JP2005118865A - 鋳包み成形用鋳造装置および鋳包み成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 乱流の発生を抑制するとともに鋳包み対象の板状部材が鋳造型に対して浮き上がることを防止し得る溶湯の流れを形成して、鋳造品質の向上を図る。
【解決手段】 鋳包み成形用鋳造装置は、鋳物品の鋳造成形時に板状部材を鋳包み成形するために用いられる。この鋳包み成形用鋳造装置は、溶湯が注湯されるキャビティ404が内部に形成されるとともに鋳包み対象の板状部材100が載置される型と、型に対して押さえ込む方向の力Fを板状部材に付勢する溶湯の流れ412をキャビティ内に形成する湯流れ形成手段410と、を有している。
【選択図】 図11

Description

本発明は、鋳物品の鋳造成形時に板状部材を鋳包み成形する鋳包み成形用鋳造装置および鋳包み成形方法に関するものである。
最近の内燃機関のシリンダには、シリンダヘッドの吸気ポート内に、タンブル板とも指称される仕切り板を設けたものがある。吸気ポートの吸気側端部に配置された気流制御弁を制御することにより、吸気ポートからシリンダボアに導入される吸気を仕切り板によって偏流させ、シリンダボア内で生じるタンブル流(縦渦流)を強化し、燃費の向上などを図るようにしている(特許文献1を参照)。
なお、本明細書では、仕切り板において、空気や燃料ガスの吸気が流入してくる側を「吸気側」、その反対側、つまりシリンダボア側を「シリンダ側」と称することとする。
シリンダヘッドを鋳造成形する場合には、金属製の仕切り板を吸気ポート成形用砂中子内に設置し、仕切り板を鋳包み成形することが一般的である。この吸気ポート成形用砂中子は、仕切り板の鋳包み代である両側縁部が中子から外部に突出ないし張り出した形状を有している。そして、シリンダヘッドの鋳造時には、吸気ポート成形用砂中子は鋳造型内のキャビティに載置されている。
しかしながら、キャビティに溶湯を充填する過程において、中子から突出した仕切り板の両側縁部が溶湯の流れによる力を受けて、中子が浮き上がる虞がある。中子が浮き上がると、製品としてのシリンダヘッドに対する吸気ポートの位置ズレが生じる。また、鋳造型に対する仕切り板の位置を正規の位置に保持できないことから、仕切り板の位置ズレも生じてしまい、所望のタンブル流を形成できない虞がある。また、仕切り板の両側縁部が乱流発生の起点となり、酸化物やガスの巻き込みにより、鋳造品質の低下を招くという問題もある。
したがって、鋳物品の鋳造成形時に板状部材を鋳包み成形する場合にあっては、鋳包み対象の板状部材を鋳造型に対して浮き上がらせることがなく、また、乱流の発生も抑制しなければならない。
特表2001−193469号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、乱流の発生を抑制するとともに鋳包み対象の板状部材が鋳造型に対して浮き上がることを防止し得る溶湯の流れを形成して、鋳造品質の向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成する請求項1に記載の本発明は、鋳物品の鋳造成形時に板状部材を鋳包み成形する鋳包み成形用鋳造装置において、
溶湯が注湯されるキャビティが内部に形成されるとともに鋳包み対象の前記板状部材が載置される型と、
前記型に対して押さえ込む方向の力を前記板状部材に付勢する溶湯の流れを前記キャビティ内に形成する湯流れ形成手段と、を有することを特徴とする鋳包み成形用鋳造装置である。
また、上記目的を達成する請求項7に記載の本発明は、鋳物品の鋳造成形時に板状部材を鋳包み成形する鋳包み成形方法において、
溶湯が注湯されるキャビティが内部に形成された型内に鋳包み対象の前記板状部材を載置し、
前記型に対して押さえ込む方向の力を前記板状部材に付勢する溶湯の流れを前記キャビティ内に形成しつつ前記板状部材を鋳包み成形することを特徴とする鋳包み成形方法である。
本発明の鋳包み成形用鋳造装置および鋳包み成形方法によれば、型に対して押さえ込む方向の力を鋳包み対象の板状部材に付勢する溶湯の流れを形成することから、乱流の発生を抑制するとともに板状部材が型に対して浮き上がることを防止することができ、鋳造品質の向上を図ることが可能となる。
