以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
まず、図1は本発明が適用された実施例の留守番電話機能付き電話装置1の構成を表すブロック図である。
電話装置1は電話回線3を介して交換機5に接続されており、交換機5には電話回線7を介して、或いは更に図示しない他の交換機及び電話回線を介して他の電話装置が接続されている。
ここで、当該電話装置1(ここでは便宜上「被呼側」と呼ぶ)には、他の電話装置(ここでは便宜上「発呼側」と呼ぶ)のダイヤル操作に応じて、交換機5を介して断続的な呼出信号が入来する。そして、本実施例では、被呼側が予め交換機5に発呼側電話番号受信サービスの加入者であることを登録してあるならば、最初の呼出信号と次の呼出信号の間の無音区間において、交換機5を介して発呼側の電話番号(以下、発呼側電話番号という)と発呼者名と発呼時の時刻が当該被呼側に送られる交換システムになっており、アメリカではアナログの交換システムにおいて既に実用化されている。本発明は、このような交換システムを前提としたものである。
そして、電話装置1は、電話回線3に接続されて上記呼出信号,発呼側電話番号,発呼者名,時刻及び発呼側が電話を切った際に交換機5から送られてくる繰り返し信号(ビジトーン)等を受信すると共に、発信時のダイヤル操作に応じた選択信号(ダイヤル信号)を送信し、更に通話時におけるアナログ音声信号の送受信等を行う、回線制御用のネットワーク・コントロールユニット(以下、NCUという)9と、後述する各制御処理を実行するCPU11と、CPU11が実行する制御処理用のプログラムが格納されたROM13と、CPU11の演算結果等を一時格納するRAM15とを備えている。
更に、電話装置1は、NCU9によって受信されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換すると共に、当該装置内部で生成されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してNCU9に出力する音声LSI17と、当該装置が留守番電話モードにセットされているときに発呼側へ送出すべき応答メッセージ(以下、OGM:Outgoing Messageという),発呼側から送られてきた入来メッセージ(以下、ICM:Incoming Messageという),及び発呼側電話番号,名前,時刻などを記憶するための、記憶媒体(記憶手段)としてのダイナミックRAM(DRAM)21と、ワンタッチダイヤルや短縮ダイヤルといった自動ダイヤルが可能な電話番号を記憶するためのDRAM23と、ダイヤル操作用の複数の数字キーからなるダイヤルキー,当該装置の動作モードを留守番電話機能を作動させる留守番電話モードと留守番電話機能を作動させない在宅モードとの何れかに切り換えるためのモード切換キー,自動ダイヤルの電話番号を登録するための電話帳キー,ワンタッチ操作での発呼(発信)を行うためのリダイヤルキー,及びDRAM21に記憶されたICMの再生指令を行うための再生キー等が配設された操作部25と、電話番号や各種メッセージ等を表示するための、表示手段としての表示部27と、呼出音や再生したICMをスピーカ29を介して出力させるためのアンプ31と、上記各部を接続するデータバス33と、受話器35と、受話器35が当該装置の筐体から外されたときにオフするフックスイッチ37とを備えている。
このように構成された電話装置1での通常時における発信動作及び着信動作について概略説明する。
まず、発信時には、CPU11は、受話器35が外されてフックスイッチ37がオフしたこと(以下、この状態をオフフックともいう)をNCU9を介して検出し、その後、操作部25(ダイヤルキー)の使用者によるダイヤル操作に応じた選択信号をNCU9に出力する。すると、その選択信号はNCU9から電話回線3を介して交換機5に送出され、相手側の呼出が行われる。一方、着信時には、CPU11は、呼出信号が入来したこと(即ち着信があったこと)をNCU9を介して検出すると共に、その呼出信号に連動して所定の呼出音をアンプ31及びスピーカ29を介して出力する。そして、CPU11は、呼出信号の検出中にオフフックを検出すると、NCU9に電話回線3を閉結させて、受話器35での通話を可能にする。
