JP2005120431A - 磁気特性の優れた高強度無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性の優れた高強度無方向性電磁鋼板の製造方法 Download PDF

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明男 藤田
Masaaki Kono
雅昭 河野
Takeshi Omura
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Abstract

【課題】 強度−鉄損バランスに優れた無方向性電磁鋼板を、工業的に安定して製造することができる方法を提供する。
【解決手段】 無方向性電磁鋼板中に、CuとNiをそれぞれ、Cu:0.2 〜4.0 %、Ni:0.5〜5.0 %の範囲で複合含有させると共に、無方向性電磁鋼板の製造工程中、最終の冷間圧延工程において、圧延温度が 100〜300 ℃の温間圧延を1パス以上実施し、かつこの温間圧延の累積圧下率を45%以上とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、無方向性電磁鋼板、中でも高速回転モータのロータを典型例とする、大きな応力がかかる部品に用いて好適な、高強度でかつ磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板の有利な製造方法に関するものである。
近年、モータの駆動システムの発達により、駆動電源の周波数制御が可能となり、可変速運転や商用周波数以上で高速回転を行うモータが増加している。このような高速回転を行うモータでは、高速回転に耐え得る高い強度のロータが必要になる。すなわち、回転体に作用する遠心力は回転半径に比例し、また回転速度の2乗に比例して大きくなるため、中・大型の高速モータではロータに作用する応力が 600 MPaを超える場合もある。従って、このような高速回転モータでは、ロータの強度が高いことが必要となる。
また、近年のモータ効率向上の観点から増加した、ロータに永久磁石を埋め込んだ磁石埋設型のDCインバータ制御モータでは、遠心力でロータから磁石が飛び出そうとするため、これを押さえ込むために、ロータに使用される電磁鋼板には大きな力が掛かる。従って、かようなモータ、特にロータに使用される電磁鋼板には、高強度が必要とされる。
一方、モータや発電機などの回転機器は、電磁気現象を利用するものであるため、その素材には磁気特性、すなわち鉄損や磁束密度に優れていることが要求される。通常、ロータコアは、プレス打ち抜きした無方向性電磁鋼板を積層して使用するが、高速回転モータにおいてロータ素材が十分な機械強度をそなえていない場合には、より高強度の鋳鋼製ロータなどを使用せざるを得ないのが現状である。しかしながら、鋳鋼製ロータは一体物であるため、ロータに作用するリップル損と呼ばれる高周波磁束による渦電流損が電磁鋼板を積層したロータよりも大きく、モータ効率が低下する要因となっている。
従って、ロータ用素材として、磁気特性に優れ、かつ高強度の電磁鋼板が要望されている。
金属学的には、高強度化手段として、固溶強化、析出強化および結晶粒微細化の3つの方法が知られており、電磁鋼板に適用した例も見られる。
例えば、固溶強化を利用したものとしては、特許文献1に、Si量を 3.5〜7.0 mass%に高めた上で、固溶強化能の大きい元素を添加する方法が開示されている。
また、特許文献2には、Si量を 2.0〜3.5 mass%とし、NiあるいはNiとMnの両者の含有量を高め、 650〜850 ℃という低温焼鈍により製造することで、再結晶粒径を制御する方法が開示されている。
さらに、析出強化を利用する方法としては、特許文献3に、Si量を 2.0〜4.0 mass%とし、Nb,Zr,TiおよびV等の微細な炭・窒化物を析出させる方法が開示されている。
特開昭60−238421号公報 特開昭62−256917号公報 特開平6−330255号公報
上記の方法により、ある程度の高強度を有する電磁鋼板が得られる。
しかしながら、特許文献1に記載されるようなSi量が多い鋼材では、冷間圧延性が著しく低下し、安定した工業生産が困難となる不利がある。さらに、この技術により得られる鋼板は、磁束密度B50が1.56〜1.60Tと大幅に低下してしまうという問題もあった。
