JP2005117168A - リピータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数の干渉波を抑圧できるとともに、構成を簡素化したリピータ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 受信アンテナと、複数の送信アンテナと、該受信アンテナにおいて受信した信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、該ディジタル信号に含まれる複数の干渉信号を抑圧する干渉信号抑圧装置と、該干渉信号抑圧装置から出力される信号をアナログ信号に変換するD/A変換器と、該D/A変換器から出力される信号を分配する分配器と、該アナログ信号を増幅する前記送信アンテナに対応した複数の増幅器とを有することにより、複数の干渉波を抑圧できるとともに、構成を簡素化したリピータ装置を提供する。
【選択図】 図6
Description
こうしたリピータ装置は、基本的には受信アンテナにより受信した電波を増幅して送信アンテナを介して送信を行うものであるため、基地局のように専用回線を敷設する必要もなく、設備面でコストを低減できるというメリットがある。
このような場合、送信アンテナと受信アンテナを物理的に隔離させてアンテナ間の結合量を小さくする方法も考えられるが、こうした方法では、リピータ装置の設備規模が大きくなって、物理的に実施できない場合等があり、汎用性といった点で問題がある。
この方法によれば、再送された信号が干渉信号として付加された受信信号と送信信号の相関演算を行って干渉信号の残差成分を検出するが、この残差成分の検出の際に、再送する送信信号にCDMA信号における1チップ以上の遅延が付加されているため、リファレンス信号となる送信信号と干渉信号の残差成分との相関以外の信号との相関が低くなり、残差成分を精度良く検出できるといったメリットがある。
こうした問題に対応するために、移動通信システムのサービスエリアをセクタに分割して、複数の増幅器とアンテナを用いて、サービスエリア内において所望の電力を得ることも考えられる。
一方、干渉信号抑圧装置を単にデジタル化しても到来する干渉波の数に応じた抑圧回路が必要となる点については同様である。
また、従来のようにアナログ方式で回路を構成した場合、特に、所望の電力を得るためにサービスエリアのセクタ化を図ったシステムにおいては、信号を分割した際に生ずる分割損が発生し、この影響を抑制するために、例えば、電力補償回路といったような付加回路が新たに必要となるといった問題もある。
請求項1に係る発明は、サービスエリアを複数のセクタに分割し、受信信号を増幅して送信するリピータ装置であって、受信アンテナと、複数の送信アンテナと、該受信アンテナにおいて受信した信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、該ディジタル信号に含まれる複数の干渉信号を抑圧する干渉信号抑圧装置と、該干渉信号抑圧装置から出力される信号をアナログ信号に変換するD/A変換器と、該D/A変換器から出力される信号を分配する分配器と、該アナログ信号を増幅する前記送信アンテナに対応した複数の増幅器とを有することを特徴とするリピータ装置を提案している。
加えて、干渉抑圧されたデジタル信号が分配器により、送信アンテナ近傍に配置された各増幅器に分配され増幅されるため、信号分割に伴う分割損がほとんど生じない。
また、分割損が生じないことから、電力補償回路等の新たな回路が不要であり、リピータ装置の回路構成を簡素化できるという効果がある。
図1は、本発明に係るリピータ装置を含む通信システムを、図2は、リピータ装置のサービスエリアを複数のセクタに分割した場合の通信システムの概要を示している。なお、これらの図は、下り回線を例にとったものである。
図1の通信システムは、基地局1と、リピータ装置2と、端末3とから構成されている。リピータ装置は、受信した電波をこれと同一の周波数で増幅した後、送信アンテナ5を介して放射する機能を有することから、リピータ装置2の送信アンテナ5から受信アンテナ4への回り込みによる干渉信号の発生が問題となる。
一方、図2の通信システムにおいては、複数の送信アンテナ5a、5b、5cによりリピータ装置が構成されるため、これら複数の送信アンテナ5a、5b、5cから受信アンテナ4への回り込みによる干渉信号の発生が問題となる。
すなわち、各送信アンテナ5a、5b、5cから受信アンテナ4に各遅延時間間隔で到来する干渉信号をそれぞれA波、B波、C波とすると、干渉信号抑圧装置で観測される干渉信号の到来状況は図4になる。
図3に示す干渉信号抑圧装置では、例えば、干渉信号A波に対しては、干渉信号抑圧回路A´、B波に対しては干渉信号抑圧回路B´、C波に対しては干渉信号抑圧回路C´というように、これらの干渉信号をそれぞれ装置内の個別の干渉信号抑圧回路に割り当てて干渉信号を抑圧し、これを合成した信号を増幅して送信アンテナ5a、5b、5cから放射を行っている。
しかし、信号の処理をデジタルで行おうとすると、デジタル信号処理部のサンプリング周波数の逆数である単位時間幅で遅延時間が決定されてしまうため、干渉信号の遅延時間を誤差なく正確に再現することは、極めて困難である。
そこで、1つの干渉信号を低減させるために、2つの異なる遅延量の抑圧信号を用いている。
干渉信号抑圧装置15、18は、送信アンテナから出力された信号が受信アンテナに回り込むことにより生ずる干渉信号を抑圧する。高出力増幅器16、17は、送信する電波を増幅する増幅器である。