次に、このような電話装置1において、上記モード切換キーによって当該装置の動作モードが留守番電話モードにセットされた場合にCPU11が実行する処理について、図2〜図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
図2は、留守番電話モード時の全体処理を表すフローチャートである。この処理の実行が開始されると、まず、ステップ(以下、単にSと記す)110にて、呼出信号が入来したか(着呼があったか)否かを判定する、呼出信号検出手段としての処理を実行し、着呼があったと判定した場合には(S110でYES)、続くS120にて、呼出信号と共に発呼側電話番号,発呼者名および時刻などが送られてきたか否かを判定する。この時1回目の呼出信号では呼出音を出力しない。そして、発呼側電話番号,発呼者名および時刻などが送られてきたと判定した場合には(S120でYES)、続くS130にて、その発呼側電話番号,発呼者名および時刻などを受信してそれらを対応させてRAM15に一旦格納すると共に、その発呼側電話番号,発呼者名および時刻を順次サイクリックに表示する。このとき発呼者名が送られてこなければ、発呼側電話番号を表示する。
なお、S130にて、その発呼側電話番号,発呼者名および時刻などを受信してそれらを対応させてRAM15に一旦格納すると共に、その発呼側電話番号,発呼者名および時刻の中から発呼者名を優先させてを表示部27に表示することも可能で、これにより、発呼者が誰なのかを容易に確認することができる。
このS130の処理が終了するか、或いはS120で何も送られてこなかったと判定した場合には(S120でNO)、S140に移行して、現在受信中の2回目の呼出信号に連動してスピーカ29から呼出音を出力し、続くS150にて、呼出音を所定回数(例えば5回)だけ鳴らしたか否かを判定する。2回目の呼出信号に応じて呼出音を出力するのは、1回目の呼出音でオフフックされた場合に発呼側電話番号などが表示されない恐れがあるためであるが、1回目の呼出信号に応じて呼出音を出力してもよい。そして、呼出音を未だ所定回数だけ鳴らしていないと判定した場合には(S150でNO)、続くS160にて、使用者が受話器35を外してオフフックされたか否かを判定し、オフフックされていないと判定すると(S160でNO)、S140に戻ってS140〜S160の処理を繰り返す。
また、S160にて、オフフックされたと判定すると(S160でYES)、S170に進んで、NCU9に電話回線3を閉結させる。即ち、呼出音を所定回数だけ鳴らす前に使用者が受話器35を外した場合には、電話回線3を閉結させて受話器35による通話ができるようにする。
そして、続くS180にて、使用者が受話器35を下ろしてフックスイッチ37がオンされた(以下、この状態をオンフックともいう)か否かを判定し、オンフックされたと判定するまで待機する。そして、オンフックされたと判定すると(S180でYES)、使用者の通話が終了したと判断して、続くS190にて電話回線3を開放させ、その後、前記S110に戻って着呼待ちの状態になる。
一方、S150にて、呼出音を所定回数だけ鳴らしたと判定した場合、即ち、呼出音が所定回数だけ鳴るまでに使用者が受話器35を外さなかった場合には(S150でYES)、S200にて、発呼側へ自動応答するための自動応答制御手段としての応答処理を実行した後、前記S110に戻る。
ここで、この応答処理(S200)は図3に示す如く実行される。即ち、応答処理の実行が開始されると、まず、S310にて電話回線3を閉結し、続くS320にて、DRAM21に予め記憶されているOGMを、音声LSI17及びNCU9を介して電話回線3に送出する。
そして、続くS330にて、OGMの送出が終了したか否かを判定し、OGMの送出が終了していないと判定した場合には(S330でNO)、続くS340にて、オフフックされたか否かを判定し、オフフックされていないと判定すると(S340でNO)、前記S330に戻ってS330,S340の処理を繰り返す。また、S340にて、オフフックされたと判定すると(S340でYES)、S350に進んで、OGMの送出を中止すると共に受話器35による通話を可能とし、続くS360にて、オンフックされたと判定するまで待機する。そして、S360でオンフックされたと判定すると(S360でYES)、S370に進んで電話回線3を開放させ、その後、当該処理を終了する。即ち、OGMの送出中に使用者が受話器35を外した場合には、受話器35による通話ができるようにしている。