また、特許文献2における方法では、機械強度を高めるために、低温焼鈍による再結晶粒成長の抑制が必要となることから、磁気特性、特に比較的周波数の低い商用周波数から数100 Hz程度での鉄損が低下するという問題があった。そのため、これらの周波数域での鉄損が重要となるステータ部材には使用することができず、モータ打ち抜き加工時における歩留りの大幅な低下を余儀なくされていた。すなわち、ステータおよびロータを打ち抜く際には、通常は同じ1枚の鋼板から、まず円環状のステータを打ち抜き、その内側の円板部からロータを打ち抜くことにより無駄を少なくしているが、特許文献2の方法では、両者を別々の鋼板から打ち抜く必要があるため、歩留りが低下してしまうのである。
さらに、特許文献3に記載の方法では、炭・窒化物自体が磁壁移動の障壁となるだけでなく、炭・窒化物が電磁鋼板の結晶粒成長を妨げるため、鉄損に劣るという問題がある。
上述したように、従来の方法は、安定した工業生産が可能な製造技術を前提とした場合、良好な磁気特性と高強度とを両立するという観点からは、いずれも満足できるものではなかった。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、良好な磁気特性と高強度とを両立した無方向性電磁鋼板を、工業的に安定して製造することができる方法を提案することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の課題を解決するために、鋼材の成分組成および製造条件について再検討を加えた結果、Cuを添加し、その時効硬化現象を利用することによって、良好な磁気特性と高強度を両立させることに関し、従来比類のない効果を得るに至った。
すなわち、鋼中の析出物は高強度化に寄与する一方、磁壁移動を抑制して磁気特性を劣化させるという、従来の知見に反して、鋼中に適量のCuを添加して時効処理を行うことにより、20nm以下の極微細なCuを析出させることが可能であること、そして、こうして得られた極微細析出物は、高強度化に非常に有効であり、かつ鉄損(履歴損)はほとんど劣化させないことを新たに見出した。さらに、CuとNiを複合添加した上で、最終冷延時に温間圧延を活用すると、Cu単独添加の場合に比べて、より一層の磁気特性改善効果が得られることの新規知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、
C:0.02%以下、
Si:4.5 %以下、
Mn:3.0 %以下、
Al:3.0 %以下、
P:0.50%以下、
Cu:0.2 %以上、4.0 %以下および
Ni:0.5 %以上、5.0 %以下
を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼素材を、熱間圧延後そのまま、または熱延板焼鈍を施した後、一回または中間焼鈍を挟む二回以上の冷間圧延により最終板厚とし、ついで仕上焼鈍を施すことによって無方向性電磁鋼板を製造するに当たり、
最終の冷間圧延工程において、圧延温度が 100〜300 ℃の温間圧延を1パス以上実施すると共に、この温間圧延の累積圧下率を45%以上とすることを特徴とする磁気特性の優れた高強度無方向性電磁鋼板の製造方法。
2.質量%で、
C:0.02%以下、
Si:4.5 %以下、
Mn:3.0 %以下、
Al:3.0 %以下、
P:0.50%以下、
Cu:0.2 %以上、4.0 %以下および
Ni:0.5 %以上、5.0 %以下
を含み、さらにSb,Sn,Ge,B,Ca,REM およびCoのうちから選んだ1種または2種以上を、
Sb,SnおよびGeについてはそれぞれ、 0.002〜0.5 %、
B,CaおよびREM についてはそれぞれ、 0.001〜0.01%、
Coについては 0.2〜5.0 %
にて含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼素材を、熱間圧延後そのまま、または熱延板焼鈍を施した後、一回または中間焼鈍を挟む二回以上の冷間圧延により最終板厚とし、ついで仕上焼鈍を施すことによって無方向性電磁鋼板を製造するに当たり、
