で互いに他のビームと時間的に干渉を持つ範囲になるように設計されている。
尚、ビーム122の光学システムにおける集光位置130に到達するまでの光学距離は、ビーム121の回折光学素子111と回折光学素子116間の光学距離とビーム122の回折光学素子116と集光位置130間の光学距離とを合わせた光学距離のことであり、ビーム127の光学システムにおける集光位置130に到達するまでの光学距離は、ビーム126の回折光学素子111と回折光学素子116間の光学距離とビーム127の回折光学素子116と集光位置130間の光学距離とを合わせた光学距離のことである。
本例では、集光位置130で時間的にも干渉性を有することとなり、所望の干渉効果を得ることができる。
特に、前述の光学距離の差が、300μm以内であることにより、フェムト秒レーザを用いた場合において、所望の干渉効果を安定的に得ることができる。
勿論、ここでは、各ビームは、回折光学素子面116では時間的に干渉性をもたない。
尚、回折光学素子111、116の作製は、各回折光学素子面の各位置において、空間的に干渉性を制御して、入射したビームをそれぞれ所定の方向に進むように、設計制御するもので、各従来公知の方法によりこのようにすることができる。
本例では、回折光学素子部材110、115の位置関係を制御するだけで、実際には、一方を調整するだけでよく、先に述べた、従来の、特開2001- 236002号公報に記載のものように、複数ミラーを、それぞれ、関連つけて調整する必要はない。
これより、フェムト秒レーザを用いたホログラムの製造が安定的に容易に可能となり、感光性のない透明材料の内部に100TW/ cm2 にも達する高密度エネルギーを与えることができ、それにより、多光子吸収などの非線形過程を介して3次元加工することができる。
第2の例は、第1の例と同様、フェムト秒レーザを用い、干渉効果を得るための回折光学部材であって、2面の回折光学素子211、216を光路に配して、順に、各回折光学素子211、216を通過し、分岐された複数のビーム222、226A、227Aを所定の位置(集光位置230)に到達させて、該位置にて干渉効果を得るものである。
レーザ波面250は、各回折光学素子211、216の面に対して平行に配置され、ビーム220とビーム225とは平行で、回折光学素子211の面に直交する。
回折光学素子211上で、ビーム220とビーム225とは時間的に同時である。
回折光学素子211の設計にしたがい、ビーム220はビーム221のように進み、ビーム225は、分岐して、ビーム226、227のように進む。
更に、回折光学素子216の設計にしたがい、ビーム221は、ビーム222のように進み、ビーム226は、ビーム226Aのように進み、ビーム227は、ビーム227Aのように進む。
第2の例では、ビーム222の回折光学素子216と集光位置230間の光学距離は、ビーム226A、227Aの、それぞれ回折光学素子216と集光位置230間の光学距離より短かく、ビーム221の回折光学素子211と回折光学素子216間の光学距離は、ビーム226、227の回折光学素子211と回折光学素子面216間の光学距離よりも長く設計され、且つ、ビーム222の光学システムにおける集光位置230に到達するまでの光学距離と、ビーム226Aの光学システムにおける集光位置230に到達するまでの光学距離と、ビーム227Aの光学システムにおける集光位置230に到達するまでの光学距離について、それら各々の光学距離の差は、ビーム222、226A、227Aが、それぞれ、集光位置230で互いに他のビームと時間的に干渉を持つ範囲になるように、設計されている。
尚、ビーム222の光学システムにおける集光位置230に到達するまでの光学距離は、ビーム221の回折光学素子211と回折光学素子216間の光学距離とビーム222の回折光学素子216と集光位置230間の光学距離とを合わせた光学距離のことであり、ビーム226Aの光学システムにおける集光位置230に到達するまでの光学距離は、ビーム226の回折光学素子211と回折光学素子216間の光学距離とビーム226Aの回折光学素子216と集光位置230間の光学距離とを合わせた光学距離のことであり、ビーム227Aの光学システムにおける集光位置230に到達するまでの光学距離は、ビーム227の回折光学素子211と回折光学素子216間の光学距離とビーム227Aの回折光学素子216と集光位置230間の光学距離とを合わせた光学距離のことである。
本例では、各ビーム222、226A、227Aは、集光位置230で時間的にも干渉性を有することとなり、所望の干渉効果を得ることができる。
第2の例も、特に、前述の光学距離の差が、300μm以内であることにより、フェムト秒レーザを用いた場合において、所望の干渉効果を安定的に得ることができる。
また、勿論、ここでは、各ビームは、回折光学素子面216では時間的に干渉性をもたない。
第3の例は、第1の例、第2の例と同様、フェムト秒レーザを用い、干渉効果を得るための回折光学部材であって、その両面に2つの回折光学素子311、312を有する回折光学素子310を光路に配して、順に、各回折光学素子面311、312を通過し、分岐された複数のビーム322、325A、326A、329を所定の位置(集光位置330)に到達させて、該位置にて干渉効果を得るものである。
レーザ波面350は、各回折光学素子311の面に対して平行に配置され、ビーム320とビーム324とビーム327はそれぞれ平行で、回折光学素子311の面に直交する。
回折光学素子面311上で、ビーム320と、ビーム324と、ビーム327とは、時間的に同時である。
回折光学素子面311の設計にしたがい、ビーム320はビーム321のように進み、ビーム324は、分岐して、ビーム325、326のように進み、ビーム327はビーム328のように進む。
更に、回折光学素子312の設計にしたがい、ビーム321は、ビーム322のように進み、ビーム325は、ビーム325Aのように進み、ビーム326は、ビーム326Aのように進み、ビーム328は、ビーム329のように進む。
