JP2005119128A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、密着性や可撓性に優れ、高耐久性を有する積層体を提供する。
【解決手段】 本発明の積層体1は、基材2、単層膜若しくは2層以上の積層膜からなる構造体3、及び前記基材2と前記構造体3との間に配される中間層4から構成され、前記中間層4は、平均一次粒子径が、0.01μm以上、0.2μm以下のメソポーラス微粒子5を含有している構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材と、この基材上に形成される少なくとも1層以上の薄膜からなる構造体とを備えた積層体に関する。
近年、プラスチックフィルム,プラスチックプレート,薄板状ガラス,ステンレスホイルなどの各種の基材上に、反射防止機能,帯電防止機能,電磁波遮蔽機能,紫外線遮蔽機能,赤外線遮蔽機能,ガスバリヤー機能などの各種機能を有する機能性膜や、透明電極,磁気記録媒体などとして使用できる機能性膜などが1層以上積層されてなる積層体が、各種分野で多用されている。
前記機能性膜は、主に酸化珪素,酸化アルミニウム,酸化チタン,酸化インジウム,酸化錫,酸化亜鉛などの金属酸化物から構成されており、前記基材上に、スパッタ法や蒸着法によって形成されている。
特に、プラスチックフィルムなどの可撓性を有する基材上に、前記機能性膜が形成されてなる積層体は、タッチパネル方式の入力デバイス,フレキシブルデイスプレイ,電子ペーパー,フレキシブル太陽電池,フレキシブル2次電池などのフレキシブルデバイスに広く利用されている。
しかしながら、前記機能性膜と、プラスチックフィルムなどの可撓性を有する基材とは、密着性が悪く、機能性膜が基材から剥離したり、また基材が湾曲した際に機能性膜にクラックが生じる場合があった。
このような問題を解決するために、以下に示されたように、前記プラスチックフィルムなどの可撓性を有する基材と機能性膜との間に、密着層又はアンカー層を設けて、密着性を改善させる提案がいくつかなされている。
(1)前記アンカー層(アンカーコート層)として、アルキルチタネートなどの有機チタネート系アンカーコート剤,イソシアネート系アンカーコート剤,ポリエチレンイミン系アンカーコート剤,ポリブタジエンアンカーコート剤などを用いて形成された層が設けられたバリヤフィルム(積層体)が提案された(特許文献1御参照。)。
(2)前記密着層として、プラスチックフィルムと反射防止膜層との間に、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物からなる層が設けられた反射防止フィルムが提案された(特許文献2御参照。)。
(3)前記密着層として、高分子フィルムと導電性金属層との間に、SiC,SiO,SiN,SiC,SiC,SiO,SiCなどの珪素化合物からなる層が設けられた透明導電フィルムが提案された(特許文献3御参照。)。
(4)前記アンカー層として、プラスチックフィルムと透明導電膜との間に、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化樹脂などの樹脂成分に、シリカコロイドや樹脂微粒子が含有された樹脂層が設けられた透明導電性積層体が提案された(特許文献4御参照。)。
特開2002−273815号公報 特開2003−94548号公報 特開2002−197925号公報 特開2002−367436号公報
前述した従来の技術では、アンカー層や密着層を設けない積層体に比べて、機能性膜と基材との密着性はいくらかは改善されているが、過酷な条件でも利用できるように、更に密着性や可撓性が改善され、高耐久性を有する積層体の開発が望まれている。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、密着性や可撓性に優れ、高耐久性を有する積層体を提供することを目的とする。
本発明に係る積層体は、基材、単層膜若しくは2層以上の積層膜からなる構造体、及び前記基材と前記構造体との間に配される中間層から構成され、前記中間層は、平均一次粒子径が、0.01μm以上、0.2μm以下のメソポーラス微粒子を含有していることを特徴とする。