一方、S330にて、OGMの送出が終了したと判定すると(S330でYES)、S380に移行する。そして、このS380にて、発呼側からのICMを録音するための録音処理を実行した後、当該応答処理を終了する。
ここで、この録音処理(S380)は図4に示す如く実行される。即ち、録音処理の実行が開始されると、まず、S410にて、上述したS130で発呼側電話番号,名前,時刻などが受信されており、それがRAM15に格納されているか否かを判定する。そして、発呼側電話番号,名前,時刻などが受信済みであると判定した場合には(S410でYES)、続くS420にて、その発呼側電話番号,発呼者名および時刻を、今から録音するICMと1対1に対応する属性情報(以下、ICM属性情報という)としてDRAM21に格納する記憶制御手段としての処理を実行する。
このS420の処理が終了するか、或いはS410で何も受信されていないと判定した場合には(S410でNO)、S430に移行して、電話回線3から入来するICMの録音を開始する。尚、この処理は、発呼側からのアナログ音声信号をNCU9及び音声LSI17を介してデジタル音声信号として取り込み、その音声信号に応じたデータ(録音データ)をDRAM21に格納する、といった手順で実行される。
そして、続くS440にて、録音中のICMに音声が含まれていない状態が所定時間以上継続したか否か、換言するならば録音中の信号が所定時間以上、非音声信号であるか否かを判定する、判定手段としての処理を実行する。尚、ここで判定される非音声信号とは、音を含まない無音信号,単一トーンの連続信号,或いは単一トーンの繰り返し信号(ビジトーン)といった信号であり、S440では、これらの非音声信号が所定時間以上継続して入来した場合に肯定判定される。
そしてS440にて、非音声信号が所定時間以上継続していないと判定した場合には(S440でNO)、S450に進んで、予め設定された録音時間が経過したか否かを判定し、その録音時間が経過していないと判定した場合には(S450でNO)、続くS460にて、オフフックされたか否かを判定する。そして、オフフックされていないと判定すると(S460でNO)、前記S440に戻って、S440〜S460の処理を繰り返す。また、S460にて、オフフックされたと判定した場合には(S460でYES)、S470に進んで、ICMの録音を中止すると共に受話器35による通話を可能とし、続くS480にて、オンフックされたと判定するまで待機する。即ち、ICMの録音中に使用者が受話器35を外した場合には、録音を中止して受話器35による通話ができるようにしている。
一方、S440にて、非音声信号が所定時間以上継続したと判定した場合には(S440でYES)、S490に移行して、その非音声信号部分の録音データをDRAM21から消去する、消去手段としての処理を実行する。ここで、ICMが始めから非音声信号で所定時間以上経過した場合には、そのICMの録音データは残らないこととなるが、ICMの録音を行ったことはDRAM21に記憶される。
そして、このS490の処理を実行した場合、S450で録音時間が経過したと判定した場合(S450でYES)、或いはS480でオフフックされたと判定した場合には(S480でYES)、S500に移行して、電話回線3を開放させる。そして、続くS510にて、今回録音したICMの録音データがDRAM21内にあるか否かを判定する、第2の判定手段としての処理を実行し、録音データがあると判定した場合には(S510でYES)、そのまま当該録音処理を終了する。また、S510にて、今回録音したICMの録音データがないと判定した場合には(S510でNO)、S520に進んで、ICM属性情報内の無音声フラグをセットした後、当該処理を終了する。尚、この無音声フラグは、対応するICMは一旦録音されたものの、それが最初から所定時間以上、非音声信号であったため、その全録音データがDRAM21から消去された旨を示すフラグである。