以下、本発明に係る鋳包み成形用鋳造装置および鋳包み成形方法を、シリンダヘッド(鋳物品に相当する)の鋳造成形時に吸気ポート用の仕切り板(板状部材に相当する)を鋳包み成形する実施形態に適用した場合を例に挙げて、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の適用対象となる、吸気ポート14用の仕切り板100を有するシリンダヘッド10について説明する。なお、以下の説明では、吸気ポート14用の仕切り板100を、「タンブル板100」とも称する。このタンブル板100が、鋳包み対象の板状部材に相当している。
図1は、エンジンのシリンダヘッド10を示す概略断面図、図2は、吸気ポート14の軸直角断面図、図3は、シリンダヘッド10での気流状態を示す概略図、図4は、図3の概略平面図である。
図1および図3を参照して、シリンダヘッド10は、シリンダブロック11の上部に設けられ、インテークマニホールド12からの空気や燃料ガスからなる吸気流をシリンダボア13内に導入する吸気ポート14と、シリンダボア13内で燃焼した後の排ガスを排出する排気ポート15を有している。なお、図示のエンジンは、1気筒4バルブであり、吸気弁16および排気弁17が2つずつ設けられている。
吸気ポート14内には、吸気側(図3の外端側)からシリンダ側に向かって流れる吸気の流れ方向(白抜き矢印)に沿って仕切り板100が設けられている。仕切り板100の吸気側には、図3および図4に示すように、制御弁18が設けられたインテークマニホールド12が接続されている。吸気ポート14は、仕切り板100により、上部ポート14uと下部ポート14dに仕切られることになり、制御弁18により下部ポート14dを閉じると、吸気は、増速されて上部ポート14u内を流れ、シリンダボア13内で強力なタンブル流(縦渦流)を形成することになる。
図5(A)(B)は、本実施形態に係るタンブル板100を示す平面図および側面図である。
図5(A)(B)に示すように、実施形態に係るタンブル板100は、シリンダヘッド10の吸気ポート14を形成する後述の吸気ポート成形用砂中子200(図6を参照)に予め設置され、シリンダヘッド10の鋳造成形時に鋳包まれて、シリンダヘッド10の吸気ポート14を複数のポート(上部ポート14uと下部ポート14d)に仕切るものである。なお、以下の説明では、タンブル板100が予め設置された吸気ポート成形用砂中子200を、「ポート中子200」とも称する。
詳述すると、タンブル板100は、略矩形形状を有し、シリンダヘッド10の鋳造成形時に溶湯に鋳包まれることになる両側縁部Tcと、両側縁部Tcに連続するとともに吸気ポート14内で吸気の流れの上流側に配置されることになる吸気側端部Tbと、両側縁部Tcに連続するとともに吸気の流れの下流側に配置されることになるシリンダ側端部Taと、を備えている。両側縁部Tcよりも内方部分が、吸気ポート14内を仕切る仕切り部103となる。図中符号101および102は、それぞれ、両側縁部Tcにおける側端面101および厚み方向の端面102を示している。
タンブル板100の材質は、リサイクル性を考慮してアルミニウム合金を使用することが好ましい。
タンブル板100の板厚は、吸気ポート14内を流通する吸気の抵抗にならないように薄肉であることが望ましいが、タンブル板100の材質がアルミニウム合金の場合には、シリンダヘッド10鋳造品を熱処理する際の熱変形を防止する必要を考慮し、約1.5mm以上であることが望ましい。
タンブル板100の製造方法は特に限定されないが、同品質のものを簡便かつ安価に作製する観点から、プレス成形によりタンブル板100を作製することが好ましい。
図6(A)(B)は、タンブル板100が予め設置されたポート中子200を示す平面図および側面図である。また、図7は、ポート中子200を造型する型300を示す概略断面図、図8は、ポート中子200を造型する型300を破断してタンブル板100を露呈した状態で示す平面図である。なお、以下の説明では、ポート中子200を造型する型300を、「中子型300」とも称する。