これにより、構造体を構成する膜と中間層との接触界面において、メソポーラス微粒子の空孔部内には、構造体の構成材料と中間層の結合剤とがそれぞれ入り込んだ状態とすることができる。
かかる積層体の構成において、前記メソポーラス微粒子は、その空孔容積率が30%以上、80%以下であり、かつその平均空孔径が0.5nm以上、10nm以下であることを特徴とする。
これにより、積層体層と中間層との密着性と可撓性を大幅に向上させることができ、これにより積層体の可撓性を大幅に向上させることができる。
かかる積層体の構成において、前記基材が可撓性を有するものであることを特徴とする。
これにより、積層体の可撓性を向上させることができる
かかる積層体の構成において、前記構造体をなす膜は、それぞれ0.01μm以上、5μm以下の厚さであることを特徴とする。
これにより、構造体の各種の機能や透明性などを損わずに、優れた可撓性が得られる。
本発明の積層体によれば、中間層4の表面のメソポーラス微粒子5は、結合剤によって中間層4に強固に固定されると共に、構造体3の構成材料と強固に結びつくことになる。このため、メソポーラス微粒子は、構造体の構成材料を中間層に繋ぎとめる役割(アンカー作用)を果たすことになる。
このため、構造体と中間層とがメソポーラス微粒子を介して強固に結合し、優れた密着性が得られる。これにより、積層体1が屈曲した際、構造体と中間層とは密着した状態を保持でき、屈曲した際に構造体が剥れることがなく、優れた可撓性が実現できる。
また、中間層内のメソポーラス微粒子は、その空孔内に結合剤が入り込むため、中間層中に強固に固定されることとなり、優れた膜強度が得られ、屈曲してもクラックなどの発生を抑えることができる。
また、本発明に使用するメソポーラス微粒子は、平均一次粒子径が0.01μm以上、0.2μm以下と小さく、表面積が大きいため、前記アンカー作用は更に大きなものとなり,優れた可撓性が得られる。
以上のように、優れた密着性と可撓性が得られるため、例えばIPC試験装置(JIS C5016)を用いて、積層体を25Hzで10000回屈曲させても膜に剥れが生じず、高い耐久性が実現できる。
以下、図面をもとにして、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の積層体1の一例を示す概略断面図である。本発明の積層体1は、基材2と、単層膜若しくは2層以上の積層膜からなる構造体3と、前記基材2と前記構造体3との間に配された中間層4とを少なくとも備えている。
前記基材2としては、特に限定されず、プラスチック,ガラス,金属などの種々の材料から構成されたものが挙げられる。
例えば、プラスチックからなる基材2としては、三酢酸セルロースやアセテートなどのセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂類、トリアセテート(TAC)などのセルロース系樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)などのポリスルフォン樹脂類、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ酢酸ビニルなどのポリビニル系樹脂などから構成された樹脂フィルム,樹脂プレート,樹脂シートなどが好ましく使用できる。
特に、構造体3が透明の膜31から構成された積層体1の場合、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂類、トリアセテート(TAC)などのセルロース系樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)などのポリスルフォン樹脂類が好ましく、これにより優れた透明性と強度とを有する積層体1が得られる。
また、ガラス又は金属からなる基材2としては、例えば、厚さが500μm程度以下の薄板状ガラスシートやステンレスシートなどが挙げられる。
特に、基材2としては、前記プラスチックからなる基材2などのように可撓性を有するものが好ましく、これにより積層体1の可撓性を向上させることができる。
次に、前記基材2上に形成された構造体3について説明する。
構造体3は、単層膜若しくは2層以上の積層膜から少なくとも構成され、所望の機能が得られるようになっており、後述する中間層4上に形成されている。