一方、図2におけるS110にて、呼出信号が入来しておらず着呼がないと判定した場合には(S110でNO)、S210に移行して、操作部25の再生キーがオンされたか否かを判定する。そして、再生キーがオンされていないと判定した場合には(S210でNO)、続くS220にて、操作部25に設けられた無音声モードキーが押されたか否かを判定し、無音声モードキーが押されていないと判定した場合には(S220でNO)、前記S110に戻る。
これに対しS220にて、無音声モードキーが押されたと判定した場合には(S220でYES)、S230に進んで、DRAM21内のICM属性情報(無音声フラグ及び発呼側電話番号、発呼者名および時刻)を読み込み、続くS240にて、上述した録音処理で無音声フラグがセットされたICMに対応する発呼側電話番号,発呼者名,時刻の内、発呼者名を優先させて、即ちDRAM21内に再生すべき録音データが残されなかったICMに対応する発呼者名を選別して、その発呼者名を表示部27に表示させる分別表示手段としての処理を実行する。ただし、発呼者名がICM属性情報に存在しない場合は発呼側電話番号を表示させる。
尚、この発呼者名はカーソルキーが押される度に順次発呼側電話番号,時刻と順に表示が繰り返され、また、無音声モードキーが押される度に次の発呼者名が順次表示される。また、無音声モードキーを一度押下すれば、録音データが残されなかったICMに対応する発呼者名,発呼側電話番号,時刻を順次サイクリックに表示するようにしてもよい。
また一方、S210にて、再生キーがオンされたと判定した場合には(S210でYES)、S250にて、上述した録音処理で録音されたICMを順次再生すると共に、再生するICMに対応した発呼側電話番号,発呼者名,時刻の内、発呼者名を優先的に表示部27に表示させる再生制御手段としての再生処理を実行し、その後S110に戻る。
ここで、この再生処理(S250)は図5に示す如く実行される。即ち、再生処理の実行が開始されると、まず、S610にて、録音処理によって録音されたICMがあるか否かを判定する。尚、この判定では、無音声フラグのセットされたICMも録音されたICMとして扱われる。そしてS610にて、録音されたICMがないと判定された場合には(S610でNO)、続くS620にて、表示部27にICMが無い旨のメッセージを表示してから当該再生処理を終了する。
一方、S610にて、録音されたICMがあると判定した場合には(S610でYES)、S630に移行して、今回再生するICMに対応した発呼側電話番号,発呼者名,時刻などがDRAM21に記憶されているか否かを判定し、発呼側電話番号,発呼者名,時刻などが記憶されていると判定した場合には(S630でYES)、続くS640にて、その発呼者名を優先させて表示部27に表示する。DRAM21に発呼者名が記憶されていなければ、発呼側電話番号を表示する。
尚、この発呼者名はカーソルキーが押される度に順次発呼側電話番号,時刻と順に表示が繰り返されるため、録音されたICMを聞きながら発呼側電話番号や発呼された時刻を確認することができる。
そして、S640の処理を終了するか、或いはS630にて発呼者名などが記憶されていないと判定した場合には(S630でNO)、S650に移行して、今回再生するICMに対応した無音声フラグをチェックすることにより、そのICMの録音データがDRAM21に記憶されているか否かを判定する。そして、ICMの録音データがあると判定した場合には(S650でYES)、続くS660にて、その録音データの再生を開始する再生手段としての処理を実行し、続くS670にて、図6に示す有音時処理を実行する。
ここで、図6に示すように有音時処理(S670)の実行が開始されると、まず、S710にて、録音データ(ICM)の再生が終了したか否かを判定し、ICMの再生が終了したと判定した場合には(S710でYES)、そのまま当該処理を終了するが、ICMの再生が終了していないと判定した場合には(S710でNO)、続くS720にて、操作部25のリダイヤルキーがオンされたか否かを判定する。そして、リダイヤルキーがオンされたと判定した場合には(S720でYES)、続くS730にて、現在再生中のICMに対応する発呼側電話番号がDRAM21に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合には(S730でYES)、続くS740にて、ICMの再生を中止する。