最終の冷間圧延工程において、圧延温度が 100〜300 ℃の温間圧延を1パス以上実施すると共に、この温間圧延の累積圧下率を45%以上とすることを特徴とする磁気特性の優れた高強度無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、磁気特性に優れ、しかも高い強度を有する無方向性電磁鋼板を、工業的に安定して得ることできる。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において、鋼板の成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.02%以下
C量が0.02%を超えると磁気時効により鉄損が著しく劣化するため、C量は0.02%以下に制限する。
Si:4.5 %以下
Siは、脱酸剤として有用であることに加え、電気抵抗の増加により電磁鋼板の鉄損を低減する効果が大きい。さらに、固溶強化により強度向上にも寄与する。脱酸剤としては、0.05%以上の含有で効果が顕著となる。また、鉄損低減および固溶強化のためには 0.5%以上、より好適には 1.2%以上含有させることが好ましい。しかしながら、含有量が4.5%を超えると、鋼板の圧延性の劣化が激しくなるため、Si量は 4.5%以下に制限する。
Mn:3.0 %以下
Mnは、固溶強化による強度向上に有効な元素であることに加え、熱間脆性の改善にも有効に寄与するので、好ましくは0.05%以上含有させる。しかしながら、過剰な添加は鉄損の劣化をもたらすので、Mn量は 3.0%以下に制限する。
Al:3.0 %以下
Alは、脱酸剤として有効に寄与するので、好ましくは 0.5 ppm以上含有させる。しかしながら、過剰な添加は圧延性の低下をもたらすので、Al量は 3.0%以下に制限する。
P:0.50%以下
Pは、比較的少量の添加でも著しい固溶強化能が得られるため高強度化に極めて有効であり、好ましくは0.01%以上含有させる。しかしながら、過剰な含有は偏析による脆化を引き起し、粒界割れや圧延性の低下をもたらすため、P量は0.50%以下に制限する。
次に、CuおよびNiの添加は、本発明において最も重要な要件である。
Cu:0.2 %以上、4.0 %以下
Cuは、時効処理によって微細な析出物を形成することにより、鉄損(履歴損)の劣化をほとんど伴わずに、強度の大幅な上昇をもたらす有用元素である。また、温間圧延による格段の磁気特性改善効果を得るために必須の元素である。これらの効果を得るためには、後述するNiとの複合添加条件下において、0.2 %以上の含有が必要である。一方、4.0 %を超えると粗大な析出物が形成されて、鉄損の劣化が大きくなるだけでなく、強度の上昇代も低下する。従って、Cu含有量は 0.2%以上、 4.0%以下に制限する。好適には 0.3%以上、2.0 %以下の範囲である。
Ni:0.5 %以上、5.0 %以下
Niは、それ自体が固溶強化による強度改善元素であるが、Cuと複合して添加するとCuの固溶析出状態に影響を与え、時効により極めて微細なCu析出物を安定して析出させる効果が生じる。その結果、Cu時効析出による高強度化効果を格段に高めることが可能となる。また、前述したとおり、Cuと共に温間圧延による格段の磁気特性改善効果を得る上で必須の元素である。しかしながら、Ni含有量が 0.5%未満では、温間圧延による格段の磁気特性改善効果が得られないので、最低でも 0.5%の添加が必要である。一方 5.0%を超えると、その効果は飽和し、むしろコストの面で不利となるので、その上限を 5.0%とする。より好適には 1.0%以上、3.5 %以下の範囲である。
上記した元素の他は、Fe(鉄)および不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としてのSおよびNは、鉄損の観点からそれぞれ0.01%以下とすることが望ましい。
以上、必須成分ついて説明したが、本発明ではその他にも、磁気特性改善成分として、Sb,Sn,Ge,B,Ca,REM およびCoのうちから選んだ1種または2種以上を適宜含有させることができる。
具体的には、
Sb,SnおよびGeについてはそれぞれ、 0.002〜0.5 %、
B,CaおよびREM についてはそれぞれ、 0.001〜0.01%、
Coについては 0.2〜5.0 %
の範囲である。
それぞれの下限値未満では磁気特性の改善効果に乏しく、一方上限値を超えるとその効果は飽和し、むしろコスト的に不利となる。
次に、本発明の製造工程について説明する。