第3の例では、ビーム322の回折光学素子312と集光位置330間の光学距離、および、ビーム329の回折光学素子312と集光位置230間の光学距離は、それぞれ、ビーム225A、226Aの、回折光学素子312と集光位置330間の光学距離より短かく、ビーム321およびビーム328の回折光学素子311と回折光学素子312間の光学距離は、ビーム325、326の回折光学素子311と回折光学素子312間の光学距離よりも長く設計され、且つ、ビーム322の光学システムにおける集光位置330に到達するまでの光学距離と、ビーム325Aの光学システムにおける集光位置330に到達するまでの光学距離と、ビーム326Aの光学システムにおける集光位置330に到達するまでの光学距離と、ビーム329の光学システムにおける集光位置330に到達するまでの光学距離については、それら各々の光学距離の差は、ビーム322、325A、326A、329が、それぞれ、集光位置330で互いに他のビームと時間的に干渉を持つ範囲になるように、設計されている。
尚、ビーム322の光学システムにおける集光位置330に到達するまでの光学距離は、ビーム321の回折光学素子311と回折光学素子312間の光学距離とビーム322の回折光学素子312と集光位置330間の光学距離とを合わせた光学距離のことであり、ビーム325Aの光学システムにおける集光位置330に到達するまでの光学距離は、ビーム325の回折光学素子311と回折光学素子312間の光学距離とビーム325Aの回折光学素子312と集光位置330間の光学距離とを合わせた光学距離のことであり、ビーム326Aの光学システムにおける集光位置330に到達するまでの光学距離は、ビーム326の回折光学素子311と回折光学素子312間の光学距離とビーム326Aの回折光学素子312と集光位置330間の光学距離とを合わせた光学距離のことであり、ビーム329の光学システムにおける集光位置330に到達するまでの光学距離は、ビーム328の回折光学素子311と回折光学素子312間の光学距離とビーム329の回折光学素子312と集光位置330間の光学距離とを合わせた光学距離のことである。
本例では、各ビーム322、325A、326A、329は、集光位置330で時間的にも干渉性を有することとなり、所望の干渉効果を得ることができる。
第3の例も、特に、前述の光学距離の差が、300μm以内であることにより、フェムト秒レーザを用いた場合において、所望の干渉効果を安定的に得ることができる。
また、勿論、ここでは、各ビームは、回折光学素子面312では時間的に干渉性をもた
比較例の光学システムは、図4に示すように、波面450が回折光学素子411の面に平行な回折光学素子部材410のみを用いて、回折光学素子411に入射するビーム(レーザビーム)420、422、424、426を、それぞれ、集光位置430にて集光させるものである。
レーザ波面450は、各回折光学素子411の面に対して平行に配置され、ビーム420、ビーム422、ビーム424、ビーム426は、それぞれ互いに平行で、回折光学素子411の面に直交する。
回折光学素子411上で、ビーム420、ビーム422、ビーム324、ビーム326は、時間的に同時である。
回折光学素子411の設計にしたがい、ビーム420はビーム421のように進み、ビーム422はビーム423のように進み、ビーム324はビーム425のように進み、ビーム326はビーム427のように進む。
比較例では、ビーム421の回折光学素子411と集光位置430間の光学距離、および、ビーム425の回折光学素子411と集光位置430間の光学距離は、同じであるが、ビーム421、427の、それぞれ回折光学素子411と集光位置430間の光学距離より長くなっている。
ここでは、回折光学素子が1つのため、各ビームの光学距離を調整できず、集光する各ビームの光学距離をいずれも同じく設計することはできない。
3面以上の回折光学素子を光路に配しても、このような設計による光学距離の調整は可能で、別の実施の形態として、3面以上の回折光学素子を光路に配して、順に、各回折光学素子を通過し、分岐された複数のビームを所定の位置に到達させて、該位置に到達する分岐された複数のビームが、それぞれ、他のビームと時間的に干渉を持つ範囲になるように設計した光学システムも挙げられる。
111、116 回折光学素子
120、121、122 ビーム
125、126、127 ビーム
130 集光位置
150 レーザ波面
210、215 回折光学素子部材
211、216 回折光学素子
220、221、222 ビーム
225、226、226A、227、227A ビーム
230 集光位置
250 レーザ波面
310 回折光学素子部材
311、312 回折光学素子
320、321、322 ビーム
324、325、325A、326、326A ビーム
327、328、329 ビーム
330 集光位置
350 レーザ波面
410 回折光学素子部材
411 回折光学素子
420、421 ビーム
422、423 ビーム
424、425 ビーム
426、427 ビーム
430 集光位置
450 レーザ波面
Claims (6)
- レーザ光を用い、干渉効果を得るための光学システムであって、2面以上の回折光学素子を光路に配して、順に、各回折光学素子を通過し、分岐された複数のビームを所定の位置に到達させて、該位置にて干渉効果を得るものであることを特徴とする光学システム。
- 請求項1に記載の光学システムであって、前記所定の位置において干渉効果を得る分岐された複数のビームの各々については、その光学システムにおける前記所定の位置に到達するまでの光学距離が互いに他のビームと時間的に干渉を持つ範囲になるように、各回折光学素子を設計、配置していることを特徴とする光学システム。
- 請求項1ないし2に記載の光学システムであって、レーザ光がフェムト秒レーザであることを特徴とする光学システム。
- 請求項3に記載の光学システムであって、前記複数のビームの各々の前記光学距離の差が、300μm以内であることを特徴とする光学システム。
- 請求項1ないし4に記載の光学システムを用いて、ホログラムの形成を行うことを特徴とするホログラムの形成方法。
- 請求項5に記載のホログラムの形成方法により、形成されたことを特徴とするホログラム。
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