シリンダヘッド10を鋳造成形する際には、まず、図7に示される中子型300を用いて、図6に示されるポート中子200が造型される。
ポート中子200は、シリンダヘッド10の鋳造成形時にタンブル板100を鋳包み成形する鋳包み成形用鋳造装置における型400内に載置して(図9を参照)、シリンダヘッド10の吸気ポート14を形成するものである。このポート中子200は、上述したタンブル板100が、その両側縁部Tcを溶湯に鋳包まれるように外部に突出して、予め設置されている。
外部に突出したタンブル板100の両側縁部Tcは、溶湯に鋳包まれたときの保持をより確実にする部分である。鋳包み代は、特に限定されるものではないが、例えば、約2mmに設定されている。
前記中子型300は、中子用上型301や中子用下型302などからなる複数の部分型から構成されている。これら部分型を突き合わせると、その内部には、ポート中子200を形成するためのキャビティ303が形成される。このキャビティ303内に、中子砂を吹き込み、押し固めてポート中子200を成形する。
図8に示すように、中子型300に予めタンブル板100を載置した状態で、中子砂を吹き込み、ポート中子200を成形する。このタンブル板100は、中子型300内でズレないように位置決めされ、中子型300の型合わせ面に形成された座にセットされている。つまり、中子用下型302のキャビティ周縁に載置された状態で保持されている。
中子型300内で成形されたポート中子200は、中子用上型301や中子用下型302などの部分型を図7中矢印で示す分割方向に分割することにより、中子型300から取り出される。なお、図7中符号201は巾木を示している。
図9は、シリンダヘッド10の鋳造成形時にタンブル板100を鋳包み成形する鋳包み成形用鋳造装置における型400を示す図であり、型400内にポート中子200などの各種中子を設置した状態を示す断面図である。なお、以下の説明では、鋳包み成形用鋳造装置における型400を、「鋳造型400」とも称する。
図9に示すように、ポート中子200は、シリンダヘッド10を成形するための鋳造型400に組み込まれる。鋳造型400は、上型401、下型402およびサイド型403からなり、ポート中子200を下型402とサイド型403の間で支持し、上型401で覆うと、内部にシリンダヘッド10を成形するためのキャビティ404が形成される。なお、図中の符号「405」は、ウォータージャケット成形用の中子である。鋳造法は、例えば、低圧鋳造法(LPDC)が採用される。
この状態で、湯口(図示せず)からキャビティ404内に、アルミニウム合金、その他の金属からなる溶湯を注湯すると、タンブル板100は、その両側縁部Tcが鋳包まれていき、溶湯が凝固すると、その両側縁部Tcの全体が固定され、図1に示すようなシリンダヘッド10が形成される。
図10(A)(B)は、シリンダヘッド500の鋳造成形時にタンブル板501を鋳包み成形する対比例における不具合の説明に供する図、図11は、本発明に係る鋳包み成形用鋳造装置および鋳包み成形方法の概念の説明に供する図である。また、図12(A)(B)は、溶湯の所定の流れをキャビティ404内に形成する湯流れ形成手段410の説明に供する図である。なお、湯流れ形成手段410は型400に組み込まれるものであるが、理解の容易のために、図10(A)(B)ではシリンダヘッド500の概略断面図を示し、図12(A)(B)ではシリンダヘッド10の概略断面図および左側面図を示してある。
図10(A)(B)を参照して、タンブル板501はポート中子における吸気経路を形成する部分に平行に設置されているため、シリンダヘッド500に対して、吸気ポートと同じ角度で設置されることとなる。シリンダヘッドを鋳造する工法としては、重力鋳造法、低圧鋳造法が一般的であり、型としては、砂型、金型が一般的である。また、鋳造方案は工法、型材、個取り数、要求品質、部品形状によって、引け巣欠陥、湯廻り不良の発生を最小限に抑えることを最優先に決定している。
しかしながら、タンブル板501があらかじめ設置されたポート中子を使用する場合においては、対比例のように湯口(ゲート)502、503を配置した場合には、溶湯が注湯される際に、タンブル板501の鋳包み部分が溶湯の整流を妨げる障害物となり、溶湯の流れに乱流が発生する。この溶湯の乱流は、酸化物の巻き込みや、ガス巻き込みなどの鋳造欠陥の原因となり得る。