ここで、分配器20は、干渉信号抑圧装置15から出力され、アナログ信号に変換された信号を各送信アンテナ13a、13b、13cに対応づけた高出力増幅器16a、16b、16cに分配する。
同様に、図7は、移動局からの信号を合成して基地局に放射する、上り回線の構成を示している。
第1の実施例にかかるリピータ装置においては、受信信号をデジタル信号に変換し、複数の干渉信号を干渉抑圧装置15で抑圧できるため、リピータ装置の構成を簡素化することができる。ただし、干渉信号抑圧装置15から出力された信号をアナログ信号に変換した後、分配器20により分配して各高出力増幅器16a、16b、16cに信号を供給するため、分配損が問題となる。
ここで、A/D変換器22は、基地局向けアンテナ11から受信した信号をサンプリング周波数に応じて、デジタル信号に変換する。
分配器24を干渉信号抑圧装置23から出力されたデジタル信号を複数コピーしてD/A変換器25a、25b、25cに分配する。
したがって、アナログで構成されるリピータ装置のように、信号の分配時における分配損は問題とならない。
D/A変換器25a、25b、25cは、分配器24により分配されたデジタル信号をアナログ信号に変換する。
高出力増幅器16a、16b、16cは、送信する電波を増幅する増幅度の高い汎用増幅器である。
図9は、高出力増幅器16a、16b、16cの増幅歪を補償するために、分配器24とD/A変換器25a、25b、25cの間に増幅歪補償器26a、26b、26cを挿入したリピータ装置を示している。
このような回路を挿入することによって、通常、高出力増幅器16a、16b、16c内に構成されるA/D変換器を省略することができ、変換による劣化を低減することができる。
また、図10は、移動局からの信号をデジタル信号に変換して合成した後、干渉信号の抑圧を行って、基地局に放射する、上り回線の構成を示している。
相関積分器36a、36b、36cは、チップ遅延器32を通過した信号をリファレンス信号とし、所望波と干渉波の合成された信号から干渉波の振幅と位相を検出するための演算回路である。
但し、演算を有効に機能させるためには,予め干渉波の遅延を知っておく必要があるため、各相関積分器36a、36b、36cおよび位相振幅制御器35a、35b、35cには、対応する遅延器37a、37b、37cが設けられており、この遅延器37a、37b、37cで干渉波の遅延に相当する遅延を与えられた信号が入力される。
加算器34は、干渉波を含んだ所望波に位相振幅制御器35a、35b、35cにおいて生成された干渉抑圧信号を加算する回路である。
分配されたデジタル受信信号から回りこみによる干渉信号のレベルと位相とが検出される。
なお、このとき個々の相関積分器36a、36b、36cの相関積分における遅延量は異なっており、こうすることによって、検出対象である干渉信号の遅延にあわせた遅延量で相関積分が行われる。
Claims (4)
- サービスエリアを複数のセクタに分割し、受信信号を増幅して送信するリピータ装置であって、
受信アンテナと、
複数の送信アンテナと、
該受信アンテナにおいて受信した信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
該ディジタル信号に含まれる複数の干渉信号を抑圧する干渉信号抑圧装置と、
該干渉信号抑圧装置から出力される信号をアナログ信号に変換するD/A変換器と、
該D/A変換器から出力される信号を分配する分配器と、
該アナログ信号を増幅する前記送信アンテナに対応した複数の増幅器と、
を有することを特徴とするリピータ装置。 - サービスエリアを複数のセクタに分割し、受信信号を増幅して送信するリピータ装置であって、
受信アンテナと、
複数の送信アンテナと、
該受信アンテナにおいて受信した信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
該ディジタル信号に含まれる複数の干渉信号を抑圧する干渉信号抑圧装置と、
該干渉信号抑圧装置から出力される信号を分配する分配器と、
前記各送信アンテナの近傍に配置され、該分配器により分配された信号をアナログ信号に変換するD/A変換器と、
該アナログ信号を増幅する前記送信アンテナに対応した複数の増幅器と、
を有することを特徴とするリピータ装置。 - 前記干渉信号抑圧装置が、該A/D変換器から出力された信号に所定の遅延量を付加する遅延量付加手段と、
前記A/D変換器の出力信号と該遅延量付加手段の出力信号との相関演算を行って、干渉信号を検出する少なくとも1つの干渉信号検出手段と、
該それぞれの干渉信号検出手段において検出された干渉信号から該干渉信号と同振幅、同遅延でかつ、逆位相の抑圧信号を生成する少なくとも1つの抑圧信号生成手段と、
該抑圧信号生成手段において生成された抑圧信号を合成する抑圧信号合成手段と、
該抑圧合成手段において生成された信号と前記受信信号とを合成する信号合成手段とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたリピータ装置。 - 前記分配器が前記干渉信号抑圧装置から出力されたデジタル信号のコピーを複数生成することにより、信号を前記増幅器に分配することを特徴とする請求項2に記載されたリピータ装置。
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