この構造体3としては、例えば、反射防止機能,帯電防止機能,電磁波遮蔽機能,紫外線遮蔽機能,赤外線・熱遮蔽機能,ガスバリヤー機能,太陽光発電機能などの各種機能を有するものや、透明電極,配線電極などの導電性を有するものなどが挙げられる。
前記構造体3について、具体的に例示すると、例えば、前記導電性を有する構造体3としては、ITO(Indium Tin Oxide)などのようにIn,Sn,Znから選ばれた1種以上の元素を含む透明導電性酸化物からなる酸化物膜31、Ag,Au,Cu,Ni,Al,白金族の金属若しくはこれらの合金からなる金属膜31、窒化チタンなどからなる窒化物膜31などから構成されたものが挙げられる。
また、前記紫外線遮蔽機能を有する構造体3としては、例えば、酸化亜鉛,酸化チタン,酸化セリウムからなる酸化物半導体膜31などから構成されたものが挙げられる。
前記ガスバリヤー機能を有する構造体3としては、例えば、Si及び/又はAlを含む酸化物膜31などから構成されたものが挙げられる。
前記太陽光発電機能を有する構造体(太陽電池)3としては、例えば、アモルファスシリコン膜31などから構成されたものが挙げられる。
前記構造体3を構成する各膜31の膜厚は、0.01μm以上、5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.05μm以上、1μm以下である。これにより、構造体3の各種の機能や透明性などを損わずに、優れた可撓性が得られる。
前述した構造体3は、例えば、プラズマCVD法,レーザーアシストCVD法,反応性スパッタ法,マグネトロンスパッタ法,イオンビームスパッタ法,電子ビーム蒸着法,イオンプレーテイング法などの公知の方法によって、各膜31を、後述する中間層4上に成膜することによって形成できる。
次に、本発明の要旨となる中間層4について、以下に説明する。
中間層4は、メソポーラス微粒子5と、結合剤とから少なくとも構成されたものであり、基材2と構造体3との間に設けられ、基材2と構造体3との密着性を向上させ、積層体1が屈曲した際、基材2と構造体3とが剥れることがなく優れた可撓性が得られるように機能するものである。
ここで、本発明において、メソポーラス微粒子5とは、貫通孔を有し、その平均空孔径が0.1nm以上、50nm以下の微粒子のことをいう。前記貫通孔とは、その両端が、粒子表面に達し外部に開口している細孔である。メソポーラス微粒子5には、複数の貫通孔が略平行に設けられていることが好ましい。
前記メソポーラス微粒子5としては、特に限定されず使用できるが、特に、Si,Ti,Zr,Sn,Alから選ばれた1種以上の元素を含む金属酸化物から構成されたメソポーラス微粒子5が好ましい。
このようなメソポーラス微粒子5は、例えば、特開平8−259220号公報,特開平8−34607号公報,特開平9−67115号公報,特開2002−356621号公報,特開2002−173319号公報,特開2001−288030号公報などに開示された公知の方法によって製造できる。
前記メソポーラス微粒子5の平均一次粒子径は、0.01μm以上、0.2μm以下である。ここで、前記一次粒子径は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)により測定される。
構造体3と中間層4との界面において、メソポーラス微粒子5は、その平均一次粒子径が前記した範囲であるため、構造体3中に入り込んだ状態となる。そして、中間層4の表面近傍のメソポーラス微粒子5の空孔部内には、構造体3の構成材料と中間層4の結合剤とがそれぞれ入り込んだ状態となる。
これにより、中間層4の表面のメソポーラス微粒子5は、結合剤によって中間層4に強固に固定されると共に、構造体3の構成材料と強固に結びつくことになる。このため、メソポーラス微粒子は、構造体の構成材料を中間層に繋ぎとめる役割(アンカー作用)を果たすことになる。
このため、構造体と中間層とがメソポーラス微粒子を介して強固に結合し、優れた密着性が得られる。これにより、積層体1が屈曲した際、構造体と中間層とは密着した状態を保持でき、屈曲した際に構造体が剥れることがなく、優れた可撓性が実現できる。
また、中間層内のメソポーラス微粒子は、その空孔内に結合剤が入り込むため、中間層中に強固に固定されることとなり、優れた膜強度が得られ、屈曲してもクラックなどの発生を抑えることができる。