そして、続くS750にて、電話回線3を閉結し、続くS760にて、再生していたICMに対応する発呼側電話番号にダイヤルし、更に続くS770にて、オフフックされるまで待機する。つまり、S750〜S770の処理により、受話器35が下ろされた状態で発信を行う、所謂オンフックモニタ状態となる。
次いで、S770にて、オフフックされたと判定すると(S770でYES)、続くS780にて、受話器35による通話を可能にすると共に、通話が終わってオンフックされるまで待機する。そして、このS780にてオンフックを検出すると(S780でYES)、続くS790にて電話回線3を開放した後、当該処理を終了する。
また、S730にて、再生中のICMに対応する発呼側電話番号がないと判定した場合には(S730でNO)、S800に移行して、表示部27にエラーメッセージ(この場合には、ダイヤルできない旨を示すメッセージ)を表示させた後、前記S710に戻る。
一方、S720にて、リダイヤルキーがオンされていないと判定した場合には(S720でNO)、S810に移行して、操作部25の電話帳キーがオンされたか否かを判定する。そして、電話帳キーがオンされていないと判定した場合には(S810でNO)、前記S710に戻るが、電話帳キーがオンされたと判定した場合には(S810でYES)、S820に進んで、前記S730の場合と同様に、現在再生中のICMに対応する発呼側電話番号や発呼者名がDRAM21に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合には(S820でYES)、続くS830にて、自動ダイヤル(短縮ダイヤル)の登録枠に空きがあるか否かを判定する。そして、自動ダイヤル(短縮ダイヤル)に空きがあると判定した場合には(S830でYES)、続くS840にて、現在再生中のICMに対応する発呼側電話番号と発呼者名を、自動ダイヤルが可能な電話番号として空き短縮番号のうちの小さい番号に対応させて登録し、その登録された電話番号と発呼者名と短縮番号とを順次表示部27に表示した後、前記S710に戻る。
また、S820で発呼側電話番号や発呼者名が記憶されていないと判定した場合(S820でNO)、或いはS830で自動ダイヤルに空きがないと判定した場合には(S830でNO)、S800に移行して、表示部27にエラーメッセージ(この場合には、登録できない旨を示すメッセージ)を表示した後、前記S710に戻る。
つまり、この有音時処理では、ICMの再生中にリダイヤルキーが押されると、そのICMに対応した発呼側電話番号へダイヤル発信するようにしており、これにより、留守中に電話をかけてきた相手へ簡単に連絡できるようにしている。また、ICMの再生中に電話帳キーが押されると、そのICMに対応した発呼側電話番号や発呼者名を短縮ダイヤル用の電話番号として空き短縮番号と共に登録するようにしており、これにより、自動登録された短縮番号を操作(ダイヤル操作)することによって、後で簡単に電話がかけられるようにしている。
一方、図5のS650にて、今回再生するICMの録音データがDRAM21に記憶されていないと判定した場合には(S650でNO)、S680に移行して、図7に示す無音時処理を実行する。
尚、図7に示すように、この無音時処理(S680)は有音時処理(S670)とほぼ同様に実行され、図7において有音時処理と同じ処理については、図6におけるステップ番号に「200」を加えた番号を付している。但し、この無音時処理が実行される場合にはICMの再生が行われないため、無音時処理では、図6におけるS710に代えて、まずS915にて2秒間が経過したか否かを判定する点、及び、S930にて、再生しようとしているICM(実際にはDRAM21に記憶されていない)に対応する発呼側電話番号が記憶されていると判定すると(S930でYES)、直接S950に進んで電話回線3を閉結する点が異なっている。
従って、この無音時処理が実行された場合にも、リダイヤルキーが押されると(S920でYES)、そのとき再生しようとしたICMに対応する発呼側電話番号へダイヤル発信がなされ(S950,S960)、また、電話帳キーが押されると(S1010でYES)、そのICMに対応した発呼側電話番号や発呼者名が自動ダイヤル用の電話番号として空き短縮番号と対応した形で登録される(S1040)。