本発明に係る磁気特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板を製造するためには、まず転炉あるいは電気炉等にて、上記した所定の成分組成に溶製された鋼を、連続鋳造あるいは造塊後の分塊圧延により鋼スラブとする。ついで、得られたスラブを、熱間圧延し、そのまま熱延板焼鈍なしに、または熱延板焼鈍を施した後、一回または中間焼鈍を挟む二回以上の冷間圧延によって最終板厚とし、ついで仕上焼鈍後、時効処理を施す。なお、最終の仕上焼鈍後のいずれかの段階において、必要に応じて絶縁被膜の塗布および焼き付け処理を行っても良い。また、時効処理の実施時期は、絶縁被膜の塗布焼付け前、焼付け後、さらには需要家でのプレス打ち抜きなどの加工後、などのいずれのタイミングで実施してもよい。さらに、熱延板焼鈍は、熱間圧延後の熱延板をコイルに巻いて保持するいわゆる自己焼鈍を利用してもよい。
本発明では、最終の冷間圧延時に1パス以上の温間圧延を利用することによって、磁気特性の格段の向上を図る。この際の温間圧延温度が、100 ℃未満では格段の磁気特性改善効果が得られず、一方 300℃を超えるとその効果が飽和するだけでなく、圧延性が急激に劣化するので、温間圧延における温度範囲は 100℃以上、300 ℃以下とする。
さらに、この温度範囲で温間圧延を実施しても、温間圧延における累積圧下率が45%未満では得られる磁気特性改善効果が小さいので、温間圧延での累積圧下率は45%以上とする。好ましくは50%以上である。
上述したとおり、CuとNiを複合含有させた上で、温間圧延を施すことによって、磁気特性の格段の向上が達成されるのは、次の理由によるものと考えられる。
すなわち、CuとNiを複合添加することにより、圧延時に作用するすべり系の優先順位が変化して、磁気特性に有利な集合組織となるすべり系が優先して働くものと考えられる。なお、このすべり系の変化は冷間圧延では起こらないが、温間圧延により起こると考えられる。
なお、温間圧延の具体的な方法については特に限定しないが、予め鋼板を加熱する方法、加工発熱を利用する方法、ロールを加熱して熱伝導を利用する方法等を単独または組み合わせて使用することができる。
ついで、仕上焼鈍を施すが、この仕上焼鈍は、圧延による歪を除去すると共に、必要な鉄損特性を得るために、再結晶により適切な結晶粒経に調整するために行う。
必要な鉄損特性を得るためには、適切な焼鈍温度を適用する必要がある。結晶粒径は求められる鉄損レベルにもよるが、一般に20〜200 μm であるので、仕上焼鈍の最終到達温度は 700℃以上とすることが好ましい。一方、1150℃を超える温度で焼鈍を行うと、粗大粒となり粒界割れを起こし易くなるだけでなく、鋼板表面の酸化・窒化に伴う鉄損の劣化が大きくなるので、その上限は1150℃とすることが望ましい。
本発明では、上記した仕上焼鈍後に時効処理を行うことにより、鋼板の高強度化を図ることができる。この時効処理温度が 400℃に満たないと、微細Cuの析出が不十分となり、高強度化の効果が小さい。一方、650 ℃を超えるとCu析出物が粗大化し、鉄損が劣化するだけでなく、強度の上昇量も減少するため、良好な強度一鉄損バランスを有する電磁鋼板が得られない。従って、時効処理は 400℃以上、 650℃以下の温度範囲で行うのが好ましい。なお、適切な時効時間は処理温度にも依存するが、 10min〜1000hが好適である。また、かかる時効処理の実施時期は、絶縁被膜の塗布焼付け前、焼付け後、あるいは需要家でのプレス打ち抜きなどの加工後、などのいずれのタイミングで実施してもよいことは、前述したとおりである。
表1に示すように、Si:3mass%、Mn:0.2 mass%およびAl:0.3 mass%を基本成分とし、CuおよびNi量を種々に変化させて含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延により板厚:2.0 mmの熱延板とし、1000℃で60秒の熱延板焼鈍後、酸洗し、最終板厚:0.35mmに圧延する際に 2.0mmから 0.6mmまでを 150℃の温間圧延とし、その後は30℃の冷間圧延にて最終板厚:0.35mmの冷延板とした。ついで、最高到達温度:950 ℃で30s均熱保持の仕上焼鈍を施したのち、絶縁被膜を塗布焼付けしてから、時効のために 550℃で5hの熱処理を施した。