更に、基材2と中間層4との接触界面において、結合剤は基材2と結合し、また基材2とメソポーラス微粒子5との間に相互作用が生じ、これにより基材2と中間層4とを強固に結合させることができる。
このように、メソポーラス微粒子5の剥離などを抑え、かつ中間層4と構造体3との結合と、中間層4と基材2との結合を強固に密着させることができ、これにより構造体3や中間層4が基材2から剥離することを防止でき、基材2と構造体3との密着性を向上させることができる。
更に、本発明に使用するメソポーラス微粒子は、平均一次粒子径が0.01μm以上、0.2μm以下と小さく、表面積が大きいため、前記アンカー作用は更に大きなものとなり,優れた可撓性が得られる。
本発明にて使用するメソポーラス微粒子は、貫通孔を有しているため、中間層中の結合剤や構造体の構成成分が、メソポーラス微粒子の貫通孔の深い部分にまで入り込み、メソポーラス微粒子と強固に結合することになる。このため、構造体3と中間層4との界面において、更に優れた密着性が得られる。
中間層4が、メソポーラス微粒子の代わりに、空孔の孔が浅く、主に表面近傍に空孔を有する多孔質微粒子を備えた場合、中間層中の結合剤や構造体との結合部分を増やすために多孔質微粒子の空孔率を大きくすると、表面近傍に空孔が多く存在し、多孔質微粒子は脆くなってしまう。このため、積層体が屈曲した際、多孔質微粒子に加わる応力によって多孔質粒子が粉砕され、結果として良好なアンカー効果が得られなくなってしまう。このためメソポーラス微粒子の代わりに、このような多孔質微粒子を備えることは好ましくない。
メソポーラス微粒子5の平均一次粒子径が0.2μmよりも大きい場合、メソポーラス微粒子5により中間層4の表面に凸凹ができ、表面平滑性が悪化してしまう。このような中間層4上に、構造体3を構成する膜31を形成すると、膜31の厚さが不均一になり、構造体3の導電性や遮蔽性などの機能(特性)が悪化するばかりでなく、積層体1が屈曲した際、膜31にクラックが生じやすくなるため、好ましくない。
また、メソポーラス微粒子5の平均一次粒子径が0.01μmよりも小さい場合、構造体層のアンカーとしての効果がないため好ましくない。
またメソポーラス微粒子5は、その空孔容積率が30%以上、80%以下であり、かつその平均空孔径が0.5nm以上、10nm以下であることが好ましい。これにより、中間層中の結合剤や構造体の構成成分が、メソポーラス微粒子の貫通孔の深い部分にまで入り込み易くなり、メソポーラス微粒子と強固に結合させることができる。
ここで、前記空孔容積率と前記平均空孔率は、例えば窒素吸着比表面積測定装置により測定される。
中間層4を構成する結合剤としては、特に限定されず、基材2の材質や、硬化条件などの中間層4の形成条件などによって適切に選択することができる。
例えば、結合剤としては、熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,電離放射線硬化樹脂,アルコキシシラン部分加水分解重縮合物などの樹脂などが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,エチレン酢酸ビニル共重合体などのポリビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリオール樹脂などが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂,アミノ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ジャリルフタレート樹脂,アルキド樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,ケイ素樹脂などが挙げられる。
前記電離放射線硬化樹脂としては、オキタセン化合物,イミドアクリレート,エポキシアクリレート,ウレタンアクリレートなどのアクリレート系樹脂などの紫外線硬化型樹脂が挙げられる。