そして、図5に示すように、S670の有音時処理の実行を終了するか、或いはS680の無音時処理の実行を終了すると、S690に進んで、DRAM21内に次のICMがあるか否かを判定し、次のICMがあれば(S690でYES)、前記S630へ戻ってS630〜S690の処理を繰り返し、次のICMがなければ(S690でNO)、当該再生処理を終了する。
尚、DRAM21に記憶された発呼者名や発呼側電話番号などは、所定の消去キーが操作されるまでは消去されないようにしてもよいし、一度出力されたならば消去されるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施例の電話装置1では、留守番電話モードにセットされているときに、順次記憶する発呼側からのICMに夫々対応させて、発呼側電話番号や発呼者名をもDRAM21に記憶していき(S420)、再生キーが押されてICMを再生する際に、再生するICMに対応した発呼者名を優先させて表示部27に表示するようにしている(S640)。従って、発呼側電話番号だけを表示するのに比べ、誰から電話がかけられたのかを容易に確認でき、相手がメッセージを残さなかった場合でも、表示された発呼者名を見ることにより、留守中に誰から電話がかかってきたのかが容易に分かる。
そして更に、本実施例の電話装置1では、音声が含まれていなかったICMの録音データはDRAM21から消去するようにしている(S440,S490)。従って、発呼側電話番号や発呼者名を記憶するように構成したにも関わらず、DRAM21の記憶容量を抑えることができる。
また、本実施例の電話装置1では、音声が含まれていなかったICMに対応する発呼者名や発呼側電話番号を、無音声フラグにより識別してDRAM21に格納するようにし(S510,S520)、操作部25の無音声モードキーを押すことにより、その発呼者名や発呼側電話番号だけを順次表示できるようにしている(S220〜S240)。従って、本実施例の電話装置1によれば、メッセージを残さなかった相手を、発呼者名や発呼側電話番号だけを表示させて素早く知ることができる。
尚、上記実施例では、ICMを再生する際に、そのICMに対応する発呼者名を優先的に表示するものであった。換言するならば、ICMの再生指令と発呼者名や発呼側電話番号の表示指令とを共用したものであったが、例えば、DRAM21に記憶された発呼者名や発呼側電話番号の表示指令を行うための専用キーを設け、そのキーが押される度に、記憶された発呼者名や発呼側電話番号を順次表示させるようにしてもよい。そしてこの場合にも、相手がメッセージを残したか否かに関わらず、表示された発呼者名を見ることにより、誰から電話がかかってきたのかが容易に分かる。
また、上記実施例では、電話装置1が留守番電話モードにセットされている場合に、発呼者名や発呼側電話番号などを順次記憶し、その番号を後で表示できるものであったが、自動応答を行わない在宅モード(通常の電話モード)にセットされている場合にも、呼出信号と共に送られてくる発呼者名や発呼側電話番号などを順次DRAM21に記憶するようにし、所定のキーを押す度に、その記憶した発呼者名や発呼側電話番号などを表示するように構成してもよい。尚、この場合には、発呼者名や発呼側電話番号をDRAM21に記憶する処理が記憶制御手段に対応し、上記キーの操作に応じて発呼側電話番号を表示させる処理が表示制御手段に対応することとなる。
そして、このようにすることにより、相手先に無用な電話料金を課金させることがなく、相手先が何かの用で電話をしてきたことが分かる。また更に、留守番電話モードにセットしておかなくても、留守中に誰から電話がかかってきたのかが分り、商売等をしている人にとっては非常に便利である。
また、上記実施例では、発呼者名や電話番号の他に時刻も記憶されているので、いつ電話を受けたのかを表示を見るだけで確認することができる。
更に、上記実施例では、発呼者名,発呼側電話番号,時刻をカーソルキーで順次表示を繰り返すようにしたが、更に交換機から送られてくる情報が増えれば、追加して表示するようにしてもよい。また、表示部が大きければ、上記の情報を上から順に一度に表示するようにしてもよい。
また、DRAM21に記憶された発呼側電話番号,発呼者名,時刻などを通信管理レポートとしてプリントアウトするようにしてもよい。