さらに、溶湯が流れる際にタンブル板501の鋳包み部分が上向きの力Fuを受け、タンブル板501には、これを浮き上がらせようとする力が作用する。これによって、ポート中子に浮きが発生し、後加工でバリ仕上げが必要になるだけでなく、ポート中子やタンブル板501の位置精度も悪化することになる。図10(A)(B)は、低圧鋳造法で一般的な方案の一例を示したもので、注湯時に乱流の発生やポート中子の浮きが発生している。
そこで、この結果から、タンブル板100が予め設置されたポート中子200を使って鋳造する場合には、タンブル板100による乱流、ポート中子200の浮きを発生させない鋳造技術が必要であるという知見を得るに至った。
上記のように、鋳物品の鋳造成形時に板状部材を鋳包み成形する場合においては、注湯時の乱流による鋳造欠陥の発生を防止し、かつ、鋳包み対象の板状部材の浮き上がりを防止して、位置精度が良好な鋳造粗材を製造する要請がある。
本発明は、かかる要請に応えるため、図11の概念図に示すように、鋳包み対象の板状部材100がキャビティ404内で鋭角αを形成する任意の底面411を設定し、当該底面411と平行(図においては水平)な溶湯の流れ412を形成すれば、板状部材100による乱流の発生を可及的に抑制できるとともに、板状部材100の浮き上がりを押さえ込む力Fを発生させることができる点に着目して完成されたものである。
そこで、本発明に係る鋳包み成形方法は、溶湯が注湯されるキャビティ404が内部に形成された型内に鋳包み対象の板状部材100を載置し、型に対して押さえ込む方向の力を板状部材100に付勢する溶湯の流れ412をキャビティ404内に形成しつつ板状部材100を鋳包み成形するようにしたものである。また、この鋳包み成形方法を具現化した本発明に係る鋳包み成形用鋳造装置は、溶湯が注湯されるキャビティ404が内部に形成されるとともに鋳包み対象の板状部材100が載置される型400と、前記型400に対して押さえ込む方向の力Fを板状部材100に付勢する溶湯の流れ412をキャビティ404内に形成する湯流れ形成手段410を有するものである。湯流れ形成手段410は、鋳包み対象の板状部材100がキャビティ404内で鋭角αを形成する任意の面411に対して、鋭角の起点に向かい合う位置に配置されている。そして、湯流れ形成手段410を介して溶湯を前記面411と平行に注湯すれば、溶融金属を注湯するときに板状部材100の周辺での乱流の発生を防止することができる。さらに、溶湯が板状部材100の上面側を押さえるように流れる結果、型400に対して押さえ込む方向の力Fを鋳包み対象の板状部材100に付勢する溶湯の流れ412が形成される。これにより、乱流の発生を抑制するとともに板状部材100が溶湯の流れで型に対して浮き上がることを防止することができ、鋳造品質の向上を図ることができる。
湯流れ形成手段410は、板状部材と鋭角をなす面上に配置した湯口(ゲート)413から構成するのが好ましい。湯流れ形成手段410として特殊な部材を使用しなくとも、型に対して押さえ込む方向の力Fを板状部材100に付勢する溶湯の流れ412を簡便かつ安価に形成することができるからである。
本実施形態においては、板状部材100は、鋳物品としてのシリンダヘッド10の吸気ポート14を複数のポートに仕切るタンブル板100からなる。このタンブル板100は、その両側縁部Tcを溶湯に鋳包まれるように外部に突出して、吸気ポート14を形成するために型内に載置されるポート中子200に予め設置されている。
図12(A)(B)を参照して、本実施形態にあっては、溶湯の所定の流れ412をキャビティ404内に形成するための湯流れ形成手段410としての湯口413を、タンブル板100が燃焼室へのジョイント面10aと形成する鋭角の起点に向かい合う位置に配置してある。湯流れ形成手段410を介して前記ジョイント面10aと平行に溶湯が注湯されるので、注湯時において、溶湯は整流を維持して充填されることになる。また、溶湯が両側縁部Tcの上面側を押さえるように流れる結果、タンブル板100には型400に対して押さえ込む方向の力Fが作用し、ポート中子200の浮きの発生を防止して、ポート中子200およびタンブル板100の位置精度を確保することができる。したがって、乱流の発生を抑制するとともにタンブル板100が型に対して浮き上がることを防止することができ、鋳造品質の向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