前記アルコキシシラン部分加水分解重縮合物としては、トリメチルメトキシシラン,トリメチルエトキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン類、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン,γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどの有機官能性シラン類、フルオロエチルトリメトキシシランなどのフルオロアルキルシラン類、ポリシロキサン類などのシラン化合物の1種以上を塩酸などの触媒で加水分解させて重縮合させたものなどが挙げられる。
中間層4の厚さは、特に限定されないが、0.1μm以上、10μm以下が好ましく、これにより、簡便に中間層4を形成できる。特に、中間層4を形成する方法として、後述する簡便な塗布方法が適用でき、製造コストが抑えられ安価な積層体1が実現できる。また、基材2と構造体3との密着性と、可撓性を改善でき、優れた耐久性が実現できる。
中間層4の厚さが、0.1μm未満の場合、基材2と構造体3との密着性と、可撓性を十分に改善できず好ましくない。また、中間層4の厚さが、10μmよりも厚い場合、積層体1の可撓性が悪化してしまうため好ましくない。
また、中間層4中のメソポーラス微粒子5の含有量も、特に限定されないが、1重量%以上、70重量%以下が好ましく、これにより、メソポーラス微粒子のアンカー作用を十分に得ることができ、積層体の可撓性(屈曲時の密着性)を著しく向上させることができる。
メソポーラス微粒子5の含有量が70重量%よりも多い場合、中間層4の表面平滑性が悪化するため好ましくない。また、メソポーラス微粒子5の含有量が1重量%よりも少ない場合、中間層4と構造体3との密着性が十分に向上しないため好ましくない。
前記中間層4は、例えば、メソポーラス微粒子5と結合剤を所定の混合比で混合し、得られた混合物を、スピンコート法,ロールコート法,スプレーコート法,デイップコート法,グラビアコート法,ナイフコート法,又はその他の公知のコーテイング方法によって基材2上に塗布することによって形成できる。
なお、中間層4には、ジブチルフタレートなどの可塑剤、メソポーラス微粒子5を結合剤中に分散させるための各種界面活性剤やレベリング剤などが微量加えられていても構わない。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
表1は、実施例にて使用したメソポーラス微粒子の諸特性や結合剤の種類、形成した中間層の厚さ、構造体を構成する膜の構成材料を示す。
これら材料を用いて、以下に示されたようにして、基材上に中間層,構造体を形成し、積層体を製造した。
Figure 2005119128
[実施例1]
(A)中間層形成用の塗布液の作製
以下の原料を混合した後、超音波分散器にて分散処理を行って塗布液を作製した。
メソポーラス微粒子;メソポーラスシリカ微粒子(平均一次粒子径0.15μm,平均空孔径11nm,空孔容積75%)100g
結合剤;ポリエステル樹脂(東洋紡(株)社製 バイロン 300)900g
溶媒;トルエンとメチルエチルケトン(MEK)の混合溶媒(重量比8/2)3000g
(B)基材上への中間層の形成
前記塗布液を、基材となる厚さ188μmのPETフィルム上に、ロールコーターを用いて塗工し、次いで100℃にて乾燥し、厚さ0.5μmの中間層を形成した。
(C)構造体の形成
前記中間層上に、構造体として、厚さ80nmのITO膜(透明導電性膜)を、以下の条件にてDCスパッタリング法により形成し、積層体を製造した。この積層体は、透明電極として機能させることができる。
ターゲット;In:Sn=90:10(モル比)の合金
反応ガス;ArとOの混合ガス
内圧;2×10−1Pa
[実施例2]
メソポーラス微粒子として、平均一次粒子径0.04μm,平均空孔径1.5nm,空孔容積62%のメソポーラスシリカ微粒子を用い、かつメソポーラスシリカ微粒子を30g、ポリエステル樹脂を970g添加し、メソポーラス微粒子の含有量を3重量%とする以外は、実施例1と同様にして中間層を形成した。
そして、実施例1と同様の方法により、中間層上に、厚さが70nmのITO膜を形成し、積層体を製造した。
[比較例1]
メソポーラスシリカ微粒子を含有せず、ポリエステル樹脂のみからなる中間層を形成する以外は、実施例1と同様にして積層体を製造した。
[比較例2]