かくして得られた製品板の時効処理後における磁気特性(W15/50 ,B50)および機械特性(引張強さTS)について調べた結果を、表1に併記する。
なお、製品板での成分組成はスラブ段階とほぼ同様であった。また、鉄損は、圧延方向および圧延直角方向の試料を等量用いて、エプスタイン法により評価した。さらに、機械的特性は、圧延方向および圧延直角方向から切り出した試料の平均をもって評価した。
Figure 2005120431
同表から明らかなように、本発明に従い得られた発明例(No.7〜21)はいずれも、ベース組成を有する比較例であるNo.1に比べて、強度が大幅に向上し、強度一鉄損バランスに優れていることが分かる。
表1に示した比較鋼C,Eおよび発明鋼J,Qをそれぞれ、熱間圧延により板厚:2.0mmの熱延板とし、1000℃で 300秒の熱延板焼純後、酸洗し、最終板厚:0.35mmに圧延した。この際、圧延温度を、表2に示すように変化させた。ついで、最高到達温度:950 ℃で30s均熱保持の仕上焼鈍を施したのち、絶縁被膜を塗布焼付けて焼鈍板とした、その後、得られた焼鈍板に、時効のため 550℃で5hの均熱処理を施して製品板とした。
かくして得られた製品板の時効処理後における磁気特性(W15/50 ,B50)および機械特性(引張強さTS)について調べた結果を、表2に併記する。
また、温間圧延における累積圧下率と磁束密度B50との関係を図1に比較して示す。
なお、製品板での成分組成は、スラブ段階とほぼ同様であった。
Figure 2005120431
同表から明らかなように、従来鋼である鋼CおよびEでは、温間圧延の累積圧下率が変化しても磁気特性はほとんど変化しなかった。
これに対し、発明例の鋼JおよびQでは、温間圧延の累積圧下率が45%以上で磁気特性改善効果が顕著となることが分かる。
温間圧延における累積圧下率と時効処理後の磁束密度B50との関係を示した図である。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.02%以下、
    Si:4.5 %以下、
    Mn:3.0 %以下、
    Al:3.0 %以下、
    P:0.50%以下、
    Cu:0.2 %以上、4.0 %以下および
    Ni:0.5 %以上、5.0 %以下
    を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼素材を、熱間圧延後そのまま、または熱延板焼鈍を施した後、一回または中間焼鈍を挟む二回以上の冷間圧延により最終板厚とし、ついで仕上焼鈍を施すことによって無方向性電磁鋼板を製造するに当たり、
    最終の冷間圧延工程において、圧延温度が 100〜300 ℃の温間圧延を1パス以上実施すると共に、この温間圧延の累積圧下率を45%以上とすることを特徴とする磁気特性の優れた高強度無方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 質量%で、
    C:0.02%以下、
    Si:4.5 %以下、
    Mn:3.0 %以下、
    Al:3.0 %以下、
    P:0.50%以下、
    Cu:0.2 %以上、4.0 %以下および
    Ni:0.5 %以上、5.0 %以下
    を含み、さらにSb,Sn,Ge,B,Ca,REM およびCoのうちから選んだ1種または2種以上を、
    Sb,SnおよびGeについてはそれぞれ、 0.002〜0.5 %、
    B,CaおよびREM についてはそれぞれ、 0.001〜0.01%、
    Coについては 0.2〜5.0 %
    にて含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼素材を、熱間圧延後そのまま、または熱延板焼鈍を施した後、一回または中間焼鈍を挟む二回以上の冷間圧延により最終板厚とし、ついで仕上焼鈍を施すことによって無方向性電磁鋼板を製造するに当たり、
    最終の冷間圧延工程において、圧延温度が 100〜300 ℃の温間圧延を1パス以上実施すると共に、この温間圧延の累積圧下率を45%以上とすることを特徴とする磁気特性の優れた高強度無方向性電磁鋼板の製造方法。
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