図13(A)(B)(C)は、第2の実施形態に係る鋳包み成形用鋳造装置における溶湯補給手段420の説明に供する図である。なお、理解の容易のために、図13ではシリンダヘッド10の概略断面図および左側面図を示してある。
第2の実施形態は、湯流れ形成手段410に近接して溶湯補給手段420がさらに設けられている点で第1の実施形態と相違している。
前述した湯流れ形成手段410のみでは鋳物品に引け巣欠陥が発生する虞がある。図13(A)には、引け巣欠陥などが生じやすい部位を二点鎖線で囲んで示してある。このように引け巣欠陥が発生する虞がある場合には、第2の実施形態のように、キャビティ404内のうちタンブル板100が載置された部位とは異なる部位へ溶湯を補給する溶湯補給手段420を、前記湯流れ形成手段410に近接して設けるのが好ましい。溶湯補給手段420は、キャビティ404内のうちタンブル板100が載置された部位とは異なる部位に向かう溶湯の流れを形成する他の湯流れ形成手段としての機能を備えている。溶湯補給手段420は、湯流れ形成手段410による湯流れ形成機能を損なわない位置に設置することが重要である。
溶湯補給手段420は、例えば、湯口413から構成された湯流れ形成手段410に連通する溶湯補給通路421から湯流れ形成手段410と一体的に構成されている。かかる構成によれば、引け巣欠陥などが生じやすい部位に向けて溶湯補給通路421を通って溶湯が補給されるため、引け巣などの他の鋳造欠陥の発生をも抑制することができる。これにより、シリンダヘッド10全体の製品品質が向上する。なお、図13(A)中の矢印「410−M」は湯流れ形成手段410により形成される湯流れ方向を示し、矢印「421−M」は溶湯補給通路421を介しての溶湯補給方向を示している。
さらに、湯流れ形成手段410および溶湯補給手段420の両者は、製品としては不要なものであることから、シリンダヘッド10おける製品としての形状の外側に相当する位置に配置するのが好ましい(図13(A)参照)。このように構成すれば、図13(C)に示すように、鋳造工程の後工程において、切断機のカッタ430により、湯流れ形成手段410および溶湯補給手段420の両者を一工程で除去することができ、シリンダヘッド10に対する機械加工を容易かつ迅速に行うことが可能となる。
なお、鋳物品としてシリンダヘッド10を、鋳包み対象の板状部材としてタンブル板100を例に挙げて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、鋳包み対象の板状部材を鋳物品の鋳造成形時に鋳包み成形する、鋳包み成形用鋳造装置および鋳包み成形方法に広く適用できるものである。
また、型内に載置されるポート中子200(砂中子に相当する)に、タンブル板100(板状部材に相当する)の一部を溶湯に鋳包まれるように外部に突出して予め設置した実施形態について説明したが、本発明は、この場合に限定されるものではない。砂中子を用いることなく、鋳包み対象の板状部材が型に載置される形態にも本発明を適用することができる。
また、湯流れ形成手段410を湯口413から、溶湯補給手段420を溶湯補給通路421から一体的に構成した形態を示したが、本発明はこの場合に限定されるものではない。例えば、湯流れ形成手段410としての整流板を配置したり、溶湯補給手段420を湯流れ形成手段410とは別個独立して設けたりしてもよい。
本発明は、溶湯の乱流が発生することを抑制するとともに鋳包み対象の板状部材が鋳造型に対して浮き上がることを防止し得る溶湯の流れを形成して、鋳造品質の向上を図る用途に適用できる。