メソポーラス微粒子として、平均一次粒子径0.3μm、平均空孔径20nm、空孔容積72%のメソポーラスシリカ微粒子を用いる以外は、実施例2と同様にして積層体を製造した。
前述した実施例1,2と比較例1,2について、得られた透明導電性膜の表面抵抗,全光線透過率,ヘーズを常法により測定した。
更に、JISK5400に規定される碁盤目試験を行い、目視により構造体の剥がれ状態を観察し、構造体の密着性を評価した。
また、以下の方法により屈曲性試験を行って構造体の可撓性と密着性を評価した。
図2に示されたIPC試験装置(JIS C5016)を用いて、積層体を、曲率半径(R)5mm、25Hzで10000回屈曲させた。その後、前記碁盤目試験を行い、目視により構造体の剥がれ状態を観察し、可撓性と密着性を評価した。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2005119128
構造体の導電性と透明性についてみると、実施例1,2と比較例1の積層体では、表面抵抗が比較的低く、また透明性に優れ、良好な特性を有する透明電極として機能させることができることがわかった。
しかし、比較例2の積層体では、表面抵抗が500Ω/□と高く導電性が悪く、また全光線透過率82%、ヘーズ3.5%であり、透明性が悪く、透明電極として要求される特性が得られなかった。
このように、メソポーラス微粒子の平均一次粒子径が、0.2μmよりも大きい場合、メソポーラス微粒子により中間層の表面平滑性が悪化してしまい、このような中間層上に構造体を形成すると、構造体の膜厚が不均一になり、構造体の機能(導電性,透明性)が低下してしまう。
次に、構造体の密着性についてみると、実施例1,2と比較例1の積層体では、薄膜層には全く剥れがみられず、良好な密着性を示した。これに対して、比較例2の積層体では、薄膜層に一部剥がれがみられた。
また、屈曲性試験の結果についてみると、実施例1と実施例2の積層体では、薄膜層には全く剥れがみられず、良好な可撓性と密着性を有することがわかった。
これに対して、比較例1の積層体では、薄膜層の大部分に剥がれがみられた。また、比較例2の積層体では、構造体は全て剥がれてしまった。
実施例1,2の積層体のように、基材と構造体との間に、平均一次粒子径が、0.01μm以上、0.2μm以下のメソポーラス微粒子を含有してなる中間層が設けられたことによって、構造体と基材とを優れた密着性で結合させることができ、また優れた可撓性が得られ、10000回屈曲しても構造体が剥れることが無く、優れた耐久性が実現できる。
[実施例3]
(A)中間層形成用の塗布液の作製
以下の原料を混合した後、三本ロールミルにて分散処理を行って塗布液を作製した。
メソポーラス微粒子;メソポーラスシリカ微粒子(平均一次粒子径0.04μm、平均空孔径2nm、空孔容積65%)300g
結合剤;アクリル系UV硬化ハードコート樹脂(三洋化成(株)社製 サンラッドRC−600)700g
(B)基材上への中間層の形成
前記塗布液を、基材となる厚さ188μmのPETフィルム上に、バーコーターを用いて塗工し、次いでハロゲンランプ(1000W)を30秒照射して硬化させて、厚さ4μmの中間層を形成した。
(C)構造体の形成
前記中間層上に、まず、ターゲットとしてTiを用い、また反応ガスとしてArとOの混合ガスを用いて、マグネトスパッタリング法により、厚さ100nmの酸化チタン膜(高屈折率膜)を形成した。
次いで、酸化ケイ素蒸着材料を用いて、EB蒸着法により、厚さ100nmの酸化ケイ素膜(低屈折率膜)を酸化チタン膜上に形成した。
以上により、酸化チタン膜(高屈折率膜)と酸化ケイ素膜(低屈折率膜)が積層されてなる構造体を形成し、積層体を製造した。この積層体は、反射防止膜として機能させることができる。
[比較例3]
メソポーラス微粒子を含有せず、アクリル系UV硬化ハードコート樹脂のみからなる中間層を形成する以外は、実施例3と同様にして積層体を製造した。
前述した実施例3及び比較例3について、得られた積層体の最低反射率を常法により測定した。
更に、実施例1,2と比較例1,2と同様に、薄膜層の密着性を評価した。また、曲率半径を10mmとする以外は、実施例1,2と比較例1,2と同様に、屈曲性試験を行って構造体の可撓性と密着性を評価した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2005119128
実施例3と比較例3の積層体では、最低反射率は0.1%であり良好な反射防止性を有することがわかった。
次に、構造体の密着性についてみると、実施例3と比較例3の積層体では、薄膜層には全く剥れがみられず、良好な密着性を示した。
しかし、屈曲性試験の結果をみると、実施例3の積層体では、薄膜層には全く剥れがみられず、良好な密着性を示したが、比較例3の積層体では、薄膜層は全て剥がれてしまった。
比較例3の積層体では、中間層にメソポーラス微粒子が含有されておらず、これにより基材と構造体との密着性や可撓性が改善されなかった。
[実施例4]
(A)中間層形成用の塗布液の作製
以下の原料を混合した後、三本ロールミルにて分散処理を行って塗布液を作製した。
メソポーラス微粒子;メソポーラスシリカ微粒子(平均一次粒子径0.1μm、平均空孔径2nm、空孔容積65%)400g
結合剤;エポキシ樹脂(旭電化工業(株)社製 アデカオプトマーKR510)600g
(B)基材上への中間層の形成
前記塗布液を、基材となる厚さ188μmのPETフィルム上に、バーコーターを用いて塗工し、200℃で乾燥硬化させて、厚さ3μmの中間層を形成した。
(C)構造体の形成
前記中間層上に、真空連続蒸着装置を用いて、アルミニウムを連続蒸着して、構造体として厚さ20nmのアルミニウム膜を形成し、積層体を製造した。この積層体は、反射膜として機能させることができる。
[比較例4]
メソポーラス微粒子を含有せず、エポキシ樹脂のみからなる中間層を形成する以外は、実施例4と同様にして積層体を製造した。
前述した実施例4と比較例4について、得られた積層体の反射率を常法により測定した。
更に、実施例1,2と比較例1,2と同様に、薄膜層の密着性を評価した。また、曲率半径を5mmとする以外は、実施例1,2と比較例1,2と同様に、屈曲性試験を行って構造体の可撓性と密着性を評価した。
得られた結果を表4に示す。
Figure 2005119128
実施例4と比較例4の積層体では、反射率は98%であり良好な反射性を有することがわかった。
次に、構造体の密着性についてみると、実施例4と比較例4の積層体では、薄膜層には全く剥れがみられず、良好な密着性を示した。
しかし、屈曲性試験の結果をみると、実施例4の積層体では、薄膜層には全く剥れがみられず、良好な密着性を示したが、比較例4の積層体では、薄膜層の一部に剥がれがみられた。
比較例4の積層体では、中間層にメソポーラス微粒子が含有されておらず、これにより基材と構造体との密着性や可撓性が改善されなかった。
本発明の積層体は、基材と構造体との密着性,可撓性に優れ、これにより高い耐久性を有しており、過酷な条件でも利用できる。このため、屋外等で利用されるタッチパネル方式の入力デバイス,フレキシブル太陽電池,また、持ち運びが可能なモバイル型のフレキシブルデイスプレイ,電子ペーパー,フレキシブル2次電池などに利用できる。
本発明の積層体の一例を示す概略断面図である。 IPC試験装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1‥‥積層体、2‥‥基材、3‥‥構造体、4‥‥中間層、5‥‥メソポーラス微粒子

Claims (4)

  1. 基材、単層膜若しくは2層以上の積層膜からなる構造体、及び前記基材と前記構造体との間に配される中間層から構成され、
    前記中間層は、平均一次粒子径が、0.01μm以上、0.2μm以下のメソポーラス微粒子を含有していることを特徴とする積層体。
  2. 前記メソポーラス微粒子は、その空孔容積率が30%以上、80%以下であり、かつその平均空孔径が0.5nm以上、10nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記基材が可撓性を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  4. 前記構造体をなす膜は、それぞれ0.01μm以上、5μm以下の厚さであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
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