エンジンのシリンダヘッドを示す概略断面図である。 吸気ポートの軸直角断面図である。 シリンダヘッドでの気流状態を示す概略図である。 図3の概略平面図である。 図5(A)(B)は、本実施形態に係るタンブル板を示す平面図および側面図である。 図6(A)(B)は、タンブル板が予め設置されたポート中子を示す平面図および側面図である。 ポート中子を造型する型を示す概略断面図である。 ポート中子を造型する型を破断してタンブル板を露呈した状態で示す平面図である。 シリンダヘッドの鋳造成形時にタンブル板を鋳包み成形する鋳包み成形用鋳造装置における型を示す図であり、型内にポート中子などの各種中子を設置した状態を示す断面図である。 図10(A)(B)は、シリンダヘッドの鋳造成形時にタンブル板を鋳包み成形する対比例における不具合の説明に供する図である。 本発明に係る鋳包み成形用鋳造装置および鋳包み成形方法の概念の説明に供する図である。 図12(A)(B)は、溶湯の所定の流れをキャビティ内に形成する湯流れ形成手段の説明に供する図である。 図13(A)(B)(C)は、第2の実施形態に係る鋳包み成形用鋳造装置における溶湯補給手段の説明に供する図である。
符号の説明
10 シリンダヘッド、
14 吸気ポート、
100 タンブル板(鋳包み対象の板状部材、吸気ポート用の仕切り板)、
200 ポート中子(砂中子、吸気ポート成形用砂中子)、
300 中子型、
400 鋳造型(鋳包み成形用鋳造装置における型)、
404 キャビティ、
410 湯流れ形成手段、
410−M 湯流れ形成手段により形成される湯流れ方向、
411 板状部材と鋭角をなす面、
412 型に対して押さえ込む方向の力を板状部材に付勢する溶湯の流れ、
413 湯口、
420 溶湯補給手段、
421 溶湯補給通路、
421−M 溶湯補給通路を介しての溶湯補給方向、
Ta シリンダ側端部、
Tb 吸気側端部、
Tc 側縁部、
F 板状部材を型に対して押さえ込む方向の力。

Claims (7)

  1. 鋳物品の鋳造成形時に板状部材を鋳包み成形する鋳包み成形用鋳造装置において、
    溶湯が注湯されるキャビティが内部に形成されるとともに鋳包み対象の前記板状部材が載置される型と、
    前記型に対して押さえ込む方向の力を前記板状部材に付勢する溶湯の流れを前記キャビティ内に形成する湯流れ形成手段と、を有することを特徴とする鋳包み成形用鋳造装置。
  2. 前記湯流れ形成手段は、前記板状部材と鋭角をなす面上に配置した湯口から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鋳包み成形用鋳造装置。
  3. 前記板状部材は、その一部を溶湯に鋳包まれるように外部に突出して、前記型内に載置される砂中子に予め設置されていることを特徴とする請求項1に記載の鋳包み成形用鋳造装置。
  4. 前記板状部材は、鋳物品としてのシリンダヘッドの吸気ポートを複数のポートに仕切る吸気ポート用の仕切り板からなり、
    当該仕切り板は、その両側縁部を溶湯に鋳包まれるように外部に突出して、前記吸気ポートを形成するために前記型内に載置される吸気ポート成形用砂中子に予め設置されていることを特徴とする請求項1に記載の鋳包み成形用鋳造装置。
  5. 前記湯流れ形成手段に近接して設けられ、前記キャビティ内のうち前記板状部材が載置された部位とは異なる部位へ溶湯を補給する溶湯補給手段をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載の鋳包み成形用鋳造装置。
  6. 前記湯流れ形成手段および前記溶湯補給手段の両者は、前記鋳物品における製品としての形状の外側に相当する位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の鋳包み成形用鋳造装置。
  7. 鋳物品の鋳造成形時に板状部材を鋳包み成形する鋳包み成形方法において、
    溶湯が注湯されるキャビティが内部に形成された型内に鋳包み対象の前記板状部材を載置し、
    前記型に対して押さえ込む方向の力を前記板状部材に付勢する溶湯の流れを前記キャビティ内に形成しつつ前記板状部材を鋳包み成形することを特徴とする鋳包み成形方法。
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